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【センバツ】石川県勢初の優勝へあと2勝の星稜 地元の思い感じながらも気負わず/中村順司の目

【センバツ】石川県勢初の優勝へあと2勝の星稜 地元の思い感じながらも気負わず/中村順司の目

取材に応じる星稜・山下智将監督(中央)(撮影・滝沢徹郎)

昨秋明治神宮大会王者の星稜が、4強に勝ち上がった。石川県勢初の大旗取りにあと2勝に迫ってきた。

元監督の山下智茂名誉監督は、情熱的な指導で星稜を甲子園常連校に育て上げられた。そんなお父さんの背中を見て来られたのが、山下智将監督だ。高校時代は監督と選手の関係。私も経験があるが、「親子鷹」の監督がわが子を特別扱いせず、厳しく接しても、子どもは周囲に遠慮する。山下監督もいろんな気遣いをし、チームを率いる今の下地を作ったのではないか。

能登半島地震で被災した地元の思いを感じながら、準決勝以降も戦う。昨秋王者ならではの自信を随所に感じさせる好チーム。気負うことなく臨んでほしい。

対する高崎健康福祉大高崎はもともとすぐれた機動力を持つが、今大会では打撃技術の高さが目を引く。バットのヘッドが下がらず、しっかりボールを上からたたいて、野手の間を抜く鋭い打球を飛ばしている。総合力が高い。

投手力では、報徳学園・今朝丸君に目を見張った。左打者の内角、右打者の外角へぶれることなく、あれだけ直線的に投げ込める投手を久しぶりに見た。好投手を伝統の堅守が支える。日頃の鍛錬の成果を感じさせる報徳学園のようなチームの進撃は、全国の野球部にとっても励みになる。対戦相手の中央学院も蔵並君、颯佐君、臼井君ら強力な投手陣をそろえる。遊撃手でもある颯佐君は、しっかりした投げ方をしている。このカードも楽しみだ。

新基準のバットが導入されたセンバツ。「芯で捉えないと飛ばない」と言われる新バットの導入は、バットの正しい扱い方を身につけるきっかけになると思う。フライボール革命の影響か、バットのヘッドが下がり、こすったような打球を打ち上げる打者が最近の大会で気になっていた。バットは振るのではなく、打つもの。相手投手が打たせまいと思って投げてくる球を捉えるには、指先でしっかり握ってつかまえにいく。基本の大事さを思うきっかけになると期待を込め、残り3試合を見守る。(PL学園元監督)

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【センバツ】阿南光のエース吉岡暖、3戦計30Kで聖地去る「悔いはない」2回途中から直訴登板

星稜対阿南光 2回表星稜無死一、三塁、吉田を併殺に仕留めた吉岡(撮影・江口和貴)

<センバツ高校野球:星稜5-0阿南光>◇28日◇準々決勝◇甲子園

阿南光(徳島)は2安打完封負けで敗れ、初の4強はならなかった。

プロ注目の最速146キロ右腕、吉岡暖(はる)投手(3年)は、2回途中から救援して8回4安打1失点で5三振を奪った。だが、3試合連続登板で計30奪三振の力投報われず、聖地を去った。

疲れなどを考慮されて、3戦目にして初のベンチスタートとなったが、先発の大坂将太投手(2年)が早々に強力打線につかまり、「思ったより早くて、うれしかった」と2回途中から出番がやってきた。当初は4回めどの登板予定だったが、2回無死三塁、相手7番に適時打を打たれた直後、監督に「投げたくてしょうがなくて『いつ行くんですか』と聞きに行った」と直訴して、ブルペンへ。その後、無死一、三塁でマウンドに上がった。相手1番の二ゴロ併殺の間に1点を失ったが、続く2番を131キロで見逃し三振に仕留め「1点はOK。最少失点に抑えられた」と前を向いた。

3連投の影響か「張りもあった」という。それでも変化球を多投し「コントロール重視で、うまく打ち取れた」と投げ抜いた。2連続盗塁を許してピンチを拡大した4回1死三塁、相手8番の右前適時打で1点を失ったが「いい経験ができた。秋(明治神宮大会)優勝のチームと戦えて、経験はこれから人生で成長できると思う」と収穫を強調。今大会を振り返り「持ってる力は出しきれた。悔いはない」。夏へ、大きな財産となった。【菊川光一】

星稜対阿南光 阿南光2番手の吉岡(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 4回表星稜1死三塁、中島幹に適時打を浴びる吉岡(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 9回表終了後、阿南光・吉岡(右)と握手を交わす高橋監督(撮影・江口和貴)
星稜対阿南光 9回表終了後、阿南光・吉岡(右)をねぎらう高橋監督(撮影・江口和貴)

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【センバツ】星稜、創部63年目で県勢初の春4強 公式戦初先発の2年・戸田慶星が2安打完封 

星稜対阿南光 阿南光戦に先発する戸田(撮影・加藤哉)

<センバツ高校野球:星稜5-0阿南光>◇28日◇準々決勝◇甲子園

昨秋の明治神宮大会王者・星稜(石川)は、公式戦初先発の背番号18、戸田慶星(けいた)投手(2年)が9回2安打105球で公式戦初完封を飾った。捕手のリードにコントロールよく投げ分け、打たせて取る投球を披露。松井秀喜氏ら名だたる先輩が果たせなかった、同校史上初&石川県勢初のセンバツ4強入りを決めた。

チームはエースの佐宗翼投手(3年)を温存。1回戦の田辺(和歌山)戦で甲子園初登板し、2回無失点だった戸田が準々決勝の先発に抜てきされた。同校OBの奥川恭伸投手(ヤクルト)に憧れて入学した右腕は「その先輩を超えたとは…(笑い)」と謙虚に語ると、続けて「すごく光栄なことですけど、まだ自分にとっては憧れのチームというか存在」。小麦色に輝くユニホームに袖を通し、勝利のために腕を振れるうれしさをかみしめた。

能美誠也捕手(2年)は「(戸田は)緊張しやすいのでバッテリーのリズムを合わせることを考えた」と振り返った。公式戦初先発の2年生右腕を「緊張しないように、『(あえて)緊張しろ』と言いました。緊張がダメと言えばそっちにのめり込むと思う」と絶妙にコントロール。息を合わせた丁寧な配球で、相手打線を手玉に取った。

創部63年目にして、星稜に春の優勝旗が少しずつ見えてきた。

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【センバツ】快進撃止まった阿南光 土は持ち帰らず聖地去る 高橋監督「戻ってきたい」

星稜対阿南光 阿南光2番手の吉岡(撮影・江口和貴)

<センバツ高校野球:星稜5-0阿南光>◇28日◇準々決勝

阿南光(徳島)の快進撃が止まった。星稜・戸田慶星投手(2年)の前に2安打完封負け。昨秋の明治神宮大会王者に屈した。だが2試合連続2桁奪三振のエース吉岡暖(はる=3年)を軸に、センバツ3試合で鮮烈な印象を甲子園に残した。試合後、選手たちは甲子園の土を集めることなく、グラウンドをあとにした。

高橋徳(あつし)監督(41)は選手たちをねぎらい「出た課題を夏までに克服して、また戻ってきたいです」と、連続出場を誓った。

星稜対阿南光 阿南光先発の大坂(撮影・江口和貴)

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【センバツ】星稜、ゴジラ超えなるか 阿南光は2試合連続2桁Kの吉岡暖が盤石/第9日見どころ

星稜・佐宗翼(左)と阿南光・吉岡暖

<センバツ高校野球:星稜-阿南光>◇28日◇準々決勝

昨秋明治神宮大会王者の星稜(石川)が、同校初のセンバツ8強超えを狙う。1回戦は21世紀枠で出場した田辺(和歌山)と接戦を演じたが、9回に勝ち越しの2点を奪って突き放した。2回戦・八戸学院光星(青森)戦も熱戦となったが、エース佐宗翼(3年)が大会注目の好投手、洗平比呂(3年)に投げ勝った。能登半島地震の被災地、石川県の代表としての意識も高く、接戦を制する集中力につなげている。松井秀喜(元ヤンキース)ら名だたるOBも果たせなかった春の8強超えに挑む。

対する阿南光は、投打のバランスのよさが光る。エース吉岡暖(はる=3年)は、1回戦・豊川(愛知)戦は11奪三振4失点完投。2回戦は熊本国府を5安打14奪三振無四球で完封した。徳島県勢のセンバツでの1大会2度の2桁奪三振は「阿波の金太郎」と呼ばれた83年池田・水野雄仁(元巨人)投手以来の快挙。好投を続けるエースを、打線も勝負どころの好打で援護する。楽しみな対戦になりそうだ。

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【センバツ】八戸学院光星「恥ずかしがり屋だった」4番山本優大の適時打ガッツポーズに母は涙

