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小池、世界感じた遠征「自分の走りで」100m集中

小池、世界感じた遠征「自分の走りで」100m集中

欧州遠征から帰国し、取材に応じる小池(撮影・上田悠太)

陸上男子短距離の小池祐貴(24=住友電工)が15日、欧州での100メートル2連戦を終え、帰国した。

スタート技術などを改良を重ね、100、200メートルにエントリーする次戦の日本選手権(博多の森陸上競技場)に挑む。「スタート以外も修正をしないといけない部分はあるが、それをやれば100も200も自己ベストを更新できるぐらいには持ってこられると思う」。自己ベストは100メートルが10秒04、200メートルが20秒23。好記録を出せる手応えを得ている様子だった。

昨夏のジャカルタ・アジア大会では200メートルで金メダルを獲得したが、日本選手権では「気持ち的にはちょっと100メートルに集中している」と言う。その100メートルはサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)、桐生祥秀(23=日本生命)が今季好調で、決勝は9秒台決着となる期待も高まっている。小池は「自己記録を更新することが大事。自分の走りをできる人が勝つ。決勝で自分のレーンだけ見て走れる人が勝つと思う」。相手は意識せず、走り抜ける。

遠征はともに寒さを感じる環境の中、フランス・モントルイユの国際競技会で10秒20(無風)の1位、中1日のダイヤモンドリーグ・オスロ大会は10秒15(追い風0・9メートル)の5位だった。ダイヤモンドリーグでは17年世界選手権100メートル銀メダルのクリスチャン・コールマン(米国)とも対峙(たいじ)した。「別格」と0秒30差をつけられたが、過密日程の中でコンディションを整えられたこと、世界の強豪を相手にも緊張なく走れたことは収穫とする。コールマン以外にも5人が自己記録9秒台の選手だった。臼井淳一コーチ(61)も「レベルの高い選手と一緒に走り、同じ空気感を体験できたのが一番大きかった」。世界のレベルを肌で感じ、次の段階への進化の糧としていく。

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今季室内最高マークの戸辺直人にもVチャンス/展望

男子走り高跳びの戸辺直人(2019年5月19日撮影)

<陸上:ダイヤモンドリーグ第6戦・モハメド6世陸上展望>◇16日◇モロッコ・ラバト

ダイヤモンドリーグ唯一のアフリカ開催となる大会。

中・長距離種目をアフリカ勢が席巻しているのはダイヤモンドリーグも同じ。そのなかでも女子1500メートル世界記録保持者のゲンゼベ・ディババ(28=エチオピア)が、今大会ではアフリカ勢の顔とでもいうべき存在だ。中・長距離以外の種目では、男子走り幅跳びのルヴォ・マニョンガ(28=南アフリカ)が優勝候補に挙げられる。

日本からは戸辺直人(27=JAL)が男子走り高跳びにエントリーしている。

 ◇   ◇   ◇

ディババは15年に1500メートルで世界記録(3分50秒07)をマークし、同年の北京世界陸上では金メダルを獲得した。翌年のリオ五輪でも銀メダルだったが、会心の走りは北京世界陸上以降ない。

そのディババが今年6月6日のダイヤモンドリーグ・ローマ大会に3分56秒28の今季世界最高で優勝した。北京世界陸上がそうだったように、ロングスパートで後続との差をじわじわ広げて逃げ切った。このときのタイムは、世界記録を出した以降では自己最高記録である。

ディババの勝ちパターンはこのロングスパートしかない。どんなレースでも早めにスパートをかけ、逃げ切れば勝てるが逃げ切れないレースも多い。ダイヤモンドリーグ初戦のドーハ大会3000メートルでは、ロングスパートができずにラスト1周の勝負でヘレン・オビリ(29=ケニア)に競り負けた。

今大会ではグダフ・ツェガイ(22=エチオピア)、ジェニー・シンプソン(32=米国)らがライバルとなる。ディババがロングスパートで勝ちパターンに持ち込めれば圧勝できるだろう。

マニョンガは17年のロンドン世界陸上金メダリストで、昨年のダイヤモンドリーグ・チャンピオン。2年連続“世界一”のジャンパーだ。

5月30日のダイヤモンドリーグ・ストックホルム大会は、9~10℃の低温にてこずりまさかの4位に終わったが、その後のオランダの大会では8メートル35のシーズンベストで優勝した。

ライバルはファン・ミゲル・エチャヴァリア(20=キューバ)で、昨年8メートル68の大ジャンプをした選手。自己記録では3センチ、マニョンガを上回る。

マニョンガとエチャアバリアが好調な状態で対決すれば、8メートル50以上のハイレベルの争いになる。

戸辺はローマ大会では2メートル15にとどまりまさかの11位に終わった。技術的な問題を修正できなかったが、その後の練習は順調に積めている。

2月に2メートル35の日本新、今季室内世界最高を跳んでいる戸辺。屋外の今季世界最高記録は、今大会にも出場するボーダン・ボンダレンコ(29=ウクライナ)ら5選手が跳んでいる2メートル31だ。戸辺にも優勝のチャンスはある。

◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する単日、または2日間開催では最高カテゴリーの競技会シリーズ。2010年に発足し、2016年までは年間総合ポイントで各種目のツアーチャンピオンを決定していた。2017年からシステムが変更され、ファイナル大会出場者を決めるクオリファイリング大会として12大会を実施し、16種目ずつを行うファイナル2大会の優勝者がダイヤモンドリーグ(年間)優勝者となるチャンピオンシップ形式になった。各クオリファイリング大会の種目別賞金は3万ドル(1位1万ドル~8位1000ドル)で、各種目は年間4~6大会で実施される。各大会のポイント(1位8点~8位1点)合計の上位選手がファイナル大会に進出(種目によって異なり7人または8人、または12人)。ファイナル大会の種目別賞金は10万ドル(1位5万ドル~8位2000ドル)で、年間優勝者には賞金5万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈されるのに加え、今年9月開幕の世界陸上への出場権が与えられる。ほとんどの種目が予選なしの一発決勝で行われるため、緊張感あるレースがスピーディーに続く。また、オリンピックや世界陸上のように1種目3人という国ごとの出場人数制限がないため、ジャマイカ、アメリカ勢がそろう短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目など、五輪&世界陸上よりレベルが高くなるケースもある。

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コールマン「集中できた」今季世界最高9秒85

クリスチャン・コールマン(2017年8月6日撮影)

<陸上:ダイヤモンドリーグ第5戦・ビスレットゲームズ>◇13日◇ノルウェー・オスロ

男子100メートルではクリスチャン・コールマン(23=米国)の9秒85、女子3000メートル障害のノラ・ジェルト(23=ケニア)の9分03秒71など6種目で今季世界最高が誕生した。また、地元ノルウェーのカルステン・ワルホルム(23)が男子400メートル障害で47秒33のヨーロッパ新記録で圧勝した。

