日本ハム杉谷、国内FA権行使せず残留意向示す
高卒11年目で7月に国内FA権を取得した日本ハム杉谷拳士内野手(28)が22日、権利を行使せずにチームに残留する意向を示した。
ロッテ24回戦(ZOZOマリン)に敗れ、チームのクライマックスシリーズ進出が完全消滅。
試合後、報道陣に問われると「(シーズンが)終わってからしっかり考えます」と話す一方で、「応援してくれるファンの方のためにも、ファイターズで全うしたいと思います」と、気持ちを吐露していた。
高卒11年目で7月に国内FA権を取得した日本ハム杉谷拳士内野手(28)が22日、権利を行使せずにチームに残留する意向を示した。
ロッテ24回戦(ZOZOマリン)に敗れ、チームのクライマックスシリーズ進出が完全消滅。
試合後、報道陣に問われると「(シーズンが)終わってからしっかり考えます」と話す一方で、「応援してくれるファンの方のためにも、ファイターズで全うしたいと思います」と、気持ちを吐露していた。
ロッテは23日、千葉市内の小学1年生にオリジナルのランドセルカバーを無償配布することを発表した。
ドラフト1位ルーキーの上田希由翔内野手(22)がこの日、球団公式マスコットのズーちゃんと千葉市立上の台小学校を訪問し、約110人の1年生にランドセルカバーを贈呈した。「みなさん小学1年生で入学してきたと思うんですけど、自分も1年生と言うことで、同じ1年生同士、不安もたくさんあると思うんですけど、これからも一緒に頑張りましょう」とあいさつ。「見た感じズーちゃんの方が人気ありそうなので…自分もズーちゃんより、人気になれるように野球どんどん頑張って行こうかなと思います」と自虐気味に話した。
“プロ1年生”の上田は「何をやったらいいのかわからない状態からのスタートなので、そういうところをつかむのもそうですし。流れとか試合も全てにおいて初めてのことばっかなので、そういう不安とかはたくさんあります」と話しつつ「リズムを若干つかんできている」と現在の心境を語った。「こういう活動を通してもプロ野球選手として、社会人として、しっかりやっていけたら」と成長していく。
ランドセルカバーの配布は12年から13年連続で行っている地域振興活動。今年は約2000枚のランドセルカバーが千葉市内35校に通う小学1年生全員に教育委員会を通じて無償で配布される。
<イースタン・リーグ:日本ハム-DeNA>◇23日◇鎌ケ谷
日本ハム野村佑希内野手(23)が2軍で1号2ランと2号3ランを放った。
「3番三塁」で先発。1点を追う3回1死二塁、DeNAのドラフト5位右腕・石田裕の変化球を捉え、逆転の左越え2ランとした。さらに3点リードの6回2死二、三塁でも京山の速球を左中間へ運んだ。
昨季13本塁打をマークした野村は今季も1軍の開幕スタメンに名を連ねたが、8試合で打率7分7厘と振るわず、12日に1軍登録を抹消されていた。この日は1回の第1打席でも左前打を放ち、復調をアピールした。
阪神は23日、毎年恒例になっている月替わりの「みんなで六甲おろし」の5月度出演者を発表した。
1人目は“SNSで最も使われる歌声”の呼び声高い、大阪出身23歳のシンガー・ソングライター「asmi」。2人目はシンガー・ソングライターの岡崎体育。
asmiは「物心がついた頃の私の小さな世界に“勝負”を教えてくれたのは阪神タイガースでした。大人になった今は別の角度から勇気や希望を沢山もらっています! 応援できて心から幸せです! 歌おう! みんなで六甲おろし!」とコメント。岡崎体育は「まいどおおきに岡崎体育です! 今年もいけるでタイガース! セ界から世界に駆け上がっていけわれらが虎の戦士たち! 今年も心から阪神の野球を楽しみまくりましょう!」とコメントした。
2人が出演するバージョンは5月の甲子園での主催試合(ウエスタン・リーグを含む)より放映をスタート。球団公式サイトでも4月30日午後2時まで期間限定で配信される。
また、通年メンバーは加藤清史郎、中江有里、ロッチ中岡創一、なこなこカップル、ニッポンの社長、松尾諭、山中慎介、渡部優衣となっている。
