日刊スポーツ

オバマ夫人が「あなたを誇りに思う」大坂なおみ絶賛

大坂なおみ(2019年9月22日撮影)

ミシェル・オバマ前米大統領夫人が14日、自身のツイッターで、テニスの4大大会の全米オープン女子シングルスで2年ぶり2度目の優勝を果たした大坂なおみ(日清食品)を「あなたをとても誇りに思う」と絶賛した。大坂が優勝を喜ぶ写真に「これはすごい」と添えたツイートを夫人が引用した。

大坂は警官による黒人男性暴行死事件などの人種差別に抗議するため、1回戦からの7試合で入場時などに異なる被害者の名前が入った計7枚のマスクを着用した。(共同)

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錦織復帰2戦目で勝利「勝った瞬間はうれしかった」

イタリア国際 男子シングルス1回戦、ラモスと対戦する錦織(ロイター)

<テニス:イタリア国際>◇14日(日本時間15日)◇ローマ◇男子シングルス1回戦

大坂に負けてはいられない! 世界35位で、日本のエースの錦織圭(30=日清食品)が、復帰2戦目で383日ぶりの勝利を飾った。同44位のラモス(スペイン)に6-4、7-6の2時間4分でストレート勝ち。19年全米2回戦以来の世界ツアー公式戦勝利となった。2回戦では、同17位のバブリンカ(スイス)-同249位のムセッティ(イタリア)の勝者と対戦する。

1年以上ぶりの勝利は生みの苦しみだった。マッチポイントを数えること6本目。5本を逃し続けたが、最後は、錦織のバックがネットイン。ポトリと相手のコートに落ち、あっけない幕切れで、1年以上ぶりの勝利をつかんだ。

「勝った瞬間はうれしかった。ただ、マッチポイントまで時間がかかったので、ちょっとほっとした」。ベンチに戻ったときの錦織の表情が、苦しさを物語った。肩で何度も「ハー、ハー」と息をしながら、顔をしかめた。

先週の復帰第1戦のジェネラリオープン1回戦より、第2セット以降の落ち幅は少なかった。強化しているネットプレーを「ネットに出て、ポイント失ったのを覚えていない」ほど効果的に使い、ピンチを逃れた。先週の復帰戦でダブルフォールト6本を数えたサーブも、格段と改善された。

ただ、第2セットに、3-2から4-2にできるポイントが4本、マッチポイントが5-4で3本、6-5で2本あったが、まだ感覚が戻らないのか、すべてを逃した。「100%の自信を持って打てていない。前かがみでポイントを取る姿勢が出ていない」。それでもタイブレークで突き放した。

全米の大坂の優勝は、ハイライトで見たという。「あれだけ打ち負けないのはすごい。いろんな感情に打ち勝って、また優勝して、メンタル面も強い」。負けてはいられない。27日開幕の全仏に向け、この勝利から前進あるのみだ。

イタリア国際 男子シングルス1回戦、ラモスと対戦する錦織(ロイター)
イタリア国際 男子シングルス1回戦、ラモスと対戦する錦織(ロイター)

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錦織圭383日ぶり勝利、ラモスにストレート勝ち

イタリア国際 男子シングルス1回戦、ラモスと対戦する錦織(ロイター)

<テニス:イタリア国際>◇14日(日本時間15日)◇ローマ◇男子シングルス1回戦

世界35位で、日本のエースの錦織圭(30=日清食品)が、復帰2戦目で383日ぶりの勝利を飾った。同44位のラモス(スペイン)に6-4、7-6の2時間4分でストレート勝ち。19年全米2回戦以来の世界ツアー公式戦勝利となった。2回戦では、同17位のバブリンカ(スイス)-同249位のムセッティ(イタリア)の勝者と対戦する。

1年以上ぶりの勝利は生みの苦しみだった。マッチポイントを数えること6本目。5本を逃し続けたが、最後は、錦織のバックがネットイン。ポトリと相手のコートに落ち、あっけない幕切れで、1年以上ぶりの勝利をつかんだ。

勝って、ベンチに戻ったときの錦織の表情が、苦しさを物語った。肩で何度も「ハー、ハー」と息をしながら、顔をしかめた。久しぶりの勝利に浸る余裕もなく、本調子とはほど遠いながらも、何とか勝てた苦しさの方が上回っているようだった。

先週の復帰第1戦のジェネラリオープン1回戦より、第2セット以降の落ち幅は少なかった。第1セットの第10ゲームで、相手のダブルフォールト2本で奪うと、第2セットはタイブレークまでもつれた。3-2から4-2にできるポイントが4本、マッチポイントが5-4で3本、6-5で2本あったが、まだ感覚が戻らないのか、すべてを逃した。

それでも、1度も自分のサービスゲームを落とさず。相手の大事なポイントでのミスにも助けられ、何とかつかんだ勝利だ。苦しんでも勝てたことは、復帰途上の錦織にとっては非常に大きい。特に、今大会は、4大大会に次ぐ規模を誇るマスターズ大会だ。錦織復活へ、まずは第1歩を刻んだ。

イタリア国際 男子シングルス1回戦、ラモスと対戦する錦織(ロイター)
イタリア国際 男子シングルス1回戦、ラモスと対戦する錦織(ロイター)
イタリア国際 男子シングルス1回戦、会場入りする錦織(ロイター)

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大坂は「バトンを受け取った」米国メディアの反応

全米オープンで優勝した大坂なおみ(AP)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇ニューヨーク◇女子シングルス決勝

テニスの4大大会、全米オープン(米ニューヨーク)で2年ぶり2度目の優勝を成し遂げた大坂なおみ(22=日清食品)が13日(日本時間14日)に発表された最新世界ランキングで9位から3位に急浮上した。

◆米国メディアの反応

▽ニューヨーク・タイムズ 表彰式で「人々に語ってもらうことが肝心」とマスクについて語った大坂は、自身の才能と声で、この問題に対する効果を実感しているようだ

▽グラマー誌 大坂のマスクが与えたインパクトは、それだけではなかった。ESPNのインタビューで「あなたはどんなメッセージを受け取ったの?」と逆に質問を投げかけた

▽ロイター通信 女子テニス界のレジェンド、ビリー・ジーン・キングは「ムハマド・アリや『オリジナル9』と呼ばれる女子テニス協会(WTA)結成時の9人の選手たちは、50年以上前から自分たちの声と行動で、スポーツを通じて人間性を変えるために立ち上がってきた。今、そのバトンはなおみへとつながれ、彼女はそれを受け取った」

(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)

