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【高校バスケ】有料入場者数が史上最多の6万1554人、明成・八村塁3連覇の15年の記録抜く

【高校バスケ】有料入場者数が史上最多の6万1554人、明成・八村塁3連覇の15年の記録抜く

優勝し、記念撮影で笑顔の福岡第一の選手たち(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権>◇29日◇東京体育館

日本バスケットボール協会は今大会7日間の有料入場者数が大会史上最多となる6万1554人だったと発表した。これまでは現在米プロNBAレイカーズに所属する八村塁が明成(現仙台大明成)3年時に3連覇を達成した2015年大会の、5万9754人が最多だった。(共同)

ウインターカップで優勝し、記念撮影で笑顔の京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】福岡第一の森田空翔「先生に1番怒られた」一般入試組が優勝に貢献

福岡第一対福岡大大濠 第2Q、シュートを放つ福岡第一・森田(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権::福岡第一63-53福岡大大濠>◇29日◇男子決勝◇東京体育館

前回準優勝の福岡第一が、福岡大大濠との“福岡決戦”を制し、4大会ぶり頂点に立った。

福岡第一の森田空翔(くうと、3年)は本来、3点シュートを持ち味とするが「今大会はディフェンスを頑張った」。毎試合のように相手のエースをマーク。178センチの身体を張って奮闘した。

スポーツ推薦で入部したチームメートが多い中で、「僕はみんなと違い、一般入試で入った」。長崎県佐世保市・広田中出身。4年前の連覇達成に貢献した河村勇輝(22=現B1横浜BC)に憧れ、バスケの名門福岡第一に進んだ。入部してみると、同学年だけで40人を超える大所帯。「河村選手の影響で、僕らの代はとくに部員数が多かった。顔を見ただけでもみんなバスケがうまそう。『来るところを間違えた』と思った」と振り返る。

それでも「3年間、やり抜こう」と決意。猛練習を重ねた。2年時から徐々に起用され、1年前のウインターカップではベンチメンバー入り。最上級生になるとレギュラーの座をつかんだ。

決勝ではチームで2番目に多い14得点、さらには5スチールをマークした。「井手口先生に怒られるのもこれが最後という気持ちで集中した。先生に1番怒られてきたのは自分。いつも『くそっ』と気持ちでやってきた。頑張ってきて良かった」。金メダルを手にし、充実感に浸った。【奥岡幹浩】

福岡第一対福岡大大濠 第3Q、選手に指示を出す福岡第一・井手口監督(撮影・鈴木みどり)
福岡第一対福岡大大濠 試合後、健闘をたたえ合う両選手たち(撮影・鈴木みどり)
記念撮影で隣に座る優勝の福岡第一・井手口監督(左)と福岡大大濠・片峯監督(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップ優勝の福岡第一と準優勝の福岡大大濠の選手たちは一緒に記念撮影(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し、選手に胴上げされる福岡第一・井手口監督(撮影・鈴木みどり)
優勝し、記念撮影で笑顔の福岡第一の選手たち(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】部員115人の福岡第一V 山口瑛司主将「チームが1つになれた」

優勝し、記念撮影で笑顔の福岡第一の選手たち(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権::福岡第一63-53福岡大大濠>◇29日◇男子決勝◇東京体育館

前回準優勝の福岡第一が、4大会ぶり5度目の頂点に立った。4年ぶりとなった“福岡勢決戦”で、福岡大大濠を63-53で再び下した。日頃から切磋琢磨(せっさたくま)してきたライバルに対して堅守から流れを引き寄せ、エース崎浜秀斗(しゅうと、3年)を軸に得点を重ねた。部員115人の大所帯。井手口孝監督(60)が、就任30年目の区切りの年にチームを日本一に導いた。

   ◇   ◇   ◇

頂上決戦を終え、勝者となった緑のユニホームの福岡第一の100人を超える部員たちと、白いユニホーム姿の福岡大大濠の選手たちが肩を組んで記念写真に収まった。勝利に貢献したエース崎浜秀斗は「大濠さんの存在なくして、チームも自分もなかった」。切磋琢磨(せっさたくま)するライバルに感謝した。

受け継がれる守備力が光った。前半わずか14失点。個々の能力の高さと組織的守備を組み合わせ、相手にプレッシャーを与え続けた終盤に詰め寄られても慌てず対応。日本代表の河村勇輝(現B1横浜BC)を軸に連覇を飾った4年前に続き、福岡勢決戦を再び制した。

部員115人のマンモスチーム。とりわけ、河村の活躍を受けて入学した3年生世代は40人を超える大所帯だ。だからこそ意思疎通を図ることを重視した。秋頃には故障者が相次いだ。「チームがばらばらになりかけた」と主将の山口瑛司。そのとき、けがをした当事者でゲームキャプテンでもある崎浜秀斗は、寮の風呂や食堂などで積極的に仲間と言葉を交わした。山口は「みんなの支えがあり、再びチームが1つになれた」。復帰したエースを中心に、115人が結束して乗り込んだ今大会。4年ぶりの優勝をつかみ、コートに大きな歓喜の輪が広がった。【奥岡幹浩】

〇…福岡大大濠は相手から強いプレッシャーを受けて、シュート精度を欠いた。2年ぶり頂点には届かず、片峯監督は「受け身になってしまったところが悔やまれる」。身長200センチの渡辺伶音(2年)ら、先発5人中4人が1、2年生。それだけに今大会で得た経験は大きい。来季はさらなる飛躍が期待される中で、指揮官は「勝ち切るためには強烈なリーダーシップを持つ選手が必要と実感した」。心身を磨き、必ず大舞台に戻ってくる。

◆男子ベスト5 世戸陸翔(3年)崎浜秀斗(3年)山口瑛司(3年=いずれも福岡第一)渡辺伶音(2年)広瀬孝一(3年=ともに福岡大大濠)

高校バスケット最近10年の男子優勝校
ウインターカップで優勝し、選手に胴上げされる福岡第一・井手口監督(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップ優勝の福岡第一と準優勝の福岡大大濠の選手たちは一緒に記念撮影(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】準V福岡大大濠の片峯監督「睡眠3時間。ヤクルト1000を3本飲んだ」

福岡第一対福岡大大濠 第2Q、試合を見守る福岡大大濠・片峯監督(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:福岡第一63-53福岡大大濠>◇29日◇男子決勝◇東京体育館

前回準優勝の福岡第一が、福岡大大濠との“福岡決戦”を制し、4大会ぶりの頂点に立った。福岡大大濠は同県のライバルに苦杯を喫し、2大会ぶりの制覇とはならなかった。

福岡大大濠の片峯聡太監督(35)は「受け身になってしまったのが悔やまれる。ただ、今大会を通して成長できた。この悔しさを次に生かしたい」と前を向いた。

先に決勝進出を決めた前日には、「(福岡)第一さんとやることになれば、眠れないと思う」と話した。その組み合わせが現実となった前夜は、やはりなかなか寝付けなかった。ようやく眠りにつけたのは午前2時ごろ。「5時に起きたので、睡眠は3時間ぐらい。ヤクルト1000を3本飲みました。腸内環境はいいんすけどね」と冗談めかした。

ライバル校との頂上決戦を待ち遠しいと思う気持ちと、不安な気持ちが交錯した。

「小学生のころの、運動会前夜のようなわくわく感と、注射の順番を待っているような気持ちが入り交じったような…。脳が覚醒状態になっていた」

30代半ばながら、母校を率いて13年目。若き指揮官にとって、福岡第一の井手口孝監督(60)はどのような存在か。

「バスケットのこともそうだし、組織の動かし方についてもたけている方。知識と経験に基づき、目の前のことだけでなく俯瞰(ふかん)的な視線でいろいろなことを進めていく。だから、いろいろなことへの対応力がある。一方でぶれずに突き進んでいく力もある。すごい人。本当に尊敬しています」