八戸学院光星対星稜 3回表八戸学院光星2死二塁、山本は中2点適時打を放つ(撮影・前岡正明)

<センバツ高校野球:星稜3-2八戸学院光星>◇25日◇2回戦

八戸学院光星(青森)が、昨秋の明治神宮大会を制した星稜(石川)に2-3の惜敗。先発したエース左腕の洗平比呂投手(3年)が初回に2失点を喫し、いきなり主導権を握られたが、0-2で迎えた3回2死満塁で4番山本優大外野手(3年)が中前2点適時打。神宮優勝投手の相手エース左腕・佐宗翼投手(3年)から、山本の適時打を含む7安打を挙げる意地を見せた。

4番の一打が堅守を崩した。2死満塁という絶好のチャンスで打席に立った山本は「前のバッターたちが塁に出てくれたので、『返す』という気持ちだけで打席に立ちました」。2球目の内角直球を狙い打ち。ピッチャー返しの鋭い打球は二遊間を突き破る同点適時打となった。試合を振り出しに戻した山本は一塁上で力強くガッツポーズ。「ベンチの期待に応えられた。『やった』という気持ちでガッツポーズしました」と振り返った。

小さい頃は恥ずかしがり屋だった。母慶子さんは「恥ずかしがり屋で、自分から前に出るタイプではなかった。だから4番でやるっていうのが、なんかもう信じられなくって」。1回戦では1-2で迎えた9回に、先頭打者として左前打で出塁。タイブレークにつながる一打で勝利に貢献した。そしてこの日は、同点適時打。母慶子さんは、「甲子園でプレーするっていうのが小さい頃からの夢やったんで。そこで打ってくれるっていう…。もうすごく感動しました」。息子が塁上でガッツポーズする姿に思わず涙を流した。

昨秋の東北大会決勝では青森山田にノーヒットノーランを食らった。「打の光星」が、前評判では「ピッチャーがいい」と言われていてることに悔しさもあった。「ピッチャーを助けよう、打撃を見せてやろうという思いだった。自分が『バッティングを引っ張ろう』って思いでずっと冬場やってきた」。「打の光星」で4番を任されるということにプレッシャーはあったが、「そこに負けていたら勝ち続けられないので。練習から自信をつけている」。恥ずかしがり屋の少年は、自信あふれる4番になった。夏に向けて、「あの1点が、あのエラーがというのがないように。自分たちのできることを精いっぱいやっていきたい」。この経験を糧に、任された役目にさらに似合う男になる。【濱本神威】

八戸学院光星対星稜 3回表八戸学院光星2死二塁、山本は中2点適時打を放つ(撮影・前岡正明)
八戸学院光星対星稜 3回表八戸学院光星2死二塁、山本の中2点適時打で生還する渡部(撮影・前岡正明)
八戸学院光星対星稜 3回表八戸学院光星2死満塁、山本優大は中適時打を放つ(撮影・石井愛子)

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【センバツ】八戸学院光星が星稜に惜敗 エース洗平比呂8回3失点「初回がすべてだった」と淡々

八戸学院光星対星稜 八戸学院光星先発の洗平(撮影・前岡正明)

<センバツ高校野球:星稜3-2八戸学院光星>◇25日◇2回戦

昨秋王者の壁を越えられなかった。八戸学院光星(青森)が昨秋の明治神宮大会を制した星稜(石川)に2-3で敗れ、8強入りならず。砂子田陽士主将(3年)は「星稜高校さんの方が、得点に対する気持ちや勝負に対する気持ちが1つ上だった」と悔やんだ。

初回がすべてだった。エース左腕の洗平比呂投手(3年)が先発。18日の1回戦では関東第一(東京)に156球の力投を見せ、9回2失点。初回は空振り三振に始まり、打者3人で終えていた。しかしこの日は、1回の先頭打者に四球を与えると、犠打を挟み2連打を浴びて失点。その後も暴投で走者を進めるなど精彩を欠いたプレーで、この回に2点を献上した。洗平は「軽く入ってしまった初回だった。初回が全てだった」と、淡々と振り返った。

仲井宗基監督(53)は「入りが全てですね。投打全ての面で星稜さんが上だった」と総括。洗平の入り方については「エンジンのかかり方、闘争心、向かっていく気持ちが足りない投球だった」と苦言を呈した。青森には、ともにセンバツに出場した青森山田もおり、勝ち進むのは容易ではない。洗平は「この星稜戦を忘れないように全員でまた夏に帰って来られれば」。決意を新たに、再スタートを切る。

八戸学院光星対星稜 八戸学院光星先発の洗平(撮影・前岡正明)
八戸学院光星対星稜 八戸学院光星先発の洗平(撮影・滝沢徹郎)
八戸学院光星対星稜 八戸学院光星先発の洗平(撮影・滝沢徹郎)
八戸学院光星対星稜 八戸学院光星先発の洗平(撮影・滝沢徹郎)
八戸学院光星対星稜 八戸学院光星先発の洗平(撮影・滝沢徹郎)
八戸学院光星対星陵 八戸学院光星先発の洗平比呂(撮影・石井愛子)
八戸学院光星対星稜 八戸学院光星先発の洗平(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】八戸学院光星・洗平比呂「間隔空けた方が自分の中では良い」2日連続中止も不安なく

室内練習場でウオーミングアップをする八戸学院光星エース洗平(左)らナイン(撮影・上田博志)

<センバツ高校野球>◇24日◇甲子園

24日に順延となった大会第6日の第2試合、八戸学院光星(青森)-星稜(石川)2回戦は、またしても雨天のため順延。第82回大会以来、14年ぶりの2日連続中止となった。

18日の関東第一(東京)戦に先発し、156球の熱投を見せた洗平比呂投手(3年)は「疲れはやっと抜けてきたという感覚です」。ここ2日の室内練習は体幹とストレッチに費やした。ブルペンには入っていないが「(初戦で)156球投げたので、その感覚は残っている」と不安はない。

昨秋の東北大会では、準々決勝日大山形戦で先発し7回完投。中1日で迎えるはずの準決勝は雨天順延となり、迎えた準決勝学法石川(福島)戦では1安打完封の快投を見せた。「ある程度、間隔を空けた方が自分の中では良いのかなと思っています」。この2日間の休養でコンディションは万全だ。

洗平は星稜打線について「投打ともにバランスが良い。ガンガン振ってくるタイプのバッターもいて、1発もある打者がいっぱいいるので、丁寧に投げて、甘いところにいかないようにしたい」と分析。相手は昨秋の明治神宮大会覇者だが、「自分たちはチャレンジャーの姿勢でいければなって。チーム全員で勝てればいい」と気後れはない。恵みの雨でコンディションを万全に整えた八戸学院光星が、昨秋王者に立ち向かう。

室内練習場でウオーミングアップをする洗平(左から2人目)らナイン
室内で練習する八戸学院光星エース洗平(撮影・上田博志)
室内で体幹トレーニングをする洗平(中央)
八戸学院光星エース洗平(中央)は室内でトレーニングをする(撮影・上田博志)

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【センバツ】屈指の好左腕同士が直接対決 星稜・佐宗VS八戸学院光星・洗平/第6日見どころ

星稜・佐宗翼(左)と八戸学院光星・洗平比呂

<センバツ高校野球:星稜-八戸学院光星>◇25日◇2回戦◇甲子園

大会屈指の好左腕同士が、2回戦で直接対決する。昨秋の明治神宮大会を制した星稜(石川)の最速143キロを誇る佐宗翼投手(3年)と、八戸学院光星の最速147キロの洗平(あらいだい)比呂(3年)が、8強入りをかけ相まみえる。

佐宗は21世紀枠の田辺(和歌山)を相手に、本調子ではない中でも6回2失点とゲームメーク。洗平は関東第一を相手に9回を投げ抜き、2失点と奮闘した。延長タイブレークで登板した岡本琉奨投手(3年)も直球の最速が148キロで、盤石の左腕2枚看板で星稜打線に襲いかかる。

初戦で佐宗は83球、洗平は156球を投じた。2日連続の雨天順延で中6日空けての登板となり、ともに休養は十分。ロースコアゲームが予想される。

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【センバツ】八戸学院光星”打倒星稜”へ「恵みの雨」砂子田主将「打撃もみんな上がってきた」

室内練習場で調整する八戸学院光星の選手たち(撮影・滝沢徹郎)

「恵みの雨」で8強入りだ。23日に予定されていた八戸学院光星-星稜(石川)2回戦は、雨天のため順延。仲井宗基監督(53)、砂子田陽士主将(3年)は順延を、初戦の関東第一(東京)戦で156球の力投を見せたエース洗平比呂投手(3年)をはじめ、選手が休養を取れることや、1日多く練習できると前向きに捉えた。24日も予報は今ひとつだが、それも”恵み”と捉え、来たる2回戦に照準を合わせる。

