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野村忠宏氏「変わらなきゃいけない」引退後を語る

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野村忠宏氏「変わらなきゃいけない」引退後を語る

野村忠宏氏(18年4月撮影)

アスリートがセカンドキャリアを考える講座「アスリートキャリアオーナーシップアカデミー」が8日、オンライン形式で行われた。同アカデミーアンバサダーで柔道五輪3連覇の野村忠宏氏(46)が参加した。

野村氏は、自身の引退後について「変わらなきゃいけない、と思った。柔道どっぷりじゃだめだ。五輪3連覇はしたが、それはたかだか柔道でのことだと思っています。トライアンドエラーで成長しています」と実体験を語った。「アスリートが現役時代にやっていることは、考え方の変換で(ビジネスの世界でも)生かせる。でも生かし方を知らない面がある」として、自分の考えを言語化することが重要性だと説明。その上で「私も今やっと経験したこと、興味があることがビジネスの世界で生かしていけそうな感覚がある。自分で切り開く、自分でつかみにいく。それはスポーツも人生も同じだと思います」とした。

同アカデミーは、スポーツビジネスの採用・転職支援を行う「HALF TIME」と総合人材サービス「パーソル」が共同で行っており、野村氏の他に、競泳北島康介氏、サッカー元日本代表鈴木啓太氏がアンバサダーに就任している。

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渦中に…「福原愛さんの台湾パンケーキ」Eテレ放送

福原愛さん(2019年1月19日撮影)

出演者が思い出のスイーツを披露するEテレ番組「グレーテルのかまど」(月曜午後10時など)が8日、放送され、週刊文春で離婚、女性セブンで不倫が報道された元卓球日本代表の福原愛さん(32)の「台湾パンケーキ」の回が再放送された。

初回放送は2020年4月だった。福原さんは再放送でもVTRで登場し、卓球少女時代やオリンピックなど練習や試合を頑張ると母が作ってくれた思い出のパンケーキを紹介した。また福原さんを「結婚して2児の母」と紹介。台湾生活の中で出会った当地風のパンケーキについて話す場面や、子供について話す場面も放送され、SNSでは「このタイミングで」などと驚く声も複数、見られた。

福原さんは一部メディアで、元卓球台湾代表の夫・江宏傑氏と離婚協議に入り、今年1月には夫に離婚を伝えたなどと報じられていた。 福原さんは16年リオデジャネイロ五輪後の9月に江氏と結婚。17年10月に長女、19年4月長男を出産。日本と台湾を行き来しながら卓球のTリーグ理事を務め、解説者としても活躍している。

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男子ゴルフ今年初戦は無観客、第2戦は一般非公開

日本ゴルフツアー機構(JGTO)の青木功会長

国内男子ゴルフツアーの21年初戦「東建ホームメイト・カップ」(4月15~18日、三重・東建多度CC名古屋)が無観客開催となることが8日までに同大会の公式ホームページなどで発表された。

男子ツアーは第2戦の「関西オープン選手権」(同22~25日、兵庫・有馬ロイヤルGC)も一般非公開での開催が発表されており、同大会のチケット購入者は来年度の大会での利用か、返金対応を選択することになっている。

両大会は新型コロナウイルスの影響で2020年度大会は中止に。今年は2年ぶりの開催となる。

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東京五輪マラソン・競歩のテストイベント5・5開催

東京五輪マラソン札幌コース

東京オリンピック(五輪)のマラソン・競歩に関する第10回実務者会議が8日、札幌市内で行われ、5月5日にテストイベントを兼ねて開催する「北海道・札幌マラソンフェスティバル2021」の詳細が決定した。国内外の五輪代表らが出場するハーフマラソンと、市民ランナー向けの10キロの2種目で構成。ハーフは男女各80人程度、10キロは定員2500人の参加を想定している。

10キロでは、参加者同士の距離を1メートル以上空けるなど、有識者監修による感染予防対策が記載されたガイドラインを作成した。沿道応援について、森泰夫大会運営局次長は「自粛ならアナウンスしないとけないので、3月末、4月頭までに固めていかないといけない」と話した。

