障害王者マイネルグロンは全治9カ月以上の診断 中山グランドジャンプで右前肢ハ行
昨年の中山大障害覇者で、6着に敗れた中山グランドジャンプで右前肢ハ行を発症したマイネルグロン(牡6、青木)は美浦トレセンで患部のエコー検査を行った結果、全治9カ月以上と診断されたことがわかった。
19日、ラフィアンターフマンクラブのホームページで発表された。右前深屈腱とその支持靱帯を傷めており、今後は放牧に出て、復帰を目指していくことになる。
昨年の中山大障害覇者で、6着に敗れた中山グランドジャンプで右前肢ハ行を発症したマイネルグロン(牡6、青木)は美浦トレセンで患部のエコー検査を行った結果、全治9カ月以上と診断されたことがわかった。
19日、ラフィアンターフマンクラブのホームページで発表された。右前深屈腱とその支持靱帯を傷めており、今後は放牧に出て、復帰を目指していくことになる。
23年度のカナダ競馬の年度表彰「ソヴリン賞」の発表と授賞式が18日に行われ、日本人の木村和士騎手(24)が3年連続で最優秀騎手賞を受賞した。
プレゼンターが「ウイナー、オブ、アウトスタンディングジョッキー、カズシ、キムラッ」と告げると、黒いタキシードを身にまとった木村騎手が壇上に登場し、英語でスピーチを行った。
「こんにちは。みなさんが今、素晴らしい時間を過ごしているとうれしいです。私はこの数年、今日も、このような場所に立つことができて、とても光栄に思っています。素晴らしい馬たちの騎乗依頼をくれたオーナー、トレーナー(調教師)、そして、グルーム(厩務員)、エクササイズライダー(助手)、ホットウォーカー(引き馬をするスタッフ)、ゲートクルー(ゲートの手伝いをする人たち)、丁寧に、熱心に馬を扱ってくれたすべての人たちに感謝したいと思います。それからいい馬を求めて、いつもハッスルしてくれるエージェント(騎乗依頼仲介者)のジョーダン氏に本当に感謝しています。競馬は簡単ではありません。私は葛藤し、冒険する多くの時間を過ごしてきました。ただ、勝った瞬間、成功した瞬間にそれらのタフな時間が報われ、喜びを共有してきました。ここにいる皆さんや多くの馬たちとそういう瞬間を今年も共有したいと思います。あらためまして、ありがとうございました」。スピーチが終わると、女性司会者は木村騎手の英語スピーチと黒髪のヘアスタイルを褒めたたえ、場内は拍手と笑顔に包まれた。
昨シーズンの木村騎手はウッドバイン競馬場で161勝を挙げ、2位サヒン・サバチ騎手に32勝差をつける断トツの数字で3年連続のリーディングジョッキーに輝いた。カナダのシーズンオフには米国西海岸のジョッキー激戦区サンタアニタ競馬場の冬季開催に2年連続で参戦し、アメリカのトップジョッキーやデットーリ騎手などと腕を競い合った。5月4日に行われるケンタッキーダービー(G1、ダート2000メートル、チャーチルダウンズ)では日本のテーオーパスワード(牡3、高柳大)に騎乗し、日本人騎手&日本調教馬初のケンタッキーダービー制覇に挑む。
7日阪神6Rの落馬で左腕を負傷した和田竜二騎手(46)が今週から復帰する。「傷の状態が落ち着いてくるのに1週間かかりましたが、順調に回復しています」と話す。
土日で計17頭に騎乗予定。日曜のマイラーズCはビーアストニッシドで参戦する。「落ち着いて攻め馬できるようになったと聞いています。(レースは)ためた方がいい感じもしますね」とイメージはできている。「(今週から)京都競馬に替わります。また人馬、事故のないように気を引き締めて乗りたいです」。ベテランらしく競馬界全体を見渡し、復帰に向けてのコメントを口にした。
土曜の福島牝馬S(G3、芝1800メートル、20日、1着馬にヴィクトリアM優先出走権)で、永島まなみ騎手(21=高橋康)が、自厩舎のペイシャフラワー(牝4)で重賞初制覇を目指す。
