日刊スポーツ

札幌大谷・太田流星 センバツへ新球シンカー磨く

札幌大谷・太田流星 センバツへ新球シンカー磨く

鹿児島合宿出発前に新千歳空港でチームメートと話をする札幌大谷の太田投手(右)(撮影・永野高輔)

第91回センバツ高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)に初出場する札幌大谷が15日、鹿児島1次合宿に出発した。

昨秋、札幌地区予選から明治神宮大会までチーム最多47回1/3を投げ自責5、防御率0・95とチーム一の安定感を誇る太田流星投手(2年)は、1月から新球シンカーに挑戦中。合宿でのテーマについて「まだ完成形ではないので、打者相手にたくさん投げて、センバツで使えるよう精度を上げたい」と意気込んだ。

明治神宮大会準決勝、筑陽学園戦ではカーブ、スライダーにシュートを織り交ぜ、9回無死まで無安打無失点と好投した。センバツに向け「研究されると思うので、もっと変化球に幅をつけたかった」と年明けから新球に着手。潮崎哲也氏(元西武)、高津臣吾氏(元ヤクルト)ら“達人”の動画を見て「握り方もまねしたが曲がらなかったので、独自で曲がりやすい握りを考えた。変化には、ある程度手応えが出てきた」と口にした。

元ヤクルト捕手で、高津氏をリードして4度日本一に導いた古田敦也氏の配球理論も研究。シンカーを右打者の外角低めに落とし、ボールからストライクゾーンに入れる。当てられても内野ゴロに打ち取るイメージで、室内練習場で打者を立たせて試投したが精度はまだ甘い。「狙って決められるようになるまで制球力を上げたい」。約3カ月ぶりとなる土のグラウンドでしっかり投げ込み、魔球に磨きを掛ける。【永野高輔】

鹿児島合宿出発前に新千歳空港で搭乗前の説明を受ける太田投手(中央左)ら札幌大谷の選手たち(撮影・永野高輔)

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U18候補の合宿を検討 木製バット対応などが理由

野球U18アジア選手権に挑んだ藤原(左)ら(2018年9月7日撮影)

高校生世代で結成するU18(18歳以下)日本代表候補が木製バットなど国際対応のための合宿を検討していることが14日、分かった。この日、大阪市内で行われた高野連の技術・振興委員会で議題になった。

代表の大会がない時期の招集は異例で、選抜高校野球大会が終わった直後の4月上旬を予定している。参加メンバーなど詳細は20日の理事会で決定する方向。日本は今秋、U18W杯(韓国)に出場するが、合宿は「選考会」ではなく講習会のような意味合いが強いという。

練習で木製バットを用いる高校が増えているとはいえ、実戦経験はほぼ皆無。秋に大会がある場合は、夏の甲子園後に木製バットに持ち替えて短い期間で備えていた。昨秋のアジア選手権では韓国や台湾の投手に抑えられ3位だった。

投球フォームや、けん制球、マナーなど国際ルールを学ぶ機会にもなる。世界一を目指す高校ジャパンは春から“始動”する。

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常葉大菊川・根来4年後のプロ入り目指し国士舘大へ

国士舘大に合格した常葉大菊川の根来

昨年夏の甲子園に出場した常葉大菊川の4番打者、根来龍真捕手(3年)が15日、国士舘大21世紀アジア学部に合格した。侍ジャパンも経験した高校生屈指の捕手が熟慮の末、選んだ進路先だ。東都大学リーグ2部から1部昇格を経て、4年後のプロ入りを目指す。

  ◇  ◇  ◇

吉報を受けた根来は「まずはチームの1部昇格が目標。それに向けて1年生から貢献できるよう頑張っていきたい」と抱負を語った。プロ志望届の提出も考えられたが、昨夏の18歳以下の野球アジア選手権大会終了直後に進学を決めた。「ジャパンのすごい選手たちと自分を比べ、今プロへ行っても活躍できないと感じた。大学で力をつけてプロに挑戦したいと思い、大学行きを選びました」。

東都1部の大学や東京6大学なども選択肢にあったが、最終的に2部の国士舘大を選んだ。「練習に参加して、(常葉大)菊川のように明るくて、先輩後輩の垣根が少ないチームだと感じた。そこが気に入りました」。高校の3学年上の増田来希捕手の在学も大きかった。「捕手を始めたとき、増田さんに多くのことを教わった。一緒にやってみたいと思いました」。

高校生活は挫折も味わった。「1年の時に腰のケガをした。ここへ勝負をしに来たのに、歯がゆくて悔しかった」。2年秋に正捕手となり、最後の夏に甲子園の土を踏んだ。苦労したからこそ、分かることがあった。「ベンチやスタンドにいた選手たちが励みになった。負けて弱音を吐いたら申し訳ないと思って頑張りました」。

捕手としては小柄だが、正確なスローイングや打力は、プロからも高評価を受ける。「そこをアピールしていきたい。やるからにはプロ入りを目標に、それを見失わないよう、ぶれずにやっていきたいです」と新たな道に進む。【河合萌彦】

◆根来龍真(ねごろ・りょうま)2000年(平12)4月15日、掛川市生まれ。掛川一小4年から桔梗が丘野球少年団で野球を始める。掛川東中時代は浜松シニアに所属。常葉大菊川では1年冬から捕手。昨夏、18歳以下日本代表入りし、アジア選手権出場。右投げ左打ち。170センチ、65キロ。家族は両親と弟。血液型O。

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札幌大谷センバツへ15日からサバイバル鹿児島合宿

札幌市長特別表彰を受け、あいさつする札幌大谷の飯田主将(撮影・永野高輔)

しゃべれて動ける新戦力出てこい。第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)に初出場する札幌大谷が14日、札幌市内で札幌市民スポーツ賞の市長特別表彰を受けた。

15日には鹿児島1次合宿に向け出発する。船尾隆広監督(47)は、新戦力のアピールを期待。プレーに加え、コーチングや声だしといった、ムードや流れ変えられる戦力の登場を期待した。

厳しい基準で絞り込む。明治時神宮大会優勝メンバー18人の信頼度は高く、現時点で土台は固まっている。そのため、56人全員参加の鹿児島では、メンバー候補と、それ以外の2グループに分け、競争意欲を喚起。船尾監督は「控えの選手がメンバーに入るには、それだけのことをしないと。厳しいことだが、そういう選手に出てきて欲しい」と“下克上”を期待した。

