日刊スポーツ

プロ注目左腕の神戸・舩見将太9回9安打5失点152球完投 5打数4安打1打点と打撃でも奮起

プロ注目左腕の神戸・舩見将太9回9安打5失点152球完投 5打数4安打1打点と打撃でも奮起

明石商戦に先発した神戸・舩見(撮影・中島麗)

<高校野球春季兵庫大会:明石商5-4神戸>◇20日◇2回戦◇G7スタジアム神戸

37年ぶりに春季高校野球兵庫大会に出場した県立進学校・神戸のエースでプロ注目の舩見(ふなみ)将太投手(3年)が、明石商との2回戦(G7スタジアム神戸)で152球完投の熱投をみせた。

身長170センチ、体重66キロの最速140キロ左腕は、広島など4球団が視察する前で9回9安打2奪三振5失点。1点差で競り負け「夏に向けてストライク先行のピッチングを」と課題を挙げた。小学6年でオリックスジュニアに選出され、鷹匠中学時代は学校の軟式野球部で県大会優勝。この日は3番で5打数4安打1打点と打撃でも奮起した。

神戸の好左腕で主将の舩見将太投手(3年)
神戸の好左腕で主将の舩見将太投手(3年)

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プロ注目の明大・宗山塁2安打2打点、水とお茶とプロテイン相棒の「ストイック」さで4冠目指す

明大対東大 試合後の会見で、「1」勝のポーズで笑顔を見せる明大・宗山(撮影・浅見桂子)

<東京6大学野球:明大20-2東大>◇第2週第1日◇20日◇神宮

明大が東大に快勝。

2月下旬に右肩甲骨を骨折した今秋ドラフトの目玉、明大・宗山塁内野手(4年=広陵)が「3番遊撃」でフル出場し、2安打2打点と活躍した。立大は小畠一心投手(3年=智弁学園)が、法大打線を6安打完封し先勝。今秋ドラフト候補の法大・篠木健太郎投手(4年=木更津総合)が、7回1失点の粘投も打線にあと1本が出なかった。

   ◇   ◇   ◇

宗山のラストイヤーが幕を開けた。2月下旬に右肩甲骨を骨折。「全治3カ月」の診断も驚異的な回復で開幕に間に合った。「いつも通り100%でやれているかなと思います」。無失策の遊撃守備と2安打2打点に胸をなで下ろした。

NPB7球団のスカウトが視察する中、現役最多の通算安打数を「96」に伸ばした。西武渡辺GMは「1位クラスであることは確か。当然競合になってくるんじゃないかな」と評価。堂々とプレーしたが、この日、ここにいない可能性の方が高かった。早期復帰の背景には、自己管理能力の高さで積み上げた回復力が根底にあるのかもしれない。

同僚から「ストイック」と称される宗山は「1日でも長く野球をやりたい」と健康に気を使う。積極的に体に良いものを選ぶため、ジュースやお菓子はめったに摂取しない。食べるとしたら、糖分の高くない団子やまんじゅうの和菓子。アルコールについても「お酒は最初の1杯を付き合いで飲むときがあるくらい。基本的には飲まないですね」。水とお茶とプロテインが相棒だ。

意識の高い主将が先頭に立つから、チームが引き締まる。主将として初の公式戦白星を挙げた宗山は「4冠の目標を掲げているので、まずは春のリーグ戦を優勝したい」と意気揚々と語った。【佐瀬百合子】

▽中日・八木智哉スカウト(明大・宗山について)「ケガ明けに全然見えない良い動き。バッティングも去年と全然打球も違う。体も大きくなっていて、今年は結構長打が出るんじゃないかなって思います」

明大対東大 2回表明大2死一、二塁、宗山は中前適時打を放つ(撮影・浅見桂子)
明大対東大 試合後の会見で、明大・田中監督(右)とともに「1」勝のポーズで笑顔を見せる宗山(撮影・浅見桂子)

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【ヤクルト】山田哲人「ここで野球ができることに感謝しないと」3週間ぶり1軍復帰&即スタメン

ヤクルト対DeNA 2回裏ヤクルト無死二塁、遊直に倒れる山田(撮影・鈴木みどり)

<ヤクルト4-7DeNA>◇20日◇神宮

ツバメ軍団の頼れる主将が帰ってきた。下半身のコンディション不良で離脱していたヤクルト山田哲人内野手(31)が3週間ぶりに1軍に合流し、「6番二塁」で即スタメン出場。

本拠地の大歓声に「ここで野球ができることに感謝しないといけないと思いましたし、本当にありがたい」とかみしめた。3打数無安打に終わり、7回の守備から途中交代。チームの連勝は2で止まった。

ヤクルト対DeNA スタメン復帰したヤクルト山田哲(撮影・小沢裕)
ヤクルト対DeNA 3回裏ヤクルト1死一塁、山田は三ゴロ併殺打に倒れて悔しがる(撮影・丹羽敏通)

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【DeNA】“マシンガン”のような連打で元同僚の阪口KO「いいリズム作ってくれた」三浦監督

ヤクルト対DeNA 1回表DeNA1死二塁、佐野は右前適時打を放つ(撮影・丹羽敏通)

<ヤクルト4-7DeNA>◇20日◇神宮

DeNAが昨シーズン途中までのチームメートだったヤクルト阪口を攻略し、連敗を5でストップし、1日で最下位を脱出した。1回、四球で出塁した関根がディレードスチールを決めて2死二塁。佐野が右前適時打を放ち、足を絡めて先制に成功した。

1点リードの2回1死一塁では、今季初スタメンでこの日、30歳の誕生日を迎えた京田が右中間への強烈な適時三塁打。ヘッドスライディングで気合を見せた。

1点リードの5回には2死から佐野の四球と牧の左前打で一、二塁とチャンスメーク。宮崎の適時打、楠本の適時打、山本の適時打で5連打を浴びせて阪口をマウンドから引きずり下ろした。2死一、三塁から再び京田が代わったばかりの2番手山本から遊撃への適時内野安打。一塁へヘッドスライディングする気迫の一打でこの回4点目を挙げ「追い込まれていたので何としてもバットに当てようとしたことが、良い結果につながったと思います。とにかく必死に走りました!」と1点をもぎ取った。

投げては新外国人のケイが5回5安打3失点と粘って来日初勝利。上茶谷は1/3回1失点も、石川が好リリーフで踏ん張り、7回は徳山、8回は山崎とつないで9回は森原が締めくくった。

前日の同戦では1点差の逆転負けを喫し、今季ワーストの5連敗。2年ぶりの最下位転落となったが、12日ヤクルト戦(横浜)以来の白星で1日で5位に戻った。三浦監督は「消極的にならないようにと選手には伝えました。初回、関根がスチールを決めて佐野がかえしてくれた。いいリズム作ってくれました」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。

DeNA三浦監督(京田について)「打撃の状態が良いとコーチから聞いてました。誕生日を自分で祝って良い活躍をしてくれました。最高の誕生日になったんじゃないですか」

DeNA山本(同じ中学の1学年後輩でもあり、昨季まで同僚だったヤクルト阪口から5回2死一、二塁、右前に適時打)「2死からつないでくれたので自分もつなぐ気持ちでした」

DeNAケイ(5回5安打3失点で来日3登板目で初勝利)「連敗を止められて良かった。最高の気持ちで1勝目とれてうれしい。(ウイニングボールは)フレームに入れて大事に取っておこうと思います」

