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【ドバイ便り】“赤い悪魔”育てた名将と感激のツーショット、これで予想の分析力もアップ?

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【ドバイ便り】“赤い悪魔”育てた名将と感激のツーショット、これで予想の分析力もアップ?

ドバイシーマCに出走する所有馬の動きを視察した元マンU監督のファーガソン氏(右)と桑原記者(左)

ドバイにサッカー界の超大物が現れました。

本番2日前の28日は早朝からじめっとした空気。午前7時ごろからようやく朝日が昇り、心地よい風を浴びていると、赤い帽子をかぶった年配の方に多くのメディアが群がっていました。様子をうかがうと、輪の中心には元マンチェスター・U監督のサー・アレックス・ファーガソン氏の姿が。

聞けば自身が所有し、ドバイシーマCに出走予定のスピリットダンサー(セン7、R・フェイヒー)の調教を見学に来たとのこと。マンチェスターUを27年間指揮し、プレミアリーグ優勝13回、UEFAチャンピオンズリーグ優勝2回を誇る名将で、ベッカム、スコールズ、ギグスなど名選手を育て上げ“レッドデビルズ(赤い悪魔)”を作り上げた熱血漢。どんな人だろうと興味を持って耳を傾けると「ドバイで出走できることは素晴らしいことだよ」と穏やかな口調で笑みを浮かべていました。

現在86歳の名将は競走馬の生産から携わっており、スピリットダンサーは自家生産馬。3走前はバーレーンでG2勝ち、2走前は当地メイダンでG1・4着、前走はサウジでネオムターフC(G2、芝2100メートル)に参戦し差し切り勝ちと中東連戦で結果を出しています。調教を見た同氏は「走りはファンタスティックだったね。相手は強くなるけど、いろんな部分で楽しみですよ」と今回も好走を期待していました。

この日は他国の有力陣営の様子を取材しようと試みましたが、芳しい成果は得られず。それでも世界的な著名人の話を聞き、ご厚意でツーショットまで撮らせてもらったのは一生の宝物です。リバティアイランド、スターズオンアース、ジャスティンパレスの日本勢に加え、オーギュストロダン、エミリーアップジョンと世界の強豪が集ったシーマC。これから予想に入りますが、スピリットダンサーの取捨選択をファーガソン氏級? の分析力で、慎重に見極めたいと思います。【桑原幹久】

ドバイシーマCに出走する所有馬の動きを視察した、マンU元監督のファーガソン氏(撮影・桑原幹久)

高松宮記念覇者マッドクール 4・28香港チェアマンズスプリントプライズ招待受諾

マッドクール(2024年3月24日撮影)

高松宮記念を制したマッドクール(牡5、池添)は4月28日シャティンの香港チェアマンズスプリントプライズ(G1、芝1200メートル)の招待を受諾した。所有するサンデーレーシングが28日に公式サイトで発表した。

現在はノーザンファームしがらきで調整中。レース後の馬体をチェックした上で、2走前の香港スプリント(8着)に続く2度目の海外遠征を決断した。

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【桜花賞】ボンドガール1週前追い切り「いい動きのポイントを確認できた」鮫島克駿騎手も好感触

鮫島克駿騎手を背にボンドガールはショーマンフリート、ヤングローゼスと併せて追い切る

<桜花賞:1週前追い切り>

サウジアラビアRC2着のボンドガール(牝、手塚)が桜花賞(G1、芝1600メートル、4月7日)へ向けた1週前追い切りを行った。初コンビを組む鮫島克駿騎手が駆けつけ、美浦ウッドで6ハロン79秒8-11秒2(強め)の猛時計をマーク。僚馬2頭を最後方から追走し、スピード感十分に併入した。

初コンタクトを取った鞍上は「時計が速かったので折り合いは付きやすかったです。速いところに行けばスムーズだけど角馬場では折り合いの難しさを感じました。間隔は空いていますが動けそう。いい動きのポイントを確認できたので来て良かったです。新馬戦で負かした相手も早々たるメンバーですからね。能力はあると思います」と特徴をつかんだ様子だった。