<イースタン・リーグ:日本ハム-DeNA>◇23日◇鎌ケ谷
DeNAに5年ぶりに復帰した筒香嘉智外野手(32)が「4番DH」で先発出場した。
1回2死一塁の第1打席は、3年ぶりに日本ハムに復帰した右腕バーヘイゲンのカーブを打って中飛。4回先頭の第2打席は、4年目の育成右腕、斉藤伸から四球を選んだ。5回2死一、三塁で迎えた第3打席はベテラン左腕の宮西と対戦。3ボールから139キロを空振りした後、2打席連続の四球で出塁した。
筒香は20日のイースタン巨人戦(横須賀)で1657日ぶりに日本実戦復帰。2打数1安打1打点を記録し、鎌ケ谷3連戦のテーマに「日本人ピッチャーの間合いを感じること」を掲げていた。
早ければ28日巨人戦(横浜)での1軍合流を視野に調整中で、復帰2戦目でまだ守備には就いていない。24日の鎌ケ谷は雨予報となっている。
巨人は23日、森田駿哉投手(27)が同日に横浜市内の病院で「左肘関節鏡視下クリーニング術」を受けたと発表した。今後、ジャイアンツ球場でリハビリを開始する。
森田はホンダ鈴鹿からドラフト2位で入団したルーキー左腕。春季キャンプは1軍スタートを切ったが、2月中旬に左肘の炎症のためリハビリ班に合流していた。
<ロッテ-ソフトバンク>◇23日◇ZOZOマリン
ソフトバンク近藤健介がロッテ佐々木朗希を打てるか。
2人は今季初対決となるが、昨季までは通算22打席で17打数ノーヒット、12三振。近藤が20打席以上対戦した投手は67人いるが、その中で唯一、1本もヒットがない。ロッテ戦は通算打率3割と苦にしていないのに、佐々木には手を焼いている。
<ヤクルト-広島>◇23日◇神宮
ヤクルト村上宗隆は神宮で通算336試合に出場して99本塁打。本拠地での節目の100号に王手をかけている。
同球場での通算本塁打は池山(ヤクルト)の167本が最多で、100本以上は過去6人。過去6人の神宮100号達成時の試合数と年齢をみると、最速は16年バレンティン(ヤクルト)の277試合で、最年少は19年山田哲(ヤクルト)の26歳10カ月。試合数ではバレンティンに次ぐ2位になるが、24歳2カ月の村上は最年少での神宮100号になる。
日本ハム山崎福也投手が球団71年ぶりの偉業へ挑む。20日北山、21日加藤貴から完封勝利のバトンを渡された山崎は23日楽天戦(楽天モバイルパーク)に先発する。
オリックス時代の完封勝利は17年に1度だけ。完投も、その1試合のみだが、刺激を受けたFA左腕は「僕も負けていられない。もっといい投球ができるように頑張りたい」。今季は3試合に先発して失点数は3、2、1。次は…自身7年ぶりの完封の期待も高まる。
3人連続完封勝ちとなれば、球団では前身東急時代に4人連続完封勝ちを記録した53年以来となる。21日の試合後に「そういうの(記録)は、あまり興味がないかな。2人が完封してくれたことでしか、喜べないです」と話していた新庄監督はこの日、自身のインスタグラムのストーリーズでマッスルポーズを決めながら「明日も三連続完封いけるっしょ~」と山崎の移籍後初完封に期待した。
◆3人連続完封勝ち 日本ハムが3人以上続けて完封勝ちを飾れば、東急時代の53年4月以来71年ぶりになる。この時は4人連続で、1日近鉄戦で米川泰夫(1-0)2日近鉄戦で緒方俊明(1-0=延長11回)3日阪急戦で桑名重治(2-0)4日阪急戦で寺川昭二(7-0)がそれぞれ完封した。なお、球界全体では11年ソフトバンク(5月18日ホールトン、20日山田、21日杉内)が記録したのが最後。
甲子園球場は今年8月1日に開場100周年を迎える。きょう23日は節目の記念日の100日前。07年から同球場の大規模リニューアル工事に携わり、09年からは4年間、第26代球場長も務めた阪神粟井一夫球団社長(59)に甲子園への思いを聞いた。
◇ ◇ ◇
