<ウインターカップ・全国高校バスケットボール選手権>◇26日◇男子3回戦、女子・準々決勝◇東京体育館
2年連続ベスト16の羽黒(山形)が、大会連覇を狙う開志国際(新潟1位)に71-101で大敗。念願のベスト8入りはならなかったが、U19日本代表の小川瑛次郎(3年)が諦めずに3点シュート(3P)を打ち続けるなど、最後まで戦う姿勢を貫いた。
初出場ながら全国2勝を挙げた帝京安積(福島1位)は、全国高校総体準Vの東山(京都1位)に73-117で敗れた。女子の聖和学園(宮城1位)は、高校3冠がかかる京都精華(京都1位)と準々決勝で対戦。57-84で敗れ、これで東北勢はすべて姿を消した。
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最後までシュートを打ち続けた。第4Q開始時点で49-91と42点差。すでに勝負は決していたが、選手は諦めず、自分たちのバスケットを貫いた。
エース小川はこの試合21本の3Pを放ち4本成功。第4Qも残り7分25秒に1本目の3Pを打ってから6本連続失敗。同残り1分で放った7本目のシュートがようやくゴールネットを揺らした。小川は「チームメートや(斎藤仁)監督から打つのをやめるなと言われたので自信を持って打つことができました」。
8月の全国高校総体は日本代表の活動があり、チーム合流が直前となったことも影響し、1回戦で鳥取城北に敗れ、不完全燃焼に終わった。だが、今大会は万全の状態で臨み、「1、2回戦とも苦しい戦いを乗り越えての勝利。だから、あまり悔いはないし、1、2年生にもいい姿を見せられた」と敗戦にも充実した表情を見せた。
卒業後は大学に進学。引き続き日本代表入りを目指す。「アンダーカテゴリーで日本を背負わせてもらって舞台を踏んだので、大人になっても日の丸を背負いたい」。斎藤監督は「小川が(日本代表で得た)世界でやってきた経験をチームに持ってきてくれた。特に体づくりが大事だという意識が浸透した」と感謝した。
ベスト8入りはならなかったが、2年連続ベスト16入りを達成。チームの経験値をまた1つ上げた羽黒が「諦めない心と強い体」を武器に来季、新たな領域に踏み出す。【浦部歩】
帝京安積 全国の壁を体感した。第1Qこそ22-30と互角に渡り合ったが、第2、3Qは強度を上げてきた相手に防戦一方。東山の4人に2桁得点を許すなど大量117失点。19得点を挙げた緑川知也(3年)は「自分が下手だなと思った試合だったし、全国の壁は高いと思った。でも、初出場で2勝できたことを誇りに自信を持って今後の大会で優勝してほしい」と目標だった全国ベスト8入りを後輩に託した。
聖和学園 高校3冠がかかる相手の壁は厚かった。京都精華学園とは11月12日、U18トップリーグでも対戦。59-102で敗れており、その雪辱を狙ったが、57-84と返り討ちにあった。
身長188センチのディマロ・ジェシカに14リバウンドを奪われるなど、ゴール下を支配された。さらにエースでU18日本代表の阿部友愛(2年)が4戦目を迎え疲労困憊(こんぱい)。出場時間が限られるハンディもあった。高瀬ゆのか主将(3年)は「自分の力不足を感じました。でも、今のチームは2年生主体のチームなので、来年こそは全国ベスト4を達成できるように頑張ってほしい」とエールを送った。小野裕監督は「全国ベスト4達成には総合力がまだまだ足りないが、下級生に楽しみな選手が多い。もう少しおもしろいバスケットができるかなと手応えを感じた大会になった」と来季を見据えた。
- 開志国際対羽黒 第2Q、守備をする羽黒・小川(撮影・横山健太)
- 開志国際に敗れ、涙を流す羽黒の選手たち(撮影・横山健太)
- 第2Q、シュートを放つ羽黒・今井(左)
- 開志国際対羽黒 第2Q、シュートを放つ羽黒・サインビルグ・オチル。左は開志国際・ネブフィ・ケルビン・シェミリー(撮影・横山健太)