日本勢は男子100メートルの小池祐貴(24=住友電工)が10秒15の5位、同400メートル障害の安部孝駿(27=ヤマダ電機)も49秒78で5位、同棒高跳びの山本聖途(27=トヨタ自動車)は5メートル61の6位だった。

   ◇   ◇   ◇

男子100メートルはコールマンの特徴が発揮されたレース展開だった。

スタートからの加速局面でリードを奪うと、謝震業(25=中国)以下を寄せ付けなかった。16度と気温としては低めだったが今季世界最高を0・01秒更新した。

「理想的なコンディションではなかったけど、観衆が良い雰囲気をつくってくれたので自分のやるべきことに集中できた。ドーハ世界陸上(9月開幕)では金メダルを取りたいから、この後もハードワークを続けるよ」

コールマンの強さが際立ったレースだった。

小池は後半でじりじり離されて5位だったが、前半はしっかり2位争いに加わっていた。9秒9台の自己記録を持つ2選手に勝ったことは評価できる。100メートルのスピード向上は、本職の200メートルに結びつく。日本選手権(6月27~30日)でのサニブラウン(20=フロリダ大)との激戦を予感させる。

本人も驚いていたのが男子400メートル障害で、ヨーロッパ新記録を出したワルホルムは何度も手で顔を覆ったり、頭をトラックに押しつけたりして喜びを現した。

「タイムを見たときは信じられなかった。ヨーロッパ記録で、それも地元のビスレットゲームズで走るなんてクレイジーだよ。人生最良の日の1つに数えられそうだ」

昨年アブデルラーマン・サンバ(23=カタール)が46秒98と、史上2人目の46秒台突入を果たした。ワルホルムがそれに続く可能性が出てきた。

◆今季の男子100メートル

今大会前は3選手が9秒86をマークしていた。

ダイヤモンドリーグ上海大会で優勝したノア・ライルズ(21=米国)と、2位のコールマンが9秒86の同タイム。サニブラウンが9秒97の日本新を出した全米学生に優勝したディビン・オドゥドゥル(22=ナイジェリア)も、9秒86だった。

今季の9秒8台はこの3人だけで、現時点の3強と言っていい。

オドゥドゥルが今後、どのくらいダイヤモンドリーグに出場するかは未定。

まずはコールマンとライルズが直接対決する全米選手権(7月25~28日)が注目される。

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小池は10秒15で5位 コールマン9秒85で優勝

<陸上:ダイヤモンドリーグ>◇第5戦◇13日◇オスロ

男子100メートルで小池祐貴(住友電工)は追い風0・9メートルの条件下、10秒15で5位だった。クリスチャン・コールマン(米国)が今季世界最高の9秒85で優勝した。

男子400メートル障害の安部孝駿(ヤマダ電機)は49秒78で5位。同棒高跳びの山本聖途(トヨタ自動車)は5メートル61で6位だった。

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サニブラウンが日本選手権100、200mに出場へ

サニブラウン・ハキーム(2019年6月7日撮影)

日本陸連は13日、日本選手権(27~30日、博多の森陸上競技場)のエントリーリストを発表した。

男子短距離のサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)は100メートル、200メートルにエントリーした。今季ベストである100メートルの9秒97(日本記録)、200メートルの20秒08はともに出場選手の中でトップとなった。サニブラウンの国内レースは、今回と同じ2種目で初優勝を果たした17年6月の日本選手権以来2年ぶりとなる。

桐生祥秀、小池祐貴、飯塚翔太も2種目にエントリー。山県亮太は自己記録10秒00の100メートルのみ。多田修平、ケンブリッジ飛鳥ら有力選手が勢ぞろいする100メートルの決勝は、28日午後8時30分にスタート。同選手権初の「9秒台決着」の可能性もある。

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日本勢は小池祐貴ら3選手参戦/ダイヤモンドL展望

小池祐貴(2019年5月10日)

<陸上:ダイヤモンドリーグ第5戦・ビスレットゲームズ展望>◇13日◇ノルウェー・オスロ

男子100メートルのクリスチャン・コールマン(23=米国)や同棒高跳びのアルマン・デュプランティス(19=スウェーデン)ら、昨年のダイヤモンドリーグ・チャンピオンが10人エントリーする豪華メンバーとなった。

日本勢もダイヤモンドリーグでは今季最多の3種目に日本人がエントリーした。男子100メートルに小池祐貴(24=住友電工)、同400メートル障害に安部孝駿(27=ヤマダ電機)、同棒高跳びに山本聖途(27=トヨタ自動車)が出場する。

   ◇   ◇   ◇

小池の昨年までの実績からすると100メートル出場自体が驚きで、今季の成長を物語っている。

200メートルでは昨年のアジア大会金メダリスト。ダイヤモンドリーグも7月のロンドン大会に出場したが、100メートルは10秒17と昨年の世界117番目のタイムしか持っていなかった。

しかし今季は5月のゴールデングランプリ(大阪)で10秒04をマークし、9月開幕の世界陸上ドーハ大会の標準記録(10秒10)だけでなく、東京五輪標準記録(10秒05)まで突破した。

「冬期練習がしっかりできたのでエンジンを大きくすることができて、余分な力を使わずに走れるようになったからです。トップスピードが上がったことは200メートルにもつながる」と小池は今季の走りに手応えを感じている。

だがオスロ大会は自己記録が9秒79のコールマン、9秒85のマイケル・ロジャーズ(34=米国)、200メートルでもライバルである謝震業(25=中国)ら、自己記録は小池以外の7人全員が9秒台という厳しいレースになる。

小池が優勝者から0・20秒前後の差でフィニッシュしたら善戦で、200メートルへの期待が膨らむ。

今季の実績では山本に期待できる。世界陸上標準記録も、今年1月に米国の室内競技会で5メートル71を跳び、すでに破っている。

ダイヤモンドリーグの男子棒高跳びはここまで5月3日のドーハ大会、同30日のストックホルム大会と2大会で実施され、山本は両大会とも3位に食い込んだ。記録は5メートル61と5メートル48。自己記録の5メートル75には近づけていないが、特にストックホルムは気温11~12度の悪条件の中で強さを見せた。

オスロには6メートル05の世界歴代2位タイを持つデュプランティス、17年世界陸上金メダルのサム・ケンドリクス(26=米国)、ストックホルムで山本に勝っているピョートル・リセク(26=ポーランド)ら強豪が多数出場する。気象コンディションが好条件になった場合、3位以内に入るには日本記録の5メートル83前後を跳ぶ必要がある。安部もダイヤモンドリーグ前大会のローマ大会で3位の好成績を収めた結果、ストックホルム大会出場が決まった。世界陸上標準記録も5月の南京(中国)の試合で49秒16と突破済みだ。

