【阪神】桐敷拓馬、中継ぎで初の開幕1軍「また違った雰囲気。準備とかは別に、普段通りかな」
阪神桐敷拓馬投手は中継ぎとしては初の開幕1軍。
「中継ぎでの開幕というのは、また違った雰囲気だなというのは感じています。準備とかは別に、普段通りかなと思います」。
- 東京ドームでキャッチボールをする桐敷(撮影・上田博志)
阪神桐敷拓馬投手は中継ぎとしては初の開幕1軍。
「中継ぎでの開幕というのは、また違った雰囲気だなというのは感じています。準備とかは別に、普段通りかなと思います」。
オリックス中嶋聡監督が就任4年目も「マジック」と呼ばれる手腕を発揮する。
山本由伸投手と山崎福也投手が抜け、西川龍馬外野手がFA加入。「新しい投手陣だし、新しい打線。臨機応変に対応できるように」と柔軟な考えでチームをまとめる。
キャンプ打ち上げの際に不安を口にした投手陣の仕上がりは「心配な部分」と厳しい表情。リーグ4連覇については「数字上の話。新しい1年をしっかり戦う」と意に介さなかった。
阪神ハビー・ゲラ投手は初の東京ドーム。
「(映像などで)画面越しにというかね、見たことある球場です。歴史ある球場とも聞いているので、明日の雰囲気が楽しみですね」。
オリックスのセットアッパー候補、山崎颯一郎投手が、滑り込みで開幕1軍メンバーに入った。コンディション不良でキャンプ終盤から出遅れていた。
「不安がないと言えばウソになる。最初がすごく大事。そこからいい波をつくっていけたら」。
ドラフト5位の高島泰都投手(24=王子)と同6位の古田島成龍投手(24=日本通運)の新人右腕2人や、日本ハムからトレード移籍の吉田もメンバー入り。体調不良でオープン戦欠場が続いた中川圭太外野手はメンバーから外れた。
アシックス社が28日、今季からアドバイザリー契約を結ぶ阪神近本光司外野手(29)の今季使用スパイクの最新版を公開した。
オープン戦期間で微修正を重ね、新たに中敷と中底の間にクッション材を追加。昨季使用モデルよりも、さらにクッション性を高めたバージョンにアップデートされた。見た目では旧型と判別はできないものの、中身にこだわり、シーズンを戦い抜くためのアイテムに仕上がった。疲労軽減の効果が期待できる可能性もあり、5度目の盗塁王へ相棒とともに走り抜く。
阪神佐藤輝明内野手は開幕へ高揚感を隠さなかった。
東京ドームで行われた前日練習を終え「すごい楽しみ。楽しみの方が多いです」と笑顔で取材に応じた。4度「楽しみ」と語るほどワクワクが止まらない様子だ。開幕戦は過去3年すべてでスタメン入り。12打数5安打、打率4割1分7厘と強さを発揮している。開幕戦の相手、巨人の戸郷にもこれまで打率2割6分5厘、3本塁打と相性は悪くない。「しっかり対策していきたいと思います」と最後まで調整する。
今オフは米シアトルで動作解析を行い、打撃フォームを改造。オープン戦では終盤5試合で打率4割を超え、2本塁打を放つなど尻上がりに調子を上げた。勢いそのまま開幕を迎え、「できることはやったと思う。それをしっかりやれるかどうか、一年を通してやっていきたい」と意気込んだ。プロ4年目。スタートダッシュを決める。
高卒3年目で初の開幕スタメンを勝ち取った阪神前川右京外野手は気を引き締めた。
オープン戦では右投手相手に3割5分9厘と結果を残し、岡田監督から「右やったら使うよ」と戸郷撃ちを託された。前日練習のフリー打撃ではスタンドへ運ぶ大飛球を続け、用意は万全。「いつも通りの準備が一番大事。実際やってみないと分からないので、打席の中で考えながら立ちたい」。平常心で初の開幕戦に挑む。
<ウエスタン・リーグ:オリックス4-4阪神>◇28日◇杉本商事BS
オリックス開幕ローテ候補の山岡泰輔投手がウエスタン・リーグ阪神戦(杉本商事BS)に調整先発し、わずか8球で緊急降板した。
1死から遠藤に3球目を投げたところでベンチにアピールした。右足首付近を気にする様子があり、トレーナーとともに自力歩行でベンチに下がって交代となった。突然のアクシデントで、開幕直前の1軍ローテへの影響が心配される。