市民ランナーの参加申し込みは、9日午前10時にインターネットで開始。締め切りは15日で、抽選結果は22日に発表される。

五輪は競歩が8月5、6日、マラソンが7、8日にそれぞれ行われる。

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レブロンとヤニスが“指揮”/NBA球宴写真特集

<NBAオールスター戦:チーム・レブロン170-150チーム・デュラント>◇7日(日本時間8日)◇ステイトファーム・アリーナ

レブロン・ジェームズ(レーカーズ)が主将を務める「チーム・レブロン」とケビン・デュラント(ネッツ)が主将の「チーム・デュラント」が対戦し、チーム・レブロンが170-150で逆転勝ちした。MVPには両チーム最多の35得点をマークしたヤニス・アデトクンボ(バックス)が輝いた。

チーム・レブロン17040-39
60-41
46-45
24-25
150チーム・デュラント

◆怪物ヤニスが初のMVP

▽ヤニス・アデトクンボの話「チームメートが素晴らしいプレーをしてくれる中で、自分もいいプレーができた。いつか優勝トロフィーも手にしたい」

初のオールスターMVPに輝いたチーム・レブロンのヤニス・アデトクンボ(AP)

◆カリー、リラードが“ディープ3”

レブロン・ジェームズからのパスを受け、深い位置から3点シュートを沈めたカリー(AP)

レブロン・ジェームズからのパスを受け、深い位置から3点シュートを沈めたカリー(AP)

試合を決める3点シュートを沈めたリラード(AP)

◆豪快なダンクも炸裂

ダンクシュートを決めるレブロン・ジェームズ(ロイター)

ダンクシュートを決めるザイオン・ウィリアムソン(ロイター)

ダンクシュートを決めるゴベール(ロイター)

ダンクシュートを決めるカイリー・アービング(ロイター)

ダンクシュートを決めるヤニス・アデトクンボ(ロイター)

◆スター選手が共演

オールスター戦に出場したハーデン。今季途中にネッツに移籍した(ロイター)

ジェイレン・ブラウン(右)とジェームズ・ハーデンがマッチアップ(ロイター)

オールスター戦で「リラードタイム」を披露するリラード(ロイター)

シュートを放つルカ・ドンチッチ(右)。左はレナード(ロイター)

レイアップシュートを放つリラード(右)。左はカイリー・アービング(ロイター)

ゴベール(中央)のシュートをブロックするドノバン・ミッチェル(右)(AP)

チームメイトに指示を送るレブロン・ジェームズ(右)とヤニス・アデトクンボ(ロイター)

◆3ポイントコンテスト

3ポイントコンテストに登場したカリー(AP)

3ポイントコンテストを制したカリー(AP)

3ポイントコンテストを制し、ガッツポーズのカリー(ロイター)

3ポイントコンテストを制し、トロフィーを手にするカリー(ロイター)

◆スキルズチャレンジ

スキルズチャレンジを制したサボニス(ロイター)

スキルズチャレンジを制し、トロフィーを手にするサボニス(ロイター)

スキルズチャレンジに出場したクリス・ポール(ロイター)

◆ダンクコンテスト

ダンクコンテストを制し、トロフィーを手にするアンファニー・サイモンズ(AP)

トレイシー・マグレディのユニホームを身にまとい、伝説のダンクを再現したアンファニー・サイモンズ(ロイター)

ダンクコンテストで豪快なダンクを披露するオビ・トッピン(ロイター)

豪快なダンクを披露したキャシアス・スタンリー(AP)

ダンクコンテストに出場したアンファニー・サイモンズ(中央)とオビ・トッピン(右)は握手をかわす(ロイター)

ダンクコンテストの演技に興奮するレブロン・ジェームズ(AP)

◆国歌独唱を行ったグラディス・ナイト

国歌独唱を行ったグラディス・ナイト(ロイター)

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コラム

ピッチマーク

オーラも漂う小祝さくら、成長の裏に全米女子の雪辱

通算14アンダーでダイキン・オーキッド・レディースを制した小祝さくら(撮影・清水貴仁)

2021年の国内女子ゴルフツアー初戦「ダイキン・オーキッド・レディース」は7日に小祝さくら(22=ニトリ)の劇的な逆転勝利で幕を閉じた。

優勝会見では普段通りのほんわかとした受け答えを連発して笑いも誘った。一方で初の賞金女王獲得への強い思い、そして精神面での成長もしっかりと語り、あらためて昨年までとは違う頼もしさを感じさせた。

