日刊スポーツ

帯広農、雪上練習は大阪桐蔭の速い打球をイメージ

帯広農、雪上練習は大阪桐蔭の速い打球をイメージ

雪上シート打撃でフェースガードをつけ守備につく帯広農の選手たち(撮影・永野高輔)

第92回センバツ高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に21世紀枠で出場する帯広農が、発表から一夜明けた25日、同校グラウンドで約1時間半の雪上シート打撃練習を行った。

グラウンドに積もった雪を除雪し、打球速度が速くなるよう圧雪。内野陣は全員フェースガードをつけ、守備についた。甲子園で対戦する強豪の打球をイメージした練習で進化を図る。

   ◇   ◇   ◇

吉報から一夜、帯広農が早くもセンバツ対策に動き出した。目の前に広がるのは雪を押し固めたつるつるのグラウンドだ。土と違いバウンドしても減速せずに伸びてくる。前田監督は「大阪桐蔭をイメージした。こういう打球が捕れないと甲子園では勝てない」。雪国ならではの“高速リンクトレ”が始まった。

雪上練習は例年2月から行っていたが、今年は早めに実戦感覚をつけようと8日の練習初日から実施。当初は積雪を残しクッション性のあるグラウンド上で行っていたが、23日に除雪。梶祐輔三塁手(2年)は「雪が残っていたときとは比べものにならないぐらい打球が速い。ショートバウンドもしっかりグラブを立てないと止められない」と感想を口にした。

昨年は江森誠祥二塁手(2年)が打球を顔面に当て鼻骨骨折。それ以降、前田監督から「速い打球はよけていい」と指示が出ていた。今年は、高速打球を捕るため内野陣は全員、新たに購入したフェースガードを着用。千葉俊輔遊撃手(2年)は新アイテムをつけ「まったく怖さはなかった」とボールに食らいついた。

前田監督は「甲子園に向け競争意識を持ってほしい」と、シート打撃のチーム分けを、昨秋の主力と控え組でシャッフル。選手全36人で臨む2月13日からの4泊5日の兵庫・淡路島遠征は、1回目のメンバー選考に向けた合宿となる。まずは雪上で火花を散らし合い、戦意を研ぎすませていく。【永野高輔】

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初甲子園の加藤学園主将、前主将からエール受け気合

甲子園出場決定後初練習の冒頭、米山監督の話を聞く加藤学園の選手たち

第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕)に初出場する加藤学園が25日、甲子園行き決定後初の練習を行った。選手たちは、全体練習後の自主錬も含め、約4時間汗を流した。練習前には3年生の卒部式が行われ、勝又友則主将(2年)は、林口泰地前主将(3年)からエールを受けた。「『ここからチームは緩む。厳しくして、まとめていけ』と言われました。意識していきたいです」。

前日24日は帰宅後、多くの友人、知人から祝福の電話やメッセージを受けたという。主軸の大村善将内野手(2年)は、実感はまだわかないと言い、「出場校を発表する時のテレビ映像が送られてきたので見てみたら、不思議な感覚になりました」と笑った。3月上旬には、鹿児島県内で合宿が行われる予定。「鹿児島へ行くのは初めてなので楽しみ。得点力アップを意識して、実のある練習をしてきたい」と意欲的だった。【河合萌彦】

甲子園出場決定後初練習で、気合を入れて守備位置へ向かう加藤学園の選手たち

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白樺学園 豚丼で甲子園お祝い アイスホッケー応援

センバツ出場決定から一夜明け、全国高校アイスホッケーに出場したアイスホッケー部を応援する野球部の選手たち(撮影・浅水友輝)

第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場が決まった白樺学園(北海道)は一夜明けた25日、帯広市内の帯広の森アイスアリーナで行われている全国高校アイスホッケーの全校応援に参加した。

釧路江南との準々決勝に臨んだ同校アイスホッケー部を応援。主将の業天汰成捕手(2年)は「ホッケー部とは土日も遊んだり、仲が良い。ウエートルームでいつも頑張っているのを見かける。成果を出して欲しい」と話し、メガホンを片手に声をからした。

初のセンバツ切符を獲得してから初登校となったこの日は、クラスメートらから「おめでとう」と祝福を受けた。業天は「まだ実感はわかないけど、これから感じてくると思う」と喜んでいた。昨日は各自が室内でトレーニングを積み、夜には寮で十勝名物の豚丼を食べささやかに祝った。

同校は今後、2月18日から7泊8日の宮崎遠征、3月10日から3泊4日の徳島遠征など2度の道外遠征を行う予定だ。

なお、全国高校アイスホッケーでは白樺学園が釧路江南を5-1で下した。25日午後5時から準決勝で埼玉栄と激突する。

センバツ出場決定から一夜明け、全国高校アイスホッケーに出場したアイスホッケー部を応援する野球部の選手たち。右から2人目が業天主将(撮影・浅水友輝)

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センバツ出場32校決定/学校メモ付き一覧

第92回センバツ高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の選考委員会が大阪市内の毎日新聞大阪本社・オーバルホールで行われ、出場32校が決まった。

21世紀枠=3校

◆帯広農(北海道=初)

昨秋北海道大会4強。部員の多くが農業後継者。乳牛や園芸の実習が多く、全員そろう練習は土日のみ。1920年(大9)十勝農業学校として創立の道立校。生徒数585人(女子208人)。野球部は1926年(昭元)創部で部員は1、2年生で37人。甲子園は82年夏に1度出場(初戦敗退)。春は初めて。主な卒業生は夏季五輪で08年北京、12年ロンドン大会の自転車競技マウンテンバイク代表の山本幸平、16年リオデジャネイロ大会女子7人制ラグビー代表の桑井亜乃、漫画家の荒川弘ら。酪農科学科など5学科がある。所在地は帯広市稲田町西1線9番地。(日刊評価C)

雪で作られた牛と共に撮影に応じる帯広農ナイン(撮影・佐藤翔太)

◆磐城(福島=46年ぶり3度目)

昨秋福島大会3位、東北大会8強。いわき市は台風の被害にあったが、地域のために貢献。1896年(明29)、福島県尋常中学校磐城分校として開校した文武両道の県立進学校。甲子園は63年夏、68年春夏、70年夏、71年夏、74年春、75年夏、85年夏、95年夏の計9度出場。71年夏は小さな大投手・田村の大活躍で準優勝。75年は8強。通算7勝9敗。部員20人。OBに元毎日の小野正一投手、元南海福田昌久外野手、俳優の皆川猿時ら。所在地はいわき市平字高月7。(日刊評価C)

選抜出場を決めた磐城ナインは喜びを爆発させる(撮影・柴田隆二)

◆平田(島根=初)

昨秋島根大会準優勝、中国大会8強。野球の普及活動に積極的で、地域活性のイベントにも参加。1916年(大5)平田農学校として開校。甲子園は春夏通じ初出場。昨年は中国地区候補校に選ばれたが補欠1位校で出場ならず。部員22人。主なOBに映画監督の錦織良成、陸上の錦織育子、柔道の佐々木健志ら。所在地は島根県出雲市平田町1。(日刊評価C)

北海道=1校

◆白樺学園(初)

昨秋北海道大会優勝。神宮大会4強。1958年(昭33)に帯広商として創立した私立校。65年、現校名に改称。生徒数は415人(女子108人)。野球部は開校と同時に創部。現部員33人。甲子園は夏に3度出場し11年に1勝。ほかの運動部では陸上、アイスホッケー、スピードスケートなどが全国レベル。主なOBはスピードスケート五輪メダリストの清水宏保、堀井学。所在地は芽室町北伏古東7線10の1。(日刊評価B)

センバツ出場を決め、笑顔で帽子を投げる白樺学園ナイン(撮影・浅水友輝)

東北=2校

◆仙台育英(宮城=3年ぶり13度目)

昨秋宮城大会、東北大会優勝。神宮大会は初戦敗退。1905年(明38)創立の私立校。生徒数は3200人(女子1100人)。野球部は30年創部。甲子園出場は春13度目、夏は28度。89年夏、01年春、15年夏に準優勝。部員73人。主なOBは楽天由規、ソフトバンク上林誠知、ロッテ平沢大河、西巻賢二ら。仙台市宮城野区宮城野2の4の1。(日刊評価B)

帽子を投げてセンバツ出場を喜ぶ仙台育英の選手たち(撮影・鎌田直秀)

◆鶴岡東(山形=41年ぶり2度目)

昨秋山形大会優勝、東北大会準優勝。1968年(昭43)、鶴岡商として創立の私立校。その後鶴商学園となり、00年現校名に。生徒数は678人(女子319人)。野球部も68年創部で甲子園は春が2度目、夏は6度出場。15年と19年夏に3回戦進出。部員66人。主なOBはソフトバンクにドラフト1位入団の吉住晴斗投手。元阪神の青木重市、元巨人の渡辺貴洋ら。学校所在地は山形県鶴岡市切添町22の30。(日刊評価B)

センバツ出場を決め、選手たちに胴上げされる鶴岡東・鈴木主将(中央)(撮影・相沢孔志)

関東・東京=6校

◆高崎健康福祉大高崎(群馬=3年ぶり4度目)

昨秋群馬大会3位、関東大会優勝、明治神宮大会準優勝。1968年(昭43)創立の私立校。01年に共学となり現校名。野球部は02年創部。甲子園は春が4度目、夏は3度出場。12年春の4強が最高成績。部訓は「不如人和」(人の和はすべてに勝る)。部員70人。主なOBに中日三ツ間卓也、阪神長坂拳弥、巨人山下航汰。所在地は群馬県高崎市中大類町531。(日刊評価A)

センバツ出場が決まり、喜び合う高崎健康福祉大高崎の選手たち(撮影・大野祥一)

◆山梨学院(山梨=2年連続4度目)

昨秋山梨大会優勝、関東大会準優勝。1956年(昭31)創立の私立校。普通科に特進コース、進学コースがあり、生徒数は1001人(女子430人)。野球部は57年に創部。甲子園出場は春4度目、夏は9度出場。2回戦の壁が破れず通算4勝12敗。部員69人。主なOBは元巨人松本哲也、ソフトバンク明石健志ら。所在地は甲府市酒折3の3の1。(日刊評価B)

センバツ出場が決まり帽子を飛ばし喜ぶ山梨学院ナイン(撮影・滝沢徹郎)

◆東海大相模(神奈川=2年ぶり11度目)

昨秋神奈川大会優勝、関東大会4強。1963年(昭38)に創立された私立校。生徒数1826人(女子728人)。野球部は同年創部。甲子園出場は春が11度目、夏も11度出場。70年夏、00年春、11年春、15年夏に全国制覇。部員59人。主なOBは巨人原辰徳監督、巨人菅野智之、広島田中広輔ら。所在地は神奈川県相模原市南区相南3の33の1。(日刊評価A)

センバツ出場が決まり気合が入る東海大相模の選手たち(撮影・山崎安昭)

◆桐生第一(群馬=4年ぶり6度目)

