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高梨沙羅4位 惜しくもW杯100度目表彰台お預け

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高梨沙羅4位 惜しくもW杯100度目表彰台お預け

高梨沙羅(2020年1月19日)

<ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人第8戦>◇25日◇ルーマニア・ルシュノブ(ヒルサイズ=HS97メートル)

高梨沙羅(23=クラレ)は4位で、王手をかけていた個人通算100度目の表彰台はお預けとなった。

1回目にK点越えの91メートルで4位で折り返すと、2回目は92・5メートルを飛んだが、順位を上げられなかった。

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蟻戸一永、宣言通りの2冠獲得「連戦は経験になる」

男子1万メートル 5000メートルとの2冠を達成した白樺学園・蟻戸(中央)(撮影・浅水友輝)

<全国高校スケート:アイスホッケー>◇25日◇帯広・明治北海道十勝オーバルほか◇スピードスケート男子1000メートルほか

宣言通りの王座奪還だ。男子1万メートルは18年全国覇者の蟻戸一永(白樺学園3年)が大会記録(11年、土屋良輔)を14秒38更新する13分39秒44で完勝した。

23日の5000メートルに続く全国王者に輝いた。高校ラストイヤーで初の全国2冠を果たし「2冠はしたことがないので非常にうれしいです」とはにかんだ。

志願の出場だった。2種目で金を獲得したユース五輪から18日に帰国。疲労を考慮され、当初は1万メートルには出場登録されなかったが5000メートルの走りを見た和田貴志監督(43)が前夜の夕食後に「1位を取るなら走っていい」と提案。蟻戸は「出ます」と即答した。レースでは6000メートルを超えたあたりから膝に手をつき、苦悶(くもん)の表情。それでも地元開催でチームメートからの声援に背中を押され「最後全力を振り絞るしかない」。2位に10秒35差をつける圧勝劇だった。

中学時代は全国制覇の経験がなく、同学年でチームメートの野々村太陽の後塵(こうじん)を拝した。それでも当時から攻めるスタイルを変えずに自分のスケートを確立した。「入学当初はむちゃくちゃだったけど、レースの組み立てもできるようになった」と同監督。屋外リンク開催の12月全道では2位。屋内での戦いを見据えて、あえて滑りを変えずに全国に照準を定めてきた。

月末の30日からは国体、来月21日には世界ジュニア選手権(ポーランド)が控える。蟻戸は「今後上のレベルで戦う上で連戦は経験になる。どの大会でもベストの滑りをしたい」。高校2冠の自信を胸に、世界に羽ばたく。【浅水友輝】

男子1万メートル 膝に手をつきながらも懸命に滑る白樺学園・蟻戸(撮影・浅水友輝)

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パナソニック3連勝 福岡代役の梶伊織3トライ躍動

トライを奪い仲間と喜ぶパナソニック梶伊織(中央)(撮影・平山連)

<ラグビー・トップリーグ:三菱重工10-62パナソニック>◇第3節◇25日◇神奈川・相模原ギオンスアジム

パナソニックが、三菱重工相模原に62ー10と大勝し、開幕3連勝を飾った。勝利の立役者はWTB梶伊織(27)だ。今季初スタメンで躍動し、自身も記憶にないという1試合3トライを決めた。前節まで同じポジションでプレーしていた19年ワールドカップ(W杯)代表の福岡堅樹(27)は7人制で東京オリンピック(五輪)を目指すため不在。その抜けた穴を埋める活躍で、チームを上昇気流に乗せた。

   ◇   ◇   ◇

梶が初スタメンの期待に応えた。前半44分に初トライを記録。勢いは衰えず、後半25分には左サイドでパスを受け、約20メートルを駆け抜け2トライ目。試合終了間際にもトライを奪い、1試合で昨シーズンのトライ数(2)を超えた。自身も記憶にないという1試合3トライのハットトリックに「率直にうれしいが、自分で打開できたわけではない」と反省も忘れなかった。