気持ちを引き締めることになった一因には、昨年12月に出場した全米女子オープンでの経験が挙げられる。小祝にとっては初のメジャー大会出場で、結果は通算10オーバーでの予選落ち。大会後には「コースの難しさが全然違いました。上位選手はいいところにショットを落としていたと思いますが、私はグリーンから出た30メートルくらいのパットが残ったり。しっかり結果を残したかったけど、厳しかった」と、悔しそうに振り返っていた。

プロ転向後の18年から国内ツアーの連続出場を続けており、今後も主戦場には日本を考えている。しかし、全米や全英女子オープンなどメジャーへの出場意欲はある。むしろ、初めての全米での屈辱がその思いをより強くした。「リベンジしたいです。今回はダメな結果で終わってしまったけど、次こそはしっかり予選を通っていいプレーをしたい」。

宮崎合宿などを敢行したオフを経て、技術、精神面ともに強くなって帰ってきた。ダイキンの会場、琉球GCは北海道出身の小祝にはあまりなじみのない、主に暖地で採用される高麗芝コース。加えて強い風が特徴で、弾道の高い小祝には不利に働くとみられていた。過去2回の出場では18年に予選落ち、19年は通算4オーバーで17位と相性の悪さを露呈していた。今回も風に加えて最終ラウンドでは雨が降り、調子も「特にいいわけではない」。悪条件を並べればキリがないが、それでも勝った。今回の勝利には、一皮むけた成長が詰まっていた。

現在の女子人気を支える黄金世代の1人でもある。同世代の国内ツアーでの生涯獲得賞金は小祝がトップを走っており、唯一2億円を超える。幸先よく賞金を積み上げ、統合シーズンの20-21年の賞金ランキングでも現在首位の笹生優花に約900万円差。あと1勝でもすれば、逆転可能な差となった。

会見などでみせる雰囲気とは裏腹に、アドレスに入った際の集中した顔には、別人のようなオーラさえ感じる。小祝がどこまで突き抜けていくのか。今後がさらに楽しみになった。【松尾幸之介】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)

ダイキン・オーキッド・レディースを制し優勝インタビューを受ける小祝さくら(撮影・清水貴仁)
スポーツ百景

3月6日はスポーツ新聞の日、75年前の誕生秘話

第2次世界大戦の敗戦からわずか半年後の1946年(昭21)3月6日、日本で初めてのスポーツ新聞『日刊スポーツ』が創刊されました。東京は前年3月10日の東京大空襲で焼け野原が広がり、あらゆる物資が不足して、敗戦にうちひしがれた人々は、衣食住を確保して生きるのが精いっぱいでした。

日刊スポーツ創刊号の1面 1946年3月6日付

ところが、1部50銭(1カ月20円)の日刊スポーツは、発売後すぐに1万5000部が完売したのです。終戦直後の50銭は国立博物館の観覧料と同じ価格。決して安くはありませんでしたが、活字と娯楽に飢えていた大衆は争うように買い求めました。他紙や雑誌と抱き合わせでなければ日刊スポーツは売らないという売店が続出しました。

その様子は映画にも描かれています。終戦直後の新橋駅前の交番を舞台にした1955年公開の『風流交番日記』(松林宗恵監督)に、駅前の新聞の売り子が「朝日と日刊スポーツは売り切れでーす」というシーンが出てきます。東宝の社長シリーズや『連合艦隊』で知られる松林監督は後に「私は外に出ると必ず日刊スポーツを買ったほどのファンでした」と明かしています。

当時は用紙不足から朝日新聞などの一般紙もブランケット判1枚(表裏)でスポーツの記事はほとんど扱っていませんでした。扱っても紙面の片隅に小さく掲載される程度。日刊スポーツはタブロイド判(ブランケット判の半分)でしたが、4ページすべてスポーツと芸能記事で埋め尽くされた画期的な新聞でした。

前年45年の秋から東京ではスポーツ復活への動きが出てきました。10月28日に神宮外苑球場で東京6大学野球のOB紅白戦が開催され、11月23日には同球場でプロ野球の東西対抗戦が開催され、千葉茂、藤村富美男らスター選手が全国から駆けつけ、スタンドに1万人を超える大観衆が詰めかけました。貧しく、苦しい時代だからこそ、スポーツの明るさと感動を大衆は渇望していたのです。