4年ぶりに決勝で同県対決が実現し、あらためて福岡県勢のレベルの高さが示された。その強さの要因として片峯監督は、地元の小中学生世代を指導する人たちの熱意が大きいと実感を込める。

今大会の福岡大大濠は、スタメン5人のうち2年生以下が4人。伸びしろはたっぷりある。経験と悔しさを糧に、チームはさらに強くなる。【奥岡幹浩】

記念撮影で隣に座る優勝の福岡第一・井手口監督(左)と福岡大大濠・片峯監督(撮影・鈴木みどり)
福岡第一対福岡大大濠 試合後、健闘をたたえ合う両選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップ準優勝に終わり、表彰式でうつむく福岡大大濠の選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップ準優勝に終わり、記念撮影に納まる福岡大大濠の選手たち(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】福岡第一が福岡大大濠との決戦制す、30年目の井手口監督「高校生は素晴らしい」

福岡大大濠対福岡第一 福岡大大濠に勝利しウインターカップ優勝を決め、ガッツポーズする福岡第一・崎浜秀斗(中央)(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:福岡第一63-53福岡大大濠>◇29日◇男子決勝◇東京体育館

前回準優勝の福岡第一が、福岡大大濠との“福岡決戦”を制し、4大会ぶり5度目の頂点に立った。

チームを率いて30年目の名将、井手口孝監督(60)監督はコート上のインタビューで開口一番、「今年は目標としていた(仙台大明成の)佐藤久夫先生のいないウインターカップ。日本のバスケットを引っ張ってこられた佐藤先生に恥ずかしくない試合を、とにかく最後までやり通そうと、僕自身に課題を与えながらやってきた」。涙を浮かべながら、今年6月に亡くなった名将への思いを口にした。今大会は1回戦で仙台大明成との強豪対決を制し、決勝まで勝ち上がってきた。

井手口監督はさらに、「本当にバスケットは素晴らしいです。高校生は素晴らしい。本当にありがとうございます」とスピーチした。

福岡第一は堅い守りで序盤から主導権を握り、前半を38-14で折り返した。その後も優位に進め、リードを守り切った。

エースの崎浜秀斗(3年)はこの試合でも活躍。両チーム最多18得点を挙げた。「去年と違い、いい結果が出せず本当に苦しんだけれど、チームの115人が我慢して、最後にこうして優勝できた。115人に感謝したい」。チームは全国有数の部員数を誇る。チームメートたちに感謝した。

福岡大大濠対福岡第一 第2Q、得点に盛り上がる福岡第一ベンチ(撮影・鈴木みどり)
福岡大大濠対福岡第一 第1Q、ドリブルする福岡第一・山口(左)(撮影・鈴木みどり)
福岡大大濠対福岡第一 第1Q、ゴールを狙う福岡第一・山口(左)(撮影・鈴木みどり)
福岡大大濠対福岡第一 第1Q、ドリブルする福岡第一・崎浜秀斗(左)(撮影・鈴木みどり)
福岡大大濠対福岡第一 第2Q、シュートを決める福岡第一・崎浜秀斗(撮影・鈴木みどり)
福岡第一対福岡大大濠 第3Q、選手に指示を出す福岡第一・井手口監督(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し、盛り上がる福岡第一の選手たち(撮影・鈴木みどり)
記念撮影で隣に座る優勝の福岡第一・井手口監督(左)と福岡大大濠・片峯監督(撮影・鈴木みどり)
福岡第一対福岡大大濠 試合後、健闘をたたえ合う両選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し、選手に胴上げされる福岡第一・井手口監督(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し、カップを掲げる福岡第一の選手たち(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】前回準優勝の福岡第一が福岡大大濠との“福岡決戦”制し4大会ぶり5度目の頂点

福岡大大濠対福岡第一 第2Q、シュートを決める福岡第一・崎浜秀斗(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:福岡第一63-53福岡大大濠>◇29日◇男子決勝◇東京体育館

前回準優勝の福岡第一が、福岡大大濠との〝福岡決戦〟を63―53で制し、4大会ぶり5度目の頂点に立った。

序盤から福岡第一が主導権を握って、一気にリードを広げた。第1クオーター(Q)は16―9、第2Qは22―5。前半終了時に38―14と、ほぼ勝負アリの展開に持ち込んだ。ここから、激しい追い上げにあったが、前半の貯金で、楽々逃げ切った。

この試合、チーム最多の18得点を挙げた崎浜秀斗(3年)は「ホッとしています。この1年間苦しんだんですけど、チームメート115人でやってきて、チームメート115人に感謝です」と会場の仲間とつかんだ頂点であることを強調した。

また、対戦した福岡大大濠には、「大濠さんの存在なしでは、今の自分もチームもないと思う」と最強のライバルに感謝を述べた。

両校は4大会前の決勝でも対戦しており、当時も河村勇輝を擁する福岡第一が75―68で制していた。4大会ぶりに実現した〝福岡決戦〟も福岡第一が制した。

28日の準決勝、ひと足早く決勝進出を決めた福岡大大濠の片峯聡太監督(35)は、「(福岡)第一さんとやるとなると、きょうは眠れないと思う。明日は目の下にクマ全開になるのでは」と話した。

そのコメントを伝え聞いた福岡第一の井手口孝監督(60)は、「僕はぐっすり寝ます。決勝までいけることが儲けものと思っているので」と笑っていた。

福岡大大濠対福岡第一 第1Q、ゴールを狙う福岡第一・崎浜秀斗(撮影・鈴木みどり)
福岡大大濠対福岡第一 第1Q、ドリブルする福岡第一・崎浜秀斗(左)(撮影・鈴木みどり)
福岡大大濠対福岡第一 第1Q、ゴールを狙う福岡第一・山口(左)(撮影・鈴木みどり)
福岡大大濠対福岡第一 第1Q、ドリブルする福岡第一・山口(左)(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】河村勇輝「仲間と戦える時間を大切に」ウインターカップ決勝前にエール

男子決勝を前に囲み取材に応じる横浜BC河村(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権>◇29日◇男子決勝◇東京体育館

ウインターカップの大会アンバサダーを務める河村勇輝(22=B1横浜ビー・コルセアーズ)が、男子決勝前に取材に応じた。

母校の福岡第一が福岡大大濠と激突する決勝は、自身が出場した4年前と同じ組み合わせ。「この1年で最後に戦えるのはこの2校。チームメートと一緒に戦える時間を大切にしてほしい」と、両チームにエールを送った。

勝負事である以上、一方が勝てばもう一方は敗れる。そう前置きしたうえで、「悔しい気持ちを持つチームも出てくると思うけれど、最後まで試合ができたことについての誇りは失われない。いい思い出になると思う。全力で2チームが戦ってもらえれば」と力を込めた。

高校バスケの大一番として、大勢の観客が集まるウインターカップ。河村自身は1年時から出場し、2度頂点に立った。「やっぱり昔から憧れの舞台だった。自分が初めてコートに立った時は、本当にうれしかったし、偉大な大会だとも感じた」と振り返った。

男子決勝を前に囲み取材に応じる横浜BC河村(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】岐阜女準V 絈野夏海が最多31得点 パリ五輪代表候補メンバーにリストアップ

京都精華学園対岐阜女 第2Q、シュートを放つ岐阜女子・絈野(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:京都精華学園63-59岐阜女>◇28日◇女子決勝◇東京体育館

5年ぶり3度目の優勝を目指した岐阜女は、女王・京都精華学園に敗れて準優勝となった。

敗れたとはいえ、岐阜女は見せ場をたっぷりつくった。後半に猛反撃。第4Q途中には1点差まで詰め寄った。最後は力尽きたものの、温かい拍手を浴びた。

主将の絈野(かせの)夏海(3年)が両軍最多の31得点。17本中8本の3点シュートを決めるなど、抜群の得点能力を発揮した。試合後は目に涙をため「満足はしていないですが、このチームで最後まで戦い切った。その結果が2位なら、胸を張っていいかな」。今大会6戦で27本の3点シュートを決め、大会歴代最多記録を3本も塗り替えた。