ヤクルト対DeNA 力投するDeNA先発のケイ(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 1回表DeNA1死二塁、右前適時打を放つ佐野(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 1回表DeNA1死二塁、右前適時打を放つ佐野(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 1回表DeNA1死二塁、佐野の右前適時で生還しナインとタッチを交わす関根(撮影・丹羽敏通)
ヤクルト対DeNA 1回表DeNA1死二塁、佐野の先制右適時打に沸くベンチのナイン(撮影・小沢裕)
ヤクルト対DeNA 2回表DeNA1死一塁、京田は右中間に適時三塁打を放つ(撮影・丹羽敏通)
ヤクルト対DeNA 2回表DeNA1死一塁、京田は右中間に適時三塁打を放つ(撮影・丹羽敏通)
ヤクルト対DeNA 2回表DeNA1死三塁、ケイの二ゴロで生還しナインの祝福を受ける京田(撮影・丹羽敏通)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、右前適時打を放つ宮崎(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、右前適時打を放ちポーズを取る宮崎(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、三塁、楠本は右前適時打を放つ(撮影・丹羽敏通)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、三塁、京田は遊撃への適時内野安打を放つ(撮影・丹羽敏通)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、三塁、京田は遊撃への適時内野安打を放ちベンチに向かってポーズ(撮影・丹羽敏通)
ヤクルト対DeNA 6回裏途中から3番手で登板したDeNA石川(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 8回裏から5番手で登板したDeNA山崎(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 勝利に沸くDeNAナイン。右から2人目は京田(撮影・小沢裕)

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【阪神】猛虎お目覚め14安打&15得点 岡田彰布監督「大台」森下ら中軸打率2割台浮上に笑顔

阪神対中日 3回裏を終えベンチで笑顔を見せる岡田監督(撮影・加藤哉)

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園

日本一打線が完全復活! 阪神が今季最多14安打&15得点の大勝で、首位中日を相手に今季初の5連勝を飾った。2回に打者一巡の猛攻を仕掛け、20年8月6日巨人戦(甲子園)以来4年ぶりの1イニング7得点。18日まで10戦連続2得点止まりだった打線の快音連発に、岡田彰布監督(66)も「1週間くらい前がウソみたいですけどね」と顔をほころばせた。中日に0・5ゲーム差まで迫り、今季初の2位に浮上。21日の首位攻防戦に勝てば、いよいよ1位返り咲きや!

次から次にホームを踏んで、ベンチへ帰ってくる選手たち。迎え入れる岡田監督もついつい顔をほころばせた。「なんと言ったらええか。なんか1週間くらい前がウソみたいですけどね」。ほんの2日前、18日巨人戦(甲子園)まで10戦連続の2得点以下。そんな素直な言葉が漏れるのも無理はない。

1-0の2回表に2点を奪われ逆転されたが、意に介さなかった。直後の2回裏、6番ノイジーの四球から9番の投手大竹まで3連打を放ってまず同点。適時打はもちろん、犠飛に四球、敵失での出塁とつなぎにつないで、スコアボードに「7」の数字をともした。20年8月6日巨人戦(甲子園)の8回以来となる1イニング7得点。歓声を上げる虎党に休む間を与えなかった。

3戦連続の2ケタ安打で、昨季の日本一打線が完全復活の気配。指揮官は「昨日もこれで吹っ切れたんじゃないかといったんだけど、そういう感じでね」と喜んだが、笑顔になった理由はもう一つある。「もうね、やっと3人が2割の大台に乗ったので、良かったですね」。クリーンアップを打つ森下、大山、佐藤輝がやっとそろって打率2割台に浮上。「大台」のジョークも飛ばして一安心だ。

今季初の先発全員安打で、ともに今季最多の14安打15得点。快音が目立ったが、一方で武器も取り戻していた。2回の猛攻ではノイジーが2四球、中野が1四球を選び、終わってみれば今季1試合最多の計7奪四球。「タイミングを取れるようになって、ボールを見極められるようになったというか、そこが一番」と指揮官も納得顔だ。昨季は12球団トップの494四球を選んだ打線。「四球も絡んで、去年のいい時の得点パターンというか。そういう攻撃ができましたね」。これで鬼に金棒、虎に翼だ。

今季初の5連勝で、首位中日に0・5ゲーム差の2位に浮上。今日にも首位に立つ。とはいえ、岡田監督は地に足が着いている。「まだそれは1試合1試合やるだけなので。そんな簡単じゃないですね」。お目覚めの猛虎打線とともに、淡々と首位奪取をもくろむ。【磯綾乃】

▼阪神が今季最多で23年5月14日DeNA戦(甲子園)での15得点以来の15得点。今季の最多は7得点で、4月5日ヤクルト戦(神宮)と同19日中日戦(甲子園)の2度記録していた。また、本塁打なしでの15得点は球団では2リーグ制後6度目。コツコツとつないで大勝につなげた。

▼阪神は2回に7得点。1イニング7得点は今季最多で、20年8月6日巨人戦(甲子園)8回の7得点以来、4年ぶり。今季の1イニング最多は3月31日巨人戦(東京ドーム)8回の3得点で、大幅に更新した。

▼阪神は先発全員安打。23年5月24日ヤクルト戦(神宮)以来で、今季初となった。14安打も今季最多。

▼阪神が今季初の2位浮上。21日に阪神が中日に勝つと首位に立つ。

阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、岡田監督(左から3人目)は前川の適時2点二塁打で生還した佐藤輝(手前左)と大山(同右)を笑顔で迎える(撮影・上山淳一)
阪神対中日 3回裏を終えベンチで白い歯を見せる岡田監督(撮影・加藤哉)
阪神対中日 2回裏阪神1死満塁、岡田監督(左)は大山の左犠飛で生還した三塁走者大竹をタッチで迎える(撮影・加藤哉)
阪神対中日 8回を終え、選手交代を告げる阪神岡田監督(撮影・前田充)
阪神対中日 中日に勝利し笑顔で大竹(右)と話す岡田監督(撮影・加藤哉)
阪神対中日 6回裏阪神2死二、三塁、岡田監督(左から4人目)は前川の右前2点適時打で生還の大山(手前左)と森下(手前右)を出迎える(撮影・上山淳一)
阪神対中日 中日に勝利し笑顔で大竹(右)と話す岡田監督(撮影・加藤哉)
阪神対中日 阪神岡田監督(中央)は中日に大勝しナインを出迎える(撮影・上山淳一)
阪神対中日 阪神岡田監督(右から3人目)は中日に大勝し笑顔でナインを出迎える(撮影・上山淳一)
阪神対中日 2回裏阪神1死満塁、森下は左前適時打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対中日 2回裏阪神1死満塁、森下は左前適時打を放つ(撮影・上山淳一)
阪神対中日 ヒーローインタビューで笑顔を見せる阪神大山。左は大竹(撮影・前田充)
阪神対中日 6回裏阪神1死一塁、右翼線へ二塁打を放つ大山(撮影・前田充)
阪神対中日 6回裏阪神1死一塁、右翼線へ二塁打を放つ大山(撮影・前田充)
阪神対中日 4回裏阪神2死一塁、一走大山はノイジーの左前打で三塁に向かう(撮影・上山淳一)
阪神対中日 2回裏阪神2死一、三塁、佐藤輝は右適時二塁打を放つ。投手は梅野(撮影・加藤哉)
阪神対中日 2回裏阪神2死一、三塁、佐藤輝は右適時二塁打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、佐藤輝は左適時打を放つ。投手は勝野(撮影・加藤哉)
阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、佐藤輝は左前適時打を放つ(撮影・上山淳一)
阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、左前適時打を放った佐藤輝(撮影・前田充)
阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、左前適時打を放ちベンチに向かってポーズをとる佐藤輝(撮影・前田充)

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プロ注目同士の対決 13戦で5本塁打の立命大・竹内翔汰が奪三振マシーン関大・金丸夢斗と対戦

立命大の竹内翔汰外野手(4年=創志学園)は第2打席で関大・金丸にバットを折られる

<関西学生野球春季リーグ:関大1-0立命大>◇19日◇第3節1回戦◇ほっともっと神戸

走攻守3拍子揃いでプロ注目の立命大の主将、竹内翔汰外野手(4年=創志学園)が「4番中堅」で出場し、阪神がドラフト1位に名を挙げる、関大の最速154キロ左腕・金丸夢斗投手(4年=神港橘)と対決した。

