【大阪杯】重馬場2戦2勝のプラダリアに注目 時計のかかる馬場で生きるしぶとさ/水島コラム

大阪杯は馬場状態がポイントになる。先週は土、日とも道悪競馬で芝の傷みが目立ってきた。今週も週中に雨予報が出ておりタフなコンディションは避けられそうにない。水島晴之「G1の鍵 その一瞬」はプラダリア(牡5、池添)に注目した。これまで重馬場は2戦2勝。時計のかかる馬場で浮上の可能性を探った。

2月11日、ベラジオオペラ(右)との競り合いを制して京都記念を勝利したプラダリア
2月11日、ベラジオオペラ(右)との競り合いを制して京都記念を勝利したプラダリア

京都記念のプラダリアは完璧なレースをした。好位4、5番手の内でピタリと折り合い、無駄のない走りで4コーナーまで持ってきた。直線はどれだけ突き放すのか、という手応えだったが、思ったほどの伸びは見られず、ベラジオオペラに3/4馬身差まで迫られた。

最後の詰めに物足りなさも感じたが、過去最速の上がりが昨年の新潟記念(4着)でマークした34秒1なのを見ても分かる通り、それほど切れる脚はない。その一方でベラジオオペラに並びかけられてから、かわされない勝負根性、しぶとさが持ち味でもある。この得意な形に持っていくにはいくつか条件がつく。そのひとつが馬場状態だ。

重馬場では2回走って1、1着。道悪でなくても、前走のように上がりのかかる競馬(レースの上がり35秒7)では、無類の強さを発揮している。京都大賞典を勝った時も、上がり3ハロン35秒6でボッケリーニ、ディープボンドを競り落とした。G1級相手の瞬発力勝負では分が悪いが、ラストがもつれる展開なら、この馬のしぶとさが生きる。

 
 

馬体面の充実もパワーアップに拍車をかけた。3歳時は牡馬にしては線の細さがあり、450キロ台で推移していたが、前走は470キロに乗せて、ようやく芯が入ってきた。有馬記念(14着)で失速した当時とは馬の作りが違う。パワー勝負は望むところだ。

池添厩舎は先週の高松宮記念をマッドクールで制した。こういう厩舎の勢いもG1では大事。本格化したプラダリアが、荒れてきた馬場を味方に大駆けするシーンは十分考えられる。

【ここが鍵】週中に雨予報

阪神競馬場の芝コースは「内回り3、4コーナーから、直線にかけて内側に傷みが見られる」(JRA)とあるが、そこへ先週末の雨。23、24日はともに重馬場で行われ、日曜9R四国新聞杯(2000メートル、2勝クラス)の勝ち時計は2分1秒7と通常より1秒ほどかかった。今週も木、金曜日が一時雨の予報で降水確率は80~90%。週末に晴れたとしても、パンパンの良馬場は見込めない。タフさが求められる状況になれば、これまで高速決着や瞬発力勝負で足りなかった馬にもチャンスは出てくる。

■ステラヴェローチェ 道悪が得意

ステラヴェローチェも荒れた馬場は得意だ。不良のサウジアラビアRC、神戸新聞杯を快勝。高速決着にも対応できるが、他馬が苦にする分、道悪になればよりチャンスは広がる。前走の大阪城Sを勝ち、1年7カ月の長期休養明け3戦目で完全復活。皐月賞3着、ダービー3着などG1級の力があり、折り合い次第で上位争いに絡んでくる。

■リカンカブール 粘り込む形

中山金杯を制したリカンカブールも、着実に力をつけている。3走前の西宮Sでは自己最速の上がり33秒8をマークしたが、それほど速い脚を使えるタイプでなく、理想は先行して粘り込む形。脚質的にも今の馬場は合う。2000メートルは【5 1 0 1】。阪神4戦2連対。相手は強くなるが時計がかかれば一発があっていい。