日刊スポーツ

ディアドラ昨年12月以来も体調いい/中山記念

調整を行うディアドラ(2018年12月8日撮影)

中山記念(G2、芝1800メートル、24日)に出走するディアドラ(牝5、橋田)は軽く坂路をのぼった。

昨年12月の香港カップ2着以来の実戦になるが「先週にCウッドで楽に速い時計が出た。体調はすごくいい」と橋田師。

昨年はドバイターフでも3着に好走。今年も中山記念後はドバイターフ(G1、芝1800メートル、3月30日=メイダン)へ向かう。鞍上はモレイラ騎手に決まった。

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粗品の本命またまた人気馬…「呪い」は解けるのか 調教重視で東西重賞の予想を公開

霜降り明星の粗品(2024年撮影)

お笑いコンビ「霜降り明星」の粗品(31)が20日、自身のYouTubeチャンネルを更新し、マイラーズC(G2、芝1600メートル、21日=京都)と、オークストライアルのフローラS(G2、芝2000メートル、2着まで優先出走権、21日=東京)の予想を公開した。

「どうも、生涯収支マイナス3億円君です」と恒例のあいさつで登場した。「これもう本命2個まとめて言うわ」とパターンを変えた。マイラーズCは「14番ソウルラッシュ」。フローラSは「1番バロネッサ」と明かし「どっちも1番人気かな」と付け加えた。

今回は「調教がいい人気馬にしました」と、それぞれ本命に選んだ理由を挙げた。ソウルラッシュは昨年の3着馬で秋のマイルCS2着だった実績を説明。さらに11週連続不的中であることを反省し「ひどいので、ちょっと広く穴馬も入れながら買いました。トゥードジボン、リューベック、フリームファクシ。特にフリームファクシは激推しの穴馬です」と力説した。マイラーズCの買い目は3連単。強気の(14)1着流しで、相手は(1)(3)(4)(8)(9)(13)(15)(17)の計56点とした。

直後にはフローラSの◎バロネッサにも触れ「結構、文句なし調教。スタートがちょっと下手くそやったんですけど今まで。前走それも決まってね、楽勝やったと。今回もそのスタートを切ってくれれば、いけるんじゃないか」と読んだ。マイラーズC同様に“激推し穴馬”にコスモディナーを取り上げ、注目の買い目は3連単(1)1着流し。相手は手広く(2)(4)(7)(8)(9)(10)(11)(13)(14)の計72点勝負とした。

粗品は、1月6日土曜中山4Rの3連単241万2370円を1000円分的中し、配当金の2412万3700円全額を「能登半島地震災害義援金」口座に寄付したことを同8日公開のYouTube「粗品のロケ」などで報告していた。

その後は1月28日の根岸SとシルクロードS“のダブル的中”を最後に、馬券的中が遠ざかっている。さらに春のG1シリーズ開幕戦、高松宮記念から人気馬、有力馬を本命にして、ことごとく馬券圏内を外す「粗品の呪い」が発動し続けている。ネット上では粗品の◎をばっさり切り捨てた馬券で的中させている人も…。

今回も2頭とも1番人気が予想され、いずれにせよ上位人気は確実。G1の中休みでもあり、2レースを予想して「呪い」を解き、12週ぶりの的中を呼ぶのか。それとも予想上の春が訪れないまま、初夏を迎えてしまうのか。東西重賞の結果はどうなる?

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福島牝馬Sで落馬の木幡初也騎手は右腕負傷、吉田隼人騎手は福島市内の病院へ搬送 JRA発表

吉田隼人騎手(左)と木幡初也騎手

福島牝馬Sのシンリョクカで落馬した木幡初也騎手(29)、ライトクオンタムで落馬した吉田隼人騎手(40)は騎乗予定だった21日の乗り替わりがJRAから発表された。

東京で騎乗予定だった木幡初は2Rが横山和、3Rが柴田大、8Rが江田照に変更。福島で騎乗予定だった吉田隼は2Rが永島、3Rが角田和、5Rが西塚、7Rが永島、9Rが角田和、10Rが石橋、11Rが小沢に変更となった。

レースではシンリョクカが3コーナーで前の馬に触れて転倒し、ライトクオンタムは先に転倒したシンリョクカに触れて転倒した。JRAの発表によると、2頭はともに異常なし。木幡初騎手は右腕の負傷、吉田隼騎手は福島市内の病院へ搬送(※診断名は後日追記)となっている。

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4番人気ユティタムがたたき合い制しす 佐々木大輔騎手はメインレース初勝利/オアシスS

オアシスSを制したユティタム(右)(撮影・柴田隆二)

<オアシスS>◇20日=東京◇リステッド◇ダート1600メートル◇4歳上◇出走16頭

佐々木騎手騎乗の4番人気ユティタム(牡4、須貝)が直線の接戦を制した。道中は3番手。直線で外から競りかけてきたペリエールとのたたき合いを首差で押し切った。勝ち時計は1分36秒7。

佐々木騎手は「スタートが抜群でした。あとは仕掛けどころと強い馬の動くタイミングを見ながらでした。相手に来られた分、しっかり反応してくれました。よくしのいでくれました」とたたえた。同騎手はこれがメインレース初勝利。「気持ちいいですね」と喜びの声を上げた。