新たに抜てきされる戦力は体力や瞬発力に加え、頭脳も試される。同合宿では主に守備走塁など基本的な動きの確認から、天候次第で紅白戦も検討している。「声を出し盛り上げるだけでは足りない。ベースコーチでの取り組み、代打ひと振りで仕事ができるか。複数の役割をきちんとこなせるかを見たい」。ただのムードメーカーはいらない。状況を素早く察知し、声が出せ、勝負どころで結果を残せる人材を見定め、合宿後に、まず30人に絞る。

3月15日の最終登録に向け「入れ替えるなら、18人の中の貴重な1人になる。確実にチーム力がアップするメンバーを選びたい」。厳正な船尾チェックで精鋭を選考し、最強のメンバー構成につなげる。【永野高輔】

○…札幌大谷が“吉兆”となる賞を受賞した。札幌市民スポーツ賞の市長特別表彰は、団体では、16年夏の甲子園で準優勝した北海野球部以来5例目。過去、06年にパリーグ優勝、日本一を飾った日本ハムが同表彰を受け、翌07年にリーグ連覇を遂げている。センバツでは秋春連覇がかかっており、飯田主将は「大きな賞を励みに、僕らは1つ1つ目の前の試合を勝ち上がるだけ」と謙虚に話した。

秋元札幌市長から市長特別表彰を受ける札幌大谷の飯田主将(左)(撮影・永野高輔)
札幌市長特別表彰を受け記念撮影する船尾監督(前列左から5人目)ら札幌大谷の選手たち(撮影・永野高輔)

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高知商の「ダンス」商業利用ではないと高野連判断

日本高野連は13日、大阪市内で全体審議委員会を開き、昨年12月に高知商のダンス同好会の有料発表会に野球部員が出演したことについて、野球部長の処分などを再検討したが結論は出ず、20日の理事会で議論して判断することを決めた。

同委員会は発表会の入場料が500円だったことを踏まえ「もうけようとしたわけでなく、必要経費をまかなうためのもの」として、日本学生野球憲章が禁じる野球部員の商業的利用には当たらないとした。一方、ユニホーム姿で出演したことは、改正前の野球憲章に付随する問答集に禁止する文言があったとして「処分や指導が必要かも含め、理事会で最終判断したい」とした。

日本高野連は、ダンス同好会の顧問を兼ねる野球部長の謹慎処分が相当として、日本学生野球協会審査室への上申を決めていたが、数校から同様の報告があったため、処分を改めて検討した。

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高嶋仁名誉監督が環太平洋大特任教授に4月就任へ

あいさつに立つ智弁和歌山・高嶋名誉監督(撮影・堀まどか)

昨年8月に勇退した智弁和歌山・高嶋仁前監督(72=現名誉監督)を囲む会が、大阪市内のホテルで行われた。

明徳義塾(高知)・馬淵史郎監督が発起人代表を務め、横浜(神奈川)・渡辺元智前監督、PL学園・中村順司元監督、大阪桐蔭・西谷浩一監督、日本高野連の竹中雅彦事務局長ら高校、大学関係者ら292人が出席。馬淵監督は「勝利への執念をもっと吸収させていただきたかった」とあいさつ。06年夏の甲子園で追いつ追われつの死闘を演じた帝京(東京)の前田三夫監督は「高嶋監督に“前田監督がやめるまではやめない”と言われ、この方をやめさせるわけにはいかないと思ってぼくは頑張ってきたのですが」と、退任を惜しんだ。

会の最後にあいさつに立った高嶋名誉監督は、春夏甲子園で数多くの名勝負を繰り広げたライバル監督らを前に「穴があったら、入りたいです」と苦笑い。「甲子園で勝ったのは選手が頑張ったからで、ぼくはグラウンドで彼らを絞っただけ」と48年間にわたる指導を振り返った。今後については「日本各地を回って、どういう野球をしているのか見て回りたい」と、減少傾向が懸念される野球人口を支えるために貢献していく決意を新たに。また4月から環太平洋大の特任教授に就任することも明らかに。卒業後に指導者を目指す学生に対し、月に1回講義を行う予定。

発起人代表としてあいさつをする明徳義塾の馬淵監督(左から1人目)を見つめる高嶋監督(左から8人目)ら(撮影・堀まどか)

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常葉大菊川-浜北西など 静岡春季西部組み合わせ

金足農の選手らと健闘をたたえ合う常葉大菊川の選手たち(2018年10月2日撮影)

静岡の春季高校野球西部地区大会(3月23日開幕、浜松球場ほか)組み合わせが8日、決まった。

第1シードの浜松西は、26日の2回戦で伝統校の掛川西-浜松湖北戦の勝者と、第2シードの浜松商は、横須賀対浜松湖東戦の勝者と対戦。昨夏甲子園出場の第5シード・常葉大菊川は、26日の初戦(2回戦)で浜北西と対する。今大会の上位8校は、県大会(4月27日開幕、草薙球場ほか)に出場する。

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センバツの春日部共栄監督に植竹氏、前監督謹慎で

今春の選抜高校野球大会(3月23日開幕・甲子園)に出場する春日部共栄(埼玉)が、部員への暴力で謹慎処分を受けた本多利治監督の代わりに、野球部長の植竹幸一氏を監督として登録することが7日、分かった。

佐藤充彦コーチが部長としてベンチ入りする。

本多氏については、5月に日本学生野球協会からの処分が解けた後に監督に復帰させるかどうかを検討する。

同校は春夏合わせて甲子園出場7度の強豪。昨年4月に本多氏が練習試合で見逃し三振をした選手計3人に平手打ちするなどしたことが判明。1日に日本学生野球協会の審議室会議で4カ月の謹慎処分が決まった。

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センバツ出場の春日部共栄、監督謹慎中で部長が指揮

植竹幸一部長(2019年1月25日撮影)

今春センバツに出場する春日部共栄(埼玉)が6日、植竹幸一野球部長(49)の指揮で甲子園に臨むことを決めた。

学校側はこの日の放課後、野球部員に報告した。本多利治監督(61)が部内暴力および報告義務違反で5月11日まで謹慎中。当面の監督職を植竹氏が務める。体育科教諭でもある同氏は、春日部共栄OB。これまで26年間、野球部長として本多監督を支えてきた。植竹氏の代わりとして、佐藤充彦コーチ(35)が部長登録で甲子園のベンチに入る。

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春日部共栄監督らに謹慎処分、センバツでベンチ不可

日本学生野球協会は1日、都内で審査室会議を開いた。春日部共栄(埼玉)の本多利治監督(61)は「監督の暴力(部内)および報告義務違反」で1月12日から5月11日までの4カ月間、松山聖陵(愛媛)の荷川取秀明監督(37)も同理由で1月26日から3月25日までの2カ月間、それぞれ謹慎処分となった。