身長172センチのガードは卒業後、名門の東京医療保健大に進学予定だ。「日本代表として五輪選手になることが目標」と思い描く。関係者によれば、来年1月上旬に発表される24年パリ五輪世界最終予選(2月)の日本代表候補メンバーにリストアップされている。その得点力を世界で発揮する日は、本人が思う以上に早く訪れるかもしれない。

京都精華学園対岐阜女 京都精華学園に敗れ優勝を逃し、うつむく岐阜女ファイブ(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】京都精華が男女を通じて初「新3冠」達成 八木悠香「みんながいたから頑張れた」

京都精華学園対岐阜女 第3Q、ドリブルする京都精華学園・八木(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:京都精華学園63-59岐阜女>◇28日◇女子決勝◇東京体育館

前回女王の京都精華学園が岐阜女を63-59で下し、大会2連覇(2度目)を遂げた。今季はインターハイ(全国高校総体)とU18日清食品トップリーグも制しており、男女を通じて初の「新3冠」達成チームにとなった。

わずか4点リードの残り1分8秒、京都精華学園の世代別日本代表フォワード八木悠香(はるか、3年)がゴール下に走り込む。その瞬間、司令塔の堀内桜花(さくら、3年)から最高のタイミングでパスが入った。中高一貫校でずっと一緒に過ごしてきた連係で突き放す。主将も務める堀内は「これまで悪いパスもあったけれど、全部受けてくれた。6年間の『ありがとう』の思いを込めてパスを送った」。あうんの呼吸でもぎ取ったゴールは、頂点へ貴重な追加点となった。

最大16点差が1点差まで詰められた。それでも逆転だけは許さない。勝利のブザーが響くと全員が抱き合って喜んだ。2連覇、そして男女を通じて初の新3冠だ。八木は「苦しい時も、みんながいたから頑張れた」。中学2年でナイジェリアから来日したディマロも含め、大半が付属校出身。中学時代から全国と渡り合ってきた堀内、八木、ディマロは高校で3年連続の決勝を経験し、総得点63のうち52を3人で稼いだ。結束力の集大成に堀内は「6年間の最後の試合で、全員で日本一! めっちゃうれしい」と笑みがはじけた。

前年にウインターカップで初優勝した後、今季も夏のインターハイと秋のU18日清食品トップリーグを制した。タイトルを取り続けるほどライバル校からのマークは厳しくなる。校長も兼ねる山本綱義監督(73)は「四面楚歌(そか)」と表現し、重圧の大きさを吐露していた。そこから選手を解放すべく、決勝前に語りかけた。「失敗してもいい。今日は自分たちのバスケを思い切りやろう」。硬さのあった選手が吹っ切れたように躍動して応えた。

苦しんで手にしたからこそ、その価値を強く実感できる。「重かった。2連覇という言葉を聞くたびに体が震えます。子供たちが全力で臨んでくれた。自慢の娘たちです」。理事長まで務める指揮官は、長く見続けてきた教え子たちを心からたたえた。【奥岡幹浩】

京都精華学園対岐阜女 第3Q、シュートを放つ京都精華学園・八木(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝しカップを掲げる京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝しカップを掲げる京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し、記念撮影で笑顔の京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】土浦日大は4強で敗退、佐藤監督「メンタルで負けていた」福岡大大濠に苦杯

土浦日大対福岡大大濠 第4Q、シュートを放つ土浦日大・大川(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:福岡大大濠71-57土浦日大>◇28日◇男子準決勝◇東京体育館

46年ぶりの優勝を目指した土浦日大(茨城)はベスト4で敗退した。

序盤から相手にペースを握られ、佐藤豊監督は「メンタル面で負けていた。出だしの失点が痛かった」。

持ち味とする外角シュートも思うように決まらなかった。指揮官は「相手が大きく、ドライブしたあとパスが見えていなかった。3点シュートを気持ち良く打てなかった」と敗因を口にした。

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【高校バスケ】福岡第一が2年連続の決勝進出「ぐっすり寝ます」井手口監督 相手は福岡大大濠

藤枝明誠対福岡第一 第3Q、ドリブルする福岡第一・崎浜秀(左)(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:福岡第一94-65藤枝明誠>◇28日◇男子準決勝◇東京体育館

福岡第一が藤枝明誠(静岡)に94-65で2年連続の決勝進出を果たした。

日本代表PG河村を擁した19年大会以来4年ぶり5度目の優勝まで、あと1勝。今大会はノーシードで1回戦から戦い、疲労が気がかりだが、井手口監督は「1日1試合。練習をいっぱいしていることを考えれば彼らは楽かも」と笑った。決勝の相手は県大会で敗れた福岡大大濠。敵将の片峯監督が「眠れない」と話していたと伝え聞くと「僕はぐっすり寝ます」とまた笑った。

藤枝明誠対福岡第一 第4Q、ダンクシュートを決める福岡第一・サー(撮影・鈴木みどり)
藤枝明誠対福岡第一 第4Q、得点に盛り上がる福岡第一ベンチ(撮影・鈴木みどり)
藤枝明誠対福岡第一 藤枝明誠に勝利し決勝進出を決め、タッチを交わす福岡第一の選手たち(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】福岡大大濠が2年ぶり12度目の決勝「タフな守備を40分間、遂行できた」監督

土浦日大対福岡大大濠 第1Q、シュートを放つ福岡大大濠・高田(右)(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:福岡大大濠71-57土浦日大>◇28日◇男子準決勝◇東京体育館

福岡大大濠(福岡)がプラン通りと言える試合運びで得点差以上の強さを示し、土浦日大(茨城)を71-57で下した。

206センチの渡辺や196センチの広瀬がゴール下を制圧。2年ぶり12度目の決勝進出を決め、片峯監督は「個人としてチームとしてタフな守備を40分間、遂行できた」と満足そうに話した。試合直後は決勝の相手が決まっていなかったが「(福岡)第一さんとやるとなると、今日は眠れないと思う。明日は目の下のクマ全開では」と想定。4年前の決勝で敗れた雪辱を果たせるか。

土浦日大対福岡大大濠 第1Q、シュートを放つ福岡大大濠・渡辺(撮影・鈴木みどり)
土浦日大対福岡大大濠 土浦日大に勝利し決勝進出を決めた福岡大大濠の選手たちはタッチを交わす(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】男子決勝は4年ぶり福岡勢決戦に 両校監督「眠れない」「僕は寝ます」

土浦日大対福岡大大濠 第1Q、シュートを放つ福岡大大濠・渡辺(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権>◇28日◇男子準決勝◇東京体育館

福岡大大濠と福岡第一が勝ち上がり“福岡勢決勝”が4年ぶりに実現することになった。

2年ぶり4度目の頂点を目指す福岡大大濠は、準決勝で土浦日大(茨城)を71-57で下した。4年ぶり5度目の優勝が懸かる福岡第一は、藤枝明誠(静岡)を94-65で退けて大一番に駒を進めた。

一足先に決勝進出を決めた福岡大大濠の片峯聡太監督(35)は、「(福岡)第一さんとやるとなると、きょうは眠れないと思う。明日は目の下にクマ全開なるのでは」。

そのコメントを伝え聞いた福岡第一の井手口孝監督(60)は、「僕はぐっすり寝ます。決勝までいけることが儲けものと思っているので」と笑った。

両校は4年前の決勝でも対戦。当時は河村勇輝を擁する福岡第一が75-68で制した。

土浦日大対福岡大大濠 第1Q、シュートを放つ福岡大大濠・高田(右)(撮影・鈴木みどり)
土浦日大対福岡大大濠 土浦日大に勝利し決勝進出を決めた福岡大大濠の選手たちはタッチを交わす(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】女子は京都精華が2連覇&新3冠達成、男子は福岡大大濠-福岡第一で頂上決戦