新馬戦ではのちの重賞馬チェルヴィニア(アルテミスS制覇)、コラソンビート(京王杯2歳S制覇)をはじめ、フェアリーS2着のマスクオールウィン、アネモネSを勝ったキャットファイトなど桜花賞に駒を進めたハイレベルな馬たちを負かした。まずは抽選を突破し、大舞台のスタートラインに立ちたい。【井上力心】

鮫島克駿騎手を背にボンドガール(左)はショーマンフリート(右)、ヤングローゼスと併せて追い切る
鮫島克駿騎手を背にボンドガール(左)はショーマンフリート(右)、ヤングローゼスと併せて追い切る
調教を終えたボンドガールと鮫島克駿騎手(撮影・柴田隆二)

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【美浦便り】前走パターン踏襲!大阪杯は杉原誠人騎手が密にコンタクト取るエピファニーに注目

厩舎周りで運動するエピファニー(撮影・白石智彦)

大阪杯は予想が難しい。いってもたってもいられず、スマホを握りました。どうしても気になる1頭がいて…。28日午後、栗東滞在中の杉原誠人騎手(31)に電話取材。外出先だったのに、快く応じてくれて本当に感謝です。

聞きたかったのはもちろん、エピファニー(牡5、宮田)のことです。前走の小倉大賞典で重賞初制覇。何度も◎を打ち、前走も信じて◎を打ちました。当時は1週前の金曜に追い切りを行い、美浦から栗東へ。レース当週は杉原騎手がつきっきりで調教をつけていました。

気難しくて、コントロールに他馬より一層と気を使わねばならない馬。2走前中山金杯は出遅れ→位置取り挽回で加速を促したことで、制御が利かずに11着に敗れていました。だからこそ、人馬のコンタクトが密に取れる鞍上に白羽の矢が立ったのです。

騎乗依頼は1月中旬。当時はうれしさと異なる小さな感情も抱きました。「声をかけていただいて、うれしかったです。難しい馬が回ってきたなとも思いましたね」と杉原騎手。一発回答でチャンスに応え、自らの手綱でG1挑戦をものにしたのです。

杉原騎手は「(前走は)僕が想像していたより流れに乗れました。つきっきりで調教ができたからこそ、いろんな人に話を聞けたりして、イメージして乗れたのかなと思います。うれしかったですよ。いろんな人の思いに応えられたって、ゴールして(検量室前に)引き揚げてきて思いました」と重賞Vを振り返ります。

今回も前走を踏襲し、全く同じ日取りで栗東入り。そして、同じく杉原騎手が連日、調教にまたがっています。大阪杯はコンビ2戦目。中間は違いも感じています。「馬の状態はいいと思います。コンスタントに使われているので、いつも気になる緩みがない。獣医師さんも状態はいいと言ってくれたみたいです」。前向きさが増している点を懸念材料に挙げていましたが、自分としてはそこをカバーするのが連日深める人馬の絆だと信じています。

朝の調教が終われば、“チーム杉原”が癒やしになります。夫人と3人の子どもも前走に続いて、栗東へ。春休みのタイミングも重なり、あちらでも家族の時間を過ごせているようです。「昨日、天気が良くて伊勢神宮に行ってきたんですよ。パワーをいただいた感じがしています。競馬は瞬発力勝負にならないといいな。1、2角の入りを我慢して、向正面、3角まで…。いかにリズム良く、けんかせずに行けるかですね。持っているモノは相当すごい。折り合いとか気性面で減点みたいな馬なので、自分との戦いですね」。

背中越しに感じる素質は、名門・藤沢和雄厩舎在籍時(22年3月定年解散)にまたがった多くの名馬とも遜色ないといいます。己に打ち勝てば、大仕事をやってのけてくれるかもしれません。【松田直樹】

厩舎周りで運動するエピファニー(撮影・白石智彦)
厩舎周りで運動するエピファニー(撮影・白石智彦)

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G1・2勝ヴィルシーナの子ディヴィーナが引退 今後はノーザンFで繁殖馬に

23年、府中牝馬Sを制したディヴィーナ

23年府中牝馬S(G2)を制したディヴィーナ(牝6、友道)が、28日付で競走馬登録抹消となった。

今後は北海道安平町のノーザンファームで繁殖馬となる予定。通算成績は20戦5勝(うち海外1戦0勝)。付加賞を含む総獲得賞金は1億6238万6000円。

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