だがローマ大会はダイヤモンドリーグ大会でも、男子400メートル障害はダイヤモンドリーグ種目には指定されていなかった。ポイントがつかず、有力選手の参加数が少なかったのは事実だ。

それに対してオスロ大会には、17年世界陸上金メダルのカルステン・ワルホルム(23=ノルウェー)や、昨年のダイヤモンドリーグ・チャンピオンのカイロン・マクマスター(22=英国領ヴァージン諸島)ら、47秒台を持つ選手が3人出場する。安部の自己記録は48秒68で出場8選手の中で一番下だが、4番手以降の選手とは大きな差はない。オスロで4~5位に入れば世界陸上の決勝進出も見えてくる。

◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する単日、または2日間開催では最高カテゴリーの競技会シリーズ。2010年に発足し、2016年までは年間総合ポイントで各種目のツアーチャンピオンを決定していた。2017年からシステムが変更され、ファイナル大会出場者を決めるクオリファイリング大会として12大会を実施し、16種目ずつを行うファイナル2大会の優勝者がダイヤモンドリーグ(年間)優勝者となるチャンピオンシップ形式になった。各クオリファイリング大会の種目別賞金は3万ドル(1位1万ドル~8位1000ドル)で、各種目は年間4~6大会で実施される。各大会のポイント(1位8点~8位1点)合計の上位選手がファイナル大会に進出(種目によって異なり7人または8人、または12人)。ファイナル大会の種目別賞金は10万ドル(1位5万ドル~8位2000ドル)で、年間優勝者には賞金5万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈されるのに加え、今年9月開幕の世界陸上への出場権が与えられる。ほとんどの種目が予選なしの一発決勝で行われるため、緊張感あるレースがスピーディーに続く。また、オリンピックや世界陸上のように1種目3人という国ごとの出場人数制限がないため、ジャマイカ、アメリカ勢がそろう短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目など、五輪&世界陸上よりレベルが高くなるケースもある。

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小池祐貴10秒20で優勝 仏の国際競技会

陸上の国際競技会が11日、フランスのモントルイユで行われ、男子100メートルで小池祐貴(住友電工)が無風の条件下、10秒20で優勝した。

5月に10秒04の自己ベストを出した24歳の小池は、2位に0秒18差をつけて圧勝した。

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山県亮太「地に足着け」サニブラウンとの直接対決へ

誕生ケーキと花束を贈られ、笑顔の山県(撮影・上田悠太)

9秒97を超えていく。男子100メートルで日本歴代3位となる10秒00の自己記録を持つ山県亮太(26=セイコー)が9日、横浜市内で練習を公開した。前日にサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が日本新記録を樹立したことを問われると「出したなという感じ。日本記録を出したいと思っていた。悔しいが、世界を見据え、自分も超えていかないといけない」。その記録は自宅ベッドで、速報ニュースで知ったという。

過去2度の10秒00。9秒台は目前に迫りながら、わずかに届いていない。今季はサニブラウン以外にも、桐生が10秒01、小池が10秒04など好記録を出す中、自身は最高が10秒11。決勝進出が目標である20年東京五輪も近づいている。「1年も無駄にしたくない」という思いもあり、「もどかしさはある」という。今は不調の一因と分析するスタートで、上体が浮かないよう改善する作業に集中する。

サニブラウンらと対峙(たいじ)する日本選手権(博多の森陸上競技場)は王者として臨むが、「去年以上に厳しい戦いになる。自分は挑戦者」と言う。自らの調子を冷静に分析し、「状態を上げていくことが一番。地に足を着け、シーズンベストを狙っていきたい」と話す。昨季から目標は「9秒8台」に置いている。課題を解決した先、記録の更新を狙っていく。

10日は27歳の誕生日。お祝いのケーキと花束も贈られた。「経験をこれまで以上にパフォーマンスにつなげ、いい意味で年齢を感じられる1年にしたい。体が衰える歳でもない。もう1段上がれると思っている」と誓った。【上田悠太】

贈られた誕生ケーキを食べる山県(撮影・上田悠太)

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山県亮太27歳の誓い「年齢を感じられる1年に」

誕生ケーキと花束を贈られ、笑顔の山県(撮影・上田悠太)

陸上男子100メートルの山県亮太(26=セイコー)が27歳の誓いを立てた。9日、横浜市内で練習を公開。

10日は27歳の誕生日を迎え、ケーキと花束をプレゼントされた。

少し照れくさそうに笑いながら、「年齢的にもベテランの領域に入る。これまで以上に、経験をパフォーマンスにつなげて、いい意味で年齢を感じられる1年にしたい」と話した。

5月のセイコーゴールデングランプリ大阪の後は、スタート技術の改善に励む。上体が早く起き上がらないように意識し、うまく2次加速につなげるようにする。出場予定だった2日の布勢スプリントは欠場し、調整を優先させた。今季は本来の動きが出せておらず、最高は10秒11。タイム的には悪くはないが、周囲が好記録を連ねるだけに「もどかしい感じはある」という。

前回大会の王者として挑む日本選手権(博多の森陸上競技場)は「去年以上に厳しい戦いになる。どれだけパフォーマンスを上げていけるか。地に足をつけ、シーズンベストを狙っていきたい」。残り2週間。サニブラウン、桐生ら強いライバルとの戦いへ最善を尽くし、調子を上げていく。

贈られた誕生ケーキを食べる山県(撮影・上田悠太)

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競歩の岡田久美子が日本新 20キロ10年ぶり更新

岡田久美子(2018年8月29日撮影)

<競歩:国際競技会>◇8日◇スペイン・ラコルニャ

女子20キロで世界選手権(9~10月・ドーハ)代表に決まっている27歳の岡田久美子(ビックカメラ)が1時間27分41秒の日本新記録で6位に入った。従来の記録は渕瀬真寿美(建装工業)が2009年に出した1時間28分3秒で、10年ぶりに更新した。

男子20キロは世界選手権代表の山西利和(愛知製鋼)が1時間17分41秒で優勝。世界記録保持者の鈴木雄介が13秒差で3位となり、高橋英輝(ともに富士通)は9位だった。

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張本氏がサニブラウンにあっぱれ!先輩高橋慶彦氏も

張本勲氏(2017年1月14日撮影)

張本勲氏が9日、TBS系テレビ「サンデーモーニング」に出演した。

8日の全米大学選手権男子100メートル決勝で9秒97の日本新記録をマークしたサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)に、張本氏とゲスト出演の元広島高橋慶彦氏(62)が「あっぱれ!」を出した。