三邪飛、バットを折られながらの中飛、二ゴロと3打数無安打だったが、先発出場した選手の中で唯一、三振は食らわなかった。

昨秋の対決は2試合あり、8打数2安打。「3年はラッキーヒットでなんとかごまかしていた。ステップを変えたり工夫して、低い打球を打つことが大事」と対策を練って臨んだ。

この日チームが喫した10奪三振については「多いですけど」と苦笑しながら言った。「去年が98点なら今は92、93点。去年のように『あ、もう無理や』という絶望感は感じなかった。前ほどの圧もなかった。3回戦に進めば立命にチャンスがある」とリベンジを誓った。

自身は今春の練習試合13戦で5本塁打を記録した。そのうち関東遠征では明大や創価大から4試合3本塁打をマークした。スイングスピードやキレは冬よりアップし、成長を感じさせた。「前までは、スイング時間が長くて、乗せて放り込んでいたんですけど、今はインパクトを最短でぶつけた結果で打てています」。

チームは前節の2試合を含めた今春3戦で白星はない。スローガン「圧倒的王者」へ近づくべく「自分のレベルは上がっているんで、全然チャンスはある」と逆襲を誓った。【中島麗】

立命大の竹内翔汰外野手(4年=創志学園)
立命大の竹内翔汰外野手(4年=創志学園)
立命大の竹内翔汰外野手(4年=創志学園)
立命大の竹内翔汰外野手(4年=創志学園)
立命戦に先発し勝利投手となった関大金丸(撮影・中島麗)
9回3安打10K完封の関大・金丸と女房役の越川
9回3安打10K完封の関大・金丸は9回途中まで二塁を踏ませない好投
9回3安打10奪三振で完封勝利を挙げた関大・金丸(撮影・中島麗)

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ドラ1候補の関大・金丸夢斗10奪三振で完封勝利「チームが流れに乗っていけるきっかけになれば」

9回3安打10奪三振で完封勝利を挙げた関大・金丸(撮影・中島麗)

<関西学生野球春季リーグ:関大1-0立命大>◇19日◇第3節1回戦◇ほっともっと神戸

3月に侍ジャパンに選ばれ、阪神などが今秋のドラフト1位候補に挙げる関大の最速154キロ左腕、金丸夢斗投手(4年=神港橘)が3安打10奪三振で完封し、リーグ通算20勝と小田洋一新監督(58)に初勝利を届けた。

第3節1回戦が行われ、立命大に1-0で勝利。同大-近大は1-1で延長12回引き分けた。

金丸が節目のリーグ戦通算20勝を7度目の完封で飾った。小田監督に就任3戦目で初勝利を届け「本当にほっとしたと思います(笑い)。今日ゼロで抑えて勝てたので、チームが流れに乗っていけるきっかけになれば」と笑顔を見せた。前節6日、今春初陣の京大戦は8回4安打1失点(自責0)の完投負けで、2年春から積み重ねたリーグ戦連勝記録が18でストップ。勝ち点も落とす要因をつくったが、エースらしい快投で再出発を飾った。

8回までは二塁も踏ませず立命大打線を圧倒。9回は2死三塁の一打同点ピンチを招いたが、最後は見逃し三振に斬って1-0完封を決めた。「疲れていて、カウントも悪くなっていた。その後しっかりと抑えられてよかった」と充実だ。

ほっともっと神戸は思い出の地だ。新型コロナの拡大で兵庫大会が8強で打ち切りになった20年の高3夏。17奪三振の熱投で沸かせた。昨秋は優勝を争った立命大との3回戦で延長10回、131球&17奪三振で白星と勝ち点をつかんだ。「去年と同じ(ベストの)ピッチングをしたかった」。この日は地元の阪神が5人体制で視察するなど、プロ8球団17人が熱視線。ますます評価を高めた左腕が、白星量産に入る。【中島麗】

ヤクルト小川GM スピードがあって右バッターのインサイドや左バッターへのコントロールは素晴らしい。あれだけのボールを投げてコントロールできるのはすごい。それ以上のコメントはないでしょう(笑い)。

阪神岡本スカウト ランナーが出てもいい意味でずっと同じように投げているように見える。低めはこの前(京大戦)よりも、低くうまく制球できている。

広島鞘師スカウト コントロールがいいし、計算できる。どこの球団も欲しいと思いますし、僕も欲しいと思います。1位に匹敵するピッチャーです。

立命戦に先発し勝利投手となった関大金丸(撮影・中島麗)
9回3安打10K完封の関大・金丸は9回途中まで二塁を踏ませない好投
9回3安打10K完封の関大・金丸と女房役の越川

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【ヤクルト】今季初登板&初先発の阪口皓亮、5回途中7失点KO「最低限の仕事ができなかった」

ヤクルト対DeNA 力投するヤクルト先発の阪口(撮影・丹羽敏通)

<ヤクルト-DeNA>◇20日◇神宮

ヤクルト阪口皓亮投手(24)が今季初登板&初先発で、5回途中6安打、7失点でノックアウトされた。

昨年7月にDeNAからトレードで加入。古巣との対戦に「『逃した魚は大きかったな』と思ってもらえるような投球をしたい」と意気込んでいたが、この日は3回までに3失点。さらに2-3の5回2死一塁からは、牧、宮崎、楠本、山本に4連続安打を許してマウンドを降りた。

チームの期待に応えることができなかった阪口は、球団を通じ「無駄な四球が多く、リズムをつくれず、最低限の仕事ができませんでした」とコメントした。

高津監督 (今季初登板初先発で5回途中7失点KOの阪口について)「ファームで頑張っていたのでチャンスを生かしてほしかったが、バッターとの勝負にならなかった」

ヤクルト対DeNA 1回表DeNA1死二塁、佐野に先制の右前適時打を浴び、浮かない表情の阪口(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 1回表に先制を許し、顔をしかめながらベンチへ戻るヤクルト阪口(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、山本に右前適時打を浴び、汗をぬぐう阪口本(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表途中で降板するヤクルト先発阪口(左)(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表途中で降板するヤクルト先発阪口(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、ヤクルト先発の阪口は宮崎(左)に右適時打を許す(撮影・小沢裕)
ヤクルト対DeNA 5回表途中、先発阪口の降板を告げるヤクルト高津監督(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、山本に右前適時打を打たれて降板する先発阪口(撮影・丹羽敏通)

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【ソフトバンク】球団ワースト3位の18残塁でドロー 小久保裕紀監督「ホームが遠い試合」

ソフトバンク対オリックス 11回裏、サヨナラの好機を逃し、投手交代を告げた後に厳しい表情でベンチへ戻る小久保監督(撮影・岩下翔太)

<ソフトバンク3-3オリックス>◇20日◇ペイペイドーム

首位ソフトバンクは再三の好機を生かせず、今季2度目の引き分けで4時間46分の試合を終えた。オリックス投手陣から14四死球をもらいながら、適時打なしの3得点。18残塁は延長を含めて球団では2リーグ制後ワースト3位で、同1位の20残塁に迫る拙攻だった。小久保裕紀監督(52)は「今日は残塁いくつかな? 18? ハハハ…」と苦笑いするしかなかった。

得点シーンは極めて異例だった。1死から3四球で満塁とし、柳田が押し出し死球。なお1死満塁で山川が中犠飛。近藤の四球で再び満塁とし、栗原が押し出し四球を選んだ。無安打ながら、6四死球をもらって3得点。小久保監督は「あんな野球もあるんやなと思いながら。でも、ホームが遠い試合でしたね」と淡々と振り返った。

