日刊スポーツ

スマイルヨガ

ウエスト引き締めに効果的「半分の魚の王のポーズ」

ヨガ&ダンスチーム「LAVA スミッキーズ」のメンバーが健康や美容に役立つポーズを紹介。今週はTAMAEの「半分の魚の王のポーズ」。

半分の魚の王のポーズ

両脚を前に伸ばした長座の姿勢から、片膝を立て反対の脚にかけ、上半身をねじるポーズ。背中を上に伸ばしながら体をねじることで、内臓の働きを活性化させ、代謝が上がります♪ 体のゆがみを整え、ウエスト引き締めに効果的です。

TAMAE

チアの木曜日

「町田の憧れのお姉さん」フットサルチアFiore

フットサルFリーグのASVペスカドーラ町田のチアが「Fiore(フィオーレ)」だ。トップチームとユースチーム、チアダンススクールの総勢約180人が東京・町田市を拠点に活動している。ホームのラスト3試合は全員が登場し、ピッチがチームカラーの黄色に染まる。

フィオーレは「町田の憧れのお姉さん」として活動している

フィオーレは2007年、Fリーグ発足とともに創設。同リーグでは最古参のチアチームだ。運営する「レアコーポレーション」代表取締役の藤島紀子さんは「それまではフットサルにチアという概念がなかったんです。どうやって応援していいのか、答えがないままスタートしました」と振り返る。アメフトXリーグのチア出身の藤島さんは、試行錯誤しながら独自の応援スタイルをつくり上げていったという。

フィオーレの応援の特徴は、10人のメンバーと子供たちが一体になったパフォーマンスだ。町田市にはフィオーレの下部組織として、ユースチーム(ブレイズ)とチアダンススクールがあり、ホームの試合では幼稚園児や小学生、中高生がダンスを披露する。

藤島さんは「普段の試合は子供たちが交代で出演しますが、最後の数試合は全員でピッチを埋め尽くすのが恒例なんです。会場がペスカドーラのチームカラーの黄色に染まります」。子供たちのチアを見に来た家族にフットサルを好きになってもらい、競技の人気向上につなげたいという思いもあるそうだ。

子供たちにとって、フィオーレのメンバーは「町田の憧れのお姉さん」のような存在だという。リーダーの赤星夏希(21)は「私もユース出身で、中学生の頃からフィオーレに憧れていました。夢がかなって本当にうれしい。お客さんと選手の懸け橋になれるように、盛り上げていきたい」と話した。

子供たちもピッチで応援する

◆Fiore(フィオーレ)10人のメンバーは学生、社会人で、週に1度集まって練習している。衣装は昨季までロングパンツだったが、今季からワンピースに替えた。

ピッチマーク

東京五輪は大丈夫?ZOZO大会運営面課題を教訓に

ウイニングパットを沈めファンの声援に応えるタイガー・ウッズ(2019年10月27日撮影)

土砂降りの雨に打たれながら、開催まで1年を切った20年東京オリンピック(五輪)に思いを巡らせた。

男子ゴルフで日本初開催となった米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」(千葉・習志野CC)が、10月24日から4日間の日程で開催された。25日の第2日は大雨の影響で中止になり、大会は28日の月曜日までずれ込んだが、無観客試合だった日があったにもかかわらず、多くのタレントをそろえるPGAツアーの初開催とあって期間中、約5万5000人が来場。試合も13年ぶりに日本開催に参戦したタイガー・ウッズ(米国)が、サム・スニード(米国)の持つツアー最多82勝に並ぶ勝利を挙げるなど、大いに盛り上がった。

大会はおおむね成功だったという向きは多い。確かに試合に関しては、世界最高峰の技とパワーの競演を間近で見られるなど、日本で米ツアーが開催された意義は大きいと言える。が、一方で運営面では課題も残した。

練習日から最寄り駅の千葉ニュータウン駅、印西牧の原駅には、送迎バスを待つ長蛇の列ができた。記者も何度となくその列に並んだが、バスに乗るまでに2時間近く待たされることさえあった。さらに、乗車し、会場に近づくと道幅も狭くなり、大渋滞で動かない。会場に着くまでに相当な労力を費やし、ギャラリーの中には、「会場に着くまでに疲れてしまった」と話す人も多かった。

さらに、第2日は注意報が出るくらいの大雨。記者は船橋のホテルに宿泊し、始発の電車で移動したが、船橋駅はシャッターが開く前からギャラリーでごった返していた。最寄り駅に着くとすでに大行列ができていた。大粒の雨に打たれながらバスを待ったが、状況がまったく分からない。バスはいつ出るのか、大会は中止なのか-。ずぶ濡れのギャラリーに状況を説明する係の人はいない。ようやく乗れたバスの中で中止の決定を知ったが、それもギャラリーのSNSの情報だった。

いら立つギャラリーの怒号を聞きながら、ふと、東京五輪が頭をよぎった。五輪会場は、埼玉・霞ケ関CC。会場までの道幅は狭く、交通の便もいいとは言えず、同じような状況が予想される。五輪期間中は、酷暑ということも考えれば、ZOZOチャンピオンシップでは最寄り駅から徒歩で会場に向かうギャラリーもいたとはいえ、五輪では徒歩での移動は相当きつい。

五輪競技を管轄するのは、五輪ゴルフ連盟(IGF)で、今回とは違う。とはいえ、今年8月の東京五輪テスト大会として行われた日本ジュニア選手権は、システム上のテストはしたが、ギャラリーを入れてはおらず、輸送や動線に関しての“予行演習”は行われなかった。IGFのドーソン会長は、対策に自信を見せてはいたが、ZOZOチャンピオンシップの大混乱を経験した身としては大丈夫? と思わずにはいられない。

五輪では、1日2万5000人のギャラリーの来場が予想されている。同じように送迎バスなどの問題は浮上するはず。また今大会では、動線があいまいで、選手が通る通路やコースにまでギャラリーが押し寄せることもあったように、スタッフ、ボランティアのルールと意識の徹底を図っていく必要もあると思う。

東京五輪では、マラソン、競歩が札幌での開催に変更になったばかり。ZOZOチャンピオンシップで浮き彫りになった課題を教訓に、もう1度、選手、ギャラリーの移動、送迎の経路などシミュレーションし、見直す必要があるのではないだろうか。約9カ月後の五輪で、ストレスなく最高峰のプレーを堪能できることを期待したい。【松末守司】

(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)

We Love Sports

空虚な競技者ファースト…卓球照明問題も選手に負担

卓球ワールドカップ団体戦 会場を見つめながら関係者と話す水谷隼(右)

2020年東京オリンピック(五輪)のテスト大会、卓球W杯団体戦が11月6~10日、本番会場と同じ東京体育館で行われている。大会組織委員会が40人の職員を同大会の運営に送り込み、8つの項目でテストをした。

ここで注目したいのが「照明」だ。男子代表の水谷隼(30=木下グループ)は昨今のショーアップされた卓球会場について、照明などの影響で「球が見えにくい」などと指摘している。五輪では水谷が最も問題視しているLED看板はコート周辺に設置されないが、明るすぎる照明も卓球台に反射し、ボールを見えづらくさせる。

組織委幹部によると、五輪の照度基準は通常の大会の約2倍、2000ルクスが求められているという。今回行われたW杯団体戦は1300ルクスだった。

要望もとは五輪放送機構(OBS)だ。観客の豊かな表情を放映することが主な理由。それに加え、見栄えの良さ、高解像度の放送などに高照度が必要とされる。

これが選手や大会予算に重くのしかかる。日本卓球協会関係者は北京五輪の会場で「まぶしすぎて一日中いるのがきつく、サングラスを付けていた」と信じ難いエピソードを明かした。まだ目が良い状態だった16年リオデジャネイロ五輪で銀と銅メダルを獲得した水谷だが、今の芳しくない状態で、2000ルクスの明るさに対応できるのか、不安は残る。

OBSの高い要求が大会予算高騰の原因にもなっている。組織委幹部は「今後の五輪でこの要件を下げていかないとコストが上がる一方だ」と嘆く。最新の映像技術を追い求めすぎて、開催都市のお財布事情を苦しめている現状がある。

組織委も水谷の目の状態について、情報を確認している。少しでも選手が競技をする上で良い環境にできるよう、本番時は照明の角度を変えられる仕様にする。

マラソン、競歩を札幌に移転させた理由で、国際オリンピック委員会(IOC)は暑さ対策による「アスリートファースト」を強調した。しかし、遅きに失したと言っていい。東京都、組織委が取り組んできた暑さ対策に、IOCが真剣に取り合ってこなかったことが、ツケとなったと別の組織委幹部は言う。

卓球会場の照明問題も同じだ。OBSはIOCが設立した組織。そこに「アスリートファースト」はあるのか。ここ数年、すり切れるほど使われたこの言葉を聞くと、空虚に感じることさえある。【三須一紀】

卓球ワールドカップ団体戦 会場を見つめながら関係者と話す水谷隼(後方右)=2019年11月7日

水谷隼

スポーツ百景

これが令和の日本人ボクサー 井上高度な技術で王者

ドネアに勝利し、カップを力強く掲げ、雄たけびを上げる井上尚(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝、WBC世界バンタム級王座統一戦>◇7日◇さいたまスーパーアリーナ