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大坂なおみ実力&発信力&収入でアイコン的存在に

全米オープン、女子シングルス優勝から一夜明け、記念撮影でトロフィーを手にポーズをとる大坂(AP)

テニスの4大大会、全米オープン(米ニューヨーク)で2年ぶり2度目の優勝を成し遂げた大坂なおみ(22=日清食品)が13日(日本時間14日)に発表された最新世界ランキングで9位から3位に急浮上した。

今大会は勝ち上がるたび、黒人差別に抗議する口元の黒いマスクでメッセージを発信。多方面からの注目で強い影響力を持つ女性アスリートになりつつある。昨年の全豪オープン以来3度目の4大大会制覇は女子の李娜(リー・ナ=中国)を抜いてアジア勢単独最多となり、世界ランク1位に13週在位の条件と合わせ、殿堂入りの資格も満たした。

   ◇   ◇   ◇

大坂が3位に復帰するのは今年の1月13日の週以来、238日ぶりとなる。大坂の総合得点は5780点で、2位のハレプ(ルーマニア)が6356点。その差は576点。1位のバーティ(オーストラリア)は8717点。昨年優勝のバーティは27日開幕の全仏欠場を表明しており、同得点は変化しない。

全仏での1位復帰は無理だが、2位奪回は十分に可能だ。全仏は優勝で得られるポイントが2000点で、昨年の大会で大坂が獲得したのは3回戦敗退で130点のみ。もし今年出場し優勝すれば、その差1870点が上積みされる。ハレプは昨年8強で、4強以上に勝ち上がらないと上積みはない。

優勝から一夜明け、恒例の女王の写真撮影会に臨んだ。例年、観光名所で行うのが常だ。初優勝した2年前はロックフェラーセンターで行ったが、今年は感染症対策のため会場での撮影。2年前はコムデギャルソンの純白のワンピースをまとった。今回は対照的にエスニック調。カラフルでエキゾチックな衣装だった。

その写真とともに、自身のSNSに「祖先に感謝したい。彼らから受け継いだ血が体中を巡っていると感じた。それが、負けるわけにはいかないと思わせてくれた」とコメントした。ハイチ出身の父、日本人の母のもとに生まれ、米国育ちで、今も拠点としている。まさに、ダイバーシティ(多様性)の象徴といえる。

今年の5月に、米経済誌のフォーブスが発表した大坂の年収は、契約などの副収入を含めると3740万ドル(約40億円)。あのシャラポワ(ロシア)さえ上回り、女子アスリート史上最高額を更新し世界で最も稼ぐ女子アスリートとなった。また、今回の7枚のマスクなど、人種差別への抗議で、オピニオンリーダー的な立ち位置も加わった。まさに、女子アスリートのアイコン的存在になろうとしている。

◆WOWOWでは、21日午後0時半から。優勝記念特番。「全米2度目の制覇! 世界が称賛する大坂なおみ 絶対女王への道のり」を、WOWOWライブで放送予定。

全米オープン決勝にタミル・ライスくんの名前入りマスクを着用して入場する大坂なおみ(AP)
アザレンカを破り全米オープンを制した大坂はトロフィーにキス(AP)

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大坂なおみ 世界ランク9位から3位に急浮上

大坂なおみ(2019年9月22日撮影)

テニスの4大大会、全米オープン(ニューヨーク)で、12日(日本時間13日)に行われた女子シングルス決勝を制し、アジア最多の4大大会3度目の優勝を遂げた大坂なおみ(22=日清食品)が、最新世界ランキングで、9位から3位に急浮上した。13日(日本時間14日)に、ツアーを統括するWTA(女子テニス協会)が発表した。

大坂が3位に復帰するのは今年の1月13日の週以来、238日ぶりとなる。大坂の総合得点は5780点で、2位のハレプ(ルーマニア)が6356点。その差、576点だ。27日に開幕する全仏は、優勝で得られるポイントが2000点で、昨年の大会で大坂が獲得したのは3回戦敗退で130点のみ。もし出場できて優勝すれば、その差、1870点が上積みされる。ハレプは昨年8強なので、4強以上に行かないと、上積みはない。

大坂は、優勝した直後の会見で「ゆっくりと休んで、(痛めた左太ももなどの)様子を見て決めたい」と、全仏への出場を明言しなかった。また、今週のイタリア国際(ローマ)は出場予定だったが欠場した。

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ティエム4大大会初V「2人とも優勝でいいのに」

優勝を飾り、コートで喜びを表すティエム(AP)

<テニス:全米オープン>◇13日◇ニューヨーク◇男子シングルス決勝

男子シングルス決勝で第2シードのドミニク・ティエム(オーストリア)が第5シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に2-6、4-6、6-4、6-3、7-6で逆転勝ちし、4大大会初制覇を果たした。

ティエムはツアーで今季初勝利、通算17勝目となり、優勝賞金300万ドル(約3億1800万円)を獲得した。四大大会の初優勝者は2014年全米オープンのマリン・チリッチ(クロアチア)以来となった。

◆ティエムの話 2人とも優勝という形になればいいのに、と思っていた。それに値する試合だった。(新型コロナウイルス禍の中)この大会を開催してくれた関係者に感謝を述べたい。(共同)

◆ドミニク・ティエム(オーストリア)テニスコーチの両親を持ち、6歳で競技を始めた。11年にプロに転向し、兵役後の15年にツアー大会で初優勝。四大大会は18、19年全仏オープン、20年全豪オープンで準優勝。19年3月のBNPパリバ・オープンで四大大会に次ぐ格付けのマスターズ大会を初制覇した。185センチ、79キロ。27歳。ウィーナーノイシュタット出身。

(共同)

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「チームなおみ」トレーナーが語った大坂の心身成長

テニスの全米オープン女子シングルス決勝で2年ぶり2度目の優勝を果たし、チームスタッフと記念撮影する大坂なおみ(右から3人目)。左から3人目は茂木奈津子トレーナー(USA TODAY=ロイター)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇ニューヨーク◇女子シングルス決勝

大坂なおみ(22=日清食品)を支える現在の「チームなおみ」で最も長く大坂のそばに寄り添い、体のケアをしてきたのが、茂木奈津子トレーナーだ。18年から専属となり、大坂が公私両面で最も信頼を寄せ「なっちゃん」と呼ばれている。その茂木トレーナーが、日刊スポーツの電話インタビューで、大坂の心身の成長ぶりについて語った。【取材・構成=吉松忠弘】

茂木さんは、アスレチックトレーナーで、同じチームなおみの中村豊氏が体を鍛える側なら、茂木さんは体をケアする役目を担う。けが予防のため、試合前のウオーミングアップ、試合後のクールダウンやマッサージから、試合中の水分補給の準備など、多岐にわたってサポートする。

