ニッカンプロ野球

トップ

評論家コラム

【浜名千広】ソフトバンク、投手陣野手陣がお互いを「カバー」し合っている 一気に走る気配十分

ソフトバンク大津亮介(24年4月14日撮影)

ソフトバンクが、両リーグトップとなる10勝を挙げた。開幕から14試合。ほぼシーズンの1/10が終わったばかりだが、5球団との最初の対戦を終えて負け越しはなし。4連勝で北海道に乗り込むことになった。 開幕前に不安視された先発投手陣の奮闘は、すばらしい。14試合で先発陣の防御率は西武の1・71に次ぐリーグ2位の1・81。先発投手が状態を上げて開幕に入って来られた...

岡田の野球よ

【内匠宏幸】辛抱強い岡田彰布が決断した大幅な打線改造「強いチームは…」反攻への次なる手は

中日対阪神 7回表阪神2死二塁、中野の右前適時打で生還した前川を迎える岡田監督(右から2人目)(撮影・森本幸一)

その日の打順はどう決まる? これは各球団によって違いがある。阪神の場合は? 例えば星野仙一が監督だった2002、2003年は試合前、当時の打撃コーチだった田淵が原案を作成し、それをヘッドコーチの島野に提出。よほどのことがない限り、変更することなく星野に示される。そこで星野が「よっしゃ」となれば、GOサイン。試合に臨むことになる。 前回の岡田体制でも同様の手順...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】動いてしのいだ岡田阪神 さあ甲子園6連戦で借金返済だ

中日対阪神 阪神監督で球団歴代2位タイとなる484勝目を上げた岡田監督(撮影・上田博志)

<中日1-2阪神>◇14日◇バンテリンドームこちらの“浅知恵”を笑われている気もする。前日、ここで「苦しいときこそ今まで通り」と書いたことだ。想像以上に阪神に関する記事を読んでいる指揮官・岡田彰布である。その野球哲学なのだが、それも時と場合によるということか。「めっちゃ動くやん」。スタメンを見て、思った。 結果的に動かした2番・梅野隆太郎、8番・中野拓夢がそ...

番記者コラム・阪神

中日山本泰寛の強烈“恩返し”に刺激受ける豊田寛 原点の逆方向で2軍戦打率3割超

阪神対ソフトバンク 1回裏阪神無死満塁、豊田寛は右適時打を放つ(撮影・石井愛子)

阪神豊田寛外野手(26)は、青色のユニホームで躍動する先輩からおおいなる刺激を得ていた。 昨オフに阪神を戦力外となり、今季から中日でプレーする山本泰寛内野手(30)のことだ。13、14日の古巣阪神戦(バンテリンドーム)で計7打数4安打2打点。強烈な“恩返し”を決めた元チームメートの姿に「ちょっと複雑ですけど、でも、すごいです」と素直な心境を口にした。 昨年は...

野球手帳

低反発バット導入で懸念している新1年生の高校通算本塁打数の減少 プロ野球スカウトの見解は

甲子園球場のベンチ前に並ぶ新基準の低反発バット(2024年3月13日撮影)

今春から導入された新基準の低反発バットの影響で、センバツ大会の本塁打数が激減した。金属バットが導入された1975年以降最少の3本にとどまった。それにより、「高校通算本塁打数」も今後は増えにくく、大幅に減少していくことになるだろう。入学直後から低反発バットを手にする新1年生にとっては、モヤモヤするのではないか、と個人的にふと思った。 これまで記事で選手を紹介す...

評論家コラム

【大石大二郎】阪神の全打順組み替えは低調打線へ強烈なカツ 現状打開したいベンチの苦心見えた

14日の阪神スタメン(撮影・森本幸一)

<中日1-2阪神>◇14日◇バンテリンドーム現役時代は近鉄一筋17年で4度の盗塁王に輝き、オリックスで監督を務めた日刊スポーツ評論家の大石大二郎氏(65)が試合をチェック。1番から8番まで大胆に全打順を組み替えた阪神打線の意図を分析しました。【聞き手=松井清員】      ◇     ◇     ◇ 阪神が1番から8番まで全打順を組み替えたのは、低調な打線に...

評論家コラム

【谷繁元信】大谷翔平VSパドレス・バッテリー インハイ攻めにどう対応、無安打でも内容あり

ドジャース対パドレス 4回裏ドジャース2死二塁、三飛に倒れる大谷(撮影・菅敏)

<ドジャース5-2パドレス>◇13日(日本時間14日)◇ドジャースタジアム大谷翔平VSパドレス・バッテリーは深みのある攻防だった。開幕カードでも感じたが、パドレスはどう大谷を抑えるか、相当、研究してきている。ポイントはインハイの使い方にあった。 先発はナックルボーラーのウォルドロン。初回は1、2球目にナックルを続け、3球目でインハイにカット。3回は初球から内...

