川田の積極逃げがコントレイルの体力奪った/大阪杯

<大阪杯>

レイパパレは、川田騎手の「2強」の体力を奪う逃げが功を奏した。スタートから1000メートルのラップタイムは11秒台1回、12秒台前半が4回。道悪にしてはかなり速い。いったん12秒8に落とすが、すぐに12秒2-12秒1-11秒6とラップを上げていく。ちょうどコントレイルが追い上げにかかったところ。ライバルに息を入れさせず、脚を使わせたのが勝因だ。

ゴール前の200メートルはさすがに13秒1を要したが、後続も余力はなかった。422キロの小さな体に秘めたパワー。2着に4馬身差は完勝だ。ここ2戦、控えて掛かる面を見せていたが、先頭を走らせることでリズム良く運んだ。馬の気性、馬場状態を考慮した積極策が「新怪物」を誕生させた。

一方、コントレイルは3着に沈んだ。矢作師は「馬場に尽きる」と道悪を敗因に挙げた。確かに本来のスピード、切れを生かせないコンディションだが、他馬も条件は同じ。福永騎手は「思っていたより馬場が悪くなって、最後は苦しくなった」とコメントした。のめって進んでいかなかったのか、それとも重い芝に体力を削られたのか。後者だとすれば、力負けと言わざるを得ない。

勝ち馬は別にしても、後ろから来たモズベッロに差されたのは案外。せめて2着はほしかった。近年の日本競馬は速い時計が主流となり、スピード、瞬発力では世界トップレベルといっていい。その半面、欧州の深い芝、重馬場では力を出し切れずに終わる。凱旋門賞でもそんなシーンを多く見てきた。コントレイルも「高速馬場」仕様の走りが敗因の側面にあったのかもしれない。

大阪杯を制したレイパパレ(左から2頭目)。左は3着のコントレイル、右端が2着モズベッロ
大阪杯を制したレイパパレ(左から2頭目)。左は3着のコントレイル、右端が2着モズベッロ