17年のウィンブルドンで、日本テニス協会派遣のトレーナーとして初めて大坂を担当。18年3月から専属契約を結んだ。その直後の米カリフォルニアの大会でツアー初優勝を飾った。

茂木 当時は、まだ体のケアやトレーニングの重要性に、それほど気づいてなかったと思います。どうすれば体が動いて、どうすればけがをしないかといった内容が分かってなかった。自分からトレーニングについて話すことは、あまりありませんでした。

しかし、それでも18年全米で優勝した。経験を積み、腹筋を痛めたことなどで、体について自覚することが多くなった。今では、自らトレーニングについて話すことも多いという。

茂木 こういうところを鍛えたい、こういうトレーニングがしたいと話すようになったと思います。体のことを考えることが、どれだけテニスにとって大事なのかを認識し、自分から要望するようになりました。今では、本当に体が絞れて、すっかりアスリートの体になりました。

大坂はもともと内向的な性格で人見知り。口数も多い方ではなかった。

茂木 昔は、チームの中でさえ、ほとんど話さない、本当におとなしくて控えめでシャイでした。でも、今ははっきりと自分の意見を話し、自分の考えをオープンにします。口幅ったいですが、少女から大人になったと感じています。

今回、全米前哨戦ウエスタン・アンド・サザン・オープンの少し前に米国入りした。そこで、久しぶりに対面した大坂は、さらに成長していた。

茂木 自粛期間を経て、本当に精神的に強くなったなと感じてます。前は、コート外ではしっかりしていても、コートに入ると弱さが見えたのですが、今回は、それがなくなりました。取り組む姿勢が、全く変わったような気がします。

茂木さんは、小さい頃に、英国に住んでいた経験があり、英語も堪能。同じ女性として、お姉さん的な存在でもある。

茂木 いろいろな話を、日本語や英語でします。時と場合によって、自然と言葉は使い分けている感じです。話の内容? 相談とかではないですよ。まあ、それは内緒ということで(笑い)。

前哨戦で痛めた左太ももには、2回戦から決勝までテーピングが施されていた。しかし、大坂は1度も試合中に大会トレーナーを呼ばず、痛がるそぶりを見せることもなく、優勝にひた走った。それこそが茂木トレーナーの真骨頂だった。

◆茂木奈津子(もぎ・なつこ)東京都生まれ。慶大では体育会庭球部に所属。01年に卒業、慶応女子高時代に膝をけがしたことでスポーツ医学に興味を持ち、トレーナーを目指し花田学園で鍼灸(しんきゅう)あんまマッサージ指圧の資格取得。同校在学中に日本協会の仕事を始め、代表トレーナーとしてユニバや国別対抗戦に携わる。18年3月から現職。

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大坂「ぐっとくる」マスクに名前の家族から感謝

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇女子シングルス決勝

世界ランキング9位の大坂なおみ(22=日清食品)が2年ぶり2度目の優勝を果たした。元世界女王で、同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)に1-6、6-3、6-3の大逆転勝ち。全米では18年以来、4大大会では19年全豪オープン以来の3度目の優勝となった。人種差別への抗議マスクとともに戦った2週間を有終の美で飾り、14日発表予定の最新世界ランキングで3位に復帰する。

大坂のマスクは米国でも試合のたび、大きく報じられた。大会中、被害者家族から感謝のメッセージも受け取り「泣かないようにするのが大変だった。自分の行動が心に響いたのなら、私にとってもぐっとくるものがある」と後押しになった。父レオナルド・フランソワさんがハイチ出身、母環さんが北海道生まれ。3歳の時に米国に移住した「マイノリティー(人種的少数派)」という立場が、今の人権意識の原点。トランプ大統領が「ごみだめ」と例えた貧困国の1つ、ハイチの歴史について父から多くの話を聞き「自分にとってストーリーを広めたり、誰かの経験を聞いたりすることはとても価値があること」と語った。

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国枝が5年ぶり優勝「本当に疲れたけど、うれしい」

<テニス:全米オープン車いすの部>◇13日◇ニューヨーク◇男子シングルス決勝

第1シードの国枝慎吾(ユニクロ)が3連覇を目指したアルフィー・ヒューエット(英国)を6-3、3-6、7-6で下し、5年ぶり7度目の優勝を果たした。

女子ダブルス決勝は上地結衣(三井住友銀行)、ジョーダン・ホワイリー(英国)組がディーデ・デフロートらのオランダのペアに6-3、6-3で勝った。上地はデフロートと組んだ2018年大会以来、2年ぶり3度目の優勝となった。

◆国枝慎吾の話 本当に疲れたけど、うれしい。最後まで分からなかった。今年はパワーのある選手とも激しく打ち合うというコンセプトでやっていて、それがいい方向に向かってきているのかなと思う。

(共同)

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大坂なおみ逆転V「両親を幸せにしたい」一問一答

アザレンカと健闘をたたえあう大坂(ロイター)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇女子シングルス決勝◇女子優勝賞金300万ドル(約3億3000万円)

世界ランキング9位の大坂なおみ(22=日清食品)が、元世界女王で同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)に1-6、6-3、6-3で逆転勝ちし、2年ぶりの優勝を果たした。

  ◇  ◇  ◇

-コロナ禍でツアーも中断され、世界も大変な状況だったが、どんな期間だったか

大坂 18年の全米に優勝してから、テニスのことばかりで、休む暇もなかった。だから、この自粛期間は、いろんなことを考える機会を与えてくれた。とても大事な期間だった。

-その成長がテニスに生きたか

大坂 もちろん。例えば、今日の試合。最初はほとんどだめだった。でもファイトしたし、戦いたかった。そして優勝できたのも、自分が成長して多くのことを学んだから。

-7枚のマスクの犠牲者家族はとても感謝していた。彼らに会いたいか

大坂 もちろん。この経験を通して、私は多くのことを学んだ。いろんな話や経験を分かち合いたいと思っている。

-お祝いのメッセージがたくさん届いている

大坂 一番うれしいのは、いつも両親からのもの。今朝は、ママから届いた。優勝する度、私は両親を幸せにしたいと思っている。

-どうやって祝うか

大坂 過去2回は、うまく祝えなかったと思うので、今回はもっとちゃんと祝いたい。この先、たくさん4大大会に優勝できると思うので、その時は、もっとうまく祝えるといい。

全米オープンを制した大坂(ロイター)

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劇的に流れ変えた大坂1本のストレート/堀内氏分析

全米オープンを制した大坂(ロイター)

