日刊スポーツ

東九州龍谷7度目優勝「みんなで勝てた」荒木主将

東九州龍谷7度目優勝「みんなで勝てた」荒木主将

女子で優勝し喜ぶ東九州龍谷の選手たち(撮影・野上伸悟)

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):東九州龍谷3-0古川学園>◇女子決勝◇12日◇武蔵野の森総合スポーツプラザ

バレーボールの第72回全日本高校選手権最終日は12日、東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザで決勝が行われ、男子は東山(京都)が初優勝、女子は東九州龍谷(大分)が8大会ぶり7度目の優勝を果たした。東九州龍谷は大黒柱の荒木を中心に攻守がかみ合い、古川学園(宮城)をストレートで下した。

      ◇       ◇

勝利が決まると、東九州龍谷に歓喜の輪が広がった。「3年連続で負けるわけにはいかない。みんなを信じて頑張った」。主将の荒木は感慨を込めた。過去2大会で屈した決勝の壁をついに打ち破った。強さは長所を最大限に引き出す選手起用。この日も最大6回使える選手交代をフル活用して得意のプレーを引き出した。荒木は「全員で支え合って、みんなでカバーしてチームで勝てたので良かった」。言葉通りの“全員バレー”を勝因に挙げた。

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男子は東山が悲願の初優勝!エース高橋軸に快勝

男子で初優勝し喜ぶ東山の選手たち(撮影・野上伸悟)

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):東山3-0駿台学園>◇男子決勝◇12日◇武蔵野の森総合スポーツプラザ

バレーボールの第72回全日本高校選手権最終日は12日、東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザで決勝が行われ、男子は東山(京都)が初優勝、女子は東九州龍谷(大分)が8大会ぶり7度目の優勝を果たした。大会は09年までの全国高校総体の記録を引き継ぐ。

東山はエース高橋を軸に攻撃陣が好調で駿台学園(東京)に3-0で快勝した。東九州龍谷は大黒柱の荒木を中心に攻守がかみ合い、古川学園(宮城)をストレートで下した。

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古川学園準V「自滅」監督は完敗認めるも再出発誓う

女子で準優勝に終わるも、最後は笑顔で締めた古川学園の選手たち(撮影・野上伸悟)

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):東九州龍谷3-0古川学園>◇女子決勝◇12日◇武蔵野の森総合スポーツプラザ

女子の古川学園(宮城)はセットカウント0-3で東九州龍谷(大分)にストレート負けし、20大会ぶり4度目の優勝を逃した。スーパーエースのキューバ人留学生バルデス・メリーサ(2年)が右肩の痛みを訴えながら、バックアタック2本を含む計18得点と奮闘し優秀選手に選ばれたが、チームは終盤の粘りも及ばず力尽きた。それでもリベロ2人を含む先発の1、2年生5人が決勝コートを経験。「次こそ金メダル」と県新人大会からの再出発を誓った。

   ◇   ◇   ◇

古川学園がまたも「宿敵」に屈した。東九州龍谷とは11年夏の全国総体以来の決勝対決。10年3月終了の選抜優勝大会などを含め、全国決勝で6連敗を喫した。高校選手権では9大会ぶりに進出した決勝コートで持ち味を出せず、選手たちは相手胴上げを見ながら悔し涙を流した。昨年まで2年連続準優勝の強豪から1セットも奪えず、岡崎典生監督(51)は「キャリアの差。決勝に懸ける思いが違った。自滅です」と完敗を認めた。

第1セットの連続得点は3度にとどまり、第2セットもリードしたのは1点目だけ。世界ジュニア日本代表のミドルブロッカー荒木を止められず、サーブで崩されて失点を重ねた。同セット中盤は、頼りのメリーサが右肩の痛みを訴えてベンチで涙。エースの窮地に発奮した選手たちは第3セット、17点目までリードして競り合ったが、5連続失点で力尽きた。ミドルブロッカーの上沢沙織主将(3年)は「東龍の目つきと気合に押されてしまった。1、2年生が頑張ってくれたのにブロックが決まらなかった。気持ちの弱さが出てしまった」と悔いを残した。

敗れはしたが、1、2年生は準決勝から初めてのセンターコートを経験。新チームで悔しさを糧にする。チーム歴代最強アタッカーのメリーサは今大会6試合で計123得点をマーク。野呂桃花と杉木真優の2年生レフトも随所で鋭いアタックを決めた。メリーサは「(相手の)ブロックよりレシーブが良かった。2セット目からいない所を狙った。次は1本で決めて金メダルを取りたい」と、経験値とエースの自覚を高めた。

2月にはドミニカ共和国から、身長193センチの留学生も受験予定。公式戦で外国人留学生がコートに入れるのは1人だが、入学すれば留学生オポジット2人がベンチ入りとなり、メリーサの負担も軽減する。野呂は「前衛の仕事はできたけど、後衛のレシーブ力を磨きたい」と意欲。岡崎監督は「若いチームがよくやった。あと1つ、決勝に何が必要かを分かってくれたと思う。次のステージで生かしてほしい」と新チームに期待した。【佐々木雄高】

古川学園対東九州龍谷 準優勝に終わり、無念の表情のメリーサ(右端)ら古川学園の選手たち
古川学園対東九州龍谷 スパイクを放つ古川学園・メリーサ

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古川学園9大会ぶり春高決勝 メリーサ、上沢が奮闘

古川学園対共栄学園 決勝進出を決め、上村主将を中心に喜び合うメリーサ(右)、野呂(左)ら古川学園メンバー

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):古川学園3-2共栄学園>◇女子準決勝◇11日◇武蔵野の森総合スポーツプラザ

女子の古川学園(宮城)が3-2で共栄学園(東京第3)に逆転勝ちし、9大会ぶり8度目、現校名では初の決勝進出を決めた。

第1セットを先取され、逆転後はフルセットに持ち込まれたが、チーム一丸のコンビバレーを展開。オポジットのキューバ人留学生、バルデス・メリーサ(2年)がバックアタック6本を含む38得点(ブロック4点含む)を挙げ、ミドルブロッカー上沢沙織主将(3年)もブロック5本を含む10得点で勝利に貢献した。