KO決着を逃した。窮地もあったし、流血もした。それでも井上は5階級制覇のドネアと真っ向から打ち合い、ダウンを奪い、高度な技術戦を制した。堂々たる快挙。これが令和の日本人ボクサーなのだ。世界に挑むために体重を限界まで絞ってパワーの差を埋め、スタミナと手数でテクニックに対抗する、そんな日本選手のイメージは今は昔。井上が拳で示してくれた。

昭和の時代に26人だった世界王者は、平成の30年間をへて91人まで増えた。ボクシング大国になった。13年にWBAとWBCに加えて、IBFとWBOの王座も承認され、ベルトは倍増した。しかし、激増の要因はベルトの数ではない。「今の日本人の技術は世界でもずぬけている」と、井上の所属ジムの大橋秀行会長は断言する。

転機の1つが日本プロボクシング協会が08年にスタートさせたU-15(15歳以下)全国大会。その競技性から以前は高校から始める選手が大多数だったが、小中学生から全国規模で活躍できる場ができた。井上尚弥、拓真兄弟や3階級制覇王者の田中恒成はこの大会の優勝者。早期からの英才、実戦強化で、技術レベルが飛躍的に上がった。

90年代初頭まで世界王者になれば国民的ヒーローになった。大橋会長はWBC世界ミニマム級王座を奪取した翌日に首相官邸に招待されたという。しかし、平成以降、世界王者の数が急増し、野球やサッカーなど他競技で海外で実績を残し、世界から高い評価を受けるプロ選手が増えたことで、世界王者になっただけでは、以前ほど注目されなくなった。

井上の現役世界王者らによる最強トーナメント挑戦は、そんなボクシング界に新たな道を切り開いた。国内で防衛を重ねるのではなく、リスク覚悟で世界の舞台で勝負をかけて、真のバンタム級の頂点に立った。その評価は日本を超えて世界中に広がった。日本の世界王者から世界のヒーローへのレールを敷いたのだ。令和元年、日本のボクシング界も新たな時代が幕を開けた。【首藤正徳】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「スポーツ百景」)

We Love Sports

フィギュアとボクシング 横井姉妹と田中恒成の関係

西日本選手権のジュニア女子SPに臨んだ横井きな結

名古屋の中学3年生から漏れた本音だった。11月4日、滋賀県立アイスアリーナ(大津市)で行われていたフィギュアスケートの西日本選手権。ジュニア女子フリーの演技を終えた横井きな結(きなゆ、14=邦和スポーツランド)は、落ち着いた口調で切り出した。

「今できることを出せて、ホッとしています。でも、お姉ちゃんも、いとこも頑張っているのに、自分だけ活躍していない」

フリー冒頭に組み込んだ大技トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)。わずかに着氷が乱れ、2・56点の減点となったが、堂々と跳びきった。1年前は3回転半を成功させながら、演技後半にミスが目立ち21位。今大会直前は時に涙を流しながら調整し、フリー5位、合計159・60点の6位で2年ぶりとなる全日本ジュニア選手権(15~17日、横浜)出場を決めた。それでも、きな結に心の底から喜ぶ様子はなかった。

「いとこは世界で戦っていて、3階級制覇もしている。きつい練習を頑張っている。刺激になっているし、尊敬しているので…」

きな結が背中を追いかける存在こそが、ボクシングにおいて世界最速(プロ12戦目)で3階級制覇を果たした田中恒成(24=畑中)。同じ名古屋が拠点で、プロ14戦全勝と日本ボクシング界をけん引する1人だ。横井家、田中家ともに多忙な日々を過ごすが、正月には必ず全員で顔を合わせるという。田中が出場する試合は何度も観戦してきた。

きな結が追う、もう1つの背中は姉ゆは菜(19=中京大)。同じ西日本選手権で、ゆは菜は204・70点を記録し、シニア女子を制した。137・35点を記録したフリーでは、基礎点が1・1倍の後半に3つの連続ジャンプを組み込み、大きなミスなく演技。そんな姉も、自己評価は厳しい。

「うれしいですけれど、トップの選手は同じ演技をしても(表現や出来栄え点などで)140点を超えてくると思う。今の私だと届かない。練習してきたことは間違っていないので、さらに練習を重ねていこうと、強く思いました」

2年前の全日本ジュニア強化合宿では、ゆは菜もいとこの田中に対し、尊敬する思いを口にしていた。

「(1回3分のボクシングで)フルラウンドすると、ショートプログラム(2分40秒前後)より長いのを12回も続ける。それで命がけだし、すごい。そう思うと(自分は)全然大丈夫」

フィギュアスケートとボクシング。かけ離れた競技のように感じるが、選手目線で響くものは多いという。16年10月、取材機会が巡ってきた田中に、当時16歳のゆは菜について尋ねたことがあった。すでにWBO世界ミニマム級でベルトを巻いていた王者は、いたずらっぽく笑って答えた。

「1カ月ぐらい前の(ゆは菜の)試合、見に行きましたよ。ちょっと前には、うちに来ていました。『頑張っているな~』とは思うけれど、僕が試合に勝って、プレッシャーだけ与え続けようと思います」

きな結が口にした「自分だけ活躍していない」という言葉通り、時にその存在は重圧にもなる。それでも3人に共通しているのが向上心。世界を舞台に戦う時、切っても切り離せない関係は、必ずや支えになる。

姉ゆは菜は15~17日にモスクワで行われるロシア杯で、グランプリ(GP)シリーズデビューを果たす。

「トップスケーターが出る場所。メンバーも聞いたことがある名前ばかり。戦略は何もありません。練習してきたことを出すことが重要。私のスケートを見ている人の、印象に残せる演技をして、そこから結果を求めていきたいです」

きな結は西日本選手権フリー当日の朝、ゆは菜から「楽しんで演技をしてきてね」と声をかけられた。切磋琢磨(せっさたくま)する存在に感謝し、全日本ジュニア選手権へ目標を高く掲げた。

「緊張するけれど、全日本ジュニアも楽しく、強い気持ちで挑みたい。(ジュニアから推薦枠で12月の)全日本選手権に進むのが目標です。さらにレベルアップしていきたい」

「挑戦」の11月を、いとこに負けじと全力で駆け抜ける。【松本航】

◆松本航(まつもと・わたる)1991年(平3)3月17日、兵庫・宝塚市生まれ。武庫荘総合高、大体大とラグビー部に所属。13年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社し、プロ野球阪神担当。15年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当し、平昌五輪ではフィギュアスケートとショートトラックを中心に取材。

(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)

西日本選手権女子を制した横井ゆは菜(中央)と2位新田谷凜(左)、山田さくら(撮影・松本航)
スマイルヨガ

背中の引き締めや美脚に効果的「ダンサーのポーズ」

ヨガ&ダンスチーム「LAVA スミッキーズ」のメンバーが健康や美容に役立つポーズを紹介。今週はMOEが、背中の引き締めや美脚に効果的な「ダンサーのポーズ」を紹介します。

ダンサーのポーズ

足をそろえ真っすぐ立った姿勢から、片脚を後ろに上げ、膝を曲げて手でつかみ、ゆっくり上げる。ダンサーポーズという名の通り、しなやかで美しいボディーラインを目指せるポーズです♪ 背中の引き締めや美脚に効果的。

MOE

チアの木曜日

ご当地アイドル100人乱舞 Fairy DICE

2020年東京オリンピック(五輪)の新種目として注目される3人制バスケットボール。その強豪チーム「立川ダイス」が展開するチアダンススクールが「Fairy DICE(フェアリーダイス)」だ。幼児から中学生まで約100人が所属し、「立川のアイドル」として活動している。

幼児から中学生までがチアとして活動する「フェアリーダイス」

ファアリーダイスは、東京・立川市を拠点に幅広く活動している。アリーナ立川立飛校、泉体育館校、柴崎体育館校の3つのスクールに所属する約100人が、同市を中心とした地域イベントに出演している。

同市を拠点にしたスポーツチームは、東京ヴェルディ(Jリーグ)、アルバルク東京(Bリーグ)、立川・府中アスレティックFC(Fリーグ)など数多くある。

フェアリーダイスは立川ダイスだけでなく、アルバルクの開幕戦や、ヴェルディの試合のオープニングショーなどに出演。石川ボクシングジム立川の主催試合では、リング上やリングサイドでパフォーマンスを披露している。

スクールディレクターの新條恵美子さんは「立川でのさまざまなパフォーマンスを通して、逆に立川の皆さんに応援され、子供たちもそれに励まされ、楽しみながら地域のイベントに参加しています」という。

立川市は映画、ドラマ化もされた漫画「聖☆おにいさん」の舞台としても注目されている。フェアリーダイスは、作品にも登場する「オニ公園」で毎年開催される「鬼うまフェス」にも参加。ティンカーベルや不思議の国のアリスなどの仮装パフォーマンスでイベントに花を添えている。

【元NFLチアリーダー松崎美奈子】

◆立川ダイス 3人制バスケのトップリーグ「3x3 EXE PREMIER」に所属。2018年シーズンは男女とも日本一を達成し、女子は世界大会で優勝した。東京五輪の日本代表候補に男子・杉浦佑成、女子・浅羽麻子の両選手が選出。

ピッチマーク

レベルが違う「世界一の飛ばし屋」日本ツアー初参戦

ダンロップ・フェニックス初出場を果たすキャメロン・チャンプ(大会事務局提供)