開幕戦からベンチ外が続いた。ポジション争いをする1学年下の福岡がいたからだ。19年W杯日本代表で、7人制で東京五輪日本代表を目指す福岡に代わり、今季初スタメンに抜てきされた。「準備はできていた。堅樹の代役とはできるだけ考えないようにした」と気負わず臨んだ。「試合では安易に蹴らないよう、チームで意識していた。誰かが蹴ったら、リアクションしようと思っていた」とハイボールの処理やサポートの早さなど特徴を生かそうと心掛けた。

3トライを奪い、この日はマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。しかし、浮かれた様子はない。「今日に関しては、仲間が頑張ってトライさせてくれた」とチームへのねぎらいを忘れなかった。

ディーンズ監督は新しく起用した選手のプレーを称賛し「チームとして機能したのは良い収穫だ」。梶は「どんなメンバーが出ても遜色なくできるのが、このチームの強み」と力説。3トライの活躍の余韻に浸ることなく、次を見据えていた。【平山連】

マン・オブ・ザ・マッチに輝いた梶(右)(撮影・平山連)

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スケボ監督、中国での五輪予選で新型肺炎に不安感

<自転車:キメラAサイド・ファイナル>◇第1日◇25日◇愛知県国際展示場◇BMXフリースタイル・パークなど

キメラAサイドを視察したスケートボード日本代表の西川隆監督(53)が、中国・武漢での新型ウイルスによる肺炎の拡大を心配した。

東京オリンピック(五輪)の予選大会は3月から再開されるが、うち4大会は中国各地で開催される予定。武漢市や近郊の都市での開催はないが、今後被害が拡大すれば影響が出る可能性もある。

SLS(ストリートリーグ)との協力で大会数が確保されているストリート種目はいいが、パーク種目は今後4大会だけ。うち2大会が中国開催で、5月には世界選手権を兼ねて南京で行われる。「さすがに、その頃までには落ち着くと思う」と同監督は話しながらも、不安を口にしていた。

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BMX中村輪夢が東京五輪「前哨戦」予選トップ通過

予選の走りを終え笑顔の中村(撮影・鈴木みどり)

<自転車:キメラAサイド・ファイナル>◇第1日◇25日◇愛知県国際展示場◇BMXフリースタイル・パークなど

BMXフリースタイル・パークの中村輪夢(17=ウイングアーク1st)が、東京オリンピック(五輪)「前哨戦」の予選をトップ通過した。東京五輪のメダル候補が集まった混戦の中、中村はランとベストトリックの合計で103点(120点満点)を獲得。世界ランク1位のローガン・マーティン(26=オーストラリア)らライバルを抑えて26日の決勝に進んだ。スケートボード・ストリートの堀米雄斗(21=XFLAG)もトップで決勝進出を果たした。

   ◇   ◇   ◇

中村のラン2本目、中央のセクションで高く飛び出すと、横に1回転しながらハンドルを4回回す超絶技をみせた。「早い順番で他の状況が分からないから、少しでも点を伸ばそうと思った」と振り返った点数は87点(100点満点)。1本目の81点を大きく上回って、トップに躍り出た。ベストトリック(20点満点)でも16点を出し、首位の座を守って決勝に進んだ。

前日の公式練習、わずか30分で転倒して会場を後にした。「ひじと腰と足首を痛めて」。この日の朝までは出場を迷ったほど。それでも「日本だし、多くの人に滑りを見てほしい」と痛み止めを打ち、華麗なトリックで大歓声を浴びた。「最初はちょっと怖かったけれど、大会でテンション上がっていたので痛みはない」と笑顔で言い切った。

17年6月、東京五輪の新種目に決まった時は、シニアの大会に参戦した頃だった。「五輪に出たい」が夢だったが、その後に急成長。昨年ワールドカップ(W杯)総合優勝、Xゲーム準優勝など2年半で「五輪で1番になりたい」が現実的な目標になった。「予選がいい練習になった。決勝は今日よりいい走りをしたい」。中村は優勝と、それに続く東京五輪の金メダルを見据えて言った。