   ◇   ◇   ◇

古川学園が新たな歴史に王手をかけた。高校選手権が1月開催になった11年以来のファイナル進出。第5セットのマッチポイント、ライトからメリーサの連続アタックで勝負を決め、選手たちは抱きあって喜びを爆発させた。岡崎典生監督(51)は「実力は紙一重。1セット目は硬かったが、2セット目からサーブレシーブも良くなりブロックも機能した」と勝因を挙げた。

7日の準々決勝(八王子実践)に続き、東京代表との連続「アウェー戦」を制した。第1セットはメリーサのアタックがブロックにつかまるなどリズムを崩して失ったが、第2セットから本領発揮。上沢主将のサーブとメリーサの連続バックアタックで勝ち越しの10点目から5連続得点を挙げた。第3セットもメリーサのバックアタックで勝ち越し、上沢主将の速攻などで逃げ切った。最終セットは昨年まで足りなかった精神力も発揮。1度もリードを許さず逃げ切った。メリーサは今大会5戦で計105得点を挙げ、この日はサーブレシーブの成功率でも64・3%と安定。「(第1セットの)最初は危なかった。2セット目からブロックもレシーブも良くなり、ベストプレーができた。みんな見ているのでやりがいがある」と自身初のセンターコートで勝利に貢献した。

今春、V・プレミアリーグ日立入りが内定する上沢主将も発奮した。応援席では伯父の大相撲・峰崎親方(63=元関脇・三杉磯、青森県出身)も1回戦から観戦。今日12日からの初場所を前に「粘って戦い寄り切った。明日は来られないが勢いがつく」と弟子の元前頭、西幕下48枚目荒鷲の活躍にも期待した。

決勝は再び因縁マッチ。前回決勝進出時に敗れた東九州龍谷(大分)と戦う。10年3月で終了した選抜優勝大会(旧春高バレー)を含め、全国決勝では5連敗中。岡崎監督は「久しぶりだから緊張していない」。決勝の「土俵」に上がった上村主将は、「押して押して押し出したい。先輩たちの悔しさを晴らして日本一になりたい」と、10年夏の全国総体以来となる王座奪還を誓った。【佐々木雄高】

9大会ぶり8度目の決勝進出を決め、応援席に笑顔であいさつする上沢主将(左)ら古川学園の選手たち(撮影・佐々木雄高)
古川学園対共栄学園 第3セット中盤、古川学園のミドルブロッカー上沢主将(左)が速攻を決める

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駿台学園、金蘭会など春高バレー男女4強決定

古川学園対八王子実践 スパイクを打つ古川学園・野呂(右)

バレーボールの全日本高校選手権第3日は7日、東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザで3回戦と準々決勝が行われ、男子は3大会ぶりの優勝を狙う駿台学園(東京)らが4強入りした。

女子の準々決勝では3連覇を狙う金蘭会(大阪)らがベスト4入り。準決勝は11日、決勝は12日に行われる。

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益子直美氏、アンガーマネジメントで選手に自主性を

インタビューに応じた益子直美氏(撮影・佐藤勝亮)

女子バレーボール元日本代表益子直美氏(53)が取り組む、指導者が選手を怒ってはいけない「第6回益子直美カップ小学生バレーボール大会」が11日から福岡で開催される。2014年の0回大会から7回目の今回、益子氏と日本ペップトーク普及協会の岩崎由純代表理事が指導者に向けた講演を行う。

益子氏は現役時代に褒められた経験が無く、バレーが大嫌いだったと言い「コーチに怒っちゃダメと言うけど、じゃあその先はどうしたらいいの?」と疑問に感じた。昨年、「アンガーマネジメント」の資格を取得し、どうしたら怒りや感情をコントロールできるのかを学んだ。

怒ることが悪いのではなく「怒り方を上手に、自分の気持ちを伝えることが大切」。怒られることが怖く「監督の指示待ちだけで、前向きに自主性を持つことができなかった私のような選手を作りたくない」。

スポーツ界に「怒らない指導」が普及し「いつか、この大会が必要なくなる」のが目標だ。「バレーボールにネガティブだった私がこの大会を通じて一番変われたと思う」という益子氏は「スタートしなければ始まらない」と、変化を呼び掛けた。【佐藤勝亮】

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東北8強ならず 佐藤空季、兄隆哉の思い受け継ぐ

得点を決めて雄たけびを上げる東北・佐藤隆哉主将(中央)と阿部晃也(撮影・山田愛斗)

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):鎮西2-1東北>◇男子3回戦◇7日◇武蔵野の森総合スポーツプラザ

東北は佐藤隆哉主将(3年)と佐藤空季(1年)の兄弟が攻撃を引っ張ったが、鎮西(熊本)にフルセットで屈し8強を逃した。

佐藤隆は「下も上も見られた濃い3年間だった。弟とは声を掛け合わなくても意思疎通ができるのが強みだった。1年だが東北の一員として引っ張ってくれた。自分がいなくても頑張ってほしい」と思いを託した。佐藤空は「バレー中はけんかすることもよくあったが、試合でチームをまとめる兄の背中に憧れていた。学べるところがいっぱいあり、先生のような存在だった」。兄の思いを背負い、日本一を目指すチームの原動力になる。

先輩に負けじとプレーした東北1年・佐藤空季(中央)(撮影・山田愛斗)

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古川学園4強進出、メリーサ「思い切りよく」17点

スパイクを決めて喜ぶ古川学園のバルデス・メリーサ(中央)(撮影・山田愛斗)

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):古川学園2-0八王子実践>◇女子準々決勝◇7日◇武蔵野の森総合スポーツプラザ

1日2試合のこの日、男女を通じて東北勢で唯一、準々決勝に進出した女子の古川学園(宮城)は、八王子実践(東京)にストレート勝ちし、準優勝の10年度(平22)以来9大会ぶりのセンターコート(4強以上)進出を決めた。

相手の高さに多彩な攻撃で対抗。キューバ人留学生バルデス・メリーサ(2年)が計17点を挙げ、2年生レフト野呂桃花も計11得点で勝利に貢献した。男子の東北(宮城)と不来方(岩手)はともに3回戦で敗れた。