オリックス宮城大弥投手(22)が球団左腕3人目の開幕戦勝利を目指す。28日、ソフトバンクとのシーズン初戦に先発することが発表された。自身初の開幕投手。「楽しみと、不安と、緊張と。たくさんありますけど一生懸命やろうと思います」。京セラドーム大阪での会見では、入り交じる感情を隠さず語った。
球団左腕で開幕白星を手にすれば、96年に日本ハムを1-0で完封した星野伸之以来28年ぶり(星野は92年も開幕勝利)。54、57、60年と勝った梶本隆夫を含めて史上3人目となる。「チームに勢いをつけられるように。ハイクオリティースタート(7回以上、自責2以下)だったり、高いところを目指したい」と意気込んだ。
公私とも仲の良かったエース山本由伸がドジャース移籍。その影響は今は「あまり感じない」という。「仕方ないというか、いないので。今いるメンバー全員で」。先頭に立って大きな穴を埋めにかかる。中嶋監督からは1週間前の22日阪神戦を投げ終えて伝えられた。「『言わなあかんの』みたいな感じで言われました」といい、交わした握手から期待が伝わってきた。
開幕投手を志願し続け、いざ実現する。「うれしい反面、言ってきたからにはというプレッシャーもある。すごくいい経験になるし、いいスタートが切れたら」。4年ぶりの本拠地開幕で前売りチケットは完売。ファンの大声援を受け、若き左腕が球団46年ぶりリーグ4連覇を目指す戦いの先陣を切る。【大池和幸】
虎打線の柱たちに心配はない。コンディションに不安を抱えていた阪神近本光司外野手(29)、大山悠輔内野手(29)が開幕戦へ、万全を証明した。敵地東京ドームでの全体練習に参加。大山がアップを別組で行ったものの、ともにフリー打撃、シートノックと全メニューをこなした。近本は蓄積疲労、大山は下半身の張りでオープン戦の終盤を欠場していたが、きっちりと間に合わせた。岡田監督も「普通にやってるやろ。全然大丈夫」と強調した。
指揮官が「故障まではいかんけど、張りやろな。できんことはないと思うけど」と状態を説明していた近本は、首脳陣からあえてストップをかけられ、ここまで別メニュー調整を続けてきた。焦ることなくペースを落としたことで、状態も上がってきたようだ。練習後は「緊張しようとしているので。あえてというか、特別なんでね、1打席目は。その時だけは緊張して楽しめたら」と独特な表現で見据えた。オープン戦は打率3割6分4厘と自己最高をマーク。1回表、巨人先発戸郷に先制パンチを食らわせるつもりだ。
大山は「しっかり準備して頑張ります」ときっぱり。コンディションを問われると「頑張ります。頑張りましょう。頑張ります」と連呼した。9日ぶりのシートノックでは一塁に就き準備OKだ。巨人阿部監督は虎打線を「1、2番の出塁とかはもちろん、中軸以降も1発を打てるバッターが並んでいる」と警戒。不動の1番、4番が今季もどっしり打線のコアを担い、ライバルをたたきにかかる。
岡田監督は「ある程度、思っているメンバーで開幕を迎えられるのが、不安があまりないっていうことや」とひと安心だ。近本が出て、大山がかえす。昨季日本一をつかんだ攻撃の流れは、24年も変わらない。【中野椋】
3人組ロックバンド、10-FEETが「2024 ABCプロ野球テーマソング」として書き下ろした新曲「gg燦然」(ジージーさんぜん)が29日に解禁された。プロ野球中継の他、ABCラジオやABCラジオの情報番組内スポーツコーナーでも使用される。
書き下ろしたTAKUMAは「“テーマソング”なので、プロ野球のイメージとスタッフの皆さん、応援しているファンの皆さんのことをイメージしながら作りました。何より、今の僕たち10-FEETが作り得る『一番かっこいい音楽』というのをただただ大事に、熱い想いで作りました」と明かした。
大の虎党でもあるTAKUMA。今季球団史上初のセ・リーグ連覇を目指す阪神へ「あまり“連覇に向けて”というのが慣れない感じなのですが。本当に久しぶりに昨年日本一になって、『新たな歴史の扉』が開いたような感覚にもなりましたので、ぜひ今年連覇していただいてファンの皆さんを魅了していただけたらと思います」とメッセージを送った。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