須貝師は「1800メートルだと集中力が最後までもたない。繊細な馬だからね。今日は外枠も良かった。今後は在厩で様子を見ながら」と評価した。

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落馬負傷の松山弘平騎手は日曜も乗り替わり、マイラーズCソウルラッシュは団野大成騎手

松山弘平騎手(2024年2月撮影)

20日京都4Rで落馬負傷した松山弘平騎手(34)が、21日も乗り替わりになることがJRAから発表された。京都で騎乗予定だった9鞍全てが乗り替わり。メイン11RマイラーズC(G3、芝1600メートル)のソウルラッシュ(牡6、池江)は団野大成騎手(23=斉藤崇)となった。

松山騎手は20日京都4Rで騎乗馬がゴール入線後にバランスを崩して落馬。5R以降の6鞍が乗り替わりとなった。診断結果は「頭部の負傷」で、京都市内の病院に搬送されて会話はできる状況という。

団野大成騎手(2024年1月撮影)

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3番人気リアレストが差し切る!田辺騎手「まだ緩いし成長の余地ある」/新緑賞

新緑賞を制したリアレストと田辺騎手(撮影・柴田隆二)

<新緑賞>◇20日=東京◇3歳1勝クラス◇芝2300メートル◇出走11頭

3番人気リアレスト(牡、尾関)が直線で差し切った。勝ち時計は2分18秒8。道中は後方勢の一団だった。4角から徐々に進出し、外から前を差し切りにかかる。直線残り100メートルで完全に先頭に立ち、1馬身1/4差でゴールした。

田辺騎手は「スタート次第で前に行きたかったが、二の脚で他馬にかぶせられる形になって、予定より位置が下がってしまった。でも競馬はたんたんとしていて、前との距離を測りつつの競馬をして、どれくらい伸びるかと思っていたら、思った以上に反応が良かった。まだ緩いし成長の余地もある」と素質を評価した。

尾関師は「ここ2戦はいろいろ向かなかったというかついていなかった。力を発揮しきれないでいた。今日はいい馬場でやれたし、少し上がりがかかって、長い脚を使えるこの馬に向く形だった。まだ緩いし、伸びしろはある。この先楽しみです」と話した。

新緑賞を制したリアレストの田辺騎手(左)と尾関調教師(撮影・柴田隆二)

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コスタボニータが重賞初制覇、岩田望騎手「まだまだ強くなっていくと思う」/福島牝馬S

福島競馬場

<福島牝馬S>◇20日=福島◇G3◇芝1800メートル◇4歳上牝◇出走16頭◇1着馬にヴィクトリアマイル優先出走権

1番人気のコスタボニータ(牝5、杉山佳)がキャリア17戦目で重賞初制覇を決めた。勝ち時計は1分46秒9。

レースはウインピクシスが先手を主張。コスタボニータは最内枠から内ラチ沿いの好位を追走した。直線で一瞬進路が狭くなったが、外に切り替えると先に抜け出したフィールシンパシーをゴール前で首差捉えた。初コンビで結果を出した鞍上の岩田望騎手は中山牝馬Sに次ぐ今年のJRA重賞2勝目。「4コーナーから直線にかけてあまりスムーズではなかったですけど、馬が最後にひと伸びしてくれました。1週前追い切りに乗せてもらってから返し馬まですごくいい雰囲気でレースに臨めたと思います。今日は内側が有利だと分かっていましたし、枠が出た時点でいい勝負ができると思いました。直線で外に出した時にあれ、2着かなと思いましたけど、最後の1ハロンですごく頑張ってくれました。馬に感謝したいです。レースセンスが本当にいいですし、一瞬の脚はいいものを持っていると思います。まだまだ強くなっていくと思うので、この馬を応援していただけたら」と喜んだ。

2着は8番人気のフィールシンパシー、3着は5番人気のウインピクシス。

なお向正面で落馬があり、シンリョクカ、ライトクオンタムの2頭が競走を中止している。

馬連(1)(14)は3240円、馬単(1)(14)は5210円、3連複(1)(8)(14)は8880円、3連単(1)(14)(8)は5万1640円。

(注=成績、払戻金などは必ず主催者発行のものと照合してください)

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絶対王者オジュウチョウサンの主戦、石神深一騎手が平地競走で11年ぶりV/福島9R

オジュウチョウサンと石神深一騎手(右)(2022年12月24日撮影)

20日、福島9Rの浄土平特別(古馬1勝クラス、芝1200メートル)で石神深一騎手(41)が11年ぶりの平地勝利を挙げた。

4番人気ライクアフラワー(牡4、松永康)に騎乗し、直線の追い比べで内ラチ沿いを突き抜けた。

J・G1を9勝した障害競走の絶対王者オジュウチョウサンの主戦を務めた障害競走の名手。平地競走の勝利は13年6月9日の東京1R(3歳未勝利、ダート1600メートル)デルマハンニャ(和田正厩舎)以来になる。

今年3月に長男の深道騎手がデビューしている。

石神深一騎手(2024年3月9日撮影)

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3着入線後落馬の松山騎手 「頭部の負傷」と診断 会話はできる状況/京都4R

松山弘平騎手(24年2月撮影)