粟井の心には今も、心躍った幼少期の思い出がある。祖父に連れられた甲子園で夏の高校野球を観戦。食堂でカレーライスを頬張り、汗を拭いながらアイスクリームを食べた。「甲子園に触れた最初の思い出。おじいちゃんが野球好きで、連券(大会通し券)を買っていて」。仕事の合間を縫って行くほど野球好きな祖父に連れられ、足を踏み入れた聖地。5歳の夏には、延長18回の激闘を演じた松山商-三沢の伝説の決勝もスタンドから見届けた。
縁は深い。父は大阪・高津高の一員として夏の甲子園に出場。84年には、母校大阪・三国丘の50年ぶりのセンバツ出場をアルプスから応援した。88年に阪神電鉄に入社し、07年からは甲子園球場の大規模リニューアル工事に携わった。
老朽化に伴う耐震補強を検討する中で、大幅なリニューアルプランが浮かんだ。「95年の震災の後は会社全体も苦しく、力を入れることができなかった。野村監督、星野監督が来られて03年に優勝して、チーム作りにも球場にも、しっかりお金をかけようという空気になりました」。粟井は何度も何度も、企画書を出し続けて提案。新たな甲子園をつくる歩みが始まった。
どんなコンセプトにするか。04年5月、野球の本場、米国視察に出向いた。メジャー7球団、マイナー2球団を巡り、球場に携わるさまざまな人に話を聞いた。メジャーのトレーナー室は、トレーニングルームだけでなく選手のロッカールームも見渡せる場所にある。新鮮な驚きもあった。
日本人メジャーリーガーたちの意見にも耳を傾けた。当時パドレスの大塚晶文は「日本のマウンドは柔らかすぎる」と教えてくれた。ヤンキース松井秀喜はビジターにもかかわらず貴重な試合前の時間を割き、立ち話で約30分間も思いのたけを話してくれた。「多少の不便、使い勝手の悪さは我慢する。伝統のある古い球場は、古い球場のままでいてほしい。そこに生きた伝統が詰まっているから、それを失いたくない」。松井の熱い言葉を、帰国後の社内でそのまま伝えた。安全性と快適性を求めながら、忘れてはいけない歴史と伝統の継承。大切にすべきものが明確になった。
もちろん一大プロジェクトは一筋縄ではいかない。「両翼99メートル、中堅122メートルに変えよう」「銀傘をなくそう」といった意見も出ていた。大切な甲子園の風景を守るために、根気強く説得した。「それでは形が変わってしまいます、と。分かってもらうために、戦いましたよ(笑い)」。大半の工事を終えた09年、当時の監督、阪神真弓明信と球場を歩いた。グラウンドからスタンドを見渡した指揮官は「何も変わってないなあ」とつぶやいた。その言葉を聞いた瞬間、守るべきものを守れたと確信した。
聖地と呼ばれる甲子園の一番の魅力。それは「高校野球とプロ野球、両方の場所であること」だと言う。09年4月から4年間務めた第26代球場長として、甲子園でのプレーを心から喜ぶ球児たちの姿がうれしかった。リニューアルをオフ期間に3期に分けて行ったのも「この工事のために、高校球児が来られない時期をつくりたくない」という思いから。プロになった選手のプレーからも、甲子園へのリスペクトを感じると自然とうれしくなる。
昨年、粟井はヌートバーが在籍するカージナルスの本拠地、ブッシュ・スタジアムを訪れた。下位低迷が続いても、球場は熱気に包まれていた。「文化がよく似ているなと思いました」。ふと、スタジアムマネジャーが言った。「とにかく球場を満員にする。満員で応援することが楽しいと言って来てくれるうちに、チームは絶対強くなる」。球場がファンを呼び、ファンがチームを強くする。阪神は昨季18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を達成。「常に満員の甲子園がいい」と粟井が心に抱いてきた思いが結実した。
歴史を受け継ぎ、次の100年へ。「日本一であり続け、日本一を決める場で、日本一愛される球場」。3つの「日本一」が新たなコンセプト。伝統は大切に受け継ぎながら、次の100年を紡いでいく。(敬称略)【磯綾乃】
