「競馬の神様」に愛される武豊騎手 ダービーに勝つベストポジションを知る

こんにちは。先週の日本ダービーは競馬場で生観戦されましたか? 近年まれに見る、素晴らしい日本ダービーだったというのが私の印象です。

ダービーオーナーになられたキーファーズの松島氏は、これまで数多くの高額馬をセリで購入してこられたことでも有名でした。これまでは金額に見合う活躍をする馬に、なかなか巡り合うことがありませんでしたが、ようやくドウデュースが、これまでの無念を払拭(ふっしょく)するような大きな大きな勝利をあげました。

ダービーオーナーになることは、一国の宰相になるより難しい、とは昔から世界中で言われますが、それほどのことを達成できたのは、松島オーナーの、武豊騎手や馬へ注がれてきた情熱のたまものだと感じました。

朝日杯の勝ち馬がダービー馬になったのはナリタブライアン以来です。現在、日本競馬が求めている早い時期からの活躍できることと、マイルからクラシックまでの距離をこなせること、この2つの力を持っていること証明したので、今後の種牡馬価値は計り知れないと思います。そしてオーナーには、武豊騎手と凱旋門賞制覇という大きな目標があり、夢はまだまだ続きますので、私たちもその夢を応援していきたいですね。

話はレース内容に移りますが、今回の勝因は位置取りが全てだったのではないかと感じました。それは過去に武豊騎手がダービーを制覇した映像を見ても、今回と同じような位置につけていることがお分かりいただけると思います。

たくさんの経験や努力から、ダービーを勝つためのベストポジションを導き出されたのだろうと思います。だからこそ20代、30代、40代、50代でダービージョッキーになられ、前人未到という言葉では言い表せないほどの金字塔を打ち立てています。武豊騎手ほど競馬の神様に愛された人はいないと感じているので、今後もますます国内外いろんな舞台の第一線で活躍すると思いますし、そう願うばかりです。

最後に、イギリスの最強騎手であるレスター・ピゴット氏の訃報という悲しいニュースがありました。ご冥福をお祈りいたします。また近いうちに、彼のことをコラムでご紹介したいと思います。

(レースホースコーディネーター)

朝日杯FSをドウデュースで制し、鞍上の武豊騎手とグータッチを交わすキーファーズ松島正昭代表(21年12月19日撮影)
朝日杯FSをドウデュースで制し、鞍上の武豊騎手とグータッチを交わすキーファーズ松島正昭代表(21年12月19日撮影)
ダービーを制したドウデュースと武豊騎手(撮影・丹羽敏通)
ダービーを制したドウデュースと武豊騎手(撮影・丹羽敏通)