9度目の重賞騎乗へ、17日の追い切りで手綱を取り、Cウッド6ハロン83秒1-11秒7。エルプロフェッサー(3歳未勝利)に半馬身先着し「左に張るところがあったのでハミを替えました。反応、しまいの動きとも良かった」と好感触をつかんだ。前走キタサンブラックCは13着も、高橋康師は「ヨーイドンの競馬では分が悪かった」と振り返る。そこで「今回は距離を延ばしてみる」と師。初の1800メートル&格上相手で永島騎手の手綱さばきに注目だ。
<フローラS:追い切り>
フローラS(G2、芝2000メートル、21日=東京、2着までオークスの優先出走権)の最終追い切りが18日、美浦トレセンで行われ、未勝利勝ちから臨むバロネッサ(田中博)が軽快な動きを見せた。
初コンビの津村騎手が2週続けてまたがり、ウッドで2頭併せ。序盤で若干頭を上げる場面もあったが、すぐに冷静さを取り戻し、4馬身半追走したアイベラ(古馬1勝クラス)に半馬身先着。6ハロン82秒2-11秒1(馬なり)をマークした。鞍上は「いい動きでした。口が敏感なところはありますが、コントロールは難しくないです」と好感触を示した。
前走の勝ちタイムは同日に同舞台で行われた共同通信杯を1秒8上回る好時計。鞍上は「ペースが違うので一概には比較できませんけど、速い時計で走れるのは能力があるからこそ。開幕週の馬場はプラス」と期待を込めた。
◆津村騎手の“テン乗り”重賞制覇 06年ラジオNIKKEI賞をタマモサポートで制すなど過去6度“テン乗り”での重賞勝利実績がある。今年の中山金杯(リカンカブール)も初コンビで制している。
<天皇賞・春:1週前追い切り>
天皇賞・春(G1、芝3200メートル、28日=京都)に向けた1週前追い切りが18日、東西トレセンで行われ、大阪杯11着のダービー馬タスティエーラ(牡4、堀)が美浦ウッドで2頭併せを行った。
重賞馬ゴンバデカーブース(3歳オープン)に2馬身半先行。いっぱいに追われた僚馬に馬なりで楽に馬体を併せ、半馬身先着し6ハロン82秒8-11秒0と好時計を出した。堀師は「DDSPの症状もなく動きの質は良化した印象を持っています」と手応えを示した。
前走は好位から進めるも直線で伸びを欠き、1番人気に応えられず。師は「はっきりした敗因は分かりませんが、輸送後のカイ食いが悪く前日の朝夕ともに8割は残していました。前走のこともあって見通しは何とも言えません。工夫して臨むつもりです」と話す。昨秋の菊花賞(2着)で騎乗したモレイラ騎手とコンビ復活が決定し、ダービー馬が復権なるか注目だ。
厩舎の“先輩”といざ頂点へ! 春の京都開幕週を飾るマイラーズC(G2、芝1600メートル、21日、1着馬に安田記念優先出走権)では、ルーキー吉村誠之助騎手(18=清水久)が重賞初騎乗を迎える。タッグを組むのは競馬学校生の時から乗っていた自厩舎のボルザコフスキー(牡5)。背中を熟知している相棒と、重賞初騎乗初勝利を目指す。
◇ ◇ ◇
誰よりもその背中を知っている。吉村騎手は競馬学校の研修時からボルザコフスキーの調教をつけていた。「その時から調教で動けていましたし、レースもいい内容でした」。相棒は昨年末にオープン入り、同騎手は3月にデビュー。それぞれの階段を上ってきた。
実戦で初タッグを組んだ六甲Sでは内から力強く抜け出し、勝利へと導いた。自身にとっても、初白星がリステッド勝ちとなった。「勝てるチャンスはあると思っていました。うれしいというよりも、ホッとしましたね」。
デビュー前、騎手としてのセールスポイントを「折り合いや馬を抑えるところがたけていること」と話していた。調教やレースでもその長所が生きている。前走も馬が少し行きたがったところをしっかりと抑え、ラストの末脚につなげた。
勝負師の一面を見せながら、ムチを置けば明るい18歳。ある厩舎スタッフは「誠之助がいて、ますます笑いの絶えない厩舎になった」と話す。それでも仕事となればきっちりとこなす。オンオフをしっかり切り替える若武者は、すでに厩舎にとっても欠かせない存在となっている。
