日刊スポーツ

春季北海道大会札幌地区の組み合わせ抽選 センバツ出場の北海・金沢光流主将「1つ1つ丁寧に」

春季北海道大会札幌地区の組み合わせ抽選 センバツ出場の北海・金沢光流主将「1つ1つ丁寧に」

組み合わせ抽選に出席した北海の金沢主将(撮影・石井翔太)

第63回春季全道高校野球大会札幌地区予選(8日開幕、札幌円山など)の組み合わせ抽選が23日、札幌市内で行われた。

今春センバツに出場した北海は、10日の札幌麻生第2試合で札幌北陵-札幌南と対戦する。まずは春の地区大会予選から1勝ずつ積み重ねていく。内野手の金沢光流主将(3年)は「1つ1つ丁寧に戦っていきたい」と意気込んだ。

今春入部した1年生27人のうち、6人が春のメンバー入りを果たした。センバツに出場した部員にも緊張感が漂っている。「1年生も実力があるので、センバツでレギュラーだったメンバーも焦っていると思う。固定のレギュラーはいないので、みんないい状態で競争できている」。激しいレギュラー争いを上昇への機運につなげる。

○…札幌日大は初戦で札幌新陽と対戦する。エース左腕小熊梓龍(3年)は昨秋から10キロ増の83キロまで増やし、春に備えてきた。一冬での成長を公式戦で発揮する。「冬やってきたことを出した投球を見せたい」。昨年の秋季大会札幌地区予選では準決勝で北海に逆転負けを喫し、惜しくも全道切符を逃した。「秋は悔しい負け方をした。自分が勝たせられるくらいの気持ちでやっていきたい」と意気込んだ。

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鹿児島実プロ注目右腕、井上剣也が2失点完投で初戦突破 12球団スカウト約20人集結

東明館対鹿児島実 2失点完投で勝利に導いた鹿児島実エース井上剣也投手(撮影・菊川光一)

<春季高校野球九州大会:鹿児島実3-2東明館>◇23日◇1回戦◇佐賀県立

鹿児島王者の鹿児島実が3-2のサヨナラ勝ちで東明館(佐賀)を下し、初戦を突破した。目標はドジャース山本由伸というプロ注目最速151キロ右腕、井上剣也(けんや)投手(3年)が3安打2失点、7三振を奪って134球で完投。課題の制球に苦しみ6四球を出したが、終始140キロ台の直球を主体に押して勝利に導いた。

初回は慣れないマウンドに苦しみ2四球が絡んで適時打で1点を先制された。ただそこから「しっかり腕を振って行った」とギアをアップ。最速は6回の先頭打者に計測した150キロで、変化球はフォークを封印して、カーブ、スライダーを交えて打者を翻弄(ほんろう)。2回から7回までは安打を許さなかった。

NPB全12球団約20人のスカウトの前で、最後まで自慢の球威で貫いて貢献した。

東明館対鹿児島実 1回表東明館無死、捕飛に指指す鹿児島実エース井上剣也投手(撮影・菊川光一)

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春季高校野球埼玉大会の組み合わせが決定、25日開幕、決勝は5月5日、上位2校が関東大会へ

春季高校野球埼玉大会組み合わせ

高校野球春季埼玉大会の抽選会が行われた。

25日に開幕し、今秋ドラフト候補の石塚裕惺内野手(3年)を擁する花咲徳栄は27日に初戦の伊奈学園総合戦を迎える。決勝は5月5日、大宮公園野球場。上位2校が春季関東大会(群馬、5月18日~)に出場する。

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能登半島地震で被災の日本航空石川、控え選手が東京・青梅市の新しい寮に生活拠点移す

新たな拠点先となった明星大・青梅キャンパスの敷地内で笑顔を見せる日本航空石川・藤本(左)と田中丈(撮影・佐瀬百合子)

能登半島地震で被災し、今春センバツに出場した日本航空石川の控え選手たちが22日、東京・青梅市の明星大キャンパスにできた新しい寮に生活拠点を移した。23日から練習を再開する。

主力選手は石川・輪島市内の同校で生活し、27日の春季大会初戦に向けて練習を行っている。同校はボランティアの拠点になっているため、収容能力の関係で全部員が集えない。春季大会後に新拠点となる青梅へ主力選手も合流する。5月3日に準々決勝が行われる。勝ち進んだ場合、控え選手たちは同2日に輪島へ応援に駆けつける予定だ。

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神村学園が同校初の継続試合を制し初戦突破、投打かみ合い大牟田に7回コールド 春季九州大会

大牟田対神村学園 継続試合を7回コールドで制し、整列する神村学園ナイン(撮影・菊川光一)

<春季高校野球九州大会:神村学園8-1大牟田>◇22日◇1回戦◇佐賀県立

今春センバツ組の神村学園(鹿児島)が、同校初の雨天中断による大牟田(福岡)との継続試合を8-1の7回コールドで制し、初戦を突破した。2日連続順延も集中力を切らさず、投打にかみ合った。

20日初戦の4-1の5回裏2死二塁からの仕切り直しから、6、7回の連続得点で4点を奪いサヨナラコールドだ。6回2死二塁で、中前適時打を放ったセンバツで本塁打を放った4番正林輝大外野手(3年)は「夏への通過点として、いい形で夏へつなげたい」と困難を乗り越えた勝利に前を向いた。

大牟田対神村学園 7回1失点と好投した神村学園・早瀬朔投手(撮影・菊川光一)
大牟田対神村学園 6回裏神村学園2死二塁、中前適時打を放った4番正林輝大外野手(撮影・菊川光一)

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花巻東女子硬式野球部が新潟大会で初優勝 佐々木秋羽主将「夏の選手権大会も日本一目指します」

第7回女子硬式野球新潟大会で優勝し、ガッツポーズで集合写真に写る花巻東女子硬式野球部の選手たち(チーム提供)

<第7回女子硬式野球新潟大会:花巻東10-3福井工大福井>◇21日◇決勝◇ハードオフ・エコスタジアム新潟

花巻東(岩手)が福井工大付を10-3で破り、初優勝を果たした。

0-2で迎えた2回、2死満塁から9番・照沼涼音内野手(3年)の中越え2点適時打で同点。相手失策で勝ち越しに成功すると、なおも2死一、三塁から2番佐々木秋羽内野手(3年)の左前適時打で4点目を挙げた。6回にも打者一巡の猛攻で6点を加え、勝利を決定づけた。投げては1回途中から登板した秋山瑚都(こと)投手(3年)が7安打無失点と好救援でつなぎ、頂点をつかんだ。