<京都4R>◇20日◇3歳未勝利◇芝2400メートル◇出走11頭

松山弘平騎手(34)がゴール入線後に落馬し、5R以降の6鞍が乗り替わりとなった。騎乗していたカズアブディーン(牡、杉山晴)が3着入線後に1角あたりでバランスを崩し、馬場に投げ出される形となった。そのまま起き上がることができず、担架で運ばれ救護車に乗せられた。場内には「入線後に騎手が落馬したため後検量省略の上、確定します」とアナウンスされた。

診断結果は「頭部の負傷」。京都市内の病院に搬送され、会話はできる状況という。

メイン11R天王山Sのヴァガボンドなど6鞍の乗り替わりがJRAから発表された。

乗り替わりは以下の通り。

5Rジーサイクロン 松山(57)→川田(57)

6Rナヴォーナ 松山(58)→藤岡佑(58)

9Rナムラフッカー 松山(57)→武豊(57)

10Rチュウワハート 松山(58)→武豊(58)

11Rヴァガボンド 松山(57)→川田(57)

12Rセブンサミット 松山(58)→川田(58)

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【天皇賞・春】菊花賞馬ドゥレッツァが栗東坂路で55秒9 「落ち着いています」と渡瀬助手

17日、CWコースにて併せ馬で追い切るドゥレッツァ(手前)

<天皇賞:追い切り>

4月28日京都の天皇賞・春(G1、芝3200メートル)で有力視されるドゥレッツァ(牡4、尾関)が20日、滞在先の栗東の坂路を単走で駆け上がり4ハロン55秒9-13秒8をマークした。

渡瀬助手は「気分良く走らせました。走り自体、落ち着いています。美浦では集団調教なのでもう少し気が入っていますが、栗東では1頭なので。長距離を走るので、いいのではないでしょうか」と順調な調整ぶりを口にした。昨秋の菊花賞馬で、G1・2勝目を狙っている。

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春の東京開催最初の芝レースは「津村お見事」ヴィントシュティレの大逃げ決まる/東京4R

東京4R 逃げ切ったヴィントシュティレと津村明秀騎手(撮影・柴田隆二)

<東京4R>◇20日◇3歳未勝利牝◇芝2000メートル◇出走18頭

20日に開幕した春の東京開催、最初の芝のレースだった4R(3歳未勝利、芝2000メートル)は3番人気ヴィントシュティレ(牝、古賀)の大逃げが決まった。鞍上は津村明秀騎手(38)で勝ちタイムは2分0秒4。

4角で後続を10馬身以上離す大逃げに場内は大歓声。直線の坂を上がって追い出されると、最後は2着パンドジェーヌの猛追を振り切って先頭でゴールした(上がり3ハロンは37秒5)。ヴィントシュティレは父がモーリス、母が11年オークスで2着に逃げ粘ったピュアブリーゼという血統。デビュー5戦目で初めて逃げの手に出て、初勝利をつかんだ。場内の実況アナウンサーが「津村、お見事」とたたえる鞍上の思い切った仕掛けも光った。

ヴィントシュティレの津村明秀騎手(左)と古賀慎明調教師(撮影・柴田隆二)

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今村聖奈騎手、87戦ぶりの今年JRA2勝目「やっと勝てました」/京都1R

ランランガールで京都1Rを勝利しファンに手を振って引き揚げる今村騎手(撮影・白石智彦)

<京都1R>◇20日◇3歳未勝利牝◇ダート1400メートル◇出走16頭

デビュー3年目の女性ジョッキー今村聖奈騎手(20=寺島)が、今年のJRA2勝目を挙げた。単勝1・8倍に支持された自厩舎のランランガールで先手を奪うと、勢いそのまま押し切った。同馬とはデビュー戦からコンビで4戦連続2着と惜敗が続いており、うれしい初勝利となった。

今村騎手自身は1月27日京都4R(ファストレーン)以来、87戦ぶりの勝利となった。

「やっと勝てました。馬は中1週でしんどい思いをしたと思うんですか、スタッフが丁寧な仕上げをしてくださりました。中1週でテンションが上がっていて、いつもと違う雰囲気だったので不安がありましたが、馬がそれを払拭する走りをしてくれて私を勇気づけてくれました。惜敗続きでなかなか勝てませんでしたが、なんとかチャンスをいただいている内に勝ちたいと思っていました。馬主さん、寺島先生をはじめ、関係者の方々に感謝したいです。人馬ともにケガなく、前を向いて頑張っていきたいです」

レース後は笑顔とともに、安堵(あんど)の表情もあった。

ランランガールで京都1Rを勝利し笑顔でウイナーズサークルへ向かう今村騎手(撮影・白石智彦)
京都1R、今村騎手を背に3歳未勝利を勝ち上がったランランガール(撮影・白石智彦)

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【羽田盃】ブルーサン、坂路で好時計 川村師「前走よりパワーアップ」ダート3冠1冠目狙う

<羽田盃:追い切り>

ダート3冠の第1弾、羽田盃(Jpn1、ダート1800メートル、24日=大井)に挑むブルーサン(牡3、川村)が19日、最終追い切りを行い、坂路4ハロン50秒0-12秒2の好時計をマークした。