一方、投手陣は奮闘。先発モイネロが4回3失点で降板し、後を受けた6投手が無失点リレーでつないだ。指揮官は「頑張ったよ。もう、本当に」とねぎらう。「チャンスをつぶすと必ずピンチはある。あれだけチャンスをつぶした後に中継ぎがずっとゼロ。よく頑張ったと思います」。ただ、松本裕、オスナ、津森、杉山が2連投。シーズン序盤の3連投は避けたいところで、小久保監督は「明日、どうしましょう」と試合後に早くも悩みを抱えた。

この日は20年ぶりに復活したイベント「白のキセキ2024」の初戦。真っ白に染まったペイペイドームで白星を挙げることはできなかったが、負けてもいない。21日は残塁祭の鬱憤(うっぷん)を晴らし、2カードぶりの勝ち越しを狙う。【只松憲】

ソフトバンク・モイネロ(今季最短の4回3失点降板)「全体的には悪くなかったけど、相手にうまく対応されてしまった。特に変化球をしっかり見極められてしまったと思う。次に向けてまた頑張ります」

ソフトバンク対オリックス 11回裏ソフトバンク2死満塁、サヨナラの好機で牧原大(手前左)が二飛に倒れ、投手の交代を告げる小久保監督(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対オリックス 9回表 オリックス1死一三塁 打者・森のとき本塁を死守する甲斐(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 9回表 オリックス1死一三塁 打者・森のとき本塁を死守する甲斐(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 9回表 オリックス1死一三塁 打者・森のとき本塁を死守する甲斐(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 9回表 オリックス1死一三塁 打者・森のとき本塁を死守する甲斐(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 10回表から登板した、ソフトバンク5番手の松本裕(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対オリックス 11回表から登板した、ソフトバンク6番手の藤井(撮影・岩下翔太)

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【ソフトバンク】緒方理貢がプロ初安打「貢献しようと」2度の満塁機で2三振には「悔しい」

ソフトバンク対オリックス 2回裏ソフトバンク無死一塁、緒方は右二塁打を放つ(撮影・岩下翔太)

<ソフトバンク3-3オリックス>◇20日◇ペイペイドーム

7番右翼でプロ初スタメンのソフトバンク緒方理貢外野手(25)がプロ初安打を放った。

2回無死一塁の第1打席。オリックス東の変化球を捉え、右翼二塁打に。「とにかくプロ初のスタメンで起用していただいた中で、どんな形であってもチームに貢献しようと試合に臨みました」。プロ7打席目で快音を響かせたが、その後は2度の満塁機で2三振。「満塁のチャンスを生かすことができず、悔しい」。試合後は喜びも半減だった。

ソフトバンク対オリックス 二回裏、ソフトバンク 緒方はプロ初安打を放つ(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 二回裏、ソフトバンク 緒方はプロ初安打を放つ(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 2回裏ソフトバンク無死一塁、緒方は右二塁打を放つ(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対オリックス 2回裏ソフトバンク無死一塁、プロ初安打となる右二塁打を放ち、ベンチに向かってVIVAポーズを決める緒方(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対オリックス 2回裏、ソフトバンク 緒方のプロ初安打に歓喜するホークスナイン(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 二回表ソフトバンク 好補球する緒方(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 二回表、好捕する緒方(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 二回表、好捕する緒方(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 二回表、好捕する緒方(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 2回表オリックス1死、ゴンザレスの飛球を右翼手の緒方が好捕し、笑顔でガッツポーズするモイネロ(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対オリックス 2回表オリックス1死、ゴンザレスの飛球を右翼手の緒方が好捕し、笑顔で帽子を掲げるモイネロ(撮影・岩下翔太)

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【日本ハム】加藤貴之が4度目の登板で初勝利目指す「先制点取られてるので意識して頑張りたい」

日本ハム加藤貴之(2024年4月13日撮影)

21日ロッテ戦に先発する日本ハム加藤貴之投手(31)が、今季4度目の登板で初勝利を目指す。

前回登板した13日オリックス戦は5回1/3を投げ、5安打1失点と粘投したが打線の援護なく、自身初の開幕3連敗を喫した。「3試合、先制点取られているので、そこは(取られないように)意識して頑張りたい」。中7日での登板に「そうですね。今考えれば良かったかなと」とプラスに捉え、マウンドに立つ。

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【DeNA】山本祐大が中学の後輩ヤクルト阪口皓亮から適時打「つなぐ気持ちでいました」

ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、右前適時打を放つ山本(撮影・鈴木みどり)

<ヤクルト-DeNA>◇20日◇神宮

DeNA山本祐大捕手(25)が、中学の1学年後輩で昨年までチームメートだったヤクルト阪口皓亮投手から適時打を放ち、先輩の意地を示した。

5回、2点を追加し、なおも2死一、二塁。フルカウントからの速球を右前にはじき返した。

「2アウトからつないでくれたので、自分もつなぐ気持ちでいました。ケイが頑張っていたので、初勝利のために追加点を挙げることができて、うれしいです」

この日は2回の第1打席は四球で出塁し、京田の適時三塁打でホームに生還。4回の2打席目も四球を選び、1打数1安打1打点だった。

2人はドラフトの同期でもあり、阪口が17年ドラフト3位、山本が同9位でDeNAに指名された。

かつて、山本はドラフト当日について「先に皓亮が指名されたので、LINE(ライン)しようと思ってたら、まさか同じチームになるとは思ってなかったので、ビックリした」と回想した。

ヤクルト対DeNA 5回表途中から2番手で登板したヤクルト山本(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、右前適時打を放ちポーズを取る山本(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、山本は右適時打を放つ(撮影・小沢裕)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、山本の右適時打に沸くベンチのナイン(撮影・小沢裕)
ヤクルト対DeNA 3回裏ヤクルト無死一塁、サンタナが空振り三振に倒れた際、バットが当たり起き上がれない捕手山本(撮影・鈴木みどり)

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【阪神】漆原大晟が中日に雪辱 1週間前には移籍後初失点「先頭でしっかりアウト」上位封じる

阪神対中日 力投する阪神2番手の漆原(撮影・前田充)

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園

阪神漆原大晟投手(27)が1週間ぶりの登板で無失点に封じた。

2番手で8回を3者凡退。上位相手でも、大竹が作った流れを渡さなかった。「先頭でしっかりアウト取るっていう風に思って、マウンドに向かったので、先頭でワンアウト取れたのはすごく良かったなと思います」。前回13日の中日戦では移籍後初失点を許したが、リベンジを果たした。

阪神対中日 8回表、阪神2番手で登板の漆原(撮影・上山淳一)
阪神対中日 8回表に登板した漆原(右)は三者凡退に終え佐藤輝とタッチをかわす(撮影・上山淳一)

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【阪神】木浪聖也がつなぎの一打で大量得点お膳立て「ああいう形になってよかった」同点機を演出

阪神対中日 2回裏阪神無死一、二塁、木浪は右前打を放つ。投手は大野(撮影・加藤哉)

阪神木浪聖也内野手(29)がつなぎの一打で、大量得点をお膳立てした。

1点を追う2回無死一、二塁。先発大野の132キロ変化球を引っ張り込む右前打で、満塁に好機を拡大した。直後、7得点の口火を切った大竹の同点適時打を演出。

「(つなぐ意識は)常に思っているので。ああいう形になってよかったです」と充実の表情で振り返った。

阪神対中日 2回裏阪神無死一、二塁、右前打を放つ木浪(撮影・前田充)
阪神対中日 2回裏阪神無死一、二塁、木浪は右前打を放つ(撮影・上山淳一)
阪神対中日 2回裏阪神無死一、二塁、木浪は右前打を放つ(撮影・上山淳一)
阪神対中日 2回裏阪神無死一、二塁、大野(手前)は木浪に右前打を打たれ下を向く(撮影・上山淳一)

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【阪神】佐藤輝明、2安打3打点で大勝貢献「しっかりつないでいけた」通算250打点にも到達

阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、佐藤輝は左前適時打を放つ(撮影・上山淳一)