「初勝利させていただいた馬に継続して乗せていただいて、重賞に乗せてもらえるということで、ありがたい気持ちでいっぱいです。初めての重賞ですが、自信を持って臨めると思います」。お互いをよく知っている“先輩”と一緒なら大舞台でも心強い。【下村琴葉】
◆JRA重賞初騎乗初勝利 84年グレード制導入後に免許を取得した騎手では、過去5人が達成。菊沢隆仁がチェリーコウマンで92年ウインターS(G3)を、武幸四郎がオースミタイクーンで97年マイラーズC(G2)を、池添謙一がトウショウオリオンで98年北九州記念(G3)を、宮崎北斗がセラフィックロンプで08年愛知杯(G3)を、今村聖奈がテイエムスパーダで22年CBC賞(G3)を制している。
◆吉村誠之助(よしむら・せいのすけ)2006年(平18)1月4日、兵庫県生まれ。父は兵庫所属の吉村智洋騎手。栗東・清水久厩舎から今年3月2日小倉2Rでデビュー(ムーンセットで9着)、同24日六甲Sのボルザコフスキーで初勝利。JRA通算57戦2勝。尊敬するジョッキーは松山騎手。162・7センチ、48キロ。
オーストラリアのユーロン・スタッドは18日、24年の種牡馬のラインアップと種付け料を発表した。昨年のジャパンCで引退し、今年からアロースタッドで種牡馬としてけい養されているパンサラッサ(牡7)も名前を連ねている。同馬はシャトル種牡馬として、南半球でも種付けを行う予定となっており、初年度の種付け料は1万6500オーストラリアドル(約160万円)と発表された(アロースタッドでの初年度種付け料は300万円)。
同牧場には同じロードカナロア産駒のタガロア、ダイアトニックもけい養されており、24年度の種付け料は前者が2万2000豪ドル、ダイアトニックが1万3750豪ドルに設定されている。
ユーロン・スタッドの公式ニュースの中で、ゼネラルマネジャーを務めるコックス氏は「パンサラッサは今シーズンのラインアップにおけるエキサイティングな新加入馬であり、オーストラリアにおいて、(現役時代に)史上最高額の賞金を獲得している種牡馬になります」と大きな期待を寄せている。また、同じく日本で競走生活を送ったダイアトニックについては初年度だった昨年に131頭へ種付けを行い、交配相手の牝馬にはG1・13勝のメロディベルなど多くのG1、重賞ウイナーが含まれていることを紹介。「初年度の交配相手の質は種牡馬としてのキャリアに大きな影響を与える可能性があり、ダイアトニックが2023年に交配したエリート牝馬たちが彼が成功するために最高のチャンスを与えたとでしょう」とコメントしている。
<しらさぎ賞>◇18日=浦和◇S3◇ダート1400メートル◇4歳上牝◇出走12頭◇1着賞金1200万円◇1着馬にスパーキングレディーカップの優先出走権(他地区馬を除く)
1番人気の無敗馬ジゼル(牝5、山中尊)は3着に敗れ、デビュー12戦目で初黒星を喫した。
前走のしらさぎ賞トライアル、ティアラCはツーシャドーを豪快に差し切ったが、この日は直線で外にもたれ、最後なんとか3着を確保した。森騎手は「これだけ連続で使ったことがないので苦しかったのかな。外にもたれてもたれて…。間隔を空けた方がいいような気がします」と敗戦の弁を述べた。
<しらさぎ賞>◇18日=浦和◇S3◇ダート1400メートル◇4歳上牝◇出走12頭◇1着賞金1200万円◇1着馬にスパーキングレディーカップの優先出走権(他地区馬を除く)
2番人気ツーシャドー(牝5、小沢宏)が直線の争いから抜け出し、重賞初制覇を飾った。和田譲治騎手(40)はしらさぎ賞初制覇。小沢宏次調教師(52)は重賞2勝目、南関東では初のタイトル獲得となった。
3番手の位置を取って道中は前を見る形。直線は逃げたボヌールバローズに並び、抜け出すと、最後は後続の追い上げも2馬身差で封じた。「初めて砂をかぶって嫌々走っていたけど、前向きさも見せて、3、4角でハミを取ってくれた」と和田騎手。コンビ結成からの4戦目、前走トライアル2着からの戴冠となった。小沢師は母ブラックショコラも手掛けていた。「子どもも託していただいて、縁があって思い入れがあります。ツーシャドーもそうだけど、ブラックショコラにもありがとうと言いたい」と師。夢だったという地元での重賞制覇を果たし、これからも強い馬づくりに励んでいく。【渡辺嘉朗】