騎乗した和田竜騎手は「力み気味でテンから行きっぷりが良かった。それでも、しまいまでしっかりと動けている。前走から2カ月空いているが、乗った感じは大きくなり体に幅が出た」と成長を感じていた。川村師も「前走よりパワーアップした」と満足げだ。前哨戦の雲取賞(Jpn3)を2馬身差で快勝。その勢いで、1冠目奪取を狙う。

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弥生賞7着ダノンエアズロックはNHKマイルCとプリンシパルSに登録へ/有力馬情報

弥生賞7着に敗れたダノンエアズロック

弥生賞で7着に敗れたダノンエアズロック(牡3、堀)はNHKマイルC(G1、芝1600メートル、5月5日=東京)、プリンシパルS(リステッド、芝2000メートル、5月4日=東京)に登録する。

同厩舎でサウジアラビアRC覇者のゴンバデカーブース(牡3)もNHKマイルCに登録する。2頭とも状態面を見極めながら出否を判断する。また、日経賞で重賞初制覇のシュトルーヴェ(セン5)は目黒記念(G2、芝2500メートル、5月26日=東京)を視野に入れる。香港のクイーンエリザベス2世C(G1、芝2000メートル、28日=シャティン)に出走するヒシイグアス(牡8)の鞍上はレーン騎手。

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大阪杯8着スタニングローズは5・12ヴィクトリアマイルへ

スタニングローズ(2024年3月撮影)

大阪杯8着のスタニングローズ(牝5、高野)は5月12日東京のヴィクトリアマイル(G1、芝1600メートル)へ向かう。サンデーレーシングが19日、公式サイトで発表した。

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香港G1参戦の関西馬4頭が現地に到着 プログノーシスの清山助手「すごく落ち着いている」

シャティン競馬場に到着したプログノーシス(C)The Hong Kong Jockey Club

4月28日の香港チャンピオンズデーに出走を予定しているプログノーシス(牡6、中内田)、エルトンバローズ(牡4、杉山晴)、サンライズロナウド(牡5、安田翔)、マッドクール(牡5、池添)の関西馬4頭が19日、開催地のシャティン競馬場に到着した。

クイーンエリザベス2世C(G1、芝2000メートル)に挑むプログノーシスの清山助手は「3回目の香港遠征ということで、すごく落ち着いており、うまく輸送をクリアしてくれました」。

チャンピオンズマイル(G1、芝1600メートル)に参戦するエルトンバローズの田中助手は「初めての海外遠征でしたが、順調に輸送をこなすことができました」。

チェアマンズスプリントプライズ(G1、芝1200メートル)に出走するサンライズロナウドの安田助手は「初めての海外遠征ですが、イメージ以上に落ち着いていて、カイバもよく食べています」。同レースに挑むマッドクールの名倉助手は「2回目の香港遠征ということで、場所に戸惑いもなく、カイバもよく食べており問題ありません」とコメントした。

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無敗Vジャスティンミラノの皐月賞レーティングは119ポンド JRAが発表

皐月賞を制したジャスティンミラノ(中央)

JRAは18日、皐月賞のレーティングを発表した。

共同通信杯に続き、3戦無敗で制したジャスティンミラノ(牡3、友道)は119ポンドの評価を受けた。首差2着のコスモキュランダは118ポンド。3着ジャンタルマンタルは117ポンド、4着アーバンシックは114ポンドとなっている。

近年の勝ち馬の皐月賞勝利時のレーティングを見ると、20年のコントレイル、21年のエフフォーリアは120ポンド、22年のジオグリフ、昨年のソールオリエンスは119ポンドとなっている。

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中山GJ6着の障害王者マイネルグロンは右前深屈腱炎で全治9カ月以上の診断

マイネルグロン(2024年3月9日撮影)

昨年の中山大障害覇者で、中山グランドジャンプで6着に敗れたマイネルグロン(牡6、青木)は美浦トレセンで患部のエコー検査を行った結果、右前深屈腱炎で全治9カ月以上と診断された。19日、JRAが発表した。レース後に石神深騎手が下馬し、右前肢ハ行と発表されていた。

ラフィアンターフマンクラブのホームページによると、右前深屈腱とその支持靱帯を傷めており、今後は放牧に出て、復帰を目指していくことになる。

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日本人の木村和士騎手が3年連続でカナダ年度表彰「ソヴリン賞」最優秀騎手!スピーチに拍手も

木村和士騎手(2020年1月撮影)

23年度のカナダ競馬の年度表彰「ソヴリン賞」の発表と授賞式が18日に行われ、日本人の木村和士騎手(24)が3年連続で最優秀騎手賞を受賞した。

プレゼンターが「ウイナー、オブ、アウトスタンディングジョッキー、カズシ、キムラッ」と告げると、黒いタキシードを身にまとった木村騎手が壇上に登場し、英語でスピーチを行った。