   ◇   ◇   ◇

古川学園が東北勢最後のとりでを死守した。最後はメリーサの連続アタックで勝負を決めた。緊張から解き放たれた選手たちは小躍りしながら抱合い、笑顔をはじけさせた。久しぶりに8強の壁を破った岡崎典生監督(51)は「引いた方が負け。よく我慢して最後まで押し切れた」と選手たちの粘りをたたえた。

県予選から8戦連続のストレート勝ち。昨年涙した3回戦(対三重)を突破し波に乗った。終盤まで競り合った第1セットは19点目から抜け出し先取。第2セットは最大7点リードから21-20と1点差まで迫られたが、主導権を渡さずに逃げ切った。計17得点のメリーサはこれまでのポーカーフェースから一転。「思い切りよく決められた」と気合むき出しのガッツポーズでチームを鼓舞した。

スーパーエースの活躍に周りも発奮。第2セットはレフト野呂が2連続2回を含む8得点と活躍。バルデスが後衛にいる時間帯をカバーした。憧れのセンターコート進出を決めた野呂は「視野が広くなり、お互いにカバーしながら戦えた。メリーサが高くゆっくりした攻撃なので自分たちは速い攻撃を意識しました。3年生とセンターコートで終われる」と残り2戦に闘志を燃やした。セッター奥村澪(3年)も多彩なトスワークで司令塔の役割を果たした。「メリーサ1人に頼らず(トスを)1人1人に均等に上げるコンビバレーができた」と胸を張った。

20年ぶり4度目、現校名になって初めての高校選手権制覇を射程に捉えた。11日の準決勝は、共栄学園(東京)と対戦する。今日8日から3日間、5・プレミアリーグNECの体育館で調整予定だ。センター上沢沙織主将(3年)は「やってきたことを信じて自信を持って戦いたい」と闘志をみなぎらせた。【佐々木雄高】

ブロックする古川学園・上沢主将(中央)と野呂(右)(撮影・山田愛斗)

不来方が16強 司令塔中田が多彩な攻撃披露

得点に喜ぶ不来方・藤原(左)と佐藤

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):不来方2-0高知>◇男子2回戦◇6日◇東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ

不来方(岩手)は2戦連続のストレート勝ちでチーム記録に並ぶベスト16を決めた。司令塔のセッター中田拓斗主将(3年)が多彩な攻撃を披露。高知との我慢比べを制した。

2セットとも中盤まで競り合ったが、同点に追いつかれても主導権は手放さなかった。就任初年度の同校OB高橋新哉監督(38)は「サーブでプレッシャーをかけ、どんな状況でも我慢してこらえた」と選手たちの成長を認めた。エース藤原龍之介に、佐藤生真(いくま)、下平修也、菊池瑛斗の左利き3人を加えた先発の4人は2年生。中田主将は「(攻撃の)バリエーションを多く持っているのでクイックを多めにして(相手の)ブロックに的を絞らせないようにしました」と試合を振り返った。

高橋監督に全国2勝をプレゼント。1日2試合になる今日7日の3回戦は東福岡と戦う。開会式で選手宣誓し、波に乗る中田主将は「持っているかも」とノリノリ。高橋監督は「これから分析して作戦会議を開きたい。各学年に軸になる選手がいるのが強み。ミスをしないでしつこくやりたい」とチーム記録更新から一気にセンターコート(4強)進出を狙う。【佐々木雄高】

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東北18年ぶり頂点へ快勝発進 エース対策バッチリ

スパイクを放つ佐藤隆

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):東北2-0清水桜が丘>◇男子2回戦◇6日◇東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ

昨年の高校総体で準優勝に輝いた、男子の東北(宮城)がU19日本代表の山田大貴主将(3年)を擁する清水桜が丘(静岡)に2-0のストレートで勝利し、18年ぶり2度目の優勝に向けて、好発進した。また、不来方(男子、岩手)、古川学園(女子、宮城)が2回戦を突破。男子の山形南、相馬(福島)、女子の山形商、盛岡誠桜(岩手)、秋田北は2回戦で姿を消した。

第2セット、東北のマッチポイント。相手サーブがオーバー、強敵からの1勝に選手は笑顔を見せた。持ち前の高さを生かした攻守で初戦を突破した。

第1セットは、チーム最長身のエース佐藤隆哉主将(3年)にボールを集め、打点の高いスパイクで優位に試合を運んだ。第2セットは複数の選手にボールを散らし相手を幻惑、ブロックの的を絞らせなかった。セッターの小野寺瑛輝(3年)は「チームで一番信頼されているのが隆哉。だから、まずは1回リズムを作りたかった。そこから散らして、他のスパイカーにも、打ちやすい展開を作りたかった」と振り返った。

191センチのU19日本代表、清水桜が丘・山田のプレーを警戒。リベロを除く先発メンバーの平均身長189・6センチと長身の選手で固め、山田のスパイクには常に2、3枚と複数で対応し、プレッシャーをかけ続けた。佐藤隆は「相手は高さがある。それをブロックで守って、触ったボールは必ず取るということを徹底し、自分たちの攻撃につなげた」とエース対策について語った。

昨年の選手権は初戦で松本国際(長野)にストレート負け。昨夏の高校総体決勝でも1-3で敗れた。お互い順調に勝ち進めば、決勝の舞台での再戦が実現する。佐藤隆は「決勝で当たれば、三度目の正直だと思う。明日も大事な試合。チーム力で勝ちきって、日本一まで積み上げていきたい」。頂点を目指す「東北バレー」が会場を熱くする。【相沢孔志】

清水桜が丘・山田のスパイクを3枚でブロックする東北の選手

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平均身長190センチの壁 清水桜が丘2回戦で散る

ストレート負けを喫し、肩を落とす清水桜が丘の選手たち

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):東北2-0清水桜が丘>◇男子2回戦◇6日◇東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ

清水桜が丘(静岡)は、昨夏全国高校総体準優勝校の東北(宮城)に0-2で敗れた。1セット目から相手の強力サーブに陣形を崩され、立て続けに失点。攻撃もスタメンの平均身長190センチを誇る相手の高さが壁となり、形をつくることができなかった。何度もブロックの網にかかった山田大貴主将(3年)は「みんながつないでくれたのに決めきれなかった。ふがいない思いです」とため息を吐いた。