センバツ大会での悔しさを糧に成長した。3回戦、佐久長聖(長野)にわずか1安打で敗戦。2回の朝練習に打撃練習を取り入れるなど、集中して振り込んだ。取り組む姿勢も変えた。劣勢な展開こそ、声を掛け合い前を向く。沼田尚志監督は「今大会はセンバツで負けた悔しさが表れた大会だったと思います」と選手たちをたたえた。

創部4年目でつかんだ優勝。佐々木主将は「夏の選手権大会も日本一目指します」と、さらなる飛躍を誓った。

なお、大会の最優秀選手賞は照沼涼音内野手が受賞した。

第7回女子硬式野球新潟大会で優勝旗を受け取る花巻東・平尾副主将(チーム提供)
第7回女子硬式野球新潟大会で優勝し、表彰式で賞状を受け取る花巻東・主将の佐々木(チーム提供)

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東京学館浦安、延長タイブレーク制し3回戦進出 習志野が初戦で姿消す 春季千葉大会

延長11回、小林平がヘッドスライディングでサヨナラを決めた(撮影・保坂淑子)

<高校野球春季千葉大会:東京学館浦安9-8習志野>◇21日◇2回戦◇千葉県天台野球場

東京学館浦安が延長11回、タイブレークの末、サヨナラで習志野を破り3回戦進出を決めた。

7-8で迎えた延長11回、無死一、二塁から福田琉椋内野手(3年)の一ゴロを一塁手が三塁へ悪送球。その間に、二塁走者、一塁走者が本塁を陥れ、サヨナラ勝利を決めた。

最後まであきらめない。粘りの野球で勝利を手にした。9回まで追う展開もベンチからは「1点1点、返していくぞ」「勢いはおちないよ」と、元気な声が飛んだ。4-1で迎えた6回から、7回、9回と1点ずつ返して同点に追い付きタイブレークに持ち込んで、勝利につなげた。

昨秋、県大会予選敗者復活戦を勝ち上がれず、県大会に出場することができなかった。酒井壽哉主将(3年)は「春は絶対に勝ってやろうと。アップから全員で元気を出して全力疾走。小さな取り組みから、徹底。全員で勝てるうれしさを全員で味わいたかった」と、長い冬を乗り越えた自信を強さに変えた。

強豪習志野にも1歩も引くことなく。9回に同点打を打った池田響輝内野手(3年)は「フライよりはゴロの方がミスが出やすいので低い打球を全員で徹底しました」と、習志野から3つの失策を誘い貴重な得点につなげた。

目指すは頂点だ。酒井は「次勝たないと今日勝った意味がない。優勝して関東大会に出場したいです」と、笑顔を引き締めた。

延長11回、サヨナラを決め喜ぶ東京学館浦安の選手たち(撮影・保坂淑子)
延長11回、サヨナラ負けで肩を落とす習志野の選手たち(撮影・保坂淑子)

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磐田東、赤堀佳敬新監督初陣にプロ注右腕・寺田光が勝利届ける5回無失点 春季静岡大会

5回3安打無失点と好投した磐田東・寺田

<春季高校野球・静岡県大会:磐田東10-0静岡学園>◇21日◇2回戦◇浜松球場

磐田東が10-0の5回コールドで静岡学園を下し、3年ぶりに夏のシード権をつかんだ。プロ注目右腕の寺田光投手(3年)が5回を3安打無失点に抑え、赤堀佳敬新監督(31)の初陣で快勝に導いた。今年から16枠に増えた夏のシード校が確定。3回戦は27日に行われる。

   ◇  ◇  ◇   

185センチ右腕の寺田が投打で躍動した。プロ3球団のスカウトが見守る中、直球を主体に毎回の6奪三振で5回を58球でぴしゃり。自己最速145キロには及ばなかったが、140キロを複数記録したエースは「立ち上がりが良かった。いい流れをつくれたと思う」と満足した表情を浮かべる一方、「終盤は球が抜けてしまい、スリーボールになってしまった」。無四球無失点の投球にも反省を口にした。打っては2回1死一、二塁からに右前に適時打を放ち、自らのバットで貴重な追加点を奪った。

公式戦初采配となった赤堀監督は「選手はよくやってくれました」と第一声。17年から盛岡大付(岩手)、19年からは高崎健康福祉大高崎(群馬)でコーチを務め、今春センバツでは日本一も経験した指揮官は、2週間前に就任したばかり。「まだ基本のサインだけ」と話すも、試合中にはストップウオッチを手に、走者や送球スピードを自ら計測。目安値に対する実測値を選手に伝え指導にあたった。「まだまだ課題はあるが、やろうとしている姿勢を試合の中で多く感じた」と今後に期待を込めた。

8強を懸けた次戦は27日、静岡高と対する。エース寺田は「1試合を大切に戦うだけ。勝ち続けて東海大会に出場したい」と目を輝かせた。【山口昌久】

◆赤堀佳敬(あかほり・よりのり)1993年(平5)4月1日、三島市生まれ。伊豆中央高から中京大と進み、内野手としてプレー。卒業後は保健体育教諭として磐田南に赴任。17年から盛岡大付、19年から高崎健康福祉大高崎で副部長を務め、主に打撃を指導。父の真也氏(55)は天竜高監督。右投げ左打ち。独身。

初回に先制2点適時三塁打を放ちガッツポーズする磐田東・吉沢
ベンチ前で選手に指示を送る磐田東・赤堀監督(右)   

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サヨナラ負けの北陵浦田監督、投手陣ねぎらい打撃面は反省「試合焦らせた」春季高校野球九州大会

<春季高校野球九州大会:大分2-1北陵>◇21日◇1回戦◇佐賀県立

雨天のため1試合のみが行われ、春の県王者の大分が延長11回タイブレークの末、北陵(佐賀)に2-1でサヨナラ勝ちした。他の3試合は中止順延。日程は2日連続で延び、25日休養日を挟み、26日準決勝、27日決勝に変更された。22日は午前9時から継続試合の大牟田(福岡)-神村学園(鹿児島)、明豊(大分)-エナジック(沖縄)、春日(福岡)-佐賀北の3試合が行われる予定。