<亜大総監督・堀内昌一氏が分析>

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇ニューヨーク◇女子シングルス決勝

たった1つのポイントが流れを劇的に変えた。第2セット第3ゲーム、アザレンカの40-30。大坂はワイドへのサービスをバックのクロスでリターン。バックのストレートでオープンコートを狙われたが、素早いステップからフォアのストレートで切り返した。クロスを予想したアザレンカは体勢を崩して返球できない。ジュースに追いつき、そのまま一気にブレークバックに成功した。

それまではフォア、バックのクロスをストレートで返球されて左右に揺さぶられ、ショットを乱されていた。だが、このポイントを境にラリーの中でストレートを効果的に織り交ぜ始め、安定感を取り戻した。

第1セットを1-6で失い、この場面でもクロスを打っていたら第2セットも0-3となり、勝負は決していただろう。好調のアザレンカは大坂のプレーを読み、強打封じに成功していた。そのプログラムを断崖絶壁で崩し、勝利への光を見いだした。第1サーブにスライス系を使うようになったのも効果的で、その後は逆に大坂のワンサイドになった。

めったに見られない逆転劇。学生を指導する私にとっても最高の教材になった。絶望的な展開の中でも必ず気づきはある。ゲームの中でかけがえのない何かを見つけ、それを生かせば活路が開けることを大坂が教えてくれた。(亜大教授、テニス部総監督)

アザレンカと健闘をたたえあう大坂(ロイター)
勝負を分けた第2S第3Gアザレンカ40-30からの1ポイント

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坂本花織マトリックス「ペース配分難しい」一問一答

フィギュアスケート 「ドリーム・オン・アイス」 フリーを披露する坂本花織(代表撮影)

<フィギュアスケート:ドリーム・オン・アイス>◇13日◇神奈川・KOSE新横浜スケートセンター

18年平昌オリンピック(五輪)女子6位の坂本花織(20=シスメックス)が、2季連続のフリー「マトリックス」の“裏側”を明かした。

演技はフリップ-トーループの連続3回転など、ジャンプを全て着氷。フィナーレ後には「マトリックス」のペース配分の難しさを口にした。

主な一問一答は以下の通り。

-フリーを終えて

坂本 フリーは今日の朝の練習でちょっと不安だったんですけれど、昨日ほど緊張しなくて、いい緊張感の中でできたので、とても良かったです。

-昨季と「マトリックス」で変えたところは

坂本 ステップの後、後半(体力が)持つようにちょっと時間をつくったのと、ステップの後の時間をつくるために、その前の10秒ちょっと巻いたところです。

-「マトリックス」の難しさは

坂本 最初から最後まで、けっこう全力疾走で滑るので、ペース配分が難しいです。途中のスローのところはしっかりと休憩して、最後までしっかりマトリックスの迫力を、途切れさせないようにするのが大変です。

-4回転トーループの実戦投入は

坂本 まだ…ちょっと無理です。

-グランプリ(GP)シリーズは、いつもと違う形になる

坂本 ほぼ日本人なので、全日本(選手権)の前哨戦みたいになると思います。そこでも周りを気にせず、自分の演技に集中できるようにしたいです。

-国際大会とどっちがやりやすい

坂本 どっちもどっちです(笑い)。大技跳ぶ子たちがいるのは変わりないので、どっちもどっちです。

-2日間でショートプログラム(SP)とフリーを通して、シーズンに向かう

坂本 試合も無観客で、今までやったことない感じだと思うんですけれど、それを(今回)経験できて良かったと思います。今シーズンは昨シーズンがショートとフリーを両方そろえることができなかったので、今シーズンはできるように頑張りたいと思います。

フィギュアスケート 「ドリーム・オン・アイス」 フリーを披露する坂本花織(代表撮影)

大坂なおみ全米Vに祖父暮らす根室市が優勝記念幕

女子テニスの大坂なおみが全米オープンのシングルスで優勝したことを受けて根室市役所に掲げられた懸垂幕

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇ニューヨーク◇女子シングルス決勝

テニスの全米オープンを制した大坂なおみ(22=日清食品)の祖父鉄夫さん(75)が暮らす北海道根室市が28日、同市役所に懸垂幕を掲げた。

広報担当者によると、この日早朝から業者とともに準備を進めており、午前9時過ぎに縦11メートル、横1・25メートルの懸垂幕を設置。19年全豪オープン優勝時に4大大会で優勝する度に最新のものに更新できる仕組みにしており、今回は大坂のシルエットのリストバンド部分が今大会で着用したネイビーブルーのものに変更された。石垣雅敏市長(69)は「コロナ禍の中、どんなに苦しい場面でも強い気持ちで試合に臨む大坂選手の姿にゆかりの深い根室市民はもとより、日本全国に勇気と希望を与えていただきました」と談話を発表した。

女子テニスの大坂なおみが全米オープンのシングルスで優勝したことを受けて根室市役所に掲げられた懸垂幕。縦11メートル、横1・25メートルで、全豪オープン優勝のときから大坂選手のシルエットのリストバンドの色がピンクからネイビーブルーに変更された

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全米V大坂なおみ「試合後に必ず」コービーのユニ

笑顔で優勝トロフィーを掲げる大坂(USA TODAY=ロイター)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇ニューヨーク◇女子シングルス決勝

2年ぶりに優勝した大坂なおみ(22=日清食品)が試合後、自身のツイッターなどのSNSを更新した。

バスケットボールのジャージーに着替え、優勝トロフィーを持ってコートに立つ写真を投稿。「試合後に必ず着ていたジャージー。私に強さを与えてくれたと思う。常に」とメッセージも添えた。

着用した背番号「8」のジャージーは、NBAレイカーズで20シーズンにわたって活躍し、今年1月にヘリコプターの墜落事故で亡くなったコービー・ブライアント氏のもの。昨年の全米オープン2回戦に応援に駆け付けてもらうほどの仲で、大坂はSNSを通じて「永遠の兄へ」と鎮魂のメッセージを送っていた。

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大坂なおみV「これで活気が」大阪ゆかりの地も祝福

ITC靱テニスセンターに設置されたお祝いのパネル(撮影・南谷竜則)

テニスの4大大会、全米オープン女子シングルスで大坂なおみ(22=日清食品)が優勝したことを受け、ゆかりの地である大阪市のITC靱テニスセンターは13日、お祝いムードに包まれた。

同施設は大坂が3歳で渡米するまで父フランソワさんと訪れていた場所。受付前には大坂の写真パネルと「大坂なおみ選手おめでとう」の文字が掲示され、施設の利用者が写真を撮る姿も見られた。スタッフの女性はテレビの速報で優勝したことを知り「ワーって拍手しちゃった。小さいとき、ちょっとだけだけど(大阪にいた人が)優勝したのはすごいな」と喜んだ。