また、龍谷大平安(京都)の野球部顧問も部内暴力で昨年12月14日から今年3月13日までの3カ月間の謹慎処分に。2月18日の登録締め切り時が謹慎期間にあたるため、3人とも選抜高校野球(3月23日開幕、甲子園)でベンチに入ることはできない。

また、帝京五(愛媛)の監督(51)は暴力やハラスメント行為が上申され、昨年12月19日から今年4月18日まで4カ月の謹慎に。高校では部員の盗撮行為も2件、処分対象となった(校名は非公表)。大学では、岐阜経済大で未成年部員44人の飲酒が発覚し、昨年12月12日から今年3月11日まで3カ月の対外試合禁止処分となった。

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神宮Vの札幌大谷、センバツメンバーは3段階で絞る

後援会設立総会であいさつをする札幌大谷の船尾監督(中央)。左は五十嵐部長(撮影・永野高輔)

3ステップ選考で秋春連覇を目指す。第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)に初出場する札幌大谷が15日から鹿児島1次合宿に出発する。全56選手が参加し、船尾隆広監督(47)は主力、控え選手関係なく動きをチェックする方針。和歌山2次合宿は30人程度に絞り込み、実戦主体で仕上げに入る。1次合宿までの道内での筋力アップと2度の合宿の3段階で戦力を見極め、最終登録18人を決める。1月31日には、同校で後援会設立総会が行われた。

   ◇   ◇   ◇

日本一メンバーも含め、一から競わせ、進化を図る。鹿児島1次合宿に向け船尾監督は「予想以上に体をつくってきている。そこを土台に土の上でどう動けるか。鹿児島は全員参加。56人でよーいドン、という感じで考えている」と話した。2月中旬までは道内での体作りが中心。この間鍛えた筋力を生かし、土のグラウンドでしっかり動けるか見定めるのが“鹿児島テスト”だ。明治神宮大会優勝メンバー18人も、同じスタートラインに並べ、5泊6日で、動きの質を判断する。

「鹿児島は守備や走塁など、神宮大会で出た課題をどこまで克服できているかを見極めたい」。2月18日がセンバツの1次登録のため、鹿児島合宿出発前に、暫定的に18人を定める。「この時点でのベースは神宮大会のメンバーに近いが、合宿でのプレー次第で、入れ替えが必要かを考える」。神宮でベンチ外の選手も、仕上がりの良さを示した選手は積極的に抜てきされ、3月10日からの和歌山合宿では、30人程度に絞られる。

最終テストの和歌山合宿は、3月15日の最終登録まで、紅白戦や練習試合を中心に実戦形式で競い合う。ここで、2月に暫定的に決めた18人を再調整。最終メンバーが決まる。神宮大会決勝で逆転打を放つも、大会後に左あばら骨骨折が判明し8日に復帰したばかりの北本壮一朗遊撃手(2年)は「出遅れた分、しっかり調子を上げないと」と気を引き締めた。

道内での土台作りに、基本動作と課題修正を見る鹿児島、実戦的な和歌山と2回の合宿。残り約50日での動きを総体的に見て、平等に判断していく。秋の日本一にあぐらをかくことなくチーム内競争を続け、甲子園でも勝ち上がれる集団へステップアップさせる。【永野高輔】

◆札幌大谷の後援会設立総会が行われ、目標額を3250万円に設定し、保護者、卒業生、関連学園などから寄付金を募っていくことが発表された。この日から学園の公式サイトに後援会のページが設けられ、口座番号や寄付方法など詳細がアップされ、活動が開始された。船尾監督は「しっかり調整をして期待にこたえられるようにしたい。お力をいただき、センバツを盛り上げたい」とあいさつした。

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高野連、高知商部長の処分保留「同様の案件複数で」

日本高野連の竹中事務局長

日本高野連は30日、大阪市内で審議委員会(小委員会)を開き、野球部員を有料イベントに参加させた高知商硬式野球部の部長に対する処分案を保留とした。

日本学生野球協会審査室会議への上申も1度は決めていたが、18人の委員全員が集まる2月の全体審議委員会で再度話し合うことになった。

日本高野連の竹中雅彦事務局長は「高知商の件があったあと、同様の案件が複数上がってきて、びっくりした。委員全員の意見を聞いてもう1度審議しようということになった」と経緯を説明した。この数日で、正式な報告や電話での問い合わせを含め、似たケースを数件把握したという。

「いろいろな意見もちょうだいしている。学校(関係者の)主催でも憲章に当てはめていいのか。もう1度整理しないといけない。高知商の上申は時期尚早と判断した」と語った。

高知商の件は、昨年12月に高知市内の施設であった入場料500円のダンス発表会に、引退した3年生部員が参加し、ユニホーム姿で踊るなどした。甲子園での応援に対する感謝としての行動だったが、有料イベントであったことから日本学生野球憲章にあたるとして、引率した部長の処分を検討していた。憲章では「野球部または部員を政治的あるいは商業的に利用しない」と明記されている。

高野連の当初の姿勢に対しては、スポーツ庁の鈴木大地長官や、Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎氏らが批判的な意見を寄せていた。

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丸ら育てた千葉経大付・松本監督の後任に森博幸氏

森博幸氏(10年撮影)

元西武1軍打撃コーチの森博幸氏(55)が、千葉経大付(千葉)の監督に就任する。4月1日付で就任予定。同校では巨人丸らを育て、春夏通算5度の甲子園出場実績がある松本吉啓監督(60)が、昨年12月に退任していた。森氏は左の強打者として、西武に8年間在籍。通算374試合に出場し、15本塁打。14年に学生野球資格を回復し、17年夏までは千葉経大付で臨時打撃コーチを務めていた。

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松山聖陵監督の処分案 2・1審査室会議に上申へ

第90回選抜高校野球大会の開会式(2018年3月23日撮影)

日本高野連は30日、大阪市内で審議委員会を開き、松山聖陵(愛媛)の男性監督(37)が1年生部員の頭を小突くような行為をしていた件について、同監督に対する処分案を2月1日に開かれる日本学生野球協会審査室会議に上申することを決めた。処分案の内容は明らかにしなかった。

松山聖陵は第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)への出場が決まっているが、出場には支障はない見通し。

センバツ出場校が発表された25日の夜に、映像が動画投稿サイトで公開され、同校は県高野連に報告していた。渡部正治校長は「暴力ではなく、指導の一環。ルール違反を繰り返す生徒への最も厳しい指導と捉えている」と話していた。