敵の術中にはまってしまった。チームはサーブレシーブが乱れ、苦し紛れに山田へトスを集中。だが、そこで相手の3枚ブロックに捕まり、得点源を封じられた。「(東北との)過去の練習試合では、あんなことはしてこなかった」とセッター空佳輝(3年)。試合中に相手の策に気づいたが、それでもエースを信じてボールを上げた。「山田は大きな存在。彼に任せることにブレはなかった」。

主将も仲間の思いを分かっていた。しかし、最後まで状況を打開することはできなかった。「自分の力のなさを実感しました」。今春には、大学バレー界の強豪・早大へ進学する。「今日のような試合でも力を発揮できるように成長したいです」。憧れの春高バレーで感じた悔しさを、未来への糧にする決意だ。【河合萌彦】

清水桜が丘の山田は、相手の高いブロックに苦しんだ

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北海道科学大高は第2セット32-32まで粘るも涙

多度津対北海道科学大高 ジャンプサーブを放つ北海道科学大高の十良沢主将(撮影・永野高輔)

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):多度津2-0北海道科学大高>◇男子1回戦◇5日◇東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ

女子で札幌山の手が済美(岐阜)を2-0で下し、ベスト8入りした16年以来、4大会ぶりの初戦突破を果たした。

旭川実は八王子実践(東京)に1-2で競り負けた。男子は北海道科学大高が多度津(香川)に0-2、恵庭南は慶応(神奈川)に1-2でそれぞれ敗れた。

   ◇   ◇   ◇

北海道科学大高は3大会ぶりの1勝は果たせなかった。第1セットを奪われると、第2セットは同点のまま32-32までもつれたが、最後に力尽きた。

夏まで3年生は5人いたが、16強に進出した総体後、主力の西村透弥(3年)が京大受験のため引退。主将の十良沢(じゅうろうざわ)太平(3年)は「西村に春高で1勝するところを見せてあげたかった」と目を潤ませた。

多度津対北海道科学大高 初戦敗退し天を仰ぐ十良沢主将(左から2人目)ら北海道科学大高の選手たち(撮影・永野高輔)

札幌山の手が4大会ぶり1勝、2年生エースが活躍

札幌山の手対済美 初戦を突破し喜ぶ札幌山の手の選手たち(撮影・永野高輔)

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):札幌山の手2-0済美>◇女子1回戦◇5日◇東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ

女子で札幌山の手が済美(岐阜)を2-0で下し、ベスト8入りした16年以来、4大会ぶりの初戦突破を果たした。旭川実は八王子実践(東京)に1-2で競り負けた。男子は北海道科学大高が多度津(香川)に0-2、恵庭南は慶応(神奈川)に1-2でそれぞれ敗れた。

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札幌山の手が4大会ぶりの1勝を挙げた。若いチームが躍動した。スターター6人のうち4人が2年生。エースの広瀬美音(2年)は「昨年は1回戦で負けてしまったので、何とか1勝できてうれしい。1度この舞台を経験していたので、今回は余裕を持って試合に臨めた」と振り返った。

年末12月23~29日まで1週間の関西遠征、年明け2日から再び本州に入り、大会出場チームとの練習試合を組む昨年のルーティンを踏襲。大会までの流れを知る広瀬ら中心に勝ちきり、渡辺徹監督(55)は「体調も崩さず、ここまで来られたのが良かった」と話した。

勝ち上がれば、総体3回戦でストレート負けを喫した金蘭会(大阪)と準々決勝で対戦する。その前の6日東京都市大塩尻(長野)戦に向け、広瀬は「まずは次に集中して、勝って金蘭会にリベンジしたい」と気を引き締めた。

札幌山の手対済美 強烈なスパイクを放つ札幌山の手のエース広瀬(右)(撮影・永野高輔)

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恵庭南「春高」初陣飾れず「流れのまれた」沢田主将

慶応対恵庭南 相手スパイクをブロックする恵庭南の(左から)奥山、寺井(撮影・永野高輔)

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):慶応2-1恵庭南>◇男子1回戦◇5日◇東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ

恵庭南(北海道)は慶応(神奈川)に1-2で敗れた。

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恵庭南の「春高」としては初陣だったが、1勝はお預けとなった。慶応相手に0-1から1セット奪い返す粘りを見せるも、最終第3セットは序盤で突き放され、逆転勝利はならなかった。学ランを着て太鼓を打ち鳴らす慶応の大応援団に沢田一徹主将(3年)は「すごい応援で、てんぱりました。流れにのまれた。後輩にはこの経験を来年に生かして欲しい」と後を託した。

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佐渡が初戦敗退「来年また戻る」地元応援団は大声援

スパイクを決める佐渡の北村宏樹主将

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):鹿児島工2-0佐渡>◇男子1回戦◇5日◇武蔵野の森総合スポーツプラザ

初出場の佐渡は、鹿児島工に0-2で敗れ、初戦で敗退した。1、2年生で構成されたチームは、地元から駆けつけた大応援団の前で、粘り強いプレーを披露し、今後に向けての手応えをつかんだ。

第1セットは19-25、第2セットは22-25と、ともに僅差での敗戦。持ち味の守りと、170センチのエース、北村宏樹主将(2年)や186センチの大蔵夢也(1年)のスパイクは強烈で、全国でも通用した。ただ、大事な場面でのミスが響いた。源氏篤史監督は「相手が自分のプレーを徹底していて強かった。1、2年チームの若さが出た。でもいいプレーもいっぱいあった。上を向いていきたい」と振り返った。

部員全員が佐渡出身。コート裏のスタンド席1、2階は、佐渡からの大応援団で満席となった。太鼓やメガホンを手に、どこよりも大きな声援が送られた。北村は「あの応援が力になった。全国の舞台に立てたのは佐渡のみなさんの支えがあったから。恩返しができなくて悔しいけど、来年また戻ってきたい」とさらなる成長を誓った。

スパイクを決めてポーズを決める佐渡の北村宏樹主将
声援を送る佐渡からの応援団

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秋田北4度目出場で初勝利 U18代表の野中が躍動

スパイクを放つ秋田北・野中主将(右)

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):秋田北2-0長岡商>◇女子1回戦◇5日◇東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ

秋田北が4度目の出場で悲願の「春高」初勝利を挙げた。

U-18日本代表でエースの野中瑠衣主将(3年)が躍動。過去3大会で1セットも取ったことのないチームに歓喜をもたらした。第1セットは5度の4連続得点などで25-12と圧倒し、第2セットも8点差でストレート勝利。「明日も夢舞台に立てるのは幸せ。攻撃で1、2年生が思い切りやり、助けられた。もっと点を取り、全部のプレーで支えたい」。文武両道の伝統校で部員はわずか13人。女子の出場校では2番目に少ないが、全員バレーで快進撃を見せる。

秋田北対長岡商 チームを鼓舞する秋田北・野中主将(中央)(撮影・山田愛斗)
秋田北対長岡商 コートで明るく声を掛ける秋田北・野中主将(左)(撮影・山田愛斗)

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郡山女大付が初戦敗退 朝倉未来は後輩に思い託す

郡山女大付対鳥栖商 スパイクを打つ郡山女大付・朝倉主将(右奥)(撮影・山田愛斗)

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):鳥栖商2-1郡山女大付>◇女子1回戦◇5日◇東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ

郡山女大付(福島)は3年連続初戦突破していたが、フルセットで屈した。朝倉未来主将(3年)、本田凜(1年)のミドルブロッカー2人を軸に攻撃を組み立て、第1セットを先取。しかし、第2セットは6連続失点、第3セットは5連続失点を序盤に喫し、流れをつかめなかった。

朝倉主将は「引っ張らないといけない立場で、苦しいこともあったが、チームのためと思い頑張れた。1、2年生にこの舞台に戻ってきてほしい」と思いを託した。

郡山女大付対鳥栖商 得点を決めて喜ぶ郡山女大付・本田(右)(撮影・山田愛斗)

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古川学園2回戦進出、留学生メリーサ12得点で貢献

初戦を突破し、応援席の声援に応える上沢主将(中央=<1>)、バンデス(左)ら古川学園メンバー

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):古川学園2-0横浜隼人>◇女子1回戦◇5日◇東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ

女子の古川学園(宮城)は初出場の横浜隼人(神奈川)をストレートで下し、2回戦に進出した。キューバ人留学生バルデス・メリーサ(2年)が計12得点で勝利に貢献した。

20年ぶり4度目の優勝を狙う古川学園が創部60年目の新年初公式戦を白星で飾った。岡崎典生監督(51)は「メリーサが落ち着いて試合に入ってくれた」と若きエースを評価した。初出場の相手に対して15年連続出場。しかし前日4日、センター王凛華(3年)が軽い食あたりで急きょ先発から外れ、1、2年生4人の若い布陣でスタートした。

立ち上がり2点を先取される中、バルデスのブロックや右アタックなどで逆転。終盤にはバックアタックで突き放した。第2セットも一時逆転を許したが、2回も6連続得点を決め、圧倒した。多彩な攻撃を披露したバルデスは「自分の仕事ができたけど、まだまだいいプレーができる。ブロックミスやスパイクが外れてしまった。明日からミスをしないようにして絶対に日本一になる。(個人)タイトルも取りたい」。エースは最後まで、頼もしかった。【佐々木雄高】

古川学園対横浜隼人 第1セット、スパイクを決めて喜び合う古川学園のバンデス(中央左)と上沢(同右)の身長183センチコンビ

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新潟男子代表の佐渡は鹿児島工と初戦 春高バレー

年末年始の各種目高校全国大会のトリを担う全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)が年明け1月5日から12日まで東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザで行われる。

新潟県代表は男子が佐渡(初出場)、女子は長岡商(2年連続8度目)が出場する。

【男子】佐渡は1回戦(5日)、鹿児島工(鹿児島)と対戦。180センチ台がそろう相手に、エースの北村宏樹主将(2年)を中心にした息のあったコンビネーションと堅守で対抗する。全員が1、2年生ながら、中学時代に17年の全国ヤングクラブ大会で準優勝した佐渡レッドシーブリームスのメンバーが中心。実戦経験は積んでいる。

【女子】「県内無敵」の長岡商が目指すのはベスト8進出。県1、2年生大会、県高校総体、全日本高校選手権県大会と3冠を制して全国に乗り込む。上田みどり主将(3年)ら主力は昨年も経験。しぶといレシーブとアタックを繰り返す粘り強さを武器にまずは1回戦(5日)の秋田北戦に全力を尽くす。

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東レ2連敗「終盤にミス…弱いということ」篠田監督

2連敗を喫した東レの選手たち

<バレーボール:Vリーグ男子>◇V1(1部)◇22日◇三島市民体育館

東レはサントリーに0-3でストレート負けし、2連敗を喫した。ホーム2連戦で勝てず、ファンを喜ばすことはできなかった。第3セットは一時リードを奪うも、終盤にミスが連続して競り負けた。篠田歩監督(40)は「終盤にミスが出るということは、弱いということ」と振り返った。

サントリーのロシア代表ミドルブロッカーで、身長218センチのドミトリー・ムセルスキー(31)への対応に手を焼いた。星野秀知主将(29)は「相手は柱がいて、周りも安心してプレーしている。力でねじ伏せられる場面が多かった」と唇をかんだ。

7勝10敗で年内のリーグ戦を終え、10チーム中5位。ファイナルステージ進出枠の5位以内にいるが、楽観できる成績ではない。次戦は約3週間の中断期間を挟み、来月11日、FC東京と対する。篠田監督は「何か変化をさせないと。新しい風を吹かせるのも手だと思っている」と、選手の入れ替えを示唆した。【古地真隆】

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東レ惜敗で年内の負け越し決定、富田「改善したい」

フルセットで敗れた東レの選手たち

<バレーボール:Vリーグ男子>◇V1(1部)◇21日◇三島市民体育館

東レは、フルセットまでもつれた接戦を落とした。堺に2-3で惜敗。第4セットを奪って追い付いたが、最終セットでは序盤に許したリードが響いて、力尽きた。篠田歩監督(40)は「相手のサイド攻撃を防ぎきれていない」と敗因を分析した。

敗れはしたが、明るい材料もあった。来季内定選手で、三島市出身のウイングスパイカー(WS)富田将馬(中大4年=沼津中出)は、全てのセットに出場。13得点を挙げた。「コートに立つ以上、思い切ってやらないと恥になる」と、堂々とプレー。持ち味の安定したレシーブも光った。篠田監督にも「完全に戦力としてやっていける」と言わしめた。