張本氏は「ボルトも抜けるかな?」と将来性にも大きな期待を寄せた。俊足が持ち味だった高橋氏はサニブラウンと同じ城西高校(東京)出身。「高校がいいですからね」と後輩の活躍に、笑顔を見せていた。

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9秒台は当たり前 サニブラウン日本人初2度目大台

男子100メートル決勝で3位のサニブラウン(右)は9秒97で日本記録を更新(撮影・菅敏)

<陸上:全米大学選手権>◇7日(日本時間8日)◇米テキサス州オースティン◇男子100メートル決勝

陸上男子100メートルのサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が決勝で9秒97(追い風0・8メートル)の日本新記録を樹立した。3位だったが、桐生祥秀(23=日本生命)の従来の記録を0秒01更新。5月11日の9秒99(追い風1・8メートル)に続き公認記録で2度目の9秒台は日本人初。わずか45分後には200メートルで日本歴代2位となる20秒08(追い風0・8メートル)と驚異的な走り。次戦の日本選手権(博多の森陸上競技場)の決勝(28日)は9秒台決着となる可能性も十分で、異次元の争いになりそうだ。

当たり前のようにサニブラウンは超えていった。9秒97。日本新記録。2日前の準決勝は9秒96だったが、追い風2・4メートルで参考記録。今度は公認の範囲内で日本人初の2度目の9秒台。ただ優勝したオドゥドゥルに0秒11遅れ、淡々と次の200メートルに備えた。喜びもしない。その表情が底知れない力の証明だった。

「正直、あまり実感はない。まだ速いタイムは出る。もうちょっと速く走れたかなと思っていた。ナイジェリア人に負け、アメリカ人にも負けた。とりあえずは敗北かな」

100メートルの45分後に行われた200メートルは「ガス欠。最後30メートルはスピードが落ちた」と悔やみつつ自己ベストを0秒05更新し、日本歴代2位。100メートルの50分前には400メートルリレーに第2走者で出場し、37秒97の今季世界最高記録のVに貢献した。1時間35分の間に3種目。過密日程だからこそ、快記録のすごみは増す。

目標は「地上最速」。なぜ速いのか。身長188センチの体格を生かした走りが特長。この日は約43・5歩で駆け抜けた。17年日本選手権のストライドは44・7歩だったから、さらに1歩分進化を遂げている。17年世界選手権を9秒92で制したガトリン(米国)は44・1歩で、世界トップをも上回る。持ち味は高速ピッチとタイプは違うが、9秒98を出した時の桐生は47・3歩だ。

課題の出足も改善。名伯楽ホロウェイ・ヘッドコーチらのもと、最初の数歩で無理に下を向いていたのを、自然に上体を起こす意識に変え、加速は滑らかに。後半型ながら、3月には60メートル室内日本タイ記録の6秒54。序盤からスピードが出るようになった。

20歳の大器の可能性は計り知れない。高校卒業後に海を渡る選択が正しかったことも、結果で証明し続ける。日本選手権は「普通に優勝し、世界選手権の切符を取り帰って来られれば」。もう9秒台は日常的に出せそうな空気だ。16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)の決勝進出ラインは10秒01。20年東京五輪で、日本人88年ぶりとなる決勝進出は夢ではなく、現実味を帯びている。

◆サニブラウン・ハキーム  1999年(平11)3月6日、福岡県生まれ。ガーナ人の父と日本人の母を持ち、小3で陸上を始める。15年7月世界ユース選手権100メートル、200メートル2冠。同年世界選手権北京大会は200メートルに同種目世界最年少16歳で出場し準決勝進出。東京・城西高卒業後、オランダを拠点に練習し17年秋フロリダ大進学、拠点を米国に。188センチ、83キロ。

◆全米大学陸上選手権 陸上の米国学生王者を決める大会。1921年からと歴史は古く、男子100メートルで35、36年に連覇したジェシー・オーエンスは36年ベルリン五輪4冠の名選手で、81年の覇者は五輪で9個の金メダルを獲得したカール・ルイス。統括する全米大学体育協会(NCAA)には1100超の大学が加盟。学業優先のため有力選手でも成績不振だと参加できない。今大会は約300の1部校が学校対抗得点で争い、サニブラウンのフロリダ大は2位だった。

男子200メートル決勝で3位でゴールするサニブラウン(撮影・菅敏)
男子400メートルリレー決勝で2走を務め、優勝したサニブラウン(撮影・菅敏)

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筋力強化で疲れても乱れないストライド/伊東浩司

男子100メートル決勝で3位のサニブラウン(右)は9秒97で日本記録を更新(撮影・菅敏)

<陸上:全米大学選手権>◇7日(日本時間8日)◇米テキサス州オースティン◇男子100メートル決勝

陸上男子100メートルのサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が決勝で9秒97(追い風0・8メートル)の日本新記録を樹立した。

      ◇     ◇

追う展開の中で、9秒台を出した価値はあり、信じ難い。前に選手が見えると「追わないといけない」という心理が働き、無理にスピードを出そうと本来の力が出せなくなる。もしも60メートルを先頭で抜け、主導権を握り、持ち味を出せるレースだったなら、もっと速い記録だったはず。9秒94ぐらいは出ていただろう。

以前の走りと比較すると、脚の回転スピードが乱れなくなった。一般的に疲れて回転速度が落ちると、ストライドが制御できず、適正な大きさよりも伸びてしまう。そうなるとストライドは伸びても、結果的にスピードが落ちる。サニブラウンは重要な大腿(だいたい)部、臀部(でんぶ)、胸板の筋肉など必要な筋力が鍛えられ、脚の回転速度を維持できるようになり、適切なストライドで走り切れるようになってきた。以前はレースごとにバラバラだったが、安定した形になりつつある。ストライドが乱れると脚への負担も多く、けがにつながりやすくなるが、改善されている。フォームが良くなると、けがのリスクも減る。

日本のライバルの選手たちはどう捉えていくか。日本選手権でもサニブラウンは9秒台を並べられるはずだ。他の選手が追随すれば、多くのすごい記録が出るかもしれない。反対にかなわないと思ってしまうと、サニブラウンの独壇場で、主導権を握り、理想的にレースを運べることで大記録が出るかもしれない。(男子100メートル元日本記録保持者)

全米大学選手権男子100メートル決勝でスタートするサニブラウン(左から3人目)(撮影・菅敏)

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牛丼恋しくも高レベルの米留学で成長実感/こんな人

全米大学選手権の表彰式を前に関係者とハグするサニブラウン(撮影・菅敏)

<陸上:全米大学選手権>◇7日(日本時間8日)◇米テキサス州オースティン◇男子100メートル決勝

陸上男子100メートルのサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が決勝で9秒97(追い風0・8メートル)の日本新記録を樹立した。