◆粟井一夫(あわい・かずお)1964年(昭39)生まれ、大阪府出身。88年に阪神電鉄入社。阪神パークに配属後、新規事業のレストランに出向するが、95年の阪神大震災で全壊。ウエルネス阪神をへて、98年から電鉄本社レジャー事業部。甲子園球場の入場券システムの開発などに続き、球場リニューアル担当課長としてプロジェクトを先導。09年4月から13年3月まで第26代甲子園球場長。同年4月から球団常務取締役。17年12月から阪神電鉄執行役員。22年4月から球団副社長を務め、24年1月から球団社長に就任した。
24日の敵地DeNA戦に先発予定の阪神伊藤将司投手が横浜高の5学年先輩、筒香嘉智外野手との対戦を心待ちにした。
現在ファームで調整中で、今回対決する可能性は低いが、「高校の大先輩なので、対戦できるのはすごく楽しみです。ホームランを打たれないようにしたい」と笑った。面識はない。
24日に向けては「チームもいい感じに来ているので、それを切らないようなピッチングができたら」と力を込めた。
右肘の違和感で2軍調整中だったヤクルト小川泰弘投手(33)が22日、神宮外苑で行われた1軍投手練習に合流した。
この日はキャッチボール、ダッシュなどで調整。チームは23日の広島戦(神宮)から9連戦で、先発ローテの谷間となる26日の阪神戦(甲子園)で今季初先発するとみられる。「自分のスタートなんで、自分のピッチングをして、チームの力になれるように。1人でも多く、1イニングでも多くっていう思いは常に持っているんで、リリーフの負担を減らせるように頑張っていきたいです」と意気込んだ。
開幕投手の最有力候補だったが、3月上旬に右肘の違和感で離脱。リハビリを経て、5日のイースタン・リーグのオイシックス戦で実戦復帰した。2軍では「鍛えてなかった部分やケガした部分、機能が落ちていた部分」などを強化。同リーグでは3試合に登板し、1軍先発への準備を整えた。チームは2カード連続負け越し中で、借金は今季最多タイの4で最下位。「(1軍に)呼んでいただいたからには、しっかり気持ちを入れてやるだけです。結果を恐れず、投げたいと思います」と巻き返しに向け、エースの覚悟を示した。【久保賢吾】
好調な阪神前川右京外野手がプロ2度目のハマスタに乗り込む。
昨季は6月25日に1試合だけ出場し、バウアーから右前への適時打を放った。この日は鳴尾浜で取材に応じ、「守備の確認をして、しっかり準備をして頑張ります」と快打を誓った。
20日の中日戦は途中出場ながら2安打4打点をマーク。「左腕撃ち」を決めた前川に岡田監督は「これからまた左でもいこうかなという気になりますよね」と話しており、左翼の定位置取りに弾みをつけたい。
23日DeNA戦(横浜)に先発する阪神村上頌樹投手(25)が“鬼門”突破でセ界制覇を狙う。
相手は過去5試合に先発してセ・リーグで唯一勝ち星を挙げられていない。「前回はすぐに打たれてしまった」と今季初登板だった2日には初回に4失点を食らい黒星を喫した。警戒する打者には宮崎を挙げ「簡単には抑えられないので、前にランナーを出さないように気をつけて投げたい」と引き締めた。6連勝中の波に乗り、今季2勝目をつかみ取る。
オリックス宇田川優希投手(25)が出遅れを取り戻し、チームに貢献する。
21日に今季初めて1軍昇格。昨シーズン終盤からの右肩痛が尾を引いていたが、ようやく戦列に復帰した。「出遅れた分、しっかり自分の仕事をしないといけない。1試合も投げていないので、信頼されないと良い場面で使ってもらえない。結果を出すことしか考えていない」と意気込みを語った。
昨季はセットアッパーとして自己最多46試合に登板。リーグ3連覇に貢献した。ただ今はまず、アピールが必要な立場。「いろんな場面で行きたいなと思う。去年みたいな感じでもいいですし、求められているところでしっかり仕事ができれば一番」とあらゆる状況を想定し、フル回転を誓う。2軍戦では4試合で計4回1失点。8奪三振とらしさが戻ってきた。チームも出遅れていたが、21日ソフトバンク戦の勝利で勝率5割復帰。宇田川がさらにチーム力を押し上げる。