現在7勝9敗で黒星先行。年内の負け越しが決まった。リーグ10チーム中5位と、ファイナルステージ進出枠の5位以上をかろうじてキープしている。今季は開幕からWSアウン・トゥ(28)が、ミャンマー代表活動のため不在。ベストメンバーを組めない試合が続く。得点源が戻るまで、しぶとく勝ちを積み上げたいところだ。

年内最終戦となる次戦は22日、ホームの三島市民体育館でサントリーと対戦。富田は「20点目以降の戦い方を改善したい」と、連敗阻止を誓った。【古地真隆】

ブロックアウトを奪う東レ・富田(右)

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東北の“熱男”佐藤兄弟がけん引 男子春高バレー

東北の攻撃をけん引する佐藤隆主将

東北(宮城)男子バレー部は佐藤兄弟がけん引する。今夏の全国高校総体で準優勝した勢いで、全日本高校選手権(春高)県予選決勝では3-0のストレートで仙台商を撃破。2年連続30度目の春高切符をつかんだ。同選手権は来年1月5日に東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで開幕。東北の初戦(2回戦)は同6日で、U19世界選手権日本代表の山田大貴(3年)擁する清水桜が丘(静岡)と17年4強の習志野(千葉)の勝者と対戦する。

   ◇   ◇   ◇

佐藤兄弟が“熱男”でチームを先導した。笑顔のエース佐藤隆哉主将(3年)は、プレッシャーがかかる場面でも、強気のプレーで仲間を鼓舞。何度も熱いガッツポーズを見せた。「特設コートでも動じないメンタルの強さがチームに根付いてきた。前はミスしたら引きずる癖があったが、『次だ次だ』と、常に笑顔で楽しんでできた」。準優勝した高校総体は、6試合中3試合がフルセット。勝負どころで崩れ、気持ちの持ち方に課題があった。県予選に向けメンタルトレーニングに注力し、4戦ストレートと結果に結びつけた。

兄に負けじと弟空季(1年)も躍動した。4月から名門のレギュラーを担い、春高が懸かった初舞台でも堂々プレー。「先輩たちから『楽しんで』と言われ、緊張したが楽しくできた。兄は試合になると『自分に持ってこい』とエースという感じが出ているし、渡せば何とかしてくれる。だから必死にレシーブしようと思える」。中学の恩師の教えである“熱さ”を前面に出し、周りをもり立てた。家では兄弟でバレーの話はせず、ゲームや家族の話題でリフレッシュしている。

来年1月に開幕する春高に向けて佐藤隆主将は「県決勝ではサーブ、スパイクを思いきり打って逃げずにやろうという気持ちだった。自分たちは高さと攻撃力が持ち味。練習から試合だと思って、それに見合った守備力、サーブを身につけたい」。東北は佐藤隆と阿部晃也(3年)がダブルエースとして君臨。1人が崩れてももう1人いるのが最大の強み。さらに新星・佐藤空も加わり、攻撃力に厚みが増した。東北屈指の名門が17年ぶりの日本一奪還に挑む。【山田愛斗】

○…古川学園(宮城)は15年連続40度目の出場で悲願の初制覇を狙う。上沢沙織主将(3年)とキューバ人エースのバルデス・メリーサ(2年)を軸に初戦の横浜隼人(神奈川)を破り、勢いに乗っていく。上沢主将は「自分たちがレシーブでつなぎメリーサに送るために、レシーブ練習に力を入れたい。責任感を持って最後まで引っ張り、日本一になる」と宣言。圧倒した県予選ではサーブやネットタッチなどのミスが目立ったが、それを減らし、引き出しの多さと“最強スパイカー”メリーサで勝負する。

躍動する佐藤空季(東北)
10月26日、優勝を決めて笑顔を見せる東北の選手たち(撮影・山田愛斗)

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長岡商「成果出す」8強へ伝統しぶとさ 春高バレー

ベスト8を目指し、チーム一丸の長岡商

全日本バレーボール高校選手権(5~12日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)の女子県代表・長岡商(2年連続8回目)は、ベスト8進出を目指す。1回戦(5日)は、秋田北と対戦。新チーム結成時からコート上だけでなく、部活動全体を通してチームワークと精神力を磨いてきた。伝統のつなぐスタイルに意志の強さを加えて目標達成に挑む。

   ◇   ◇   ◇

「自分たちの持ち味は拾ってつなぐバレー。練習の成果を出したい」。上田みどり主将(3年)はチームの結束に自信を持つ。昨年は初戦(2回戦)で敗れたが、雪辱を果たし「ベスト8を狙う」と宣言した。

県大会決勝は、第2セットで関根学園に8点リードされるなどピンチを迎えながらも、3-0でストレート勝ちした。県内敵なしの土台には押し込まれても慌てないずぶとさがある。4月から赴任した曽根喜広監督(42)は「選手の自主性に伝統を感じる」と話す。

部内には4つのグループがある。対戦相手を分析し練習メニューを考える「練習班」、部室などの管理、整頓をする「環境部」、遠征時の予定などを決める「生活部」、学業の様子をチェックする「学習部」。上田主将は「部のためにそれぞれの役割があることで、やるべきことが分かるし、周囲を考えて行動できる」。練習だけでなく、学校生活そのものを、気持ちを鍛える場と位置づけてきた。

曽根監督はそうした選手の自立心を「練習でも、普通ならアドバイスされたことばかりに目がいきがちになるが、ほかの部分とのバランスをうまく取っている」と頼もしく感じている。サーブレシーブなどの基本練習を普段から徹底、週1日は体幹や柔軟性向上のトレーニングに当てた。地道に積み重ねてきた競技力とメンタルの強さを武器に「受け身にならず、やってきたことを出す」。上田主将は全国大会でも、その意志を貫くことを誓った【斎藤慎一郎】

○…攻撃の要のライト飯塚友珠(ゆうじゅ、3年)とセンター高井楓(3年)は、上田主将とともに昨年からのメンバーだ。「昨年は先輩たちに連れて来てもらった。今年は自分たちが下級生がプレーしやすい環境をつくる」と意気込む。高井は、県大会決勝で右足首を捻挫。負傷を乗り越え2連覇に貢献した。決勝で得点を量産した飯塚も大会3日前に右ひじを負傷。それだけに「(体が)万全な状態で1点1点に集中する」と全国舞台にかけている。