昨秋群馬大会優勝、関東大会4強。1901年(明34)桐生裁縫専門女学館として創立した私立校。89年から現校名。野球部は85年創部。甲子園に春が6度目、夏は9度出場。99年夏に全国優勝。部員50人。主なOBに四国IL・愛媛の正田樹、巨人藤岡貴裕、オリックス小島脩平、J1札幌の鈴木武蔵ら。所在地は桐生市小曽根1の5。(日刊評価C)

センバツ出場が決定し、広瀬主将を胴上げして喜ぶ桐生第一ナイン(撮影・加藤諒)

◆花咲徳栄(埼玉=4年ぶり5度目)

昨秋埼玉大会優勝、関東大会8強。1982年(昭57)創立の私立校。野球部も同年創部。甲子園出場は春が5度目で夏は7度出場し17年に埼玉県勢として初の夏制覇。部員99人。主なOBはオリックス若月健矢、広島高橋昂也、中日清水達也、ボクシング元世界王者の内山高志ら。所在地は埼玉県加須市花崎519。(日刊評価B)

センバツ出場が決まり喜ぶ井上主将(中央)ら花咲徳栄ナイン(撮影・足立雅史)

◆国士舘(東京=2年連続10度目)

昨秋東京大会優勝。明治神宮大会初戦敗退。1917年(大6)創立の私立校。野球部は46年創部。部員69人。甲子園出場は春10度目、夏1度。最高成績は91年春、93年春の4強。他に柔道、剣道、サッカー部などが有名。主なOBにアテネ五輪柔道金メダリストの鈴木桂治ら。所在地は世田谷区若林4の32の1。(日刊評価B)

センバツ出場が決まり永田監督(前列中央)を中心にガッツポーズで記念撮影に納まる国士舘ナイン(撮影・河野匠)

東海=3校

◆中京大中京(愛知=10年ぶり31度目)

昨秋愛知大会優勝、東海大会優勝、明治神宮大会優勝。エース高橋宏斗はプロ注目右腕。1923年(大12)に中京商業学校として創立された私立校。95年から現校名。学校創立と同時に野球部創部。甲子園は春が31度目、夏は28回出場。春夏合わせ11度の全国優勝を誇り通算133勝(47敗)。部員58人。主なOBは侍ジャパンの稲葉篤紀監督、ヤクルト嶋基宏、浅田真央(フィギュアスケート)ら。所在地は名古屋市昭和区川名山町122。(日刊評価A)

出場が決まり喜ぶ中京大中京高校ナイン(前列中央はキャプテン・印出太一)(撮影・森本幸一)

◆県岐阜商(岐阜=5年ぶり29度目)

昨秋岐阜大会優勝、東海大会準優勝。1904年(明37)創立の県立校。野球部は24年創部。甲子園は春が29度目、夏は28度出場。春夏合わせ4度の全国優勝。部員50人。主なOBは元中日高木守道監督、元中日和田一浩、ソフトバンク高橋純平、シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子ら。所在地は岐阜市則武新屋敷1816の6。(日刊評価B)

選抜出場が決まり古田憲司校長(左)と握手する県岐阜商の鍛治舎監督

◆加藤学園(静岡=初)

昨秋静岡大会準優勝、東海大会4強。明治神宮枠で東海3校目に入り春夏甲子園初出場を果たした。

1926年(大15)に沼津市内で創設された沼津淑徳女学院が前身。2年後に併設された沼津淑徳商業女学校が沼津女子商業学校、沼津女子高校などと改称し、77年から現名。83年から男女共学。特進部、進学部、総合学部を持つ。今月1日現在の生徒数は男子696人、女子674人。野球部は95年創部。部員37人。柔道部や陸上部、チアリーダー部も有力。主なOBに西武高橋朋己、陸上・長距離の下田裕太(青学大OB)。所在地は沼津市大岡自由ケ丘1979。(日刊評価C)

選手たちから胴上げされる加藤学園の米山監督

北信越=2校

◆星稜(石川=3年連続14度目)

昨秋石川大会優勝、北信越大会優勝、明治神宮大会初戦敗退。1962年(昭37)実践第二高等学校として創立された私立校。63年から現校名。甲子園は春が14度目、夏は20度出場。79年夏の3回戦で箕島と延長18回の死闘を演じた。95年夏と19年夏に準優勝。部員54人。主なOBは元巨人、ヤンキースで野球殿堂入りの松井秀喜、ヤクルト奥川恭伸、サッカー本田圭佑ら。所在地は石川県金沢市小坂町南206。(日刊評価B)

ゼンバツ決定に喜ぶ星稜ナイン(撮影・南谷竜則)

◆日本航空石川(石川=2年ぶり2度目)

昨秋石川大会準優勝、北信越大会準優勝。03年(平15)4月に日本航空二として開校の私立校。パイロットや航空整備士の養成を目的に設立された。09年4月から現校名。野球部創部は03年で甲子園は春が2度目、夏は2度出場。18年春に8強。部員69人。主なOBはロッテ角中勝也、俳優の町田啓太ら。所在地は輪島市三井町洲衛9の27の7。(日刊評価B)

近畿=6校

◆天理(奈良=5年ぶり24度目)

昨秋奈良大会3位、近畿大会優勝、明治神宮大会4強。1900年(明33)創立の私立校。天理教校として発足。1908年に天理中となり、戦後の学制改革で天理となる。野球部は1901年創部。甲子園は春が24度目、夏が28回出場。86年夏、90年夏、97年春に全国優勝。部員56人。OBに元ダイエー門田博光、元阪神関本賢太郎ら。所在地は天理市杣之内町1260。(日刊評価B)

春のセンバツ出場が決定し、ガッツポーズして喜ぶ天理ナイン(撮影・白石智彦)

◆大阪桐蔭(大阪=2年ぶり11度目)

昨秋大阪大会優勝、近畿大会準優勝。1983年(昭58)創立の私立校。野球部は88年創部。甲子園は春が11度目、夏は10度出場。12年、18年の春夏連覇を含め8度全国優勝。部員43人。主なOBは西武中村剛也、日本ハム中田翔、楽天浅村栄斗、阪神藤浪晋太郎、西武森友哉、中日根尾昂、ロッテ藤原恭大ら。所在地は大東市中垣内3の1の1。(日刊評価A)

センバツ出場が決定し喜ぶ大阪桐蔭ナイン(撮影・清水貴仁)

◆履正社(大阪=2年連続9度目)

昨秋大阪大会準優勝、近畿大会4強。1922年(大11)に大阪福島商業学校として創立した私立校。83年から現校名。野球部は開校と同じ22年創部。甲子園出場は春が9度目、夏4度。昨夏甲子園で初の全国制覇。部員55人。主なOBはオリックスT-岡田、ヤクルト山田哲人、ロッテ安田尚憲、漫才師のおぼん・こぼんら。所在地は大阪府豊中市長興寺南4の3の19。(日刊評価A)

センバツ出場が決まり喜び合う履正社ナイン(撮影・上山淳一)

◆智弁学園(奈良=2年ぶり13度目)

昨秋奈良大会優勝、近畿大会4強。1965年(昭40)創立の私立校。野球部も同年創部。甲子園出場は春が13度目、夏は19度出場。16年春に全国制覇。部員40人。主なOBは阪神岡崎太一、巨人岡本和真、ヤクルト広岡大志ら。所在地は奈良県五條市野原中4の1の51。(日刊評価B)

◆明石商(兵庫=2年連続3度目)

昨秋兵庫大会準優勝、近畿大会8強。1953年(昭28)に創立の市立校。野球部も創立と同時に創部された。甲子園出場は夏2度、春は3度目の出場。16年春8強、昨年は春夏ともに4強。部員70人。主な卒業生は西武松本航、車いすテニスの上地結衣。所在地は明石市魚住町長坂寺1250。(日刊評価B)

来田涼斗主将を抱き上げ喜ぶ明石商ナイン(撮影・渦原淳)

◆智弁和歌山(和歌山=3年連続14度目)

昨秋和歌山大会優勝、近畿大会8強。1978年(昭53)創立の私立校。野球部は79年創部。甲子園出場は春が14度目、夏は24度出場。94年春、97年夏、00年夏に全国優勝。部員24人。主なOBに元ヤクルト武内晋一、日本ハム西川遥輝ら。所在地は和歌山市冬野2066の1。(日刊評価B)

センバツ出場が決まり喜ぶ智弁和歌山ナイン(撮影・前岡正明)

中国・四国=5校

◆倉敷商(岡山=8年ぶり4度目)

昨秋岡山大会準優勝、中国大会優勝、明治神宮大会初戦敗退。1912年(明45)創立の県立校。野球部の創部は31年で、甲子園は夏10度、春は4度目。最高成績は89年夏と12年夏の8強。部員60人。主なOBは元楽天星野仙一監督、元ヤクルト松岡弘、ロッテ岡大海ら。所在地は倉敷市白楽町545。(日刊評価B)

センバツ出場が決まり、喜びを爆発させる原田将多主将(中央)ら倉敷商ナイン(撮影・加藤裕一)

◆鳥取城北(鳥取=8年ぶり2度目)

昨秋鳥取大会優勝、中国大会準優勝。1963年(昭38)創立の私立校。野球部は69年創部。甲子園は春が2度目、夏は5度出場。12年夏に1勝。部員80人。主なOBは元巨人川口和久、阪神能見篤史、大相撲の照ノ富士ら。所在地は鳥取市西品治8486。(日刊評価B)

センバツ出場決定に帽子を投げて喜ぶ広島新庄ナイン(撮影・古財稜明)

◆広島新庄(広島=6年ぶり2度目)

昨秋広島大会優勝、中国大会4強。1909年(明42)新庄女学校として創立の私立校。07年に現校名。野球部は1928年創部。甲子園は春が2度目、夏は2度出場で16年夏に3回戦進出。部員60人。主なOBは元広島永川勝浩、巨人田口麗斗、日本ハム堀瑞輝ら。所在地は山県郡北広島町新庄848。(日刊評価B)

◆明徳義塾(高知=2年ぶり19度目)

昨秋高知大会3位、四国大会優勝、明治神宮大会8強。1976年(昭51)創立の私立校。野球部も76創部。甲子園は春が19度目、夏は20度出場。02年夏に全国制覇。部員64人。主な出身者はDeNA伊藤光、ヤクルト市川悠太、プロゴルファーの松山英樹、横峯さくらら。所在地は高知県須崎市浦ノ内下中山160。(日刊評価B)

2年ぶりのセンバツ出場が決まった明徳義塾・馬淵史郎監督(撮影・田口真一郎)

◆尽誠学園(香川=18年ぶり7度目)

昨秋香川大会準優勝、四国大会準優勝。1884年(明17)に「忠誠塾」として創立された私立校。1948年から現校名。98年から共学。野球部は1947年創部で甲子園は春が7度目、夏は11度出場。89年夏と92年夏に4強。部員55人。主なOBは元阪神の故伊良部秀輝、元オリックス谷佳知ら。所在地は善通寺市生野町855の1。(日刊評価B)

