クロノジェネシスの圧勝は3つの要素かみ合った結果

<宝塚記念>◇28日=阪神◇G1◇芝2200メートル◇3歳上◇出走18頭

馬の成長、人の成長、そして馬場。クロノジェネシスの圧勝は3つの要素がかみ合った結果でしょう。

馬は当日発表で10キロ増の464キロ。昨年5月のオークス(432キロ)からすると32キロ増です。体重を増やすだけなら、食べさせて調教を控えればいいですが、能力はアップしません。しっかり食べて、強い調教に耐えた馬が強くなっていくのです。ジェネシスはこの中間もしっかり乗られた上での馬体増でした。まだ4歳。まだ強くなります。

鞍上・北村友騎手の優勝インタビューは印象的でした。「この手応えなら絶対に伸びると思いました」。デビュー戦からずっとコンビを組んでいます。いいところも悪いところも熟知していました。スタートを決めて、中団の外で呼吸を合わせることに専念。必要以上に相手を意識せず、ジェネシスのリズムを守り、4コーナーでは持ったままで先行集団の外にいました。

いざ追い出すと、後続はみるみる離れました。6馬身差。良馬場でも勝ち負けだったと思いますが、この着差は馬場の影響です。9Rごろに大雨が降り、良からやや重へ悪化。重馬場の京都記念で強い勝ち方を見せていたジェネシスに向く馬場でした。2着キセキも不良馬場の菊花賞を制した道悪巧者。巧拙がはっきり出る馬場になりました。

特殊な競馬になればなるほど、騎乗馬のいろんな面を知っていることが大事になります。ジェネシスの鞍上に北村友騎手を起用し続けた馬主、厩舎、牧場に拍手ですし、期待に応えて自信を深め、技術も向上させた騎手自身にも拍手です。

1番人気サートゥルナーリアは4着でした。血統的に道悪をこなせるとみていましたが、得意ではなかったのでしょう。向正面で外からキセキが上昇した時に、馬群の中で動くに動けなかったのも響きました。

そのキセキは2年連続の2着です。道悪も味方しましたが、ゲートを出ましたし、中間の入念な調整も実ったと思います。

無観客競馬が続いた上半期でしたが、3歳では牡馬、牝馬とも無敗の2冠馬が誕生しました。秋にジェネシスやアーモンドアイとの対戦があるのか、楽しみです。(JRA元調教師)

クロノジェネシスで宝塚記念を制し、鞍上で天を仰ぎ1番ポーズをみせる北村友騎手
クロノジェネシスで宝塚記念を制し、鞍上で天を仰ぎ1番ポーズをみせる北村友騎手