   ◇   ◇   ◇

前日から”打倒星稜”に向け、気持ちをつくっていた。それだけに砂子田は「正直なところ言うと、『あ、中止か』とはなった」。しかし、すぐに「もう1日練習できるんだ」と切り替えて調整。しっかりとバットを振り込んだ。砂子田は「バッティングもみんな(調子が)上がってきたので、恵みの雨になったかなと思います」。チームは開幕ギリギリの16日まで練習試合などを行い、急ピッチで仕上げてきた。そのため、選手には疲労があったが、指揮官は「洗平だけじゃなく、1日でも日にちがあればコンディション的には万全な形に持っていける」。休息はチームにとってプラスと捉えた。

次は昨秋の明治神宮大会覇者・星稜が相手。砂子田は「佐宗くんはすごくコントロールもいいし、良い変化球も持っている。それにどう対応していくかがカギになってくると思う」と相手エース左腕、佐宗翼投手(3年)を警戒。打撃練習で左投手を打ち込み、イメージを固めた。砂子田は打線について「日に日に(調子が)上がっている。みんなけっこう飛ばしていましたし、低いライナーも出ていた」と好感触。好投手を攻略し、勝利をたぐり寄せる。

開幕戦を制した八戸学院光星に続き、同県の青森山田もサヨナラ勝ちで初戦を突破。センバツでの同一県勢アベック勝利は、東北勢初。砂子田は「(青森山田は)サヨナラという形ですごく勢いに乗っていると思う。青森山田さんと決勝でできるように、次の一戦にしっかり勝てるように頑張りたい」と意気込んだ。昨秋神宮王者の壁を越え、同県対決を夢見て、決勝まで上り詰める。【濱本神威】

室内練習場で調整する八戸学院光星の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
室内練習場で調整する八戸学院光星の選手たち(撮影・滝沢徹郎)
室内練習場で調整する選手に指示を出す八戸学院光星・仲井監督(撮影・滝沢徹郎)
室内練習場で調整する八戸学院光星・洗平(手前)(撮影・滝沢徹郎)
室内練習場でリラックスした表情の八戸学院光星・洗平(中央)ら(撮影・滝沢徹郎)
室内練習場で調整する八戸学院光星・洗平(撮影・滝沢徹郎)
室内練習場で調整する選手を見守る八戸学院光星・仲井監督(撮影・滝沢徹郎)
室内練習場で調整する八戸学院光星・洗平(後方から2人目)ら(撮影・滝沢徹郎)

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【センバツ】神村学園、鹿児島県勢の甲子園春夏通算100勝達成 V候補の作新学院を攻守に圧倒

作新学院対神村学園 1回表作新学院1死、土井を三振に仕留め雄たけびを上げる上川床(撮影・浅見桂子)

<センバツ高校野球:神村学園6-3作新学院>◇22日◇1回戦

昨夏甲子園4強の神村学園(鹿児島)が明治神宮大会準Vの作新学院(栃木)を6-3で下し、甲子園開場100周年に県勢としても甲子園春夏通算100勝を達成した。昨夏甲子園メンバーの4番正林輝大外野手(3年)の右越えソロなどで4点を奪い、プロ注目の最速147キロ右腕、小川哲平投手(3年)を5回4失点で降板させた。投げては4投手による3失点リレーで逃げきり。攻守にV候補を圧倒した。

  ◇  ◇  ◇

プロ注目の「江川2世」を攻略し、鹿児島県勢100勝を達成した。小田大介監督(41)が「心のスタミナを削る打席で、相手投手の気分が乗らない嫌な攻撃をしたい」と入魂した“桜島打線”がさく裂した。

先制点は2回2死一、三塁から執念でもぎ取った。昨夏甲子園メンバーの2番増田が初球141キロ直球にしぶとく食らいついた。逆方向の左翼線に適時二塁打を放ち、チームは一気に勢いづいた。

3回は先頭の4番正林が相手エースの武器、カットボールを打ち砕いた。「気持ちで勝負した」と初球の内角低めを振り抜き、高校通算14号で今大会2号となる右越えソロ。「距離がどうかと思ったのでホッとした」。ライナー性の飛球がポールを巻くと、一塁を蹴ってガッツポーズだ。

さらに5回1死満塁では9番川下主将の遊撃強襲2点打で突き放し、大会屈指の好投手を5回でマウンドから引きずり下ろした。

小田監督は試合前、小川対策を練っていた。「高めのボールが力強いので振らされないこと。膝元に来るスライダー、カットボール、チェンジアップを見極め、カウントを取りにくるベルト線のボールをスイングできるかがポイント」。150キロ設定のマシンを打ち込んだ時間も生きた。

甲子園開場100周年と重なるメモリアル星。川下主将は「100年目の年に勝てることは当たり前じゃない。感謝の気持ちを持って次の試合でもやっていきたい」と力を込めた。偉業を励みに、2回戦は優勝候補の大阪桐蔭に挑む。【菊川光一】

◆鹿児島県勢100勝 神村学園が勝ち、鹿児島県勢は春夏通算100勝目。県内の学校別勝利数上位は(1)鹿児島実33勝(2)樟南28勝(3)鹿児島商、神村学園=各15勝。

○…神村学園はエース今村につなぐ4投手3失点リレーで逃げ切った。1年秋の九州大会以来の公式戦登板だった先発左腕の上川床が抜群の制球力を披露し、3回の無死満塁を切り抜けるなど5回まで無失点。100キロ台のカーブも有効活用し「変化球を交えながらストレートを生かすことができた」と先発抜てきに応えた。2点を返された6回途中からは継投に入り、流れを渡さなかった。

▽神村学園・2番増田(2回に先制打)「ボールが強いので力負けしないように、低い打球を心がけて打つ練習はしていました。練習通り低い打球が打てたので、いい結果になりました」

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作新学院対神村学園 1回表作新学院2死一、二塁、柳沼翔を三振に仕留め雄たけびを上げる上川床(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 3回裏神村学園無死、神村学園・正林は大会2号となるソロ本塁打を放ち一塁を回る(撮影・上田博志)
作新学院対神村学園 2回裏神村学園2死一、三塁、増田は先制適時二塁打を放つ(撮影・上田博志)
作新学院対神村学園 2回裏作新学院2死一、三塁、増田は先制適時二塁打を放つ(撮影・上田博志)
作新学院対神村学園 初戦突破し、アルプスの応援団と喜び合う神村学園の選手たち(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 勝利した神村学園ナインはアルプスめがけてダッシュ(撮影・上田博志)(撮影・上田博志)

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【センバツ】神村学園がV候補下し鹿児島県勢100勝“江川2世”作新学院エース小川哲平を攻略

作新学院対神村学園 作新学院に勝利し笑顔を見せる神村学園ナイン(撮影・上田博志)

<センバツ高校野球:神村学園6-3作新学院>◇22日◇1回戦

昨夏甲子園4強の神村学園(鹿児島)が、昨秋の明治神宮大会準Vの作新学院(栃木)を6-3で下し、県勢として春夏通算100勝を達成した。最速147キロ右腕、小川哲平投手(3年)対策が実り、4番正林輝大外野手(3年)の右越えソロ本塁打などで4点を奪い、大会屈指の好投手を5回で引きずり下ろした。投げては、4投手による粘り強い継投で3失点。投打にV候補を圧倒した。

今秋ドラフト候補の“江川2世”打ちで、県勢100勝を成し遂げた。小田大介監督(41)が「心のスタミナを削る打席で、相手投手の気分が乗らない嫌な攻撃をしたい」と意気込んだ「魂の野球」がさく裂だ。

先制点は2回2死一、三塁からの執念で生まれた。昨夏甲子園メンバーの2番増田有紀内野手(3年)が、初球の141キロ直球にしぶとく食らいつき、逆方向の左翼線適時二塁打を放ち勢いづいた。

3回無死から「気持ちで勝負した」という、こちらも昨夏甲子園経験者の4番正林外野手が、相手エースが得意とする初球の内角低めカットボールを、通算14本目となる右越えソロ本塁打。今大会2号は「切れるとは思わなかったが、距離がどうかと思った。ホッとした」というポール際の当たりだったが、一塁を回ってガッツポーズが飛び出す値千金弾。さらに、5回1死満塁から、9番川下主将の遊撃強襲の2点適時打で突き放し、打好投手の士気を砕いた。5回で降板させた。