今季デビューの新人騎手、藤田凌駕(17=小野)が18日の門別4Rクールギブスで初勝利を挙げた。
前日(17日)10Rでの初騎乗から2戦目での初白星となった。先行策から3コーナー手前で先頭に立ち、後続に5馬身差をつけてゴール。同騎手は「感無量です。前日の反省点を生かし、馬の邪魔をせずに乗ることができました。これからも1勝、1勝を積み重ね、いずれは北海道を代表する騎手になりたい」と笑顔いっぱいだった。
天皇賞・春(G1、芝3200メートル、28日=京都)に参戦予定のダービー馬タスティエーラ(牡4、堀)はモレイラ騎手とコンビを組むことが決まった。キャロットクラブがホームページで発表した。昨秋の菊花賞(2着)以来のコンビ復活になる。
同馬は4歳初戦となった大阪杯で1番人気11着。18日に1週前追い切りを美浦ウッドチップコースで行っており、復権が期待される。
騎手は腕だけではなく、心も磨いています。新人騎手がデビューし、1カ月半ほどが過ぎました。調教時に黄色のヘルメットをかぶるのが、ルーキーたち。今年は関東で石神深道(18=和田正)、大江原比呂(19=武市)、坂口智康(33=尾形和)、長浜鴻緒(18=根本)の4人が日々トレセン、競馬場で奮闘しています。
今日は長浜騎手を紹介できたら、と思います。青森県出身。根本厩舎に所属する同騎手は2週前の中山で土日4勝を挙げ、現在5勝は同期トップです。
長浜騎手は「(土日4勝は)みなさんに『うまいな』と言ってもらえたりしましたが、たまたまいい位置が取れたり、はまった競馬で勝つことができました。このポジションが取りたいと思って取れたものではないので、考えて、レースを組み立てて勝てるようになりたいです。勝てるときにしっかり勝てるような」と、競馬の難しさを痛感しているようです。
彼の姿勢に根本康広師(68)の教育方針が垣間見えます。長浜騎手は丸山元気、野中悠太郎、藤田菜七子に続く、4人目の弟子。師は彼らの性格を考えて接し方を変えているそうですが、考えは同じです。「背中を押してあげることが大事。若いころはみんな不安なの。ジョッキーは負けるのが当たり前。どんなレースでも思いきって乗れ、と言ってあげないと」(根本師)。現役時にバローネターフで79年春、秋の中山大障害を制し、ギャロップダイナで85年天皇賞・秋を優勝(2着は皇帝シンボリルドルフ)、そしてメリーナイスで87年ダービーを制した御大。レース前は弟子たちの緊張を解き、冷静さを与えるよう心がけるといいます。
事細かに指示は出さない。自身の経験がそうさせます。77年に21歳で騎手デビューした根本師は、厳格な人柄で知られた成宮明光師(71年オークス優勝馬カネヒムロ、84年NHK優勝馬ビゼンニシキなどを管理)との会話を鮮明に覚えています。「どう乗りましょうか、と聞いたんだ。そしたら、逆に言われたよ。『君は僕の言うように乗れるのかい?』って。そりゃそうだって思ったよ」。
後に大レースをいくつも勝つとはいえ、当時は経験の少ない若手。当然、技術も追いついていない。「自分の感性で乗ってこい、ということだと理解したんだ」。しばらくたって、成宮師の真意をくみ取ったといいます。萎縮させず、考えて勝利を目指させる。心を育てる姿勢も大事なんだ、と。
ただ、逃げ馬だけは例外です。78年11月4日の武蔵野S。当時芝2000メートルの開催だった同レースで、デビュー2年目の根本騎手は5番人気ビゼンライデンと逃げ切りを決めました。レース前に、師匠の橋本輝雄師に言われた短い指示が耳にこびりついています。
「後ろを振り向かないで逃げろ」
残り400メートルで手応えが怪しくなり、最後は完全に失速しつつも、1番人気ウインアピールの追い上げを半馬身残しました。「残り150メートルは歩いていた。でも、勝てたんだよ。あれは師匠が自信を持たせてくれた」。要所での的確なアドバイスは鞍上に勇気を与える。言葉の力は偉大です。