   ◇   ◇   ◇

北陵は佐賀大会3位からの“下克上”はならなかったが、意地は見せた。エース右腕、江口未来(みらい)投手(3年)が緩急を使って6回5安打無失点の好投。延長11回にサヨナラ打を浴びたが、浦田豪志監督(44)は「投手2人はよく粘った」とねぎらった。とはいえ、攻撃面には課題が残り「決定力が。私も試合を焦らせた」と反省した。

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大分の4番川谷諒暉「越えてくれて良かった」延長11回右越えサヨナラ打 春季高校野球九州大会

北陵対大分 11回裏大分2死一、三塁、サヨナラ打を放った川谷(右)を出迎えて喜ぶ大分ナイン(撮影・菊川光一)

<春季高校野球九州大会:大分2-1北陵>◇21日◇1回戦◇佐賀県立

雨天のため1試合のみが行われ、春の県王者の大分が延長11回タイブレークの末、北陵(佐賀)に2-1でサヨナラ勝ちした。他の3試合は中止順延。日程は2日連続で延び、25日休養日を挟み、26日準決勝、27日決勝に変更された。22日は午前9時から継続試合の大牟田(福岡)-神村学園(鹿児島)、明豊(大分)-エナジック(沖縄)、春日(福岡)-佐賀北の3試合が行われる予定。

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大分が雨の中、延長11回の激闘を制した。1-1の2死一、三塁だった。新チームから4番の川谷諒暉外野手(3年)が高め変化球をとらえ右越えのサヨナラ打。一塁を回って、ジャンプでガッツポーズが飛び出す値千金の一打に「越えてくれて良かった。ホッとした」と声を弾ませた。

大分大会の決勝で死球を受けた左腕は、まだ腫れが残る。だが、11回146球を投げた2年生左腕、木村拓孝投手の粘投に触発され「チームもきつかったし、木村のために打ちたかった」と執念で勝負を決めた。

一方で、大分大会からエース襲名の木村は、120キロ台後半の直球と決め球のチェンジアップや、フォーク、カットボール、カーブ、スライダーを駆使して初めて11回を投げ抜いた。大分決勝の初完投に続く快投で、勝利を呼び込んだ。岩崎久則監督(56)も「相手に的を絞らせなかった。球数が多くなったが、慎重に投げてくれた」とたたえる投げっぷりだった。

当初は20日午後5時半からの第4試合だったが、雨天順延で午前8時半からの第1試合に大きく変更となった。それでも集中を切らさず、大分王者の貫禄で競り勝った。【菊川光一】

北陵対大分 11回裏大分2死一、三塁、右越えサヨナラ打を放ち、ジャンプして喜ぶ川谷(撮影・菊川光一)
北陵対大分 11回裏大分2死一、三塁、右越えサヨナラ打を放つ4番・川谷(撮影・菊川光一)

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専大松戸、エース梅沢翔大完投で木更津総合をタイブレークで制し、2回戦屈指の好カードを制す

木更津総合打線を延長10回、4安打1失点に抑え完投勝利の専大松戸のエース・梅沢(撮影・保坂淑子)

<高校野球春季千葉大会:専大松戸3-1木更津総合>◇21日◇2回戦◇千葉県天台野球場

<高校野球春季千葉大会:専大松戸3-1木更津総合>◇21日◇2回戦◇千葉県天台野球場

専大松戸が木更津総合を延長10回、タイブレークで2回戦屈指の好カードを制した。

1-1で迎えた延長10回表。1死二、三塁から代打、長塚宗太郎外野手(3年)の中前2点適時打で勝ち越しに成功。守っては先発の梅沢翔大投手(3年)が力強い真っすぐと、スライダー、カーブを軸に10回を4安打1失点に抑える好投で逃げ切った。

梅沢は、木更津総合の石沢順平投手(3年)との息詰まる投手戦に、「楽しかった」と振り返った。「接戦で苦しかったんですが、緊張感もあったし熱い試合をやっている感じがあった」。1球の投げミスも許されない。チーム全員がただ1勝をとりにいく心地よい緊張感。それは昨夏、甲子園3回戦、土浦日大戦に中継ぎで登板したときの感覚に似ていた。あの時と違うのは、自分がエースとしてマウンドに立っていること。「打たせてとる投球で、仲間もしっかり捕ってくれて。自分もそれに乗ることができました」。エースとして。テンポのいい投球で、波に乗った。

この冬は制球力を上げるために、テイクバックを小さくし、力感のないフォームに修正。持丸修一監督(76)は「初めてこんないい投球を見たよ。力が入ってなくて、今日は本当によかった。こういう投球が夏の大会もできるといい」と、評価した。春の初戦で、成長を見せ勝ち進む。

木更津総合打線を延長10回、4安打1失点に抑え完投勝利の専大松戸のエース・梅沢(撮影・保坂淑子)
延長10回裏、木更津総合を併殺打と一ゴロに抑え、笑顔でガッツポーズを見せる専大松戸のエース・梅沢(撮影・保坂淑子)
延長10回、1死二、三塁から代打・長塚宗太郎の中前2点適時打で勝ち越しに成功し、2人の走者を迎え入れハイタッチする専大松戸ベンチ(撮影・保坂淑子)

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天理・藤原忠理新監督が初陣飾る「1点ずつ得点できるイメージどおり合格点」法隆寺国際に6-1

試合終了の整列後に礼をする天理に1月就任した藤原忠理新監督(58)

<高校野球春季奈良大会:天理6-1法隆寺国際>◇21日◇2回戦◇大和郡山市営球場

天理の藤原忠理新監督(58)の初陣を勝利を飾った。

昨年まで天理大の監督を務めた同監督は「高校野球の展開はどう崩れたり調子が上がるか、見極めが手探りの状態。今日は1点ずつ得点できるイメージどおりの合格点」と振り返る。

主将で4番の松本大和内野手(3年)が3打数2安打1打点、1四球1盗塁と存在感を発揮。指揮官は「主将で4番の打撃の引っ張る力は大きい。凡打に終わっても力強いスイングはみんなに勇気を与える」と語った。身長176センチ、体重80キロで通算10本塁打。投げては最速144キロの松本は「終盤はゼロが続いた。チャンスで1本出す力と、試合を通してノーミスの守り勝つ野球をテーマに」と修正点を挙げた。