相手の継投策にも屈せず、8回にダメ押しの2得点。V候補を攻守に圧倒しての県勢100勝に、小田監督は「夏ちょっと達成できなかったので、達成できて。もうそれは鹿児島県の先人、みなさんや先輩方が築き上げてきたものなのでそれが今度は101勝、102勝ともっともっと積み重ねられるように。鹿児島県の方々にいい報告ができるようにまた頑張りたいと思います」と意気込んだ。

作新学院対神村学園 神村学園が作新学院に勝利し、鹿児島県勢の「甲子園100勝」を達成した(撮影・上山淳一)
作新学院対神村学園 初戦突破し、アルプスの応援団と喜び合う神村学園の選手たち(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 神村学園が作新学院に勝利し、鹿児島県勢の「甲子園100勝」を達成した(撮影・上山淳一)
作新学院対神村学園 力投する神村学園・上川床(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 力投する神村学園・上川床(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 1回表作新学院1死、土井を三振に仕留め雄たけびを上げる上川床(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 2回裏作新学院2死一、三塁、増田は先制適時二塁打を放つ(撮影・上田博志)
作新学院対神村学園 1回表作新学院2死一、二塁、柳沼翔を三振に仕留め雄たけびを上げる上川床(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 1回表作新学院2死一、二塁、柳沼を三振に仕留め雄たけびを上げる上川床(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 3回裏神村学園無死、正林は右越え本塁打を放ちガッツポーズで三塁を回る(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 3回裏神村学園無死、正林(手前)に右越え本塁打を許し、悔しそうに見つめる小川哲(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 3回裏神村学園無死、正林(左)が右越え本塁打を放ち笑顔で迎える選手たち(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 3回裏神村学園無死、正林(右から2人目)が右越え本塁打を放ち笑顔で迎える小田監督(左)(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 2回裏作新学院2死一、三塁、増田は先制適時二塁打を放つ(撮影・上田博志)
作新学院対神村学園 5回裏神村学園1死満塁、川下は遊撃2点適時内野安打を放つ(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 2回裏作新学院2死一、三塁、増田は先制適時二塁打を放つ(撮影・上田博志)
作新学院対神村学園 5回裏神村学園1死満塁、川下に遊撃2点適時内野安打を許し、喜ぶ神村学園の選手の横でぼう然とした表情の小川哲(左)(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 5回裏神村学園1死満塁、打者川下にベンチから声をかける小田監督(中央)(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 3回裏神村学園無死、神村学園・正林は大会2号となるソロ本塁打を放つ(撮影・上田博志)
作新学院対神村学園 3回裏神村学園無死、神村学園・正林は大会2号となるソロ本塁打を放つ(撮影・上田博志)
作新学院対神村学園 9回表作新学院の攻撃を抑えた今村(中央)は、雄たけびを上げて喜ぶ(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 作新学院に勝利し、応援席へあいさつする神村学園の小田監督(手前)ら選手たち(撮影・上山淳一)
作新学院対神村学園 9回表作新学院の攻撃を抑えた今村(左)は、雄たけびを上げて喜ぶ(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 9回表作新学院の攻撃を抑えた今村(中央)は、雄たけびを上げて喜ぶ(撮影・浅見桂子)
作新学院対神村学園 作新学院に勝利した神村学園ナインはアルプス応援団席へ笑顔で駆けだす(撮影・上田博志)
北海対大阪桐蔭 6回裏大阪桐蔭無死一、三塁、ラマルは右飛を放ち犠飛とする(撮影・上山淳一)

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【甲子園データ】桑田真澄、西村健太朗に続く雪辱Vなるか 広陵・高尾響は春夏連続優勝校に黒星

広陵対高知 広陵先発の高尾響(撮影・石井愛子)

<センバツ高校野球:広陵3-1高知>◇21日◇1回戦

広陵・高尾響投手(3年)が9回1失点(自責点0)で好発進した。

高尾は昨年、センバツ準決勝で山梨学院に8回までスコア1-1も9回に5失点。夏の3回戦は慶応にタイブレークで敗れ、春夏連続で優勝校に黒星を喫した。同様のケースは98年上重聡(PL学園=春夏とも横浜に●)らがおり、最近では19年中森俊介(明石商=春は東邦、夏は履正社に●)以来だった。

春夏連続で優勝校に屈しながら、その後に優勝した例がある。84年桑田真澄(PL学園)は春に岩倉、夏は取手二に●。翌85年夏に優勝した。広陵の先輩で元巨人の西村健太朗は02年春に報徳学園、夏は明徳義塾に●も、03年春に優勝投手となった。高尾の場合は春夏に加え秋の明治神宮大会でも優勝した星稜に敗れているが、前年の屈辱を晴らした桑田や西村に続きたい。【織田健途】

広陵対高知 広陵先発の高尾響(撮影・石井愛子)
広陵対高知 広陵先発の高尾響(撮影・石井愛子)
広陵対高知 広陵先発の高尾響(撮影・石井愛子)
広陵対高知 力投する広陵・高尾(撮影・浅見桂子)
力投する広陵・高尾(撮影・浅見桂子)
広陵対高知 4回表広陵1死、高尾は左前打を放つ(撮影・上山淳一)
広陵対高知 力強い投球をみせる広陵先発の高尾(撮影・上山淳一)
広陵対高知 力強い投球をみせる広陵先発の高尾(撮影・上山淳一)
広陵対高知 4回裏高知1死、大石を三塁ゴロに仕留めた高尾は笑顔で三塁手を指さす(撮影・浅見桂子)
広陵対高知 4回裏高知1死、大石を三塁ゴロに仕留めた高尾は笑顔で三塁手を指さす(撮影・浅見桂子)
広陵対高知 高知に勝利した広陵の中井監督(左)は試合後、エース高尾(中央)と捕手只石に話しかける(撮影・上山淳一)
広陵対高知 完投勝利の広陵・高尾響(撮影・石井愛子)
広陵対高知 4回裏高知1死、大石を三塁ゴロに仕留めた高尾は笑顔で三塁手を指さす(撮影・浅見桂子)

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【センバツ】青森山田“木の力”でサヨナラ勝ち「自分は木製の方が飛ばせる」吉川勇大2安打躍動

京都国際対青森山田 9回裏青森山田1死、吉川は中越え三塁打を放つ(撮影・浅見桂子)

<センバツ高校野球:青森山田4-3京都国際>◇21日◇1回戦

“木の力”で初戦突破だ。青森山田が京都国際をサヨナラで破り、3度目の出場でセンバツ初勝利を挙げた。クリーンアップ2選手が木製バットを使用。5番吉川勇大内野手(3年)が9回にサヨナラにつながる三塁打を放つなど、2安打の活躍で打線をけん引。低反発バットが導入された大会で、あえて木製バットにこだわり、結果を出した。

  ◇  ◇  ◇

木製バットの快音が甲子園に響いた。同点の9回1死、吉川が2球目の真ん中直球を振り抜くと、打球は中堅手の頭上を越えた。一気に三塁を陥れ、続く伊藤英の一打で右拳を突き上げながら本塁へ。「やっぱりうれしい。(みんな)喜んでました」と笑った。

1回の第1打席ではチャンス拡大の左前打。「(秋は)とても悔しくて。それでも冬の練習を頑張ってきて、こうやってグラウンドに立てた」。秋はケガに泣き、東北大会、明治神宮大会は控えに回った5番打者が、勝負強さを発揮した。

使用を示唆する選手はいたが、今大会で木製を使ったのは青森山田の2人が初めて。吉川自身、この先より高いレベルで野球をやることも視野に入れ、昨秋のチーム練習で低反発バットを使うようになっても、1度も試さなかった。相棒は日本ハム松本剛モデルのメープルバットで890グラム、重心はミドル。バッティンググラブを革製からゴム製に変更するなど、滑り対策も万全。「自分は木製の方が飛ばせるのかなと思う」と、感覚を結果で示した。

小さなころから道具を大事に扱い、「(バットが折れたことは)1回もないです」と胸を張る。父永利さん(46)も「毎日磨いていて、親ながら感心しています」とうなずく。その習慣は甲子園に出場した今でも同じ。「練習でも使った道具はその日に磨く。毎日やってます」。この日の相棒も前日に丁寧に磨き、晴れ舞台に備えた。

目標は「ここぞという場面で打てるようなバッター」だ。言葉通りにチームにセンバツ初勝利を呼び込んだが、満足はしていない。「どんなバットを使っても結果出すのは変わらない。チームの勝利が一番なので、勝利につながる一打を打てれば」。木製バットも信念も、折ることなく貫いていく。【濱本神威】