「こんにちは。みなさんが今、素晴らしい時間を過ごしているとうれしいです。私はこの数年、今日も、このような場所に立つことができて、とても光栄に思っています。素晴らしい馬たちの騎乗依頼をくれたオーナー、トレーナー(調教師)、そして、グルーム(厩務員)、エクササイズライダー(助手)、ホットウォーカー(引き馬をするスタッフ)、ゲートクルー(ゲートの手伝いをする人たち)、丁寧に、熱心に馬を扱ってくれたすべての人たちに感謝したいと思います。それからいい馬を求めて、いつもハッスルしてくれるエージェント(騎乗依頼仲介者)のジョーダン氏に本当に感謝しています。競馬は簡単ではありません。私は葛藤し、冒険する多くの時間を過ごしてきました。ただ、勝った瞬間、成功した瞬間にそれらのタフな時間が報われ、喜びを共有してきました。ここにいる皆さんや多くの馬たちとそういう瞬間を今年も共有したいと思います。あらためまして、ありがとうございました」。スピーチが終わると、女性司会者は木村騎手の英語スピーチと黒髪のヘアスタイルを褒めたたえ、場内は拍手と笑顔に包まれた。

昨シーズンの木村騎手はウッドバイン競馬場で161勝を挙げ、2位サヒン・サバチ騎手に32勝差をつける断トツの数字で3年連続のリーディングジョッキーに輝いた。カナダのシーズンオフには米国西海岸のジョッキー激戦区サンタアニタ競馬場の冬季開催に2年連続で参戦し、アメリカのトップジョッキーやデットーリ騎手などと腕を競い合った。5月4日に行われるケンタッキーダービー(G1、ダート2000メートル、チャーチルダウンズ)では日本のテーオーパスワード(牡3、高柳大)に騎乗し、日本人騎手&日本調教馬初のケンタッキーダービー制覇に挑む。

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落馬負傷の和田竜二が復帰、ビーアストニッシドで一発決める「気を引き締めて」/マイラーズC

今週からレースに復帰する和田竜騎手

7日阪神6Rの落馬で左腕を負傷した和田竜二騎手(46)が今週から復帰する。「傷の状態が落ち着いてくるのに1週間かかりましたが、順調に回復しています」と話す。

土日で計17頭に騎乗予定。日曜のマイラーズCはビーアストニッシドで参戦する。「落ち着いて攻め馬できるようになったと聞いています。(レースは)ためた方がいい感じもしますね」とイメージはできている。「(今週から)京都競馬に替わります。また人馬、事故のないように気を引き締めて乗りたいです」。ベテランらしく競馬界全体を見渡し、復帰に向けてのコメントを口にした。

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ペイシャフラワー永島まなみ、重賞初制覇へ手応え「反応、しまいの動き良かった」/福島牝馬S

永島まなみ騎手

土曜の福島牝馬S(G3、芝1800メートル、20日、1着馬にヴィクトリアM優先出走権)で、永島まなみ騎手(21=高橋康)が、自厩舎のペイシャフラワー(牝4)で重賞初制覇を目指す。

9度目の重賞騎乗へ、17日の追い切りで手綱を取り、Cウッド6ハロン83秒1-11秒7。エルプロフェッサー(3歳未勝利)に半馬身先着し「左に張るところがあったのでハミを替えました。反応、しまいの動きとも良かった」と好感触をつかんだ。前走キタサンブラックCは13着も、高橋康師は「ヨーイドンの競馬では分が悪かった」と振り返る。そこで「今回は距離を延ばしてみる」と師。初の1800メートル&格上相手で永島騎手の手綱さばきに注目だ。

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バロネッサ馬なり11秒1先着 初コンビ津村騎手好感触「コントロール難しくない」/フローラS

津村騎手を背にバロネッサ(右)はアイベラと併せて追い切る(撮影・柴田隆二)

<フローラS:追い切り>

フローラS(G2、芝2000メートル、21日=東京、2着までオークスの優先出走権)の最終追い切りが18日、美浦トレセンで行われ、未勝利勝ちから臨むバロネッサ(田中博)が軽快な動きを見せた。

初コンビの津村騎手が2週続けてまたがり、ウッドで2頭併せ。序盤で若干頭を上げる場面もあったが、すぐに冷静さを取り戻し、4馬身半追走したアイベラ(古馬1勝クラス)に半馬身先着。6ハロン82秒2-11秒1(馬なり)をマークした。鞍上は「いい動きでした。口が敏感なところはありますが、コントロールは難しくないです」と好感触を示した。

前走の勝ちタイムは同日に同舞台で行われた共同通信杯を1秒8上回る好時計。鞍上は「ペースが違うので一概には比較できませんけど、速い時計で走れるのは能力があるからこそ。開幕週の馬場はプラス」と期待を込めた。

◆津村騎手の“テン乗り”重賞制覇 06年ラジオNIKKEI賞をタマモサポートで制すなど過去6度“テン乗り”での重賞勝利実績がある。今年の中山金杯(リカンカブール)も初コンビで制している。

追い切りを終えて引き揚げるバロネッサ(撮影・柴田隆二)

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【天皇賞・春】タスティエーラ併せて11秒0 堀師「動き良化」コンビ復活モレイラと復権めざす

タスティエーラ(左)はゴンバデカーブースと併せて追い切る(撮影・柴田隆二)

<天皇賞・春:1週前追い切り>

天皇賞・春(G1、芝3200メートル、28日=京都)に向けた1週前追い切りが18日、東西トレセンで行われ、大阪杯11着のダービー馬タスティエーラ(牡4、堀)が美浦ウッドで2頭併せを行った。