       ◇     ◇

2年ぶり2度目の日本選手権2冠を狙うサニブラウンが1年半ぶりに戻る日本で楽しみにしていることがある。「とりあえず牛丼が食べたいですね。あと海鮮丼、うどん、そばも食べたいです。コンビニも温泉も行きたいです」。普段はフロリダ大の食堂がメイン。食堂が閉まっている休日は自炊し、周囲に唐揚げを振る舞うこともあるが、やはり日本食が恋しいようだ。帰国すれば、大きな注目を浴びることは間違いない。「こっちは自由でノビノビしているので、2週間ぐらい“わちゃわちゃ”されてもいいかな」と笑う。

日本が恋しくなっても、競技レベルの高い米国に進学したことに「日本では、こういう体験はめったにできない。こっちに来てよかった」と言い切る。全米大学体育協会は「学業優先」を掲げる。語学の壁から留学を諦める選手も多いが、サニブラウンは言う。「学校のシステム、サポートもしっかりしている。英語ができる、できないにかかわらずコーチもしっかり話も聞いてくれる」。記録をどんどん塗り替えていくことで、日本の高校生の進路も、変えていくことになるかもしれない。

全米大学選手権を終え、仲間とタッチをするサニブラウン(撮影・菅敏)

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飯塚翔太「刺激もらった」サニブラウンの快走に発奮

中国遠征から帰国した飯塚翔太(撮影・益田一弘)

陸上男子200メートルで日本歴代3位の20秒11を持つ飯塚翔太(27=ミズノ)が、サニブラウンの快走に発奮した。8日、遠征先の中国から帰国。100メートルで9秒97、200メートルで20秒08を出したサニブラウンについて「9秒97を出した瞬間、僕も含めて日本の短距離選手は皆、刺激をもらったと思う。(200メートルの)20秒08も相当速い」と口にした。

飯塚の20秒11は日本記録の20秒03(末続慎吾)に続いて、約3年間日本歴代2位のタイムだった。サニブラウンが歴代2位に飛び込んだ形となったが、飯塚は「20秒0台の選手が身近にいることはいいこと。引き締まったし、日本選手権に向けて上げていきたい。この激戦を勝ち抜ければ、価値がある」とポジティブに捉えた。

日本選手権(6月27~30日、福岡)は100メートル、200メートルの2種目にエントリーした。4月に急性虫垂炎の手術を受けており「種目を絞ることも考えたが、今回は出ることにした。しっかりと(期間中の)4日間、走りたい。世界選手権でも連続で走ることはあるので。100メートルはチャレンジ、200メートルは優勝を目指して世界選手権代表の内定をとる」と勝負の時を見据えていた。

中国遠征から帰国した飯塚翔太(撮影・益田一弘)

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サニブラウン「もうちょっといいタイムが」一問一答

全米大学選手権の表彰式で笑顔を見せるサニブラウン(撮影・菅敏)

<陸上:全米大学選手権>◇7日(日本時間8日)◇米テキサス州オースティン◇男子100メートル決勝ほか

陸上男子短距離のサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が男子100メートル決勝は日本新記録となる9秒97(追い風0・8メートル)、男子200メートル決勝でも日本歴代2位の20秒08(追い風0・8メートル)。ともに順位は3位と驚きの記録を並べた。400メートルリレーでは第2走者で出場し、37秒97の優勝に貢献した。

レース後の一問一答は以下の通り

-今大会を振り返って

サニブラウン まず4継(400メートルリレー)は優勝をするつもりでもちろんきた。37秒台で走れて、すごく満足をしています。100メートルはレースが立て続けのコンディションの中、心構えをしっかりしてきた。ベストを出せてよかった。200に戻ってきてベストで走れた。まだ課題はあったと思うのですけど、パーソナルベストを出せたので満足かなと思います。

-日本新記録の100メートルは

サニブラウン スタートから60メートルぐらいまではよかったと思うのですけど、ちょっとストライドが伸びてしまったところがあった。そこをしっかりまとめていければ、もうちょっといいタイムが出た。課題が分かった。日本選手権、世界選手権へ備えていければと思っている。

-スタートの出だしに関して

サニブラウン スタートに関しては今大会はスムーズに出られていたと思う。練習をしてきたことが少しずつ身に付いてきているのかな。

-200メートルは

サニブラウン 正直、ガス欠ではあったのですけど、ラスト1本ということで集中をした。最初の100メートルを全力でいって、そのあとのフォームを崩さなかった。最後の30メートルは、少しスピードが落ちてしまったのですけど、そこは練習の課題になってくると思う。今後に向けてのいい試合だったのかなと思う。

-米国に来た成果

サニブラウン やはり日本ではこういう体験はめったにできないと思うので、こっちにきてやはりよかったのかなと思っています。

-米国に進学したのは間違いではなかった

サニブラウン ハイレベルな中でレースをして、すごい楽しい。今後も日本選手権、世界選手権とハイレベルな試合になる。1試合1試合を楽しんでいければ。

-日本選手権へ向け

サニブラウン しっかりと休んで。1年半ぶりに日本に帰るので、おいしいご飯を食べて、レースに備えようと思います。優勝して、世界選手権の切符を取り、こっちに帰ってこられれば。

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桐生「いつか破られる」サニブラウン日本記録更新に

桐生祥秀(19年5月撮影)

陸上男子100メートルでサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が9秒97の日本新記録を樹立したことを受け、9秒98の前日本記録保持者の桐生祥秀(23=日本生命)が談話を所属事務所を通じ、発表した。

「記録はいつか破られるものですし、僕も自己記録である日本記録の更新を目指してきました。次はチャレンジャーとして、ハキーム君の日本記録に挑戦していきます。ハキーム君。日本記録おめでとう。日本選手権で一緒に走れるのを楽しみにしています」

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サニブラウン9秒97 200は歴代2位/写真集

<陸上:全米大学選手権>◇7日(日本時間8日)◇米テキサス州オースティン◇男子100メートル決勝

陸上男子短距離のサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が日本人初となる公認記録での2度目の9秒台をマークした。追い風0・8メートル条件下、9秒97。3位だった。桐生祥秀(23=日本生命)の持つ日本記録9秒98を上回る、日本新記録だった。

全米大学選手権の表彰式で笑顔を見せるサニブラウン(撮影・菅敏)

全米大学選手権の表彰式で200メートル3位の記念品を手に笑顔を見せるサニブラウン(撮影・菅敏)

全米大学選手権を終え、取材を受けるサニブラウン(右から2人目)は、乱入してきたチームメイトに笑顔を見せる(撮影・菅敏)

全米大学選手権を終え、チームメートと記念写真に納まるサニブラウン(左から2人目)(撮影・菅敏)