京都国際対青森山田 9回裏青森山田1死、吉川は中越え三塁打を放ちガッツポーズ(撮影・浅見桂子)
京都国際対青森山田 1回裏青森山田2死一塁、左前打を放つ吉川(撮影・上田博志)
青森山田-京都国際 1回裏青森山田2死一塁、吉川勇大は木製バットで左前打を放つ(撮影・石井愛子)
京都国際対青森山田 1回裏青森山田2死一塁、吉川は木のバットで左前打を放つ(撮影・上山淳一)
1回、左前適時打を放つ青森山田・吉川
木製バットで打撃練習をする青森山田・吉川勇大(撮影・石井愛子)

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【センバツ】北海、22日大阪桐蔭と初戦へ「150キロマシン」で対策「点取らないと勝てない」

球速を150キロに設定したマシンを使って目を慣らす練習をする北海の片岡(撮影・石井翔太)

第96回選抜高校野球大会に北海道代表として出場する北海は21日、兵庫県伊丹市内で22日の1回戦、大阪桐蔭戦に向けて最後の練習を行った。打撃練習では球速を150キロに設定したピッチングマシンを使って目を慣らし最終調整。大阪桐蔭の最速150キロ超えを誇る2人の右腕を打ち、13年ぶりのセンバツ1勝をつかみ取る。

  ◇  ◇  ◇

北海が大阪桐蔭の豪腕ぞろいの投手陣に徹底抗戦する。150キロに設定したピッチングマシンを使って、球筋やタイミングなどを図りながら目を慣らした。最速150キロ超えの右腕2人をそろえる相手の強力投手陣を想定した模擬戦を完了させた。平川敦監督(52)は「点数を取らないと勝てないですから。打つべくと思って目慣らしをした」と話した。

昨夏の甲子園に続き、昨秋も1番を任された片岡誠亮外野手(3年)は得意とする直球を捉えるイメージがすでにできている。「真っすぐに絞りたい」と真っ向勝負に挑む。練習ではセンター返しを想定しながらマシンから繰り出される球を見極めた。「レフト方向はファウルになると思うのでセンターに打てるようなタイミングで打とうと思っています」とイメージを膨らませた。

豪腕攻略には打撃に加え、機動力も使う。片岡は塁間を3・7秒で走る俊足の持ち主。盗塁より犠打で塁を進めるのがチームの定石だが、昨秋の公式戦ではチームトップの3盗塁を決めた。片岡と足の速さで争う谷川凌駕内野手(3年)との1、2番コンビで攻撃の起点をつくる。片岡は「2人でチャンスをつくれるように」と、好投手をかき乱して1点をもぎ取る野球を目指す。

昨秋の明治神宮大会では最速147キロ右腕の小川哲平投手(3年)を擁する作新学院に敗れたが、150キロ級の球速を肌感覚で体感する機会になった。一塁手の金沢光流主将(3年)は「小川投手の球を見ているのでそれくらいだろうと思っている」。大阪桐蔭の投手陣を攻略できれば勝機は大きくなる。「全国の人が大阪桐蔭が勝つと思っていると思うけど、それは悔しいので見返してやりたい」と、豪腕対策を生かして1勝を挙げる。【石井翔太】

○…北海の主戦格、背番号11の松田収司投手(2年)が大阪桐蔭戦に向けて最後の投球練習を行った。ブルペンで直球やカーブ、スライダーなど全球種を計25球投げ込んだ。「変化球が良かった。コントロールを意識して投げたい」と初戦を見据えた。登板すれば初めての甲子園での投球となるが、いつも通りの投球だけを意識する。「緩急を付けて、高さに気を付けたい」と意気込んだ。

球速を150キロに設定したマシンを使って目を慣らす練習をする北海の片岡(撮影・石井翔太)
北海・松田収司

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【センバツ】作新「江川2世」小川哲平vs昨夏甲子園メンバー10人擁す神村学園/第5日見どころ

甲子園で練習をする作新学院のエース小川(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:神村学園-作新学院>◇22日◇1回戦

昨秋明治神宮大会で準優勝した作新学院(栃木)の「江川2世」こと、最速147キロ右腕の小川哲平投手(3年)が、快投を演じるか。対する昨夏の甲子園4強メンバー10人を擁する神村学園(鹿児島)は、しぶとく食らいついて勝機を見いだしたい。

小川は初戦へ向けて「受け身になったら相手の思うつぼなので、強気のピッチングをしていきたい」と燃えている。

一方で、神村学園は、得意のカットボールをはじめ、スライダー、チェンジアップ、カーブを巧みに操る小川攻略がカギを握ることは百も承知。明治神宮大会決勝を現地観戦したという小田大介監督(41)によると「生で見て強烈だった」という手ごわい相手エースの壁は高い。だが、自チームにも「成長を感じている。チーム力で勝負したい」と話しており、難敵撃破で、県勢の春夏通算100勝目を成し遂げる覚悟だ。

センバツ開会式のリハーサルで行進する神村学園の選手たち(撮影・浅見桂子)

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【センバツ】田辺76年ぶり勝利ならずも、明治神宮王者の星稜相手に大善戦 寺西邦右「財産に」

星稜対田辺 力投する田辺先発の寺西(撮影・浅見桂子)

<センバツ高校野球:星稜4-2田辺>◇18日◇1回

76年ぶりに聖地1勝を目指した田辺(和歌山)が、昨秋明治神宮大会王者の星稜(石川)と熱戦を演じた。

1-2の4回にスクイズで追いつき、8回まで2-2と1歩も引かず。9回に星稜に引き離されたが、最後の攻撃でも主砲の山本陣世内野手(3年)が昨年までのバットならスタンドインと思われるような大飛球を放ち、超満員のアルプスを沸かせた。試合後の取材通路に現れた田中格(かく)監督(51)は開口一番「選手たちは十二分にやってくれました」と、まず教え子たちをねぎらった。

試合前から、心は騒いだ。甲子園練習で体感はしていたが、観客の入った聖地は格別だった。「すごいな、最高やな。代わってくれよ。おれ、監督より選手で出たいわ、と選手たちには言いました。すてきな場所です。本当に代わってほしかった」とOBの監督は、興奮を抑えられなかった。昨秋の県予選で市和歌山、智弁和歌山など強豪を撃破してつかんだセンバツ切符。切符の重みを実感した。

熱闘を終え、夏も必ず…の思いは、いっそう強くなった。「星稜さんにはないようなミスがあった。そのミスをなくして、夏に向けて詰めていきたい」と目標は明確に。4失点完投のエース寺西邦右(ほうすけ=3年)は「甲子園は憧れの舞台だったので、そこで投げられたっていうのはやっぱり自分にとって財産になるなと思ってます。夏に向けて、自分の今日の試合でダメだったところを改善して万全の状態でまた甲子園に戻ってきたい」と目標は明確に。マウンドにも打席にも届いた大声援を「とてもうれしかった」とかみしめた。忘れられない思い出を胸に、夏に向かう。

星稜対田辺 星稜に負け肩を落とす田辺ナイン(撮影・石井愛子)
星稜対田辺 選手に声をかける田辺・田中格監督(撮影・石井愛子)
星稜対田辺 8回表星稜2死一、二塁 星稜・服部航を空振り三振に抑え笑顔でベンチに引き揚げる田辺・寺西邦右(撮影・石井愛子)
星稜対田辺 4回裏田辺1死三、前田がスクイズを決め、笑顔で迎える田中監督(中央)(撮影・浅見桂子)
星稜対田辺 4回裏田辺1死三、前田はスクイズを決める(撮影・浅見桂子)
星稜対田辺 4回裏田辺1死三、前田はスクイズを決める(撮影・浅見桂子)
星稜対田辺 6回表星稜無死、芦硲の打球を互いに追って、ぶつかりそうになりながら好捕する岡本(左)(撮影・浅見桂子)
星稜対田辺 3回裏田辺2死二塁、岡本の右適時打で同点とし、笑顔で迎える田中監督(中央)(撮影・浅見桂子)
星稜対田辺 3回裏田辺2死二塁、岡本は右適時打を放つ(撮影・浅見桂子)
星稜対田辺 3回裏田辺2死二塁、岡本は右適時打を放つ(撮影・浅見桂子)
星稜対田辺 田辺先発の寺西邦右(撮影・石井愛子)
星稜対田辺 選手にサインを出す田辺・田中格監督(撮影・石井愛子)
星稜対田辺 選手に声をかける田辺・田中格監督(撮影・石井愛子)
星稜対田辺 2回表星稜無死、田辺先発の寺西は萩原を空振り三振に仕留める(撮影・上山淳一)
星稜対田辺 2回表星稜無死、田辺先発の寺西(撮影・上山淳一)
星稜対田辺 3回裏田辺2死二塁、田辺・岡本和樹は同点の右適時打を放つ(撮影・石井愛子)
星稜対田辺 力投する田辺先発の寺西(撮影・浅見桂子)
星稜対田辺 試合を前に話す田辺のエース寺西(右)と捕手前田バッテリー(撮影・上山淳一)