野球の国から

【海を渡る】WBCチェコ代表プロコップが再来日 声援と朗希の差し入れが近づけた9000キロ

<海を渡ること(2)>ドジャース大谷翔平投手(29)にスタンフォード大・佐々木麟太郎内野手(18)…島国の未来が、大海のかなたに広がっていく。渡った人、渡ってきた人、かつて渡った人。3人に「海を渡ること」を尋ねた。 BC神奈川に入団したミラン・プロコップ 国内独立リーグ、BC神奈川に入団したミラン・プロコップ内野手(21)は、あの感動を忘れない。 「日本の皆...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】苦しいときこそ今まで通り 踏ん張れ岡田阪神

中日対阪神 試合終了、中日に敗れ足早にベンチを後にする岡田監督(中央)(撮影・森本幸一)

<中日5-2阪神>◇13日◇バンテリンドーム波に乗れんなあ。そんな気持ちが強くなる日々だ。前日「この引き分けは阪神に分があるのではないか」と書いた。一般にドローは上位に有利だが、追いついて引き分けに持ち込んだことで流れが変わるかも…と期待したからである。 そして、この日の1回だ。中日メヒアから中野拓夢、大山悠輔が四球を選び、2死一、二塁。ここで5番・佐藤輝明...

評論家コラム

【権藤博】阪神大竹耕太郎5回に見えた「守り」の気持ちが落とし穴、周囲も含め「攻め」姿勢必要

<中日5-2阪神>◇13日◇バンテリンドーム阪神は先発の大竹が6回に崩れて、痛い逆転負けを喫した。この回、先頭田中にストレートの四球を出したのが、暗転劇の幕開けとなったが、その前兆は5回にあった。 中日対阪神 1回裏、登板する阪神先発の大竹(撮影・森本幸一) 4回までは芸術的な投球だった。さすがに昨年、1人で10個の貯金を作った左腕。制球、球威、テンポとすべ...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】引き分けは上位が有利だけど この日ばかりは…阪神今季初ドロー

中日対阪神 中日と引き分けた阪神ナインはマウンドでハイタッチをする(撮影・上田博志)

<中日2-2阪神>◇12日◇バンテリンドーム一般に引き分けが有利に働くのは上位チームだ。ゲーム差が縮まらないからで、終盤、僅差で順位を争っているときなどドローは上位にとって勝利同様の価値になる。「引き分けは上におる方にとってエエんや」。指揮官・岡田彰布も昨年、ドローに終わった後、そんな話をした。 その意味では中日にとって今季2度目、阪神は今季初めての引き分け...

評論家コラム

【中西清起】阪神低調な理由は攻撃陣にあり! 4番大山悠輔の奮起は不可欠

中日対阪神 7回表阪神1死、大山は柳に中飛に打ち取られる(撮影・上田博志)

<中日2-2阪神>◇12日◇バンテリンドーム阪神85年日本一の守護神で、05年のリーグ優勝時に投手コーチを務めた中西清起氏(61=日刊スポーツ評論家)が試合をチェック。阪神は延長12回でからくも引き分けたが、開幕から低調な理由は打線にあると解説。打率1割台の中軸トリオの中でも4番大山悠輔内野手(29)の奮起が不可欠と指摘しました。【聞き手=松井清員】    ...

野球の国から

【海を渡る】メキシコからNPB入り狙う下町育ち152キロ右腕根岸涼 4月上旬にまさかの展開が…

メキシコからNPB入りを狙う根岸投手

<海を渡ること(1)>ドジャース大谷翔平投手(29)は世界的なスター選手になった。佐々木麟太郎内野手(18)は花巻東を卒業し、夢を抱いて米スタンフォード大に進学した。島国の未来が、大海のかなたに広がっていく。渡った人、渡ってきた人、かつて渡った人。3人に「海を渡ること」を尋ねた。    ◇   ◇   ◇ 根岸涼投手(25)は東京の下町で育った。新小岩駅前の...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】中条あやみ“幻惑投球”にやられた 阪神打線はパニックにならず踏ん張ってほしい

阪神対広島 ファーストピッチを務め、右足を上げる中条あやみ(撮影・藤尾明華)

<阪神0-1広島>◇11日◇甲子園最近の芸能人はトンと分からないこちらでも知っている。中条あやみ。大阪出身なのも有名だ。試合前、球場内通路ですれ違うとき会釈したらぺこりと頭を下げてきた。なんと感じのいい。普段より通路に人が多いのは関係者も、ひと目、見たかったのだろう。 大入り満員の甲子園を試合前から沸かせたのも中条だ。始球式。右投げなのに右足を上げる。3度や...