施設を管理するモリタスポーツ・サービス株式会社の森田常樹会長は「(マスクで)黒人の応援をしていた。あれが支えになったんちゃうかな」と気持ちを推し量った。今年は新型コロナウイルスの影響で運営するテニススクールにも休会者が出た。「コロナを吹っ飛ばしてくれるような感じ。これで活気が出てくれたら」と願いを込めた。

テニススクールに通う高野晴くん(7)は決勝のスコアを暗記。優勝に刺激を受けたのか将来の夢を問うと「プロテニスプレーヤー。4大大会全部優勝したい」と大きな目標を掲げた。【南谷竜則】

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大坂なおみ祖父の鉄夫さん「恐ろしい孫」と笑顔

女子テニスの大坂なおみが全米オープンのシングルスで優勝したことを受け、祖父鉄夫さん(75)が13日、北海道根室市の自宅前で報道陣の取材に応じ「恐ろしい孫は持ちたくない。(4大大会3度目の優勝に)びっくりしている」と冗談を交えながら喜びを語った。

試合は自宅のテレビで妻と2人で観戦。第1セットでリードを許したが「スロースターターなところがあるから慌てないで見ていた」と振り返った。優勝が決まると、妻はうれし泣きしていたという。

大坂が着用していた人種差別に抗議を示すマスクについては「プレーに徹してもらえればと思う半面、勇気があるなと思った」と語った。(共同)

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大坂、優勝導いたのは自粛期間「多くのことを学んだ」

全米オープンで2度目の優勝を果たし、コートに寝転んで喜びを噛みしめる大坂(USA TODAY=ロイター)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇女子シングルス決勝

世界9位の大坂なおみ(22=日清食品)が、アジア選手として史上最多3度目の4大大会シングルス優勝の快挙を成し遂げた。元世界女王で、同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)を1-6、6-3、6-3の大逆転で下し、全米では18年優勝以来の2年ぶり、4大大会では19年全豪以来の優勝だ。

李娜(中国)と並んでいたアジア選手の4大大会シングルス優勝回数を3回に更新し、単独最多となった。14日発表予定の最新世界ランキングで3位に復帰する。

試合後に大坂は会見で喜びを語った。主な一問一答は次の通り。

-いろんなことがあった大会ですが、どうやって対応してきましたか?

大坂 特に(大会期間中で)隔離されている間は、多くの大変な時期があった。いろんなことを考えすぎたりもした。でも、ちゃんと乗り越えられたと思う。大会がない間、この大会に優勝するため、しっかり自分を見つめ直してきた。

-コートに寝て、何を考えていましたか?

大坂 多くの偉大な選手が、優勝した瞬間に、倒れ込んで、仰向けになってきた。だから私も同じ空を見たいと思った。信じられない瞬間だった。

-ツアーがない間、世界は通常ではなかった。その期間は、どのぐらい大事でしたか?

大坂 18年の全米に優勝してから、テニスのことばかりで、休む暇もなかった。だから、この自粛期間は、いろんなことを考える機会を与えてくれた。とても大事な期間だった。

-その成長したことがテニスに生きましたか?

大坂 もちろん。例えば、今日の試合。最初から、ほとんどだめだった。でも、ファイトしたし、戦いたかった。そして優勝できたのも、自分が成長して多くのことを学んだから。

-7枚のマスクに書かれた犠牲者の家族は、すごく感謝している。テニスが終わったら、彼らに会いたいですか?

大坂 もちろん。この経験を通して、私は多くのことを学んだ。いろんな話や経験を分かち合いたいと思っている。

-お祝いのメッセージがいっぱい来ていると思う。どれが最も楽しいものですか?

大坂 それは、いつも両親からのもの。今朝はママからのものかな。優勝する度に、私は両親を幸せにできると思っている。

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福井烈氏、大坂全米優勝は「正しい努力の姿を証明」

優勝トロフィーにキスする大坂(AP)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇女子シングルス決勝◇女子優勝賞金300万ドル(約3億3000万円)

世界ランキング9位の大坂なおみ(22=日清食品)が、元世界女王で同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)に1-6、6-3、6-3で逆転勝ちし、2年ぶりの優勝を果たした。

◆福井烈・日本テニス協会専務理事の話 世界中に閉塞(へいそく)感のある今、アスリートとしての正しい努力の姿を証明し、優勝という結果で元気を届けていただいたことには感謝しかありません。新しい世界への1ページが開かれました。

◆山西健一郎・日本テニス協会会長の話 (新型コロナウイルスの影響でツアー)中断後、初の4大大会となった全米オープンで心身ともに調整は非常に難しかったと思われますが、ご自身の努力によって、これ以上ない結果を残されたことに心から敬意を表したいと思います。(共同)

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アザレンカ「なおみ本当におめでとう…また決勝で」

表彰式の優勝した大坂(右)と準優勝のアザレンカ(USA TODAY=ロイター)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇女子シングルス決勝◇女子優勝賞金300万ドル(約3億3000万円)

元世界女王で世界ランク27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)は、同9位の大坂なおみ(22=日清食品)に敗れた。

以下、表彰式での一問一答

-試合を終えて

アザレンカ 3度目の優勝を目指したけど、また次回頑張ります。なおみ、本当におめでとう。素晴らしい2週間だったと思うし、あなたの優勝を喜んでいます。また、決勝で会いましょう。

-大会運営について

(新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け)困難なこの時期に素晴らしい大会でした。全世界が頑張っている時期です。ここでこうやってプレーできたこと、何百万人の視聴者に見てもらえたことがうれしいです。大会を成功に導いてくれた皆さま、本当にありがとう。私の力を信じ続けてくれたチームにも感謝で、これからも一緒に頑張りましょう。ここまで長い道のりでしたが、本当に楽しかったです。また、これからも頑張ります。

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大坂なおみ「本当に強い相手だった」一問一答

笑顔で優勝トロフィーを掲げる大坂(AP)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇女子シングルス決勝◇女子優勝賞金300万ドル(約3億3000万円)

世界ランキング9位の大坂なおみ(22=日清食品)が、元世界女王で同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)に1-6、6-3、6-3で逆転勝ちし、2年ぶりの優勝を果たした。

以下、表彰式での一問一答

-試合を終えて

大坂 まず、ビクトリアおめでとう。私は決勝で対戦することが楽しみというよりは怖い感じがする。本当に強い相手だった。若い時はあなたのプレー姿を見ていた。今日は本当にありがとう。チームのみんなにも感謝している。今年の出だしはそんなに調子が良くなかったけど、私の力を信じ続けてくれた。大会運営スタッフ、スポンサーのみなさんもありがとう。そして、母国で見てくれているみんなも本当にありがとう。家族にも感謝している。また、来たいです。