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【センバツ】熊本国府が初出場初勝利 “山本由伸”坂井理人→“トルネード”植田凰暉が鉄壁継投

近江対熊本国府 熊本国府先発の坂井(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:熊本国府2-1近江>◇18日◇1回戦3試合

九州王者の熊本国府が、延長10回タイブレークの末、サヨナラ勝ちで近江を下し、初出場初勝利を成し遂げた。

1-1で迎えた延長10回裏だった。1死満塁から、相手投手の暴投で勝負を決めて、新たな歴史を刻んだ。10回表1死一、二塁のピンチを、8回から救援したトルネード投法の左腕、植田凰暉(ごうき)投手(3年)が渾身(こんしん)の直球で併殺にしのいで流れを引き寄せた。植田は「初出場で、応援してくださる方に1勝を報告できてうれしい」と声を弾ませた。

自慢のバッテリー中心の堅守から勝利を呼び込んだ。ドジャース山本由伸のフォームをまねるエース右腕、坂井理人投手(3年)が、強気の内角攻めで7回6安打1失点とすると、植田投手も3回無失点の好投。「2枚看板」の鉄壁継投で、近江に流れを渡さなかった。

2日解禁の対外試合では、日南学園、鹿屋中央などに8戦全勝と攻守に順調な仕上がり。新基準の低反発バットについても、山田監督は「影響はさほど感じてません」という好感触で、前向きに甲子園に乗り込んでいた。前の試合で、21世紀枠の公立校、田辺が、昨秋明治神宮大会覇者の星稜に大善戦したことも、発奮材料に聖地1勝を挙げた。

近江対熊本国府 8回表近江の攻撃で登板した熊本国府・植田(撮影・浅見桂子)
近江対熊本国府 アルプスの応援団に感謝のあいさつし歓喜する熊本国府の選手たち(撮影・上山淳一)
三塁側アルプスから声援を送る熊本国府のチアダンス部

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【センバツ】星稜、被災した地元に白星 元日に自ら被災した代打東汰生決勝2点タイムリー

星稜対田辺 9回表星稜1死一、二塁 星稜・東汰生は勝ち越しの右適時打を放つ(撮影・石井愛子)

<センバツ高校野球:星稜4-2田辺>◇18日◇1回戦

星稜(石川)が被災した地元に白星を届けた。第96回選抜高校野球大会が18日に甲子園で開幕。21世紀枠の田辺(和歌山)との1回戦で、同点の9回に代打で出場した背番号20の東汰生(ひがし・たいせい)外野手(3年)が右前2点適時打を放った。公式戦初打席初ヒットが値千金の決勝打。石川県出身で能登半島地震により被災を経験した伏兵が、初めての大舞台で光り輝いた。

ガラガラ声の東が、一塁ベース上で雄たけびを上げた。2-2の同点の9回、1死一、二塁から代打で登場。暴投で二、三塁となった5球目だ。「ショートからボールが出てくるようなイメージというのをみんなで共有していた」。田辺のエース寺西の内角直球をコンパクトスイングで右前へ。詰まりながらも右翼線に落とし、2人の走者が生還した。背番号20の伏兵が、一振りで勝利を呼び込んだ。

「打球はよくなかったんですけど、チームの勝利につながってくれたことが一番。本当にうれしいです」

公式戦初出場、初打席、初ヒットが値千金のタイムリーとなった。昨秋の県大会、北陸地区大会、優勝した明治神宮大会はベンチ外。「悔しかった」。調子の波をなくすべく、オフ期間は1日で最大約1000スイング振り込んだ。山下智将監督(42)は「彼の成長と頑張りがすごく見えて、この冬もすごく伸びてきてくれた選手」と説明し、「いい場面で打ってくれた」とたたえた。出番を待つ中、ベンチから「野球できることを楽しもうよ」などと声をからすまで懸命にチームを鼓舞した。

東は石川・金沢市から北に位置する河北郡津幡町が地元で、元日には自らも被災した。「不安と恐怖がありました」。自宅近くのジムでのトレーニング中に、地震が起きた。その後津波警報が発生し、家族で近くの小学校に夜まで避難した。自宅に大きな被害はなかったが、断水して「お風呂に入れなかったり、ご飯が食べられなかった」。2、3日後には復旧したという。

最後まで諦めないプレーをみせ、被災に苦しむ地元石川に勇気と感動を届けた。東は「本当に大変な中なんですけど、自分たちが1球1球、1戦1戦頑張る姿を1人でも多くの方に届けられたら」と決意をにじませた。八戸学院光星との2回戦に向けて「楽しみながら野球をすることを忘れずに頑張りたい」。地元への思いを胸に、がむしゃらなプレーを貫く。【古財稜明】

▽星稜・佐宗(先発で6回3安打2失点と力投)「(点数は)50点以下です。今日の投球はボール先行でリズムも悪かった。それが攻撃にもつながったと思う」

▽星稜・山下智茂名誉監督(星稜の2回戦進出に)「地震の影響でしばらく練習ができない中、自主練習を続けた部員の姿を見て感動しました。山下智将監督も苦しみながら甲子園初勝利。震災で自校グラウンドがひび割れ、グラウンド整備をしながらの指導でしたが、これでホッとしているのではないでしょうか」

星稜対田辺 9回表星稜1死一、二塁 星稜・東汰生の適時打で生還する星稜・中島幹大(右)(撮影・石井愛子)
星稜対田辺 田辺に勝ち校歌歌う星稜ナイン(撮影・石井愛子)
星稜対田辺 選手に声をかける星稜・山下智将監督(撮影・石井愛子)
星稜対田辺 ベンチから腕組みして見つめる星稜・山下監督(撮影・浅見桂子)
星稜対田辺 星稜先発の佐宗(撮影・上山淳一)
星稜対田辺 2回表星稜は先制点が入り歓喜する(撮影・上山淳一)
星稜対田辺 力投する星稜先発の佐宗(撮影・浅見桂子)
星稜対田辺 力投する田辺先発の寺西(撮影・浅見桂子)

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【センバツ】V候補星稜が初戦突破 山下智将監督初勝利 21世紀枠の田辺は76年ぶり白星逃す

星稜対田辺 選手に声をかける星稜・山下智将監督(撮影・石井愛子)

<センバツ高校野球:星稜4-2田辺>◇18日◇1回戦

昨秋の明治神宮大会を制しV候補に挙げられる星稜(石川)が21世紀枠で出場の田辺(和歌山)に競り勝ち、2年ぶりの白星を挙げた。23年から指揮を執る山下智将監督は甲子園初勝利を挙げた。父の智茂氏は同校監督として通算22勝。

2-2で迎えた9回表、1死二、三塁から代打の東汰生が右前へ勝ち越しの2点適時打を放った。

田辺は惜しくも76年ぶりの勝利と大金星を逃した。8回まで2-2同点と互角の戦い。エース寺西邦右投手が好投。攻撃でもスクイズを決めるなど甲子園を沸かせたが9回に力尽きた。

甲子園はこの春から導入された低反発バットの影響か開幕戦、そしてこの試合とロースコアの接戦が続いている。

◆低反発バット導入 今春から新基準となる金属バットが導入。「打球による負傷事故(特に投手)の防止」と「投手の負担軽減による(肘、肩などの)ケガ防止」などが目的。「バットの太さ」が最大径は67ミリから64ミリ、「打球部の肉厚化」では従来の約3ミリから4ミリ以上に変更された。

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【センバツ】昨秋神宮大会V星稜、初戦は調整難しい開幕日第2試合 芦硲晃太主将「プラスに」

センバツ開会式のリハーサルで行進する星稜の選手たち(撮影・浅見桂子)

<センバツ高校野球:開会式リハーサル>◇17日◇甲子園

昨秋の明治神宮大会の覇者・星稜(石川)は「試合の入り」にこだわる。

初戦は開幕日の第2試合。芦硲晃太主将(3年)は「入り方によってその試合の流れは変わる。大事にしたい」と力を込めた。開会式後、1試合空いた後だけに、調整が難しいが「甲子園の雰囲気を感じてから試合に入れる。プラスに捉えたい」。相手投手を早く攻略できるかを鍵とし、序盤から早めに仕掛けて先手をとる。

開会式リハーサルで行進する星稜(撮影・上山淳一)
開会式リハーサルで甲子園球場のグラウンドを行進する星稜ナイン(撮影・上田博志)
開会式リハーサルで行進する星稜(撮影・上山淳一)
開会式のリハーサルで整列する左から日本航空石川ナイン、星稜ナイン、敦賀気比ナイン。手前は報徳学園の間木主将(撮影・上山淳一)
開会式リハーサルで行進する北陸3県の代表、手前から福井県・敦賀気比、石川県・星稜、石川県・日本航空石川のナイン(撮影・上田博志)
リハーサルする日本航空石川の宝田主将、星稜の芦硲主将、敦賀気比の西口主将(撮影・上山淳一)