男子100メートル決勝

※追い風0・8メートル

(1)Divine ODUDURU(Texas Tech) 9秒86

(2)Cravon GILLESPIE(Oregon) 9秒93

(3)サニブラウン(Florida) 9秒97

(4)Waseem WILLIAMS(Purdue) 10秒04

(5)Bryand RINCHER(Florida State) 10秒06

(6)Mario BURKE(Houston)10秒06

(7)Devin QUINN(Illinois) 10秒12

(8)Joseph AMOAH(Coppin State) 10秒22

全米大学選手権男子100メートル決勝で3位のサニブラウンは、9秒97で日本記録を更新(撮影・菅敏)

全米大学選手権男子100メートル決勝で3位のサニブラウンは、9秒97で日本記録を更新(撮影・菅敏)

全米大学選手権男子100メートル決勝で3位のサニブラウンは、9秒97で日本記録を更新(撮影・菅敏)

全米大学選手権男子100メートル決勝で3位のサニブラウン(左から3人目)は、9秒97で日本記録を更新(撮影・菅敏)

全米大学選手権男子100メートル決勝で3位のサニブラウンが出した9秒97を表示する電光掲示板(撮影・菅敏)

男子400メートルリレー決勝

◆100メートル決勝の約1時間前に行われ、フロリダ大の2走を走り今季最高タイムの優勝貢献

(1)FLORIDA 37秒97

(2)FLORIDA STATE 38秒08

(3)TEXAS TECH 38秒45

(4)ARKANSAS 38秒58

(5)N. CAROLINA A&T 38秒59

(6)OREGON 38秒76

(7)PURDUE 38秒92

   LSU  (DNF)

全米大学選手権男子400メートルリレー決勝で2走を務め、優勝したサニブラウン(撮影・菅敏)

全米大学選手権男子400メートルリレー決勝で2走を務め、優勝したサニブラウン(撮影・菅敏)

全米大学選手権男子400メートルリレー決勝で優勝し、手をたたくサニブラウン(撮影・菅敏)

全米大学選手権男子400メートルリレー決勝で優勝し、笑顔を見せるサニブラウン(撮影・菅敏)

男子200メートル決勝

◆100メートル決勝の約1時間後に行われ、自己ベスト更新で日本歴代2位の20秒08をマーク

※追い風0・8メートル

(1)Divine ODUDURU(Texas Tech) 19秒73

(2)Cravon GILLESPIE(Oregon) 19秒93

(3)サニブラウン(Florida)20秒03

(4)Mario BURKE(Houston) 20秒11

(5)Micaiah HARRIS(Texas) 20秒13

(6)Joseph AMOAH(Coppin State) 20秒19

(7)Andrew HUDSON(Texas Tech) 20秒25

(8)Mustaqeem WILLIAMS(Tennessee) 20秒56

全米大学選手権男子200メートル決勝で20秒08で3位でゴールするサニブラウン(撮影・菅敏)

全米大学選手権男子200メートル決勝で20秒08で3位でゴールし、呼吸を整えるサニブラウン(撮影・菅敏)

全米大学選手権男子200メートル決勝でサニブラウンが出した20秒08を表示する電光掲示板(撮影・菅敏)

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サニブラウン200m日本歴代2位 歴代上位10傑

全米大学選手権男子200メートル決勝で20秒08で3位でゴールし、呼吸を整えるサニブラウン(撮影・菅敏)

陸上男子100メートルで9秒97の日本新記録を樹立したサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)は、その約45分後に200メートルでも日本歴代2位となる20秒08(追い風0・8メートル)をマークした。

男子200メートルの日本歴代上位10人は以下の通り。(所属は当時)

<1>末続慎吾(ミズノ)20秒03(追い風0・6メートル) 03年6月7日 日本選手権

<2>サニブラウン・ハキーム(米フロリダ大) 20秒08(追い風0・8メートル) 19年6月7日 全米大学選手権

<3>飯塚翔太(ミズノ) 20秒11(追い風1・8メートル) 16年6月26日 日本選手権

<4>藤光謙司(ゼンリン) 20秒13(追い風0・6メートル) 15年7月14日 ルツェルン国際

<5>高瀬慧(富士通) 20秒14(追い風1・0メートル) 15年5月17日 東日本実業団選手権

<6>伊東浩司(富士通) 20秒16(追い風1・9メートル) 98年10月2日 日本選手権

<7>高平慎士(富士通) 20秒22(追い風1・3メートル) 09年6月26日 日本選手権

<8>小池祐貴(ANA) 20秒23(追い風0・7メートル)18年8月29日 ジャカルタ・アジア大会

<9>大前祐介(早大) 20秒29(追い風0・6メートル) 01年6月30日 日本選手権

<10>原翔太(スズキ浜松AC) 20秒33(追い風1・8メートル) 16年6月26日 日本選手権

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9秒97に伊東浩司氏驚かず「出たんだなと」

全米大学選手権男子100メートル決勝で3位のサニブラウンが出した9秒97を表示する電光掲示板(撮影・菅敏)

<陸上:全米大学選手権>◇7日(日本時間8日)◇米テキサス州オースティン◇男子100メートル決勝

フロリダ大のサニブラウン・ハキームが追い風0・8メートルの男子100メートル決勝で9秒97の日本新記録をマークして3位となった。テキサス工科大のディバイン・オドゥドゥル(ナイジェリア)が9秒86で優勝した。

これまでの日本記録は桐生祥秀(日本生命)が2017年に出した9秒98。サニブラウンは5月に9秒99をマークし、日本人初の2度目の9秒台となった。

◆元日本記録保持者・伊東浩司氏の話 皆さんと一緒ですよ、出たんだなと。桐生君が(9秒98を)出した時の『おおー』というよりも(驚きはない)。ほとんどの人が彼の才能を認めて、9秒台や(200メートルを)19秒台で走るんだろうなと思っていたことが、どんどん現実になってきているという感じ。

◆麻場一徳・日本陸連強化委員長の話 まだスタートも出遅れていたし、もっともっとタイムが出るんじゃないか。出るべくして出た記録。20歳という年齢も魅力で、この先が本当に楽しみ。

◆山崎一彦・日本陸連トラック&フィールド・ディレクターの話 驚かないというか、出たなと。それが普通になったというのが一番の進歩。米国でああやって戦ってくれている。日本記録を目指すという日本の風潮ではなく、戦う中で9秒台を出すとか、9秒8を出すとかにもう視野がいっていると思う。

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サニブラウン「ベストを出したので良かった」

全米大学選手権男子100メートル決勝で3位のサニブラウン(左から3人目)は、9秒97で日本記録を更新する(撮影・菅敏)