ウインターカップで優勝しカップを掲げる京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権>◇28日◇女子決勝、男子準決勝◇東京体育館

前回女王の京都精華学園が岐阜女を63-59で下し、大会2連覇(2度目)を遂げた。今季はインターハイ(全国高校総体)とU18日清食品トップリーグも制しており、男女を通じて初の「新3冠」達成チームにとなった。

男子の準決勝は福岡大大濠と福岡第一が勝ち上がり“福岡勢決勝”が4年ぶりに実現することになった。

2年ぶり4度目の頂点を目指す福岡大大濠は、準決勝で土浦日大(茨城)を71-57で下した。4年ぶり5度目の優勝が懸かる福岡第一は、藤枝明誠(静岡)を94-65で退けて大一番に駒を進めた。

ウインターカップで優勝し笑顔の京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
土浦日大対福岡大大濠 第1Q、シュートを放つ福岡大大濠・渡辺(撮影・鈴木みどり)
土浦日大対福岡大大濠 第1Q、シュートを放つ福岡大大濠・高田(右)(撮影・鈴木みどり)
藤枝明誠対福岡第一 藤枝明誠に勝利し決勝進出を決め、タッチを交わす福岡第一の選手たち(撮影・鈴木みどり)
藤枝明誠対福岡第一 第3Q、ドリブルする福岡第一・崎浜秀(左)(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】藤枝明誠2年連続3度目の準決敗退 金本鷹監督「力負け。チーム力の差」

藤枝明誠対福岡第一 福岡第一に敗れ決勝進出を逃し、肩を落とす藤枝明誠の選手たち(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:福岡第一94-65藤枝明誠>◇28日◇男子準決勝◇東京体育館

準決勝突破の壁は厚かった。藤枝明誠は昨年準優勝で過去4度の優勝を誇る福岡第一(福岡2位)に65-94で敗れた。

2年連続3度目の準決勝敗退。宿敵とはこの大会3度目の勝負で、今回も白星を奪えなかった。試合後、ベンチに戻ったエースSG赤間賢人(3年)や主将のSG小沢朋樹(3年)らは、無念さでしばらく涙を流し続けた。

第1クオーター(Q)から流れを奪われた。立ち上がりこそ先取したものの、開始2分過ぎには主導権を失った。シュートタッチの上がらない赤間に代わり、控えスタートの小沢が第2Qで3点シュートを沈めるなどチームをけん引。12点を追う展開で後半に入った。第3Qでも小沢が全力の攻守で抵抗。一時は5点差まで詰め寄った。しかし力の衰えない相手に引き離され、最後は29点差で終戦。

県勢初の決勝進出に、あと1歩届かなかった。

赤間はシュートが思うように決まらず「得点でチームを引っ張れず、悔しかった」と目を赤くして話した。ただ苦しい流れの中でも戦う姿勢は示し続け、「自分たちのディフェンスから速攻は、最後まで40分間諦めずにやれた」と続けた。

小沢は「チームキャプテンとして流れを変えたかった」と唇をかんだ一方、3年間を振り返り「仲間に恵まれた1年間だった」と話した。金本鷹(よう)監督(33)は「力負け。チーム力の差」。強豪との連戦に耐えられるチームづくりの準備不足を認め、「私の至らなさ」と反省した。目標の日本一奪取は、新チームに託される。【倉橋徹也】

3位となり、表彰台で記念撮影に納まる藤枝明誠の選手たち(撮影・鈴木みどり)
藤枝明誠対福岡第一 福岡第一に敗れ決勝進出を逃し、涙する藤枝明誠の選手たち(撮影・鈴木みどり)
フローターシュートを放つ藤枝明誠の赤間
敗戦にベンチで涙する藤枝明誠の左から赤間、小沢、斎藤佑

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【高校バスケ】岐阜女は準V、絈野夏海主将「胸張って良いかな」日本代表候補にリストアップ

京都精華学園対岐阜女 京都精華学園に敗れ優勝を逃し、うつむく岐阜女の選手たち(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:京都精華学園63-59岐阜女>◇28日◇女子決勝◇東京体育館

5年ぶり3度目の優勝を目指した岐阜女は、女王・京都精華学園に敗れて準優勝となった。

敗れたとはいえ、見せ場はたっぷりつくった。最大16点差をつけられながらも、後半に猛反撃。第4クオーター途中には2点差まで詰め寄った。最後は力尽きたが、会場から温かい拍手が響いた。

主将の絈野(かせの)夏海(3年)が31得点。17本中8本の3点シュートを決めるなど、この日も得点能力を発揮。試合後は目に涙をため「2位という結果に満足はしていないですが、このチームでしっかり最後まで戦い切った。その結果が2位なら、胸を張って良いかなと思う」。

身長172センチのガードは、卒業後は女子バスケの名門、東京医療保健大に進学予定。「日本代表として、五輪選手になることが目標」と描く。関係者によれば、来年1月上旬に発表されるパリ五輪世界最終予選(2月)日本代表候補メンバーにリストアップされている。その得点力を世界の大舞台で発揮する日は、近いかも知れない。

京都精華学園対岐阜女 第2Q、シュートを放つ岐阜女子・絈野(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第3Q、得点に沸く岐阜女ベンチ(撮影・鈴木みどり)
試合後の会見で涙を拭う岐阜女・安江監督(撮影・鈴木みどり)
試合後の会見で涙する岐阜女・安江監督(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】京都精華、女子2連覇&新3冠達成 「四面楚歌」の重圧はねのける

ウインターカップで優勝しカップを掲げる京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:京都精華学園63-59岐阜女>◇28日◇女子決勝◇東京体育館

京都精華学園が岐阜女を下して2連覇を達成した。今季は全国高校総体(インターハイ)、U18日清食品トップリーグも制しており、男女を通じて年間で“新3冠”を制した初のチームにもなった。

堅い守備を持ち味とする岐阜女に対し、序盤から司令塔の堀内桜花(さくら、3年)が変幻自在のパスやスピード感あふれるドライブを繰り出して攻撃を展開。ナイジェリア出身で188センチのジェシカ・ディマロ(3年)が得点を重ねた。前半を36-24で折り返すと、後半も反撃を抑えた。

前年にウインターカップを初制覇したあと、今季も夏のインターハイ(全国高校総体)、秋のU18日清食品トップリーグを制した。タイトルを取り続けるごとに、ライバル校からのマークは厳しくなり、次から次へと全力でぶつかってくる。チームを率いて49年目の山本綱義監督(73)は、そんな状態を「四面楚歌(そか)」と表現。選手たちも、連覇や新3冠へのプレッシャーを感じていた。

それでも決勝の大一番では、重圧をはねのけて堂々プレー。女王が実力を誇示し、またも頂点に立った。

京都精華学園対岐阜女 岐阜女に勝利し優勝を決め、歓喜する京都精華学園ファイブ(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第3Q、得点に沸く京都精華学園ベンチ(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し笑顔の京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝しカップを掲げる京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し、記念撮影で笑顔の京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し、記念撮影で笑顔の京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し笑顔の京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第3Q、シュートを放つ京都精華学園・ディマロ(中央)(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第4Q、シュートを決める京都精華学園・ディマロ(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第4Q、シュートを放つ京都精華学園・堀内(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第3Q、シュートを放つ京都精華学園・八木(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第3Q、ファウルを受けながらシュートを決める京都精華学園・ディマロ(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】京都精華が女子2連覇&新3冠達成、73歳山本綱義監督「自慢の娘たちです」

ウインターカップで優勝し笑顔の京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:京都精華学園63-59岐阜女>◇28日◇女子決勝◇東京体育館

京都精華学園が岐阜女を下して2連覇を達成した。今季は全国高校総体(インターハイ)、U18日清食品トップリーグも制しており、男女を通じて年間で“新3冠”を制した初のチームにもなった。