話が少しそれました。師匠の根本師と弟子の長浜騎手。世代を超えて、師匠は弟子の思いきりある騎乗を引き出しました。3月26日浦和7Rで、エコロセブンが3馬身差で逃げ切りに成功。根本師は長浜騎手にこう伝えていました。「ゲートを出て、真っすぐ追え。1ハロンしっかり追って、そこから考えなさい」。状況は46年前と同じ。言葉も世代を超えました。同騎手にとって通算2勝目は、鮮やかな地方初勝利となりました。
長浜騎手は師匠の思いを日々感じています。「気持ち的にも楽に乗れている気がします。まだ、どこがいい位置取りか、経験が少なくてわからないところばかりなので。先生(根本師)からは自分の考えを持って乗れるように、と言われています。早く思い通りに乗れるようになれれば」と上を見続けます。
今週から東京開催が始まります。長浜騎手は「東京は直線が長いので、仕かけるタイミング、脚がどれぐらい残っているのか、そこを感じながら乗りたいです。中山と違って、東京は向正面で高低差があるので、どうポジションを取るのか意識しつつですね。(競馬学校生時代に)模擬レースを乗ったときも、馬の息遣い、リズムを考えて乗ったら直線はしっかり伸びてくれた経験があるので」と、実戦を心待ちにします。土日で13鞍に騎乗。減量効果もあってか、デビュー後初の東京開催ながら、たくさんの騎乗依頼が集まりました。数万人の観衆が放つ大歓声を浴び、525・9メートルの直線を先頭で駆けるシーンを早く見たいです。【松田直樹】
15日にデビューした千野稜真騎手(19=浦和・小久保)が18日、浦和9Rを3番人気のエレガントジュエリで勝ち、17戦目で初勝利を挙げた。スタートを決めて逃げ、最後は後続に詰め寄られたものの首差しのいだ。「ハナを取れという指示。取れた時にはよしっと思って、焦らず冷静に騎乗できました。2着のレースがあったので、絶対に差されないようにという気持ちで一生懸命追いました」と笑顔。勝利の瞬間は「すごくうれしかった。馬にありがとうという感じです」と喜びをかみしめていた。
18日の笠松競馬3Rで、ルーキーの明星晴大(みょうじょう・せいだい)騎手(17=後藤佑)が初勝利を挙げた。スングリダンダン(牝4、笹野博)を勝利に導いた。
明星騎手は愛媛県出身、2007年2月10日生まれの17歳。4月1日にデビューし、同レースが19戦目だった。
初勝利記念セレモニーは、4月26日(金)に笠松競馬場内のウイナーズサークルで行われる予定だ。
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<天皇賞・春:1週前追い切り>
昨年の3着馬シルヴァーソニック(牡8、池江)が18日、天皇賞・春(G1、芝3200メートル、28日=京都)へ向けて1週前追い切りに臨んだ。Cウッドで水口騎手(レースはM・デムーロ騎手)を背に、6ハロン80秒1-11秒4で僚馬ブラックルチル(3歳未勝利)に先着した。
10カ月の休み明けとなった前走の阪神大賞典では11着に敗れたが、たたいての上積みが期待できそうだ。兼武助手は「しっかり負荷をかけることができた。前走は良くなる途上で、使って良くなってきた。ガス抜きもできたと思う」と見込んでいた。
<天皇賞・春:1週前追い切り>
G1で2着4回のディープボンド(牡7、大久保)が18日、天皇賞・春(G1、芝3200メートル、28日=京都)へ向けて1週前追い切りに臨んだ。Cウッドで僚馬ハンディーズピーク(古馬3勝クラス)を追走して、6ハロン80秒1-11秒4で先着した。
初めてまたがった幸騎手は「すごく乗りやすかったです。もう少しズブいイメージだったけど、思ったより反応も良かったです。スタミナもありそうですね」と好感触を得ていた。
このレースでは3年連続の銀メダル。4年連続の出走で今度こそ頂点を狙う。
<青葉賞:1週前追い切り>