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夏の甲子園休養日増、夕方に第3試合再開案は見送り

第100回夏の甲子園の開会式リハーサルで一斉行進する各校ナイン(2018年8月4日)

日本高校野球連盟は30日、大阪市内で今夏の第101回全国高校野球選手権大会の運営委員会を開き、同大会の日程を決めた。8月3日に抽選会。同6日に開幕、順延がなければ同21日に決勝を迎える。

最大の変更点は大会中の休養日を従来より1日増やし、2日とすることだ。13年夏から休養日を取り入れ、現在は準々決勝の翌日に設定している。新たに準決勝の翌日にも休養日を入れる。準々決勝以降は1日おきに試合が入ることになり、連戦を避けられる。

主催者は「3回戦のあとにという議論もあった。最終的に、日本一を決める大会はできるだけいいコンディションでということになった」と語った。昨夏の甲子園で連戦連投だった金足農(秋田)の吉田輝星投手(18=日本ハム)が決勝で明らかに疲れを見せ、途中降板。結果、大阪桐蔭に完敗した。その影響を問われると「確かに吉田くんを見ていると(連投は)相当疲れるというのは分かったが、とくにあの試合があったからというわけではない」。球場側などとの長年の話し合いを経て、実現にこぎつけたと説明した。

雨天などで3日順延した場合、まず準決勝のあとの休養日が消滅。4日順延すれば準々決勝のあとの休養日も消えるという。

さらに猛暑の時間帯を避けるため、試合の開始時間も早める。1日3試合開催の日(第5日、第9日)は第1試合の開始時間を午前8時からにする。従来は午前9時30分からだった。また、準決勝は午前9時からとする。昨夏の準決勝は第1試合が午前10時、同第2試合が午後0時30分だった。

昨夏の京都大会で行われた1、2試合目のあとに時間を空けて、夕方に3試合目を再開する案も話し合われたが、数万人の観客の待機場所などの問題から、今回は見送られた。

一方で決勝の開始時間は午後2時のままと決まった。主催者は会見で「大会終盤はとくに疲労がたまる。しっかり休んでほしいのが大きな理由。準決勝のあと、丸2日休んで臨める」と説明した。

高野連は球児の健康管理の観点から、昨春の甲子園からタイブレーク制度を導入。昨夏の甲子園では開会式や試合中に給水タイムがとられた。ベンチ内のクーラーは従来より1・5倍の強度で稼働。アルプス席にはミスト(霧)の散水機を3台ずつ用意。球場の内外に大型の扇風機も設置した。

今年も新たな熱中症対策に取り組んでおり、球場外に日陰スペースを設けるなどの構想があるという。4月の第2回運営委員会で具体案を発表する予定。

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今夏甲子園は準決勝翌日にも休養日、連戦と猛暑避け

第100回夏の甲子園の開会式リハーサルで一斉行進する各校ナイン(2018年8月4日)

日本高校野球連盟は30日、大阪市内で今夏の第101回全国高校野球選手権大会の運営委員会を開き、同大会の日程を決めた。

8月3日に抽選会。同6日に開幕、順延がなければ同21日に決勝を迎える。

最大の変更点は大会中の休養日を従来に1日増やし、2日とすることだ。13年夏から休養日を取り入れ、現在は準々決勝の翌日に設定している。新たに準決勝の翌日にも休養日を入れる。準々決勝以降は1日おきに試合が入ることになり、連戦を避けられる。

さらに試合の開始時間も早める。1日3試合開催の日(第5日、第9日)は第1試合の開始時間を午前8時からとし、準決勝は午前9時からとする。開始を早めることで猛暑の時間帯を避ける狙いがある。昨夏の準決勝は第1試合が午前10時、同第2試合が午後0時30分だった。

高野連は球児の健康管理の観点から、昨春の甲子園からタイブレーク制度を導入。昨夏の甲子園では開会式のリハーサルと本番で全参加者に水のボトルを持たせ、途中で給水させた。観客にもアナウンスで注意を促した。試合中にも大会本部の判断で給水タイムがとられた。ベンチ内のクーラーは従来より1・5倍の強度で稼働。アルプス席にはミスト(霧)の散水機を3台ずつ用意。球場の内外に大型の扇風機も設置した。

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松山聖陵監督の「指導」 部員が撮影しサイトで公開

第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)への出場が決まった松山聖陵(愛媛)の男性監督(37)が1年生部員の頭を小突くような映像が動画投稿サイトで公開されていることが28日、明らかになった。出場校が発表された25日の夜に投稿され、26日に把握した同校はすぐに県高野連に口頭で報告。この日、報告文書を提出した。

昨年9月ごろ松山市内の野球部寮で別の選手が隠れて撮影。野球部関係者は「野球に関してではなく、宿舎での生活に関して規律違反があったことを指導した」と説明し「映像を見ていただいて、判断は高野連にお任せする」と語った。同監督は同校の調査に「厳しい指導を反省する。今後は説諭する指導をしたい」と話しているという。

渡部正治校長は「暴力ではなく、指導の一環。ルール違反を繰り返す生徒への最も厳しい指導と捉えている」と話した。監督は野球部の指導を続けるという。

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小枝氏告別式で拓大紅陵監督が弔辞「遺志受け継ぐ」

飾られた小枝元監督の遺影(撮影・滝沢徹郎)

日大三(東京)拓大紅陵(千葉)の元監督で、U18日本代表の指揮も執り、21日に肝細胞がんのため67歳で亡くなった小枝守氏の葬儀・告別式が28日、東京・西五反田の桐ケ谷斎場で営まれた。約300人が参列。拓大紅陵の沢村史郎監督(53)が、弔辞で故人の実直な人柄を披露した。

学校からの帰り、必ずガソリンスタンドで車を満タンにしていたという。不思議に思い尋ねたら、「理事長、校長に何かあったら、いつでも車で行けるように」と返ってきた。沢村監督は「昨年末『生徒の心の教育をしっかりしなさい』と言われたのが、最後になりました。監督の遺志を受け継いでいきます」と誓った。

戒名は「守徳院法導日和信士」。ひつぎには、日大三、拓大紅陵、日本代表のユニホーム、ボール、ノックバット、家族からの手紙が納められた。小枝氏が好きだった、拓大紅陵吹奏楽部が奏でる「勝利のテーマ」が流される中、出棺した。