試合終了の整列後にスタンドへ礼をする天理の1月就任の藤原忠理新監督(58)と松本大和主将(3年)
試合後、雨の中天理の主将で4番の松本大和がガッツポーズ
天理の主将で4番の松本大和内野手(3年、写真右)
天理で一塁手の松本大和主将(3年)

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センバツ4強の中央学院が初戦突破 蔵並龍之介がエース番号剥奪の悔しさ糧に1失点&先制打

背番号「3」でマウンドに上がり、成田打線を7安打1失点に抑え完投勝利の中央学院・蔵並(撮影・保坂淑子)

<高校野球春季千葉大会:中央学院6-1成田>◇21日◇2回戦◇千葉県天台野球場

今春センバツで4強入りした中央学院が千葉大会の初戦に臨み、成田に勝利した。

長身右腕・蔵並龍之介投手(3年)が投打に躍動した。先発のマウンドに上がると「完投したかった」と、前半は直球中心、中盤は変化球、終盤は緩急をつけ工夫。成田打線を7安打1失点。打っても、2回1死二塁から、先制の左越え適時二塁打を放つなど2安打1打点。春の頂点へ、好スタートを切った。

蔵並には頑張らなければいけない理由があった。センバツではエース番号を背負うも、今大会、その背中の番号は「3」だった。「一塁も守るので、打撃でも期待されていると思うので頑張っていこうかな、と。でも…メンバー発表の時には寂しい思いがありました」。センバツで3試合に先発した臼井夕馬投手(3年)にエース番号を譲り、悔しさをかみしめた。

もう1度、エース番号を取り戻す。強い思いで臨む今大会。身長186センチの長身を生かし、右腕の位置を少し高くし、角度のあるフォームに。「四球が多かったので」と、制球力アップにつなげた。

相馬幸樹監督(44)は「(蔵並は)センバツで1試合しか投げていないので。夏に向けて軸になる投手をどう作っていくのか。そのために、いろいろ試したかった」と、蔵並の奮起を期待。蔵並は「やっぱり…どうしても、もう1度、1番を取り返したいという気持ちがあるので」。いつもおとなしい性格の蔵並の目が輝いた。

9回、2死から右越え二塁打を放つ中央学院・蔵並(撮影・保坂淑子)
成田打線を7安打1失点に抑え、完投勝利の中央学院・蔵並(撮影・保坂淑子)

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大分が延長11回サヨナラ勝利 春季高校野球九州大会は雨天で1試合のみ消化 決勝は27日に

北陵対大分 11回裏大分2死一、三塁、4番・川谷諒暉の右越えサヨナラ打で喜ぶ大分ナイン(撮影・菊川光一)

<春季高校野球九州大会:大分2-1北陵>◇21日◇1回戦◇佐賀県立

雨天の影響で第1試合のみが行われ、大分(大分1位)が延長11回タイブレークの激闘の末、北陵(佐賀3位)にサヨナラ勝ちした。

残り3試合は、中止順延が決まった。

2度目の雨天順延で、大会日程はさらに1日延びて、25日休養日を挟んで、26日準決勝、27日決勝に変更された。

北陵対大分 11回裏大分2死一、三塁、右越えサヨナラ打を放ち、ジャンプして喜ぶ4番・川谷諒暉(撮影・菊川光一)
北陵対大分 11回裏大分2死一、三塁、右越えサヨナラ打を放つ4番・川谷諒暉(撮影・菊川光一)

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センバツV健大高崎、甲子園後初公式戦でコールド勝ち「いろいろ選手使って」選手層強化がテーマ

春季群馬大会初戦に臨む高崎健康福祉大高崎ナイン。金井俐樹捕手(右)が主将を務める(撮影・金子真仁)

<高校野球春季群馬大会:高崎健康福祉大高崎8-1前橋東>◇20日◇2回戦◇高崎城南

今春のセンバツ高校野球で初優勝した高崎健康福祉大高崎(群馬)が20日、春季群馬大会2回戦で前橋東に8-1で8回コールド勝ちした。甲子園後初の公式戦は佐藤龍月投手、石垣元気投手(ともに2年)のダブルエース、今秋ドラフト候補の箱山遥人捕手(3年)らはベンチ入りせず。青柳博文監督(51)は「いろいろ選手を使って、夏に向けて活性化させたい」と選手層強化を今春のテーマに掲げている。

なお、センバツ後の佐藤、石垣の調整については「基本的に休ませていて、軽いキャッチボールくらいから」と説明。プロ志望の箱山は木製バットでの練習も進めていることを明かし「DHで練習試合に出したりしています」と話した。箱山らの公式戦出場やベンチ入りについては「一応(27日の)準々決勝くらいからを考えています」と現時点での構想を口にした。

春季群馬大会初戦に臨む高崎健康福祉大高崎・青柳博文監督(写真中央)
センバツ後初の公式戦に臨んだ高崎健康福祉大高崎・金井俐樹(撮影・金子真仁)
春2回戦のベンチメンバーから外れた高崎健康福祉大高崎・佐藤龍月投手(撮影・金子真仁)

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センバツ甲子園Vの健大高崎・青柳博文監督が「甲子園2部制」に言及「選手ファーストで」

春季群馬大会初戦に臨む高崎健康福祉大高崎・青柳博文監督(中央)

今春のセンバツ高校野球で優勝した高崎健康福祉大高崎(群馬)の青柳博文監督(51)が20日、今夏からの「甲子園2部制」についてコメントした。

日本高野連が19日、今夏の甲子園で暑さ対策として、大会の一部日程を午前と夕方に分けて試合実施することを発表した。

高崎健康福祉大高崎はこの日、春季群馬大会の初戦となる2回戦で勝利。青柳監督は試合後、日刊スポーツの問いかけに応じる形で「選手ファーストでやってくれたということですし、いいことだと思います」と賛意を示した。

猛暑対策の点では、ドーム球場での開催という選択肢も、有識者の間ではこれまでもあった。ただ青柳監督は「やっぱり甲子園でやることに意味があるじゃないですか。甲子園を目指してる以上、甲子園でやることに意味がある中で、最善はそれしかないなと」と思いを口にし「そういうことを考えてやってみることは大事だと思うし、ありがたいですよ」と話した。