日本男子ゴルフツアーのダンロップ・フェニックス(17~24日、宮崎・フェニックスCC)に「世界一の飛ばし屋」がやってくる。米ツアー2勝のキャメロン・チャンプ(24=米国)が初出場を果たす。片瀬芳信運営委員長は「チャンプ選手のボールの飛びっぷりを見ていただきたい。初速、インパクト音、弾道の高さ、角度、速さ。本当にすごいと思いますので見て欲しいです」と声をはずませた。

チャンプは18-19年シーズン平均飛距離が317・9ヤードをマークし、堂々のツアー1位に輝いた。身長は183センチの細身の体格ながらも、柔軟かつバネのある筋肉と左股関節を軸とした強烈なヒップターンでボールを飛ばす。ダンロップ・フェニックスには、過去にも飛ばし屋が数多く参戦してきたものの、チャンプは「レベルが違う」という。

アマチュアだった大学時代に全米オープン出場も経験したチャンプは卒業後、18年に下部ツアーでプロキャリアをスタートさせた。同年のドライバー平均飛距離は343・1ヤードという数字だからすごい。新シーズン(19-20年シーズン)に入ると早速、9月のセーフウェー・オープンで優勝を飾るなど序盤から好調をキープ中。フェニックスCCでは1オンを狙える13番パー4があるだけに、チャンプのドライバーショットからは目が離せないだろう。

チャンプ以外にも、今年のダンロップ・フェニックスには世界レベルの強者たちが集結する。5日には、ついに松山英樹(27)の3年連続8度目の出場が正式発表され、メンバーが出そろった。大会主催者を通じ、松山は「今年もダンロップフェニックストーナメントに出場することになりました。日本のファン方々の期待に応えられるよう、精いっぱい頑張ります。宮崎でプレーすることを楽しみにしております」とコメント。さらに全米オープン覇者ゲーリー・ウッドランド(35=米国)も11年大会以来8年ぶりに参戦が決定済み。世界一の飛ばし屋、そしてメジャー覇者がそろい、10月の日米男子共催ツアー、ZOZOチャンピオンシップでタイガー・ウッズ(43=米国)と最後まで優勝争いを繰り広げた松山がホストプロとして迎撃する展開だ。今年も秋の宮崎で、ハイレベルな攻防が繰り広げられることになる。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)

8年ぶり2回目のダンロップ・フェニックス出場が決まったゲーリー・ウッドランド(大会事務局提供)

沢木敬介の解説

スタイル徹底、際立った南アフリカの強さ/沢木敬介

<ラグビーワールドカップ(W杯):南アフリカ32-12イングランド>◇決勝◇2日◇神奈川・日産スタジアム

表彰式でウェブ・エリス杯を掲げ喜ぶコリシ主将(中央)ら南アフリカ代表の選手たち(撮影・狩俣裕三)

ラグビー、ワールドカップ(W杯)日本大会は2日、日産スタジアムの決勝で南アフリカがイングランドを下し、世界一となり、幕を閉じた。

前サントリー監督の沢木敬介氏(44)は「内容のある素晴らしい決勝戦だった」と、決勝を総括した。

   ◇   ◇   ◇

イングランドにとっては惜しい試合だった。確かに南アのディフェンスは良かったが、それ以前の問題。キックオフからのパスミスなどちょっとしたミスが重なって、自分たちのリズムが最後まで作れなかった。開始直後にプロップのシンクラーが負傷交代したのも痛かった。

序盤、南アはボールを蹴らずにワイドに回した。これでイングランドのディフェンスを混乱させ、その後はキックからフィジカルの強みを生かした本来のスタイルを徹底した。最初から得意の形でなく、違うものを見せておく戦術。イングランドはこれに戸惑ったのか後手に回ってしまった。

イングランドはアタックでも苦しんだ。攻めたいスペースは見つかるが、実際に攻めるとディフェンスのいい相手に止められる。キックのタイミングが悪く、本数も少なかった。もう少し積極的に蹴れていれば、形はつくれたはずだ。

スクラムで圧力をかける南アフリカFW(AP)

最も差が出たのは、スクラムだった。試合を通して南アの強さが際立った。イングランドも、あれだけ押されてはゲームを支配することは難しい。さらにペナルティーからPGも決められて差を広げられた。やはり、スクラムで劣勢になっては勝ち目はない。

イングランドの優勝を予想していたので残念。スクラムなどセットピースで互角に渡り合えると思ったが、あそこまで差がつくとは思わなかった。それでも、内容のある素晴らしい決勝戦だった。最後まで自分たちの強みを出した南アは素晴らしかった。

日本代表の活躍で大会自体も盛り上がり、楽しかった。これまでラグビーを知らなかった多くの人も、試合を見てラグビーも魅力を知ったはず。素直な気持ち「もう少し、大会が続いてくれないかな」と思う。

(前サントリー監督)

表彰式後、サポーターにおじぎする南アフリカ代表の選手たち(撮影・狩俣裕三)

沢木敬介の解説

イングランド優位「相手動かして蹴る」/沢木敬介

イングランドのエディー・ジョーンズ監督

ラグビーW杯決勝(2日・日産スタジアム)に向けて、イングランドと南アフリカの両チームが31日に登録メンバーを発表する中、前サントリー監督の沢木敬介氏(44)はイングランドの優勝を予想した。フィジカルを生かしたスタイルを貫く南アフリカに対し、イングランドが相手の弱点を突いた戦術で優位とした。「動かして蹴る」スタイルの母国が、4大会ぶり優勝で1カ月半の激戦を締めくくる。

  ◇    ◇    ◇

イングランドも南アフリカもベストメンバー。見どころの多い、見ていて楽しい決勝戦になるはずだ。イングランドは準決勝のニュージーランド(NZ)戦と同じ布陣で、SOフォードとCTBファレルは変わらない。南アフリカはWTBコルビが復帰。戦力的に大きなプラスになる。

南アは自分たちのスタイルを崩さず、徹底して戦っている。自陣でボールは持たずにコンテスト(競り合いの)キックを蹴り、再獲得を目指す。敵陣に入ってから強いフィジカルを生かした攻めを続ける。SHデクラーク、SOポラードが早い段階で蹴るはずだ。

イングランドもキックは多用するはず。ただ、すぐにコンテストキックを蹴ることはない。まずは南アをパスで動かす。すると相手のバックスの背後にスペースができる。そこをフォードらがキックで突く。つまり「相手を動かしてからキック」。南アの特徴を見極めた戦術で戦うはずだ。

スクラム、ラインアウトなどのセットプレーは、やや南アが有利か。ただイングランドも安定していて、大きな差にはならないだろう。勝負を分けるのはキック。南アは再獲得を狙ってハイボールを蹴るが、イングランドのWTBメイやワトソンらは処理がうまい。ここでボールを獲得できなければ苦しくなる。

イングランドは敵陣深くに入ってから多彩な攻撃を持っている。22メートル以内に侵入した時にトライやPGで得点するパターンが多く、それを相手によって使い分けられる。南アは一発の突破力のあるコルビがいるとはいえ、フィジカルを前面に押し出すパターンを貫いている。アタックのバリエーションが豊富なイングランドの方が有利に思える。

過去の対戦成績で分が悪いイングランドだが、準決勝でNZを破ってムードはいいはず。逆に南アはウェールズに苦戦したことが、どう響くか。今大会最後の試合を楽しみにしたい。

◆3位決定戦 3連覇を逃したニュージーランド(NZ)にとっては、モチベーションを保ちづらい試合になる。ウェールズはNZを倒して過去最高の3位になるという目標が明確で、精神的には戦いやすいといえる。ただ、それでもNZの優位は動かない。準決勝からメンバーを入れ替えてはいるが中心選手は残っており、今大会最後のゲームを勝利で締めくくる準備はできているはずだ。

We Love Sports

南ア初黒人主将、決勝で見せる優勝以上のメッセージ

27日ウェールズ戦後、サポーターにあいさつし、引き揚げる南アフリカ代表コリシ(撮影・狩俣裕三)

2019年11月2日。ラグビー界に新たな歴史が刻まれる「特別な日」になるかもしれない。ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会決勝でイングランド代表(世界ランキング1位)と対戦する南アフリカ代表(同2位)のフランカー、シヤ・コリシ(28)が、同国初の黒人主将として大仕事に臨む。3度目の優勝を果たして、再び、母国が1つにまとまるきっかけを作ろうとしている。

ウェールズとの準決勝。マスコットキッズの手を握ったコリシ主将は、目を閉じ、口を大きく開けて国歌を歌った。国歌は黒人運動で盛んに歌われた「神よ、アフリカに祝福を」(コサ語、ズールー語、ソト語)と旧国歌「南アフリカの叫び声」(アフリカーンス語、英語)を1つに編曲したもので、5つの言語が使われている。過去の民族和解の象徴でもあり、国民約5700万人のさまざまな思いが込められている。94年のアパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃から25年が経過した今も、「緩和」は大きな課題とされ、コリシ主将は「僕らが試合する時は、グラウンドで戦う以上の意味を持っている。(愛称)『スプリングボクス』としての役割は大きい」と強調する。