地元ハマスタで進化証明だ! 6連勝で首位に立った阪神は、23日から横浜でDeNA2連戦。リーグ最多タイの4本塁打で進撃に貢献中の森下翔太外野手(23)は特別な思いで臨む。新人だった昨年は、同球場で4月にプロ初の2軍落ちを味わうなど、球場別ワーストの打率1割5分8厘など苦い思い出ばかり。「進化した自分をハマスタで見せたい」と地元横浜で首位固めウイークの主役になる意気込みを示した。
◇ ◇ ◇
森下にとって、1年前の横浜は忘れようにも忘れられない。4月16日のDeNA戦で平良らの前に見逃し2つを含む3打席連続三振。2軍行きが通告された。「去年は横浜が自分の中では課題だった。しっかり打ち崩せるように、打線を引っ張っていきたい」。苦い思い出を振り返りながら、表情を引き締めた。
ルーキーイヤーは開幕スタメンを勝ち取った。順調にプロ初安打、初打点も出したが、すぐに急降下。降格の時点で本塁打はゼロ。岡田監督は「バット出えへん、見送ってばっかりで」と消極性を指摘し、横浜の地で再調整を命じた。
プロの壁にぶち当たり、敵地の雰囲気にも面食らった。横浜出身の背番号1にとって、横浜スタジアムは東海大相模時代に暴れ回った庭だったが、昨季のセ球場別で打率1割5分8厘はワースト。「いい左投手が多かったし、横浜のファンのみなさんは、ちょっとやりづらい雰囲気をつくってくる」と振り返る。だが、今は違う。地元で味わった嫌な思い出を覆す自信がある。「それをはねのけるようなメンタルと、実力を示したい。新たに進化した自分をハマスタで見せたいと思います」と言い切った。
今季はチームを初勝利に導いた3月31日巨人戦の1号3ランに始まり、今月3日のDeNA戦では逆転の決勝2ラン。10日の甲子園ではチーム1号を放ち、17日の巨人戦では決勝二塁打など、打線全体が苦しい中で何度もチームを救った。
4本塁打はヤクルト村上、オスナに並びリーグトップに。打点は前日3ランの佐藤輝に1差で抜かれたが、同2位タイの13を稼ぎ、勝利打点3はリーグ2位タイの勝負強さを誇る。無敗だった先週の甲子園6連戦は20打数9安打と打ちまくり、1割台だった打率も2割3分9厘に上げてきた。ドラフト1位クリーンアップで刺激し合う大山、佐藤輝も調子を戻し、チームの得点力アップに貢献した。
投打がかみ合ってきたチームは引き分けをはさんで6連勝中。前日21日には首位を奪い、快走モードに入った。頼もしい2年目スラッガーが宣言通り進化を示せば、独走態勢に入ってもおかしくない。【柏原誠】
オリックス田嶋大樹投手(27)が23日西武戦に先発する。
同カードは3年ぶりの登板。「相手打線がどうこうではなく、自分の投球ができるように。自分のボールを信じて投げきれるように。とにかくチームが勝つことが大事」。前回16日楽天戦で3回5失点KO。四球からリズムを崩し、中嶋監督も「大いに反省してもわらないといけない」と奮起を促した。そこから中6日。立て直しのマウンドとなる。
<We love Baseball>
ドジャース大谷翔平投手(29)が、新たな日本人の歴史を刻んだ。21日(日本時間22日)のメッツ戦に「2番DH」で出場し、3回の第2打席で今季5号の先制2ランを放った。メジャー通算176号で、松井秀喜氏を抜いて日本人メジャーリーガーの最多記録を更新した。3打数2安打2打点でチームの連敗は3でストップした。
◇ ◇ ◇
大谷の名が超高校級の花巻東2年生として世に出始めた11年の初夏だった。
当時アスレチックスの松井は日米通算500号の節目へカウントダウンを迎えていた。かつてのような量産ペースではない。少しずつ歩み、立ち止まっては、再びゆっくりとした歩調で大台へ進む。到達への数字を目減りさせていった。
記念のアーチへ、担当としてネタが必要だった。松井は抜群の記憶力で、ホームランを打った年月日、対戦相手、シチュエーションを覚えている。だがプロとして放った本塁打より、「名もなきホームラン」に興味がわいた。松井秀喜が何者でもなかった少年時代に、草野球で放ったアーチを、最初の1本を覚えてはいないのか-。
「覚えてないよ、そんなの」
甲高い笑い声で、一笑に付された。だが言葉を重ねた。「実家の裏の空き地で兄貴と野球をずっとしていた。そして、子供の時、あの喜びを知った。それがホームラン打者として夢を追い求める最初の分岐点だった」
