グリット&ベルジュールの2頭軸/朝日杯FS

昔から、視力の良さが自慢だった私は、学校の健康診断で検査できる限界の好成績をたたき出し、尊敬のまなざしで見つめられていた。

さらに耳もよく、ヒトが聞こえる音の上限値をやや超えていると、医者を驚かせたこともあった。

しかしここ数年でずいぶん衰えてしまった。裸眼では映画のスクリーンの字幕がろくに読めず、先日、ついにメガネを作った。

その上、原因不明の難聴にかかり、左耳の低音だけ、聴こえづらくなってしまったのだ。

老いというよりは、子供のころが異常だっただけな気もするが、それでも、なんとなく悲しくなってしまう。

大学院生とは思えない辛気臭い導入となってしまったが、2歳馬レースが続いているのだ、仕方がないだろう。

今週末阪神競馬場で行われるのは、朝日杯FSである。先週の阪神JFの牡馬版だと思っていただいていいだろう。

阪神JFでは、勝ってほしいと思いつつも頭から買わなかった馬が優勝し、悔しい思いをした。

やはり、勝ってほしい馬は買うべきなのだ。2歳の1600mなんて、何が起こるかわからないのだから。

さて、私の軸馬は以下だ。

(5)マイネルグリットは、決して人気馬ではない、穴馬だ。前走こそ崩れたものの、9月の小倉2歳Sでは、今回出場する人気馬を軒並みおさえて優勝している。さらに新馬戦を勝った1600mの走りが特にすばらしく、距離についての不安もない。一度の惨敗で人気がずいぶん下がっているが、正直なところ、今レースは荒れると私は読んでいる。好枠を引いたマイネルグリットなら、首位のままゴールまで走り抜けることも、十分に考えられる。

(12)レッドベルジュールは、出場馬唯一のディープインパクト産駒だ。戦績は2戦2勝、いずれも強い競馬だった、前走では出遅れながらも、上り33秒8という末脚で2着に1馬身半差をつけた。私はこの馬が好きだ。父馬に似たのか小柄で、大きな瞳がかわいらしいが、いざレースとなると目つきが変わり、負けん気の強い性格がうかがえる。走りはしなやかで力強く、新馬戦では阪神の坂も経験している。先週の阪神JFでは、有力馬が外枠で勝つことができなかったが、この馬なら勝てる気がしている。前目からするりと抜け出せられれば勝てるだろう。スミヨン騎手にも期待である。

他の有力馬は以下だ。

(2)ビアンフェ。先週のレシステンシアと重なる点が多く、人気しそうな馬だ。この馬を本命にするかどうか、今も迷っているくらいアツい馬なのだが、レシステンシアとこの馬は違う馬だ。それに、この馬は3歳からが真骨頂な気もしている。もちろん、今レースでも馬券圏内は確実と見ている。

(4)トリプルエースは、前走までの反省からか、馬体重マイナス12キロとかなり絞ってきている。坂路での調教で、かなりパワーアップしていることは分かっている。追い切りも良いが、体重を一気に絞りすぎているのではないかという不安があるのも否めない。

(7)ウイングレイテストは、今週の調教タイムが出ていないため人気しないかもしれない。だが輸送のため、本追切は1週間前に終わっていることを忘れてはいけない。そういう意味ではおいしい馬券になるかもしれない。1600mの経験は豊富で、松岡騎手といつもの走りができれば、優勝まである馬だ。

(8)タイセイビジョンは強い馬だが、前走やや掛かっていた印象が強く、それから1か月半しか経っていないので、今回は馬券圏内までと期待している。

(15)メイショウチタンは、ロードカナロア産駒だ。新馬戦から前走の未勝利戦を勝つまでに5戦を要しているように、なかなかスロースターターな馬である。枠も外だし、この馬がここで優勝することはおそらくないと思うが、異母兄ステルヴィオのように、ふとした時に覚醒してG1を獲る日がきっと来るだろう。

以上から、私の今回の買い目は、3連単フォーメーション、(5)(12)→(2)(5)(7)(8)(12)→(2)(4)(5)(7)(8)(12)(15)である。

今レースも荒れるだろうか。若さあふれる走りを楽しみにしている。