レースの(L)ってなに? ポテトのサイズ?/坂井コラム第28弾

皆様いかがお過ごしでしょうか。

「一年の計は元旦にあり」なんてことを言いますが皆さんは今年の目標など立てられましたか? 私は「現役時代の体形と筋肉に戻す」ということを、目標の1つに掲げることにしました。「そんなん、興味ないし」と思わはりますよね。しかし私がここに宣言したのには理由があります。それは、私がとんでもない「三日坊主人間だから」です。すぐに飽きてしまう上に動くのが嫌いときています。お馬さんのこと以外はなかなか続きません(笑い)。なので、コラムで宣言してしまえばやるしかない! となるのではないかともくろんだからです。

そしてもう1つ「お馬さんや競馬の事をもう1度勉強してみよう」ということです。これには、ちょっとしたきっかけがありました。というのは、今年初めに競馬を見ていた時の事でした。レース名の横に(L)というマークがついていました。「このポテトのサイズのようなマークは一体何なんやろう・・・」と思っているとテレビのアナウンサーさんが「今年からリステッド競走はこの様に表記されます」と言いました。

「リステッド競走」、お恥ずかしながらピンっとこなかった私は(海外競馬では普通にあります。私が無知なだけです)そこからいろいろ引っ張り出して調べてみることにしました。すると「リステッド競走とは、競走体系上重賞競走に次ぐ重要なオープン競走をいい、日本グレード格付け管理委員会により決定され、(L)と表記される競走をいう」と書いてありました。(JRAの資料から抜粋しております)。これで(L)がポテトのサイズではないことは理解したのですが。アホすぎますね(笑い)。具体的に今までのオープン競走との違いがわかりませんでした。

調べていくと重賞競走の次に重要とされる競走。わかりやすく言うと「準重賞」。「G3」と「OP」の間に設置される競走。「OP」より若干賞金額が高いなどと書かれています。こうしてみると馬券を買う側にとってはさほど今までと変わりはないのかなと感じます。では、どこに一番影響があるのだろうかと思い調べているとこのような文面を見つけました。「競走体系上および生産の指標として・・・」「グレードおよびリステッド競走優勝馬は、セリ名簿においてブラックタイプ(太字)で記載されます」。これを読んで「なるほど」と感じました。

「サラブレッド」なので生産するうえで、血統は重要になってきます。そんな中セリ名簿においてブラックタイプで記載されているということは、重賞競走またはそれにつながる重要な競走の優勝馬であることが一目瞭然であり、生産者にとっても購入者にとっても重要な指標となるものなのだと感じました。

私が辞めてからのここ数年でいろいろ規定が変わったよなと感じながら、仕事から帰宅した相方さんに「今日、競馬を見てたらレース名の横に(L)って書いてあったからポテトのサイズやと思たわ」なんてことを言ってみたら「あなたね、競馬界にいたのやからそんなしょうもないこと言うたらあかんやろ。今、日本から海外へ挑戦する馬が多くなっているんやから日本の競馬のルールも海外水準になっていくんやし・・・」と白い目で見られてしまいました(笑い)。そしてとどめの一撃をくらったのです。

「あなた、新聞にコラムを書かせていただいてるんやから、もう少しお勉強した方がいいよ」と口調は優しいながらも、ごもっともな意見をいただきました。その正論を白目むきながら聞いていましたけどね(笑い)。

確かに、日本の競馬ルールはいろいろ変わってきています。例えば今年から降級制度がなくなること。これは、私が現役の頃からそんな形になることは言われていました。

降級は、また勝つチャンスもうまれるし、上のクラスではまだ少し力が足りなかったお馬さんにとってはチャンスにもなりましたが、そのようなことはなくなってしまいます。私のような厩務員さんからするとそのお馬さんと一緒に過ごす時間が短くなる可能性があるので寂しく思います。現役時代、降級制度で随分勝たせてもらったので特に思うんですけどね(笑い)。その半面、降級制度がなくなることによって「より強いお馬さん」が残っていくという形ができていくのでしょう。ファンの方からしたら、どちらが面白いのでしょう? レースに降級馬がいると人気がかぶるからいない方がいいんですかね?

また、今年3月から「JRA女性騎手減量制度」がスタートします。これは画期的な制度やなと感じます。やはり藤田菜七子騎手の活躍で切り開かれた道だと思います。これから入ってくる女性騎手もこの制度で騎乗機会が増える可能性があるし、活躍するチャンスが増える可能性が広がります。それは同じ女性としてとても楽しみです。と言いながら、個人的にはこの制度がもう少し早くできていたらな・・・なんて思ったりもしていました。

今、このコラムを書いている時に「藤田菜七子騎手、G1騎乗」と言うニュースを目にしました。お会いしたことはないですが、彼女の活躍が競馬界にいる女性たちには大きな力になると思いますし、ほんまに楽しみです。

これらの他にも新しくスタートする制度があるようなので、勉強しなければと思います。私も競馬の世界の片隅にいるものとして、努力しようと思います。まずは、お勉強とダイエットから始めてみますかね(笑い)。今回も「春競馬」とはあまり関係ないお話になってしまいましたが、この辺りで。皆様ごきげんよう。

坂井さんも活躍を楽しみにしている藤田騎手
坂井さんも活躍を楽しみにしている藤田騎手