○…101点で中村と2点差の3位につけた世界ランク1位のマーティンは「きのうクラッシュして練習していなかったのに、リムはすごい」と、中村の走りを絶賛した。もっとも、昨年のXゲーム覇者で「世界最高のパークライダー」と呼ばれるプライドで「決勝にはパワーを残してある」とニヤリ。「明日は明日のプランがあるよ」と逆転で優勝賞金1000万円獲得に自信をみせていた。

予選を終え笑顔でハイタッチする中村(右)(撮影・鈴木みどり)

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コラム

チアの木曜日

美Body講師Junco「二の腕を引き締めよう」

<Cheer EX(チアエックス)下>

プロチアリーダーのような健康的で女性らしいボディーを目指そう! 一般社団法人プロフェッショナルチアリーディング協会が手がけたエクササイズ「Cheer EX(チアエックス)」第2回は、二の腕の引き締めです。前回に引き続き、アラサー美Bodyで人気の講師・Juncoが紹介します。

二の腕のたるみに効くエクササイズ ひじを軸に上腕を後ろに下ろし、元に戻す

二の腕のたるみに効くエクササイズ 動きは素早く

【二の腕のたるみに効くエクササイズ】

足は腰幅に開き、腕をまっすぐ伸ばして頭上で両手を握ります。ひじを軸に、上腕を後ろに下ろして、元に戻します。この動きは素早く、そして反り腰になりやすいので、おなかに力をいれましょう! 腹筋も鍛えられます。また、あごが下がらないよう顔をまっすぐ正面に向けることを意識しましょう。まずは30回から! 慣れてきたら、ペットボトルやダンベルなど、重りを持ちながら行うと負荷がかかり、より効果的です。

二の腕ほっそりエクササイズ ひじを曲げ上体を上げ下げ、まずは10回

二の腕ほっそりエクササイズ 片足上げで体幹も

【二の腕ほっそりエクササイズ】

体育座りの体勢から、両手を肩の真下に置き、ひじを曲げて上体を上げ下げします。足ではなく、両腕に全体重をかけるイメージ。手の指先は足の方に向け、曲げる時にはひじが開かないようにすると、二の腕のたるみに効きます。指先を外に向け、肘が開くようにすると、二の腕の外側が鍛えられます。まずは10回ゆっくり行い、慣れてきたら増やします。片足を上げるとさらに強度が上がり、体幹も鍛えられます。

腕と脇腹に効くエクササイズ 片手で上体持ち上げ、頭から足先まで一直線に

【腕と脇腹に効くエクササイズ】

サイドプランクは、横向きになり床に片手をついて上体を持ち上げます。手の指はしっかり開きながら頭の方向に向け、手全体で床を感じましょう。おなかを引き締め、頭から足先まで一直線になるよう状態をキープ。15秒から始め、30秒、45秒、60秒と時間を延ばしていきましょう。反対の手でも同じ秒数を行います。負荷をかけたい場合は、腰の上げ下げにトライ! 腹筋を意識しながら、同じスピードで行うのがポイントです。5回から始めて、10回、15回と回数を増やしていきます。手首に痛みを感じる場合は、無理をせず中止しましょう。

◆Cheer EXのレッスン開催 プロチアリーダー直伝のエクササイズで、健康的で女性らしいボディーを目指します。時間は月曜日午後7時45分~1時間。会場は渋谷。詳細情報はこちら(https://www.instagram.com/cheer.ex/)から。一般社団法人プロフェッショナルチアリーディング協会(https://pro-cheer.com/)

スマイルヨガ

「舟のポーズ」体幹強化でキレイな姿勢をキープ

ヨガ&ダンスチーム「LAVA スミッキーズ」メンバーが美容や健康に役立つポーズを紹介します。今週はRISAの「舟のポーズ」。

舟のポーズ

体育座りの姿勢から上体を後ろに倒し、両もも裏に手を添えて膝下を床に平行でキープ。できれば両手を前に伸ばします。背すじを伸ばし、下腹部に力を入れます。体幹強化で、冬でも背中が丸まらずキレイな姿勢をキープできますよ!

