香港カップG1

日本馬に有望と思われた主役の座は、遠かった。残り100メートル。大外にいたディアドラのストライドが、ひと追いごとに伸びた。脚色は際立っていた。しかし時すでに遅し。逃げたグロリアスフォーエバーが、1馬身前でゴールを駆け抜けた。「サングレーザーの後ろを追走した。スピードを上げてゴールまで、全力を出しました」とルメール騎手。昨年の覇者タイムワープをかわしての2着は、日本、香港の両方で1番人気に支持された馬として、せめてもの意地だった。

運がそっぽを向いた。前日に芝コースを視察した橋田師は「硬いね。もう少し雨が降ってくれた方がいい」と願った。レース当日は降雨が見込まれていたが、実際はぱらつく程度。高速決着が続く馬場に大きな変化はなかった。そのうえ少頭数。前哨戦で激しく競り合った逃げ馬2頭の先手争いもすんなり収まった。師は「ペースが落ち着いた。そこが差し切れなかった原因ですね」。鞍上ともども苦笑いするしかなかった。

3月のドバイターフは銅メダル(同着)。2度目の海外遠征も惜敗に終わった。ただ、その内実は全く違う。出国前から体を減らした前回と比較し「ドバイより良かった。ここまで差を詰めて、持ち味を出してくれた」。過程、実戦。あらゆる意味で手応えを得た師は、最後には笑顔だった。強い馬が勝つとは限らない。ただ、強さは見せた。「外国は3着、2着。次は1着を取りたいと思います」。銀メダルを堂々と掲げ、世界女王への道のりを歩み続ける。【柏山自夢】

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2017年のVTR

香港馬タイムワープが快勝。他馬をけん制してハナに立つとマイペースに持ち込み、直線突き放した。2着ワーザーと地元勢のワンツー。ネオリアリズムは道中折り合いを欠き、しまい伸びあぐね3着まで。4着ステファノス、5着スマートレイアー。

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