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園

阪神佐藤輝明内野手が5打数2安打3打点の活躍で大勝に一役買った。

まずは2回2死一、三塁。3番森下、4番大山の連続打点で3点リードとした直後だ。2番手梅野の初球147キロ直球を捉え、右翼線へ2点適時打。10点リードに引き離した7回2死一、二塁には、左前適時打で今季3度目のマルチ安打を記録した。「しっかりつないでいけたので、良かったです」。クリーンアップ3人で6安打7打点と大暴れ。「いい流れが来ているのかなと思います」と好循環を感じとった。

自身はプロ初のサヨナラ打を決めた18日巨人戦から3試合連続安打。プロ4年目での通算250打点にも到達した。「もっとチームのために打点を挙げられるように頑張ります」と気を引き締め直し、次戦に向かう。

阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、岡田監督(左から3人目)は前川の適時2点二塁打で生還した佐藤輝(手前左)と大山(同右)を笑顔で迎える(撮影・上山淳一)
阪神対中日 2回裏阪神2死一、三塁、佐藤輝の適時二塁打に盛り上がる阪神ナイン(撮影・加藤哉)
阪神対中日 2回裏阪神2死一、三塁、佐藤輝は右翼線へ2点適時二塁打を放つ(撮影・上山淳一)
阪神対中日 7回裏、大量得点で盛り上がる阪神ファン(撮影・上山淳一)

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【阪神】ブラゼル氏が矢野燿大氏とトークショー 幻の引退試合でブラゼル氏の申し出に矢野氏は…

ブラゼル氏はトークショーで、尊敬する矢野燿大氏との再会を喜んだ

阪神などで一塁手として活躍し、NPB通算133本塁打を放ったクレイグ・ブラゼル氏(43)が20日、兵庫・西宮市内で前阪神監督の矢野燿大氏(55)とトークショーを行った。

久しぶりの対面に、矢野氏は「当時と全く雰囲気が変わっていませんね。彼は打つだけではなく、一塁守備の位置取りなども素晴らしい選手でした」と絶賛した。

一方のブラゼル氏は「日本に来て、アメリカでの野球はすべて忘れて日本式を学ぼうと思いました。矢野さんは素晴らしい監督になると、当時から確信していました」と再会を喜んだ。

ブラゼル氏は10年9月30日横浜(現DeNA)戦、矢野氏の幻の引退試合での秘話を披露。9回に藤川が村田に逆転3ランを浴び、矢野氏の出番がなくなった試合について「私に打順が回ったとき、真弓監督に『私の代わりに矢野さんを代打に送ってください』と頼みました。でも矢野さんは『君にはホームラン王の可能性がある。自分で打ってくれ』と断られたんです」とその人間性に敬意を表した。

ブラゼル氏は今回、日本プロ野球外国人OB選手会(JRFPA)の招きで来日。前日19日には久々に甲子園を訪れ、阪神-中日戦の開始前にファーストピッチセレモニーに臨んだ。

阪神対中日 試合前、阪神今岡打撃コーチ(手前)と笑顔で話す阪神OBブラゼル氏(撮影・上山淳一)
阪神対中日 試合前練習で握手を交わす元阪神のブラゼル氏(左)と阪神佐藤輝(撮影・前田充)
阪神対中日 試合前、阪神OBブラゼル氏(右)の話を聞く阪神佐藤輝(撮影・上山淳一)
阪神対中日 談笑する阪神岡田監督(左)と元阪神のブラゼル氏(撮影・前田充)
阪神対中日 グラウンドに姿を見せ打撃練習を見るブラゼル氏(撮影・加藤哉)

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【阪神】大竹耕太郎、投打の活躍で2勝目「遊び心を持って」甲子園デーゲームは5勝負けなし 

阪神対中日 7回表中日2死、岡林を二ゴロに仕留め雄たけびを上げる大竹(撮影・前田充)

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園

阪神大竹が投打の活躍で今季2勝目を挙げた。

6回途中4失点で黒星を喫した前回に続く、2戦連続の中日戦。大量援護を受けながら、今季最長7回を8安打2失点にまとめた。2回に2点を失ったが、3回以降は二塁を踏ませない好投。「監督さんに『もっと遊んで投げろ』と言われて。緩急がないピッチングになっていた。遊び心を持って」と金言を生かした。

バットでは2回無死満塁から投手のグラブをはじく同点打。一挙7得点の口火を切る今季2安打目だ。「すごい形相で、打てという顔で首脳陣の皆さんに見ていただいた。これは絶対ヒット打ってやろうと思って」と笑顔。重圧を感じながら? の一打だった。

今季初の本拠地登板。甲子園でのデーゲームは通算7試合で5勝負けなし。防御率は0・59だ。中6日でローテーションを回れば、次回27日ヤクルト戦も甲子園でのデーゲーム。好相性の条件で白星を積み重ねる。

阪神対中日 15得点で快勝した岡田監督(左から4人目)は、笑顔でナインを迎える(撮影・加藤哉)
阪神対中日 甲子園のデーゲーム5連勝となる今季2勝目を挙げた阪神大竹(撮影・上山淳一)
阪神対中日 中日に勝利し笑顔で大竹(右)と話す岡田監督(撮影・加藤哉)
阪神対中日 リリーフカーに乗って場内1周する大山。後方は大竹(撮影・加藤哉)

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【日本ハム】北山亘基「断捨離」でプロ初完投初完封「気持ちがこもったボールは相手を圧倒」

日本ハム対ロッテ お立ち台で決めぜりふの「さいこうき(亘基)で~す」と叫ぶ北山(撮影・黒川智章)

<日本ハム2-0ロッテ>◇20日◇エスコンフィールド

最亘基(さいこうき)です! プロ3年目の日本ハム北山亘基投手(25)がプロ初完投初完封勝利を挙げた。

ロッテ打線を相手に自身最多となる116球を投げて4安打7奪三振の快投。21年ドラフト8位で京産大からプロ入りした当初から目標としていた完封劇を、先発転向2年目で達成した。勉強熱心で、さまざまな知識が豊富なことから「教授」の愛称で親しまれる右腕の本格覚醒で、チームは1分けを挟んで今季初の3連勝。2位に浮上した。

北山が、うなり声を上げた。9回2死、この日の116球目は「うおぉりゃあ!」と外角へ152キロ直球で角中を空振り三振。プロ初完投初完封を決めた。お立ち台では丁寧なフリから「僕の下の名前は亘基(こうき)って言うんですけど…今日は、勝てて…最亘基です!」と叫んで右拳を突き上げた。

完璧だった。「要点をしっかり押さえた中で強弱がつけられた」。立ち上がりは出力を上げ、この日最速の154キロをマーク。状況に応じてギアを上げ下げし、余力を残しながら最後は「シンプルに三振で抑えたらカッコいい」と狙い通りの結末。新庄監督を最後まで動かせず、「選手たちに聞いてあげて」とだけ言わせた最高な内容だった。

プロ入り時から3年目は「結果にフォーカスする年」と決めていた。1年目は剛速球を新庄監督に見初められて開幕投手にサプライズ抜てきされ、以降はセットアッパーや守護神として55試合に登板。昨季は先発転向して6勝を挙げたが、8月以降は2軍生活。だが、この時から勝負の1年を見据えた準備を始めた。トレーニング法、技術、メンタル。自ら学んで実践し、知識を増やしたからこそ「教授」の愛称が付いたが、自身の引き出しの中身を「断捨離しました」。

トレーニングでは米ドライブラインの練習法も取り組んでいたが、「自分がやっている基礎的な取り組みで全部できると思った」と購入した練習道具は処分した。技術面では左足の上げ幅をドジャース山本のように小さくするなど、蓄積した知識から最適な投球フォームへ変更。大学時代から続けていた野球ノート10冊分はメンタル面など大事な部分だけを残して6ページに。残したメモの1つが「自分の気持ちがこもったボールは相手を圧倒して差し込むボールになる」。この日の投球そのものだった。