同国では「ラグビーが宗教」といわれるほど人気がある。しかし、ラグビーはかつて「裕福な白人スポーツ」とされた。アパルトヘイトもあり、黒人が代表に選ばれることは長らくなかった。国際社会から制裁を受け、W杯は第1回の87年大会から2大会続けて除外された。歴史が変わったのが、自国開催した95年大会での初優勝。同国初の黒人大統領となった故ネルソン・マンデラ氏が優勝トロフィー「ウェブ・エリス・カップ」をチームに渡した場面は、人種融和の象徴となった。

だが、国内の生活水準や環境面の違いなどから人口の約8割を占める黒人が代表になるのは簡単ではない。15年大会の1次リーグで格下の日本に金星を許すと、国内では「選ばれるべき黒人選手がいなかったから負けた」などと不満が噴出した。政府の意向に従い、ラグビー協会は今大会の非白人選手の割合を5割まで上げる目標を掲げた。最終的には、過去最多の全31人中11人が代表入りした。

コリシ主将も、その1人だ。91年6月、南部のポートエリザベス郊外にある旧黒人居住区で生まれた。貧しい家庭で祖母に育てられ、一切れのパンと牛乳を飲むのが楽しみで小学校へ通った。父の影響で8歳から競技を始めた。12歳でラグビーの名門校に奨学金付きでスカウトされ、旧居住区外の学校へ移った。食事は1日6食。寝る場所も床からベッドへ変わった。プロ選手を夢見て、必死に英語も学んだ。20歳で念願のスーパーラグビー、ストーマーズに入団した。その後は、故郷へ恩返しのために衣服やお金を送る支援を続けている。まさに、映画のようなサクセスストーリーを実現したのだ。

来日中のW杯通算最多15トライを誇る元同国代表WTBのブライアン・ハバナ氏(36)も「彼は大変な人生を送ってきた。小さい頃からラグビーも食べ物も恵まれなかったが、それが今の強さにつながっている。決勝までの貢献度は大きく、初の黒人主将としてカップを掲げるのを期待している」と切望した。

決勝には、シリル・ラマポーザ大統領も観戦に訪れる。準決勝前日にはチームに激励電話をかけて、士気を鼓舞した。きっと、大一番前には、選手たちへ直接言葉をかけて背中を押すのだろう。相手は07年大会決勝で破ったラグビー発祥国のイングランド。コリシ主将は当時をこう思い返す。

「国民があれだけスポーツで1つなるのを見たことがなかった。W杯の優勝が国に何をもたらしたかは覚えている。スポーツは人々を結びつける力がある」

多言語多人種の「虹の国」を率いる28歳の闘将は11月2日、さまざまな思いを背負って横浜の地に立つ。優勝すれば、母国だけでなく、世界中の多くの人々へ希望を与えるだろう。それは、3度目の優勝という結果以上の強烈なメッセージになるはずだ。重責を担う1人の男が、「スプリングボクス」の伝統と誇りを胸に、まもなく運命の1日を迎えようとしている。【峯岸佑樹】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)

27日ウェールズ戦、主審とコミュニケーションを取る主将コリシ(右)(撮影・狩俣裕三)
スマイルヨガ

上半身の引き締めに効果的な「ハトのポーズ」

ヨガ&ダンスチーム「LAVA スミッキーズ」のメンバーが健康や生活に役立つポーズを紹介。今週はMIHOが、上半身の引き締めに効果的な「ハトのポーズ」を伝授します。

ハトのポーズ

あぐらの姿勢から片脚を後ろに曲げ、肘にかけて手をつなぐ。難しければ手はつながず、脚をかけていない方の手を床に下ろす。胸が大きく広がり、呼吸が深まるのでリフレッシュできます♪ 上半身の引き締めに効果的。

MIHO

チアの木曜日

米NFL山口紗貴子さん 踏み出して夢を追って

今週は、米NFLのシンシナティ・ベンガルズの専属チアリーダー「ベンギャルズ」で、2シーズン目を迎えている山口紗貴子さんを紹介する。山口さんは5年間にわたる挑戦を繰り返し、昨季、ベンガルズのオーディションに39歳で合格。NFLの日本人最年長ルーキーとなった。

39歳でNFLベンガルズのチアになった山口さん

-5年間のNFL挑戦を振り返ると

山口 1年目は、何を準備していいか分からず、準備も中途半端でした。現地での生活を楽しむこともできず、つらい記憶だけが残りました。チアをやめたいとも思いました。2年目に初めてファイナル審査まで行けました。自信を取り戻し、課題も明確になりました。

-初めて合格した昨シーズンを振り返ると

山口 チームの練習と生活、自主練習、トレーニングで精いっぱい。とにかく必死。英語でのコミュニケーションに加え、ベンガルズ独特のダンススタイルに合わせることが難しかったです。楽しかったことは、念願の試合で踊れたことや、ファンと直接話ができたこと。初めて芝を踏んだ時の感動は一生忘れません。

-チームの練習は

山口 ポールブラウンスタジアムで約2時間半~3時間の練習を週2~3回。試合に出られるのは28中24人で、毎試合チェックがあるので気が抜けません。

-日本のファンにメッセージを

山口 日本とアメリカでたくさんの方に助けていただき、応援していただき、今があります。「夢を追う」というと格好良く聞こえますが、実際には泥臭く、地道な作業の積み重ねです。何度泣いたかも分かりません。ただ、達成した後には素晴らしい景色や経験がたくさん待っていました。何か始めたいと思っているけど勇気がない方、年齢や環境でちゅうちょしている方は、1歩でなくても、つま先だけでも踏み出してほしいなと思います。【元NFLチアリーダー松崎美奈子】

本拠のスタジアムに立つ山口さん(C)SteveFrance

◆山口紗貴子(やまぐち・さきこ)東京都出身。玉川大でチアダンスを始め、Xリーグ・オービックシーガルズ、オールスタープロチアリーダーズなどでチアリーダーとして活動。ベンガルズは9月8日(現地時間)にレギュラーシーズン開幕戦を迎えた。11月10日にレイブンズ(ホーム)と戦う。

沢木敬介の解説

南ア、ミス連発もフィジカル勝負で優位/ 沢木敬介

ウェールズに勝利し喜ぶ南アフリカフィフティーン(撮影・鈴木みどり)

<ラグビーワールドカップ(W杯):南アフリカ19ー16ウェールズ>◇準決勝◇27日◇神奈川・日産スタジアム

南アフリカは、本来のできではなかった。ウェールズの22メートルラインを越えてからノックオンなどミスを連発。徹底してキックを使ったが、ほとんど再獲得できなかった。今大会100パーセントの成功率を誇ったラインアウトも初めて失敗した。波に乗れないまま相手に粘られ、接戦になった。

最後の最後に突き放せたのは、前半から強みのフィジカルで勝負を続けていたから。それがボディーブローとなり、相手を消耗させた。リザーブ選手のレベル差もあった。南アは後から出てくる選手がトップレベルだったから、終盤にスクラムで優位に立てた。

決勝トーナメントは負ければ終わり。ボーナスポイントのためトライを狙うこともなく、相手を1点でも上回ることだけを考える。W杯らしい、ひりひりするような点の取り合いは見応えがある。南アのできがいまひとつだったとはいえ、粘り強く接戦に持ち込んだウェールズはさすが。「ザ・テストマッチ」といえる内容の濃い試合だった。(前サントリー監督)

モールで押し込む南アフリカ(AP)
沢木敬介の解説

エディー準備力光る、NZ戦想定し逆算/沢木敬介

イングランド対ニュージーランド ニュージーランドに勝利し決勝進出を決め、笑顔のイングランド・ジョーンズHC(右)(撮影・鈴木みどり)

<ラグビーワールドカップ(W杯):イングランド19-7ニュージーランド>◇準決勝◇26日◇横浜・日産スタジアム

イングランドが前半からスクラム、ラインアウトと強みを出して主導権を握った。劣勢になりながらも規律を乱さずペナルティーも犯さないNZはさすが。それでも、セットピースで優位に立つというゲームプラン通りに戦ったイングランドが勝ちきった。

SOにファレルでなくフォードを起用したのも、成功だった。イングランドのキックは、どれも素晴らしかった。NZはノータッチキックでアンストラクチャー(陣形が整わない状態)を作りたかったが、イングランドのプレッシャーなどでタッチキックを蹴らされていた。あのNZでも、勝ち続けるのは難しい。

エディー(・ジョーンズ監督)は目標から逆算して準備をするのが得意。今大会も組み合わせが決まった時点で、準決勝のニュージーランド戦をターゲットにしたはずだ。選手の調子はもちろん、すべてのピークを合わせた。完璧とはいわないが、そういう準備をしたからこその勝利だった。(前サントリー監督)

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楽しみ方は無限大!W杯後もTLで見られる選手たち

15年11月、近鉄の一員として花園で汗を流す南アフリカ代表CTBデアレンデ

ラグビーファンだけでなく、初めて競技を見た人も思ったはずだ。「南アフリカの12番、すごい…」。10月20日、W杯日本大会準々決勝。南アフリカのCTBダミアン・デアレンデは強烈な縦への突進を見せたかと思いきや、自陣ゴール前では力強く日本の攻撃を食い止めた。現在27歳。2度目のW杯で存在感が光る。