基本練習を繰り返す長岡商のメンバー

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佐渡、初出場4強へ結束 エース不在で成長に勢い

一戦必勝で4強を目標に掲げる佐渡男子バレー部

全日本バレーボール高校選手権(20年1月5~12日、東京・調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ)男子に佐渡(新潟)が初出場する。1、2年生で構成するチームでの全国挑戦に地元の期待も高い。「目標は4強。一戦必勝で戦っていきたい」と北村宏樹主将(2年)。大会初日5日の1回戦で鹿児島工と対戦。勝てば2回戦で東亜学園(東京)とあたる。初戦を白星で飾り、「春高バレー」の舞台でも旋風を巻き起こすつもりだ。

“島の誇り”が全国に挑む。新潟市内からフェリーで2時間。練習試合をするのもひと苦労という環境だからこそ北村は「1つ1つのプレーが貴重。時間を大切にする習慣がついている」とチームの特徴を明かす。だが、県王者への道のりはそう簡単ではなかった。1、2年生の若いチームで、源氏篤史監督は「できに波があった」と振り返る。メンタル次第で結果が左右する不安定な時期もあった。

チームが大きく成長したのは夏休みだった。エース北村が県選抜に招集された。チームは主将兼エース不在の中、県外チームとの練習試合を重ねた。「チームはもちろん、長期間チームを離れている北村自身も、互いにつらい時間だったと思う」と源氏監督。だが、エース不在の時間は選手1人1人を成長させ、県選抜で経験を積んだ北村が再合流した秋、チームは一気に伸びた。

迎える全国大会でも1戦1戦を成長につなげていく考えは変わらない。中学時代には北村ら現在の佐渡高バレーボール部の中心メンバーが所属したクラブチームが全国準優勝に輝いており、技術に加え、経験も十分。北村は「昔からテレビで見ている『春高』を意識し過ぎなければ緊張も最小限に臨めるのでは」と大会の雰囲気にのまれないことを勝利へのポイントに挙げた。

部員全員が佐渡出身であり、北村は「結束が最大の武器」だと語る。「この仲間たちと高校でもバレーボールを続けたくて佐渡高に入りました。それが全国で一緒にできるなんて、とても幸せです」。全国の舞台で楽しんでプレーした先には勝利が待っている。

◆北村宏樹(きたむら・ひろき)2003年(平15)2月2日生まれ、佐渡市出身。金井小-金井中。金井ジュニアでバレーボールを始め、中学は佐渡レッドシーブリームスに所属。最高到達点は3メートル10センチ。好きな言葉は「痛みなくして得るもの無し」。170センチ、63キロ。

スパイクを放つ北村主将

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大林素子さん中学生とバレー交流、努力の大切さ説く

生徒目線で質問に答える大林素子さん

往年の名アスリートが、一流の技術と経験を伝える「VICTORYスポーツ教室」(主催・日刊スポーツ新聞社ほか、協賛・トンボ)が2日、宮城・大崎市立古川西中学校で開催され、バレーボール女子の元日本代表、大林素子さん(52)が講演会と実技指導を行った。

大林さんは、全校生徒と教職員ら約180人に自己紹介のあと、いきなり舞台から下りて即席の背比べ大会。場を和ませた後の講演では、中学時代のバレー部監督が人生の転機になったことを、多くのエピソードを交えながら披露。「どんな夢でも実現の可能性はある。他人より1歩頑張れば、何かが変わるはず」。そして「努力を先延ばしせずに、楽をすることを先送りしよう」と結んだ。

続いての実技指導には、隣接の古川南中のバレーボール部員も参加。柔軟体操、キャッチボールやスパイク、トス練習を通じてボールの扱い方の重要性を説き、最後はミニゲームで締めた。

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バレー早大V3「みんながくれた」リベロ堀江MIP

優勝し喜ぶ早大の選手たち(撮影・鈴木正人)

<大学男子バレー全日本選手権:早大3-1筑波大>◇決勝◇1日◇大田区総合体育館

男子は早大が筑波大を3-1で破り、3連覇を遂げた。

   ◇   ◇   ◇

男子で3連覇を遂げた早大は、試合後のコートで松井監督やスタッフらが3度ずつ宙に舞った。松井監督は、「インカレだけで(3年間で)18勝もしてくれ、学生たちをたくさんほめてあげたい」と目尻を下げた。

攻撃だけでなく、守備も光った。決勝でMIPに選出されたのはリベロの堀江。チームのまとめ役でもある最上級生は「僕なんかがもらう賞ではないけれど、みんながくれた賞だと思う」と笑った。攻撃力に定評がある1年の大塚も「今日は守備面で頑張ろうという気持ちがいつもよりも出た」。チーム一丸の堅守を武器に、今年も頂点に立った。

優勝し胴上げされる早大・松井監督(撮影・鈴木正人)

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筑波大2年連続8度目V、監督「開き直ってやれた」

優勝し喜ぶ筑波大の選手たち(撮影・鈴木正人)

<大学女子バレー全日本選手権:筑波大3-2福岡大>◇決勝◇1日◇大田区総合体育館

女子は筑波大がフルセットの激闘の末、3-2で福岡大を下し、2年連続8度目の優勝を遂げた。

けがから立ち直った甲萌香(4年)が攻撃の軸として活躍し、その試合で最も印象に残る選手(MIP)に選ばれた。ノーシードから勝ち上がった福岡大は、エース孫田菜奈(4年)を中心に初優勝を狙ったが、及ばなかった。男子は早大が筑波大を3-1で破り、3連覇を遂げた。

   ◇   ◇   ◇

苦しみながらもつかんだ2年連続の栄冠だった。控えの選手たちが次々とコートに飛び出し、折り重なるように歓喜の輪をつくった。中西監督は「最後はドキドキしたけれど、勝てて良かった」。連覇への重圧から解放され、全員にとびきりの笑顔が広がった。