九州=4校

◆明豊(大分=2年連続4度目)

1999年(平11)に別府大付と明星の学校法人合併で発足した男女共学の私立校。野球部創部は別府大付時の52年。甲子園は春は4度目、夏6度の出場。部員65人。主なOBに元阪神城島健司、ソフトバンク今宮健太、ヤクルト浜田太貴ら。所在地は大分県別府市野口原3088。(日刊評価B)

センバツ出場を決め、帽子投げで喜ぶ明豊の選手たち (撮影・菊川光一)

◆大分商(大分=23年ぶり6度目)

昨秋大分大会準優勝、九州大会準優勝。1917年(大6)開校の男女共学県立校。野球部創部は1921年で、甲子園出場は春が6度目、夏は15度出場で過去最高成績は8強。部員41人。主なOBは元巨人岡崎郁、西武源田壮亮、広島森下暢仁ら。所在地は大分市西浜4の2。(日刊評価B)

センバツ出場を決め喜びを爆発させる川瀬堅斗主将(中央)ら大分商ナイン(撮影・今浪浩三)

◆創成館(長崎=2年ぶり4度目)

昨秋長崎大会準優勝、九州大会4強。1962年(昭37)創立の私立校。野球部創部は62年。甲子園出場は春が4度目、夏は2度。最高成績は18年春の8強。部員91人。主なOBは阪神川原陸、格闘家の広田瑞人、漫画家の鬼頭えんら。所在地は諫早市貝津町621。(日刊評価C)

センバツ出場が決まった長崎・創成館ナインが、体育館で笑みのガッツポーズを並べた(撮影・浦田由紀夫)

◆鹿児島城西(鹿児島=初)

昨秋鹿児島大会準優勝、九州大会4強。ダイエー、西武などで活躍した佐々木誠監督が指揮を執る。1927年に設立された鹿児島和洋裁縫女学校が前身。その後鹿児島照国高等学校に改称。79年から現校名。春夏通じて甲子園初出場。部員42人。主なOBに元DeNA細山田武史(現トヨタ自動車)、日本代表FWでブレーメンの大迫勇也ら。所在地は鹿児島県日置市伊集院町清藤1938。(日刊評価C)

出場が決まった鹿児島城西ナインは佐々木誠監督を胴上げする(撮影・梅根麻紀)

補欠校

【21世紀枠】

伊香(滋賀)

近大高専(三重)

【北海道】

札幌日大

【東北】

盛岡大付(岩手)

仙台城南(宮城)

【関東】

習志野(千葉)

西武台(埼玉)

【東京】

帝京

【東海】

藤枝明誠(静岡)

愛工大名電(愛知)

【北信越】

敦賀気比(福井)

佐久長聖(長野)

【近畿】

京都翔英

奈良大付

【中国】

創志学園(岡山)

矢上(島根)

【四国】

岡豊(高知)

新田(愛媛)

【九州】

沖縄尚学

宮崎日大

※各地区上記の学校が補欠1位校

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帯広農4アウトの先輩「もっと良い記録」後輩に託す

82年夏の北北海道大会優勝時の写真を手に、左腕を掲げる帯広農元エースの加藤さん。写真右端が当時の同氏

<帯農なつぞら旋風 育て人 支え人(上)>

センバツの21世紀枠で帯広農が初めて選出された。日刊スポーツでは連載「帯農なつぞら旋風 育て人 支え人」と題し、野球部を築き、支えた人物を3回にわたって紹介する。1回目は82年夏の甲子園出場時のエース加藤浩一さん(55)。前代未聞の“4アウト”を経験し敗れた先輩が、後輩たちにリベンジの1勝を託した。

後輩の吉報を心から喜んだ。82年夏甲子園時のエースだった加藤さんは「秋の活躍からすごいと思っていた。今は公立校が甲子園に出るのは難しい。ここまできたら思い切ってプレーしてきてほしい」と熱いエールをおくった。

キレのあるカーブと緩急を生かし打ち取る、頭脳派左腕だった。82年夏の北北海道大会は3戦27回4失点。計4四球と安定感ある投球で初優勝に導いた。だが、ひじを痛め8月に関西入りするまで投球回避。8月11日、甲子園での益田戦(島根)は感覚が戻らず「思ったところにいかず6回ぐらいまでカリカリしていた」。結果は7四球5失点での敗戦だった。

前代未聞の事態にも巻き込まれた。2-5の9回2死一塁、相手5番打者を二飛に打ち取り3つ目のアウトを取った後だった。「ベンチに帰ろうと思ったら誰も動かない。おかしいなと思ったが、捕手の佐々木(伸浩)も何も言わなくて」。2死になった際、球審がカウンターを入れ忘れ、スコアボードが1死のままだったことが原因だった。

結局、次打者を三ゴロに打ち取りベンチに引き揚げた。その際4本指を挙げたシーンが、テレビ映像にも映った。「今でも4アウトを取った人と言われる。嫌ではないが恥ずかしい。後輩には、もっと良い記録を残してほしい」と託した。

82年夏の甲子園は早実の荒木大輔投手が3年。「大ちゃんフィーバー」真っ盛りだった。「向こうはスター。自分たちとは注目度が違った。でも最近では金足農の頑張りもあった。帯広農も2つ3つ勝ったら、大きな話題になるのでは」。20年春、珍事ではなく勝利で注目されることを、願っている。【永野高輔】

◆82年夏の甲子園2回戦、帯広農対益田(島根) 初出場同士の一戦。帯広農が1-4の8回、1点を返すも、9回1死二、三塁から相手スクイズで1点を献上。その際、2ランスクイズを狙った二塁走者の本塁突入を阻止し2死一塁となったが、このアウトが審判のミスでカウントされなかったため“4アウト”につながった。試合は2-5で敗れた。

◆帯広農OGでリオデジャネイロオリンピック(五輪)ラグビー7人制女子日本代表の桑井亜乃(30=アルカス熊谷) 今は農業高校の時代ですね。大舞台は出ることへの喜びを感じて、自分がやってきたことをみなさんに見てもらう気持ちで。私も東京五輪出場へまだチャンスはあるので、焦らず自分を信じて頑張ろうと思います。

82年夏の甲子園での4アウトを報じる8月12日付日刊スポーツ。右端には審判委員のスコアブック写真が掲載されている

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白樺学園「はざま世代」掴んだ“初春”センバツ切符

センバツ出場を決め、笑顔で帽子を投げる白樺学園ナイン(撮影・浅水友輝)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

雪辱の全国へ。吉報が届いた白樺学園ナインは静かに喜びをかみしめた。昨秋全道覇者に届いたセンバツ切符。主将の業天汰成捕手(2年)は「一安心です。夢舞台で精いっぱいプレーできるようにしっかり準備したい」。神宮大会4強も、挑戦者の気持ちで初の春甲子園に備えていく。

「はざまの世代」。業天の口から出たのは意外な言葉だった。2年前の入学当初は強打が伝統のチームにおいて、打線の迫力がなかったという。周囲に言われたのが冒頭の言葉だった。それでも腐らなかった。7割を割いた守備練習で自分たちの土台を築いた。打撃では長打よりもつなぐ意識を心がけた。堅守があるから、打撃に集中できる。昨秋全道を4戦42得点で勝ち上がるまでに成長した。

再び壁を感じた。4強になった神宮大会。エースで4番の片山楽生(2年)は「全国とは差があった」。打線は直球に押し込まれ、守備でもリズムを生み出せない。「自分たちは個々の力は足りない」。その自覚が、全国との実力差を埋める冬への意識を生んだ。冬場はウエートなどの地道な練習を反復。8キロ増の片山を筆頭にチーム全体でも5キロほど体重が増えた。つらい練習はセンバツ行進曲の「パプリカ」をかけてチーム一丸で乗り切った。

この日、部室に集まったナインは先に21世紀枠で帯広農の選出を知った。業天は「帯広農が1面ですかね」と少し寂しそうにしたが「全国で1つでも多く勝って大きく扱ってもらえるように頑張ります」と続けた。3度出場の夏は13年の1勝のみ。初出場で歴史を超える甲子園1大会2勝を狙う。【浅水友輝】

センバツ出場を決め、白樺学園ナインに胴上げされる戸出監督(撮影・浅水友輝)

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Aは中京大中京など5校/センバツ出場32校評価

2020年選抜高校野球出場が決まり喜ぶ中京大中京高校ナイン(前列中央はキャプテン・印出太一)(撮影・森本幸一)

第92回センバツ高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の選考委員会が24日、大阪市内で行われ、出場32校が決まった。日刊スポーツが32校のチーム力を評価。A評価は昨秋明治神宮大会を制した中京大中京(愛知)、大阪桐蔭(大阪)など5校。

【A評価=5校】

◆高崎健康福祉大高崎(群馬=3年ぶり4度目)

昨秋群馬大会3位、関東大会優勝、明治神宮大会準優勝。積極走塁とエース下投手を軸に攻守に粘り強い

◆東海大相模(神奈川=2年ぶり11度目)

昨秋神奈川大会優勝、関東大会4強。山村、西川、鵜沼ら昨夏主力残る強力打線

◆中京大中京(愛知=10年ぶり31度目)

昨秋愛知大会優勝、東海大会優勝、明治神宮大会優勝。プロ注目エース高橋らタレント選手が揃うV候補

◆大阪桐蔭(大阪=2年ぶり11度目)

昨秋大阪大会優勝、近畿大会準優勝。投打で充実。中軸は西野ら強打者そろう

◆履正社(大阪=2年連続9度目)

昨秋大阪大会準優勝、近畿大会4強。エース岩崎ら昨夏全国V経験者が多数

【B評価=20校】

◆白樺学園(北海道=初出場)

昨秋北海道大会優勝。神宮大会4強。本格派右腕の片山&右横手坂本武が安定

◆仙台育英(宮城=3年ぶり13度目)

昨秋宮城大会、東北大会優勝。神宮大会初戦敗退。左腕笹倉や主砲入江を軸に選手層分厚い

◆鶴岡東(山形=41年ぶり2度目)

昨秋山形大会優勝、東北大会準優勝。東北大会3戦連続10得点の強力打線武器

◆山梨学院(山梨=2年連続4度目)

昨秋山梨大会優勝、関東大会準優勝。多彩な攻撃と3季連続出場の経験生かす

◆花咲徳栄(埼玉=4年ぶり5度目)

昨秋埼玉大会優勝、関東大会8強。4番井上を中心とした打線は破壊力抜群

◆国士舘(東京=2年連続10度目)

昨秋東京大会優勝。明治神宮大会初戦敗退。技巧派サイド右腕中西を中心に守り勝つ野球に自信

◆県岐阜商(岐阜=5年ぶり29度目)

昨秋岐阜大会優勝、東海大会準優勝。鍛治舎監督は18年に母校就任で初甲子園

◆星稜(石川=3年連続14度目)