そんな男は、かつて日本でプレーした。全国の高校ラガーマンが目指す大阪・花園ラグビー場。前回のW杯が終わった15年秋、同地を本拠地とする「近鉄ライナーズ」に加入した。当時23歳。同年11月8日に来日すると、長時間のフライトにもかかわらず、翌9日には元気に練習していた。

日本の文化は驚きの連続だったという。「1回1回靴を脱ぐことにビックリだ」と笑うと「最後にもう1度、日本に帰ってきたいと思えるシーズンにしたい」と目を輝かせた。すぐにレギュラーに名を連ね、わずか3週間後にはサントリーからトップリーグ発足後初勝利。故障に悩まされ、わずか1シーズンのプレーだったが、今大会後には日本代表プロップ稲垣らが在籍するパナソニック加入が発表されている。

過去最高の8強にたどり着いた日本が、準々決勝で敗退。熱狂を余韻にしてしまうのは、まだ早い。26、27日に準決勝が行われ、11月1、2日には3位決定戦と決勝が控える。デアレンデのように、大会後もトップリーグ(TL)で見られるスター選手がいるのだ。

26日の準決勝でイングランドと戦うニュージーランド。同日に34歳の誕生日を迎えるNO8キーラン・リードは、常に厳しい局面で体を張る。大会3連覇を目指すラグビー王国の主将が、大会後には日本代表NO8姫野らが在籍するトヨタ自動車入り。27日にウェールズと準決勝を戦う南アフリカの怪物フッカー、マルコム・マークス(25)は、日本代表NO8マフィらが所属するNTTコミュニケーションズでプレーする。その他にも同様の選手がおり、W杯で“予習”しておけば、20年1月開幕のTLをさらに楽しめるはずだ。

W杯開幕前、2012年に日本人で初めて国際ラグビー殿堂入りを果たした坂田好弘氏(77)を取材する機会があった。1969年、単身でニュージーランドへ留学。世界中に友人がいる坂田氏に「W杯を楽しむ方法」を聞いた。開口一番の答えがユニークだった。

「町で外国人を見かけたら、ぜひ交流してほしいですね。英語が分からなければ、ビールを飲むジェスチャーでOK。パブもいいけれど、そこでぜひ居酒屋に連れて行ってあげてほしい。言葉が通じなくても、一緒に飲めば分かり合えるし、喜んでくれる。それがラグビー。『(次回W杯の)2023年にフランスで会おう』なんて約束ができたら、すてきですよね」

チケットがなくても、楽しむ方法は無限大。4試合を残して「ラグビーロス」になっては、もったいない。【松本航】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)

◆松本航(まつもと・わたる)1991年(平3)3月17日、兵庫・宝塚市生まれ。武庫荘総合高、大体大とラグビー部に所属。13年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社し、プロ野球阪神担当。15年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当し、平昌五輪ではフィギュアスケートとショートトラックを中心に取材。

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「男は黙ってマンデリン」稲垣啓太を癒す至福の一杯

喫茶店「サントス」でマンデリンを待つ稲垣啓太

ラグビーW杯で日本代表の8強入りに貢献したプロップ稲垣啓太(29=パナソニック)は、オフのひそかな楽しみがある。それは、地元新潟市の老舗喫茶店「サントス」で味わう1杯のコーヒーだ。

5年以上通い続ける店で、“コーヒー通”の稲垣は必ずスマトラ産の「マンデリン」(530円)を注文する。友人と訪れると、20席ある店内の端に座る。「男は黙ってマンデリン」。これがなぜか口癖で、BGMを耳にしながらゆっくり、じっくりとその時を待つ。高貴なカップに入れられた酸味が少なく、苦みが強いお気に入りの味を口にする。その瞬間が、まさに至福の時なのだ。

プロ選手として、これまではオフ期間でも毎日、トレーニングに励んできた。ジョセフ体制になってから体を休めることの大切さを学び、「静と動」のメリハリを大事にする。「コーヒータイムはすごく重要。ラグビーから一度スイッチを切ることで、心身ともにリセット出来る」。

創業44年のサントスは、女性店主が1人で切り盛りする。空気を読んだ絶妙な距離感の接客で、居心地も良い。稲垣は過去に近くのカフェで、こわもての風貌を理由に「入店NG」の経験があった。しかし、店主は初来店時に「きっと格闘家の方」と察し、ドンと構えた。ある日、職業を聞くと「ラグビー選手」と知り、その後はテレビなどで活躍をチェックするまでになった。今では「ガッキー」と呼ぶ。1杯のコーヒーが、不思議な縁をつないでいる。【峯岸佑樹】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)

稲垣啓太が好きなマンデリン
稲垣が通う喫茶店「サントス」
サントスのコーヒー豆
マンデリンをカップに入れる女性店主(撮影・峯岸佑樹)
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「最初だから」に逃げなかった橋本大輝の覚悟と意志

橋本大輝(2019年6月23日撮影)

「過剰さ」は人を引きつけるか、嫌悪させるかだと思うが、スポーツにおけるそれは、立ち会えた取材者の醍醐味(だいごみ)を感じさせる瞬間だったりもする。

「ないです!」。質問に対する即答は、少し強弁だった。聞かれたのは「疲れはなかったのか?」。食い気味にきっぱりと否定した。10月9日、橋本大輝(18=市船橋高)は体操の世界選手権の団体決勝を終えた直後だった。

3種目の鉄棒を終えた時、堂々と会場をあおっていたパフォーマンスやガッツポーズがなかった。7日の予選では4種目に登場し、全てでチーム最高得点を稼ぎ、鮮烈な世界デビューを飾っていた。初代表、慣れない環境で肉体的にも精神的にもすりへらす毎日は、国内大会以上ではなかったか。だから、鉄棒を終えてうつむくように視線を落とした姿が気になった。だが、本人は認めなかった。その言葉の強さは、春の国内選考会から取材してきて最大のトーンだった。そして、それは突然にとても過剰で、引きつけられた。

初々しさは初代表の特権で、それが言い訳に作用する場合もある。結果が残せなかった時に「最初だから」と免罪されるのは仕方がない。

ただ、橋本はその安全地帯に安住するどころか、毅然(きぜん)と代表の責任感を背負っていた。だから人一倍に過剰な反応をしたと判然としたのは大会最終日、13日の種目別決勝後半で鉄棒の演技を終えて、「大会で何が一番印象に残ったか?」と聞かれた時だった。

「団体決勝のゆかです。みんなが耐えて耐えてつないできてくれたのを、自分があのミスで台なしにしてしまったという思いでした。全部(の着地で)立ちたいという気持ちがあったのですが、着地を狙いにいって止めることが、そこで出来なかったのが一番悔しいです」。

種目別決勝に進出した全6種目の選手の中で18歳は最年少。10代の選手は橋本含めてわずか2人。その事実だけでも肯定要素満載で、取材側としては好演技について言及すると予想していた。これが裏切られた。口にしたのは失敗体験だった。主将の神本雄也は「彼のことは高校生とは思っていなかった」と大会総括で述べていたが、その通り、橋本本人が高校生という立場に逃げ込んでいなかった。それが床運動での失敗をいの一番に口にする態度に透けた。

中学時代には全国大会の直前練習中に床から大幅にはみ出して足を骨折しながら、鉄棒だけに強行出場した経験もある。柔和な表情、物腰とは反対に、橋本には決然とした覚悟、意志が備わっている。その事実こそが、世界選手権を取材し終えて、最も日本男子にとってポジティブな要素だったのではと考えている。

「今回の世界選手権では、来年に向けてこれから自分が何をすべきか、それが的確に見えてきました。団体で負けて、自分が来年に代表に入って勝ちたいという気持ちが強くなったので、来年は五輪の選考会でトップを狙うつもりでがんばりたいです」。

トップ-。大会の最後に誓ったその言葉は、もう過剰には聞こえなかった。【体操担当=阿部健吾】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)

沢木敬介の解説

セットピース優位ならイングランド勝てる/沢木敬介

豪州を破り準決勝進出を決め抱き合って喜ぶイングランドフィフティーン(2019年10月19日撮影)

決勝はイングランド-南アフリカ-。前サントリー監督の沢木敬介氏(44)は大胆に予想した。

北半球と南半球の最強国同士の対戦(26日・横浜国際)はストラクチャー(陣形が整った状態)に強いイングランドの勝利を予想。多彩なアタックが、ニュージーランド(NZ)ディフェンスを崩すことを期待した。準決勝のもう1試合(27日・同)は、南アフリカがウェールズに勝つとした。

   ◇   ◇   ◇

イングランドもNZも、ここに向けて調子を上げ、ベストメンバーでの対戦。レベルの高い、面白い試合になる。昨年11月のロンドンでの対戦は16-15と接戦でNZが勝ったが、心理的には敗れたイングランドの方が戦いやすい。「今度は勝てる」という感覚になり、逆にNZは「イングランドは強い」と思う。イングランドの方が楽に戦うことができる。

イングランドが勝つためには、スクラムとラインアウトで優位に立つこと。強みのスクラムなど、セットピースからサインプレーなどのオプションを使って攻めることができれば、NZのディフェンスを狂わすことも可能だ。キックオフを工夫するなど、多彩な攻めで、相手に「いつもとは違う」という感覚を与えることも有効になる。