チームを率いて49年目の山本綱義監督(73)は「重かった。2連覇という言葉を聞くたびに体が震えます。子どもたちが全力でこの大会に臨んでくれた。自慢の娘たちです」。同校の校長で理事長も務める指揮官は、選手たちをたたえた。

堅い守備を持ち味とする岐阜女に対し、序盤から司令塔の堀内桜花(さくら、3年)が変幻自在のパスやスピード感あふれるドライブを繰り出して攻撃を展開。ナイジェリア出身で188センチのジェシカ・ディマロ(3年)が得点を重ねた。前半を36-24で折り返すと、後半も反撃を抑えた。

堀内は「最初から最後まで気が抜けない試合だった。いまは勝ってめちゃうれしいです」と笑顔を弾けさせた。

前年にウインターカップを初制覇したあと、今季も夏のインターハイ(全国高校総体)、秋のU18日清食品トップリーグを制した。タイトルを取り続けるごとに、ライバル校からのマークは厳しくなり、次から次へと全力でぶつかってくる。山本監督は、そんな状態を「四面楚歌(そか)」と表現。選手たちも、連覇や新3冠へのプレッシャーを感じていた。

それでも決勝の大一番では、重圧をはねのけて堂々プレー。女王が実力を誇示し、またも頂点に立った。

京都精華学園対岐阜女 岐阜女に勝利し優勝を決め、歓喜する京都精華学園ファイブ(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 岐阜女に勝利し優勝を決め、歓喜するディマロ(左)ら京都精華学園ファイブ(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第3Q、得点に沸く京都精華学園ベンチ(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝しカップを掲げる京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝しカップを掲げる京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し、記念撮影で笑顔の京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し、記念撮影で笑顔の京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
ウインターカップで優勝し笑顔の京都精華学園の選手たち(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第3Q、シュートを放つ京都精華学園・ディマロ(中央)(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第4Q、シュートを決める京都精華学園・ディマロ(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第4Q、シュートを放つ京都精華学園・堀内(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第3Q、シュートを放つ京都精華学園・八木(撮影・鈴木みどり)
京都精華学園対岐阜女 第3Q、ファウルを受けながらシュートを決める京都精華学園・ディマロ(撮影・鈴木みどり)

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【高校バスケ】前回女王の京都精華学園、重圧振り切り決勝へ 山本監督「あんなにカチカチに」

京都精華学園対東海大福岡 第2Q、シュートを放つ京都精華学園・八木(撮影・河田真司)

<Softbankウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権>◇27日◇女子準決勝、男子準々決勝◇東京体育館

女子は前回覇者の京都精華学園が東海大福岡を85-62で下して3年連続の決勝進出を決め、大会2連覇に王手をかけた。今季はインターハイ(全国高校総体)とU18日清食品トップリーグを制しており“新3冠”を狙う。決勝では5年ぶり頂点を目指す岐阜女と対戦する。

◇  ◇  ◇

京都精華学園が、連覇への重圧を振り切って決勝に駒を進めた。

立ち上がりになかなかシュートが決まらず、約4分半にわたり無得点が続いた。チームを率いて49年目の山本綱義監督(73)が「あんなにカチカチになっていたのは3年間、見たことがない」と苦笑いを浮かべたほど。それでも37-33とわずかにリードして折り返すと、後半に女王の強さを発揮した。

第3クオーターの入りに2度追い付かれるも、リードは許さない。相手ボールを奪って速攻を繰り出すなど、一気にたたみかけた。経験豊富な指揮官は「ハーフタイムに『ここからが攻めるチャンス』と伝えた。そこからリズムが戻ってきたかな」と局面打開にうなずいた。

世代別日本代表の八木悠香(はるか、3年)が勢いをもたらした。両チーム最多の24得点、17リバウンドで“ダブルダブル”を達成。身長179センチのフォワードは「昨日までの3試合は自分のプレーができていなかった。今日はしっかり切り替えられた」と要所で復活した。

チームは今季、インターハイで優勝。22年に新設されたU18日清食品トップリーグも制した。“新3冠”と大会2連覇まで、あと1勝。山本監督は「そう言われることがプレッシャー」と笑いつつ「期待してもらえることはありがたいこと」。重圧を楽しみに変え、偉業に挑む。【奥岡幹浩】

◆テレビ放送 男子決勝は29日午後1時からテレビ朝日系で、女子決勝は28日正午からBS朝日でともに生放送

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京都精華学園対東海大福岡 東海大福岡に勝利し、笑顔で引き揚げる京都精華学園・八木(左)と堀内(撮影・河田真司)
京都精華学園対東海大福岡 第3Q、シュートを放つ京都精華学園・八木(中央)(撮影・河田真司)

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【高校バスケ】福岡第一が大逆転!崎浜秀斗「自分はクラッチタイムが1番強い」劇的勝利演出

福岡第一対東山 劇的勝利で崎浜(手前=17番)と喜びを爆発させる福岡第一の選手たち(撮影・垰建太)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:福岡第一74-71東山>◇27日◇男子準々決勝◇東京体育館

前回準優勝の福岡第一が、インターハイ(全国高校総体)準優勝の東山から劇的勝利を挙げた。最大18点のビハインドを土壇場でひっくり返した。

エース崎浜秀斗(3年)が勝負強さを見せつけた。序盤からシュートタッチに苦しみ、「正直、今までこうしてシュートが入らない試合はなかったぐらい」。

それでも残り約1分半で3点シュートを決めて1点差とすると、残り27秒で今度は逆転3点シュートを沈めた。

9月下旬に左足を骨折。そこから懸命のリハビリを重ね、今大会にぶっつけで間に合わせた。前日の準々決勝で35得点と復調をアピール。そしてこの日は、苦闘しながらも最後に存在感を発揮した。身長177センチのセンチのガードは、「自分はクラッチタイムが1番強いと思っている。そのメンタルが、最後に自分を救ってくれた」。

来春には「スラムダンク奨学金」を受けて渡米する。期待の注目プレーヤーが、劇的な4強進出を演出した。

福岡第一対東山 第4Q、終了間際で逆転の3点シュートを決める福岡第一・崎浜(17番)(撮影・垰建太)
福岡第一対東山 第4Q、終了間際で逆転の3点シュートを決めチームメートの祝福を受ける福岡第一・崎浜(中央)(撮影・垰建太)
福岡第一対東山 劇的勝利で崎浜(右から3人目)と喜びを爆発させる福岡第一の選手たち(撮影・垰建太)
福岡第一対東山 第2Q、ゴール下に攻め込む福岡第一・山口(中央左)(撮影・垰建太)
福岡第一対東山 第2Q、ゴールを決める福岡第一・山口(撮影・垰建太)
福岡第一対東山 第2Q、ゴール下でノールックパスを出す福岡第一・山口(右)(撮影・垰建太)

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【高校バスケ】開志国際V2逃す、準々決勝で藤枝明誠に74-76惜敗 来年こそ起きて見る夢を

藤枝明誠に敗れ、涙を流す平良(右)ら開志国際の選手たち(撮影・垰建太)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:開志国際74-76藤枝明誠>◇27日◇男子準々決勝◇東京体育館

開志国際(新潟)は藤枝明誠(静岡)に74-76で負けた。V2の夢は準々決勝でストップ。8強止まりで終わった。前半、相手の3点シュート攻勢に手を焼き、身長209センチCボヌ・ロードプリンス・チノンソ(2年)の高さにも苦戦した。終盤に追いつき、接戦になったものの勝利に結び付かなかった。昨年の準決勝では78-76の2点差で勝っている相手に2点差でリベンジされてしまった。

終盤に待っていたドラマで、主役になったのは開志国際ではなかった。追いかける展開が続いていたが、10点を追って始まった第4クオーター(Q)の終盤に追いつき、一時はリード。72-72で迎えた第4Q残り2分36秒にはPG沢田竜馬(3年)のスチールからの速攻でPG平良宗龍(2年)がシュートで1歩前に出た。74-76の残り5秒には味方のスローインからの攻撃再開だったが、相手のファウル攻勢でプレーは中断。残り3・6秒、2・9秒、最後は残り1・3秒からのプレー再開でチャンスは逃げた。