次に目指す自身の将来像は「“本当の開幕投手”になりたい」。今の投球を続けていけば、実現する可能性は十分だ。【木下大輔】

日本ハム建山投手コーチ(北山の好投に)「ブルペンをしっかり休められた。北山自身も、この完封でちょっと違う世界が見えたと思う。本人の成長にとっても良かったと思います」

日本ハム対ロッテ 9回表ロッテ2死、角中を三振にとり叫ぶ北山(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ 完封勝利した北山(中央)は松本剛(右)とタッチする(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ ヒーローインタビューを終えてポーズを決める日本ハム万波(左)松本剛(中央)北山(撮影・黒川智章)

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【DeNA】元同僚に“マシンガン打線”洗礼 ヤクルト阪口皓亮を5回途中7失点KO

ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、三塁、右前適時打を放ちポーズを取る楠本(撮影・鈴木みどり)

<ヤクルト-DeNA>◇20日◇神宮

かつてのチームメートに“マシンガン打線”の洗礼を浴びせた。DeNAが、2死からの4連打で昨シーズン途中まで同僚だったヤクルト阪口皓亮を5回途中7失点でKOした。

1点リードで迎えた5回、2死を奪われた後、佐野が四球で出塁。牧が左前打で一、二塁へとチャンスを広げ、宮崎の適時打、楠本の適時打、山本の適時打でマウンドから引きずり下ろし、京田が2番手の山本から適時内野安打でこの回4点目を挙げた。

1回は1死から関根が四球で出塁し、佐野が先制の適時打をマーク。2回にも1死から山本が四球で出塁し、京田がバースデー適時三塁打を放ち、ケイの二ゴロの間に3点目のホームを踏んだ。

宮崎は「追い込まれていたので、必死に食らいついていきました。守備でミスをしていたので、何とか取り返そうと打席に向かいました」とコメント。楠本は「宮崎さんの流れに自分も乗ることができました。一、二塁間が空いていたので、そこを狙えるボールを待っていました。追加点を取ることができて、よかったです」とコメントした。

ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、三塁、右前適時打を放つ楠本(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、右前適時打を放つ山本(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、右前適時打を放ちポーズを取る山本(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、山本に右前適時打を浴び、汗をぬぐう阪口本(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、山本に右前適時打で生還した宮崎を迎える迎える三浦監督(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表途中で降板するヤクルト先発阪口(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一塁、牧は左前打を放つ(撮影・小沢裕)
ヤクルト対DeNA 5回表途中で降板するヤクルト先発阪口(左)(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、宮崎は右前適時打を放ちベンチに向かってポーズ(撮影・丹羽敏通)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、三塁、適時内野安打を放つ京田(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表途中、先発阪口の降板を告げるヤクルト高津監督(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対DeNA 5回表DeNA2死一、二塁、ヤクルト先発の阪口は宮崎(左)に右適時打を許す(撮影・小沢裕)

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【阪神】前川右京、今季初の左腕対決で2点打 岡田彰布監督も「これからまた左でもいこうかな」

阪神対中日 6回裏阪神2死二、三塁、右前2点適時打を放ちポーズを決める前川(撮影・前田充)

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園

阪神前川右京外野手(20)が止まらない打線の波に乗った。途中出場から2安打を放ち、自身初の1試合4打点を記録した。

4回にノイジーの代走から出場。8-2の6回、3番森下の四球と4番大山の二塁打で作った2死二、三塁の好機。中日左腕橋本の4球目、内角低めのスライダーに食らいつき、しぶとく一、二塁間を破る2点適時打を決めた。これが今季40打席目での初打点。「いい当たりではなかったですけど、左ピッチャーから打ててよかったかなと思います」とうなずいた。

左腕との対戦は今季初だった。ここまで左翼スタメンでノイジーと併用される中、前川は右投手相手の先発出場が続いていた。またとない左投手との対戦に「体の開きとか、そういうところはしっかり意識しないとめくれてしまう」。細部まで意識し、しっかり攻略。内容もある一打を受け、岡田彰布監督は「これからまた左でもいこうかなという気になりますよね」と今後の左投手相手のスタメン起用も示唆した。

11点リードの7回2死一、二塁では右腕勝野と対戦。1ボールから3球ファウルで粘り、5球目の高め変化球を振り抜いた。右翼への2点適時二塁打を決め、プロ3年目で初の1試合4打点をマークした。「今までずっとチャンスで打てていなかったので、チャンスで2本打てて良かったかなと思います」。これで打率は3割3分3厘。自らのバットでアピールを続け、出場機会を増やしていく。【村松万里子】

阪神対中日 6回裏阪神2死二、三塁、右前2点適時打を放ち笑顔を見せる前川(撮影・前田充)
阪神対中日 6回裏阪神2死二、三塁、右前2点適時打を放つ前川(撮影・前田充)
阪神対中日 6回裏阪神2死二、三塁、右前2点適時打を放つ前川(撮影・前田充)
阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、右中間へ2点適時二塁打を放ちポーズをとる前川(撮影・前田充)
阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、前川は右適時2点二塁打を放つ(撮影・上山淳一)
阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、前川は右適時2点二塁打を放つ(撮影・上山淳一)
阪神対中日 6回裏阪神2死二、三塁、前川は右適時打を放つ。投手は橋本(撮影・加藤哉)

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【とっておきメモ】阪神大山悠輔は大差でも気を抜かず どんな当たりでも必ず全力疾走

阪神対中日 4回裏阪神2死一塁、ノイジーの左前打で三塁に滑り込む大山(撮影・上山淳一)

<とっておきメモ>

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園

阪神大山悠輔内野手(29)は大差の展開でも気を抜くことはなかった。4回は中前への当たりで一塁から三塁へ全力で走った。6回と7回は、二塁から迷わずホームに駆け込んだ。足の状態はまだ万全ではないと推測されるが、全力疾走を何度も見せた。

一番近いネクスト・バッタースボックスで大山を見ている5番佐藤輝が言う。「大山さんは打ったあと、どんな当たりでも必ず一生懸命に走る。簡単なようで難しいこと。本当にしんどいんです。そこは本当にすごいと思っています。みんなのお手本になっている存在です」。

打ち損じればその瞬間、誰しもがヘコむ。それでも大山は歯を食いしばって走る。どこかが痛いようなそぶりも見せない。4番打者の責任を背負い、決して下を向かない姿は佐藤輝だけでなく、チームに大きな勇気を与えている。【阪神担当 柏原誠】

阪神対中日 7回裏阪神2死一、三塁、大山は左前適時打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、岡田監督(左から3人目)は前川の適時2点二塁打で生還した佐藤輝(手前左)と大山(手前右)を笑顔で迎える(撮影・上山淳一)
阪神対中日 ヒーローインタビューを終え笑顔でガッツポーズする阪神大竹(左)と大山(撮影・前田充)
阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、岡田監督(左から3人目)は前川の適時2点二塁打で生還した佐藤輝(手前左)と大山(同右)を笑顔で迎える(撮影・上山淳一)

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【阪神】大山悠輔、3安打3打点と4番の働き「自分が今度は助ける番」国内FA取得の節目に

阪神対中日 7回裏阪神2死一、三塁、大山は左前適時打を放つ(撮影・加藤哉)

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園

阪神大山悠輔内野手(29)のバットは得点の“におい”を発していた。

昨年の雄姿を知る虎党は分かっている。背番号3が振りにいくたび、場内が息をのむような雰囲気があった。

初回。2死二塁から高め直球をたたいて先制の中前適時打。前夜の強烈な1号バックスクリーン弾&今季初の3安打はやはり復活の合図だった。

「ここまで本当に迷惑というか、チームメートに助けられてしかいなかった。自分が今度は助ける番になりたいと思っていた」

7得点した2回は左犠飛。勢いは止まらない。6回1死一塁では右翼ポールの下まで届く二塁打。これまでなかった逆方向への大飛球も出た。ことごとく直球を打ち返し「直球を打ち返していくことでタイミングも合ってくる。まずはそこができてきたのが自分の中で一番いいこと」と自ら復活の兆しを口にした。