NZは相手キックからのカウンターやターンオーバーなど、アンストラクチャー(陣形が整わない状態)からの攻めが得意。守りもアンストラクチャーに強く、逆に整ったストラクチャーからトライを奪われる率が高い。なるべく陣形を整えて攻めたいイングランドと、互いに崩して戦いたいNZ。タイプの異なる両チームの戦い。期待も込めて、この試合のために準備を進めてきたイングランドが決勝に進むとみる。

南アとウェールズは南アが有利だと思う。今年の6カ国対抗で優勝したウェールズだが、今大会での出来は決してよくない。タックル成功率などが下がっているのが気になる。また、メンバーのそろう南アに対して主力にケガ人が出てきたところもマイナス要因だ。南アが日本戦でもみせた強いフィジカルを武器にウェールズの強固なディフェンスを崩すとみる。

準々決勝日本戦、モールで押し込む南アフリカ(2019年10月20日撮影)
スマイルヨガ

健康や生活に役立つヨガポーズを紹介します

三日月のポーズ

「チアの木曜日」とホットヨガスタジオ「LAVA」がコラボした新連載「スマイルヨガ」。同スタジオのインストラクターが、健康や生活に役立つポーズを紹介します。第1回はKONATSU(写真)が、気分が晴れやかになる「三日月のポーズ」を紹介します。

両腕を上げて手で肘同士をつかみます。息を吐きながら上体を真横に倒して呼吸します。体の側面を伸ばすことでウエスト周りがスッキリし、気分が晴れやかになるポーズです♪ バランスが取りづらい場合は足を腰幅に広げて行います。

伊藤華英のハナことば

ラグビーW杯代表に感じる言葉の影響力/伊藤華英

スコットランド戦一夜明けの会見で、記者の質問に答えるリーチ(撮影・狩俣裕三)

初めてアジアで開催されたラグビーワールドカップ。ベスト8に勝ち上がったチームの中に日本という文字を見たとき、鳥肌が立った。

予選リーグを全勝した後、選手たちは決勝トーナメントの戦いに向け、ポジティブなコメントしか発していなかった。

その発言が私たちファンに期待を持たせ、もっと見たいという思いにさせられた。選手の言葉というのは、とても影響力があるものなのだと改めて感じさせられた。

今までラグビーに興味がなかった人も、「オフロードパス」などの意味や言葉を知ったのではないか。

「スポーツ界最大の番狂わせ」と世界のラグビー界を激震させた2015年大会の南アフリカ戦。そこから確実にイノベーションしているのは、結果を見ればわかるだろう。オフロードパスも、前回の日本代表にはなかった。

世界の強豪国と戦う中でいろんな戦略を持ち、ひとりひとりの役割がオンザフィールドで輝いていた。本当に感動した。

「絶対ベスト8に行く」

この言葉を胸にジャパンチームは変化してきた。選手たちの、臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の精神に脱帽だ。

4年前は、まさか南アフリカに勝つなんて想像していなかった。でも信じていた。そんな情熱と熱い思いがいろんな人の心に浸透した。当時だって、試合を見ながら大泣きした。「ハードワーク」を掲げて、エディ・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)のきついといわれる練習をこなして、JAPAN WAYのプライドを証明できた大会だった。

しかし決勝トーナメントには進めなかった。

その悔しさを胸に歩み始めたのが、今大会のチームだ。

日本代表のHCがジェイミー・ジョセフ氏に代わり、最初はかみ合わない戦術だといわれ、ファンは心配した。でもそこから、選手とHCが歩み寄り、思いを分かち合い、今回のラグビーワールドカップ2019を迎えた。

4年前と比べてメンバーは半分くらい変更になった。これは当たり前のことで、前回のコラムでも書いたが、4年とはいろんなことが変わる時間だ。

それでも、堀江翔太選手、田中史朗選手、トンプソン・ルーク選手、リーチ・マイケル選手、ツイ・ヘンドリック選手、田村優選手、稲垣啓太選手、アマナキ・レレィ・マフィ選手、福岡堅樹選手、松島幸太朗選手ら、前回大会を経験した選手がいることで、見ている方としても安心感が大いにあった。

そこに新しい選手が加わり、全員で戦う。ラグビーならではのチームJAPANという新たな意識がすごく伝わった。

では今回は何がすごかったのか。

自国開催ということが要因として掲げられるが、ラグビー精神がさらに一体感を呼び、熱気を帯びた。

準々決勝の南アフリカ戦、前半は3-5と接戦だった。前半終了間際の相手トライは反則で取り消され、僅差で前半を終えていた。「ハーフタイムでは選手たちが疲れていた」とジェイミーHCが言っていたが、後半は自陣でのプレーが目立ち、最終スコアは3-26。ベスト4へは行けなかった。

ただこの試合でも、多くの海外ラグビーファンが、日本はティア2(中堅国)ではなく、ティア1(強豪国)だろうと称賛していた。ニュージーランド代表、オールブラックスのスティーブ・ハンセンHCも、記者会見の際に日本のラグビーはティア1に匹敵すると述べていた。

この頑張りに拍手を送らずにはいられないだろう。

台風の影響で試合が中止になったり、各地が被災した時も、日本だけでなく各国の選手たちはそれを受け入れた。被災者や被災地に寄り添うコメントが多く発信された。スコットランド戦で、田村優選手と激しく衝突したフランカーのジェイミー・リッチー選手は、のちにSNSで謝罪し、田村選手もそれに返信してラグビー精神、スポーツ精神をみることができた。

日本の戦いぶりは、称賛以外の何ものでもなかった。でも他国の選手らの負けたあとの振る舞いや、発言も本当に注目すべきものだった。

勝敗だけがすべてではない。タフワークで戦う姿、そのあとの友情。1人1人がこの素晴らしい瞬間から自身の人生に照らし合わせていただきたい。

子供たちへもそうだ。10月28日に早稲田大学のグラウンドでラグビースクール「全国一斉ラグビー体験会」を開催する。詳しくは日本ラグビー協会のサイトで見ていただけるとうれしい。

ここからが、新たなラグビーの歴史のページを増やしていく大事な時期になっていくだろう。2020年1月からはトップリーグも始まる。日本のラグビーが伝えたかったこと。さらに多くのラガーマンから、スタッフから発信されることを期待したい。

今週末、ワールドカップはセミファイナル、ファイナルと続く。

最後まで一体感を持って応援したい。

(伊藤華英=北京、ロンドン五輪競泳代表)

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働く人の評価構築がサービス向上に/JFA改革・下

日本サッカー協会専務理事の須原清貴氏

<日本サッカー協会(JFA)須原清貴専務理事に聞く(下)>

18年3月に日本サッカー協会(JFA)の専務理事に就任した須原清貴氏(53)。現職に至るまで、キンコーズ・ジャパン代表取締役兼CEO、ベルリッツ・ジャパン代表取締役社長、ドミノ・ピザ・ジャパン代表取締役兼COOなど、名だたる企業のトップを歴任してきた経営のプロフェッショナルだ。

就任から約1年半、「組織づくり」という点に着目し、これまでの成果とJFAが抱える今後の課題を聞いた。

   ◇   ◇   ◇

前編ではこれまでの成果に焦点を当てたが、半面、達成に至っていない課題もある。その1つが「評価の仕組みの確立」だ。

英会話、ピザ、コピー。須原氏の経歴をたどると「サービス業」という共通項が見えてくる。須原氏はこのサービス業において、最も重要なものは「サービス」そのものではなく、それを提供する「人」だと主張する。

顧客がもう1度そのサービスを利用したいと思うための、必要十分条件を考える。必要条件は言うまでもなく「サービスの質」。取得できる英語のレベル、ピザのおいしさ、コピー物の品質などだ。一方で十分条件は「サービスを提供する質」。言い換えれば、顧客とサービスの間に立つ人の質、接客の質なのだ。

この「接客」の質を高めるためには、従業員に対する評価が適正かつフェアである必要がある。どんなに良い接客をしても、評価、ひいては給料に反映されなければ、よほどの善人でもない限り、従業員のモチベーションは下がる一方だ。

須原氏は、JFAの仕事も「サービス業」だと考えている。さまざまな人に、さまざまな角度から、サッカーを楽しんでもらうための「サービス」を提供している、というのだ。制度や施設、観戦環境、育成組織など、全てはJFAで働く「人」が提供している。この人たちの評価の仕組みを確立させることが、彼らのパフォーマンス向上につながると考えている。

現在JFAでは、キリンから出向している藤川宏人事部長が、この評価の仕組みを構築している最中だという。導入を検討しているのは、立場に関係なく互いの仕事を評価し合う「360度アセスメント」や、現在1年に1度の人事評価に3カ月ごとの「中間フィードバック」を設けることなど。タイムリーかつフェアな評価軸の設定が、JFAで働く1人1人のパフォーマンス向上につながるはずだ。

ピザとサッカー。一見なんの関連もなさそうな2つも、須原氏の目を通せば共通項が浮かんでくる。経営のプロフェッショナルのサッカー界での挑戦は、これからも続いていく。(おわり)【杉山理紗】

◆須原清貴(すはら・きよたか)1966年(昭41)6月18日生まれ、岐阜県出身。慶応義塾大学法学部法律学科を卒業後、91年に住友商事へ就職。00年に米ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得。01年ボストン・コンサルティンググループに転職しコンサルタントを務め、03年1月にはCFOカレッジを設立、同代表取締役社長に就任。その後、GABA取締役副社長兼COO、キンコーズ・ジャパン代表取締役社長兼CEO、ベルリッツ・ジャパン代表取締役社長、ドミノ・ピザ・ジャパン代表取締役兼COOを歴任した後、18年3月から現職。息子の影響でサッカーに興味を持ち、現在3級審判員資格を保有している。