ロッテは29日に日本ハムと開幕戦を戦う。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
日本ハムは29日にロッテと開幕戦を戦う。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
楽天は29日に西武と開幕戦を戦う。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
西武は29日に楽天と開幕戦を戦う。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
オリックスは29日にソフトバンクと開幕戦を戦う。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
ソフトバンクは29日にオリックスと開幕戦を戦う。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
ヤクルトは29日に中日と開幕戦を戦う。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
中日は29日にヤクルトと開幕戦を戦う。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
DeNAは29日に広島と開幕戦を戦う。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
広島は29日にDeNAと開幕戦を戦う。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
巨人は29日に阪神と開幕戦を戦う。
日本野球機構(NPB)は28日、開幕出場選手登録名簿を公示した。
阪神は29日に巨人と開幕戦を戦う。
阪神の開幕戦VS巨人は20年まで過去15度(降雨中止のため巨人が遅れて開幕した72年含む)あり、7勝7敗1分けと互角。
今季は阪神、巨人ともスタメン全員が日本人の可能性がある。仮に両軍の先発全員が日本人で開幕戦を行えば78年以来46年ぶりだ。当時のクリーンアップは阪神掛布、田淵、藤田。巨人は張本、王、柳田。開幕投手は阪神江本、巨人堀内で阪神は6-7と惜敗した。
<イースタン・リーグ:DeNA6-1オイシックス新潟>◇28日◇ハードオフ新潟
オイシックス園部佳太内野手(24)が定位置奪取に向け、猛アピールした。DeNA戦に「8番一塁」で出場。昨季までオリックスでチームメートだったDeNA中川颯投手(25)から3回に左前打、5回には今季初長打となる適時二塁打で初打点をマークした。開幕スタメンからは外れたものの、巡ってきたチャンスで持ち前の打力を披露した。チームは1-6で敗れ、イースタン・リーグ初の連勝とはならなかった。
◇ ◇ ◇
ハードオフ新潟に快音が響いた。3回の第1打席で左前打を放ち、迎えた5回の第2打席。無死二塁で、DeNA中川が投じた初球のカーブに反応した。低い弾道で打球はぐんぐん伸び、左翼の頭を越える適時二塁打となった。「(中川)颯さんのオープン戦の成績も無失点だったので、ここで1点をつけられてよかった」。元同僚に“1失点”をつけ、存在感を見せつけた。
昨季のオフ、ともにオリックスから戦力外を告げられ、戦いの場所をそれぞれ移した。DeNAに加入した中川はオープン戦で結果を残し、1軍開幕ローテ入りが濃厚。その先輩を相手に、NPB復帰を目指す園部もマルチ安打で対抗した。「1軍でも投げるピッチャー。そこで2本打てたことは良かったのかなと思います」。戦う場所は違えど、元チームメートの活躍は刺激になる。
園部は二遊間のスタメン候補として期待されたが、開幕から出場機会に恵まれず。試合に出場できないことに「ストレスがたまる」と話すが、「こういう経験はオリックスの2年目でもしたので…。愚痴なんかも吐きながらですけど、うまくやらなきゃいけない」とひたすら出番を待ち続けた。
