【柔道】パリ五輪内定の元世界王者2人がともに敗れる波乱…橋本壮市2位、永瀬貴規は3回戦敗退
<柔道:グランドスラム(GS)東京大会>◇2日◇第1日◇男女6階級◇東京体育館
男子73キロ級と81キロ級で24年パリ五輪(オリンピック)代表に内定している元世界王者2人が、ともに敗れる波乱があった。
73キロ級では、17年世界選手権優勝の橋本壮市(32=パーク24)が準優勝。決勝で世界ランキング1位のヘイダロフ(アゼルバイジャン)に敗れた。延長戦に突入後、巻き込まれる形の隅返しで技ありを取られ、無念そうに畳をたたく。ビデオ判定も、結果は変わらなかった。
最近の世界選手権も3年連続メダル(21年銅、22年銀、23年銅)獲得中で、パリ五輪代表にも早期内定しており「研究されている」ことを痛感。「素直に悔しい。腕を抱えられ押し切られた。受け方ミス。受けの甘さが出た」と反省した。
8月のマスターズ大会は金、翌9月の杭州アジア大会は銀。パリまでマークされる立場であり続けるが「今年はたくさんの大会に出た。パリで金メダルを取れるよう、しっかり休んで、また1ランクも2ランクも進化していきたい」と切り替えた。
81キロ級の東京五輪金メダリスト永瀬貴規(30=旭化成)は、まさかの3回戦で姿を消した。初戦の2回戦こそ突破したが、続く3回戦でタカエフ(アゼルバイジャン)に指導3の反則負け。過去2敗で、今大会を制した21歳の李俊奐(韓国)と準々決勝で当たる前に去り「申し訳ない気持ちと情けない気持ちでいっぱい」と悔しがった。
16年リオデジャネイロ五輪で銅メダル、東京では念願の金メダルも、その後は悩める日々が続く。国内は敵なしも、世界選手権は2大会連続3位、マスターズ大会も3位と頂点に届かない。
「なかなか思うような結果は出なかった」と今年を総括しつつ、勝負師は来夏を見据えている。3大会連続の大舞台へ「パリ五輪で最後に笑って終えられるようにしたい。今は苦しい状況でも、下を向かずに前だけ見て進んでいきたい」と自身に言い聞かせていた。【木下淳】
- 男子81キロ級3回戦、反則負けで敗れる永瀬(撮影・垰建太)
- 男子73キロ級、決勝で敗れ渋い表情の橋本(右)(撮影・垰建太)
- 男子73キロ級、決勝で敗れる橋本(右)(撮影・垰建太)
- 男子81キロ級3回戦、反則負けで敗れる永瀬(撮影・垰建太)