<陸上:全米大学選手権>◇7日(日本時間8日)◇米テキサス州オースティン◇男子100メートル決勝

フロリダ大のサニブラウン・ハキームが追い風0・8メートルの男子100メートル決勝で9秒97の日本新記録をマークして3位となった。テキサス工科大のディバイン・オドゥドゥル(ナイジェリア)が9秒86で優勝した。

サニブラウンは「100メートルはレースが立て続けのコンディションの中で、心構えをしっかりしてきて(自己)ベストを出したので良かった。200メートルも課題はいろいろあるが、ベストで走れて満足かな」とコメントした。

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サニブラウンが2度目の9秒台 日本人歴代10傑

全米大学選手権男子100メートル決勝で3位のサニブラウンは、9秒97で日本記録を更新する(撮影・菅敏)

陸上男子短距離のサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が7日(日本時間8日)の全米大学選手権決勝で追い風0・8メートルの条件下、9秒97の日本新記録を樹立した。サニブラウンは日本勢初となる2度目の9秒台となる。

男子100メートルの上位10傑は以下の通り。(所属は当時)

<1>サニブラウン・ハキーム(米フロリダ大) 9秒97(追い風0・8メートル)19年6月7日 全米大学選手権

<2>桐生祥秀(東洋大) 9秒98(追い風1・8メートル) 17年9月9日 日本学生対校選手権

<3>伊東浩司(富士通)10秒00(追い風1・9メートル) 98年12月13日 バンコク・アジア大会

<3>山県亮太(セイコー) 10秒00(追い風0・2メートル) 17年9月24日 全日本実業団対抗選手権

<5>朝原宣治(大阪ガス) 10秒02(追い風2・0メートル) 01年7月13日 ビスレー国際

<6>末続慎吾(ミズノ) 10秒03(追い風1・8メートル) 03年5月5日 水戸国際

<7>小池祐貴(住友電工) 10秒04(追い風0・7メートル) 19年5月19日 セイコーGGP大阪

<8>江里口匡史(早大) 10秒07(追い風1・9メートル) 09年6月28日 日本選手権

<8>多田修平(関学大) 10秒07(追い風1・8メートル)17年9月9日 日本学生対校選手権

<10>飯塚翔太(ミズノ) 10秒08(追い風1・9メートル) 17年6月4日 布勢スプリント

<10>ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)10秒08(追い風0・9メートル) 17年6月23日 日本選手権

全米大学選手権男子400メートルリレー決勝で優勝し、笑顔を見せるサニブラウン(撮影・菅敏)

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サニブラウン、200mは日本歴代2位の20秒08

全米大学選手権男子200メートル決勝で20秒08で3位でゴールするサニブラウン(撮影・菅敏)

<陸上:全米大学選手権>◇7日(日本時間8日)◇米テキサス州オースティン◇男子200メートル決勝

陸上男子短距離のサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)は、20秒08(追い風0・8メートル)で3位だった。自己ベストで、20秒03の日本記録を持つ末続慎吾に次ぐ日本歴代2位の好記録。

約2時間前に行われた男子400メートルリレー決勝では、第2走者として今季世界最高となる37秒97での優勝に貢献。約1時間前に行われた男子100メートル決勝では追い風0・8メートル条件下、日本新となる9秒97をマーク。3位だったが、日本人初となる公認記録での2度目の9秒台をたたき出し、桐生祥秀(23=日本生命)の持つ日本記録9秒98を上回った。

全米大学選手権男子200メートル決勝で20秒08で3位でゴールし、呼吸を整えるサニブラウン(撮影・菅敏)
全米大学選手権男子200メートル決勝でサニブラウンが出した20秒08を表示する電光掲示板(撮影・菅敏)

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サニブラウン日本新9秒97 日本人初2度目9秒台

全米大学選手権男子100メートル決勝で3位のサニブラウンは、9秒97で日本記録を更新(撮影・菅敏)

<陸上:全米大学選手権>◇7日(日本時間8日)◇米テキサス州オースティン◇男子100メートル決勝

陸上男子短距離のサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)が日本人初となる公認記録での2度目の9秒台をマークした。追い風0・8メートル条件下、9秒97。3位だった。桐生祥秀(23=日本生命)の持つ日本記録9秒98を上回る、日本新記録だった。

1位は9秒83のディバイン・オドゥドゥル(22=ナイジェリア)だった。

サニブラウンは先月11日に9秒99(追い風1・8メートル)で日本人2人目の9秒台をマーク。5日の予選でも追い風2・4メートルの参考記録ながら9秒96を出していた。再び9秒台を出す快挙を予感させていた。

もともと「10秒切り」への執着はない。東京・城西高時代から「持つなら大きな目標がいい」と当時の日本記録10秒00でなく、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が持つ世界記録9秒58を目標に掲げた。もちろん今も本気で目指している。「10秒00」も「9秒99」も認識は同じ。米大学南東地区選手権で自己記録を一気に0秒06縮めたように、「10秒の壁」という意識は存在しない。また日本に衝撃をとどろかせるタイムを刻んだ。

1921年からの歴史を持つ大会はスターの登竜門だった。81年大会王者は五輪で9個の金メダルを持つカール・ルイス。アテネ五輪、17年世界選手権Vのジャスティン・ガトリンも大会を2連覇している。2年前にはクリスチャン・コールマン(すべて米国)が9秒82という驚異的な記録で優勝し、その2カ月後の世界選手権では銀メダルを獲得した。この日の決勝もサニブラウンも含め4人が自己記録9秒台を持つハイレベルな争い。その中で実力を出し切った。

全米大学選手権男子400メートルリレー決勝で2走を務め、優勝したサニブラウン(撮影・菅敏)

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川内優輝「4、5キロ落ちた」ドーハで試走終え帰国

ドーハから帰国し、取材に応じる川内(撮影・上田悠太)

今秋の陸上世界選手権(ドーハ)男子マラソン代表・川内優輝(32=あいおいニッセイ同和損保)が7日、現地での試走を終え、帰国した。

号砲は深夜23時59分。グーグルマップも駆使し、同じ深夜に本番コースを20キロ以上走った。「気温30度を超える体感」で、発汗量が多く、体重は走り終えた時には「4、5キロ落ちていた」という。給水量に関して「後半は1・5リットルもあり」と通常の1・5倍から2倍ほどの補給するなどの対策案を手にした。昼は暑さで調整ができないことも体験し「間違いなく昼夜逆転生活になる」と話した。

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中学駅伝でも鉄剤注射使用状況の申告書提出義務化

陸上の長距離種目で若い年代を中心に貧血治療用の鉄剤注射が競技力向上のために用いられている問題で、日本陸上競技連盟が全国中学校駅伝の出場校に今年から鉄剤注射の使用状況について文書での申告を義務づけることが7日、分かった。