必勝の儀式を済ませて東京に乗り込んだ。12日から2日間、元共同石油(現ENEOS)監督で日本女子代表監督などを務めた中村和雄氏(83)を招いて学校で特訓。全国大会出場前の恒例行事でオフェンスとディフェンスのセットプレーを積んだ。通称“カズ・ディフェンス”と呼ぶマンツーマンとゾーンを融合させた変則ディフェンスも同氏から教わっている。師弟関係のような中村氏と富樫監督の付き合いは古い。

富樫監督が中学教員時代の92年。県内中学の指導者と一緒に直接会いに行った。中村氏との会談は指導者としてのターニングポイントになった。全国出場の目標が全国優勝に変わった。そして、中学では本丸中で全中優勝2回(08、10年)。開志国際でもインターハイ、ウインターカップ1回ずつ優勝し、今夏のU18日清食品トップリーグを含めれば全国優勝3回だ。「(全国大会の優勝は)寝て見る夢が起きて見る夢になった」。富樫監督と選手たちが起きて見る夢は、来年こそ見る。【涌井幹雄】

藤枝明誠に敗れ、うつむく開志国際・富樫監督(撮影・垰建太)
藤枝明誠に敗れ、肩を落とす開志国際の選手たち(撮影・垰建太)
藤枝明誠に敗れ、肩を落とす開志国際の選手たち(撮影・垰建太)
第1Q、ゴール下に攻め込む開志国際・平良(撮影・垰建太)
開志国際対藤枝明誠 第1Q、ゴール下で競り合う開志国際・シェミリー(右)と藤枝明誠・チノンソ(撮影・垰建太)
低い姿勢からゴールを決める開志国際・ネブフィ(撮影・垰建太)
低い姿勢からゴールを決める開志国際・ネブフィ(撮影・垰建太)

【高校バスケ】藤枝明誠が2年連続準決勝進出 連覇狙う難敵・開志国際にリベンジ

開志国際対藤枝明誠 3点シュートを決めチームメートとポーズを決める藤枝明誠・小沢朋樹(中央)(撮影・垰建太)

<全国高校バスケットボール選手権:藤枝明誠76-74開志国際>◇27日◇男子準々決勝◇東京体育館

藤枝明誠が、連覇を狙う優勝候補の開志国際(新潟1位)を76-74で撃破した。2年連続3度目の準決勝進出。昨年の準決勝、最後の最後に逆転負け(76-78)を喫した難敵にリベンジを果たし、選手らは終了のブザーとともにコート上で4強入りの喜びを爆発させた。

最終クオーター残り4分で、最大19点のリードを追いつかれた。残り3分を切って74-74と2度目の同点。力と力のぶつかり合う攻防を粘って耐え、エースでゲーム主将のSG赤間賢人(3年)が同36秒でファウルを誘った。自投1本を決め75-74。同5秒には守護神209センチのCボヌ・ロードプリンス・チノンソ(2年)も自投で1得点。最後はこれを守りきった。

チームスタイルの「堅守速攻」で、さらに強化した守備で接戦をのりきった。守護神だけでなく、全員でリバウンドボールに飛びつき、身長190センチ以上5人を擁し、平均183・4センチで自分たちを1・6センチ上まわる手ごわい相手を下した。

目標とする日本一まであと2勝に迫った。きょう28日の準決勝では、昨年準優勝で過去4度の優勝を誇る強豪・福岡第一(福岡2位)と対する。突破の難易度はさらに高まるが、県勢未到の全国頂点を目指し、チームは勢いを加速させる。【倉橋徹也】

開志国際対藤枝明誠 シュートを放つ藤枝明誠・野津(撮影・垰建太)
開志国際対藤枝明誠 勝利の瞬間両手を突き上げガッツポーズする藤枝明誠・金本監督(中央)(撮影・垰建太)
開志国際対藤枝明誠 開志国際・シェミリー(右)と競り合いながらリバウンドをとる藤枝明誠・チノンソ(撮影・垰建太)
3点ゴールを狙う藤枝明誠の赤間

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【高校バスケ】インターハイ覇者の日本航空は8強で敗退 留学生“ジェリー”38得点も逆転負け

日本航空対土浦日大 第2Q、ダンクシュートを決める日本航空・ジェラマイア(撮影・河田真司)

<Softbankウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:土浦日大94-85日本航空>◇27日◇男子準々決勝◇東京体育館

全国高校総体(インターハイ)優勝の日本航空(山梨)がベスト8で姿を消した。土浦日大(茨城)に逆転負けを喫した。

日本航空は序盤に流れをつかめず、第1クオーター(Q)で20-38とリードを許した。それでも守備システムを変形させてリズムを取り戻し、41-45と点差を縮めて折り返すと、第3Qで62-65と逆転。しかし第4Qに再逆転を許した。

“ジェリー”こと身長200センチの留学生、ジェラマイア・オルワペルミ(2年)は38得点、23リバウンドをマークするなどこの試合でも活躍。それでも最後は、相手チームの勢いに上回れた。

山本裕監督は「相手に気持ちよく打たせてしまった。向こうの集中力のほうが上だった」と振り返った。夏の王者として向かえた今大会。そのプレッシャーについと尋ねられると、「これまでの数カ月、重荷に感じるところは当然あった。選手にとっても、僕にとっても初めての経験。そのなかで選手たちはよく頑張ってくれた」と話した。

この試合でも18得点と奮闘した主力の藤野仁喜(じんぎ、3年)は、「ほぼ全員が寮生活で、一緒の時間を過ごしてきた。そんな仲間たちとインターハイで日本一を経験できた。チームのみんなに感謝したい」と実感を込めた。

日本航空対土浦日大 土浦日大に敗れ、肩を落としながら引き揚げる日本航空・ジェラマイア(右)(撮影・河田真司)
日本航空対土浦日大 土浦日大に敗れ、手で顔を覆いながら引き揚げる日本航空・ジェラマイア(右)(撮影・河田真司)
日本航空対土浦日大 第4Q、円陣を組む日本航空の選手たち(撮影・河田真司)
日本航空対土浦日大 試合後、日本航空の選手とあいさつを交わす土浦日大・斎藤(中央)(撮影・河田真司)
日本航空対土浦日大 土浦日大に敗れ、肩を落としながら引き揚げる日本航空・ジェラマイア(左から2人目)ら(撮影・河田真司)

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【高校バスケ】札幌山の手2年連続の決勝進出逃す 岐阜女に30点差で敗れてベスト4

札幌山の手対岐阜女 岐阜女に敗れ決勝進出を逃し、肩を落とす札幌山の手・谷口(撮影・河田真司)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:岐阜女76-46札幌山の手>◇27日◇女子準決勝◇東京体育館

昨季準優勝の札幌山の手(北海道)が岐阜女に30点差で敗れ、2年連続の決勝進出を逃した。186センチの長身留学生を擁する相手の高さに苦しみ、武器の3点シュートは相手より8本多い44本打つも、成功率13・6%と決めきれなかった。リードしたのは第1クオーター開始28秒の1点差のみで、常に追う展開だった。上島正光監督(80)は「慌てて打ってる。外のシュートは水物だけど、ここまで入らないってことは、こっちも予想していなかった」と振り返った。

最後の1秒まで諦めず意地を見せたのは、主将のSG巻朋花(3年)だった。第4Q残り1秒でパスを受け、シュートを放った瞬間、試合終了のブザーが鳴った。何度も何度も練習してきた3点シュート。ボールはゴールに吸い込まれ、崩れ落ちて泣いた。「今日の試合は全然スリーポイントを決めることができなくて、チームに迷惑を掛けて、悔しい思いがあった。3年間でこの試合で終わりって気持ちが込み上げてきた」。涙が止まらなかった。