小枝元監督の遺影に向い弔辞を述べる拓大紅陵・沢村監督(撮影・滝沢徹郎)
弔問に駆けつけた日大三・日置(手前左)(撮影・滝沢徹郎)
弔問に駆けつけた全日本野球協会会長の山中氏(右)。左は日大三・小倉監督(撮影・滝沢徹郎)
親族の手で運ばれる小枝元監督の遺影ら(撮影・滝沢徹郎)

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清宮ら「感謝」拓大紅陵・小枝守元監督通夜に参列

弔問に駆けつけた日本ハムの清宮(左)と加藤(撮影・丹羽敏通)

日大三(東京)拓大紅陵(千葉)U18日本代表の監督を務め、21日に肝細胞がんのため67歳で亡くなった小枝守氏の通夜が27日、東京・西五反田の桐ケ谷斎場で営まれた。

約2000人の参列者が詰め掛け、2時間にわたり焼香の列が続いた。ボールの形に彩られた花の真ん中には、家族の意向で練習着姿の小枝氏の写真が置かれた。

日本ハム清宮、ロッテ安田、藤原、広島中村奨、小園ら、代表監督時の選手も手を合わせた。清宮は「短い間ですけど、日本代表として戦っていく中で僕たちを支え、まとめあげてくれて感謝しています」と話した。

弔問に駆けつけた日本ハムの清宮(左)と加藤(撮影・丹羽敏通)

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横浜・及川「全力で」センバツ決定翌日も練習本気

右翼からのレーザービームを決めて満足そうな横浜・及川(撮影・金子真仁)

「高校四天王」の一角、横浜(神奈川)の最速153キロ左腕・及川雅貴投手(2年)が、守備と走塁の練習で本気を見せた。センバツ出場決定翌日の26日も、同校グラウンドで精力的に取り組んだ。

ケース打撃では右翼守備に入り、本塁突入を試みた二塁走者をレーザービームでアウトに。一方、走者として三盗を決めたり、本塁に回り込んでスライディングしたりと、ユニホームを泥だらけにした。故障のリスクを過度には気にしない。「自分、やるべきことは全力でやりたい人なんです」と白い歯を見せた。

本業の投球はブルペンに入り始め、エンジンを徐々に温めていく。3月9日、10日に沖縄市招待試合があり、9日の美里工戦(コザしんきんスタジアム)が今季初登板になる予定。「暖かい場所で投げられるのはうれしい。寒いの、ちょっと苦手なので」と及川。この日午後、横浜にほんの一瞬だけちらついた雪にも「雪だ!」と敏感に反応。センバツ注目の左腕は、春を心待ちにした。

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大阪桐蔭より市和歌山評価が上だったワケ/選考事情

3年ぶりのセンバツ出場を決め、喜ぶ市和歌山の選手たち(撮影・松本航)

第91回センバツ高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の選考委員会が25日、大阪市内の毎日新聞大阪本社・オーバルホールで行われ、21世紀枠3校を含む出場32校が発表された。

注目されていた近畿は、近畿大会4強の4校に続いて5校目に福知山成美(京都)、6校目に市和歌山が選出された。近畿大会8強に残った福知山成美、市和歌山、大阪桐蔭の3校の中でどの2校を選ぶか、議論は白熱したが、5校目の決め手になったのは京都のレベルだった。

京都3位の龍谷大平安が近畿大会で優勝、同2位の京都国際も同1回戦敗退ながら明石商に4-6と接戦。昨秋レベルの高かった京都府大会で1位となったことが、福知山成美の評価材料になった。6校目の市和歌山の決め手は、近畿大会優勝の龍谷大平安に4-5でサヨナラ負けした準々決勝の試合内容。一丸で好投手を攻略した総合的なチーム力が評価された。

補欠1位となった大阪桐蔭について、近畿の前田正治選考委員長は「個々の能力は高いが、なかなかチームとして出来上がっていなかった」と説明。選考会の中では、史上初の春夏春の3季連続優勝や春3連覇の偉業に王手をかけていることも話題に上がったが、前田選考委員長は「評価は去年の秋の大会。近畿大会が大きな選考材料で、戦いぶりを評価した」と語り、あくまでも昨秋の戦いを考慮した結果となった。

また東京・関東の6校目は、東海大菅生(東京)と議論の末に横浜(神奈川)が選出された。1つ目の理由は神奈川県大会優勝。関東大会優勝の桐蔭学園もいる激戦区を制したことが評価された。2つ目に高校トップクラスの最速153キロ左腕・及川雅貴投手(2年)の存在が挙げられた。関東・東京の磯部史雄選考委員長は「期待感の持てるピッチャー。全国大会に出ても及川君が投げれば勝てると思いますし、うまくいけば優勝できる逸材」。3つ目には、関東と比べて東京のレベルが低かったことが挙げられ、これら3点から総合的に判断された。

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石岡一21世紀枠でセンバツ「新しい形の文武両道」

21世紀枠で春夏通じて初の甲子園出場が決まり栽培した野菜を手に笑顔を見せる石岡一ナイン(撮影・足立雅史)

地元のために戦う。第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の選考委員会が25日、大阪市内で開かれ、石岡一(茨城)が21世紀枠で選出された。昨秋県大会は準決勝で敗れ関東大会出場は逃したが、園芸科などを有する同校は、農業を通じた「新しい形の文武両道を示す可能性がある」などと評価された。部員49人全員が茨城出身。春夏通じ初の甲子園出場は、支えてくれる地域への恩返しだ。

石岡一のグラウンドに、どんどん人が現れた。その数50人ほど。OBや地元のファンだ。「おめでとう!」。「よかったぁ~」。喜びの声が飛んだ。野球部OB会最高顧問の狩野勇次さん(77)は「うれしくて、うれしくて。(卒業から)60年、夢見てきた。精いっぱい、頑張って欲しい」と感無量の様子だった。

地域に愛されている。練習を見守る温かい目がある。コロッケ、唐揚げ、バナナなどの差し入れが届くことも多い。酒井淳志主将(2年)は「21世紀枠で選ばれた責任を感じます。地域、OBの方々に恩返しできるよう、励んでいきたい」と口元を引き締めた。川井政平監督(44)は「選んでいただいた甲子園。サポートしていただいた方々の応援のエネルギーが…」とまで言って、詰まった。涙が込み上げていた。

人口流出が続く石岡市にとって、明るい話題だ。昨年10月で7万3883人だったが、10年前(8万105人)から約7・8%も減った。同校から500メートルほど離れたところに住む80歳の女性は「練習の声が、ここまで聞こえるのよ。頑張って欲しいわ」と笑顔で話した。向かいの店は、駅前の一等地にもかかわらず休業中。テナント募集のままの建物もある。