重賞馬ゴンバデカーブース(3歳オープン)に2馬身半先行。いっぱいに追われた僚馬に馬なりで楽に馬体を併せ、半馬身先着し6ハロン82秒8-11秒0と好時計を出した。堀師は「DDSPの症状もなく動きの質は良化した印象を持っています」と手応えを示した。

前走は好位から進めるも直線で伸びを欠き、1番人気に応えられず。師は「はっきりした敗因は分かりませんが、輸送後のカイ食いが悪く前日の朝夕ともに8割は残していました。前走のこともあって見通しは何とも言えません。工夫して臨むつもりです」と話す。昨秋の菊花賞(2着)で騎乗したモレイラ騎手とコンビ復活が決定し、ダービー馬が復権なるか注目だ。

調教に向かうタスティエーラ(撮影・柴田隆二)

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ルーキー吉村誠之助騎手、厩舎の“先輩”ボルザコフスキーと狙う重賞初騎乗V/マイラーズC

ボルザコフスキーとマイラーズCに挑むルーキーの吉村騎手(撮影・白石智彦)

厩舎の“先輩”といざ頂点へ! 春の京都開幕週を飾るマイラーズC(G2、芝1600メートル、21日、1着馬に安田記念優先出走権)では、ルーキー吉村誠之助騎手(18=清水久)が重賞初騎乗を迎える。タッグを組むのは競馬学校生の時から乗っていた自厩舎のボルザコフスキー(牡5)。背中を熟知している相棒と、重賞初騎乗初勝利を目指す。

    ◇    ◇    ◇  

誰よりもその背中を知っている。吉村騎手は競馬学校の研修時からボルザコフスキーの調教をつけていた。「その時から調教で動けていましたし、レースもいい内容でした」。相棒は昨年末にオープン入り、同騎手は3月にデビュー。それぞれの階段を上ってきた。

実戦で初タッグを組んだ六甲Sでは内から力強く抜け出し、勝利へと導いた。自身にとっても、初白星がリステッド勝ちとなった。「勝てるチャンスはあると思っていました。うれしいというよりも、ホッとしましたね」。

デビュー前、騎手としてのセールスポイントを「折り合いや馬を抑えるところがたけていること」と話していた。調教やレースでもその長所が生きている。前走も馬が少し行きたがったところをしっかりと抑え、ラストの末脚につなげた。

勝負師の一面を見せながら、ムチを置けば明るい18歳。ある厩舎スタッフは「誠之助がいて、ますます笑いの絶えない厩舎になった」と話す。それでも仕事となればきっちりとこなす。オンオフをしっかり切り替える若武者は、すでに厩舎にとっても欠かせない存在となっている。

「初勝利させていただいた馬に継続して乗せていただいて、重賞に乗せてもらえるということで、ありがたい気持ちでいっぱいです。初めての重賞ですが、自信を持って臨めると思います」。お互いをよく知っている“先輩”と一緒なら大舞台でも心強い。【下村琴葉】

◆JRA重賞初騎乗初勝利 84年グレード制導入後に免許を取得した騎手では、過去5人が達成。菊沢隆仁がチェリーコウマンで92年ウインターS(G3)を、武幸四郎がオースミタイクーンで97年マイラーズC(G2)を、池添謙一がトウショウオリオンで98年北九州記念(G3)を、宮崎北斗がセラフィックロンプで08年愛知杯(G3)を、今村聖奈がテイエムスパーダで22年CBC賞(G3)を制している。

◆吉村誠之助(よしむら・せいのすけ)2006年(平18)1月4日、兵庫県生まれ。父は兵庫所属の吉村智洋騎手。栗東・清水久厩舎から今年3月2日小倉2Rでデビュー(ムーンセットで9着)、同24日六甲Sのボルザコフスキーで初勝利。JRA通算57戦2勝。尊敬するジョッキーは松山騎手。162・7センチ、48キロ。

前走の六甲Sを制したボルザコフスキー

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南半球オーストラリアでも期待大…パンサラッサの初年度種付け料をユーロンスタッドが発表

1着賞金13億円のサウジCを制したパンサラッサと吉田豊騎手(2023年2月撮影)

オーストラリアのユーロン・スタッドは18日、24年の種牡馬のラインアップと種付け料を発表した。昨年のジャパンCで引退し、今年からアロースタッドで種牡馬としてけい養されているパンサラッサ(牡7)も名前を連ねている。同馬はシャトル種牡馬として、南半球でも種付けを行う予定となっており、初年度の種付け料は1万6500オーストラリアドル(約160万円)と発表された(アロースタッドでの初年度種付け料は300万円)。

同牧場には同じロードカナロア産駒のタガロア、ダイアトニックもけい養されており、24年度の種付け料は前者が2万2000豪ドル、ダイアトニックが1万3750豪ドルに設定されている。

ユーロン・スタッドの公式ニュースの中で、ゼネラルマネジャーを務めるコックス氏は「パンサラッサは今シーズンのラインアップにおけるエキサイティングな新加入馬であり、オーストラリアにおいて、(現役時代に)史上最高額の賞金を獲得している種牡馬になります」と大きな期待を寄せている。また、同じく日本で競走生活を送ったダイアトニックについては初年度だった昨年に131頭へ種付けを行い、交配相手の牝馬にはG1・13勝のメロディベルなど多くのG1、重賞ウイナーが含まれていることを紹介。「初年度の交配相手の質は種牡馬としてのキャリアに大きな影響を与える可能性があり、ダイアトニックが2023年に交配したエリート牝馬たちが彼が成功するために最高のチャンスを与えたとでしょう」とコメントしている。