昨秋石川大会優勝、北信越大会優勝、明治神宮大会初戦敗退。北信越大会決勝は19得点。投打とも充実

◆日本航空石川(石川=2年ぶり2度目)

昨秋石川大会準優勝、北信越大会準優勝。体重100キロ超え右腕嘉手苅が投打の柱

◆天理(奈良=5年ぶり24度目)

昨秋奈良大会3位、近畿大会優勝、明治神宮大会4強。近畿大会4試合で38得点の打力が武器

◆智弁学園(奈良=2年ぶり13度目)

昨秋奈良大会優勝、近畿大会4強。1年生から4番の前川の打力は超高校級

◆明石商(兵庫=2年連続3度目)

昨秋兵庫大会準優勝、近畿大会8強。プロ注目の中森&来田を中心に守り勝つ

◆智弁和歌山(和歌山=3年連続14度目)

昨秋和歌山大会優勝、近畿大会8強。4季連続甲子園出場の細川がチームの柱

◆倉敷商(岡山=8年ぶり4度目)

昨秋岡山大会準優勝、中国大会優勝、明治神宮大会初戦敗退。粘り強い打線で県2位から中国大会制覇

◆鳥取城北(鳥取=8年ぶり2度目)

昨秋鳥取大会優勝、中国大会準優勝。しぶとくつなぐ野球で春初勝利を目指す

◆広島新庄(広島=6年ぶり2度目)

昨秋広島大会優勝、中国大会4強。左腕の2枚看板を軸に鉄壁の守備を誇る

◆明徳義塾(高知=2年ぶり19度目)

昨秋高知大会3位、四国大会優勝、明治神宮大会8強。堅守の四国王者。エース新地は制球力抜群

◆尽誠学園(香川=18年ぶり7度目)

昨秋香川大会準優勝、四国大会準優勝。18年ぶりセンバツ出場で強豪復活なるか

◆明豊(大分=2年連続4度目)

昨秋大分大会優勝、九州大会優勝。明治神宮大会初戦敗退。2年連続センバツで前回の4強超え狙う

◆大分商(大分=23年ぶり6度目)

昨秋大分大会準優勝、九州大会準優勝。プロ注目の最速147キロ右腕川瀬がカギ

【C評価=7校】

◆桐生第一(群馬=4年ぶり6度目)

昨秋群馬大会優勝、関東大会4強。個々の役割を徹底したチーム打撃が売り

◆加藤学園(静岡=初出場)

昨秋静岡大会準優勝、東海大会4強。主戦肥沼らを中心に攻守での粘りが武器

◆創成館(長崎=2年ぶり4度目)

昨秋長崎大会準優勝、九州大会4強。西武森が目標の1年生4番・松永に期待

◆鹿児島城西(鹿児島=初出場)

昨秋鹿児島大会準優勝、九州大会4強。元ダイエーの佐々木監督のさい配に注目

◆帯広農(21世紀枠・北海道=初出場)

昨秋北海道大会4強。打率6割超えの水上右翼手軸にかき回す

◆磐城(21世紀枠・福島=46年ぶり3度目)

昨秋福島大会3位、東北大会8強。エース右腕・沖の踏ん張りが勝敗のカギ

◆平田(21世紀枠・島根=初出場)

昨秋島根大会準優勝、中国大会8強。野球の普及活動にも尽力

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71年準V磐城の「小さな大投手」も母校にエール

71年8月、夏の甲子園で決勝進出を決め笑顔でガッツポーズする磐城・田村隆寿

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

第92回センバツ高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場32校が決定し、21世紀枠で磐城(福島)が選出された。

昨秋の東北大会中に台風19号の影響を受けたが、46年ぶりに2勝を挙げ8強入り。71年夏に「小さな大投手」田村隆寿氏(67)を擁し準優勝するなど、甲子園9度出場を誇る文武両道の古豪が、95年夏以来25年ぶりに聖地に戻る。11年の東日本大震災で大きな被害を受けたいわき市にとって、復興を象徴する吉報となった。組み合わせ抽選会は3月13日に行われる。

   ◇   ◇   ◇

165センチの「小さな大投手」も喜びを爆発させた。71年夏にエースとして磐城を準優勝に導いた田村さんは「夏は甲子園に出場するのが難しいからね。自分が生きているうちに甲子園に行けるとは思ってなかった(笑い)。日程が合えば、応援に行こうと思っています」と激励した。

田村さんは制球力が武器で、71年夏の甲子園では4試合で四球0。3連続完封で勝ち上がった桐蔭学園(神奈川)との決勝、大会34イニング目の初失点が決勝点となった。現エースの沖には「球威がなければ、丁寧に投げるしかない。甲子園の雰囲気に上がるだろうから、早めに捕手に構えてもらって、キャッチャーミットに集中。後は自分を信じることだね」と経験を通した助言を送った。

田村さんは磐城の監督としても85年の夏に甲子園出場。現在、指揮を執る木村監督を1年だけ指導しているが「どんな選手か覚えてない(笑い)。私学には打線で勝てないから、1点を守り勝つ野球で勝ち上がってほしいね」とエールを送った。【高橋洋平】

◆磐城の71年夏 165センチ、62キロの「小さな大投手」田村隆寿が日大一、静岡学園を5安打、郡山を8安打で3試合連続完封し決勝進出。桐蔭学園・大塚喜代美との投げ合いとなった決勝は、7回裏に1点を失い、0-1で惜敗した。カーブとシンカーを駆使した田村は大会4完投で35回、自責点1の防御率0・26。田村だけでなく平均身長170センチにも満たない選手たちの健闘は、ユニホームの色から「コバルトブルー旋風」と呼ばれた。

磐城ナインは帽子を投げて喜ぶ(撮影・柴田隆二)

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授業には武道、磐城復興のセンバツ OB記者感慨

センバツ出場を決めた磐城ナインは喜びを爆発させる(撮影・柴田隆二)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

第92回センバツ高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場32校が決定し、21世紀枠で磐城(福島)が選出された。

昨秋の東北大会中に台風19号の影響を受けたが、46年ぶりに2勝を挙げ8強入り。71年夏に「小さな大投手」田村隆寿氏(67)を擁し準優勝するなど、甲子園9度出場を誇る文武両道の古豪が、95年夏以来25年ぶりに聖地に戻る。11年の東日本大震災で大きな被害を受けたいわき市にとって、復興を象徴する吉報となった。組み合わせ抽選会は3月13日に行われる。

   ◇   ◇   ◇

まさか母校のセンバツ発表に立ち会うとは-。卒業して十数年。職員室には当時の先生方が健在だった。振り返れば、世間の女子高生のイメージとはちょっと違う3年間を過ごした。

まず制服がスカートではない。入学時、3年生は400人全員男だった。共学が決まり、男子校に誇りを持つ先生が「女子もスラックス」を提案。スカート派との折衷案でキュロット(半ズボン)になったらしい。と当時説明された。

1学年下からはかわいい室内履きが採用されたが、私の代は緑の便所サンダル。女子の部活は少なく、多くが愛好会から始まった。授業には「武道」があって柔道か剣道が必修だった。

同級生には中学浪人して入った年上が数人いた。新入生は4月に応援団による応援練習がある。出来が悪いと、長ランの上級生に「声が小せえ!」「動くな!」と大声で指導された。古きバンカラ気質を少しのぞいたような気がした。

学年で一番家が遠く、学区外の浪江町から毎朝6時の常磐線に乗った。聞けば佐藤綾哉投手(1年)も浪江出身。小1で被災し、原発問題で山形に避難。中学からいわきに来た。夏の甲子園100回大会の際、磐城が準優勝した71年夏の映像に心揺さぶられた。「勉強も部活も結果を出してこそ高校野球。ここに入りたいと思いました」。伝統が時を超え、震災を乗り越えた少年に力をくれた。

野球担当になって10年。球界で「磐城」と言えば「小さな大投手のところか」と返ってくる。71年夏優勝校(桐蔭学園)の捕手だった星槎国際湘南・土屋監督ともお会いした。先の台風で夏井川氾濫のニュースを見て、思い出した。「峰は秀づ赤井嶽 水は清し夏井川」。全国的にも珍しい3拍子の校歌。最後に野球部の試合を見たのは高3夏の全校応援だった。甲子園のアルプスであれが流れたら、泣きそうだ。【磐城OG(共学2期) 鎌田良美】

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磐城21世紀枠 71年夏コバルトブルー旋風再び

センバツ出場を決め、磐城ナインは喜びを爆発させる(撮影・柴田隆二)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場32校が決定し、21世紀枠で磐城(福島)が選出された。昨秋の東北大会中に台風19号の影響を受けたが、46年ぶりに2勝を挙げ8強入り。71年夏に「小さな大投手」田村隆寿氏(67)を擁し準優勝するなど、甲子園9度出場を誇る文武両道の古豪が、95年夏以来25年ぶりに聖地に戻る。11年の東日本大震災で大きな被害を受けたいわき市にとって、復興を象徴する吉報となった。組み合わせ抽選会は3月13日に行われる。

懐かしのコバルトブルーが甲子園に帰ってくる。部員20人を前に木村保監督(49)は涙をこらえきれなくなった。「21世紀枠という困難を克服したり模範になっているとか、素晴らしい取り組みをしている学校の代表として選出されたことを心に刻んでくれ。選ばれたにふさわしい戦いを披露してください。まだ道半ば。日々精進していきましょう」と声をかけた。

東北大会で初戦突破し岩手からいわきに戻った翌日、台風19号の直撃を受けた。ぶっつけ本番で臨みながら2回戦も勝利。準々決勝で力尽きたが、地元に戻るとすぐにボランティアに出向いた。住民から「頑張ったね」と声をかけられ岩間涼星主将(2年)は「地域の方々に支えられていることを再認識した」。木村監督は「地元の方々に励まされ心が磨かれたと思う。甲子園に行って勝つんだという気持ちを持ったと思う」と成長を感じ取った。

復興への思いは強い。現2年生は小2の3月に東日本大震災を経験。自宅の庭まで津波が押し寄せた岩間主将は、当時の恐怖を忘れない。加えて福島第1原発の事故による放射能の影響で、神奈川県の親戚宅に避難。東海大相模が優勝したセンバツをテレビ観戦し「外で遊ぶことも困難なのに、いい環境でプレーしている選手がうらやましかった。野球ができなかったあの日の感情も背負ってプレーしたい」と思いを口にした。

3月14日には常磐線も全線開通予定。ゆっくりと、確実に復興が進む。岩間主将は「今度は僕たちが子どもたちに『信じ続けることの大事さ』を証明したい。それは甲子園に出るだけじゃなく、勝つことで証明できる。大きな夢を与えたい」。71年夏は、福島勢最高の準優勝で炭鉱の閉山が決まっていた町に希望を与えた。熱い使命感を胸に、聖地で復興の象徴となる。【野上伸悟】