RISA

We Love Sports

飯塚翔太「国境関係ない」エスワティニ人と友情物語

吐く息は白い。1月下旬、寒空に包まれる東京・北区にあるナショナルトレーニングセンター(NTC)の陸上トラック。陸上男子短距離の飯塚翔太(28=ミズノ)の隣には見慣れない黒人選手がいた。ストレッチやジョギングなどで汗を流していた。

飯塚 純粋に彼と一緒に練習したかったのが一番なのですけど、東京オリンピック(五輪)へ向け、気持ち、モチベーションを高め合える。一緒に東京五輪を盛り上げたいですね。

ナショナルトレーニングセンターの門の前で笑顔の飯塚(左)とシブシソ・マツェンジワ

その彼の名はシブシソ・マツェンジワ(31)。日本人にはなじみの薄いエスワティニという国の代表選手だ。人口約130万人のアフリカ大陸南部にある絶対王政が続く国から南アフリカ、エチオピア、韓国を経由し、約20時間をかけて14日夜に初来日した。このほど、ビザの申請が降りて、念願の日本での合同合宿が実現。成田エクスプレスに乗って都内に出ると、飯塚と合流。それからNTCへやってきた。

飯塚はシューズやバッグ、そして慣れない日本の寒さを心配し、ダウンなどの防寒具をマツェンジワにプレゼントした。それを手渡されたマツェンジワは、無邪気に笑った。「日本は寒いけど、これなら暖かい。大丈夫。本当にありがとう」。日本の滞在は約2週間で、食事や練習など一緒に行動する。19日からは1泊2日で飯塚の故郷・静岡も回った。東照宮から日本平の展望台へ。そして、オススメのそば店、すし店にも行った。小笠高の生徒と一緒にトレーニングもした。

飯塚(右)からプレゼントを受け取り、笑顔のシブシソ・マツェンジワ(撮影・上田悠太)

2人の交流は、もう7年になる。事の発端は13年ユニバーシアード200メートル決勝。その待機場所で出会った。マツェンジワは当時すでに世界選手権2度、ロンドン五輪も出場した力を持ちながら、履いているスパイク、シューズのメーカーはバラバラ。聞くとスポンサーはおらず、しかも国内では、道具が買えないという。日本は恵まれているとは分かっていたが、衝撃だった。自分のシューズ、ウエアをプレゼントした。

交流は続く。それからマツェンジワは飯塚にもらったものを履き、練習、試合を重ねていた。大切にしていたが、使い続ければボロボロになる。だから飯塚は世界大会に、自分のもの以外の新しいスパイクやシューズなどを持参する。もちろん再会するマツェンジワに渡すためだ。

静岡・小笠高の生徒の前で話をする飯塚とシブシソ・マツェンジワ

2年前の9月。飯塚はエスワティニにいた。目的はマツェンジワとの合同合宿。標高1000メートルを越える地で、スピード、心肺機能を磨いた。

同時に陸上の普及活動をすることも合宿の大きな意義だった。そこで出会った子どもたちは「日本の事を知っているのは半分ぐらい」。シューズではなく、はだしや革靴で走っている子もいた。そして才能の宝庫だった。「すぐ『競争しよう』と集まって、ワーとなりました。ものすごく足の速い子もいましたよ」。情熱にもあふれ、走る事も大好きだった。「国境とか関係ない。しゃべらなくても、走るだけ十分。走ることが言葉みたいに感じ」。すぐに仲良くなった。

ただ、そこには存在する課題もあった。指導者が圧倒的に不足していた。優秀なコーチは、待遇のいい海外へ流出してしまうという。子どもに適切に走り方を教える存在がいない。磨けば世界で輝けるダイヤモンドになるかもしれない逸材も、磨ける人がいなかった。才能が埋没していた。