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1番人気の無敗馬ジゼルはデビュー12戦目で初黒星「苦しかったのかな」/しらさぎ賞

しらさぎ賞を制したツーシャドーと和田譲治騎手

<しらさぎ賞>◇18日=浦和◇S3◇ダート1400メートル◇4歳上牝◇出走12頭◇1着賞金1200万円◇1着馬にスパーキングレディーカップの優先出走権(他地区馬を除く)

1番人気の無敗馬ジゼル(牝5、山中尊)は3着に敗れ、デビュー12戦目で初黒星を喫した。

前走のしらさぎ賞トライアル、ティアラCはツーシャドーを豪快に差し切ったが、この日は直線で外にもたれ、最後なんとか3着を確保した。森騎手は「これだけ連続で使ったことがないので苦しかったのかな。外にもたれてもたれて…。間隔を空けた方がいいような気がします」と敗戦の弁を述べた。

3月28日、ティアラCを制し11連勝のジゼルと森泰斗騎手

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ツーシャドー重賞初制覇「ありがとうと言いたい」小沢師悲願の地元重賞V/しらさぎ賞

好位追走から直線で抜け出したツーシャドーと和田譲治騎手(右)がしらさぎ賞を制する

<しらさぎ賞>◇18日=浦和◇S3◇ダート1400メートル◇4歳上牝◇出走12頭◇1着賞金1200万円◇1着馬にスパーキングレディーカップの優先出走権(他地区馬を除く)

2番人気ツーシャドー(牝5、小沢宏)が直線の争いから抜け出し、重賞初制覇を飾った。和田譲治騎手(40)はしらさぎ賞初制覇。小沢宏次調教師(52)は重賞2勝目、南関東では初のタイトル獲得となった。

3番手の位置を取って道中は前を見る形。直線は逃げたボヌールバローズに並び、抜け出すと、最後は後続の追い上げも2馬身差で封じた。「初めて砂をかぶって嫌々走っていたけど、前向きさも見せて、3、4角でハミを取ってくれた」と和田騎手。コンビ結成からの4戦目、前走トライアル2着からの戴冠となった。小沢師は母ブラックショコラも手掛けていた。「子どもも託していただいて、縁があって思い入れがあります。ツーシャドーもそうだけど、ブラックショコラにもありがとうと言いたい」と師。夢だったという地元での重賞制覇を果たし、これからも強い馬づくりに励んでいく。【渡辺嘉朗】

しらさぎ賞を制したツーシャドーと和田譲治騎手

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道営のルーキー藤田凌駕騎手がデビュー2戦目の門別4Rで初勝利「感無量です」

エンルム岬賞をクールギブスで制し初勝利の藤田騎手は笑顔で声援に応える(撮影・奥村晶治)

今季デビューの新人騎手、藤田凌駕(17=小野)が18日の門別4Rクールギブスで初勝利を挙げた。

前日(17日)10Rでの初騎乗から2戦目での初白星となった。先行策から3コーナー手前で先頭に立ち、後続に5馬身差をつけてゴール。同騎手は「感無量です。前日の反省点を生かし、馬の邪魔をせずに乗ることができました。これからも1勝、1勝を積み重ね、いずれは北海道を代表する騎手になりたい」と笑顔いっぱいだった。

エンルム岬賞をクールギブスで制し初勝利の藤田騎手(左から3人目)(撮影・奥村晶治)
エンルム岬賞で初勝利を挙げた藤田騎手の口取り(撮影・奥村晶治)

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ダービー馬タスティエーラは天皇賞・春でモレイラ騎手とコンビ復活

23年菊花賞で2着に敗れたタスティエーラとJ・モレイラ騎手

天皇賞・春(G1、芝3200メートル、28日=京都)に参戦予定のダービー馬タスティエーラ(牡4、堀)はモレイラ騎手とコンビを組むことが決まった。キャロットクラブがホームページで発表した。昨秋の菊花賞(2着)以来のコンビ復活になる。

同馬は4歳初戦となった大阪杯で1番人気11着。18日に1週前追い切りを美浦ウッドチップコースで行っており、復権が期待される。

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【美浦便り】若き日の根本康広を育てた師匠たちの言葉は今、4人目の弟子・長浜鴻緒へ

左から根本師、丸山元気騎手、野中悠太郎騎手、藤田菜七子騎手、長浜鴻緒騎手

騎手は腕だけではなく、心も磨いています。新人騎手がデビューし、1カ月半ほどが過ぎました。調教時に黄色のヘルメットをかぶるのが、ルーキーたち。今年は関東で石神深道(18=和田正)、大江原比呂(19=武市)、坂口智康(33=尾形和)、長浜鴻緒(18=根本)の4人が日々トレセン、競馬場で奮闘しています。