記念すべき3月6日付の日刊スポーツ創刊号の1面は、野球の投手を中心に各競技のスポーツ選手を配した生沢朗さんのイラストを使い「一路再開急ぐ、懐かしの六大学リーグ戦」の記事を掲載。当時の秋山慶幸社長が「発刊の言葉」を執筆しています。この言葉に創刊精神と、目指すべく決意が凝縮されています。ここに一部を抜粋します。

「日本のスポーツジャーナリズムは大部分がスポーツ評論であり、技術的批判であり、いずれかといえば高踏的であった。スポーツを本当に大衆のものとするためには、大衆とともに楽しめるものを作り上げなければならない(中略)スポーツを読者の手に、本当に楽しめるスポーツを、そして建設の苦難続くこの時期を明るく、朗らかにしようではありませんか」。

戦前の一般紙のスポーツ記事は戦評のような記事ばかりで、試合前後の取材や談話取りの習慣もほとんどありませんでした。日刊スポーツの記者は大衆目線で取材することをたたき込まれ、試合前にベンチやグラウンドで裏話やデータを集め、試合後も選手や監督の声を拾い、それを選手のプレーや試合進行に絡めた読み物にしました。これが、読者から熱烈な支持を受け、今のスポーツ報道の原型になりました。

46年は人気スポーツが次々と復活した年でもありました。4月27日にプロ野球「日本野球リーグ」が後楽園と西宮で開幕。5月19日には東京6大学野球が上井草球場で復活。8月15日には全国中等学校野球が4年ぶりに開催され、11月1日には第1回国体秋季大会も開催されました。スポーツをもっと知りたい、楽しみたいという世情に、スポーツ新聞は答えるものでした。創刊は時代の流れと合致していたのです。

47年に4万部、48年8万部と部数は急カーブを描いて上昇しました。しかし、当時は新聞用紙も配給割り当て制で、足りない分は高価なヤミ紙などを購入してまなかっていたため、売れるほど赤字になりました。経営難にも見舞われました。それでも75年間もの長い間、途絶えることなく発行を続けてこられたのは、スポーツとスポーツ報道が大衆に支持されてきたからだと思います。

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言下という厳しい状況で75周年を迎えました。1年延期された東京五輪・パラリンピックはいまだ開催が危ぶまれています。しかし、人は暗い世相や苦しい時代にこそ、スポーツや娯楽を求める性質があります。スポーツ新聞が誕生したあの苦難の時代を今、あらためて振り返ると、スポーツの秘めた計り知れない力を感じるとともに、報道する立場の私たちも何だか力がわいてきます。【首藤正徳】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「スポーツ百景」)

We Love Sports

盗撮罪ない現状、選手の性的画像拡散どう防ぐのか

性暴力問題などに詳しい上谷弁護士

現役アスリートを悩ませる性的な撮影や画像の拡散をどうやって防ぐのか。「盗撮罪」が刑法にはないため、現状では民事での対処が現実的だ。性暴力問題などに詳しい上谷さくら弁護士から話を聞いた。

法務省が設置した性犯罪に関する刑事法検討会委員の上谷弁護士は、スポーツ界からも対策を講じようと動きだしていることを歓迎している。「これはアスリートに限らない問題です。1人1台カメラを持ち歩いてSNSですぐに投稿できるようになる中、人々の権利意識が高まっている」と受け止める。

現在の刑法には「盗撮罪」がない。不快な撮影画像がネット上に拡散されても摘発するには各都道府県の迷惑防止条例に頼らざるを得ないが、この条例では対象となる行為や刑の重さが異なり、比較的軽い刑になる傾向がある。一方新たに刑罰に組み込む場合、盗撮行為をどう規定するか。検討委の間で問題意識は共有しており、何らかの法律を作るため今後どんな条文にするかなど検討していくという。

もしもネット上で盗撮画像を見つけた場合は現状どうすべきかについて、上谷弁護士は「まずは投稿者に削除要請をしたうえで、応じない場合は訴訟を起こすことも選択肢」。誰が投稿しているか分からない場合は運営会社へ開示請求することから始まるので「時間もかかるし、お金もかかかる。競技に打ち込む現役アスリートが手間暇を掛けてやるのは難しい」と話す。