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【センバツ】21世紀枠の田辺76年ぶり勝利へ「平常心で自分たちの野球を」優勝候補星稜と激突

開会式リハーサルで行進する田辺(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:開会式リハーサル>◇17日◇甲子園

さあ、100年を迎えるセンバツが始まる。

1924年(大13)の第1回大会から、ちょうど1世紀。第96回選抜高校野球大会は18日、甲子園で開幕する。17日には開会式のリハーサルが行われた。大会初日の第2試合では21世紀枠で76年ぶり3度目出場の田辺(和歌山)が、昨秋の明治神宮大会を制した星稜(石川)と激突。76年ぶりの白星を金星で飾るべく、投打の軸が決戦前日の心境を語った。

   ◇   ◇   ◇

小雨が降り注ぐグラウンドで、田辺ナインは黙々と決戦に向けた最終調整に臨んだ。甲子園での開会式リハーサル後に兵庫・西宮市の鳴尾浜臨海野球場で約1時間の練習を敢行。エースの寺西邦右(ほうすけ)投手(3年)はマウンド上で直球を中心に投球練習を行い、「自分の思い通りの球は何球かあったので、本番は何とかなると思います」と自信をのぞかせた。

最速139キロの直球を誇る右腕は、昨秋の県大会で初戦から準決勝まで5試合連続で完投勝利を挙げた。星稜打線はYouTubeなどで分析済みで、「つないでくる野球だと思うので、連打を浴びないように」と引き締め「自分が最少失点で抑えたら打線が打ってくれると思う。1、2点で抑えたい」。快投で勝機を呼び込むつもりだ。

4番には高校通算5本塁打ながら、昨秋県大会の市和歌山、智弁和歌山と強豪相手に本塁打を放った山本陣世内野手(3年)がどっしりと座る。勝負強さが光る主砲は「チームのために打ちたい」と智弁和歌山戦のグランドスラム再現を誓った。先発が予想される星稜のエース左腕、佐宗翼投手(3年)については、打ち崩すイメージは「頭の中ではできています」と目をギラつかせた。

田中格監督(51)は「相手が強豪校だからというのは関係ない。平常心で自分たちの野球をしよう。よそ行きの野球はやめよう」とナインに伝えた。21世紀枠の出場校は初戦6連敗中と苦戦が続くが、優勝候補相手に番狂わせを起こし、76年ぶりのセンバツ白星をつかみ取る。【古財稜明】

星稜との初戦を前日に控え調整する田辺の寺西(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控え田辺の田中監督(右)と笑顔で写真に納まる田辺の山本陣(撮影・上山淳一)
開会式リハーサルで甲子園球場を行進する大阪桐蔭ナイン(中央)と田辺ナイン(撮影・上田博志)
星稜との初戦を前日に控え田辺の田中監督(右)と笑顔で写真に納まる田辺の山本陣(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控え調整する田辺の寺西(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控えリラックスした表情を見せる田辺の寺西(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控えリラックスした表情で練習する田辺の山本結主将(手前)ら(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控え練習を見守る田辺の田中監督(撮影・上山淳一)
開会式リハーサルで行進する田辺(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控え調整する田辺の寺西(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控えキャッチボールするる田辺の寺西(撮影・上山淳一)
センバツ開会式のリハーサルで行進する田辺の選手たち(撮影・浅見桂子)

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【センバツ】76年ぶり出場の田辺金星なるか、優勝候補星稜はエース佐宗翼が中心/第1日見どころ

星稜との初戦を前日に控え田辺の田中監督(右)と笑顔で写真に納まる田辺の山本陣(撮影・上山淳一)

<センバツ高校野球:田辺-星稜>◇18日◇1回戦

21世紀枠で出場する田辺(和歌山)が、昨秋の明治神宮大会を制した星稜(石川)に挑む。大会初日の第2試合で激突する。

76年ぶり3度目の出場となる田辺は、エース寺西邦右(ほうすけ)投手(3年)の安定感の高さが光る。最速139キロの直球とキレのあるスライダー、制球力を武器とし、昨秋の和歌山県大会では初戦から準決勝まで5試合連続で完投勝利を挙げた。打撃では4番の山本陣世内野手(3年)が軸で、昨秋の市和歌山戦、智弁和歌山戦で本塁打を放つなど、勝負強さを誇る。

2年ぶり16度目の出場となる星稜は最速143キロ左腕のエース佐宗翼投手(3年)を中心に、芦硲(あしさこ)晃太主将(3年)と明治神宮大会で2戦連発の萩原獅士(れお)内野手(3年)が好打者2人が中軸に座り、打線を引っ張る。

野球王国・和歌山で昨秋準優勝した実力も兼ね備える田辺の金星なるか、優勝候補の星稜が春夏通じて初優勝へ好スタートを決めるのか、注目の一戦だ。

センバツ開会式のリハーサルで行進する田辺の選手たち(撮影・浅見桂子)
開会式リハーサルで行進する星稜(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控えキャッチボールするる田辺の寺西(撮影・上山淳一)
リハーサルする日本航空石川の宝田主将、星稜の芦硲主将、敦賀気比の西口主将(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控え調整する田辺の寺西(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控えキャッチボールするる田辺の寺西(撮影・上山淳一)
センバツ開会式のリハーサルで行進する田辺の選手たち(撮影・浅見桂子)
センバツ開会式のリハーサルで行進する田辺の選手たち(撮影・浅見桂子)
星稜との初戦を前日に控え調整する田辺の寺西(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控えリラックスした表情を見せる田辺の寺西(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控えリラックスした表情で練習する田辺の山本結主将(手前)ら(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控え練習を見守る田辺の田中監督(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控え調整する田辺の寺西(撮影・上山淳一)
取材を受ける田辺・田中監督(撮影・上田博志)
開会式リハーサルで行進する田辺(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控えリラックスした表情で練習する田辺の山本陣(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控え田辺の田中監督(右)と笑顔で写真に納まる田辺の山本陣(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控え田辺の田中監督(右)と笑顔で写真に納まる田辺の山本陣(撮影・上山淳一)
開会式リハーサルで甲子園球場のグラウンドを行進する田辺ナイン(撮影・上田博志)
星稜との初戦を前日に控え調整する田辺の寺西(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控え打撃練習する田辺の山本陣(撮影・上山淳一)
星稜との初戦を前日に控え練習する田辺の山本陣(撮影・上山淳一)
センバツ開会式のリハーサルで行進する田辺の選手たち(撮影・浅見桂子)
星稜との初戦を前日に控え調整する田辺の寺西(撮影・上山淳一)
開会式リハーサルで甲子園球場のグラウンドを行進する田辺ナイン(撮影・上田博志)
開会式リハーサルで行進する田辺(撮影・上山淳一)
開会式リハーサルで行進する星稜(撮影・上山淳一)
開会式リハーサルで甲子園球場のグラウンドを行進する星稜ナイン(撮影・上田博志)
センバツ開会式のリハーサルで行進する星稜の選手たち(撮影・浅見桂子)

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【センバツ】関東第一・米沢貴光監督 開幕戦で対戦の八戸学院光星とロースコアゲームを想定

関東第一・坂井(右)に声をかける米沢監督(2024年3月14日撮影)

第96回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)に出場する関東第一(東京)の米沢貴光監督(48)が15日、オンライン取材で初戦の展望を明かした。

開幕戦で対戦するのは八戸学院光星(青森)。米沢監督は、警戒する選手に昨夏甲子園8強に貢献した最速147キロ左腕の洗平比呂投手(3年)を挙げた。「この春の時期に左で140キロを超えている投手ですので。なかなか打って、点っていうのは難しい。速いボールに振りまけないことも大事ですが、いかにボール球を振らないか。取れる点数も少ないと思っているので、耐えて耐えて、失点の少ない試合にしたい」。想定するのはロースコアでの試合展開だ。

好投手を攻略するため、打のキーマンには飛田優悟外野手(3年)と坂本慎太郎外野手(2年)を挙げる。「1番、2番、3番の出塁率。飛田、坂本が絡むと思うので、この2人が鍵かなと思っています」。飛田は新チームから「1番中堅」に定着したリードオフマンで、昨秋の明治神宮大会では3試合で計5安打をマークした。坂本は1年春からベンチ入りし、167センチ、65キロと小柄ながら、状況に応じたバッティングが強みの選手だ。