全国制覇したものの、同校は15年を最後に夏の甲子園出場から遠ざかり「まずは出場することです」。ただ夏の暑さは全国的なもので、特に内陸の群馬県はこの日も4月下旬にして気温24度と高い。監督歴20年を超える青柳監督も「ここ数年、暑さが違いますよね。危ないですよね」と危機感を口にする。

春夏連覇を目指す立場として「センバツは5試合だったけど、夏は優勝するなら6試合じゃないですか。春はそうでもなかったけど、夏は野手の疲労もかなり来ると思うので。その点も全然違うと思うので」と、多くの学校にとって気温が下がる時間帯での試合開催はメリットが多いことを言及していた。【金子真仁】

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センバツV健大高崎、8回コールド勝利で初戦突破 左右ダブルエースと箱山遥人らベンチ入りせず

センバツ後初の公式戦に臨んだ高崎健康福祉大高崎・金井俐樹(撮影・金子真仁)

<春季群馬大会:高崎健康福祉大高崎8-1前橋東>◇2回戦◇20日◇高崎城南

今春センバツで全国制覇した高崎健康福祉大高崎(群馬)が、甲子園後初となる公式戦で8回コールド勝利を収めた。

佐藤龍月投手、石垣元気投手(ともに2年)の左右ダブルエースと箱山遥人捕手、高山裕次郎内野手(ともに3年)のU18日本代表候補組は、いずれもベンチ入りせず。青柳博文監督(51)は「投手をあと1人、2人何とか育てないと、暑い中では勝てないので」と選手層強化を春の1つのテーマに掲げている。

2回戦時点では主将の箱山がベンチ入りしない中で、甲子園では背番号12を付け、元気な三塁ベースコーチとしても話題になった金井俐樹捕手(3年)が、この日は主将に任命された。「箱山だけじゃないんだぞっていうところを見せられるように。自分だけじゃなくて、チーム内に監督から見ても頼れるような選手が1人でも増えるように」と全体での底上げへ意気込んでいた。【金子真仁】

春季群馬大会初戦に臨む高崎健康福祉大高崎ナイン。金井俐樹捕手(右)が主将を務める(撮影・金子真仁)

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センバツ優勝の健大高崎が甲子園後初の公式戦 初回の初球にいきなり大ファウル浴びる幕開け

春季群馬大会初戦に臨む高崎健康福祉大高崎ナイン。金井俐樹捕手(右)が主将を務める(撮影・金子真仁)

<高校野球春季群馬大会:高崎健康福祉大高崎-前橋東>◇20日◇2回戦◇高崎城南

センバツ甲子園で優勝した高崎健康福祉大高崎(群馬)が、甲子園大会後初となる公式戦に臨んだ。

佐藤龍月投手、石垣元気投手(ともに2年)のダブルエースと箱山遥人捕手、高山裕次郎内野手(ともに3年)のU18日本代表候補組は、いずれもベンチ入りしていない。

青柳博文監督(51)は甲子園決勝翌日に「夏に向けて戦力を整えながら、経験値を積ませたいと思います」と選手層強化を課題に挙げており、その通りのメンバー構成になった。

試合は初回、先発左腕の杉山優哉投手(3年)が、前橋東1番の山口龍之介内野手(3年)に初球を左翼ポール際への特大ファウルにされる幕開け。その後も3人の走者を出し、1点を先制された。

高崎健康福祉大高崎は2回まで無安打。3回1死二塁で3番の田中陽翔内野手(3年)が左中間適時三塁打を放って同点に追いつき、続く4番の森山竜之輔内野手(3年)の犠飛で勝ち越しに成功。3回を終わって2-1で高崎健康福祉大高崎がリードしている。

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【記者の目】課題あっても1歩を踏み出さなければ何も始まらない 朝夕2部制の実施決定

甲子園球場

日本高野連は19日、大阪市内で今夏実施する第106回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)に関する第2回運営委員会を開催し、大会の一部日程で暑さ対策として、午前と夕方に分けて試合を実施する「2部制」の導入を決定したことを発表した。

1日3試合が組まれる大会初日から第3日までの3日間限定。午前、夕方で観客を完全に入れ替え、入場券もそれぞれ発売される。

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夏の甲子園の暑さ対策として今夏から導入が決まった「2部制」の実施は、2年前から検討が始まっていた。22、23年の大会を参考にシミュレーションを行い、実現にこぎ着けた。話し合いを重ねる中で、朝日新聞社の志方高校野球総合センター長は「暑い時間帯を避けるということに対して『それはダメだ』っていうような声はなかった」と全会一致で導入が決まった。

これまでも熱中症の対策は講じてきた。20年からは白スパイクの着用が許可され、23年春からは10回からタイブレーク制を導入した。昨夏はクーリングタイムを設け、5回終了時に10分間、水分補給や体を冷やすスペースを設置するなど万全な対策を喫した。また、今大会からは第1試合の出場2校に対し、早朝の起床によって朝食を十分に食べず、低栄養によって熱中症の症状を発症する選手が散見されたことから、主催者が試合前に補食を提供することも新たに決まった。

今回のルールで1日4試合制での「2部制」を行った場合は、試合終了時刻が午後10時ごろになる可能性も高く、他にも課題は出てくることだろう。ただ、1歩を踏み出さなければ、何も始まらない。新時代に対応していくための、大きな決断を下した。【アマチュア野球担当=古財稜明】

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甲子園「2部制」へ 今夏は5年ぶりに甲子園練習の実施 練習の順番は事前に割り振られる

甲子園球場

日本高野連は19日、大阪市内で今夏実施する第106回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)に関する第2回運営委員会を開催し、大会の一部日程で暑さ対策として、午前と夕方に分けて試合を実施する「2部制」の導入を決定したことを発表した。1日3試合が組まれる大会初日から第3日までの3日間限定。午前、夕方で観客を完全に入れ替え、入場券もそれぞれ発売される。

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今春のセンバツ大会同様に、今夏は5年ぶりに甲子園練習の実施が決まった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、第101回大会(19年)以来で、8月2~4日の3日間で開催される。センバツは各校30分だったが、夏は20分。また、これまでは出場校が決定してから練習の順番を決めていたが、今回からは「大阪代表は4日の10時」など、事前に割り振られる。

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夏の甲子園で朝夕「2部制」導入、1日3試合の第1~3日限定で実施 将来的には1日4試合でも