-試合後、コートに寝転がって何を考えていた

大坂 試合が終わった後、崩れ落ちる時はあるけど、私はけがしたくないから安全に寝転がった。

-過去25年間、第1セットを落とすと決勝で勝てなかった

大坂 ここは頑張り続けるしかないと思っていた。

-決勝まで7通りの名前入りマスクを着用した

大坂 私のマスクを見て話し合いが起きれば良い。いろいろな人がこのことを話題にしてくれるとうれしい。

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錦織、力こぶなど28個の絵文字で大坂なおみ祝福

笑顔で優勝トロフィーを掲げる大坂(USA TODAY=ロイター)

男子テニスの錦織圭(30)が13日、大坂なおみ(22=ともに日清食品)が2年ぶりに全米オープンのシングルスを制したことを受け、祝福した。

同日、自身のツイッターを更新し、日の丸やサムアップ、力こぶなど28個の絵文字を投稿して喜んだ。

大坂は、元世界女王で同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)を1-6、6-3、6-3で下し、全米は18年優勝以来2年ぶり、4大大会では19年全豪以来の優勝。2回で李娜(中国)と並んでいたアジア選手の4大大会シングルス優勝回数を更新し、単独最多となった。

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大坂なおみ「話し合い起きれば」7枚目は12歳少年

タミル・ライスくんの名前入りマスクを着用して入場する大坂(USA TODAY=ロイター)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇ニューヨーク◇女子シングルス決勝

世界ランキング9位の大坂なおみ(22=日清食品)が、元世界女王で同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)に1-6、6-3、6-3で逆転勝ちし、2年ぶりの優勝を果たした。

入場時には、人種差別への抗議として、14年に警察官の発砲を受けて死亡した12歳(当時)の黒人少年、タミル・ライスくんの名前入りマスクを着用した。

表彰式で大坂は「私のマスクを見て話し合いが起きれば良い。いろいろな人がこのことを話題にしてくれるとうれしいです」と神妙な面持ちで語った。

大坂は1回戦から黒人被害者の名前入りマスクを着用し、注目を集めた。決勝までの試合数に合わせて用意した、全7枚のマスクを披露した。

全米オープン女子シングル決勝 入場する大坂(AP)

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アザレンカ全米OP初制覇ならず「失望していない」

全米OP女子シングルス決勝 大坂と対戦するアザレンカ(ロイター)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇女子シングルス決勝◇女子優勝賞金300万ドル(約3億3000万円)

全米3度目の決勝挑戦で、初優勝はならなかった同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)は、敗れた。それでも「ここまで来た自分を誇りに思う」と、下を向かなかった。

全豪を2度制し、世界1位にもなった経験で、大坂に第1セットはテニスをさせず。6-1、2-0までリードして、大坂を追い込んだ。第1セットは、第1サーブが入った確率が94%。17本打って、1本しか外さなかった。凡ミスもわずか3本。完璧なテニスで大坂を押さえ込んだ。

しかし、第2セットの第3ゲームで初めて自分のサービスゲームを落としてから、調子が下降線をたどった。「勝敗を分けた鍵は1カ所じゃない。多くのことがからんだ」が、勝ちを意識してミスが増えたことは確かだ。

最終セットも1-4から3-4まで追い上げたが、最後は力尽きた。

ただ、16年12月に長男レオ君を出産し、母になって自身初めての4大大会決勝だった。

「(負けても)失望はしていない。ただ、負ければ、いつも残念。でも、いい2週間だった」

元世界女王が、復活のステップを踏み出した。【吉松忠弘】

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大坂なおみ3度目の4大大会V「安全に寝転んだ」

笑顔で優勝トロフィーを掲げる大坂(AP)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇女子シングルス決勝

世界9位の大坂なおみ(22=日清食品)が、アジア選手として史上最多3度目となる4大大会シングルス優勝の快挙を成し遂げた。

元世界女王で、同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)を1-6、6-3、6-3で下し、全米は18年優勝以来2年ぶり、4大大会では19年全豪以来の優勝。2回で李娜(中国)と並んでいたアジア選手の4大大会シングルス優勝回数を更新し、単独最多となった。また、14日発表予定の最新世界ランキングで3位に復帰する。

第1セットは相手の左右に振るショットに苦しむなど1-6と落としたが、第2セットから本来の姿を取り戻した。2-3とリードされた展開から4ゲームを連取し、セットカウント1-1のタイに。このセットだけでエースを5本取るなどパワフルなサーブが光った。

そして迎えた第3セット。第4ゲームをブレークするなど優勢に進める。アザレンカの粘りに遭うも、第8ゲームを一進一退の攻防からブレーク。そして第9ゲーム、最後はアザレンカのバックがネットにかかり、白熱した大一番を制した。大坂はコートに寝転がり、勝利の喜びに浸った。

「決勝は楽しみというより怖い感じだった。(アザレンカは)本当に強い相手だった。試合が終わった後、崩れ落ちる時はあるけど、けがしたくなかったので安全に寝転んだ」と、安堵(あんど)した表情で振り返った。

大坂が、3度、歴史に名を刻んだ。アジアでテニスの女神として知られた李娜を抜き、男女を通じて最多の4大大会優勝だ。19年全豪優勝で、アジア男女初の世界1位となったことに続く快挙で、大坂はアジアで最も偉大な選手となった。

大坂が、強打と安定性を融合した理想のスタイルで、アザレンカを突き放した。どれだけ打っても、決して軸が崩れず、凡ミスが減ったのが、今回の大坂だ。また、課題だった精神面も「いつも積極的にいられる」とまったく乱れない。この日もその強さが、アザレンカの粘りを打ち破った。アザレンカは、大坂が4大大会本戦で初めて敗れた相手だった。16年全豪で予選を勝ち上がり4大大会本戦デビュー。その後も、破竹の快進撃で、3回戦でいきなりセンターコートに入った。その相手がアザレンカだった。全く歯が立たず、わずか2ゲームしか奪えなかった。「負けて良かった。学ぶことが多かった」と、大きな経験を手にした。

アザレンカ戦からスタートしたとも言える大坂の4大大会人生。あれから4年を経過して、全米決勝の舞台で勝利することで、その恩を返したことになる。「山あり谷ありの経験から、多くのことを学んで成長できたから、私はここにいる」。