打線が洗平を攻略することはもちろんだが、勝利のためには投手陣の活躍も欠かせない。軸となるのは最速145キロ右腕の坂井遼(はる)投手、技巧派左腕の畠中鉄心(てっしん)投手(ともに3年)の左右2枚看板だが、指揮官は「1試合をベンチ入りのメンバーで勝つことを考えています。当然良ければ引っ張りますし、展開によっては変えることもしますし、あんまりこうしようとこだわらず」と総力戦で挑む構えだ。

3日後にいよいよセンバツが開幕し、開会式直後には、早くも出番がやってくる。「開幕戦を経験させてもらえることはすごく光栄なこと。今は本当にワクワクしている気持ちです」。関東第一が、今春センバツの最初の白星を目指す。

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【センバツ】星稜・佐宗翼が21世紀枠の田辺打線を警戒「本当に侮れない。勝ちきることを意識」

星稜・山下智将監督(右)のチェックを受けながら投球練習をするエース佐宗(撮影・上田博志)

最速143キロのエース、星稜・佐宗翼投手(3年)が、初戦でぶつかる21世紀枠の田辺(和歌山)打線を警戒した。

明治神宮大会でチームを日本一に導いた左腕は、昨秋の和歌山県大会で智弁和歌山、市和歌山と強豪を連破した相手に「力のあるチーム。本当に侮れない。全員で勝ちきることを意識してやっていきたい」と引き締めた。3月の愛知遠征では9日の至学館戦で3回無失点、10日の東邦戦では5回1失点。被災した石川県のためにも、全力を尽くす。

選手に指示を出す星稜・山下監督(撮影・上田博志)
甲子園球場で打撃練習をする星稜・能美ら(撮影・上田博志)

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元ロッテ谷保恵美さん似の美声 法大・上中咲葵マネジャーが今季初場内アナウンス

今年、初めての場内アナウンスを担当した上中咲葵マネジャー(撮影・保坂淑子)

<オープン戦:法大3-1亜大>◇9日◇法大グラウンド

「1番、レフト、逢沢君~」

法大グラウンドに、先行の亜大の打順を読み上げる法大・上中咲葵マネジャー(3年=西武文理)の優しい声が響き渡った。今秋のドラフト候補に挙がる最速157キロ右腕・篠木健太郎投手(3年=木更津総合)の、キャンプ終了後、初の実戦マウンドとあって、スタンドにはスカウトをはじめ、多くの観客が詰めかけた。

上中さんにとっても、今年初のアナウンスだった。「元ロッテの名物アナウンス谷保恵美さんの柔らかく、芯のある声を参考にしている」という、優しい声で試合が進む。「お客さんも入っていたので、選手の名前を覚えてもらえるように心がけました。よかったと思います」。今年初仕事を終え、安心した表情を見せた。

昨年の明治神宮大会以来、約3カ月ぶりとなる実戦前夜は、元西武外野手の父・吉成さん(現・若獅子寮の副寮長)が「喉を温めるように」と、鶏白湯スープの温かい鍋料理を振る舞ってくれた。「父のおかげで声もよく出ました」と、感謝した。

上中さんも、選手同様、オープン戦でのアナウンスを重ね、リーグ戦本番に備える。「直接、勝利に貢献することはできませんが、ミスなく円滑に試合が進むように頑張りたいと思います」。柔らかな笑顔が、春の日差しに弾けた。

1993年西武顔写真 上中吉成=1993年2月 ネガ番号=パリーグ人8755-1-4

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【センバツ】豊川は阿南光と初戦 公式戦4割越え打線でプロ注目右腕・吉岡暖打ち崩す

選抜での対戦が決まり健闘を誓う豊川・鈴木主将(左)と阿南光・井坂主将(撮影・前岡正明)

<センバツ高校野球:組み合わせ抽選会>◇8日

豊川は昨秋の明治神宮大会4強入りに貢献したモイセエフ・ニキータ外野手(3年)を擁し、初戦で阿南光と戦う。

長谷川裕記監督(30)は「もうノーマークです。本当に情報がない」と苦笑まじりに話した。チームは昨秋の公式戦4割超えの打力が持ち味。相手のエースはプロ注目の最速146キロ右腕、吉岡暖(はる)投手(3年)。「今からしっかり研究したい」と攻略への準備に取りかかる。

選抜での対戦が決まり健闘を誓う豊川・鈴木主将(左)と阿南光・井坂主将(撮影・前岡正明)
対戦が決まり握手を交わす豊川の鈴木主将(左)と阿南光の井坂主将(代表撮影)
対戦が決まり握手を交わす豊川の鈴木主将(左)と阿南光の井坂主将(代表撮影)
第96回選抜高校野球組み合わせ

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【センバツ】21世紀枠田辺は初戦で神宮覇者の星稜と対決 山本主将「マジか」田中監督「日本一引いた」

選抜での対戦が決まり健闘を誓う田辺・山本主将(左)と星稜・芦硲主将(撮影・前岡正明)

21世紀枠で76年ぶりセンバツ出場の田辺(和歌山)は開幕日の第2試合で星稜と対戦する。全32校の最初にくじを引いた山本結翔主将(3年)は相手が決まると「マジかというのがまず第一印象」と驚きを隠さなかった。田中格監督(51)も「あ、日本一引いたなと。キャプテンはいいところを引いた」と明治神宮大会覇者との対決を喜んだ。

選手18人ながら、昨秋の和歌山大会では市和歌山と智弁和歌山に勝利し、準優勝。エース寺西邦右(3年)を中心に堅い守備から攻撃につなげてきた実力を聖地でも発揮する。山本主将は「経験を生かして、諦めない野球で勝てたら」と意気込んだ。

闘志を燃やす21世紀枠で出場する田辺・山本(左)、別海・中道の両校主将(撮影・前岡正明)

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【センバツ】神村学園、作新学院など激戦パートに入る 川下晃汰「一戦必勝で目の前の試合を」

選抜での対戦が決まり健闘を誓う神村学園・川下主将(左)と作新学院・小森主将(撮影・前岡正明)

センバツで歴史を刻む-。昨夏の甲子園メンバー10人が残る神村学園(鹿児島)は、日本一経験校ぞろいの激戦パートに入った。

1回戦の相手は、春夏通算3度Vを誇る作新学院だ。勝ち上がっても、2回戦は春夏通算9度Vの大阪桐蔭と北海の勝者が待ち受ける。

それでも臆することはない。主将の川下晃汰外野手(3年)は「センバツはどこも強いチームばかりだが、一戦必勝で目の前の試合を戦う」と強気だ。

作新学院の最速147キロ右腕、小川哲平投手(3年)攻略がポイントとなる。昨秋明治神宮大会決勝を現地観戦したという小田大介監督(41)によると「生で見て強烈だった」という。それでも「成長を感じている。チーム力で勝負したい」と全員野球で戦う。難敵撃破で、鹿児島県勢の春夏通算100勝目を達成してみせる。

対戦が決まり握手を交わす神村学園の川下主将(左)と作新学院の小森主将(代表撮影)
選抜での対戦が決まり健闘を誓う神村学園・川下主将(左)と作新学院・小森主将(撮影・前岡正明)

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【センバツ】第5、6日が“死のブロック”大阪桐蔭、作新学院、報徳学園など集結/展望

第96回選抜高校野球組み合わせ

大会第5、6日が激戦の“死のブロック”となった。史上最多タイ5度目の優勝を狙う昨秋の近畿王者大阪桐蔭、関東覇者作新学院(栃木)、23年大会準優勝の報徳学園(兵庫)、常総学院(茨城)、愛工大名電(愛知)と8校中5校が春夏通じて甲子園で優勝経験のある強豪校が集結した。

1回戦最終戦となる第6日には、1月の能登半島地震で被災し拠点を輪島市から山梨に移した日本航空石川が常総学院と初戦で対決する。勝ち進んだ方は中1日で2回戦に突入し、他チームも中2日で2回戦を迎えるなど、同ブロックは激戦&過密日程で厳しい戦いを強いられそうだ。好投手を複数人擁する大阪桐蔭、報徳学園が優勢か。同じ後半ブロックの第4日には中国地区・広陵(広島)と四国地区・高知の地区王者同士の激突にも注目だ。

昨秋の明治神宮大会を制した優勝候補の星稜(石川)は初日から登場。和歌山大会で智弁和歌山、市和歌山と強豪校を撃破して勢いに乗る21世紀枠の田辺と対戦する。同ブロックでは開幕カードで八戸学院光星(青森)-関東第一(東京)といきなり常連校同士がぶつかる。日程的にも余裕がある1回戦前半のブロックでは、投打にバランスの取れた星稜が優位とみられる。

今春のセンバツ大会から新基準の「低反発バット」が完全移行される。「投手有利」とされる中、ロースコアゲームが予想される。下馬評を覆す番狂わせゲームが複数試合で発生する可能性も十分にあり得る。【アマチュア野球担当 古財稜明】

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