2月東京のゆりかもめ賞を制したウインマクシマム(牡3、畠山)が18日、ダービートライアルの青葉賞(G2、芝2400メートル、27日=東京)へ向け、美浦ウッドで2頭併せを行った。
松岡騎手を背にピンキープロミス(古馬2勝クラス)を3馬身追走。直線は内から馬体を併せ、鞍上から強めに追われた。スムーズな加速で1馬身先着し、6ハロン81秒7-10秒9(強め)と好時計をたたき出した。
鞍上は「1週1週テーマを持ってやれていて、少し上積みできる分を残しながらダービーに向かえれば。今週で足りないようなら来週もやる予定でしたけど、来週はそんなにやらなくてもいいと思えるくらいにいい状態だと思います。自分の思ったような反応をしてくれていて、腰の踏ん張り、息、身のこなしも満足いくものなので特に不安はないです」と万全を強調する。
前走は今回と同じ東京芝2400メートルで鮮やかな逃げ切り。その先のダービーの大舞台を意識させる素質馬だ。「9分で勝ってくれないとダービーは厳しいと思っているので、9分でもここは結果を残してほしいと思っています」と期待を込めた。
香港ジョッキークラブは28日の香港チャンピオンズデー(シャティン)に向け、チェアマンズスプリントプライズ(G1、芝1200メートル)に挑む日本馬、サンライズロナウド(牡5、安田翔)の記事を公式ホームページに掲載した。
同馬を送り出す安田翔伍調教師(41)について、「香港スプリントを12、13年に連覇した伝説の名馬ロードカナロアを管理した安田隆行元調教師の息子」と紹介し、「翔伍氏は18年に開業するまで、父の下で助手を務め、ロードカナロアやスプリント女王のカレンチャンと一緒に香港へ遠征している」と“龍王”ロードカナロアに携わっていた輝かしい経歴を伝えている。
安田翔師は香港を訪れるのが13年の香港スプリント以来であること、馬と一緒に香港へ戻ることへの喜びを述べた後、重馬場の阪神で行われた阪急杯3着の内容から感じたシャティン競馬場の馬場への適性や安田隆行厩舎の解散後、兄の景一朗助手が自分の厩舎に所属し、サンライズロナウドの日々の調教にまたがっていること、サンライズロナウドが多くのポテンシャルを持っていることなどを語っている。
吉原寛人騎手(40=金沢・加藤義)が18日、浦和2Rをリッキーマキアートで勝ち、地方競馬通算3000勝を達成した。01年4月7日の初騎乗から1万5650戦目。冬に開催のない金沢所属ながら全国を股にかけて各地で騎乗を続け、デビュー24年目で現役17人目(ばんえい含む)の大台にたどり着いた。
この日はしらさぎ賞で大井のボヌールバローズに騎乗するため浦和に参戦。エキストラ騎乗の1鞍目で区切りの勝利を決めた。吉原騎手は「通過点ですね。2000勝も浦和だったので縁があるのかなと。全場重賞制覇を達成したので、重賞最多勝記録を目指して今日の重賞も頑張ります」と話した。同騎手は2月22日に姫路で行われた兵庫ユースCを勝ち、ばんえいを除く現存する地方競馬全14場での重賞制覇という偉業を成し遂げた。17日現在で地方重賞158勝。次の目標に安藤勝己元騎手が笠松所属時に挙げた地方重賞198勝(ほかにJRA所属時に地方重賞31勝)超えを掲げている。
<追い斬り激論:マイラーズC>
京都開幕を飾る日曜メイン・マイラーズC(G2、芝1600メートル、21日、1着馬に安田記念優先出走権)の最終追い切りが17日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」では、大阪の穴コンビが気になる馬をピックアップ。奥田隼人記者は22年マイルCSの覇者セリフォス(牡5、中内田)を、藤本真育(マイク)記者は重賞2勝馬ソウルラッシュ(牡6、池江)を推した。
◇ ◇ ◇
奥田 今週から春の京都、東京が開幕。4月半ばでようやく暖かくなってきて、春らしくなった。
マイク 気温が上がったことで、芝コースの時計は速くなりそうですね。さて、マイラーズCの最終追い切りが終わりました。よく見えた馬はいましたか?