全国高校駅伝では出場校に血液検査の結果提出も義務づけているが、中学では年齢や経費を考慮して求めない。

日本陸連の尾県貢専務理事は「中学生はまず教育をしっかりしていかないといけない。(申告義務化で)鉄剤注射の問題に目が向き、抑止力になる」と述べ、申告書によって罰則は科さない方針を示した。

日本陸連は5月30日に「不適切な鉄剤注射の防止に関するガイドライン」を公表し、問題がある高校は出場停止処分が科される可能性を明記。貧血治療の注射は、副作用で経口薬を飲めない場合などに限るよう求めた。

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男子200はノーマンが今季世界最高19秒70でV

女子100メートルで優勝したトンプソン(AP)

<陸上:ダイヤモンドリーグ第4戦>◇6日◇ローマ

今季世界最高が8種目で生まれるなど好記録が続出した。

男子5000メートルではテラフヌ・ハイレ・ベケレ(20=エチオピア)が12分52秒98、女子1500メートルではゲンゼベ・ディババ(28=エチオピア)が3分56秒28と、中・長距離種目のエチオピア勢がともに今季世界最高の快走を見せた。男子200メートルではマイケル・ノーマン(21=米国)が、ノア・ライルズ(21=米国)との激闘を今季世界最高の19秒70で制した。女子100メートルはリオ五輪金メダリストのエレイン・トンプソン(26=ジャマイカ)が10秒89の今季世界最高で優勝した。

  ◇   ◇   ◇  

男子200メートルは予想通りノーマンが先行した。1つ外側のレーンのライルズを、直線に出た時点で60~80センチリードしていた。ホームストレートの中盤まで差をわずかに広げ、最後の50メートルでライルズに追い上げられたが20センチ差で逃げ切った。

ノーマンの19秒70は今季世界最高で、5月のゴールデングランプリ優勝時に出した19秒84の自己記録を大きく更新した。

だがノーマンは「このタイムはうれしいけど」と前置きした上で、「記録を狙って走ったというより、自分が成長することだけを考えていたんだ」と話した。細部までは明かさなかったが「少しレースパターンを変更した」という。

ライルズとの200メートルでの対決は過去3回あったが、ノーマンは3連敗している。最後に追い上げられたとはいえ、0・02秒差で逃げ切った点にノーマンの“成長”があった。

ライルズは「ゴール前と同じようにスタートを強くしないといけない」とコメント。次回の対戦では、2人のスタートでの差がポイントになるかもしれない。

3人が出場した日本勢は明暗が分かれた。

男子400メートル障害の安部孝駿(27=ヤマダ電機)は49秒57で3位。

1台目までのハードルの歩数を、シーズンイン当初より1歩増やしてスピードを抑えている。それでも47秒58で優勝したレイ・ベンジャミン(21=米国)以外とは互角のレース展開で、ホームストレートで1人を抜いて3位に食い込んだ。

タイム的にはいまひとつだが、自己記録が出場選手中8番目ということを考えると大健闘だった。

しかし男子走り高跳びの衛藤昂(28=味の素AGF)は2メートル19で9位、戸辺直人(27=JAL)は2メートル15で11位に終わった。

ボーダン・ボンダレンコ(29=ウクライナ)の優勝記録も2メートル31と、自己記録から11センチ低かった。衛藤も自己記録からマイナス11センチだったが、日本記録保持者の戸辺はマイナス20センチ。

戸辺は自身のツイッターに「少々トラブルがあり、2m15で終わってしまいました。けがではありません」と記している。次戦は16日のダイヤモンドリーグ・ラバト大会。それまでに立て直せるか。

◆今季の男子200メートル

ダイヤモンドリーグはすでに3試合で男子200メートルが実施された。

ドーハ大会では17年世界陸上金メダリストのラミル・グリエフ(29=トルコ)が優勝し、ストックホルム大会ではアーロン・ブラウン(27=カナダ)が優勝してグリエフが2位。

ローマ大会ではノーマンが19秒70の今季世界最高で、ライルズが0.02秒差の2位。グリエフは20秒35で4位だった。米国コンビが今季の200メートルをリードする形になった。

今季世界リスト3位はディヴィン・オドゥドゥル(22=ナイジェリア。テキサス工科大)で19秒76。現在開催中の全米学生選手権に出場中で、サニブラウン・アブデル・ハキーム(20=フロリダ大)と7日夜(日本時間8日)の100メートル・200メートル決勝で対決する。

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小池祐貴、欧州遠征で自身の10秒04「更新」狙う

陸上男子短距離の小池祐貴(住友電工)が7日、100メートルで2レースを予定する欧州遠征へ出発前に羽田空港で取材に応じ「コンディションが良ければ、自己ベストは更新して帰ってきたい」と、5月にマークした10秒04を超えることを目標に掲げた。

11日にフランスでの競技会、13日にオスロでのダイヤモンドリーグ第5戦に臨む。

5日に米フロリダ大のサニブラウン・ハキームが追い風参考ながら9秒96をマーク。27日開幕の日本選手権を前に競争は激しさを増しており「全体的に日本のレベルが上がっているので、刺激になっている」と語った。

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戸辺、2m19越えられず「もったいない試合」

走り高跳びで11位となった戸辺(AP)

<陸上:ダイヤモンドリーグ第4戦>◇6日◇ローマ

男子走り高跳びの日本勢は低調だった。

2月に2メートル35の日本記録を樹立した戸辺直人(JAL)は最初の2メートル15を余裕を持ってクリア。しかし次の2メートル19を越えられず「状態は良かったが、跳躍の頂点をバーの上に合わせることができなかった。すごいもったいない試合をしてしまった」ともどかしそうに話した。

今季2メートル30をクリアしている衛藤昂(味の素AGF)も2メートル19にとどまり「もっと跳びたかった。(トラックの表面が)硬い競技場だった。うまく対応できなかった」と残念そうだった。

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安部400m障害3位「このメンバーで3番は自信」

安部孝駿(18年8月撮影)

<陸上:ダイヤモンドリーグ第4戦>◇6日◇ローマ

男子400メートル障害の安部孝駿(ヤマダ電機)は3位に入った。

地力に勝る2人には序盤から後れを取り、優勝した米国選手とは約2秒差。だが最後の直線で3着を巡る競り合いを制し「このメンバーの中で3番に入れたのは自信になる」と喜んだ。

第7ハードルまで、ハードル間の歩数を13歩に保つことに「今季初めて」成功した。内容に手応えを得て「今後も勝負にこだわってやっていきたい」と話した。

次のレースは6月末の日本選手権。「しっかりと勝ちたい。世界選手権の代表になって、じっくりとやっていきたい」と抱負を語った。

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