今日は長浜騎手を紹介できたら、と思います。青森県出身。根本厩舎に所属する同騎手は2週前の中山で土日4勝を挙げ、現在5勝は同期トップです。

長浜騎手は「(土日4勝は)みなさんに『うまいな』と言ってもらえたりしましたが、たまたまいい位置が取れたり、はまった競馬で勝つことができました。このポジションが取りたいと思って取れたものではないので、考えて、レースを組み立てて勝てるようになりたいです。勝てるときにしっかり勝てるような」と、競馬の難しさを痛感しているようです。

彼の姿勢に根本康広師(68)の教育方針が垣間見えます。長浜騎手は丸山元気、野中悠太郎、藤田菜七子に続く、4人目の弟子。師は彼らの性格を考えて接し方を変えているそうですが、考えは同じです。「背中を押してあげることが大事。若いころはみんな不安なの。ジョッキーは負けるのが当たり前。どんなレースでも思いきって乗れ、と言ってあげないと」(根本師)。現役時にバローネターフで79年春、秋の中山大障害を制し、ギャロップダイナで85年天皇賞・秋を優勝(2着は皇帝シンボリルドルフ)、そしてメリーナイスで87年ダービーを制した御大。レース前は弟子たちの緊張を解き、冷静さを与えるよう心がけるといいます。

事細かに指示は出さない。自身の経験がそうさせます。77年に21歳で騎手デビューした根本師は、厳格な人柄で知られた成宮明光師(71年オークス優勝馬カネヒムロ、84年NHK優勝馬ビゼンニシキなどを管理)との会話を鮮明に覚えています。「どう乗りましょうか、と聞いたんだ。そしたら、逆に言われたよ。『君は僕の言うように乗れるのかい?』って。そりゃそうだって思ったよ」。

後に大レースをいくつも勝つとはいえ、当時は経験の少ない若手。当然、技術も追いついていない。「自分の感性で乗ってこい、ということだと理解したんだ」。しばらくたって、成宮師の真意をくみ取ったといいます。萎縮させず、考えて勝利を目指させる。心を育てる姿勢も大事なんだ、と。

ただ、逃げ馬だけは例外です。78年11月4日の武蔵野S。当時芝2000メートルの開催だった同レースで、デビュー2年目の根本騎手は5番人気ビゼンライデンと逃げ切りを決めました。レース前に、師匠の橋本輝雄師に言われた短い指示が耳にこびりついています。

「後ろを振り向かないで逃げろ」

残り400メートルで手応えが怪しくなり、最後は完全に失速しつつも、1番人気ウインアピールの追い上げを半馬身残しました。「残り150メートルは歩いていた。でも、勝てたんだよ。あれは師匠が自信を持たせてくれた」。要所での的確なアドバイスは鞍上に勇気を与える。言葉の力は偉大です。

話が少しそれました。師匠の根本師と弟子の長浜騎手。世代を超えて、師匠は弟子の思いきりある騎乗を引き出しました。3月26日浦和7Rで、エコロセブンが3馬身差で逃げ切りに成功。根本師は長浜騎手にこう伝えていました。「ゲートを出て、真っすぐ追え。1ハロンしっかり追って、そこから考えなさい」。状況は46年前と同じ。言葉も世代を超えました。同騎手にとって通算2勝目は、鮮やかな地方初勝利となりました。

長浜騎手は師匠の思いを日々感じています。「気持ち的にも楽に乗れている気がします。まだ、どこがいい位置取りか、経験が少なくてわからないところばかりなので。先生(根本師)からは自分の考えを持って乗れるように、と言われています。早く思い通りに乗れるようになれれば」と上を見続けます。

今週から東京開催が始まります。長浜騎手は「東京は直線が長いので、仕かけるタイミング、脚がどれぐらい残っているのか、そこを感じながら乗りたいです。中山と違って、東京は向正面で高低差があるので、どうポジションを取るのか意識しつつですね。(競馬学校生時代に)模擬レースを乗ったときも、馬の息遣い、リズムを考えて乗ったら直線はしっかり伸びてくれた経験があるので」と、実戦を心待ちにします。土日で13鞍に騎乗。減量効果もあってか、デビュー後初の東京開催ながら、たくさんの騎乗依頼が集まりました。数万人の観衆が放つ大歓声を浴び、525・9メートルの直線を先頭で駆けるシーンを早く見たいです。【松田直樹】

85年、天皇賞・秋をギャロップダイナで制しガッツポーズする根本康広騎手。左は2着シンボリルドルフ

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浦和のルーキー千野稜真騎手が9Rエレガントジュエリで初勝利「冷静に騎乗できました」

浦和9Rをエレガントジュエリで制し初勝利を挙げた浦和の千野稜真騎手(左)

15日にデビューした千野稜真騎手(19=浦和・小久保)が18日、浦和9Rを3番人気のエレガントジュエリで勝ち、17戦目で初勝利を挙げた。スタートを決めて逃げ、最後は後続に詰め寄られたものの首差しのいだ。「ハナを取れという指示。取れた時にはよしっと思って、焦らず冷静に騎乗できました。2着のレースがあったので、絶対に差されないようにという気持ちで一生懸命追いました」と笑顔。勝利の瞬間は「すごくうれしかった。馬にありがとうという感じです」と喜びをかみしめていた。

18日の浦和9Rをエレガントジュエリで勝ち初勝利を挙げた浦和の千野稜真騎手(左から2人目)

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