破天荒で伝説的なピゴット騎手 英国滞在中は近所にピンク色の自宅が・・・

こんにちは。今週はイギリスでロイヤルアスコット開催が行われ、日本馬は2019年のディアドラ以来、3年ぶりにシャフリヤールとグレナディアガーズの2頭が出走します。今回はエリザベス女王即位70年を記念したプラチナジュビリー開催となり、賞金も増額され、特別な開催となっています。また、先日亡くなった英国が誇る伝説的騎手、レスター・ピゴットの功績をたたえて、追悼開催にもなると発表されました。

以前から、このコラムでレスター・ピゴット騎手についてご紹介したいと思っていたので、今回お話をさせていただきます。

ピゴット騎手はロイヤルアスコット開催で116勝を挙げ、ロイヤルアスコット開催の申し子であり、英国ダービー9勝の記録はいまだに抜かれていません。そして何よりも驚きなのは、1954年のダービーを18歳で勝利したことです。

長身で力強く追う騎乗フォームを改めて見ると、あの時代の騎手の中で1人だけ現代風に乗っているように見えます。当時では斬新な乗り方であり、今のヨーロッパスタイルの騎乗フォームの先駆者的な役割を果たしていると感じます。今の騎手に例えるなら、スミヨン騎手のスタイルが少し似ていると感じます。

ピゴット騎手の長い騎手人生には計りしないほどの逸話があると思いますが、個人的には私がイギリスで勉強していた頃、すぐそばにピンク色でとても個性的な家があり、どんな人が住んでいるんだろうと思い、周囲の人に聞いたらピゴット騎手の自宅だったので、非常に驚きました(笑い)。

ご存じの方も多いかとは思いますが、ピゴット騎手は騎手引退後いったんは調教師になったものの再び騎手に復帰し、わずか10日でブリーダーズカップマイルを制覇しました。その後もクラシックレースを勝つなど、信じられない騎手人生を送られています。今の時代では、このような破天荒な騎手が活躍をすることは難しいと思いますが、この人ほど競馬に愛された人はいないと思います。1度でいいから会って話をしてみたかったと心から思います。

今年のロイヤルアスコット開催では、どの騎手が大活躍するのか、また、国際馬たちも出走が多いのでどんなレースになるのか今から楽しみで仕方ありません。ぜひ、日本勢には歴史をつくって欲しいと願います。みんなで、テレビから応援しましょう!

(レースホースコーディネーター)

アスコット競馬場の直線。直線コースと周回コースの合流地点からしばらくして、残り2ハロン(400メートル)の棒が立っている
アスコット競馬場の直線。直線コースと周回コースの合流地点からしばらくして、残り2ハロン(400メートル)の棒が立っている
アスコット競馬場の場内にあるフラケンル像
アスコット競馬場の場内にあるフラケンル像
アスコット競馬場でおしゃれを楽しむ人たち
アスコット競馬場でおしゃれを楽しむ人たち