酒井は「茨城から全国に名をとどろかせたい。(エースの)岩本は全国レベルだと思う。野手の力が加われば、甲子園で勝つのも夢じゃない」と意気込んだ。同市から初の甲子園。石岡に、元気を与える。【古川真弥】

<石岡一選手ひと言>

松野稜投手(2年) うれしい半面(ベンチ入りできる)18人に入れるか不安もあります。頑張らないと。

小松崎駿投手(1年) しっかり準備して、岩本さんが調子を崩した時、悔いがない投球をしたい。

田口和麿捕手(2年) 生活面、登下校からしっかり意識することを全員でやっていく。

飯塚大翔捕手(1年) 生活面から、もっとしっかりやらないと。一丸で戦います。

中嶋祥允一塁手(2年) 貴重な体験。喜びいっぱいです。徐々にプレッシャーも出てくるだろうけど、支えてくれた方々への感謝を表現したい。

堀川舜太二塁手(2年) 甲子園では、持ち味の守備を発揮できるようにしたい。

干場聖斗一塁手(1年) 夢の舞台で、皆さんの目標になれるようなプレーをしたい。

塚本圭一郎二塁手(1年) 秋の大会は、チャンスで打てず岩本さんの足を引っ張った。甲子園ではチームを救うプレーをしたい。

友部陸三塁手(2年) 21世紀枠に選ばれたのは、先輩方のいろんな応援のおかげです。恩返ししたい。

武田翼左翼手(2年) 相手は格上。胸を借りるつもりで、21世紀枠らしく戦いたい。

飯岡大政三塁手(1年) 昨秋の藤代戦は9回に自分のエラーで追い付かれ、タイブレークで負けた。岩本さんに責任を感じてました。取り返したい。

藤井蛍中堅手(2年) 練習で当たり前にできていることをやって、勝利に貢献したい。

黒沢清純右翼手(1年) 持ち味の元気を出して、ベンチワークをしっかりやりたい。

21世紀枠で春夏通じて初の甲子園出場が決まり、感極まり涙する石岡一の川井監督(撮影・足立雅史)

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智弁和歌山・中谷監督の1度は切れた甲子園との縁

センバツ出場が決定し、握手をする高嶋名誉監督(左)と中谷監督(撮影・白石智彦)

第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の選考委員会が25日に行われ、出場32校が決定した。

2年連続13度目の出場となる智弁和歌山の中谷仁監督(39)は「初陣優勝」を目標に掲げた。昨年8月に全国最多勝の高嶋仁監督(72、現名誉監督)からチームを引き継いだ新監督は、97年夏以来となる母校のユニホームでのベンチ入り。プロでは97年ドラフト1位の虎戦士として甲子園を本拠地にした中谷監督は「昨年取れなかった旗を取りにいく」と、主将時代の夏の大優勝旗に続く春の大旗を目指す。

初陣監督は、大志を抱く。高校2年の春、あと1勝で逃した大旗を、昨年あと1勝でつかめなかった教え子たちと取りにいく。

中谷監督 昨年取れなかった旗をしっかり取りにいくというのをチーム全体の目標として、僕も持ってやってます。

練習中のグラウンドに吉報は届いた。「甲子園というのは独特の雰囲気があって、あそこで起こる歓声は、本当に武者震いというか、プレーヤーが身震いするような、心に響くような球場。そこでまた、こういう形で戻ることができるとは」と喜びをかみしめた。

1度は切れた縁だった。高校時代から恩師の後継筆頭候補と言われ、教職を取って母校に戻る将来像を自身も描いていた。だが女手一つで育ててくれた母が病に倒れた。母と姉は「母ちゃんは最近、夜も働いてるんや」と、手術を隠した。事実を伝えられたとしても何もできない子どもの自分が、情けなかった。家族を守れる男でありたい、とプロに進路を切り替えた。

阪神で左目負傷の不運に見舞われ、選手としての実績では球団の期待に応えられなかった。だが移籍した楽天で野村克也、星野仙一、巨人原辰徳らに人間力を重用され、名将の野球を学んだ。母校の専任コーチを経て、昨夏の甲子園後に監督に着任。近畿4強で2年連続甲子園をつかんだ。

監督時代にベンチ中央で仁王立ちしていた恩師、高嶋名誉監督とは対照的に「僕は緊張しいの、マイナス思考の人間なもので。細かく細かく動き回ると思います」と中谷スタイルを貫く。名誉監督は「狙うたら、ええ。明徳義塾も大阪桐蔭もおらん」と好敵手の不在を惜しみながら、新監督の背中を押す。試合に出れば史上8、9人目となる5季連続に王手をかける黒川史陽(ふみや=2年)西川晋太郎(2年)の二遊間コンビら昨春準優勝チームから5人が残る。「どういう試合展開になったとしても、粘り強さで最後には勝つ」。中谷仁の野球で、再び聖地に臨む。【堀まどか】

春のセンバツ出場が決定し、帽子を高々く投げて喜ぶ智弁和歌山ナイン(撮影・白石智彦)

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山梨学院5年ぶりセンバツ 地元生え抜き相沢に期待

センバツ出場が決まり歓喜の声を上げる相沢キャプテン(手前左から4人目)らナイン(撮影・滝沢徹郎)

「平成最後の甲子園」となる第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の選考委員会が25日に行われ、出場32校が決定した。昨秋の関東大会でベスト4に入った山梨学院は、5年ぶり3度目の大舞台に挑む。吉田洸二監督(49)は地元山梨の甲府南シニア出身で、投手兼一塁手の主将相沢利俊投手(2年)に大きな期待を寄せた。

出場決定の報告に、グラウンドで練習中だった生徒たちが一斉にベンチ前に群がった。ソワソワするチームメートと喜びを分かち合いたい衝動を抑え、相沢主将は周囲に目を配った。「今まで自分のことはもちろん、他の選手のことを考えながらやってきました。それが大変でしたし、そこから学べるものが大きかったです」。

晴れ舞台でも、周囲への配慮を忘れない。写真撮影では投球フォームをリクエストされた。土にまみれた手のひらに目をやり「洗ってきましょうか?」。まだ練習中。普段からの気配りが、ちょっとした言動ににじみ出た。

甲府南シニアで野球に没頭していた中学3年(甲斐市玉幡中)、山梨学院の練習を見た。「チームの雰囲気に活気がありました。僕も山梨県民なんで」。関東近県だけでなく、関西、東北からも有力選手が集まる有力校に、地元の生え抜きとして挑む決意を固めた。