被害に遭った黒人の名前入りの人種差別に抗議するマスクも、用意した7枚を、すべて披露した。1回戦勝利後「決勝に進むため、7枚を用意した。7人の数は少ないが、すべてを見せたいので頑張りたい」と話していた。その言葉を見事に実践して見せた。

今後については、次週のイタリア国際(ローマ)は欠場を決めたが、27日開幕の4大大会・全仏オープン(パリ)まで苦手とするクレーの大会が続く。しかし現在見せているテニスなら、粘りと忍耐が鍵となるクレーも、十分に克服してくれる可能性は高そうだ。【吉松忠弘】

2度目の全米女王となりコートに寝転んで喜びをかみ締める大坂(AP)

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アザレンカ「三度目の正直になればと思ったが…」

表彰式の優勝した大坂(右)と準優勝のアザレンカ(USA TODAY=ロイター)

<テニス:全米オープン>◇12日(日本時間13日)◇ニューヨーク◇女子シングルス決勝

世界ランキング9位の大坂なおみ(22=日清食品)が元世界1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)を1-6、6-3、6-3で下し、2018年大会以来2度目の優勝を果たした。4大大会で昨年の全豪オープン以来3度目の頂点に立ち、女子の李娜(中国)を抜いてアジア勢単独最多となった。

大坂は8月下旬のツアー大会で左太もも裏を負傷して決勝を棄権したが、今大会で7試合を勝ち、優勝賞金300万ドル(約3億3000万円)を手にした。ツアー通算6個目のタイトルとなり、全米終了後の世界ランクで3位に浮上する。

大坂は白人警官による黒人男性暴行死事件などの人種差別に抗議するため、決勝までの試合数に合わせ、被害者名が入ったマスクを7枚用意。1回戦から入場時などに着用したことでも注目を集めた。

今年の全米は新型コロナウイルスの世界的な流行後初の4大大会。感染防止策を講じ、無観客で開催された。新型コロナの影響でトップ選手の欠場が目立った。

◆大坂なおみの話 (第1セットを落とし)1時間も持たずに負けたら本当に恥ずかしいと思ったので、とにかく一生懸命プレーしようと思った。前哨戦からここまでの全試合、しっかりと戦った。(人種差別に抗議を示すマスクについては)人々が議論を始めてくれたらいい。

◆ビクトリア・アザレンカの話 (全米で過去2度の準優勝があり)三度目の正直になればと思っていたけれど、また挑戦しなければいけないようだ。(大坂と)また決勝で戦えたらいい。(共同)

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上地結衣は3年連続準優勝「精度が高くなかった」

<テニス:全米オープン車いすの部>◇12日◇ニューヨーク◇女子シングルス決勝

第2シードの上地結衣(三井住友銀行)は第1シードのディーデ・デフロート(オランダ)に3-6、3-6で敗れ、3年ぶりの優勝はならなかった。

決勝は4年連続で同じ顔合わせ。上地は3年連続準優勝となり、デフロートは3連覇を果たした。

▽上地結衣の話 (新型コロナウイルスの影響による)ツアー復帰後初めての大会で気持ち的にも難しい部分はあるが、もっとできたと思う。プレー自体がまとまっていなくて、精度が高くなかった。(共同)

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大坂なおみVS元世界女王の全米決勝 データで見る

大坂なおみ、アザレンカのデータ

テニスの4大大会、全米オープンの女子シングルス決勝で、世界9位の大坂なおみ(22=日清食品)と、元世界女王で、同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)が対戦する。年齢は9歳差で、アザレンカの経験が勝るが、ともに4大大会で2度の優勝を誇り、3勝目を狙う。

両者は、直前に行われた前哨戦のウエスタン・アンド・サザンオープン決勝で対戦するはずだった。しかし、大坂が左太もものけがで、戦わずして棄権。対戦はならなかった。アザレンカは「やっと対戦できる。楽しみ」と、準決勝でセリーナを下した後、話している。

大坂は、新型コロナウイルスで中断した世界ツアーが再開後、1度も負けていない。前哨戦の棄権は、戦っていないため、公式記録では勝敗には数えない。前哨戦で4勝、全米で6勝の10連勝中だ。アザレンカは、復帰後の米レキシントン大会こそ1回戦で敗れたが、その後、やはり10連勝中だ。勢いに差はない。

統計の数字を見ると、お互いの特徴がよく分かる。サーブの安定感は、第1サーブの平均確率が56%の大坂に対し、アザレンカが71%と上回る。しかし、破壊力は、第1サーブの平均得点率で大坂が81%と、アザレンカの68%より上だ。ただ、安定しているはずのアザレンカが合計17本のダブルフォールトを犯していることは気になる点だ。

決定打は、合計142ゲームを戦った大坂は149本。116ゲームのアザレンカは124本で、1ゲーム平均で、1・049本と1・069本で差はほとんどない。しかし、凡ミスは、1ゲーム平均0・92本の大坂に対し、アザレンカは0・78本で、やや差がつく。

大まかに言えば、破壊力の大坂に対し、安定のアザレンカだ。しかし、大坂も、今大会は十分に安定感が増し、アザレンカに勝るとも劣らない。ただ、あまり前のめりになると、アザレンカの守備力とカウンターで、反撃される可能性も大きい。

対戦成績は、大坂の2勝1敗だ。16年全豪で、大坂が初めて予選を勝ち上がり、4大大会本戦デビューを果たした時に、3回戦のセンターコートで敗れたのがアザレンカだった。大坂は2ゲームしか奪えなかった。直近では、19年全仏2回戦で対戦し、大坂が逆転勝ちしている。

決勝は12日(日本時間13日午前5時予定)。

   ◇   ◇   ◇

◆大坂対アザレンカ対戦成績◆

16年全豪3回戦 ●大坂 0-2

18年イタリア国際1回戦 ○大坂 2-0

19年全仏2回戦 ○大坂 2-1

   ◇   ◇   ◇

◆アジア選手4大大会シングルス優勝 アジア選手が4大大会のシングルスで優勝したのは女子だけ。過去、李娜(中国)が11年全仏、14年全豪の2度優勝。大坂も18年全米、19年全豪優勝の2度。今回優勝すれば、大坂がシングルスでアジア最多優勝となる。

◆全米オープンテニスの女子シングルス決勝は、9月13日午前4時45分からWOWOWライブで独占生中継。また、WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信予定。

決勝進出を決め喜ぶ大坂なおみ(AP)

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男子シングルス決勝はティエム-A・ズベレフ

決勝進出を決めたA・ズベレフ(AP)