◆磐城の71年夏 165センチ、62キロの「小さな大投手」田村隆寿が日大一、静岡学園を5安打、郡山を8安打で3試合連続完封し決勝進出。桐蔭学園・大塚喜代美との投げ合いとなった決勝は、7回裏に1点を失い、0-1で惜敗した。カーブとシンカーを駆使した田村は大会4完投で35回、自責点1の防御率0・26。田村だけでなく平均身長170センチにも満たない選手たちの健闘は、ユニホームの色から「コバルトブルー旋風」と呼ばれた。

磐城ナインは帽子を投げて喜ぶ(撮影・柴田隆二)
磐城の甲子園成績
71年8月、夏の甲子園で決勝進出を決め笑顔でガッツポーズする磐城・田村隆寿

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関東と東京決戦…見直すべき時期/センバツ記者の目

センバツ出場が決まり喜ぶ花咲徳栄ナイン(撮影・足立雅史)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

関東・東京6校目は、関東8強で一番評価が高い花咲徳栄(埼玉)が選ばれた。大方の予想でも、東京準優勝の帝京より有利とみられていた。結果だけなら順当と言える。ただ、帝京の評価も悪くなく、選考は難しかったようだ。毎年のように6校目の選出は難しく、スッキリしない。関東、東京と違う大会に出場した学校同士を比べることに、そもそも無理がある。関東8強の最有力校と東京準優勝校とでワンゲームマッチをやったらどうか。

センバツは文字通り、主催者が「選び抜いた」学校を招く大会。秋季大会は1つの参考資料という前提は知っている。だが、それは一種の建前で、秋季大会が事実上“予選”になっていることも、みんな分かっている。ところが、関東か東京かという6校目の選出は当該校同士の勝敗を経ない。つまり、予選がないから恣意(しい)的判断を招きやすい。スポーツの良さは正々堂々やって勝ち負けがつくところにあるはずだ。

昨年は最有力とみられていた東京準優勝の東海大菅生が外れ、多くの人を驚かせた。横浜は関東大会準々決勝でコールド負けしたのに選ばれた。選考委員が「決め手は大会屈指の及川投手」と一選手の存在を最優先し、違和感が広がった。大会屈指の投手がいる学校は必ず選ばれるかというと、そんなことはない。地区や年によって選考基準が異なるのはおかしい。

地区ごとの出場校数も見直す時期だ。東北ではなく、東京の高野連から「実力が上がった東北が2校のままでいいのか」という声を聞いた。学校数に加え、地区のレベルにも応じた割り当てを検討していい。21世紀枠も選出理由が勝敗と懸け離れ過ぎると、スポーツ大会がいびつになりかねない。球児にとって、センバツのチャンスは2回しかない。より良い形を追求して欲しい。【アマチュア野球担当=古川真弥】

センバツ出場を逃すも黙々と練習する帝京ナイン(撮影・鈴木みどり)

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早大・小宮山監督がセンバツ選出の磐城評価していた

選抜出場を決めた磐城ナインは喜びを爆発させる(撮影・柴田隆二)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場32校が決定し、21世紀枠で磐城(福島)が選出された。

昨秋の東北大会中に台風19号の影響を受けたが、46年ぶりに2勝を挙げ8強入り。71年夏に「小さな大投手」田村隆寿氏(67)を擁し準優勝するなど、甲子園9度出場を誇る文武両道の古豪が、95年夏以来25年ぶりに聖地に戻る。11年の東日本大震災で大きな被害を受けたいわき市にとって、復興を象徴する吉報となった。組み合わせ抽選会は3月13日に行われる。

   ◇   ◇   ◇

東北復興支援野球交流で部員3人と磐城を訪れた早大・小宮山悟監督(54)は昨年12月、実力を評価していた。部員に「ありとあらゆることを教えてくれるから、3人からいろいろ聞いて、身につけてほしい。選抜に行くことになれば、これを生かして甲子園で暴れてほしい」。練習を見終えると「全国レベルでも平均以上。センバツに出ても恥ずかしくない試合ができると思う」と実力を認め、エース右腕沖政宗(2年)を「期待を抱かせる投手」と評価していた。

磐城ナインは帽子を投げて喜ぶ(撮影・柴田隆二)

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名将の娘、磐城・遠藤マネ夢が現実に「感謝と感動」

センバツ出場を決めた磐城ナインは喜びを爆発させる(撮影・柴田隆二)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

磐城の遠藤百恵マネジャー(2年)が、19人の部員とともに21世紀枠での甲子園出場を喜んだ。

父太さん(53)は同校OBで、現在ふたば未来学園の監督を務める。相馬監督時代には元巨人鈴木尚広氏(41)を育てるなど県内では名将として知られ、磐城では木村保監督(49)の前任監督だった。

子どもの頃から父の姿を見て育ち、いつしか磐城でのマネジャーを夢見るようになった。猛勉強し見事県内屈指の進学校に合格。中学時代は陸上部で野球のルールには疎かったため、当初はスコアブックを持ち帰ると父に添削されまくったが、今ではほとんど直されなくなった。木村監督は「なくてはならない存在。気が利くし、ベンチでの表情もいい」と信頼を寄せる。選手から「甲子園に連れて行ってあげる」と言われ続けてきた夢が現実となった。「うれしいです。磐城高校らしく、感謝と感動を届けられたら」。

選抜出場を決めた磐城・岩間主将はナインから胴上げされる(撮影・柴田隆二)

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篠山のスター明石商・中森「負けない試合づくりを」

センバツ決まり喜ぶ明石商ナイン(撮影・渦原淳)

昨年の甲子園で春夏連続4強の明石商(兵庫)が、4季連続出場を決めた。昨夏2年生最速タイの151キロをマークした中森俊介投手(2年)は、故郷の兵庫・丹波篠山市でも注目を集めるスターな一面を持つ。

地元では「篠山といえば中森君」と言っても過言ではない。酒井隆明市長が、同市HP内に掲載している「市長日記」では、たびたび中森の名前が登場。昨年8月15日の「頑張れ! 中森投手」と題された日記では、明石商-花咲徳栄をアルプス観戦したことを報告。12月27日にアップした「市政10大ニュース」の特別編では、中森ら市内出身者の甲子園出場をピックアップする熱の入れようだ。

学校でもスターだ。昨年12月下旬の学園祭では、計算事務クラブのラブコールに応え、電卓で6ケタなどの数字を足し引きする早打ちのコンテストに学年代表で出場した。各学年教師2人と生徒1人でグループを作り、生徒がアンカー役を務めるレースに快勝。「先生方のおかげでもあるんですけど…1位でした」とにっこりだ。白球を電卓に持ち替えても、勝負強さを発揮した。

1年夏から甲子園は皆勤出場中で今回が4季目。だが、まだ頂点はつかんでいない。この冬はチーム目標の日本一達成へ土台作りに励んでいる。「春は155キロを目指したい。でも勝たないと意味がない。年間を通して、点を取られない投球を。負けない試合づくりをしたい」。丹波篠山市のスターで学校のスターが、いよいよ全国スターを目指す。【望月千草】

    ◇   ◇   ◇

◆中森俊介(なかもり・しゅんすけ)2002年(平14)5月29日、兵庫県丹波篠山市生まれ。福住小2年時に多紀野球少年団で始め、篠山東中では軟式野球部。中3夏から三田ボーイズ。明石商では1年春からベンチ入り。同校の19年春夏連続甲子園4強の原動力にもなった。182センチ、86キロ。右投げ左打ち。

◆丹波篠山市(たんばささやまし) 兵庫県中東部に位置する市。人口約4万人。19年5月、改元に合わせて市名を篠山市から、丹波篠山市に変更。旧丹波国として、京都への交通の要として栄えた。著名な出身者に元競泳選手・北島康介の妻で、音楽ユニットGIRL NEXT DOOR(現在は解散)のボーカル千紗、北海道日本ハムファイターズオーナーの畑佳秀ら。

▽西武松本(明石商出身) 惜しくも昨年の夏は優勝に届きませんでしたが、このセンバツでは自分たちの力を存分に出して頂点に立ってほしいです。明石商業らしい元気な野球を聖地で見せてください!

センバツ出場が決まり喜ぶ明石商・来田主将(右から6人目)と中森(同5人目)らナイン(撮影・渦原淳)

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山梨学院・栗田は愛称ペコちゃん デスパ継承は拒否

バットを手にポーズを決める山梨学院・栗田(左)と野村(撮影・滝沢徹郎)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

デスパイネを引き継ぐのはペコちゃん!? 2年連続4度目の出場を決めた山梨学院は栗田勇雅捕手(2年)が4番を担う。1年夏から強肩強打の正捕手として甲子園を経験。昨年の主砲、野村健太外野手(3年)は恵まれた体格から「デスパイネ」と呼ばれたが「自分には飛び抜けているものがない」とニックネーム継承は拒否。そこで吉田健人部長(23)と野村から命名されたのが「ペコちゃん」。クリッとした大きな目に赤いほおがそっくりだ。

甘い外見の一方で、内に秘めた気持ちは強い。昨秋は、打率はチームトップの4割8分5厘も本塁打は1本。「4番として打点にこだわりたい。でも、ここというところでは本塁打でチームに流れを呼びこみたい」と理想像を掲げる。今冬は手のまめがつぶれてもフルスイングを徹底。昨年のセンバツでの野村の本塁打をイメージしながら振り込んできた。「自分も大歓声を浴びながらダイヤモンドを走りたい」と、大きな目を輝かせた。【保坂淑子】

センバツ出場が決まり喜ぶ山梨学院ナイン(撮影・滝沢徹郎)

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大阪桐蔭・西谷監督「軸となる投手を」投手力で進撃

センバツ出場が決定し意気込みを語る大阪桐蔭・西谷監督(撮影・清水貴仁)

一昨年の最強王者が2年ぶりに甲子園に帰ってくる。第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の選考委員会が24日、大阪市内で開かれ、出場32校が決定した。

18年に春夏の甲子園を連覇した大阪桐蔭は、昨年の出場が0。西谷浩一監督(50)は11度目の春を前に「出るからには日本一」と頂点奪回を誓った。2年連続9度目の履正社(大阪)は史上5校目の夏春連覇に挑む。両校は優勝候補で、ともに勝ち進めば17年決勝の再戦の可能性もある。組み合わせ抽選会は3月13日に行われる。

   ◇   ◇   ◇

西谷監督は力強く頂点奪回を誓った。「3季連続で甲子園を逃すことはできないと選手にも伝えた。昨年の分も含めて日本一を目指したい」。藤原恭大や根尾昂らのスター軍団を擁し、18年の聖地で春夏連覇。だが昨年は一転、8年ぶりに春夏とも甲子園に出場すらできなかった。「甲子園に飢えている」。指揮官がそう表現してきたリベンジへの思いはナインも同じだ。

全員、まだ甲子園でのプレー経験がない。だが西谷監督は言う。「大きなチームになる可能性も持っている。可能性の非常にあるチームだと思う」。昨秋の大阪を制し、近畿大会は準優勝。粒ぞろいのメンバーの成長に自信を見せる。