番記者コラム・中日

松葉貴大がチームを21年以来3年ぶり5連勝に導く 4戦4敗の鬼門横浜スタジアムで初白星

中日松葉貴大(2024年4月10日撮影)

中日松葉貴大投手(33)が10日のDeNA戦(横浜)でチームを21年以来、3年ぶりの5連勝に導いた。今季初登板の左腕は、序盤からの打線の援護もあり、6回途中2安打1失点。中日への移籍以来、4戦4敗だった鬼門横浜スタジアムでの初白星でもあり、ヒーローインタビューでは最高の笑顔を振りまいた。 8日のナゴヤ球場で1軍投手練習に初合流した松葉の表情は、試合後の笑顔と...

評論家コラム

【里崎智也】ヤクルト高橋もったいなかった5四球目 唯一与えた悪い四球が先制点の足がかりに

ヤクルト対巨人 6回表、巨人の攻撃が終わりベンチに引き揚げるヤクルト高橋(撮影・鈴木正人)

<ヤクルト0-5巨人>◇11日◇神宮ヤクルト先発高橋は5回まで冷静に投げていた。最終的には四球が勝負を分けたが、負けた高橋のピッチングの中にいい四球と、悪い四球が、色濃く見える投球内容だった。 6回を4安打9奪三振での1失点。試合は作っている。5四球という数字を見ると、いかにも制球に苦しんだと思われがちだが、そうではなかった。 2回2死一、三塁。8番松原にフ...

評論家コラム

【中西清起】阪神、中軸動かすもなかなかはまらず 厳しいペナントレースになりそうな気配

阪神対広島 3回裏阪神2死一、三塁、遊ゴロに倒れたノイジーに厳しい視線を送る岡田監督(撮影・上田博志)

<阪神0-1広島>◇11日◇甲子園開幕から4カードを終えた阪神は巨人、DeNAに負け越し、ヤクルトには勝ち越したが、甲子園開幕カードとなった広島3連戦は1勝2敗で乗り切れなかった。 中西 このカードを戦うまでの広島は、阪神に対して苦手意識を持っていたはずだ。特に昨シーズンの甲子園での広島戦は、阪神の9勝2敗1分けと圧倒的な強さを見せられていたからだ。それが今...

岡田の野球よ

【内匠宏幸】19年前の岡田彰布の発言の真相「責任を取る」今も続く久保田智之との関係

阪神岡田彰布監督(右)と左は久保田智之投手コーチ(2023年10月9日撮影)

「アレ」から19年…。今回のアレとは2005年9月7日、マウンドで発した阪神監督、岡田彰布の言葉。「打たれろ。むちゃくちゃやったれ。オレが責任を取る」。9回裏1死満塁。投げる久保田はその時のことを、はっきりと覚えているのだろうか。 20年近く過ぎた今年、久保田と雑談した時、あのシーンに話題が移った。岡田が本当に「むちゃくちゃやったれ」と伝えたのかどうか。所説...

虎だ虎だ虎になれ!

【虎になれ】多い打線変更は苦しさの表れか 11試合で早くも9通り目の岡田阪神

阪神対広島 5番に佐藤輝を入れた阪神のスタメン(撮影・上田博志)

<阪神2-6広島>◇10日◇甲子園現状を考えれば、いきなり苦しい試合になった。先発・伊藤将司が乱調で2回までに6失点。2回にまわった最初の打席で代打を送られ、わずか49球で降板となった。序盤の6点を取り返す勢いは今の阪神打線にはないかもしれない。 それでも6番に入った森下翔太が4回に3号ソロを放ち、5番に戻った佐藤輝明も適時二塁打。さらにブルペン陣は相変わら...

野球手帳

センバツで阿南光を初の8強に導いたプレー 決勝打の福田修盛は父同様のヘッスラに思い込めた

熊本国府対阿南光 1回裏、阿南光福田は適時三塁打を放ちヘッスラ

息子もまた父と同じように甲子園の三塁ベースをめがけてヘッドスライディングした。そして黒土にユニホームを汚した。 高崎健康福祉大高崎(群馬)の初優勝で幕を閉じた2024年のセンバツ。31試合の中で、特に印象に残ったシーンがあった。阿南光(徳島)の福田修盛外野手(3年)が熊本国府との2回戦で初回に決勝の適時三塁打を放ち、ヘッドスライディングをした場面だ。父章さん...