吉田監督は「文武両道のキャプテン相沢が先頭に立ってチームを引っ張ってきた」と評する。2年までの評定平均は4・7。練習態度と同じく、授業態度や校内での振る舞いも主将としての自覚にあふれている。チーム全体が相沢の指示に瞬時に反応し、以心伝心で動く集団に成長した。

相沢は「社会に出ても、周りの人を考えて行動できるようになれたらいいと思っています」。根っからの優等生というよりも、野球を通じ、鍛えられながらリーダーに育ってきた。そんな魅力にあふれる地元のホープが、甲子園に挑む。【井上真】

シャドーピッチングを披露する山梨学院・相沢キャプテン(撮影・滝沢徹郎)

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行くぜ山梨学院ラッパー球児♪超キケン♪コウシエン

センバツ出場が決まり気合の入る山梨学院ナイン(撮影・滝沢徹郎)

5年ぶり3度目のセンバツ出場を決めた山梨学院(山梨)。吉報が届いた記念すべき日に、同校の砂田野球場で最も輝いたのは吉田洸二監督(49)でも、相沢利俊主将(2年)でもなかった。ラッパー球児の椙浦(すぎうら)元貴内野手(2年)がハツラツと、瞬発力を爆発させた。

椙浦と、山梨のデスパイネこと主砲の野村健太外野手(2年)がラップでチームを盛り上げた。それは、野球部ではみんなが知っている。野村は「他のやつらもやってるし、ブームになってます」と言い、チームのリラックス方法のひとつとして、ロッカーでのラップは日常になりつつある。

しかし、センバツへの出場が決まった直後では、さすがに球児にとっては緊張の場面かと思っていた。それでも椙浦は数秒で甲子園をテーマに、野村と歌詞を確認し、円陣の中央に立った。報道陣、山梨学院の先生方、保護者、40~50人は見ている中で、まるで動じない。

♪イエ~イ

♪行くぜ選抜コウシエン(甲子園)

♪だけどそこは超キケン(危険)

♪だけど俺たちはドウジネエ(動じねえ)

♪イエ~イ

本当に楽しそうだった。中央で歌う2人を囲んで、チームメートも笑顔、笑顔だ。椙浦は「いつも、歌詞は考えてますから。頭韻(とういん)、脚韻(きゃくいん)を考えて、すぐに歌詞はできました。問題ないです」と言った。ニコニコッと笑う。ラップにもそんな専門用語があることに驚くと「やっぱり基本はありますよ。でも、慣れれば自然と言葉は出てきます」。言い方にもとげがなく、ラッパー球児は、底抜けに感じがいい。

「ところで、お兄さんがラップをしてるんでしょ?」と、野球とはまったくもって無縁のボール球を投げたが、またしても神対応で答えてくれた。

椙浦 20歳で、今は埼玉にいます。高校時代は山梨学院で、ここですね、野球やってました。光と言います。

「お兄さんは、甲子園は出たの?」と、もう完全に椙浦の術中にはまったかのように、ド直球の質問をしてしまった。

椙浦 はい、代打で1打席立ってます。見逃しの三振でした。1回戦の長崎商戦(2016年8月9日)の終盤だったと思います。試合は5対3で勝ちました。初球、いいボールが来たんですけど、兄は『見逃したんだ』って言ってました。

もはや、この流れになると、ラッパー椙浦への質問を止めることはできない。ラップのようなリズムで見え見えの質問が続く。「どういうこと?」

椙浦 兄は『初球を見逃したのは、甲子園を感じたかったからだ』って言ってました。打ったら1球で終わっちゃう。見逃して、甲子園の打席を胸に刻んだんだと思います。

なんだか、すっかりいい話になってきた。「それを聞いてどう思った?」

椙浦 僕もこれから必死に練習して、センバツで試合に出たいですね。そして、打席に立てたら僕も甲子園を感じたいです。

ってことは、初球は見逃すのか。「初球見逃してストライク先行されたら、追い込まれるまでにチャンスはあと1球だね?」。今度は野球の話に急展開。

椙浦 そうですね。どうしよう(笑い)。(2ストライクで)追い込まれたら、甲子園を感じてる場合じゃなくなりますね。でも、まずは打席に立てるように、一生懸命やらないと。ちゃんとベンチ入りして、しっかりチームのために貢献できるようにやりたいです。

センバツ出場の朗報に沸き立つグラウンド。喜々とする選手の話を聞いた。同時に、ベンチ入り18人の競争は並行して続いている現実もある。ラッパー椙浦のセンバツはどうなるのか。ラップならではのノリの良さなのか、椙浦君の人柄なのか、幾度か経験した球児の取材とはまったく異質の、独特のさわやかな空気に浸っていた。【井上真】

センバツ決定の連絡を受け報道陣にあいさつする山梨学院・吉田監督(手前)。手前から2人目から山内校長、松崎部長(撮影・滝沢徹郎)
センバツ決定の連絡を受ける山梨学院・山内校長(撮影・滝沢徹郎)

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広陵が春の聖地へ 昨秋の神宮大会での負けを忘れず

グラウンドのスコアボードには神宮大会で星稜に敗れた時のスコアが掲げられていた(撮影・上山淳一)

第91回センバツ高校野球の選考委員会が25日に行われ、昨年の秋季中国大会を制した広陵(広島)が6年ぶり24度目のセンバツ出場を決めた。中井哲之監督(56)は「すごくうれしいです」と喜びを口にしながら、グラウンド後方のスコアボードを向き、表情を引き締めた。

「昨年の神宮大会であまりにもみじめな負け方をした。ああやって目に焼き付けてきつい練習をしてきた」

昨秋の神宮大会1回戦。今秋ドラフト注目の奥川恭伸投手(2年)擁する星稜(石川)に0-9の7回コールドで力負け。新チーム初黒星は、完敗だった。あの日から広陵グラウンドのスコアボードは、その試合のスコアが表示されている。

4番の中村楓大内野手(2年)は中国大会で14打点(13試合)を挙げたが、神宮大会の星稜戦では3打数無安打。「1スイングで決められなかった。ミスショットせずに一発で仕留めないといけない。奥川は他の投手とは違った」。チームとして体重3キロ増、太もも3センチ増を目標に掲げ、中村も打撃の土台となる下半身強化に努める。星稜との再戦に「打つ自信はあります」と闘志をみなぎらせる。鍛錬の冬を越えて、春の聖地でたくましくなった姿を見せつける。【前原淳】

広陵ナインはセンバツ出場を決め中井哲之監督を胴上げして喜ぶ(撮影・上山淳一)