マツェンジワはエスワティニでは有名人だ。一緒にいると、聞き付けた現地の新聞社からは取材を受けた。日本の育成方法、日本とエスワティニとの環境の違いなどを話すと、それが翌日の新聞記事に取り上げられた。またテレビ局から取材を受け、当日夜に生出演のオファーを受けた。2人でスタジオ出演し、英語で、思いを伝えた。チャンネルの数が少ないため「視聴率は80%くらい」という。外では声もかけられるようにもなり、反響は大きかった。

エスワティニのテレビに生出演する左から飯塚、シブシソ・マツェンジワ

2人には共有する思いがある。マツェンジワは未来への思いがある。「将来は子どものコーチをやって、少しでも走ることの楽しさ、モチベーションを上げられるような活動をしたい。翔太と一緒にね」。エスワティニという途上国には、そもそもスポーツというそういう概念すら、浸透していないかもしれない。その中で、第一人者としての使命感を持っている。

飯塚は言う。「僕1人ではできないですけど、いろんな国の子どもたちが輝けるようなきっかけを作れたら。彼のように世界で活躍したアスリートが下の世代に学んだことを伝え、国に貢献するのが理想だと思う。今後も何かできたら」。だから豊田裕浩コーチも含め、トレーニングの助言、知識の伝授を惜しまない。スポーツを通じた国際交流の立派なモデルケースと言っていい。

日本では約1万3000キロも離れた国の選手との友情物語。それは国も言語も人種も宗教も越えて、未来への架け橋になっていく。【上田悠太】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)

◆上田悠太(うえだ・ゆうた)1989年(平元)7月17日、千葉・市川市生まれ。明大を卒業後、14年に入社。芸能、サッカー担当を経て、16年秋から陸上など五輪種目を担当。18年平昌五輪はフリースタイルスキー、スノーボードを取材。

プログラミング

戦略を実技に取り入れる リーグ戦で授業の集大成

毎週日曜日掲載の「スポーツ×プログラミング教育」。今回は、静岡・袋井市立浅羽北小学校での授業「タグラグビー×算数・プログラミング」の最終回。前回のプログラミング授業でAIソフトを使って作戦を立てました。最後は、戦略を実技に取り入れ、総当たり戦で優勝を争いました。

タブレットで録画

授業の集大成となる「Asakita Cup」が開幕した。昨年11月11日、13日の6・7時間目に、6年生計8チームによる予選リーグが行われた。6年生の1、2組がそれぞれの組で総当たりした。児童たちはチームでプレーし、見違るような戦いぶり。審判を務める学年主任の佐藤規之教諭らも様になっている。

前回の5時間目では、動きをシミュレーションできるタグラグビーAIソフト「プログラグビー」を使い、5対5のゲームで勝てる作戦を考えた。チームごとにシミュレーションを行い、プログラミング的思考で戦略を立てて臨んだ。

作戦がすべてうまくいくとは限らない。手が空いた生徒は試合をタブレットで録画。ゲームを終えると動画を見ながら反省点を挙げて、作戦を立て直して次の試合に入った。

児童は試合の合間に戦略会議を行ったり、タブレットでプレー録画していた

<予選リーグ結果>

1組 (1)赤(2)青(3)緑(4)黄

2組 (1)赤(2)緑(3)黄(4)青

11月18日の8・9時間目に、NO・1を決める決勝リーグが開催された。1、2組の上位2チームと下位2チームが総当たり。対戦表は教諭らの手作りだ。

試合を見ていた7人制ラグビー元日本代表選手の石川安彦氏が、4試合終了後に集合をかけた。ホワイトボードに赤ペンを走らせながらアドバイスを送った。

「トライも大事だけど、守備の意識もしっかり持とう。組織的な攻めを防ぐには、守り手もチーム全員で協力して組織的に守ることが必要です。横一列に並んで前に出ながら守るワン(水平)ラインを試してみましょう」