<テニス:全米オープン>◇11日◇ニューヨーク

男子シングルス準決勝で第2シードのドミニク・ティエム(オーストリア)と第5シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が勝ち、13日の決勝で対戦することになった。

ティエムは第3シードのダニル・メドベージェフ(ロシア)に6-2、7-6、7-6でストレート勝ちした。A・ズベレフは第20シードのパブロ・カレノブスタ(スペイン)に3-6、2-6、6-3、6-4、6-3で逆転勝ちし、4大大会で初の決勝進出。

女子ダブルスはラウラ・シグムント(ドイツ)ベラ・ズボナレワ(ロシア)組が初優勝を果たした。(共同)

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大坂なおみ躍進、決勝相手も知るコーチが真相明かす

大坂なおみ(2019年9月22日撮影)

決勝は大坂有利-。

テニスの4大大会、全米オープン女子シングル決勝は、世界9位の大坂なおみ(22=日清食品)と元世界女王で、同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)との対決となった。その大坂のコーチのフィセッテ氏は、決勝の相手アザレンカの元コーチでもある。両者を知るキーマンがすべてを語った。

   ◇    ◇

今年から就任した大坂のヴィム・フィセッテ新コーチ(40)。実は、アザレンカの元コーチだった。15年に就任し、その当時、12年に1位になったアザレンカの世界ランクは50位前後に転落していた。

それを16年3月にはトップ5まで戻したのがフィセッテ氏の手腕だった。15年ウィンブルドンから4大大会3大会連続で8強に導いた。しかし、16年の全仏後、アザレンカは恋人との妊娠を発表。そのため、フィセッテ氏とのコーチ関係は消滅した。

つまり今回の女子決勝は、フィセッテ氏の同門対決となる。そのフィテッセ氏が、決勝を翌日に控えた11日(日本時間12日)、オンライン会見で決勝や大坂について、すべてを語った。

過去にアザレンカのコーチだったことが有利に働くと、フィセッテ氏は認めた。

「相手のことをよく知っているのは、有利に働くのは間違いない。どちらにしても、相手のことをビデオや統計から調べ上げるのが私の役目だ」

フィセッテ氏は、大別すると、選手は2つの違ったタイプに分けられるという。合理的で、理性的な選手と、直感的で感覚的な選手の2タイプだ。

「ビカ(アザレンカの愛称)は典型的な理性的なタイプ。ナオミは、大事な場面で、非常に直感が働く異なったタイプだ。試合前に、選手にゲームプランを与えるが、ビカは、その部分が大きい。ナオミは、それは基礎にしか過ぎなく、私は、ナオミの直感を信じている」

直感的、感覚的というと、何も考えずに、その場の感覚だけでプレーしているように誤解する。しかし、フィセッテ氏は、大坂の場合、それは大きく違うという。

「試合前にナオミには、とても重要な3つのキーポイントを与える。しかし、その3つについて、あまり詳しくは話さない。そこは、彼女の感覚が大事だからだ。ナオミは、テニスという戦術をきちんと理解している。ただ、コンピューターをプログラムするのとは違うということだ」

フィセッテ氏は、女子ツアーを統括するWTA(女子テニス協会)が契約する欧州最大手のソフトウエア会社、SAPのアドバイザーも務める。統計を駆使し、「数字の魔術師」の異名を取る。その彼が与える情報量は、決勝で戦う2人では大きく異なった。

「ナオミに与えるのは、ビカに与えていた情報量の約30~40%だと思う。簡単に言えば、対戦相手がどんな選手かよく分かるものを、少しだけ与えるイメージだ。ナオミは十分に大きな武器を持つ選手だ。だから、キーポイントを3つ与えれば十分」

全米前哨戦から2大会。大坂は見違えるように、自分の心をコントロールしている。昨年のウィンブルドン1回戦で敗退し、会見で取り乱して途中退席した。今年の2月には、日本代表としてスペインと対戦。全くプレーに覇気がなく、終盤にはコート上で泣きだした。その時と比べれば、まるで別人のようだ。それも、フィセッテ氏の貢献度が高い。

「ナオミが感情をコントロールできなかったのは、2つの理由がある。1つは、彼女はあまりにも早く成功した。この先、3つ目、4つ目の4大大会優勝や、すべての試合に勝とうと思ったはずだ。それが、まず間違い。あまりにも期待が高すぎる。2つ目は、ものの考え方だ。どのように試合に入っていけばいいか。もちろん勝ちたい。しかし、それを考えては、すべてが悪くなる。まず自分に集中し、それがゲームプランを組み立て、いいエネルギーを生み出す。パズルのようなものだが、それがかみ合ったとき、勝利につながる」

今大会、顕著な技術的な特徴は、凡ミスの少なさだ。過去2度の優勝した4大大会の時と比較しても、決勝までの道のりで、1ゲーム平均で最少だ。18年全米では1ゲーム平均1・06本、19年全豪は1・29本。今回は0・92本で、1ゲームに1本も凡ミスを犯していない。その秘密も、フィセッテ氏は明かした。まずはフットワークだという。

「ナオミはポイントを決めたがる選手だ。でも、この2年間で、彼女が犯した凡ミスは、決めようとした選択が間違っていたとは思えない。ちょっとした技術的なものがうまくいかずに起こったことだ。まず、凡ミスを減らすのに最も大事なのは、フットワークだ。すべてはフットワークから始まる。そのトレーニングをユタカ(中村豊トレーナー)に頼んだ。ともに練習した10週間、徹底的にトレーニングした。安定して、打つ球の後方から、強く踏み出せるように改良した」

フットワーク以外にも、技術的な問題として、スイングスピードや方法にも、改良点を見いだした。

「ナオミが試合中に集中できるような小さな改良を加えた。もう少し球に回転をかけること、ラケットのヘッドスピードを少し上げること。加速させれば、もう少しコントロールできるようになる」

フィセッテ氏の理路整然としたプランと、大坂の闘争本能や感覚的なものが融合し、大坂自身が例える、ものすごい「ケミストリー(化学反応)」が起こっている。それが今回、大坂の躍進を支える真実だ。

注目の大一番、両者の対戦成績は大坂の2勝1敗。日本時間13日午前5時以降の試合開始となる。

【吉松忠弘】

◆ウィム・フィセッテ(Wim Fissette)1980年3月22日、ベルギー・シントトロイデン生まれ。16歳以下のベルギー代表に選出されたが、プロ転向後は最高位が1291位。コーチ転向後は、クライシュテルス、ハレプ、ケルバーら女子有名選手を指導。4大大会計4度の優勝、2度の準優勝に導いた。欧州最大手ソフトウエア会社SAPのアドバイザーも務め、統計を駆使した戦術が有名。

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