ソダシ最大の勝因 激流を強気で攻めた吉田隼騎手の「信頼」/桜花賞

吉田隼騎手は強気に攻めた。好スタートのソダシを3番手に導く。途中から引っ掛かって先頭に出たメイケイエールの前半1000メートルは56秒8。「超」のつくハイペースだが、無理に控えることはしない。気分よく流れに乗せた。

直線は2番手ストゥーティの後ろ。外にジネストラという並び。スパートするには早いが、後続を気にして追い出しを待てば、内に押し込まれる危険がある。ソダシを信じて、ここでも攻めの姿勢を貫いた。

ジネストラを内から押し出すように進路を確保すると一気に前へ。外回りの直線は長い。ゴール前には急坂もある。それでも引く気はなかった。瞬発力ではサトノレイナスの方が上。阪神JFのように持久力勝負を選択。その判断が首差の勝利を引き寄せた。

新馬からずっとコンビを組み、ポテンシャルの高さも癖も知っている。心肺機能の良さも、並んでの勝負根性も、どれだけ長くいい脚が使えるかも。全部、頭に入っているから勝ちにいけた。これが継続騎乗の良さ。馬への「信頼」が1番の勝因だろう。

サトノレイナスは大外枠が影響した。スタートで出遅れて後方へ。ルメール騎手は割り切って直線勝負に懸けたが、どうしても外めを回る形に。4角では馬群に潜り込んで、うまくさばいてきたが、勝ち馬とはポジション、通ったコースが違いすぎた。

あれほど速い流れでもレースの上がりは34秒3。今の阪神は前が止まらない。4角10番手以降で掲示板に載ったのは、この馬1頭だけ。上がり最速32秒9には正直驚いた。負けて強し。五分のスタートから中団で競馬できていたら・・・。あらためて潜在能力の高さを示した。

ソダシ(2021年4月11日撮影)
ソダシ(2021年4月11日撮影)