名馬の名がつくレースで記憶をたどり、語り合おう

<川崎競馬:ロジータ記念>◇4日目◇20日

ロジータ記念は、牝馬初の南関東3冠を達成し、16年12月に死んだ名馬ロジータ(15戦10勝、うち重賞8勝)を記念し、90年に創設された。

南関東で「●●記念」と馬名がつくレースは他にフジノウェーブ記念(大井)、ハイセイコー記念(同)、ダイオライト記念(船橋)がある。

フジノウェーブは、地方馬として初めてJBCスプリント(07年)を制した。ハイセイコーはいうまでもなく、競馬隆盛の一翼を担った「怪物」。ダイオライトは、戦前に英国から輸入され、初代の3冠馬セントライトを送り出したことで知られる。

南関東には、他に2つの「記念」レースがある。川崎のエンプレス杯は副称を「キヨフジ記念」という。キヨフジは川崎競馬出身で、51年のオークスで優勝。地方競馬出身として史上初の国営競馬(JRAの前身)G1制覇の快挙を達成した。

同じく川崎の「スパーキングレディーC」は、「ホクトベガメモリアル」とつく。エンプレス杯、川崎記念と当地の統一G1をともに連勝、「砂の女王」の異名を取り、ドバイで悲劇的な死を遂げたホクトベガをたたえている。

中央でも、現在はその名を冠したレースはシンザン記念、セントライト記念の2つしかない(共同通信杯は副称にトキノミノルがつく)。来年からは弥生賞が弥生賞ディープインパクト記念に改称される。

かつての名馬の名を持つレースに際し、記憶をたどり、語り合うのも競馬ファンの楽しみ。【今西和弘】