明確な放物線の記憶はないが、感情は鮮明に刻まれていた。松井にとっての原風景だった。
夢を追い求めた松井のサクセスはここであらためて、記すまでもない。多くの野球ファンが「ゴジラ」と評された男の夢に乗っかった。相乗りできたからこそ、その軌跡は希望に満ちあふれていた。
時は移ろい、大谷がホームラン打者として名をはせる。ユニホームをとうに脱いだ白髪交じりの松井は今も野球教室で、在りし日のようなホームランをせがまれる。「王さんが55歳の時にOB戦で甲子園でホームランを打った。自分も55歳まで打ちたい」。夢を語る時期もあったが、年齢にはあらがえない。「もう無理だよ。いつまで打たせるの」と軽口もほほ笑ましい。
松井は何とか柵越えしようと、スピンをかけるようにボールの下を打つ。内野上空に高々と上がるポップフライは、それはそれでロマンを感じる。
今はとても想像できない。だが遠い将来、年輪を重ねた大谷が野球教室で見せる黄昏のスイングも、往年と重ね合わせ、いとおしくなるだろう。空高く舞う、やや上ずったフライも味があるに違いない。【広重竜太郎】
「神整備」で知られる阪神園芸が22日、甲子園で“復旧”作業を始めた。
前日21日の中日戦は試合前から雨が降った。甲子園のグラウンド整備を手がける阪神園芸では、給水シートを置いたり、吸水性のいい白い土を大量にまいて、対応した。
プレーボールも、試合成立(5回)も危ぶまれていたが、阪神園芸の努力もあって試合は成立。7回表終了時、阪神の勝利で試合が終わっていた。
ただ、この白い土は、綿密な配合を施している「甲子園の土」にはなじまないため、試合後に除去する必要があった。
22日、甲子園では外野の芝生を使って投手練習が行われた。そのかたわら、内野グラウンドには阪神園芸が入り、整備カーが何度も白い土を削るように除去した。今後、本来の「甲子園の土」に戻すため、黒土を加えながら、次なる試合に備える。
日本ハムは22日、エスコンフィールドがあるボールパーク「Fビレッジ」に屋外水遊び広場「F VILLAGE WATER PARK」が登場すると発表した。高さ約12メートルの巨大ウオータースライダーなどが設置される。「ファイターズ超夏祭り」が開催されている7月26日から8月25日まで試合がない日も楽しめる。
また、大人も楽しめる「ファイターズおとな縁日」も同時期に開催。世界の珍しいカブトムシ、クワガタムシと触れあえる「超昆虫展」も開催される。詳細は球団ホームページへ。
西武平良海馬投手が先発する23日のオリックス戦(京セラドーム大阪)に向けて、ベルーナドームで調整を行った。
先発転向した昨季の対戦成績は3試合で1勝0敗、防御率1・35。2日も6回途中まで無失点に抑えた。ただ同日は5四球を出しており「早めに追い込んでいきたい。強く振る打者が多いので本塁打にならないように注意したい」。チームは4カード連続負け越し中で最下位だが「自分の仕事をするだけ」と話した。
巨人山崎伊織投手(25)が“連敗ストッパー”ぶりを発揮する。
23日中日戦(茨城・ひたちなか)に先発する。チームは引き分けを挟み3連敗中。6試合連続で白星から遠ざかっている。昨季7月に5連敗、8月に4連敗を止めた右腕は「先制点を取られないことが大事。先頭打者を出さないこと、長打を打たれないこと、カウントを悪くしないこと。それをしっかりやれば、先制点も防げる。そこは大事だと思う」と9連戦の先陣を切り、いい流れをもたらす。
1軍昇格を目指すソフトバンク和田毅投手が、27日のウエスタン・リーグ阪神戦(タマスタ筑後)で先発登板する。
19日の同リーグ広島戦で先発したが、左足親指裏のマメがむけ、4回途中で降板していた。「(マメは)もう大丈夫です。投球の状態も上がってきているし、しっかり投げたい」と意欲を見せた。
4月2日の本拠地開幕ロッテ戦の先発が決まっていたが、調整遅れもあって回避。「自主トレからなかなか状態が上がらなかったし、ちょうど1カ月分くらいの遅れになったと思う」。コンディションが上がらず、左手中指のマメの影響なども重なり仕上がりに苦労してきたが、2軍戦4試合目の登板となる次回マウンドでしっかり結果を残す。