昨年までは1年から主将を務めた森岡ほのか(日立ハイテク)がチームをけん引。今年はスター選手不在も、全国高校総体とともにベスト4まで駆け上がった。森岡から引き継いだバトンの重み。「去年はほのかさんが必ず点数を取ってくれたり、ボールを渡せば絶対何かしてくれるというのがあった」と巻。同じようにプレーはできなくても、声掛けや守備、ルーズボールを追うがむしゃらさなど、姿勢で引っ張った。この日、18歳の誕生日を迎えた主将は、やりきった表情を浮かべた。

連覇した11年以来の日本一を目指す新たな挑戦が始まる。先発唯一の1年生でチーム最多13得点を決めた高橋優希は「3年生のおかげで準決勝の舞台に立ち、こんなにいい経験をさせてもらった。スピードなど課題が見つかった。来年にいかして頑張りたい」と前を向く。悔し泣きした経験を成長につなげ、大きくなって全国に帰って来る。

札幌山の手対岐阜女 試合後、握手を交わす札幌山の手・巻(中央)と岐阜女・かせ野(撮影・河田真司)
札幌山の手対岐阜女 試合後、仲間に迎えられる札幌山の手・巻(左)(撮影・河田真司)
札幌山の手対岐阜女 岐阜女に敗れ決勝進出を逃し、肩を落とす札幌山の手の選手たち(撮影・河田真司)
3位表彰式で写真に納まる札幌山の手の選手(撮影・河田真司)

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【高校バスケ】岐阜女が札幌山の手に快勝、京都精華との頂上決戦へ かせ野夏海「勝ち切りたい」

札幌山の手対岐阜女 第3Q、岐阜女・かせ野(撮影・河田真司)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:岐阜女76-46札幌山の手>◇27日◇女子準決勝◇東京体育館

5年ぶり3度目の優勝を狙う岐阜女が、札幌山の手(北海道)に快勝して4年ぶりに決勝に駒を進めた。前年覇者の京都精華学園と28日に頂点を争う。

岐阜女子は序盤から優位に進め、41-27で前半を折り返した。後半も堅い守りで相手の攻撃を防いだ。前年の準々決勝でも札幌山の手と対戦したが、68-98で敗れていた。その悔しさを晴らす白星となった。

前日の準々決勝で大逆転の立役者となった■野(かせの)夏海(3年)がこの日も活躍。両チーム最多22得点をマークした。■野は「去年のリベンジという気持ちはあった。去年は3点シュートにやられたが、今年はそこをケアしながら、自分たちの攻撃に流れを持ってくることができた」と勝因を挙げた。

決勝で対戦する京都精華学園とは今季、全国高校総体(インターハイ)2回戦とU18日清食品トップリーグで対戦。いずれも延長までもつれこむ熱戦を繰り広げたが、最後に力尽きた。主将としてチームをけん引してきた■野は「インターハイ、トップリーグと続けて負けている。これまで準備してきたことを発揮して、必ず勝ち切りたい」と意気込んだ。

※■は糸ヘンに白

第4Q、笑顔でベンチから応援する岐阜女・かせ野(中央)ら選手(撮影・河田真司)
札幌山の手対岐阜女 第4Q、ベンチから応援する岐阜女・かせ野(中央)ら選手(撮影・河田真司)
札幌山の手対岐阜女 岐阜女ベンチに置かれる「にゃんこ大戦争」の金色のマスコット(撮影・河田真司)

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【高校バスケ】京都精華学園が大会連覇&新3冠に王手 八木悠香24得点「切り替えられた」

京都精華学園対東海大福岡 第1Q、ドリブルで攻め上がる京都精華学園・堀内(中央)(撮影・河田真司)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:京都精華学園85-62東海大福岡>◇27日◇女子準決勝◇東京体育館

京都精華学園が東海大福岡を準決勝で下し、大会連覇と年間3冠に王手をかけた。

両校が準決勝で対戦するのは2年連続。序盤から一進一退の攻防が続き、37-33とわずかに京都精華学園がリードして折り返した。後半に入った直後も均衡した状態が続いたが、第3クオーター途中から京都精華学園がリードを広げ、突き放した。

京都精華学園は世代別日本代表の八木悠香(3年)が両チーム最多24得点、17リバウンドで“ダブルダブル”の活躍。身長179センチのフォワードプレーヤーは、「ダブルダブルは毎試合、意識している。これまでの3試合は自分のプレーができていなかった。今日はしっかり切り替えられた」とうなずいた。

今季は全国高校総体(インターハイ)に加え、22年に新設されたU18日清食品トップリーグも制した。“新3冠”と大会連覇まであと1勝。「勝っても負けても、このチームでできるのは次が最後。(中高一貫校の)6年間の集大成として、悔いなく笑顔で終わりたい」と意気込んだ。

京都精華学園対東海大福岡 第2Q、シュートを放つ京都精華学園・ディマロ(撮影・河田真司)
京都精華学園対東海大福岡 第1Q、シュートを放つ京都精華学園・ディマロ(撮影・河田真司)
京都精華学園対東海大福岡 第1Q、ゴール下で競り合い倒れ込む京都精華学園・八木(撮影・河田真司)

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【高校バスケ】岐阜女が大逆転勝利、安江満夫監督「神様が力貸してくれた」桜花学園破る

岐阜女対桜花学園 第4Q、逆転勝ちで優勝候補の桜花学園を破り大喜びする岐阜女の選手たち(撮影・小沢裕)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:岐阜女61-60桜花学園>◇26日◇女子準々決勝◇東京体育館

女子は5年ぶりの頂点を目指す岐阜女が桜花学園(愛知)を61-60で破り、準決勝に進んだ。第4クオーター(Q)途中までに21点差をつけられたが大逆転。東海大福岡は大阪薫英女学院に競り勝った。連覇を狙う京都精華学園、札幌山の手(北海道)はともに快勝し、4強が出そろった。

◇  ◇  ◇

崖っぷちの状況でも、岐阜女はあきらめなかった。大会最多24回の優勝を誇る桜花学園に対し、残り約3分半の時点で16点を追う展開。U18(18歳以下)日本代表の■野(かせの)夏海(3年)が立て続けに外角シュートを沈めて差を詰め、残り10秒で逆転。勝った瞬間、応援席からは優勝したかのような大歓声が響いた。

勝利の立役者となった身長172センチの■野は、14本中9本の3点シュートを決めるなど37得点をマーク。そのうち第4Qで25得点を挙げた。「自分のシュートタッチを信じてどんどん打つだけだった」。ミックスゾーンでは感極まり、涙を流した。

総体では優勝した京都精華学園と2回戦でぶつかり、延長の末に敗戦。その悔しさを糧に主将としてチームをけん引する。「後半に立て直せたのはみんなのメンタルの部分が大きい。夏の負けから精神面で成長している」と実感を込めた。

終盤に入っても、チームの豊富な運動量は落ちなかった。安江満夫監督は「そういう足はつくってきた」と表現。猛練習を重ねてきた選手たちをたたえた上で、「バスケットの神様が力を貸してくれた」と大逆転劇をかみしめた。【奥岡幹浩】

※■は糸ヘンに白

岐阜女対桜花学園 第4Q、逆転勝ちで優勝候補の桜花学園を破り大喜びする岐阜女の選手たち(撮影・小沢裕)
岐阜女対桜花学園 岐阜女のベンチで見守る「にゃんこ大戦争」のマスコットキャラクター(撮影・小沢裕)
岐阜女対桜花学園 第4Q、逆転を決めたシュートに飛び上がって喜ぶジュフ・ハディジャトゥら岐阜女の選手たち(撮影・小沢裕)

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【高校バスケ】桜花学園まさかの逆転負け 第4Q21点差守れず「受け身になってしまった」