※写真はイメージ

日本高野連は19日、大阪市内で今夏実施する第106回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)に関する第2回運営委員会を開催し、大会の一部日程で暑さ対策として、午前と夕方に分けて試合を実施する「2部制」の導入を決定したことを発表した。

1日3試合が組まれる大会初日から第3日までの3日間限定。午前、夕方で観客を完全に入れ替え、入場券もそれぞれ発売される。

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甲子園球場の開場100周年の節目の年に、新たな1歩を踏み出す。日本高野連と大会主催の朝日新聞社が、暑さ対策として今夏の甲子園大会での午前、夕方の「2部制」を導入することを決定。朝日新聞社の志方浩文高校野球総合センター長は「何も進まない選択肢はなかった。選手の安全を守る策を何かやらなければならないという思いを球場さん、高野連さんにも意をくんでもらい、納得していただいた」と説明した。

期間は1日3試合の実施が予定されている大会第1日~第3日(7~9日)の3日間限定で行われる。暑さのピークとなる午後2時ごろを避ける目的で、第1日は午前8時30分に開会式が行われ、第1試合は10時から実施。第2試合は午後4時、第3試合は午後6時半から行われることが決まった。第2、3日は第1試合が午前8時、第2試合は午前10時35分、第3試合は午後5時からとなった。雨天中止の場合でも、「2部制」の実施は9日までと決まっている。

入場券も午前と夕方それぞれで発売される。料金はそれぞれの座席で1日券の約半分に設定された。志方氏は「お客さまの安全と健康を考えることも主催者の役割」と完全入れ替えを実施すると説明。それに伴い、入れ替えに2時間30分を要するとされ、第1日の第1試合は午後1時30分まで、第2、3日の第2試合は午後2時半で試合が終了していない場合は原則として継続試合の措置が取られ、翌日以降に持ち越される。

第4日以降から準々決勝までは1日4試合制で実施される。また、準決勝は第1試合が午前8時開始、第2試合は午前10時35分開始と前回大会より1時間早まり、暑さのピーク時を避ける。決勝は前回の午後2時から4時間繰り上げ、午前10時からの開催が決定。今後に向けて志方氏は「今回で課題をあぶり出して、1日4試合での2部制を行う可能性を探りたい」と話した。環境の変化に伴い、夏の甲子園が「新しい形」として進んでいく。【古財稜明】

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今夏甲子園での朝、夕「2部制」実施を決定、日本高野連が発表 暑さ対策、入場券もそれぞれ発売

甲子園球場

日本高野連は19日、大阪市内で今夏実施する第106回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)に関する第2回運営委員会を開催し、大会の一部日程で暑さ対策として「朝夕2部制」の導入を決定したことを発表した。甲子園では初の試みとなる。

日中の炎天下でのゲーム実施を避け、熱中症を予防するのが最大の目的。大会第1日~3日の試合数が3試合で実施され、午前と夕方に分けて実施され、入場券もそれぞれ発売される。昨年の大会では第1日に「熱中症の疑い」で6選手が処置を受けるなど、毎年対策の必要性が議論されていた。

前回大会からは5回の3アウト成立時から10分間、熱中症対策のためのクーリングタイムが設けられた。試合中に選手が体を冷やすクーリングスペースが設置され、送風機やスポットクーラー、冷凍庫、サーモグラフィー、氷水入りのネッククーラーにアイススラリーなども用意し、熱中症対策に万全を期していた。

また、甲子園ではすでに銀傘(ぎんさん、内野の一部座席を覆う屋根)を一、三塁のアルプススタンド両端まで拡張することが決まっており、早くて25年オフにも着工する予定となっている。高校野球で応援団が陣取るアルプス席は、近年の酷暑で熱中症対策が課題となっていた。

▼2部制の日程詳細

【第1日】

開会式 午前8時30分~

第1試合 午前10時~

第2試合 午後4時~

第3試合 午後6時30分~

【第2日】

第1試合 午前8時~

第2試合 午前10時35分~

第3試合 午後5時~

【第3日】

第1試合 午前8時~

第2試合 午前10時35分~

第3試合 午後5時~

▼2部制の入場料(午前の部、午後の部ともに同額)

◇中央指定席→2000円(共通)

◇一、三塁指定席→大人1700円、子ども500円

◇アルプス一般指定席→800円(共通)

◇外野指定席→大人500円、子ども→100円

3月18日、今春のセンバツ開会式

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今夏甲子園大会で朝、夕2部制の試験的導入検討 選手、観客の暑熱対策 1日3試合日限定で

23年8月6日の土浦日大対上田西 5回終了後、クーリングタイムに入る(撮影・上田博志)

8月7日に兵庫県西宮市の甲子園球場で開幕する第106回全国高校野球選手権大会で、選手、観客の暑熱対策として、1日の試合数が3試合の開催日に限り、朝、夕に試合を振り分ける2部制の試験的導入が検討されていることが19日、関係者の話で分かった。日本高野連が同日午後に開く全国選手権の運営委員会で討議される。

午前中に1試合または2試合を行った後、数時間のインターバルを設けることで酷暑の時間帯を避け、残りの試合を実施する方針。4試合開催日については「時間帯に余裕がなく、現実的に難しい」(高野連関係者)との理由で大きな変更はしない予定で、今夏は部分的な導入となる。

夏の甲子園大会の期間中は気温35度を超えるような猛暑が続くため、日本高野連は2022年、朝と夕の2部制を含む新しい暑さ対策について議論を始めていた。昨夏の第105回大会では、各試合の五回終了後に、選手らが冷房の効いたスペースで水分補給や身体冷却を行う10分間の「クーリングタイム」が導入された。(共同)

23年8月6日の土浦日大対上田西 5回終了後、「クーリングタイム」で10分間の休憩がとられる(撮影・上山淳一)
夏の甲子園大会開会式(23年8月6日撮影)
夏の甲子園大会開会式で入場行進する各校の選手たち(23年8月6日撮影・前田充)

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センバツで基準違反“飛ぶバット”流通 「極めて重大な違反」高野連事務局長 メーカーは謝罪

3月18日、今春のセンバツ開会式

日本高野連は18日、今春から導入された新基準の低反発バットに関して、「SG」マークを認証する製品安全協会の基準に満たないバットが今春のセンバツ大会などで市場に流通していたことを明らかにした。