自慢の強力打線に加え、投手力もアップさせて進撃を期す。西谷監督は「日本一になるためには複数の投手がいる。本当の軸となる投手がこの大会でつくれるか」と説明。エースの最速141キロ左腕、藤江星河投手(2年)を軸に身内バトル激化でレベルアップ。ベンチ入り最大5人の投手が大きな武器で、いずれも140キロ超えのスケールだ。

最速146キロの1年生右腕、関戸康介投手も「成長させてくれるような場所。立ちたい」と甲子園デビューを狙う。長崎・佐世保出身で高知・明徳義塾中では軟式でも146キロを計測した逸材だ。直球を生かすべく、現在はチェンジアップも習得中で「感覚的にいい」と手応え。「神メンタル 『心が強い人』の人生は思い通り」(星渉著・角川書店)を読み、精神面での強化にも取り組んでいる。

ほかにも183センチのパワー右腕・申原(のぶはら)理来投手(2年)、185センチ左腕・松浦慶斗投手(1年)、安定感抜群の1年生右腕・竹中勇登投手も140キロを超す。秋ベンチ外だったメンバーも含め、指揮官は2月中旬の登録選手提出期限ギリギリまで争わせる。春3度の優勝はPL学園と並び3位タイ。名実ともに大阪最強の勲章を手に入れ、ド派手にTOIN復活を目指す。【石橋隆雄】

◆17年センバツ大阪桐蔭-履正社の決勝 大阪桐蔭は藤原恭大や根尾昂(ともに2年)、履正社は安田尚憲(3年)らが主力メンバー。ともに強打で勝ち上がり、決勝史上初の大阪対決が実現した。決勝点は3-3の同点で迎えた9回表。大阪桐蔭が代打西島一波(3年)の決勝2ランで、5年ぶり2度目の優勝を決めた。履正社は3点ビハインドの8回裏、2死からの3連打などで同点に追いついたが、エース竹田祐(3年)が踏ん張れなかった。

◆18年の大阪桐蔭 藤原恭太(ロッテ)や根尾昂(中日)ら、後にプロ入りする強力打線を軸に100回目の夏を制し、史上初となる2度目の甲子園春夏連覇を達成した。投手陣もエース柿木蓮(日本ハム)や横川凱(かい=巨人)なども躍動し、同一高校から歴代最多タイとなる4人のプロ野球選手を輩出。2000年生まれのミレニアム世代で「銀河系スター軍団」とも称された。

○…大阪桐蔭の主砲・西野力矢内野手(2年)は、25日に卒業式を迎える先輩に感謝し、甲子園の打席に立つ。「3年生が打撃投手をしてくれたおかげ。外角や変化球のリクエストに応えてくれました」。逆の右方向へも広角に打つために、数え切れないほど投げ込んでくれた。「打撃フォームがよくなって打球も強くなった」。感謝の快音を届ける。

センバツ出場が決定し喜ぶ大阪桐蔭ナイン(撮影・清水貴仁)

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進学校磐城のエース沖、強豪進学の仲間に負けない

選抜出場を決めた磐城・沖政宗投手(左)と岩間涼星捕手のバッテリーは喜び合う(撮影・柴田隆二)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

46年ぶり3度目の出場となる磐城のエースが沖政宗(おき・まさむね、2年)だ。21世紀枠での出場が決まり「絶対はありえないので、そわそわ、ドキドキしながら待っていた。小さい頃から夢見てきたマウンド。自分たちが弱いのはわかっているけど、立ち向かっていく姿勢を見せたい」と決意を新たにした。

新チームになってから公式戦9試合69回2/3を投げ、防御率0・90と抜群の安定感を誇る。179センチ、75キロと均整のとれた体格で、右上手から最速141キロの直球にカーブ、2種類のスライダー、チェンジアップ、スプリットなど多彩な変化球を丁寧にコースに決める。現在はシュートを練習中だ。

福島・平三小時代は小名浜少年野球教室の捕手で、楽天Jr.にも選ばれた。いわきリトルシニアでは遊撃手で強豪私立からも勧誘された。仲間の大半が仙台育英、東北、青森山田、山梨学院など私学強豪に進学する中、「勉強と野球を両立したい」と県内屈指の進学校に入学した。「みんな意識が高いので、短い時間でも濃い練習ができている。私学に進んだ友だちに負けないよう、追いつくために頑張ってきた」と高校から本格的に挑戦した投手でも才能を開花させた。

政宗という名は仙台出身の父浩昭さん(50)が「先見の明のある人になってほしい」と伊達政宗から付けられた。父は泉館山時代の86年、秋季宮城県大会で優勝も東北大会は準決勝で敗れ、あと1歩のところでセンバツを逃した。「選ばれたのは光栄なんですけど、それに満足せず、甲子園で勝つことを目指したい。甲子園ではどのチームも格上ですが、結束力を高めて戦いたい。目標は先輩たちの準優勝を越える日本一。そのためにもまずは目の前の1勝を目指したい。自分がゼロに抑えれば負けない。どんな場面でも動じず投げたい」と自信に満ちた表情で甲子園のマウンドに思いをはせた。【野上伸悟】

センバツ出場を決めた磐城ナインは喜びを爆発させる。手前右端から時計回りで遠藤百恵マネジャー、馬上斗亜、野田和孝、白土遥也、菅波陸哉、樋口将平、清水真岳、草野凌、岩間涼星、市毛雄大、沖政宗、小川泰生、竹田洋陸(撮影・柴田隆二)
選抜出場を決めた磐城・岩間涼星捕手(左)と沖政宗投手のバッテリーは喜び合う(撮影・柴田隆二)

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広島新庄、左腕2投手軸に鉄壁守備で全国制覇狙う

センバツ出場決定に帽子を投げて喜ぶ広島新庄ナイン(撮影・古財稜明)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の選考委員会が24日、大阪市内で開かれ、出場32校が決定した。昨秋の中国大会で4強入りした広島新庄は中国・四国地区最後の5校目に選ばれ、6年ぶり2度目の出場を決めた。迫田守昭監督(74)の指導の下、左腕2枚を軸とした鉄壁の守備が武器で、初夏通じて初の全国制覇を狙う。組み合わせ抽選会は3月13日に行われる。

  ◇    ◇    ◇

広島県北の大自然に囲まれたグラウンドに、広島新庄ナイン60個の帽子が高々と舞い上がった。昨秋の中国大会は4強。当落のボーダーラインに立っていた。その中国大会では優勝の倉敷商(岡山)と延長11回まで戦い、中国・四国の5枠目で選出。待ちこがれた吉報に笑みがはじけた。迫田監督は「朝から長い1日だった。まだかまだかと。ほとんど練習に身が入らなかった。なんとか選ばれて非常に感謝しています」と喜んだ。

打線には左打者がズラリと並ぶ。9人全員が左の試合もあった。迫田監督は「守備が良い選手を使っている。たまたま左が並んだ。鉄壁の守備には自信を持っています」と説明した。2時間半と短い練習時間の中で、守備練習が3分の2を占める。指揮官は「大柄な選手はいないし、ゴンゴン打つチームではない。守備で点をやらずに、数少ないチャンスを捉えていく」と力を込めた。

中国大会3試合で完投した左腕の秋山恭平(1年)が投手の軸となる。身長167センチと小柄で、直球は最速137キロながら切れ味が鋭い。中学時代はU15日本代表に選ばれた左腕は「世界を経験して、あんまり緊張せず、平常心でゆとりを持って投げられます」と強心臓を持つ。元ソフトバンク、巨人で活躍した同じ左腕の杉内俊哉(現巨人2軍投手コーチ)を理想と掲げる。

秋山の他にも同じ左の秋田駿樹投手(2年)、長身右腕の花田侑樹投手(1年)ら豊富な投手陣がそろう。迫田監督も「投手は楽しみな子が多い」と期待を寄せる。センバツの目標について主将の下志音(しも・しおん)外野手(2年)は「優勝を目指したいですけど、まずは初戦を大事に、1戦1戦をしっかり戦っていきたい」と引き締めた。チームスローガンは「全力疾走」。甲子園の頂点まで突っ走る。【古財稜明】

センバツ出場決定にガッツポーズを決める広島新庄ナイン(撮影・古財稜明)
広島新庄投手3枚看板。左から秋山、秋田、花田(撮影・古財稜明)

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明石商・狭間監督「役者は少ない」も堅実野球に自信

センバツ出場を決めたナインに指示を出す明石商・狭間監督(撮影・渦原淳)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

明石商の狭間善徳監督(55)は4季連続の甲子園をつかんだ今チームについて、「役者は少ない。自分たちがそんなに強くないと思っている」と控えめに言った。

だが「1つの走塁、バッティングは去年より雑さはない」と堅実野球に自信を見せる。センバツ開幕まであと50日弱。「やらしい野球、なんでそんなことするのって思われるような野球をしたい。そういうのが明商の野球やから」。お家芸にも磨きをかける。

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智弁学園2年ぶりセンバツ 恐怖の砂場で下半身強化

智弁学園が“恐怖の砂場”で生まれ変わった。2年ぶり13度目のセンバツ出場。小坂将商監督(42)は「甲子園出場が決まるときは、いつも鳥肌がたつんです」と気を引き締めた。

昨秋の近畿大会でミスが目立ったことから、キャッチボールなど基本練習の反復を徹底。その一環が右翼ファウルゾーンに完成した長さ30メートルの砂場だった。昨夏に16期OBから寄付されたもので、野球のグラウンドには珍しい光景だ。

「ぼくの生まれた和歌山には海があったので奈良にも砂場がほしいと思ったんです。砂場を走ると股関節も柔らかくなると思う。ええ砂です」と小坂監督。下半身強化で守備のミス撲滅に砂場トレはうってつけだった。

同校では巨人の若き主砲岡本が育った。「4番」を打つ前川右京外野手(1年)も「体を大きくしたかった」と砂場トレに取り組みながら嫌いだった野菜も食べるようになったし、1日7食の食事で、10キロ増の体重90キロにまで成長した。

投手は左腕西村王雅投手(1年)が中心。球数制限の新ルールにも小坂監督は「早め、早めの交代になると思いますが、困るか? といったら、ワクワクしてます。日本一を目指してやってきましたから」とたくましくなった姿を見せつける。【寺尾博和】

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プロ注目の東海大相模・山村、二刀流で5年ぶりVを

ドラフトファイル:山村崇嘉

<ドラフト候補生全員!? 会いに行きます>

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

5年ぶり頂点のカギは、キャプテンの二刀流にあり。プロ注目の東海大相模・山村崇嘉主将(2年)は「自分たちは優勝しか狙っていない。やっとスタートラインに立てた。執念を出していきたい」と15年夏以来の日本一を誓った。