23日楽天戦から「中学ぶりぐらい」の一塁手として出番が巡ってきた。慣れないポジションだが、チームを救う好守を何度も見せ、自慢の打撃でも4試合で5安打を放つなど、インパクトを残している。「結果を出したら使ってくれると思うので」。どんな場所でも、与えられたチャンスを確実にものにしていく。【大島享也】
○…陽岱鋼外野手(37)が本拠地デビューを果たした。7回、代打で登場。DeNA石田健が投じた直球に詰まらされ、遊ゴロに終わった。「(投手との)距離感っていうのは一番気になったところで、それは今日の打席で確認できたのでよかった」と振り返った。今後の起用法について橋上秀樹監督(58)は「寒さも含めてペースが上がってこなかったんで、もう少し準備して、4月になったら本格的にっていうような話はしました」と話した。
<ウエスタン・リーグ:くふうハヤテ4-5中日>◇28日◇ちゅ~るスタジアム清水
今季から新規参入したくふうハヤテは中日に4-5で敗れた。2-5の8回に代打・倉本寿彦内野手(33)の中前2点適時打で1点差。9回にも2死一、二塁としたが、後が続かなかった。ホーム初勝利には届かず、赤堀元之監督(53)は「ミスが勝敗の差になってしまった」と悔やんだ。
1-0の6回から2番手で登板した藤本颯太投手(23)が、先頭から与えた3連続四球を機に3点を失った。投手陣の四球は、試合前の時点でリーグワーストの75(9試合)。この日も課題を露呈する形で逆転を許すと、負の流れが連鎖する。7回には2つの適時失策で2失点と自滅した。
それでも、先発の二宮衣沙貴投手(25)が5回3安打無失点と好投。打線も9安打4得点と食らいつき、終盤には粘りも見せた。指揮官は「本当に少しずつだけど、良くなっている部分はある。試合を重ねれば重ねるほど成長して、もっと挑戦できるようになると思う」と顔を上げた。
阪神が開幕戦でクリーンアップに生え抜き選手をそろえれば、97年の3番新庄、4番桧山、5番八木以来27年ぶり。近年は金本、新井、福留、糸井といった移籍組が長らく中軸に入ってきたため、生え抜きクリーンアップは少なかった。
なお、阪神にドラフト最上位入団した選手が開幕戦の3、4、5番で先発すれば球団初。昨季開幕戦は4番大山悠輔内野手、5番佐藤輝明内野手だったが、3番はノイジー。ドラ1新人の森下翔太外野手は先発したが6番だったため、快挙は持ち越しとなっていた。
<ウエスタン・リーグ:オリックス4-4阪神>◇28日◇杉本商事BS
4月4日のDeNA戦(京セラドーム大阪)で先発が見込まれる阪神西勇輝投手が、ウエスタン・リーグのオリックス戦(杉本商事BS)に先発し、開幕前最後の調整登板を終えた。
3回2/3を投げ、6安打3失点。3回まで毎回走者を許した。一方、左肩の肉離れで別メニュー調整を行っていた井上広大外野手が「5番左翼」で実戦復帰。2回の初打席にいきなり左翼への二塁打を放つなど2安打を放った。
球団初の道産子開幕投手から、8年ぶりの日本一を目指した大航海が始まる。初の大役を務める日本ハム伊藤大海投手(26)が28日、開幕ロッテ戦(ZOZOマリン)へ向けて最終調整した。初体験の開幕マウンドも楽しむことをテーマに掲げた。ふとしたきっかけで知ったサッカー元日本代表の本田圭佑氏(37)の言葉を胸に、チームに5年ぶりの開幕白星をもたらす快投を誓った。
◇ ◇ ◇
やや肌寒かったZOZOマリンで、いい緊張感を保った半袖姿の伊藤が開幕戦へ向けた調整を完了した。
伊藤 ここ1週間、緊張してんのかなと思っていたけど、ワクワクの方が強いのかなと思う。
率直な心境を明かした右腕は、初めての開幕マウンドでファンに見てもらいたい姿を明かした。
伊藤 このオフ、野球を取り組むにあたって何が大事かを考える時間が多くあって「楽しむことが一番」と感じた。楽しんで投球している姿を、みなさんに楽しんでもらえたら。
その心構えに至ったきっかけは、動画投稿アプリ「TikTok」だった。ある日、何げないタイミングで金言が目に入ってきた。