大阪市内で取材に応じた日本高野連の井本亘事務局長(52)は「極めて重大な違反。強く抗議をさせていただいた」と厳しく指摘した。

全日本野球バット工業会から情報提供があり、違反が発覚した。株式会社SSプロダクト(本社・石川県金沢市)が製造した3351本のバットが対象。同社に製造を委託していたザナックス、三共スポーツ、ハイゴールド、イソノ、ボルテカの5社から販売されたバットで、各メーカーが自主回収を進めている。

反発性能の規定は打球部の圧縮試験を行った際に、1ミリを変位させる力が6000N(ニュートン)以上が条件。この数値が高いほど反発力は抑えられるが、今回の不適合バットは5300~5500Nで変位が確認された。打球部の肉厚は4ミリ以上が規定だが、3・5~6ミリ程度しかなかった。適合バットよりも反発性能が高く、打球速度が上がりやすい“飛ぶバット”が流通してしまった。

SSプロダクトは「SG」の認証を22年9月ごろに受け、23年夏ごろに中国の工場で量産体制に入ったという。波多陽祐代表取締役は「認証から生産までに1年ほどの間があり、その間に工場側が少し違った解釈というか、間違ってしまった」と説明して謝罪。製品安全協会は同社に出荷停止を命じ、5月31日までに改善に応じない場合はバットの工場登録を取り消す。

日本高野連は全国の加盟校に新基準のバットを3本ずつ、計約1万2000本を配布中で、不適合バットも2510本含まれていたと説明。今春のセンバツでも出場32校中5校で同バットが使われたというが、同大会での記録は有効と認める。練習を含めて19日からの使用禁止を各地区の高野連に通達するなど、厳しく対応する。【古財稜明】

▽製品安全協会・高島竜祐理事長(認証したことを謝罪)「SGマーク制度の信頼性を損なうような事態で、大変遺憾に思っております。また、日本高野連、関係者の皆さまにご心配とご迷惑をおかけして、大変申し訳ありません」

◆低反発バット 「打球による負傷事故(特に投手)の防止」と「投手の負担軽減によるケガ防止」などが目的で、今春のセンバツ大会、春季都道府県大会から導入された。バットの太さは最大径は67ミリから64ミリと細くなった。打球部の肉厚は従来の約3ミリから4ミリ以上に設定。バットがへこむことで強い反発力を生み出す「トランポリン効果」が減衰し、打球の初速が3・6%落ちることが実証されている。今春のセンバツでは大会本塁打が前回の12本から3本に減少した。

◆SGマーク SGはSafe Goods(安全な製品)を意味する。一般財団法人・製品安全協会が定めたSG基準に、製品が適合していると同協会が認証したことを示す。適合した製品にはSGマークがつけられる。

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【高校野球】センバツで基準満たさぬ低反発バットを一部使用「極めて重大な違反」市場にも出回る

※写真はイメージ

日本高野連は18日、今春から導入された新基準の低反発バットに関して、「SG」マークを認証する製品安全協会の基準に満たないバットが市場に出回っていたことを発表した。

株式会社SSプロダクトが製造していた3351本のバットが対象で、販売メーカーのザナックス社、三共スポーツ社、ハイゴールド社、イソノ社、ボルテガ社の5社から販売された低反発バットが、「SG」の基準を満たしていなかった。メーカーは自主回収を進めている。

全日本野球バット工業会から「SGマークに不適合のバットが販売されているんじゃないか」との情報提供があり、今回の違反が発覚した。反発性能に関する規定として、バットの打球部への圧縮試験を実施した際に、1ミリを変位させる時の力が6000N(ニュートン)以上と定められているが、今回発覚したバットは5300~5500Nで1ミリ変位したことが再検査で明らかになった。

今春のセンバツ大会でも、出場32校中5校で同メーカーのバットが使用されていたことが確認されている。日本高野連の井本亘事務局長は「極めて重大な違反」と強く指摘した。同連盟は19日から練習含め不適合のバットの使用の禁止を発表。

◆低反発バット 「打球による負傷事故(特に投手)の防止」と「投手の負担軽減によるケガ防止」などが目的で、今春のセンバツ大会、春季都道府県大会から導入された。バットの太さは最大径は67ミリから64ミリと細くなった。打球部の肉厚は従来の約3ミリから4ミリ以上に設定。バットがへこむことで強い反発力を生み出す「トランポリン効果」が減衰し、打球の初速が3・6%落ちることが実証されている。今春のセンバツでは大会本塁打が前回の12本から3本に減少した。

◆SGマーク SGはSafe Goods(安全な製品)を意味する。一般財団法人・製品安全協会が定めたSG基準に、製品が適合していると同協会が認証したことを示す。適合した製品にはSGマークがつけられる。

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磐田東・赤堀佳敬新監督21日初陣 健大高崎&盛岡大付の全国強豪イズム継承「できる限りの準備」

16日、組み合わせ抽選に臨む磐田東・赤堀新監督

第71回春季高校野球静岡県大会が、20日に開幕する。

上位2校に与えられる東海切符へ、今大会から16枠に増えた夏のシード権を懸けた戦いに39校が出場。16日には組み合わせ抽選会が行われ、対戦カードが決まった。磐田東は、今春選抜優勝の高崎健康福祉大高崎(群馬)で副部長を務めた赤堀佳敬氏(31)が、今月7日に監督に就任。静岡学園と対する21日の2回戦で初陣に臨む。

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就任から、わずか2週間で公式戦初采配を迎える。当然、準備は万全ではない。それでも赤堀新監督は、勝利のために全力でタクトを振るう。「3年生にとっては、この春もその先の夏も1つ1つが最後になる。自分のスタートなんて言ってられない。できる限りの準備をして、何とか勝たせてあげたい」。

偉大な背中を追い、初の監督業に励む。17年から盛岡大付(岩手)の関口清治監督、19年からは高崎健康福祉大高崎の青柳博文監督の下でコーチを務め、計6度甲子園に出場。今春センバツでは日本一も経験した。「共通しているのが、選手の長所を伸ばすことにたけていること。2人がいなければ今の自分はない。目標にして、追いつきたい」。師と語る2人に学んだ日々を指導の根幹に置く。

就任直前の4月5日。親交のある元ヤクルト宮本慎也氏と食事をした際、1枚の色紙を贈られた。記された言葉は「失敗を恐れず挑戦あるのみ」。赤堀監督は「監督就任の話を受けた時にも相談をさせてもらい、『監督になれる機会はそうあるわけじゃない。チャンスだよ』と背中を押してもらった。いただいた言葉を大事にして頑張っていきたい」と胸に刻んだ。