だからこそ、競技団体など周囲の全面的なサポートが欠かせない。訴訟費用を負担するといった対応策を挙げて「アスリートたちが人生を懸けている場面を汚されるのは、最大の不利益。表現の自由は健全な民主主義と自己実現のためにありますが、自己実現のために自分がやりたいことを何でもやっていいわけではありません」と主張した。【平山連】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)

○…日本オリンピック委員会(JOC)の特設サイトには、今も情報提供が絶えない。JOCなど7団体が昨年11月に「アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNS投稿は卑劣な行為です」との共同声明したことを皮切りに、被害の実態把握に向けてサイトを開設。2月16日までに807件が寄せられているといい、JOCの籾井圭子常務理事は「これをしっかり分析して関係機関としっかり議論を深めていく」と話す。

悪質な画像や動画の投稿を続けるSNSなどのリンク先を送ってもらっており、画像を販売している情報提供なども寄せられているという。籾井理事は「アスリートたちを悩ませる卑劣な行為であることを社会に発信したことで、この問題が多くの方に認知していただいた」。情報提供も継続して行いつつ、今後は各競技会場での具体的な取り組みなど集めて課題を探る考えだ。

ピッチマーク

部外者の不注意が選手の運命を変える…本気の訴えを

2日夜に大会関係者からPCR検査で陽性反応が出たため、今日3日の練習ラウンドは中止となる(撮影・清水貴仁)

満を持して行われるはずだった国内女子ゴルフツアーの今年初戦、ダイキン・オーキッド・レディース(4~7日、沖縄・琉球GC)で、選手が大会会場で最終調整できない事態に見舞われた。選手、関係者ら全1201人を対象に行われた、新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定者が2人出た。これを受けて、開幕前日の3日に、会場は消毒作業などが行われた。選手、キャディーらは立ち入ることができなかった。各選手とも今年1年の弾みをつけたい中、開幕直前に、練習場所の確保などに追われることになった。

日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の小林浩美会長は、3日に行ったオンラインの会見で「選手には申し訳ない」と謝った。陽性判定者のうち、1人は会場での業務に携わる前に判明。全く大会に関与しなかったが、問題となったのがもう1人。屋外仮設物施工業務に携わっていた人物だ。2月27日にPCR検査を受検したが、検査結果が出る以前のその日のうちに、早速、会場で午前8時30分から午後5時まで業務にあたっていた。翌28日には同じ検体を使って再検査となり、3月2日夜に陽性判定が出た。その2日も午前9時から午後6時まで会場で業務にあたっていた。

新型コロナウイルスに関するガイドラインでは、陰性が証明されるまで、大会に関与することは禁じられている。小林会長、大会実行委員長で主催のダイキン工業竹中直文常務執行役員は「一部のセクションで徹底できなかった」と、口をそろえた。また「今後は徹底したい」とも口にした。だが「徹底」とは何なのか?

ゴルフのツアーを開催するには、毎試合、相当数の外部業者に業務を委託しなければならない。今回、問題となった屋外仮設物施工業などの業務は、仕事を委託した会社以外、通常は予備の会社などまで準備しない。委託された会社は、従業員の生活を保障したい事情もあり、仕事を手放したくない思いも少なからず生まれるはずだ。また、多忙を極めていたり、直前まで誰がどの現場に行くか決まらないほど人手が足りていなかったり、などという事情もあったかもしれない。思惑と事情を抱えた相手に「徹底」を強いるのは困難を極める。

今回は幸い、濃厚接触者がいなかったため、予定通り開催にこぎ着けた。だが一歩間違っていれば、大会は巨額の赤字を出し、この屋外仮設物施行業務の会社は、損害賠償として主催者やJLPGAから、数十億円を求められても仕方ないほどの過失を犯していたかもしれない。何より、この日のために準備してきた選手らの努力を、全て無駄にしていたかもしれない。

よくスポーツの世界では「たら」「れば」は禁物と言われる。だが仮に1試合中止となったことで、6月末に決まるオリンピック(五輪)出場権を、わずかに手にできない選手が出たとしたら…。その選手からしたら、今回のようなケースで貴重な1試合が中止に追いやられていたとしたら、悔やむに悔やみきれないだろう。