岐阜女対桜花学園 逆転勝ちに沸く岐阜女の選手たちを目の前にがっくりする桜花学園の選手たち(撮影・小沢裕)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:岐阜女61-60桜花学園>◇26日◇女子準々決勝◇東京体育館

ウインターカップ最多24回優勝の桜花学園(愛知)が、まさかの大逆転負けを喫した。第4クオーター途中まで岐阜女から21点のリードを奪ったが、その後一気に詰められ、残り約10秒でひっくり返された。

主将の田中こころ(3年)は「受け身になってしまった。積極的に攻められなかったことが敗因」と涙が止まらなかった。

今季は、夏の全国高校総体(インターハイ)、秋のU18日清食品トップリーグともに準優勝。前年はよもやの3回戦敗退となったこの大会で雪辱を期したが、かなわなかった。

それでも選手たちは、高校バスケの名門でさまざまなことを経験した。世代別の日本代表経験を持つ田中は「桜花学園じゃなければ味わえない3年間だった」と、恩師や仲間に感謝した。

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【高校バスケ】大逆転の岐阜女ベンチに幸運呼ぶ金色にゃんこ、安江監督「お守りみたいなもの」

岐阜女対桜花学園 岐阜女のベンチで見守る「にゃんこ大戦争」のマスコットキャラクター(撮影・小沢裕)

<ウインターカップ2023全国高校バスケットボール選手権:岐阜女61-60桜花学園>◇26日◇女子準々決勝◇東京体育館

5年ぶりの頂点を目指す岐阜女が準決勝進出を決めた。ウインターカップ24回優勝の強豪桜花学園(愛知)を大逆転で下した。

  ◇  ◇  ◇

第4クオーター途中から21点差を大逆転。劇的な勝利を、ベンチに座る金色のネコのマスコットが見守った。人気ゲーム「にゃんこ大戦争」のキャラクターで、昨年から全国大会限定でベンチから応援。安江満夫監督は「お守りみたいなもの」と笑った。

面高春奈アシスタントコーチの6歳の息子が、ゲームセンターでゲットした貴重なアイテムだという。同コーチは「金メダルを取りたいから、金のにゃんこです」と説明。年頭に必勝祈願でおはらいを受け、普段は神棚に鎮座する。

逆転勝利のあと、安江監督は「バスケットの神様が力を貸してくれた」と感慨を込めた。選手たちは最後まであきらめずに走り続け、勝利を引き寄せた。その奮闘ぶりに、幸運を呼ぶ金色のにゃんこの輝きがいっそう増したかもしれない?

岐阜女対桜花学園 逆転勝ちに沸く岐阜女の選手たち。左は■(■は糸ヘンに白)野(撮影・小沢裕)
岐阜女対桜花学園 第1Q、ドリブルで切れ込む岐阜女・■(■は糸ヘンに白)野(撮影・小沢裕)
岐阜女対桜花学園 第1Q、ドリブルで切れ込む岐阜女・■(■は糸ヘンに白)野(撮影・小沢裕)
岐阜女対桜花学園 第1Q、シュートを放つ岐阜女・■(■は糸ヘンに白)野(撮影・小沢裕)
岐阜女対桜花学園 第1Q、シュートを放つ岐阜女・■(■は糸ヘンに白)野(撮影・小沢裕)
岐阜女対桜花学園 第4Q、逆転を決めたシュートに飛び上がって喜ぶジュフ・ハディジャトゥら岐阜女の選手たち(撮影・小沢裕)
岐阜女対桜花学園 第4Q、逆転勝ちで優勝候補の桜花学園を破り大喜びする岐阜女の選手たち(撮影・小沢裕)
岐阜女対桜花学園 第4Q、逆転勝ちで優勝候補の桜花学園を破り大喜びする岐阜女の選手たち(撮影・小沢裕)

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【高校バスケ】羽黒大敗もU19日本代表の小川瑛次郎が3点シュート打ち続けるなど戦う姿勢貫いた

第2Q、シュートを放つ羽黒・小川(撮影・横山健太)

<ウインターカップ・全国高校バスケットボール選手権>◇26日◇男子3回戦、女子・準々決勝◇東京体育館

2年連続ベスト16の羽黒(山形)が、大会連覇を狙う開志国際(新潟1位)に71-101で大敗。念願のベスト8入りはならなかったが、U19日本代表の小川瑛次郎(3年)が諦めずに3点シュート(3P)を打ち続けるなど、最後まで戦う姿勢を貫いた。

初出場ながら全国2勝を挙げた帝京安積(福島1位)は、全国高校総体準Vの東山(京都1位)に73-117で敗れた。女子の聖和学園(宮城1位)は、高校3冠がかかる京都精華(京都1位)と準々決勝で対戦。57-84で敗れ、これで東北勢はすべて姿を消した。

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最後までシュートを打ち続けた。第4Q開始時点で49-91と42点差。すでに勝負は決していたが、選手は諦めず、自分たちのバスケットを貫いた。

エース小川はこの試合21本の3Pを放ち4本成功。第4Qも残り7分25秒に1本目の3Pを打ってから6本連続失敗。同残り1分で放った7本目のシュートがようやくゴールネットを揺らした。小川は「チームメートや(斎藤仁)監督から打つのをやめるなと言われたので自信を持って打つことができました」。

8月の全国高校総体は日本代表の活動があり、チーム合流が直前となったことも影響し、1回戦で鳥取城北に敗れ、不完全燃焼に終わった。だが、今大会は万全の状態で臨み、「1、2回戦とも苦しい戦いを乗り越えての勝利。だから、あまり悔いはないし、1、2年生にもいい姿を見せられた」と敗戦にも充実した表情を見せた。

卒業後は大学に進学。引き続き日本代表入りを目指す。「アンダーカテゴリーで日本を背負わせてもらって舞台を踏んだので、大人になっても日の丸を背負いたい」。斎藤監督は「小川が(日本代表で得た)世界でやってきた経験をチームに持ってきてくれた。特に体づくりが大事だという意識が浸透した」と感謝した。

ベスト8入りはならなかったが、2年連続ベスト16入りを達成。チームの経験値をまた1つ上げた羽黒が「諦めない心と強い体」を武器に来季、新たな領域に踏み出す。【浦部歩】

帝京安積 全国の壁を体感した。第1Qこそ22-30と互角に渡り合ったが、第2、3Qは強度を上げてきた相手に防戦一方。東山の4人に2桁得点を許すなど大量117失点。19得点を挙げた緑川知也(3年)は「自分が下手だなと思った試合だったし、全国の壁は高いと思った。でも、初出場で2勝できたことを誇りに自信を持って今後の大会で優勝してほしい」と目標だった全国ベスト8入りを後輩に託した。

聖和学園 高校3冠がかかる相手の壁は厚かった。京都精華学園とは11月12日、U18トップリーグでも対戦。59-102で敗れており、その雪辱を狙ったが、57-84と返り討ちにあった。

身長188センチのディマロ・ジェシカに14リバウンドを奪われるなど、ゴール下を支配された。さらにエースでU18日本代表の阿部友愛(2年)が4戦目を迎え疲労困憊(こんぱい)。出場時間が限られるハンディもあった。高瀬ゆのか主将(3年)は「自分の力不足を感じました。でも、今のチームは2年生主体のチームなので、来年こそは全国ベスト4を達成できるように頑張ってほしい」とエールを送った。小野裕監督は「全国ベスト4達成には総合力がまだまだ足りないが、下級生に楽しみな選手が多い。もう少しおもしろいバスケットができるかなと手応えを感じた大会になった」と来季を見据えた。

開志国際対羽黒 第2Q、守備をする羽黒・小川(撮影・横山健太)
開志国際に敗れ、涙を流す羽黒の選手たち(撮影・横山健太)
第2Q、シュートを放つ羽黒・今井(左)
開志国際対羽黒 第2Q、シュートを放つ羽黒・サインビルグ・オチル。左は開志国際・ネブフィ・ケルビン・シェミリー(撮影・横山健太)

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