セリで購買ニックスゴーがペガサスWC制し中東へ

23日のペガサスワールドカップ(G1、ダート1800メートル、ガルフストリームパーク)は断然の1番人気となったニックスゴーが逃げ切って優勝しました。B・コックス厩舎の5歳牡馬ニックスゴーは、2歳時のBCフューチュリティ、昨年のBCダートマイルに続く3度目のG1制覇。この勝利によってサウジカップ(ダート1800メートル、キングアブドゥルアジーズ)の優先出走権を獲得し、来月20日の本番に向けて中東へ旅立つ予定です。

ニックスゴーは日本のJRAにあたる韓国馬事会が、セリで購買した馬。近年、様々な事情で日本から種牡馬を求めることが難しくなっている韓国では、以前に増して米国を種牡馬の供給先と位置づけていますが、実績のある種牡馬を買うだけの予算はないので、有望な若馬を先物買いして種牡馬に育てる作戦を取っています。父がマイナー種牡馬のペインターでメリーランド州産のニックスゴーの購買価格は僅か8万7000ドル(約914万円)。ちょっと名のある種牡馬なら500万ドル(約5億2500万円)を下らないご時世に安い買い物だったと言えそうです。

この翌日の24日には香港のシャティン競馬場で注目の3つの重賞が行われました。12月のG1香港スプリント出走組によるセンテナリースプリントC(G1、芝1200メートル)、G1香港マイルで香港最強をアピールしたゴールデンシックスティが参戦したスチュワーズC(G1、芝1600メートル)、そして、昨年、ゴールデンシックスティが制して3冠につなげた香港クラシックマイル(芝1600メートル)です。

レースはほぼ順当な結果でした。センテナリースプリントCは香港スプリントで人気を裏切ったホットキングプローン(セン6、父デンマン)がJ・モレイラ騎手を鞍上にいつものように先行して直線気持ちよく抜け出して優勝。G1競走は7度目の挑戦で待ちに待ったG1タイトルの獲得となりました。

スチュワーズCはゴールデンシックスティが際どく差しきって優勝。12連勝を達成しました。結果オーライでしたが、このレースではゴール前300メートルあたりで鞍がずれるアクシデントがあったとのこと。鞍上のヴィンセント・ホー騎手も一瞬、肝を冷やしたようです。ゴールデンシックスティの次走はトリプルクラウンシリーズの2戦目となる2月21日香港ゴールドC(G1、芝2000メートル、シャティン)。香港の連勝記録はサイレントウィットネスが05年に達成した17連勝で、陣営はこれを目標に当分は国内に専念する模様です

4歳3冠シリーズの幕開けとなった香港クラシックマイルは、ジョン・サイズ厩舎、ブレッド・シン騎手が騎乗するエクセレントプロポーザル(セン4、父エクシードアンドエクセル)が直線で鮮やかに抜け出して優勝しました。今年の香港4歳世代はこの結果を見る限り、エクセレントプロポーザルが頭ひとつ抜けているようですが、前が詰まって苦労しながらも3着に追い上げたトゥールビヨンダイアモンド(セン4、父オリンピックグローリー)の勝負根性は特筆出来そうです。

4歳3冠は2月21日の香港クラシックカップ(芝1800メートル)、そして、3月21日の香港ダービー(芝2000メートル)へと続きます。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2021年1月28日現在。

2月から各地で展示会が始まります。今年もパンフレットをつくらせていただきました
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久しぶりに明治神宮に行ってきました。たくさんの絵馬!
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