タグラグビーの総当たり戦で戦略を説明する7人制ラグビー元日本代表の石川安彦氏

新たな作戦を戦略に取り入れ、児童たちはさらにレベルアップした。タブレットで録画した試合を分析するのは予選リーグと同じ。的確にプレーに反映させたチームが僅差のゲームを制した。

<決勝リーグ結果>

(1)1組赤(2)2組赤(3)1組青(4)2組緑(5)2組黄(6)1組緑(7)1組黄・2組青

試合結果が発表されると、チーム1組赤から歓喜の声があがった。今回のために作られた優勝カップがキャプテンの井田翔太君に手渡される。笑顔で頭上に掲げると、仲間たちから拍手で迎えられた。井田君は「キャプテンになったときは心配だったけど、とてもうれしいです。教室で話し合ったことを試合でメンバーみんなが声に出して言ってくれた」と喜んだ。

みんなで考える

石川氏は「全国400校ぐらいの小学校でタグラグビーを教えてきましたが、ここまで伸びた学校はありませんでした。戦略は難しいけど、聞く姿勢、理解、実行がすごい。みんなでどうしたら強くなれるか、協力して考えることが大事。これからも考えて実行してほしい」とエールを送った。

佐藤教諭は「プログラミングで見通しをもってやる体験ができました。頭で分かっていてもできないことが声をかけ合って試す経験ができた。これからのみんなの力になればと思っています」と手応えをつかんだ様子。株式会社STEAM Sports Laboratory監修の授業「タグラグビー×算数・プログラミング」は、生徒たちの思考に確かな変化を与えた。

◆小学校でのプログラミング教育必修化 英語のように教科として増えるのではなく、既存科目に「導入」される。目的は3つで、<1>プログラミング的思考(目的やゴールから逆算し物事を順序立てて考え、結論を導き出し、実行すること)を育む<2>プログラミングの動きやよさに気づき、活用したり、その態度を育む<3>各教科等での学びを確実にする。2020年には約37万人のIT人材が不足すると言われ、幼少時からの育成が急務。21年からは中学校でも実施される。

◆タグラグビー ラグビーからコンタクトやキックプレーを除き、(ボール保持者の)腰につけた2本のタグを取り合いながら、トライを狙う。ボール保持者はタグを取られた時点でパスを行い、タグを返却されるまでプレーに参加できない。取った選手も手渡しで相手に返却するまでプレーに戻れない。

◆株式会社STEAM Sports Laboratory 2018年11月設立。山羽教文代表取締役。本社は東京都港区南青山。子どもたちの「主体的・対話的かつ深い学び」を引き出すために、スポーツシーンにおける問題・課題を教材にした「新たな学びの場」の創出を目指している。

プログラミング

AIソフト使い勝てる作戦を考える

毎週日曜日掲載の「スポーツ×プログラミング教育」。今回は前回に続き、静岡・袋井市立浅羽北小学校での授業「タグラグビー×算数・プログラミング」の第2回です。プログラミングの授業では、AIソフトを使って勝つための作戦を立てました。シミュレーションと実技を繰り返すことで、よりリアルな戦略を児童たちは考えました。

タグラグビーの実技の授業を行う浅羽北小の児童たち

3時間目 具体的なイメージを持ってプレー

児童たちの動きがラグビーになっていた。19年11月7日の3時間目はタグラグビーの実技だった。指導する7人制ラグビー元日本代表選手の石川安彦氏は「ここまでうまくなるとは思わなかった」。浅羽北小の花嶋芳久校長も「初日はみんなおどおどしていたけど、大変身ですね。いいパスが出ていて観戦したラグビーW杯の選手のようでした」。10月にエコパスタジアムで行われたラグビーW杯を5、6年生と観戦。そのスコットランド-ロシア戦を例に出して驚いた。