締めは7回だ。2死一、三塁から勝野のスライダーを左前へ。3安打3打点と文句のつけようがない、4番の働きだった。

下半身のコンディション不良を抱えて開幕。万全でないのは誰の目にも明らかだったが、主軸に座り続けた。「必死にやった結果かなと思います」。試合日以外も治療、トレーニングを欠かさなかった。前日から左足をほとんど上げず、すり足に近いフォームに変更。工夫も実を結んだ。さらに、前日は愛車での球場入りのルートも変えたという。大山が打てばチームが勝つ。その証明となった2試合でもある。

「チームが勝つ。これ以上のことはやっぱりない。そこはすごくいいと思うし、続けていきたい。1年間、波は必ずある。悪くなった時の戻し方を持っておくだけで全然違うと思う。悪い時こそ何かできることがあると思うので、そういうところもしっかりやっていくのが大事かなと」

苦しんだ時間は無駄にはしない。くしくもこの日は国内FA条件を満たした節目の1日。4番の本領発揮が始まった。【柏原誠】

阪神対中日 4回裏阪神2死一塁、ノイジーの左前打で三塁に滑り込む大山(撮影・上山淳一)
阪神対中日 2回裏阪神1死満塁、左犠飛を放つ大山(撮影・前田充)
阪神対中日 6回裏阪神1死一塁、右翼線へ二塁打を放つ大山(撮影・前田充)
阪神対中日 6回裏阪神1死一塁、大山は右二塁打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対中日 リリーフカーに乗って場内1周する大山。後方は大竹(撮影・加藤哉)
阪神対中日 7回裏阪神2死一、二塁、岡田監督(左から3人目)は前川の適時2点二塁打で生還した佐藤輝(手前左)と大山(手前右)を笑顔で迎える(撮影・上山淳一)
阪神対中日 ヒーローインタビューで笑顔を見せる阪神大山。左は大竹(撮影・前田充)
阪神対中日 ヒーローインタビューを終え笑顔でガッツポーズする阪神大竹(左)と大山(撮影・前田充)
阪神対中日 7回裏阪神2死一、三塁、左前適時打を放ち笑顔で筒井コーチ(左)とグータッチを交わす大山(撮影・前田充)

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【日本ハム】プロ初完投初完封勝利の北山亘基は勉強熱心「教授」の愛称で親しまれる/アラカルト

日本ハム対ロッテ 完封勝利し田宮(左)と抱き合う北山(撮影・黒川智章)

<日本ハム2-0ロッテ>◇20日◇エスコンフィールド

プロ3年目の日本ハム北山亘基投手(25)がプロ初完投初完封勝利を挙げた。

ロッテ打線を相手に自身最多となる116球を投げて4安打7奪三振の快投。21年ドラフト8位で京産大からプロ入りした当初から目標としていた完封劇を、先発転向2年目で達成した。勉強熱心で、さまざまな知識が豊富なことから「教授」の愛称で親しまれる右腕の本格覚醒で、チームは1分けを挟んで今季初の3連勝。2位に浮上した。

   ◇   ◇   ◇

★北山亘基(きたやま・こうき)

◆生まれ 1999年(平11)4月10日、京都府出身

◆球歴 京北ファースト少年クラブ(小3から)-京都周山中(軟式野球部)-京都成章-京産大

◆京都成章時代 1年夏からベンチ入りし、3年夏はエース兼主将として甲子園出場。初戦の神村学園戦で8回まで毎回の11三振を奪うも2-3でサヨナラ負け。その後、プロ志望届を出したが指名漏れ

◆京産大時代 1年春からベンチ入り。4年秋のリーグ戦で自己最速153キロをマーク。21年ドラフト8位で日本ハムに入団

◆開幕投手 1年目の新庄監督に指名され、ルーキーイヤーの22年3月25日ソフトバンク戦でプロ初登板初開幕投手を務める

◆尊敬している人物 両親

◆勝負メシ 母親のみそ汁

◆趣味 服

◆ニックネーム 教授。理論派の本格右腕で、同じ愛称の音楽家・坂本龍一氏を敬愛

◆サイズ 182センチ、82キロ

◆最速 157キロ

日本ハム対ロッテ 完封勝利した北山(中央)は松本剛(右)とタッチする(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ 完封勝利し松本剛(右)とタッチする北山(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ 完封勝利しナインに祝福される北山(左から3人目)(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ 9回表ロッテ2死、角中を三振にとり叫ぶ北山(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ お立ち台で決めぜりふの「さいこうき(亘基)で~す」と叫ぶ北山(撮影・黒川智章)

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【とっておきメモ】プロ初完投初完封勝利の北山亘基が大事にする言葉「一日一基」「球心一如」

日本ハム対ロッテ お立ち台で決めぜりふの「さいこうき(亘基)で~す」と叫ぶ北山(撮影・黒川智章)

<日本ハム2-0ロッテ>◇20日◇エスコンフィールド

プロ3年目の日本ハム北山亘基投手(25)がプロ初完投初完封勝利を挙げた。

ロッテ打線を相手に自身最多となる116球を投げて4安打7奪三振の快投。21年ドラフト8位で京産大からプロ入りした当初から目標としていた完封劇を、先発転向2年目で達成した。勉強熱心で、さまざまな知識が豊富なことから「教授」の愛称で親しまれる右腕の本格覚醒で、チームは1分けを挟んで今季初の3連勝。2位に浮上した。

   ◇   ◇   ◇

北山が大事にしている言葉が2つある。「一日一基」と「球心一如」だ。

「一日一基(いちにちいっき)」は自身の名前が由来の造語だ。「亘基という名前の『亘』を縦に呼んだら『一日一』なんです。祖父が付けてくれた名前で、父親が『ある意味、一日一基って見えるな』と。一日一善みたいなニュアンスで日々、基礎基本を大切に過ごす」と心に刻んでいる。

「球心一如(きゅうしんいちじょ)」は「心身一如」という言葉が語源の造語。「心身一如って心と体は切り離せないものみたいな意味。野球選手なので『身』を『球』にしようと調べてみたら野村克也さんも使われていた」。同郷の大先輩も大事にした言葉はグラブにも刺しゅうしている。

自宅のトレーニング室に飾る大事な言葉の書は、書道が得意な万波の母が書いてくれたという。そんな縁もある万波がたたき出した決勝点を守り切ったプロ初完封だった。【日本ハム担当=木下大輔】

日本ハム対ロッテ 完封勝利し田宮(左)と抱き合う北山(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ 完封勝利した北山(中央)は松本剛(右)とタッチする(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ 完封勝利し松本剛(右)とタッチする北山(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ 完封勝利しナインに祝福される北山(左から3人目)(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ 9回表ロッテ2死、角中を三振にとり叫ぶ北山(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ 日本ハム先発の北山(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ 日本ハム先発の北山(撮影・黒川智章)

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【阪神】坂本誠志郎が工夫のリードで大竹耕太郎立ち直らせる 安打で援護も「誰も覚えていない」

阪神対中日 試合を締めた阪神浜地(左)は捕手坂本と握手をかわす(撮影・上山淳一)

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園

阪神坂本誠志郎捕手がリードで大竹耕太郎投手を立ち直らせた。序盤は不安定だったが3回から無失点。

「点差が開いたこともあると思いますけど、監督やコーチからもいろいろアドバイスをもらって。粘って投げてくれた」。打っては2回に左前打で7得点に貢献。いい当たりのライナー(凡退)も2本放った。