立ち上がりから自分たちのペースで進め、最初の2セットを連取。第3セットも途中まで優位に進めていたが、福岡大の反撃に手を焼き2セットを失った。最終セットでも苦しい展開を強いられ、1度はマッチポイントを奪われた。それでも主将の横田が「最後まで絶対にあきらめない気持ちでいた」と口にしたように、勝利への執念を示した。相手のサーブミスで追い付いた後、マッチポイントを奪い返すと、ブロックポイントで勝利をもぎ取った。中西監督は「開き直ってやれた」とチームをたたえた。

昨秋のけがから立ち直った最上級生の甲が得点源となった。決勝のMIPに選ばれ、「自分たちの代は3人しかいないが、同期の2人が自分を支えてくれ、少ない上級生を下級生たちが支えてくれた」。チームメートに感謝の思いを口にした。

○…福岡大は初優勝を目指したが、最後に力尽きた。4年の孫田は強烈なアタックや得意のサーブで決勝でも存在感を示したものの「悔しさしかない。序盤に決め切れず、相手のペースにしてしまった。最後も決められなかった」と唇をかんだ。今後はVリーグ姫路入りが内定している。「自分の長所を磨いて、チームに欠かせない存在になりたい」と飛躍を誓った。

優勝し抱き合って喜ぶ筑波大の選手たち(撮影・鈴木正人)
優勝し胴上げされる筑波大・中西監督(撮影・鈴木正人)

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北海道科学大高2年ぶり春高バレー 初戦は多度津と

高校日本一を目指す北海道科学大高の選手たち(撮影・浅水友輝)

来年1月5日開幕(東京)のバレーボール全日本高校選手権(春高バレー)の組み合わせが1日、決まった。男子は道大会優勝の北海道科学大高が、5日の1回戦で多度津(香川)と対戦。恵庭南は慶応(神奈川)と激突する。2年ぶりに出場する北海道科学大高の辻克典監督(32)は「こなれている印象。高さよりもうまさがある」と、前回大会16強の初戦の相手を警戒した。

抽選会が開かれたこの日は、札幌市内の同校で、Vリーグ3部で現在3位のサフィルヴァ北海道と練習試合を行った。過去10度以上対戦し全敗だった相手に初勝利。十良沢(じゅうろうざわ)太平主将(3年)は「全道の経験が生きている。不利な点差からでも逆転ができた」。全国で勝つために重要なサーブのミスも減少した。サフィルヴァの青島賢司主将(31)も「例年以上に攻撃力、組織力があり、試合を通して強くなってきている」と認めた。

12月も遠征は行わず、道内でサフィルヴァに胸を借りる。同監督は「予測しづらいトス回しなど、道外の展開についていくためにも良い」。レベルの高いセッターとの対戦を、仮想強豪校として成長を図る。

敗れはしたが、3月の全国私学大会では東亜学園(東京)、8月の総体では愛工大名電(愛知)と全国常連校とも渡り合った。全国初勝利を挙げた17年は16強。十良沢は「自分たちのバレーは通用する。全国では優勝を狙いたい」と力強く日本一を宣言した。【浅水友輝】

北海道科学大高対サフィルヴァ北海道 得点を挙げ喜ぶ北海道科学大高の選手たち(撮影・浅水友輝)

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男子3位決定戦は中大制す、東レ内定富田がMIP

<ミキプルーンスーパーカレッジバレー2019:第72回男子、第66回女子全日本バレーボール大学選手権>◇1日◇大田区総合体育館◇3位決定戦

男子3位決定戦は中大が東海大を3-1で下した。この試合で最も印象的な活躍をしたMIPには富田将馬(4年)が選ばれた。

Vリーグ東レ入りが内定している富田は、「課題だった2段トスを打ち切ることができた」。秋季リーグ戦後から重点的に練習してきた成果を出し、「大学最後の試合で活躍できて良かった」と納得の表情を浮かべた。

牧山祐介主将(4年)は、「ミーティングからチーム一丸になれた。全員が、最後の試合にすべてを出し切るんだという気持ちでプレーできた」とうなずいた。

女子は東海大が順大を3-1で退けて3位となった。松本愛希穂主将(4年)は「このチームで最後は笑って終わりたいと思っていた」と喜び、MIPに選ばれた横田真未(4年)は「昨日(準決勝で)負けたあと、気持ちを切り替えられた」と話した。

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東北福祉大8強ならず 関西女王にフルセット負け

東北福祉大対京都橘大 円陣を組んで選手に助言する東北福祉大・松田監督(中央左)と佐藤部長(同右)(撮影・鎌田直秀)

<ミキプルーンスーパーカレッジバレー2019:第72回男子、第66回女子全日本バレーボール大学選手権>◇28日◇大田区総合体育館ほか◇トーナメント3回戦

東北福祉大(宮城)が、関西女王の京都橘大にフルセットの末に敗れ、3年ぶりの8強進出を逃した。序盤からミスが重なり2セットを失ったが、第3セット以降は得意のコンビネーションで反撃。最終セット8-8から1度は相手サーブアウトの判定も、協議の結果で相手得点となってから4連続失点で力尽きた。

セッター境紗里奈主将(4年=弘前学院聖愛)は「得意のミドル攻撃を最後まで使えたことは良かったが、そこからのサイドの工夫やブロックアウトを取る技術が足りなかった」。ミドルブロッカーを先発の間野安里彩(1年=柏井)から並木芙由(2年=春日部共栄)中心に変更するなど、相手戦術に対応しながらリズムを変えた。ライトを積極的に使うなど、多彩な攻撃を支えた境主将は「1、2、3年生は良い経験を積めた。来年こそ頑張ってほしい」と96年以来となる優勝の夢を託した。

今春にVリーグ日立やJTなどでコーチを務めてきた松田健太郎監督が就任。前監督の佐藤伊知子部長と2人体制でさらなる強化を図ってきた。プロ仕様のデータや分析を新たに導入するなど進化の途中。同監督が「もともとレシーブは良いし、サーブ、ブロックの部分はやってきたことが出せた」と話せば、佐藤部長は「1セット目があんなポンコツではダメ。まあ、良い勉強。黙っていようと思ったけれど、2セット目からしゃべっちゃった…」と苦笑い。松田&佐藤体制2年目に期待が高まる1敗となった。【鎌田直秀】

東北福祉大対京都橘大 第3セット、絶妙なコンビプレーを見せる東北福祉大セッター境(中央)と並木(左)(撮影・鎌田直秀)

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