奥田 セリフォスやね。川田騎手を背に坂路で4ハロン52秒7-12秒2。さらっと調整程度だったけど、力強さの中に軽快さがあった。中内田師は「先週の動きと大きくは変わってないが、休み明け感は否めない」としながらも「次は安田記念があるので、そこを見据えての仕上げ。ここを使ってさらに良くなればと思う」と前哨戦としては納得の仕上がりに見える。
マイク マイルCS8着、香港マイル7着と案外な結果だった昨秋がちょっと気になります…。
奥田 それは問題ない。2走前は夏負けが長引き、前走は重い洋芝が合わなかったと師は敗因を明白にしている。その後はチャンピオンヒルズへ放牧に出され「心身ともリフレッシュして、今回は順調にきています」と体調面に不安なし。5歳となり、成長についても「体は立派になって、古馬らしい体になっている。そのへんがパフォーマンスにつながってくれれば」としていた。実績的にも力上位は明白だし、ここは上位争いに期待する。
マイク なるほど。確かに怖い存在ですが、僕はソウルラッシュに注目しています。とにかく追い切りの動きが抜群で、最終追いはCウッド6ハロン82秒6-10秒9。ヴィルヘルム(古馬3勝クラス)に3馬身先着しました。3週続けて、ラスト10秒台とキレキレの動きを見せており、池江師も「いい加速力だったし、ソラを使わず、最後までしっかりと伸びている」と好感触でした。
奥田 たたき良化型のイメージだけど、4カ月の休み明けは問題ない?
マイク 確かに、以前はたたいた方がいいタイプだと陣営は話してましたが、この中間は乗り込みが豊富ですし、とにかく馬が充実しています。「動けているし、態勢は整っている。昨秋はマイルCS2着とG1でも走れているように力はあるから」と師も楽しみにしていました。死角はないと思います。
奥田 穴党2人がともに人気馬を推したね…。
マイク まずは全人馬が無事に。その上で2頭がどういうパフォーマンスを見せるか、今から楽しみです。
JRAは17日、天皇皇后両陛下が昨年の天皇賞・秋を観戦されたことを記念した行幸啓記念碑の除幕式を東京競馬場で行った。
記念碑はパドック北東付近に設置され、書道家の三池克祐氏が揮毫(きごう)。記念碑横には同レース勝ち馬イクイノックスのプレートが設置されている。除幕式に参加したJRAの吉田正義理事長は「競馬法100周年ならびに東京競馬場開設90周年となった昨年、天皇皇后両陛下の東京競馬場への御来場を賜りました。両陛下に行幸啓いただいた光栄な記憶を末永く伝えるため、今回、記念碑を設置しました」とコメントした。
<チェアマンズスプリントプライズ:国内最終追い切り>
チェアマンズスプリントプライズ(G1、芝1200メートル)に出走するマッドクール(牡5、池添)は、Cウッド単走で直線強めに追われて6ハロン84秒0-10秒9。
池添師は「予定通り。全体時計はいらないのでしまいだけ見てくれと指示しました。しまいで動きすぎた感もありますが、それだけ動けているということです」と出来の良さを口にした。香港遠征は昨年の香港スプリント8着以来2度目。「前回は絶好調というほどでもなかったので」とG1馬となり、雪辱を期す。
京都金杯を制したコレペティトールは力強く坂路を駆け上がった。
単走で4ハロン52秒2-12秒7。馬場の荒れた時間帯でも目立つ動きだった。中竹師は「しっかりやって、いい動きだったね。いい格好になってきた。前走を勝ったことで安田記念を意識し、ゆったりしたローテで。前走も道中はリラックスできない中で脚を使ったし、馬が良くなっている証し」と成長著しい姿に目を細めていた。
<チャンピオンズマイル:国内最終追い切り>