「みんな打ちすぎたので(安打は)誰も覚えていないと思う」と笑顔だった。

阪神対中日 6回裏阪神2死二、三塁、前川の右前2点適時打で生還の大山(手前)を出迎える森下(左)と坂本(右)(撮影・上山淳一)
阪神対中日 2回裏阪神2死一、二塁、坂本は適時三失で得点を挙げる。投手は梅野(撮影・加藤哉)
阪神対中日 2回裏阪神無死一塁、左前打を放つ坂本(撮影・前田充)
阪神対中日 2回裏阪神無死一塁、坂本は左前打を放つ。投手は大野(撮影・加藤哉)

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【阪神】森下翔太がプロ初4戦連続打点「チャンスの方が燃えるものがある」今季13打点目決めた

阪神対中日 2回裏阪神1死満塁、左前適時打を放ちガッツポーズする森下(撮影・前田充)

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園

阪神森下翔太外野手がプロ初となる4試合連続打点を挙げた。

1点勝ち越しに成功した2回1死満塁。代わったばかりの2番手梅野との対戦だった。「昨日も対戦して、ボールの感じは分かっていた。甘い球が来たら行こうかなと思っていました」。1ボールから147キロ直球を捉え、三遊間を抜く左前適時打。前日19日にも左前打を放った相手から、2戦連続で安打を決めた。

ヤクルトオスナ、巨人岡本和に並び、セ・リーグトップの13打点目。「チャンスで回ってきた方が自分もすごく燃えるものがある。ああいう場面でどんどんこれからも打っていきたい」と鼻息荒い。クリーンアップが大暴れしての大勝。「クリーンアップが打点を取れれば、チームもすごくいい形で回る。大山さん、輝さんも調子が良くなってきていると思うので、そこに自分も負けないようにやりたい」。先輩に負けずに好調を継続する。

阪神対中日 2回裏阪神1死満塁、森下は左前適時打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対中日 2回裏阪神1死満塁、森下は左前適時打を放つ(撮影・上山淳一)
阪神対中日 6回裏阪神2死二、三塁、前川の右前2点適時打で生還の大山(手前)を出迎える森下(左)と坂本(右)(撮影・上山淳一)

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【ソフトバンク】前田悠伍1イニング2失策2失点のほろ苦デビュー戦「次につなげれば」一問一答

ソフトバンク対広島 7回に登板した前田悠(撮影・梅根麻紀)

<ウエスタン・リーグ:ソフトバンク4-4広島>20日◇タマスタ筑後

ソフトバンクのドラフト1位、前田悠伍投手(18)が公式戦初登板を終えた。

ウエスタン・リーグ広島戦に7回から2番手で登板。1回を2安打2失点、1奪三振だった。計21球を投じ、最速は141キロ。雨中のマウンドでリズムを崩し、1イニングで2失策とほろ苦いデビュー戦となった。

前田悠の一問一答は以下の通り

-プロ初登板を終え

前田悠 初めて試合で投げられたことは率直にうれしかったですけど、たくさん課題が見つかったので。これから修正して次につなげていければいいかなと思います。

-悪天候でコンディションも悪かった

前田悠 高校とは違って、固いマウンドで雨の中で投げたのは初めてだった。なかなか修正しきれなかった部分が一番大きかったので。次の試合までにしっかり修正していければいいかなと思います。

-収穫は

前田悠 たくさん課題が見つかったことが収穫かなと思っていて、もっともっと細かいところまで練習していかないといけない。

-今後にどう生かしていきたい

前田悠 ピッチング以外のフィールディングも含め、全てでレベルアップしていかないといけない。

-今日はどんなテーマで臨んだ

前田悠 1球1球丁寧に投げようとしていたんですけど、そのテーマもうまくいかずに終わってしまった。課題が少し残りました。

-予定は2イニングも1回で降板

前田悠 自分の思い通りの投球ができなかったので。正直、悔しい思いありました。

-1イニングに2失策は珍しい

前田悠 あんまり経験はしたことがなかったですし。初登板で経験ができて、自分の足りないところが見つかったので良かった。

ソフトバンク対広島 7回に登板する前田悠はナインやコーチに送られてマウンドに向かう(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対広島 7回に登板した前田悠(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対広島 7回表広島無死、大盛穂の打球を一塁手の野村大樹が捕球、前田悠がベースカバーに入るがセーフとなる(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対広島 7回表広島無死、大盛穂の打球を一塁手の野村大樹が捕球、前田悠がベースカバーに入るがセーフとなる(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対広島 7回に登板した前田悠は1イニングで2失点、ベンチで嶺井に声をかけられる(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対広島 7回に登板した前田悠は1イニングで2失点、ベンチに引きあげる(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対広島 7回表広島無死二塁、内田を二直に仕留めた前田悠は捕手の嶺井に声をかけられ笑顔を見せる(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対広島 7回に登板したソフトバンク前田悠(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対広島 7回に登板した前田悠(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対広島 7回途中にマウンドに集まるナイン、前田悠は笑顔を見せる(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対広島 7回表広島無死、大盛穂の打球を一塁手の野村大樹が捕球、前田悠がベースカバーに入るがセーフとなる(撮影・梅根麻紀)
ソフトバンク対広島 7回に登板した前田悠(撮影・梅根麻紀)

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【ソフトバンク】前日負傷降板の和田毅について倉野投手コーチ「来週2軍の方で。ちょっとずらす」

ソフトバンク対オリックス 練習中、小久保監督(右)と話す和田(撮影・岩下翔太)

ソフトバンク和田毅投手(43)が19日のウエスタン・リーグ広島戦で負傷した左足親指裏について「大丈夫です」と明かした。

患部のマメがむけ、4回途中で降板。一夜明けたこの日は1軍オリックス戦の試合前練習に参加した。「テーピングを巻けばいけたと思いますが、やめとこうという話になっただけ」と大事を取っての交代と説明。倉野1軍投手コーチは次回登板について「来週2軍の方で予定しています。ちょっとずらすとは思いますけど」と話した。

ソフトバンク対オリックス 練習を行う和田(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対ロッテ セレモニアルピッチで捕手を務めた和田(撮影・林敢治)
ソフトバンク対オリックス 「白のキセキ2024」イベントで、ユニホーム手渡し会の前にファンにあいさつする和田(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対オリックス 「白のキセキ2024」イベントで、ファンにユニホームを手渡しする和田(撮影・岩下翔太)

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【阪神】中野拓夢、陰ながら大量点導く「かえしたい気持ちあったけどいつも通り自分のスタイル」

阪神対中日 7回裏阪神1死一、二塁、右前適時打を放つ中野(撮影・前田充)

<阪神15-2中日>◇20日◇甲子園

阪神中野拓夢内野手が陰ながら大量点を導いた。

初回無死一塁はランエンドヒットの形で進塁打。大量7得点の2回は「自分で走者をかえしたい気持ちもあったけどいつも通り自分のスタイルで」四球でつないでビッグイニングを演出。

7回には右前打を放ち、先発全員安打を完成させた。「なかなか点が取れないときにそういう(自己犠牲の)役割はすごく大きくなってくる」と胸を張った。

阪神対中日 7回裏阪神1死一、二塁、右前適時打を放ちベンチに向かってポーズをとる中野(撮影・前田充)
阪神対中日 7回裏阪神1死一、二塁、中野は右前適時打を放つ。投手は勝野(撮影・加藤哉)

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【ソフトバンク】スチュワート21日オリックス戦に先発「攻めていきたい」防御率1・45の好相性

ソフトバンク・スチュワート(2024年4月14日撮影)

ソフトバンクのカーター・スチュワート投手(24)が21日のオリックス戦に先発する。

同カードは昨季から5試合に先発し、2勝2敗、防御率1・45の好相性。来日初勝利もオリックスが相手だった。今季1勝目を目指す右腕は「オリックス打線はすごくいいので、とにかく自分の持ち味を出しながら攻めていきたいね」と気合を入れた。

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