伊藤 たまたまサッカーの本田圭佑さんが「いつか死ぬので、今を楽しまないと意味がない」という言葉をおっしゃっていた。確かにそうだ、と。野球やめるとか投げ出すのは、すごく簡単なことなので、せっかくやるからには楽しんで、いろんなことにトライしていった方がいいと思った。
日本ハムが北海道に移転後はもちろん、球団史上でも初めて道産子投手が開幕投手を務める。昨年9月25日に新庄監督から通達されてからの半年間は、プレッシャーを感じることもあったはずだが、ふと目に飛び込んだ本田氏の言葉が気持ちを楽にさせてくれた。
伊藤 どんだけ思い詰めても、結局そこは人間の越えられない壁だと思う。いつか死ぬっていうことを考えたら、今頑張るとか楽しむとか、やれるべきことはやった方がいいかなっていう考えになった。
頼もしい仲間も勇気づけてくれた。外野でキャッチボール中に、守備練習でやってきた選手会長の松本剛が声をかけてくれた。
伊藤 剛さんも、4点取ってくれると言っていた。あまり気負いすぎず、それを信じて投げたい。
楽しみながら大役を全うしてチームに19年シーズン以来の開幕白星をもたらし、チームが目指す日本一の大航海を勢いよく船出させる。【木下大輔】
◆日本ハム伊藤とZOZOマリンとの相性 プロ入り3年間で5試合に登板し、3勝負けなし。防御率1・74と好成績を残している。新人だった21年はシーズン最終登板の10月30日ロッテ戦で勝ち、節目の10勝に到達。侍ジャパンの一員としてWBCで活躍した昨年も、シーズン初登板はZOZOマリン(4月5日)。5回3安打無失点と好投したが、援護なく、勝ち星はつかなかった。
開幕前に先手奪った!? 阪神岡田彰布監督(66)が28日、巨人との開幕戦(東京ドーム)の前日会見で、宿敵の阿部監督に先制“口撃”を仕掛けた。26日に巨人新助っ人オドーアが電撃退団したことをいじり、21歳下のライバル指揮官をタジタジにした。一方で「巨人と阪神が引っ張っていくのが理想」と共闘も呼びかけた。「伝統の一戦」からプロ野球界を盛り上げ、球団初のセ・リーグ連覇、2年連続日本一へ突き進む。
◇ ◇
会見場を出た直後、岡田監督は冗談交じりにニヤリと笑った。
「ちょっと1発かましたったわ」
開幕戦の“前哨戦”。さすがの岡田節で先手を奪った。
21歳差の巨人阿部監督と並んだ開幕前日会見。相手チームの警戒ポイントを聞かれた時だった。
「今年はライバルは巨人になると思ってたんですけど、一番注意してたんは新外国人だったんですけどね。ちょっとなんか、ちょっとねえ、拍子抜けして…」
そう切り出すと、静かだった会場は笑いの渦に包まれた。
2日前、巨人新助っ人のオドーアが電撃退団したことをしっかり盛り込み、隣の阿部監督も思わず苦笑い。会見を盛り上げた先制攻撃について「え?何を? 一番の新戦力は外国人やったんやから。ほんまの話やから別に」とけむに巻いたが、根底には「伝統の一戦」への思いがある。
「そら当然やん。やっぱりな、巨人と阪神が引っ張っていくのが理想やろ」
今年球団創設90周年を迎える巨人と、来年90周年となる阪神。2球団が開幕戦でぶつかる事実に大きな意味があると受け止めた。
「この2チームが野球界を盛り上げて引っ張っていく、優勝争いをする、そういうことが含まれているのかなと。勝ち負けはつくんですけど、明日から素晴らしいゲームを」
昨年は侍ジャパンが世界一に輝いた勢いのまま、プロ野球のシーズンがスタート。今年はまた新たな流れを作り出す必要がある。
「今年は本当に0からの、明日は今年のプロ野球界を占うような日になると思う。伝統の巨人、阪神戦なので。いいゲームをして、この1年、野球界を盛り上げていけるように」
1試合の勝敗を超えるような熱い戦いを目指す。
決戦を迎える布陣には自信がある。3番から森下、大山、佐藤輝が名を連ねる見込みで、クリーンアップに生え抜き選手が並べば阪神では97年以来27年ぶり。全員がドラフト1位選手となれば初めてだ。
球団初の開幕記録から球団初のセ・リーグ連覇へ。戦う準備はできている。【磯綾乃】