チアの木曜日

アスレファンタジスタ マスコットと踊るカウガール

今週はフットサルFリーグのチアが初登場。立川・府中アスレティックFCのオフィシャルチアダンスチーム「アスレファンタジスタ」だ。東京競馬場のある東京・府中市と立川市がホームタウンということで、馬をイメージしたパフォーマンスでファンを沸かせている。

「アスレファンタジスタ」のハーフタイムショーはユニークだ。チアはカウガールに扮(ふん)し、テンガロンハットにダンガリーシャツ姿で登場。ウエスタン調の曲と振り付けを取り入れたパフォーマンスを展開する。公式マスコットの「アスレくん」とのダンスも人気だ。

カウガールをイメージした衣装で踊るアスレファンタジスタ。中央は公式マスコットの「アスレくん」 (C)FuchuAFC

この「アスレくん」は昨シーズン、選手が主体となったクラウドファンディングで誕生した。愛らしい馬が、ブラウンのユニホームを着ている。ディレクターの新條恵美子さんは「マスコットが誕生したことでパフォーマンスの幅ができ、テーマ性を持った振り付けや演出ができるようになりました」と言う。

立川・府中アスレティックFCはFリーグ・ディビジョン1に所属。昨シーズンはプレーオフ準決勝で敗退し、3位だった。今年のスローガンは「GO BEYOND」。さらなる高みを目指すチームを、チアが後押しする。

チーフディレクター松田華衣さんは「学生から社会人、チア経験もさまざまなメンバーが集まっています。お互いの良さを吸収し合い、フレッシュな気持ちで切磋琢磨(せっさたくま)しています」と話した。【元NFLチアリーダー松崎美奈子】

◆Athle FantasistA(アスレファンタジスタ)2010年創設で、メンバーは現在10人。13年にチアダンスアカデミーを開校。府中市や立川市でイベント活動も行う。

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情熱のキリンから人事のプロを招聘/JFA改革・上

日本サッカー協会専務理事の須原清貴氏

<日本サッカー協会(JFA)須原清貴専務理事に聞く(上)>

18年3月に日本サッカー協会(JFA)の専務理事に就任した須原清貴氏(53)。現職に至るまで、キンコーズ・ジャパン代表取締役兼CEO、ベルリッツ・ジャパン代表取締役社長、ドミノ・ピザ・ジャパン代表取締役兼COOなど、名だたる企業のトップを歴任してきた、経営のプロフェッショナルだ。就任から約1年半、「組織づくり」という点に着目し、これまでの成果とJFAが抱える今後の課題を聞いた。

   ◇   ◇   ◇

須原氏いわく、当初思い描いていたゴールへの実現度は5割程度。達成できたことは主に<1>人事部の創設、<2>経営企画部の復活、<3>プロモーション部の立ち上げの3点だ。中でも人事部を発足させるに至っては、人事部長を転職サイトで公募するなど、革新的な手法で世間の注目を集めてきた。しかし結果的に、人事部長はスポンサー企業であるキリンからの出向を受け入れるという形をとった。そこに至る経緯には、サッカー界発展のためのパートナーとして40年間を共に歩んできたキリンの知られざる“情熱”があった。

須原氏がJFAに参画した際にあがった課題のひとつに、経営メンバーの強化があった。須原氏と同じ次元でディスカッションができる、いわば「壁打ちの相手」(須原氏)を求めていたのだ。どんな人材を経営メンバーに誘おうか。不足しているエレメント(要素)を考えたとき、真っ先に上がったのが人事機能だった。

ここから、JFA内部には存在しなかった“人事のプロフェッショナル”発掘作業が始まった。転職サイト「ビズリーチ」で公募したところ、応募総数は約1500通。企業名は明かせないというが、各界のエリートから履歴書が届いた。しかし、須原氏は迷った。この優秀な人材が、果たしてサッカー界にフィットするのか? サッカー界に引き入れることが、彼らのキャリアにとって最善の選択となるのか-?

そんな悩みを抱えていたのと時を同じくして、東北地方でキリンとJFAが共催するイベントがあった。その晩、須原氏はキリン役員に思い切って悩みを打ち明けた。社会人の先輩として、何かアドバイスをもらえたらと考えたのだ。その席で話題に上がったのが、キリン社内にある人事交流制度の話。世界有数のメーカーであるキリンが、JFAに人事のプロフェッショナルを送り込んでくれようというのだ。フランクな会合の席で、あくまで求めたのは「アドバイス」のはずだったが、先方からは「ソリューション」が帰ってきたのだった。

話はとんとん拍子に進み、キリンの人事担当の役員が候補者の履歴書を持って日本サッカー協会の入るビル、JFAハウスを訪れた。申し分のない経歴に須原氏は萎縮したというが、先方の「JFAと人事交流をする以上、万全の自信をもつ人材しか出せない。社長の磯崎功典を含むキリン経営陣の総意です」という情熱を受け止め、藤川宏人事部長がここに誕生した。

強力な“人事のプロフェッショナル”が加わったJFAは、人事部、経営企画部、プロモーション部と新たな部署を設立させていった。須原氏が推し進める組織改革の裏には、サッカー界への惜しみない支援を続ける、キリンの情熱があった。(続く)【杉山理紗】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)

◆須原清貴(すはら・きよたか)1966年(昭41)6月18日生まれ、岐阜県出身。慶応義塾大学法学部法律学科を卒業後、91年に住友商事へ就職。00年に米ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得。01年ボストン・コンサルティンググループに転職しコンサルタントを務め、03年1月にはCFOカレッジを設立、同代表取締役社長に就任。その後、GABA取締役副社長兼COO、キンコーズ・ジャパン代表取締役社長兼CEO、ベルリッツ・ジャパン代表取締役社長、ドミノ・ピザ・ジャパン代表取締役兼COOを歴任した後、18年3月から現職。息子の影響でサッカーに興味を持ち、現在3級審判員資格を保有している。

沢木敬介の解説

日本は後半失速、フィジカル勝負受け身に/沢木敬介

後半、モールで押し込まれる日本(2019年10月20日撮影)

南アフリカのプライドが日本の体力を奪った-。前サントリー監督の沢木敬介氏(44)は日本-南アフリカ戦のスタッツ(統計データ)を手に解説した。

試合前の予想通り、ラインアウトでは完敗を喫したが、他のスタッツは試合を通じてほぼ互角。もっとも、前後半の数字を比べると、前半の健闘と後半の失速が浮かび上がった。大会を通じて好パフォーマンスを見せてきたジャパンが、真の強国の前に力尽きた。

   ◇   ◇   ◇

日本-南アフリカのポゼッションとテリトリー

点差からみれば完敗だったが、日本は健闘した。苦戦が予想されたラインアウトでは南アの100%に対して76・9%も、他のスタッツは互角だった。ポゼッション(ボール支配率)やテリトリー(地域獲得率)は50%近く、キャリー(ボール保持)での獲得距離は444メートルと上回った。タックル成功率も90・4%と南アの92・1%に迫った。

もっとも、これは80分間でみた場合。前後半に分けると、まったく違う試合になる。ポゼッション、テリトリーは前半60%近かったが、後半は正反対。ペナルティーも前後半で対照的だった。前半のパスは141本で相手の4倍あったが、後半は54本で下回った。

日本-南アフリカの各プレー統計データ

1次リーグの日本は、後半にフィットネスの差で勝ちきった。しかし、南ア戦は後半で足が止まった。持ち味でプライドでもあるフィジカルを前面に押し出す南アと激突し、体力を奪われた。これがボディーブローのように効いた。

1次リーグと違って、涼しかった。暑さのアドバンテージはなかった。ここまでフル出場4人の日本に対し、選手を入れ替えて戦ってきた南アはほとんどが3試合目。試合のMVPに輝いたSHデクラークは、1次リーグで131分しか出ていない。疲労の蓄積という点で、プレータイムの差は結果にも影響した。

後半、主力級のFWを投入してくる相手に対し、日本は受け身に回った。自陣で反則し、PGで差を広げられた。後半25分にはモールを押し込まれて決定的なトライを許した。ボディーブローを浴び続けた選手に耐える力はなかった。

優勝経験のあるニュージーランドやイングランド、南アは決勝トーナメントからが強い。前回大会の雪辱を期す南アは容赦なく日本の強みを消してきた。数字的には勝っていた前半も、デクラークの早いプレッシャーでSH流のテンポを止められた。松島と福岡のWTB陣もスペースを見つけることができなかった。正直、力の差はあった。

それでも日本の健闘は素晴らしい。アイルランド、スコットランドなどティア1の中堅には勝てるまで成長した。準々決勝のウェールズとフランス戦は「どちらでも日本は勝てる」と思いながら見た。ただ、ニュージーランドや南アに勝つのは簡単ではない。もう少し時間が必要だと思う。

後半、南アフリカSHデクラーク(右)にトライを決められる、左はWTB福岡堅樹(2019年10月20日撮影)