この日はペイペイドームでの投手練習に参加。倉野1軍チーフ投手コーチは「次の登板でしっかりしたものができていれば、1軍登板も考えていきたい」と見通しを語った。
戦線離脱中の楽天荘司康誠投手(23)が、最短で29日ロッテ戦(ZOZOマリン)で復帰する可能性が浮上した。
22日、楽天モバイルパークでの先発投手練習に参加。本格的な投球練習は久々だったが「今日投げて感じも悪くない」とマウンドで63球を投げ込み、一定の手応えをつかんだ。「出力もしっかり出てた」と話し、球速や回転数も離脱前と遜色ない数値だったという。
荘司は発熱により13日ロッテ戦(楽天モバイルパーク)の先発を回避。感染症特例で出場選手登録を抹消後、感染症ではないことが判明し、通常の抹消に変更されていた。体の状態については「動きはいいと思います。逆に今、いい休みになったなと思います」と力を込めた。
永井投手コーチは「荘司に関しては、体重が若干減ってるので、そこをもう少し本来の体重に戻していきながら、行けたら1週間後とか、そのぐらいにはなるかなと思いますね」と復帰のめどを示した。報道陣から29日かと問われると「行けたらです。でも、予定は未定なのであれなんですけど、今後の体の状態次第で結構変わってくるんで、そこは全然確定はしてないです」と強調した。
甲子園球場は今年8月1日に開場100周年を迎える。23日は節目の記念日の100日前。日大山形2年時の13年夏の甲子園で県勢初の4強進出に貢献し、阪神選手会長を務める中野拓夢内野手(27)が、節目の年にかける決意を明かした。
◇ ◇ ◇
17歳で初めて足を踏み入れた甲子園は輝いていた。中野もかつてはテレビで見る聖地に憧れを抱いていた野球少年。夏の甲子園に県内最多出場回数を誇る日大山形への進学を決意した。「甲子園でプレーしたい気持ちを常に持って、毎日練習に励んでいました」。2年夏に山形大会を制し、正二塁手として甲子園に出場。優勝経験校を3戦連続撃破して県勢初の4強入り。歴史を塗り替えた。「出られたうれしさと、歓声がすごいなというのを改めて感じた。夢のような舞台でできたと思ってます」。灼熱(しゃくねつ)のグラウンドでの大歓声が今も耳に残る。
その後、大学と社会人を経て20年ドラフト6位で阪神に入団。「目標の地」から「ホーム」になり、新たな感情が生まれた。「変な感じというか、プロ入ってすぐは全然慣れなくて。ここでずっと練習してるんだっていう感覚はありました」と振り返る。
タテジマのユニホームに袖を通し「魔物」も知った。天候などによってグラウンドコンディションが変わる屋外球場。さらに、内野は全面土で、堅さも日によって異なる。「打球の跳ね方であったり、ノックを受けて、その日の土の状態を感じなきゃいけない。そこは難しいなと思います」。それでも遊撃から二塁手に転向した23年にゴールデングラブ賞を初受賞。経験と練習で魔物も味方に付け、甲子園のグラウンドに欠かせない存在となった。
100周年の記念の年に選手会長に就任した。球団史上初のセ・リーグ連覇もかかる。「甲子園100周年という記念の年に連覇できたら一番最高な年になると思いますし、チームとしてはもうそこだけを考えてやりたい」。目標へと真っすぐに突き進む場所。それが甲子園だった。【村松万里子】
守護神が復帰間近となった。戦線離脱中の楽天則本昂大投手(33)が22日、楽天モバイルパークで行われた投手練習に参加。マウンドでの投球練習やダッシュを繰り返すなど元気な姿を見せた。
マウンドでボールを投げた感覚は「普通かなと思います。特に違和感はないです」と話し、早ければ日本ハム3連戦(楽天モバイルパーク)初戦の23日から1軍に合流することになりそうだ。
今季からクローザーに転向した則本は、発熱により感染症特例で14日に出場登録を抹消された。一時は39度ほどの熱が出たというが、幸いにも体調はすぐに回復。17日から練習に復帰していた。