前日6日のボードゲームで俯瞰(ふかん)してプレーできるようになった。攻め手と守り手に分かれて実技で使いたい作戦を考えた。実技との違いもあげることでより具体的なイメージを持って臨んでいた。

タグラグビーの実技の授業を行う7人制ラグビー元日本代表の石川安彦氏(中央)

今回は5対5まで人数を増やし、オフサイドなど新たなルールも追加した。まずは3対3を行い、チームごとに作戦が通用したか、話し合った。最大の5対5で戦略が難しくなっても学びをしっかりいかした。パスを展開してトライを決める場面が多くみられた。石川氏は「タグを取られるのを恐れず前にいくという正攻法をあえて伝えず、児童たちから自発的に出てくる気づきを大切にしました」と話した。

プログラミングの授業を受ける浅羽北小の児童たちと佐藤規之教諭(中央)

4時間目 8チームがタグラグビーAIソフトで対戦

11月8日の4時間目は、いよいよプログラミング。動きをシミュレーションできるタグラグビーAIソフト「プログラグビー」を使い、5対5のゲームで勝てる作戦を考える。

学年主任の佐藤規之教諭がこの目的を児童に伝え、6年生2クラスの計8チームによる最終決戦の構想を明かした。「ラグビーワールドカップのようにAsakita Cupを次回から行ってNO・1チームを決めます。AIソフトを使って各チーム別に作戦を考えましょう」。

児童には1人1個のタブレット端末。AIソフトは、碁盤の目のようなマスに攻め手の青丸と守り手の赤丸が5個ずつ配置されていた。AI同士で対戦させると、マスにある大きい数字へパスすることが分かる。

前田真李教諭は「数字の大きさは気持ちの強さで決まります。AIの動きは(1)前に行きたい気持ち(2)守り手からの距離が遠いほど良いという気持ち(3)守り手から距離が遠い人にパスしたいという気持ちで決まります」と説明した。

児童は、それぞれの気持ちを画面上で目盛り調整しながら、勝敗を予想。結果と比べて気づきを記入していく。最後には「全部の気持ちを最小にしたら勝てた」など、勝率が高い組み合わせが発表された。

タブレット端末を使い、プログラミングの授業に取り組む浅羽北小の児童たち

5時間目 戦略会議で何度もシミュレーション

続く5時間目は戦略会議。チームごとにシミュレーション結果を持ち寄り、作戦を考えた。児童からは「仲間と協力してパスをすれば勝てる」「プログラミングで動きが分かった。次は勝てそう」などと手応えがうかがえた。

担当した佐藤教諭は「俯瞰する視点を持ってシミュレーションを繰り返すことで課題が見えます。解決する力になり、実生活での成功体験につながると思いました」。最後は実技のAsakita Cupを迎える。(つづく)

プログラミングの授業の後、チームに分かれて作戦会議を行う浅羽北小の児童たち

◆小学校でのプログラミング教育必修化 英語のように教科として増えるのではなく、既存科目に「導入」される。目的は3つで、<1>プログラミング的思考(目的やゴールから逆算し物事を順序立てて考え、結論を導き出し、実行すること)を育む<2>プログラミングの動きやよさに気づき、活用したり、その態度を育む<3>各教科等での学びを確実にする。2020年には約37万人のIT人材が不足するといわれ、幼少時からの育成が急務。21年からは中学校でも実施される。

◆タグラグビー ラグビーからコンタクトやキックプレーを除き、(ボール保持者の)腰につけた2本のタグを取り合いながら、トライを狙う。ボール保持者はタグを取られた時点でパスを行い、タグを返却されるまでプレーに参加できない。取った選手も手渡しで相手に返却するまでプレーに戻れない。

◆株式会社STEAM Sports Laboratory 2018年11月設立。山羽教文代表取締役。本社は東京都港区南青山。子どもたちの「主体的・対話的かつ深い学び」を引き出すために、スポーツシーンにおける問題・課題を教材にした「新たな学びの場」の創出を目指している。