1年秋から4番を打ち、高校通算44本塁打。同53本塁打の西川、同27本塁打の鵜沼と強力打線を組む。本職の一塁に加え、昨秋から投手にも挑戦中。「打撃と投球どっちかをやったから、どっちかがダメになる、ではいけない」と力強く話した。門馬敬治監督(50)から、センバツまでに最速142キロからの3キロ増を課された。先輩の巨人菅野の動画が手本。さらに、昨年11月に練習試合で対戦した高知のスーパー1年生右腕・森木にならい、左足を胸まで引き上げるようにした。「球速を上げるためです。体重移動できるように」。同じく内野と投手の二刀流だった1学年先輩の遠藤成(阪神)の背中を追う。

門馬監督は「投打で軸に。そうなればチームはもっと強くなる」と期待を込めた。山村は「15年の優勝で縦じまのユニホームに憧れ、相模に来ました」と明かした。対戦したい相手を聞かれ、明石商(兵庫)と即答。「中森といういい投手が同じ代にいる。夏の甲子園で活躍していて意識してます」。次は自分が憧れを集める番だ。【古川真弥】

阪神遠藤(東海大相模OB)「毎日の厳しい練習で培ってきたアグレッシブさを発揮し、甲子園で東海大相模の野球を見せてください。そして、厳しい練習を一緒に耐え抜いてきたチームメートともに自分たちが果たせなかった日本一の頂を見てきてください」

センバツ出場が決まり笑顔の東海大相模・山村(撮影・山崎安昭)
センバツ出場が決まり帽子を放り上げて喜ぶ東海大相模の選手たち(撮影・山崎安昭)

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夏春連覇へ「走る」履正社、自慢打撃に加え得点力増

センバツ出場を決め、帽子を飛ばす履正社ナイン(撮影・上山淳一)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

ニュー履正社で夏春連覇だ-センバツ出場が決まった履正社は自慢の打撃に加え、岡田龍生監督(58)が狙う「足を生かした攻撃」で夏春連覇の偉業を目指す。

元阪神・関本賢太郎氏(41)の長男である関本勇輔捕手(2年)を主将で4番に据え、打ち勝つ野球を目指す一方、新たな魅力を目指している。それが走力だ。「夏に勝ったからと言ってそのままではダメ。高校生はひと冬越えると変わる。夏のウチは盗塁がなかった。そこをバージョンアップしていきたい」。岡田監督がそう話し、狙うのは走力アップだ。

知人を頼り、大経大陸上部コーチの九鬼靖太氏を講師として招いた。12月から2月までの3カ月、月1度ではあるがハードルを使ったり、動画を撮ったり、体の使い方をみっちり指導するという。

「中臀筋(ちゅうでんきん)が大事ということなどを教えてもらいました。走り方が変わってきたように思う」。最初の指導を受けた関本もそう話し、手応えを感じている様子だ。中臀筋は尻の横の方についている筋肉。片足が地面に接地した時に反対側の骨盤が落ち込まないようにバランスを取る役割があるという。

もちろんチーム最大の魅力は打力だ。昨秋の公式戦11試合で4割2分5厘、12本塁打と打線は好調。夏の栄冠を勝ち取った昨年のチームの同時期を上回る。そこに走力が加わればさらに得点力は高まるはずだ。

夏春連覇となれば過去4校しか達成していない。岡田監督は「池田高校しか覚えていないですね。あとはもっと昔ですか。全国で履正社しかチャレンジできないことですし、何回もあることではないので」。関西勢として初となる偉業に挑む。【編集委員・高原寿夫】

▽阪神坂本(履正社OB)の話 甲子園夏春連覇に挑めるのは、全国の中でも履正社だけなので、連覇を目指し、思い切ったプレーと履正社らしさを前面に出して、甲子園の舞台で暴れ回ってきてください!

▽阪神井上(履正社OB)の話 自分たちの代は悔しい結果でしたが、後輩たちなら大丈夫だと思うので、1人1人が自信を持ち、大阪代表という事を忘れずに戦ってください。『圧倒的日本一』というスローガンを忘れず、選抜の優勝旗を野球発祥の地『豊中』に持って帰ってきてください!

センバツ出場を決め報道陣に話す履正社の岡田監督(撮影・上山淳一)

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プロ注目明石商・来田は打倒大阪桐蔭「借り返す」

来田涼斗主将を抱き上げ喜ぶ明石商ナイン(撮影・渦原淳)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

明石商の主将で今秋ドラフト候補の来田涼斗外野手(2年)は、打倒大阪桐蔭を掲げた。「近畿大会負けてしまったので、その借りを返したい。センバツまでに戦える準備をしたい」。

昨秋の近畿大会では、序盤に来田の適時打などで3点を先制したが、リードを守りきれず3-4で惜敗。「日本一という目標を持ってやってきた。受け継いできた粘り強い野球を展開したい」。勝って笑うまで、負けられない。

センバツ出場が決まり喜ぶ明石商・来田主将(右から6人目)と中森(同5人目)らナイン(撮影・渦原淳)
センバツ出場を決めたナインに指示を出す明石商・狭間監督(撮影・渦原淳)

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磐城、復興の思い背負い聖地へ帰る「夢を与えたい」

磐城ナインは帽子を投げて喜ぶ(撮影・柴田隆二)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の出場32校が決定し、21世紀枠で磐城(福島)が選出された。昨秋の東北大会中に台風19号の影響を受けたが、46年ぶりに2勝を挙げ8強入り。71年夏に「小さな大投手」田村隆寿氏(67)を擁し準優勝するなど、甲子園9度出場を誇る文武両道の古豪が、95年夏以来25年ぶりに聖地に戻る。11年の東日本大震災で大きな被害を受けたいわき市にとって、復興を象徴する吉報となった。組み合わせ抽選会は3月13日に行われる。

   ◇   ◇   ◇

懐かしのコバルトブルーが甲子園に帰ってくる。部員20人を前に木村保監督(49)は涙をこらえきれなくなった。「21世紀枠という困難を克服したり模範になっているとか、素晴らしい取り組みをしている学校の代表として選出されたことを心に刻んでくれ。選ばれたにふさわしい戦いを披露してください。まだ道半ば。日々精進していきましょう」と声を掛けた。

東北大会で初戦突破し岩手からいわきに戻った翌日、台風19号の直撃を受けた。ぶっつけ本番で臨みながら2回戦も勝利。準々決勝で力尽きたが、地元に戻るとすぐにボランティアに出向いた。住民から「頑張ったね」と声をかけられ岩間涼星主将(2年)は「地域の方々に支えられていることを再認識した」。木村監督は「地元の方々に励まされ心が磨かれたと思う。甲子園に行って勝つんだという気持ちを持ったと思う」と成長を感じ取った。

復興への思いは強い。現2年生は小2の3月に東日本大震災を経験。自宅の庭まで津波が押し寄せた岩間主将は、当時の恐怖を忘れない。加えて福島第1原発の事故による放射能の影響で、神奈川県の親戚宅に避難。東海大相模が優勝したセンバツをテレビ観戦し「外で遊ぶことも困難なのに、いい環境でプレーしている選手がうらやましかった。野球ができなかったあの日の感情も背負ってプレーしたい」と思いを口にした。

3月14日には常磐線も全線開通予定。ゆっくりと、確実に復興が進む。岩間主将は「今度は僕たちが子どもたちに『信じ続けることの大事さ』を証明したい。それは甲子園に出るだけじゃなく、勝つことで証明できる。大きな夢を与えたい」。71年夏は、福島勢最高の準優勝で炭鉱の閉山が決まっていた町に希望を与えた。熱い使命感を胸に、聖地で復興の象徴となる。【野上伸悟】

○…磐城のグラウンドには、長年甲子園出場を待ち望んだ多くのOBたちが駆け付けた。阿部武彦校長(60)から選手たちに95年夏以来となる甲子園出場が告げられると、大きな歓声が沸き起こった。日本ハム上沢の父和也さん(60)も同校の投手だったが、甲子園出場はかなわなかった。現在もいわき市在住で、後輩たちの活躍を見守ってきた。当時生徒会長だった阿部校長とは同級生。「子どもたちが快適に練習できるようにバックアップしたい」とサポートを約束した。

磐城・木村保監督は会見で涙を流す(撮影・柴田隆二)

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丸刈りやめ練習中に音楽かける鹿児島城西が初甲子園

センバツ出場が決まった鹿児島城西・佐々木監督は、生徒から手作りのクマのぬいぐるみを受け取る。左は古市主将(撮影・梅根麻紀)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

鹿児島城西の佐々木監督が、うれしい初甲子園に笑みを浮かべた。グラウンドでは校長に続き佐々木監督が胴上げされた。生徒から、お守りのクマのぬいぐるみが贈られ、OBからはグラウンドをかたどった大きな手作りケーキも贈られた。

就任して3年目。佐々木監督は「選手たちに厳しいテーマを与えた。自分で考えてよく頑張ってくれた。チームが1つになれたからと思う。勝ちたい、悔しい思いをしたくないという強い気持ちがあった。甲子園出場は自分が思ってたより2年くらい早い」。丸刈りをやめ、練習中に音楽をかけるなど改革も行った。「たくさん苦しい思いをして、結果、野球が嫌いになる子が多いけど、もっと野球をやりたい、好きって思ってもらうことが大切。好きで終われる環境つくりが大事」とセンバツ出場という成果が出たことを喜んだ。

昨年秋の九州大会で2本塁打をマークした古市龍輝主将(2年)は「監督からバットを長く持てと言われなかったら、打ててなかったし長打にも自信が持てなかった」と振り返る。「うちらしい野球をできるよう、頑張りたいです」と甲子園での活躍を誓った。

センバツ出場が決まった鹿児島城西ナインに贈られたケーキ(撮影・梅根麻紀)

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馬淵監督「間違いなく野球変わるよ」新ルールに持論

2年ぶりのセンバツ出場が決まった明徳義塾・馬淵史郎監督(撮影・田口真一郎)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

明徳義塾・馬淵史郎監督(64)が高校野球の新時代到来を断言した。

2年ぶり19度目のセンバツ出場が決定。今大会から球数制限と申告敬遠を実施。1人の投手につき、投球数が「1週間で500球まで」に制限される。馬淵監督は「新しいことがいっぱいある。どうやって戦っていくか、どういう大会になるか全く分からない。投手起用において、駆け引きがあるだろう。これまでは一戦必勝の考えだったが、優勝を目指す上では、初戦からエースを温存することも出てくる。監督の手腕も問われる。間違いなく、野球は変わるよ」と話した。

明徳義塾はエース新地智也(2年)を中心とした堅守を持ち味に昨秋の四国大会を制した。歴代4位タイとなる甲子園通算51勝を誇る馬淵監督は「偉そうだけど、国体、神宮大会、夏は旗がある。優勝旗がないのは、センバツだけ。チャンスがあるなら、旗を高知、明徳に持って帰りたい」と意気込んだ。

◆球数制限導入 日本高野連は今春から、センバツ大会を含むすべての公式戦で球数制限と申告敬遠を採用する。投球制限は1週間で1人の投手が投球できる総数を500球以内とし、ノーゲームになった試合もカウント。申告敬遠は、申告すれば投球せず故意四球にできる。

