クロノジェネシスためて爆発/大阪杯

大阪杯は瞬発力勝負になる。登録馬14頭の馬柱を見ると、前走で逃げた馬は1頭もいない。先行が2、3頭いるだけで、ほとんどが差し、追い込みだった。水島晴之記者の「G1前哨戦その一瞬」は、アップダウンが激しい流れの京都記念で折り合ったクロノジェネシス(牝4、斉藤祟)の末脚に注目した。

クロノジェネシスの緩急
クロノジェネシスの緩急

我慢は成長の証しクロノジェネシス

京都記念はアメリカズカップが大逃げした。ラップタイムを見ると、最初の1ハロンは13秒0だが、2ハロン目は一気に11秒4へ上がった。この時点で4番手クロノジェネシスは3馬身差。同馬も11秒台後半のラップを刻んだことになる。その後、逃げ馬は12秒4-12秒3-12秒0で飛ばしたが、2番手以降がペースを落としたため、1000メートル地点では約10馬身(時計にして1秒5前後)の差がついた。

つまり後続は11秒台から12秒台後半まで減速。馬の行く気をなだめながら、折り合い重視の追走となったことを示している。向正面で3番手に上がったクロノジェネシスは、2馬身前にステイフーリッシュ、併走内にドレッドノータス、外にガンコ。これまでなら掛かって体力を消耗してもおかしくない状況で、しっかり我慢が利いていた。このあたりが成長の証し。スタートから出していって、ポジションを取れるようになったのは収穫だ。

残り1000メートルから800メートルはレースラップが最も落ちて13秒1。2ハロン目の最速11秒4と比較すると1秒7も遅い。このアップダウンの激しい流れの中で、脚を温存できたのが後半の伸びにつながった。重馬場で上がり3ハロン35秒8(推定11秒9-11秒6-12秒3)の切れが使えたのは、遅いところでの「ため」が利いている。

馬体の成長も、瞬発力に磨きをかけた一因だ。前走は過去最重量の460キロ。馬体に幅が出てパワーアップは歴然。阪神JFや桜花賞では、折り合いを気にして後方からしまいを生かす競馬をしたが、今は正攻法でも同じ脚が使える。勝利の方程式は(折り合い+先行力)×体力=瞬発力アップだ。牡馬一線級でも力負けはしない。

リズム良く走れたダノンキングリー

<中山記念>

マルターズアポジー、ソウルスターリングが前半1000メートル59秒3で後続を離して逃げた。この2頭から6馬身差の3番手につけたのが勝ったダノンキングリー。後続とも3馬身差があり、1頭ポツンの追走でリズム良く走れたのが勝因。あれだけ楽に競馬できれば、しまいも伸びる。横山典騎手の手綱さばきが光った。ラッキーライラックは、勝負どころでキングリーに並べなかったが、2着を確保。次につながる競馬ができた。

カデナ展開待って差し切りV

<小倉大賞典>

前半から1度もペースが緩まず、最も遅いラップは12秒2が3回あるだけ。逃げたランスオブプラーナ、サイモンラムセスが13、14着に沈む追い込み競馬で、4角9番手のカデナが豪快な差し切りを決めた。自分から動くと甘くなる。展開待ちの競馬が合う。3着ジナンボーは厳しい流れの3番手から早めに動いた。ゴール前は脚が上がったが、一番強い競馬をしている。マイペースで行ければ粘り込みがある。

ブラストワンピース接触不利も力差見せた

<AJCC>

ブラストワンピースは、3角過ぎに故障馬と接触する不利を受けたが、4角で内に進路を切り替えて抜け出した。スムーズな競馬をした2着ステイフーリッシュをかわしての1馬身1/4差は力の違い。凱旋門賞帰りで調整の難しさがあった中、この競馬は評価できる。1度使った上積みもあり、やはり最有力の1頭だ。ステイフーリッシュは先行してしぶとさを生かした。主導権を握れば簡単にはばてない。展開次第では前残りがある。