新型コロナウイルスの陽性反応を示した人が重症などではなく、無症状だから言えるのかもしれないが、今回のようなケースには憤りとむなしさを感じた。どんなに努力している人がいても、無関係と思っている部外者の不注意一つで、その努力が全て無駄になるかもしれないからだ。「ガイドラインの徹底」と言うからには、相手との温度差を埋めなければならない。片手間の感覚でいる相手(業者)がいたとしたら、その目を覚まさせることから始めないといけないと思う。時には関係する業者に、高額の損害賠償を請求する可能性があることを迫るほど、本気で訴えていかなくてはいけない。これまで、さまざまなスポーツを取材してきたが、五輪で金メダルを取るような協会、チーム、スタッフは、思い返せば皆、そんな気概で選手を守っていたように思う。【高田文太】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)

練習ラウンドが中止となったゴルフ場で消毒作業が行われる(撮影・清水貴仁)
中川真依のダイビング

合格しました!「上級食育アドバイザー」/中川真依

「上級食育アドバイザー」。先日ようやく資格合格認定証が届いた。コロナ禍での外出自粛期間を、なにか有意義な時間にしたいと思い挑戦した資格取得。選手時代の苦労から、「食」への関心や興味は変わらずにあったことが、この資格を選んだ理由だ。

飛び込み競技は水着一枚で美しさを競う採点競技。そのため、審判を魅了する演技力だけではなく、体形(見た目)なども採点に影響すると教えられてきた。それは理解できていた。

それでも、食べてはダメだと思えば思うほど出てくる食欲。成長期には、太る恐怖心を持ちながらも食欲を止められなかった。食べては後悔する日々で、ストレスはたまるばかり。少しの体重の増加でも、コーチの目はごまかせなかった。自分自身でも水着の着心地や、入水時に体をなぞる水の感触からも変化を感じとっていた。

痩せたい一心で、選手時代にはさまざまなダイエットを試しては、リバウンドや挫折を繰り返した。やっと成長期が落ち着いても、生理の影響からくる食欲増加はずっと悩みの種だった。

20代半ばころになると、体形維持だけではなく、体調管理やケガをしないためにも、食生活にはかなり気をつかっていた。

今回、取得した「上級食育アドバイザー」という資格は、食に関する幅広い知識を持つと証明してくれるものだ。栄養学の基礎を学び、病気を予防するための食事や、高血圧や動脈硬化などの諸症状について栄養学の観点で見られるようになり、改善や、悪化しないように努めることが出来るようになるというもの。

健康で丈夫な体を維持していくためには、年齢によって、どのような栄養素をどれくらい摂取すればよいのか。自分の経験からでも、ぼんやりとは想像できていたが、今回、栄養学を学んでみて、はっきりと見えてきた。

例えば、体の発達が目覚ましい乳幼児期の0歳~5歳。現在3歳の娘はまさにこの時期で、食習慣の基礎をつくる、とても大切な期間である。好き嫌いを減らすためにも、この時期にできるだけ多くの食品に慣れさせる。そして、味付けはできるだけ薄味にし、この時期に敏感な味覚を鍛えることも重要である。食材そのもののおいしさを味わえるようになれば、将来、高血圧などになるリスクを防げる可能性が高くなるからだ。

個人差はあるが、1度に食べられる量が少ない場合は、3度の食事だけでは十分な栄養素が足りないため、活動量に合わせて1~2回ほど栄養を考えた間食を加えてあげる。そして、何より食の楽しさを感じてもらうことが大切である。食への興味が、成長や脳の発達に大きく影響してくるからだ。

その後も、6歳~19歳(学童期・思春期)、20歳~64歳(青年期・中年期・老年期)、65歳以上(高齢期)と分けられ、年齢や個人の活動量、男女によっても必要とする栄養素や摂取量は異なる。

今まで、なんとなくでしか見ていなかったビタミンの種類や役割、栄養素についても、詳しく知れば知るほど面白かった。すぐに日常の中で実践できることばかりで、現役時代に学んでおけばよかったと、今更ながらに感じた。

「食」への関心も、家族ができてからは「痩せたい」という願望より、まだ小さい娘のためにも「健康でいること」が第1の目的になった。そのことが、今回の資格習得のモチベーションにもなってくれた。「健康は1日にして成らず」。日々のちょっとした自分への気遣いが、未来の健康へと導いてくれる。これからも、この資格で得た情報を生かすと共に、引き続き栄養学を学んでいこうと思う。

(中川真依=北京、ロンドン五輪飛び込み代表)