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大器の予感!履正社4番井上が聖地で特大弾もくろむ

センバツ出場を決め岡田監督を胴上げして笑顔を見せる履正社ナイン(撮影・加藤哉)

大器に覚醒の予感! 履正社は2年ぶり8度目のセンバツで悲願の初Vを狙う。14年春決勝は龍谷大平安、17年春決勝は大阪桐蔭に打力の差で敗れ、「三度目の正直」を期す大会。岡田龍生監督(57)が「振れるチームとして臨みたい」と腕ぶす打線の軸は高校通算23発の188センチ、97キロ、プロ注目の4番井上広大(こうた)外野手(2年)だ。

昨秋は公式戦3発で近畿大会4強まで導いた後、右膝を手術した。実は1年冬に右膝蓋腱炎(みぎしつがいけんえん)を発症し、1年間痛みをこらえ続けていた。満を持して手術後は「今までは踏ん張りがきかない部分もあったけど、押し込みで打球が飛ぶ感覚がある」。体重もウエートトレや食事で秋から5キロ増やし、聖地バックスクリーンへの特大弾をもくろむ。

昨年甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭が選ばれず、大阪勢1校で臨む大会。打線は昨秋公式戦10戦で計11発を誇り、プロ注目の最速145キロ左腕エース清水大成投手(2年)を擁する。2年前のセンバツ決勝を生観戦した井上は「なんとしても日本一に」と気合十分だ。甲子園を本拠地とする阪神では、指揮官が桜宮(大阪)コーチ時代に指導した矢野新監督が昨秋就任。教え子からもエネルギーをもらい、悲願達成へまい進する。【佐井陽介】

センバツ出場を決めインタビューに答える履正社の岡田監督(撮影・加藤哉)

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高知商は落選 ダンス出演問題は選考に影響なしも

高知商・上田監督(2018年7月26日撮影)

第91回センバツ高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の選考委員会が25日、大阪市内の毎日新聞大阪本社・オーバルホールで行われ、出場32校が決定した。

ダンス同好会の有料発表会に野球部員が出演して、野球部長の処分が検討されている高知商は選出されなかった。昨秋四国大会ではベスト4で、選ばれるかは微妙な状況だった。上田修身監督(56)は「かなり厳しいと思っていたので順当な結果」と話し、日本高野連の竹中雅彦事務局長は「指導者の不祥事なので、チームの選考には一切影響していない」。処分対象は指導者で、野球部そのものにはペナルティーを科されていない。純粋な戦力が選考の基準になった。

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“農業系エース”石岡一・岩本、吉田輝星に続く

学校で栽培した野菜を手にポーズを決める石岡一の岩本(撮影・足立雅史)

金足農に続くぞ! 石岡一(茨城)が21世紀枠で選ばれ、春夏通じ初の甲子園出場を決めた。今年で創立110年目の伝統校は、普通科に加え、園芸科と造園科を有する。今秋ドラフト候補にも挙がるエース岩本大地投手(2年)は造園科で学び、造園技能検定3級の腕前。昨夏甲子園を沸かせた日本ハム吉田輝星投手(18)に憧れる最速147キロ右腕は、甲子園1勝を目指す。

   ◇   ◇   ◇

吉報が届き、岩本は自然と笑みをこぼした。「今日1日、ドキドキでした。大舞台で持っている力を発揮して1勝したい」。午後3時過ぎ、21世紀枠選出を大和田校長から知らされると、仲間と拳を突き上げた。

過去の自分を上回る。この冬は黙々と走り込む。5キロ走から10メートルダッシュまで、バラエティーに富むメニュー。「吉田投手みたいに、低めのストレートの伸びが欲しい」からだ。昨秋県大会は準決勝で藤代に敗れた。延長13回まで1人で投げたが、タイブレークの末、サヨナラ負け。疲れから球が浮いてしまった。「そういうのをなくしたい」と下半身強化に取り組む。同じ“農業系エース”として、吉田や金足農の躍進が励みになった。吉田の投球は動画サイトなどで繰り返し見ている。「似たタイプと言われます。真っすぐでファウル、空振りが取れるように。同じ結果は無理でも、大舞台で自分の投球をしたい」と思い描いた。

剪定(せんてい)など造園科の授業は「集中しないと危ない。黙々と取り組むのが野球に生きる」と捉えている。球界のエース候補に憧れるが、もう1人、尊敬するという人物が俳優の佐藤二朗(49)。昨秋のテレビドラマ「今日から俺は!!」でファンになった。名脇役の演技に「アドリブで笑いを取るのがすごい。感性というか。投球でも、相手が何を狙っているか見抜かないといけない」と、意外な人物からも学んだ。

そんなエースに、川井政平監督(44)は「コントロールも磨いている。それなりに投げてくれると思う」と期待する。部員49人全員が地元・茨城出身。出場が決まると、OBや地元ファン約50人がグラウンドへお祝いに駆け付けた。「真っすぐの感覚は良くなっているけど、もう少し求めたい」と岩本。本番まで、鍛錬を緩めない。【古川真弥】

21世紀枠で春夏通じて初の甲子園出場が決まり意気込みを語った石岡一の岩本(撮影・足立雅史)

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桐蔭学園&横浜の冨田ツインズ ともにセンバツ切符

桐蔭学園・冨田健悟(左)と横浜・冨田進悟

第91回センバツ高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の選考委員会が25日に行われ、昨秋の関東大会で優勝した桐蔭学園(神奈川)が16年ぶり6度目、横浜(神奈川)は5年ぶり16度目の出場を決めた。

違う高校に進んだ双子が、そろって甲子園行きを決めた。昨秋の関東大会優勝で出場が確実視されていた桐蔭学園の冨田健悟外野手(1年)は、二卵性双生児の弟が横浜・進悟外野手。兄弟で吉報が届き「とてもうれしい。なかなかできる経験じゃない。可能性があったと知っていたので、できれば一緒に行きたかった」と同時出場を喜んだ。

東京北砂リトル-新宿シニアと同じ球歴だが、兄の健悟は小学校から立教小-立教新座中、弟の進悟は地元の公立小中と学校は別れていた。右打ちの兄は174センチ、65キロで50メートル5秒9の1、2番で、左打ちの弟は182センチ、76キロで50メートル6秒4の中軸。「僕は足を使って、低い打球を打つ。向こうは大きいのが打てる」と打撃スタイルは異なるが、甲子園、プロ野球選手を目指す夢は一緒だった。「できれば決勝でやりたい。両方とも活躍できれば」。漫画「タッチ」でいえば弟和也に似ているという真面目な性格で、弟にも配慮していた。【斎藤直樹】

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