We Love Sports

田中-松田に高崎-平尾だぶらせ…「いい夢見た」

14年5月に開かれた伏見工山口総監督の祝賀会で壇上に上がった高崎氏(右)と平尾さん(高崎氏提供)

39年前の記憶が、脳裏に浮かんでは消えた。

目の前で繰り広げられているのは、超満員の大観衆が1つになって声を絞り出す日本へのコール。最後の1分、1秒まで逆転を信じて走り続ける教え子2人の姿だった。そこに、セピア色の記憶がよみがえってくる。後半途中から田村優と交代で入った松田力也はSOへ。田中史朗はSHとして、伏見工出身の2人がハーフ団を組んだ。その光景が、記憶と重なった。

「フミ(田中)と力也が出てきてからですね。当時を思い出していました。2人が、この大きな舞台でハーフ団を組んで戦っている。SHが自分で、SOが平尾。あの頃と重ねて、試合を見ていました」

ラグビー・ワールドカップ(W杯)準々決勝。日本は3-26で南アフリカに敗れ、4強進出の夢が散った。その試合を伏見工(現京都工学院)元監督の高崎利明さん(57)は、客席から観戦した。10月20日は、3年前に胆管細胞がんで他界した平尾誠二さん(享年53)の命日だった。元日本代表フランカーの山口良治さん(76)が、校内暴力で荒れた伏見工の監督に就任。80年度に初の全国制覇を達成した軌跡は、ドラマ「スクール☆ウオーズ」として描かれた。当時のハーフ団が「高崎-平尾」の2人だった。

「日本ラグビー界のために平尾が力を注いできて、史上初のベスト8まで導いてくれた。ここから先は、まだ日本が戦える相手ではないことも、痛感したと思う。この先の壁は今、現実にいる者たちが超えていくしかない。いい夢を見させてもらいました。これからは新たな日本ラグビーの第1歩を進んで欲しい」

2人が高校1年だった78年11月の全国高校ラグビー京都府予選決勝では、強豪の花園高校に6-12で敗れ初の全国大会出場を逃した。その帰り道。平尾さんは、京都の天神川に準優勝のトロフィーを投げ捨てたという。反骨心と努力で、2年後には日本一に立った。その伝統は後輩へと受け継がれ、このW杯に2人の日本代表戦士を送り出した。

南アフリカに敗れた直後、SH田中とSO松田は、高崎さんの席を探して、あいさつに来たという。

「ご苦労さまという言葉をかけました。フミは『最後のW杯』という思いがあったから、よく頑張った。3回のW杯に出場して、いい時代を生きた。力也にとっては、不完全燃焼のW杯だったでしょう。4年後は自分が主役になるという気持ちを抱いていると思う」

熱血教師だった山口さんは、京都市内の自宅で南アフリカ戦をテレビ観戦した。前日19日に、決戦へ向かう孫のような2人の教え子にかけた言葉は、今までになく優しいものだった。

「私として、これ以上、望むものはない。だから『ラグビーを楽しみや』とだけ伝えました。本人たちはそうは思っていなかったやろうけれど、私はもう、ここで終わってもいいという感覚やった。ケガだけはせんようにね。こんなに素晴らしい勇気と、感動を、我々に与えてくれた。これ以上、何を望むのですか。きっと平尾は、日本にこの雰囲気が来ることを思い描いていたと思います。おそらく、どこかで1人でこの試合を見ていたことでしょう。これでラグビー文化が、日本に花を開いてくれた」

日本中がラグビーに夢中になった1カ月。この濃密な時間は、人気がなかった時代を支えてきた人たちがいたからこそ、実現したものである。その中心に、平尾さんはいた。【益子浩一】(ニッカンスポーツ・コム/スポーツコラム「We Love Sports」)

14年5月に開かれた伏見工山口総監督の祝賀会で記念撮影する高崎氏(右)と平尾さん(高崎氏提供)
沢木敬介の解説

ゴールは8強じゃない、再び日本でW杯を/沢木敬介

日本対南アフリカ 笑顔で記念写真に納まる堀江(中央下)、福岡(中央)ら(撮影・鈴木みどり)

<ラグビーワールドカップ(W杯):日本3-26南アフリカ>◇準々決勝◇20日◇東京・味の素スタジアム

ジャパンは力を出し切った-。前サントリー監督の沢木敬介氏(44)は激闘を振り返って言った。南アフリカ自慢のフィジカルの強さに敗れたものの、過去優勝2回の強豪と真っ向勝負したことを評価。

ベスト4入りは逃したが、大会を通しての成長を喜んだ。同時に日本代表の躍進を今後の日本ラグビーの発展につなげる必要性を強調。再び日本でW杯を開催することを望んだ。

   ◇   ◇   ◇

日本は南アの強さに敗れた。攻守にわたってフィジカルの強さというプライドをぶつけてきた相手。ラインアウト、スクラム、モール…、その強さがボディーブローのように効いた。W杯優勝を含む上位常連チームの強さ。そこに真っ向勝負できたことが素晴らしい。

アイルランドに勝ってチームは自信を手にした。それが、大会を通しての成長だ。自信を持って1つ1つのプレーをした。日本のレベルが低くないことを証明した。4年前に南アに勝って世界へのきっかけをつかんだチームは、世界と互角に戦えるまでに成長した。ギアを上げた南アは難敵だったが、ウェールズやフランスなら勝てたはずだ。

今大会の日本チームの挑戦は終わったが、日本ラグビーのゴールはここじゃない。今回はホームの利が大きかった。日程や暑さなど環境、応援などに後押しされた面はある。4年後のフランス大会は違う。W杯開催国でもないから、ティア1とのマッチメークも難しくなる。トップリーグ活性化や育成年代の強化など、日本ラグビー界にとっての課題もまだまだ多い。

ジャパンの躍進だけでなく、日本ラグビー界にとってもW杯開催の意義は大きい。認知度は高まり、ファンも増えた。それを、どう今後につなげるかだ。近い将来、もう1度W杯を開催するのもいい。それだけの価値は十分にある。

バズ画伯のナイショ話

少し猫背な背中が誇り 我らが主将マイケルお疲れさま

元ラグビー日本代表プロップで「バズ」の愛称でファン、選手から愛される浅原拓真(32=日野)がラグビー日本代表選手の似顔絵と裏話をワールドカップ(W杯)日本大会の期間中に随時、紹介しました。最終回はフランカーリーチ・マイケル主将(31=東芝)です。

元日本代表・浅原拓真が描いたリーチ・マイケル

みなさん、「バズ」浅原です。日本代表のみんなには、本当にお疲れさまと言いたいです。プレッシャーの中で、すごい戦いを見せてくれました。10回目を迎えたこのコラムも、ついに最終回です。締めくくりは、われらがキャプテン、リーチ選手のないしょ話。

誰からも愛され、尊敬されるマイケルですが、普段は本当におちゃめなんです。ある時期「バズ、おれ、はげてない?」と薄毛を気にしていました。私は「もともと短いから分からない」と受け流していたのですが、ある日、頭頂部だけをそって練習にきたのです。まるでカッパ…。分かりづらいボケのせいで、クラブハウスは、「えっ!?」と微妙な空気に包まれ、みんな練習に身が入りませんでした。「自分でそったんだけど…」。小さな声でネタばらしをする姿には、優しさが詰まっていました(笑い)。

少し、まじめなお話も。マイケルには接する人がファンになってしまう特別な力があります。誰よりも率先してしんどいことをやる。勝つために、ハードワークを当たり前にしたのがマイケル。口べただけど、気遣いの人。相手を良く変えてあげたいと思うから、仲間にも厳しいことが言える。少し猫背なあの背中をみんなが見ていたから、今の日本代表があるのだと思います。お疲れさま。マイケルと一緒にラグビーができて誇りに思うよ! みなさん、次はトップリーグの会場でお会いしましょう!(元日本代表プロップ・浅原拓真)

13日のスコットランド戦の試合後、田中(中央)と喜びを分かち合うリーチ(右)。左は山中(撮影・狩俣裕三)

今泉チェック

審判さえ欺いた南アの出足、経験差に泣いた/今泉清

前半、相手スクラムを崩し、反則を奪って雄たけびを上げるフッカー堀江(中央)ら日本代表の選手たち(撮影・狩俣裕三)

<ラグビーワールドカップ(W杯):日本3-26南アフリカ>◇準々決勝◇20日◇東京・味の素スタジアム

日本のバックス陣が、南アフリカとの経験の差に泣いた。

相手の出足が早かったのは、オフサイド気味だったから。私の目には完全にオフサイドに映ったが、審判が笛を吹かなければペナルティーにはならない。全員がオフサイドラインよりも1歩ずつ前に立ち、さらに飛びだすタイミングも早かったと思う。

ただ、うまいのは、それを全員がきれいにそろってやること。1人だけが飛びだせば文句なくオフサイドになるが、ラインがそろっていると審判もとりにくい。そういう駆け引きを巧みに使ったところが、W杯上位常連国の経験なのだ。

日本のラインは浅く、立ったままパスが回ることが多かった。相手がオフサイド気味に飛びだしてくるなら、それに合わせて1歩立ち位置を下げるべき。相手もタックルの的を絞れなくなるし、突破もしやすくなる。課題だったキック処理を完璧にこなし、準備はできていた。だからこそ、審判さえ欺くような経験の差で負けたことは残念でならない。(元日本代表)

採点表