23日の試合前練習で状態を確認した上で、1軍合流を判断する方針だという。永井投手コーチは「最短でも明日からっていう流れにはなると思います」と説明。「改めて実際に見て、ボールの質も別に悪くないし、試合になったら、またぐっと上がってくると思うんで。そこは一安心というか」と回復ぶりに胸をなで下ろした。
則本不在の先週1週間は3勝3敗で乗り切った。19日からの西武3連戦(ベルーナドーム)で今季初のカード勝ち越しを決め、21日同戦は代役守護神の西垣がプロ初セーブを挙げた。則本は「全部の試合を見て、頑張れという感じで見ていました。5割で帰ってきたチームの流れや雰囲気を壊さないように頑張ります」と力を込めた。
1軍合流は目前だ。「普段通りやるだけかなと思います。あまり変わったことをしないようにしたいです。後は西垣にありがとうと、よく頑張ったと伝えます」。休んでいた分を取り返すべく、9回のマウンドで躍動する。
日本ハムは22日、現在X(旧ツイッター)で実施中の「#ファイターズかわいい総選挙」で8日から20日までに約1万件を超える「投稿の数」「リポスト」「いいね」から「ファイターズかわいいタオル」にデザインされる10選手が決定したと発表した。
10選手は背番号順に野村佑希内野手(23)、松本剛外野手(30)、中島卓也内野手(33)、山崎福也投手(31)、清宮幸太郎内野手(24)、伏見寅威捕手(33)、郡司裕也捕手(26)、奈良間大己内野手(23)、田宮裕涼捕手(23)、万波中正外野手(24)。
10選手の「ファイターズかわいいタオル」は6月29日ソフトバンク戦(エスコンフィールド)で来場2万5000人にランダムにプレゼントされる。詳細は球団ホームページへ。
中日柳裕也投手が30歳初勝利へ意気込んだ。24日巨人戦(東京ドーム)を前に22日、30歳の誕生日を迎え、涌井らから祝福された。
柳が先発し、4回途中6失点降板した18日ヤクルト戦からチームは4連敗で、21日に首位から陥落。右腕は「僕が語る資格はない。(みんなに誕生日を祝福され)うれしかった。頑張ります」とだけ言葉にし、24日のリベンジをにらんだ。
日本ハム栗山英樹CBO(62)が22日、愛弟子のドジャース大谷翔平投手(29)が松井秀喜氏を抜くメジャー通算176号本塁打を放って日本人最多記録を更新したことを受けて、コメントを発表した。
「我々は松井さんがメジャーにデビューして以来、ホームラン打者として活躍する姿に、夢や希望、笑顔をもらっていました。いかにメジャーでホームランを打つことが大変かということを、感じさせてくれた存在でもあったと思います。翔平は独自の道を進んで、その一つの節目に到達しました。これからも、松井さんと同じように、ホームランで多くの人に夢や希望を与えていってほしいです」
中日木下拓哉捕手(32)が22日、出場選手登録が7年に達し、国内フリーエージェント(FA権)の資格取得条件を満たした。
9年目で国内FA権を手にした同捕手は、「今まで1軍で使っていただいた監督とコーチのおかげ。1軍でやってきた証しでもあるので、シーズン終了後にしっかり考えたい。今はシーズン始まったばかりで、チームも良い状態なので、1試合1試合前向きにやっていきます」と話した。
木下は高知から法大、トヨタ自動車を経て15年ドラフト3位で中日に入団。20年から正捕手として定着し、22年には初の規定打席に到達した。昨季は右手甲の骨折もあり89試合出場。オフの契約更改では複数年契約を断り単年契約、現状維持6800万円(推定)で契約を更新した。
ソフトバンク有原航平投手が得意のロッテ戦で必勝を誓った。
23日の同戦(ZOZOマリン)に先発予定。この日はペイペイドームで調整し、今季2勝目へ意気込んだ。「前回(16日日本ハム戦)はまっすぐがシュートしていたので、修正するようにキャッチボールから意識してやってきた。チームが勝てるように頑張りたい」。
開幕戦勝利からここ2試合は連敗。ロッテには日本ハム時代の19年5月30日(札幌ドーム)から8戦8勝中。佐々木と投げ合うが、負けるつもりはない。