目標は春夏通じて初の甲子園。その第1歩となる初陣の相手は、静岡学園に決まった。「相手ではなく、短い期間の中でもやってきたことを出せるように。まずは夏のシード権を取る。1試合でも多く経験して収穫の多い大会にしたい」と、目前に迫った本番を見据えた31歳の若き指揮官。新たな教え子たちとともに挑む戦いが、始まる。【前田和哉】

◆赤堀佳敬(あかほり・よしのり)1993年(平5)4月1日、三島市生まれ。伊豆中央高から中京大と進み、内野手としてプレー。卒業後は保健体育教諭として磐田南に赴任。17年から盛岡大付、19年から高崎健康福祉大高崎で副部長を務め、主に打撃を指導。父の真也氏(55)は天竜高監督。右投げ左打ち。独身。

○…ナインも決意を新たに初戦に備えている。扇の要・原啓與捕手(3年)は「新監督になって、みんなが気持ち高く取り組めている」と話す。今大会チームは、これまで予選3試合で30得点3失点と攻守がかみ合い全勝。上位校決定戦では、プロ注目右腕の寺田光投手(3年)が完封し、春夏通算11度の甲子園出場を誇る常葉大菊川を1-0で下した。好調を維持して迎える新体制でのスタート。主将の浅井雄亮内野手(3年)は「1試合でも多く勝って、夏に向けて成長していきたい」と燃えている。

新体制初の公式戦となる春季県大会へ意気込む磐田東ナイン
元ヤクルト宮本慎也氏から贈られた色紙を手にする磐田東・赤堀新監督
春季高校野球静岡大会組み合わせ

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4・20開幕、第1シードの常総学院は22日初戦 春季高校野球茨城大会組み合わせ

春季高校野球茨城大会組み合わせ

高校野球春季茨城大会の抽選会が行われた。

20日に開幕。決勝は5月5日、JCOMスタジアム土浦。上位2校が春季関東大会(群馬、5月18日~)に進出する。

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春日部共栄・本多利治監督が来年3月31日で勇退 春夏通算8度甲子園に出場

春日部共栄・本多監督(2018年撮影)

春日部共栄(埼玉)の本多利治監督(66)が、来年3月31日で勇退することが14日、分かった。関係者によるとすでに野球部員にも知らされているといい、後任は現時点では未定となっている。

同監督は選手時代に高知高で3度甲子園を経験し、75年センバツで優勝した。同校の野球部が創部した80年に22歳の若さで監督に就任。監督としては91年に初のセンバツ出場を果たし、93年夏の甲子園では同校最高成績の準優勝に導くなど、春夏通算8度出場で10勝を挙げている。

主な教え子は土肥義弘(元西武)、中村勝(元日本ハム)、中里篤史(元中日)、城石憲之(元ヤクルト、現ヤクルト総合コーチ)

村田賢一(ソフトバンク)。

93年夏の甲子園決勝の育英戦で力投する春日部共栄・土肥義弘
春日部共栄時代の中里篤史(2000年撮影)

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早実・宇野真仁朗が高校通算58本 スカウト4球団視察「高校生の中で頭1つ2つ抜けている」

明大中野対早実 高校通算58本塁打を放った早実・宇野(撮影・佐瀬百合子)

<高校野球春季東京大会:明大中野3-1早実>◇14日◇4回戦◇スリーボンドスタジアム八王子

NPB4球団のスカウトが見守るなか、プロ注目の早実・宇野真仁朗内野手(3年)が、3試合連続の本塁打で高校通算58本塁打とした。

0-3の9回2死。直球をはじき返し、左越えソロで反撃に出た。しかし後続が倒れ、8強進出には届かなかった。宇野は「自分が打たないとっていう責任に負けてしまった。チャンスで打てなかったのが悔しい」と、反省を口した。宇野は今大会から木製バットを公式戦でも使用。木製バットでの本塁打はこれで3本目となった。

今春センバツから低反発バットが導入された。なおも木製バットを使用する理由については「逆に低反発の方が振りにくい感触で。しなりもあるので、木のバットを使ってるって感じです」と笑顔で話した。

将来については「もちろん高校からでも大学からでもプロに行きたいと思っていますけど、とにかく今の目標は夏の甲子園に出て、その上でアピールできるように。まずはチームのためにできることを探していきたいなっていう感じですね」と、丁寧な口調で話した。

視察に訪れたヤクルト橿渕聡編成部スカウトグループデスク(49)は「木のバットで、すでに2本(この試合で3本)打っていて力がある。打球は金属バットを使っている他の選手と遜色ないですね。高校生の中だと頭1つ、2つ抜けている印象です」と語った。

和泉実監督(62)は「結局宇野が打てないとこういう試合になっちゃう。宇野もマークが厳しいので、簡単な球はなかなか放ってくれない。もう少し戦力を整えていきたい」と、夏に向けてチームの底上げを誓った。【佐瀬百合子】

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福岡屈指の進学校・春日、佐賀北と公立対決 高校野球春季九州大会組み合わせが決定

抽選会に出席し、くじを引く春日・八塚監督(中央)(撮影・佐藤究)

春季九州地区高校野球大会の組み合わせ抽選会が12日、佐賀県内で行われた。大会期間は20日から25日までの5日間(23日は休養日)。会場は佐賀県立森林公園野球場のみ。今春選抜大会出場4校を加えた16チームが参加する。

注目校は春日(福岡1位)だ。県内屈指の進学校で知られ、激戦区の春季福岡県大会で初優勝を飾った。初戦は佐賀北(佐賀1位)との顔合わせとなり、公立校対決となった。八塚昌章監督(55)は「守りの時間を短く、攻撃の時間を長くがモットー。それを実践できたら」と意気込んだ。センバツ16強入りで今大会V候補の神村学園(鹿児島推薦)は大牟田(福岡2位)と対戦する。

鹿児島実(鹿児島1位)はNPB12球団が注目する最速151キロ右腕・井上剣也投手(3年)を擁する。高校日本代表候補の神村学園・正林輝大外野手(3年)も今秋のドラフト候補に挙がる左のスラッガーだ。

春季高校野球九州地区大会組み合わせ

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