28日シャティンのチャンピオンズマイル(G1、芝1600メートル)に出走するエルトンバローズ(牡4、杉山晴)はCウッド単走で6ハロン84秒2-11秒1。ラストで軽く仕掛けられると、さすがの反応を見せた。
「動きを見る限り、変わりなくきていますね。前回(中山記念7着)が休み明けと馬場(やや重)で行きっぷりがもうひとつだったので、そのあたりを考慮してやってきました」と杉山晴師。舞台設定が合うとみての香港遠征で、G1初制覇を目指す。
<福島牝馬S:追い切り>
安定感抜群のコスタボニータ(牝5、杉山佳)は坂路で単走追い。ばねの利いた走りで4ハロン53秒7-12秒2をマークした。
「スッと反応していた。1戦1戦大事に使っているので状態は維持している」と杉山佳師は好感触。すでに重賞で3度も3着に好走しており「うまく展開が向いて、あとひと押しできれば」と重賞初Vを期待する。
<クイーンエリザベス2世C:国内最終追い切り>
クイーンエリザベス2世C(G1、芝2000メートル、28日=香港シャティン)に出走するプログノーシス(牡6、中内田)が17日、国内最終追い切りを行った。
坂路、単走で4ハロン55秒5-12秒9。中内田師は「体はできているので微調整。動きはいいですね。1度使って馬体の張りが良くなり、筋肉の硬さも残さずいい感じ」と納得の仕上がりをアピールした。
前走の金鯱賞はステップレースで、仕上がり途上ながら5馬身差の快勝した。「今回は仕上がり途上ではなく、レースに向けて勝負に出ている」と態勢は万全。「正直、去年が完成だと思っていましたが、今年に入ってさらに良くなっている」とその充実ぶりは師も驚くほどだ。香港では昨年の同レースが2着、昨年末の香港Cが5着と惜敗が続いており「三度目の正直ですね」と気合が入る。【奥田隼人】
桜花賞11着イフェイオン(牝3、杉山佳)はNHKマイルCへ。所有する社台レースホースが公式サイトで発表した。
<羽田盃:1週前追い切り>
24日に行われるダート3冠競走の1冠目、羽田盃(Jpn1、ダート1800メートル、大井)に出走する白毛馬アマンテビアンコ(牡3、宮田)が17日、美浦トレセンで追い切りを行った。
丸山騎手を背に3馬身先行するソレルビュレット(3歳1勝クラス)に併入。6ハロン85秒1-11秒8を計時した。宮田師は「今日は無理ない程度に。先週の水曜に丸山騎手に乗ってもらったときと比較しても動き、バランス、息づかいが良くなっています。この1週間で上がってきてくれたかなと思います」と手応えを深める。
前走雲取賞は発馬でのつまずきを挽回して、2着を確保。逃げて後続を突き放した勝ち馬に2馬身差まで迫り、地力の高さをアピールしていた。宮田師は「前走はスタートで落馬寸前になってしまいましたし、そこからよく人馬ともバランスを取り戻してくれました。3角でペースが上がったときに置かれてしまうことが課題として残ってしまいましたが、最後また詰めてきたのは馬の精神力の強さだったり、スタミナは示せたと思います。本番につながる内容でした。時計が速くない状況だったり、タフな馬場でも走れる。距離が延びてなおいいかな、と思います」と見通しを語った。
大注目のダート3冠競走初戦。母ユキチャンは交流重賞を2勝しており、その血を引く純白のイケメンホース参戦は盛り上がりにも一役を買うはずだ。宮田師は「なんとか上位に、そして次に向けても権利も取りたいと思います。東京ダービーがより楽しみになるように注目していただいて、ファンの期待に応えて次につなげていけるように結果を出せたら」と意気込んだ。5着以内かつ、JRA所属馬で上位3頭以内に入れば東京ダービー(Jpn1、ダート2000メートル、6月5日=大井)の権利も手に入る。若き砂王を争う戦いが熱を帯びてきた。【松田直樹】