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県岐阜商・鍛治舎監督「むちゃしない」日本一へ自信

決まりガッツポーズする県岐阜商ナイン

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の選考会が24日、大阪市内で開かれ、出場32校が決定した。5年ぶり29回目のセンバツ切符を手に入れた県岐阜商が、17日に78歳で急逝した、OBで中日元監督の高木守道氏(享年78)に追悼星を捧げる。24日、岐阜市内の同校で吉報を受けた鍛治舎巧監督(68)は「出るからには5つ勝ち上がり、御霊前にいい報告がしたい」と偉大なOBに1940年から遠ざかる日本一を届けることを誓った。

  ◇    ◇    ◇

母校に戻り、2年目で甲子園切符を手にした鍛治舎監督は目標が日本一であることを隠そうとはしなかった。「できれば5つ勝ち上がって、戦後初の優勝を勝ち取りたいと考えています」と80年ぶりとなる春4度目の頂点を目指すことを宣言した。

名門復活、新生県岐阜商の姿を甲子園で披露する。その意をさらに強くしたのには理由がある。同校OBで球界を代表する二塁手として活躍し、中日で2度の監督も務めた高木守道氏が先週17日に78歳で急逝した。鍛治舎監督は「残念です。監督就任以降、接点はなかったのですが、社会人時代にはプロアマの会議などでお会いした。大先輩にもかかわらずフランクに接していただいた。なんとか御霊前にいい報告がしたい」と強い決意を改めて示した。

タブーなき改革を続けるチーム作りに手応えを感じている。18年3月に母校監督に就任以来、数々の改革に挑んでいる。伝統のユニホームを一新したのもそのひとつ。練習方法も「スピード感のなかった」(同監督)アップから変え、フリー打撃も3カ所から5カ所に増やした。

昨年11月からはセンバツ本番を見据えた「120日計画」を立ち上げた。実戦を多く採り入れ、年末年始には宮崎合宿も行った。「3月にピークに持っていけるチームはいいが、うちは学業の関係で難しい。早い時期にチーム状態を1度、ピークに持っていきたかった」と理由を明かした。

140キロ台の投手を5人擁するのも大きな武器だ。今春から導入される球数制限も「ウチは無理はしてもむちゃはしない。影響はない」と5投手でのやりくりに自信を見せた。鍛治舎監督の日本一奪取計画には根拠があった。

140キロ超投手陣の1人で三塁手も兼ねる佐々木泰主将(2年)も思いは同じだ。「ドラゴンズファンで高木さんが監督をされているとき、ナゴヤドームに応援にいったこともあります。偉大な先輩と同じ舞台で戦える。優勝を目指します」。レジェンドOBへの追悼と日本一を目標に掲げた。【安藤宏樹】

   ◇   ◇   ◇

◆鍛治舎巧(かじしゃ・たくみ)1951年(昭26)5月2日、岐阜県生まれ。県岐阜商3年時の69年センバツでセンバツ甲子園通算100号。早大では東京6大学通算800号本塁打を記録。松下電器(現パナソニック)に入社、引退後は監督も務めた。14年4月に熊本・秀岳館監督に就任、16年春から3季連続で甲子園4強。18年3月から県岐阜商監督。

◆球数制限導入 日本高野連は今春から、センバツ大会を含むすべての公式戦で球数制限と申告敬遠を採用する。投球制限は1週間で1人の投手が投球できる総数を500球以内とし、ノーゲームになった試合もカウント。申告敬遠は、申告すれば投球せず故意四球にできる。

選抜出場が決まり古田憲司校長(左)と握手する県岐阜商の鍛治舎監督

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帯広農・水上「より力強いスイングを」狙うは聖地弾

21世紀枠に選ばれ、ナインに胴上げされる帯広農・井村主将(撮影・佐藤翔太)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

北の大地から“なつぞら旋風”を起こす。昨年のNHK連続テレビ小説「なつぞら」のモデルとなった帯広農(北海道)が、21世紀枠でセンバツに初選出された。ヒロインを演じた広瀬すずにあやかり、キャッチコピーを「すず野球」と定め、聖地1勝を目指す。

  ◇   ◇   ◇

昨秋の公式戦27打数18安打19打点、打率6割6分7厘の高打率を誇る帯広農の得点源、水上流暢(はるのぶ)右翼手(2年)が、聖地での本塁打を目標に掲げた。昨年10月の自主研修で、京都などと合わせて甲子園を観光。「外から見てもすごい大きさを感じた。中からみたらどんな感じなのかとわくわくする。あそこで柵越えできるよう、より力強いスイングを身につけたい」と意気込んだ。

◆北海道の21世紀枠選出 13年遠軽以来、7年ぶり4校目。21世紀枠がスタートして2年目の02年、鵡川が初めて選ばれた。初戦で三木(兵庫)を下し2回戦に進出。12年には女満別、13年には遠軽と北見地区から2年連続で選出された。遠軽は、史上初の21世紀枠対決となった1回戦、いわき海星(福島)戦で勝利を挙げた。

21世紀枠でのセンバツ出場が決まり、笑顔の帯広農ナイン(撮影・佐藤翔太)

帯広農・前田監督「準備してた」センバツ想定し練習

21世紀枠に選ばれ、目をうるませる帯広農の前田監督(撮影・佐藤翔太)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

北の大地から“なつぞら旋風”を起こす。昨年のNHK連続テレビ小説「なつぞら」のモデルとなった帯広農(北海道)が、21世紀枠でセンバツに初選出された。ヒロインを演じた広瀬すずにあやかり、キャッチコピーを「すず野球」と定め、聖地1勝を目指す。

○…帯広農が早くも甲子園出場に向け、準備に取りかかる。2月13日から4泊5日で兵庫・淡路島遠征を行う方向で調整中。通常は2月上旬から始める雪上ノックも、既に8日からスタート。前田監督は「もし選ばれたときのことも考えて準備はしていた。2月の道外遠征も普段はやらないが、早い段階で土の上で練習させないとならないので」と説明した。

◆北海道の21世紀枠選出 13年遠軽以来、7年ぶり4校目。21世紀枠がスタートして2年目の02年、鵡川が初めて選ばれた。初戦で三木(兵庫)を下し2回戦に進出。12年には女満別、13年には遠軽と北見地区から2年連続で選出された。遠軽は、史上初の21世紀枠対決となった1回戦、いわき海星(福島)戦で勝利を挙げた。

21世紀枠に選ばれ歓喜する帯広農ナイン(撮影・佐藤翔太)

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広瀬「すず野球」帯広農 ヒロインも加わり春が来た

21世紀枠でのセンバツ出場が決まり、笑顔の帯広農ナイン(撮影・佐藤翔太)

<第92回選抜高校野球:選考委員会>◇24日◇大阪市

北の大地から“なつぞら旋風”を起こす。昨年のNHK連続テレビ小説「なつぞら」のモデルとなった帯広農(北海道)が、21世紀枠でセンバツに初選出された。

昨秋は北海道大会4強で甲子園出場は82年夏以来38年ぶり。ヒロインを演じた広瀬すずにあやかり、キャッチコピーを「すず野球」と定め、聖地1勝を目指す。

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モ~烈にうれしかった。酪農科学科を設ける帯広農らしく、自作の乳牛の雪像と喜びを分かち合った。23日に前田康晴監督(43)が「選ばれなくても準備だけはしっかりしよう」とグラウンドの雪を集め、耳には「甲子園」「540(甲子園)」と2つの札つけ、黒い模様もつけた。念願かないエースで主将の井村塁(2年)は、優しく牛の背をなでながら「本当にうれしい。しっかり練習して、恥ずかしくないプレーをしたい」と意気込んだ。

1週間前には、20年のキャッチコピーを考案した。その名も「すず野球」だ。「す」は「スピード」「スマイル」「素直さ」、「ず」は「頭脳的に」「ずばぬけた物を持とう」の頭文字から取った。野球の練習だけでなく、奮闘を全国に知ってもらうため工夫した。井村は「甲子園でもっと多くの人に僕たちの野球を見てもらおうと、分かりやすいネーミングにしたかった」と説明した。

広瀬すずばりの“きらきらヒロイン”も加わった。昨年12月に戸草心里(ここり)マネジャー(1年)が加入。卓球部で公式戦でなかなか勝てずに苦悩していた戸草さんは「卓球は中途半端な状況だったので、何か力になりたいと飛び込んだ」という。部員の体重増のため、補食の調理を担っており、4番の前田愛都一塁手(2年)は「女子がつくるご飯は、より気持ちが上がる」と目を輝かせた。

漫画家・荒川弘氏の母校で、同氏原作の漫画「銀の匙 Silver Spoon」の舞台。農業高校の青春を描いたマンガの世界同様、午前5時半に起きる生徒もおり、豚の出産があれば夜中まで豚舎に残り世話をする。所属学科に応じた農業実習があるため、平日は全体練習できないなど、環境面のハンディを乗り越えつかんだ甲子園切符。乳を搾り、干し草を運び、凍った大地を耕しながら培ったパワーを聖地で爆発させる。【永野高輔】

◆帯広農 1920年(大9)に十勝農業学校として創立された道立校。生徒数は585人(女子208人)。野球部は1926年(昭元)創部。現部員は1、2年生で37人(女子マネジャー1人)。甲子園は82年夏に出場。主な卒業生は08年北京、12年ロンドン両五輪の自転車マウンテンバイク代表の山本幸平、16年リオデジャネイロ五輪女子7人制ラグビー代表の桑井亜乃ら。所在地は帯広市稲田町西1線9番地。二木浩志校長。

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◆帯広農の前回甲子園 82年夏に出場。初戦の2回戦で益田(島根)と対戦し、2-5で敗れた。この試合では前代未聞の「1イニング4アウト事件」があった。9回表、益田の攻撃は2死一塁から二飛で3アウトだったが、スコアボード表示が2アウトのまま続行。次打者の三ゴロでチェンジになった。試合後、大会本部が陳謝し、4アウト目は記録から抹消された。

◆帯広農OGでリオデジャネイロ五輪ラグビー7人制女子日本代表の桑井亜乃(30=アルカス熊谷) 今は農業高校の時代ですね。大舞台は出ることへの喜びを感じて、自分がやってきたことをみなさんに見てもらう気持ちで。私も東京五輪出場へまだチャンスはあるので、焦らず自分を信じて頑張ろうと思います。

◆北海道の21世紀枠選出 13年遠軽以来、7年ぶり4校目。21世紀枠がスタートして2年目の02年、鵡川が初めて選ばれた。初戦で三木(兵庫)を下し2回戦に進出。12年には女満別、13年には遠軽と北見地区から2年連続で選出された。遠軽は、史上初の21世紀枠対決となった1回戦、いわき海星(福島)戦で勝利を挙げた。

21世紀枠に選ばれナインに囲まれるマネージャーの戸草心里さん(中央)(撮影・佐藤翔太)

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