日刊スポーツ

多田修平「2年前を超える」関学大卒業に思い新た

多田修平「2年前を超える」関学大卒業に思い新た

関学大の卒業証書を手に会見に臨む多田

陸上の17年世界選手権男子400メートルリレーの銅メダルメンバー、多田修平(22)が18日、関学大(兵庫県西宮市)の卒業式に出席した。「今まで実感なかったが、社会人になるんだな、と」。4月から住友電工に入社予定で、すでに練習拠点を関東に移し、東京都内で1人暮らしも開始している。

17年6月の日本学生個人選手権で追い風参考ながら9秒94をマークし、一気に注目を浴びた。同年の世界選手権で銅メダルに貢献した。さらに飛躍が期待された昨季は自ら「ダメなシーズン」と振り返る。それだけに社会人となる今季は心機一転の再スタート。「2年前を超えるシーズンにしたい」と意気込んだ。

年明けから大東大で練習を積む。指摘されたのが左右のバランスの悪さ。「左で全く蹴れていなかった」。矯正する体幹トレーニングを「地道に」行っている。その効果か、2月に米テキサス州で行われた室内競技の60メートルを6秒57で制した。順調にシーズンのスタートを切った。

社会人初戦は出雲陸上(4月20、21日)か織田記念(同27、28日)で検討中。その先の日本選手権、世界選手権を見すえて作っていくが、明確な目標として「9秒台を出さないと。今年はとにかく勝つことが目標」と掲げた。その先に東京五輪への道がつながる。

桐生祥秀に続く9秒台を目指し、男子スプリント界は活況だ。多田にとってはそれだけライバルが多い。「(ライバルの存在に)あせりもあるが、刺激をもらえる。レベルが上がっている中で勝ちたい」と勝利を重視する理由も国内での激しい戦いから生まれる。

1人暮らしで最も苦戦しているのが「自炊」という。ウェブで「簡単な料理」を検索し、取り組んでいるという。「生活も練習も自分で考えないとダメになる。どういう生活をすればいいか、陸上のことを考えながらやっていきたい」。かわいい顔立ちは変わらないが、学生気分はすっかり抜けていた。

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青学大原監督、V5なら勇退だった 準Vで続投決意

3大駅伝報告会に特別ゲストとして参加した郷ひろみ(中央)と記念撮影を行う、青学大陸上部の原晋監督(左から2人目)

1月の箱根駅伝で5連覇を逃した青学大陸上部が17日、都内で3大駅伝報告会を行い、原晋監督(52)が来季へ奮起を誓った。

昨年10月の出雲駅伝、同11月の全日本大学駅伝を制し、史上初の2度目の3冠に挑戦したが、箱根は総合2位。原監督は「本来ならば3大駅伝(制覇)をかなえさせていただいて、ひっそりと監督業を去っていこうかなと思っていた」。5連覇達成なら監督を引退する意向だったと明かした。

会場はざわついたが、すぐ「まだまだ続けなさいよというような、準優勝というのはそういうメッセージなのかなと思っています。これからも愛される青山学院を作っていきたい」と王座奪還へ意気込んだ。報告会には、箱根駅伝に向けて「ゴーゴー大作戦」で臨んだ同部の労をねぎらおうと、歌手の郷ひろみが特別ゲストとして参加した。

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京大卒山西利和 雑草魂で競歩日本一、世界歴代4位

笑顔でフィニッシュテープを切る山西(撮影・上田悠太)

<陸上:全日本競歩能美大会兼世界選手権代表選考会>◇17日◇石川県能美市・日本陸連公認コース◇男子20キロ

京大卒の山西利和(23=愛知製鋼)が世界歴代4位、日本歴代2位の好記録となる1時間17分15秒で初優勝を飾った。初の世界選手権(9月開幕、ドーハ)代表に内定。青縁メガネの社会人1年目は、ラスト1キロのスパートで優勝を争っていた川野将虎(20)、池田向希(20=ともに東洋大)を突き放した。2月の日本選手権2位で、今大会は3位だった池田も世界選手権の代表を濃厚とした。

   ◇   ◇   ◇   

もう京大卒の肩書は関係なく、目が離せない存在となった。山西は先頭でフィニッシュテープを切ると、叫び、帽子を放り投げた。そのタイムは自己記録を31秒更新する1時間17分15秒。条件が違うとはいえ、リオ五輪の優勝タイムを1分59秒も上回る。「世界一を決める戦いのスタートラインにようやく立てる。ただ感極まっている場合ではないと冷静に思う」と世界選手権を見据えた。ラスト1キロでギアを入れ、川野、池田を置き去りに。2月の日本選手権では残り500メートルで優勝争いから脱落。最後にスピードを上げる練習を繰り返した成果が出た。

京都・堀川高から京大工学部に現役合格した。センター試験終了後はD判定も、2次試験で逆転。物理工学科の機械コースで文武両道を貫いた。世界記録を持つ鈴木らを育てた内田隆幸氏の指導を定期的に受け、課題を持ち帰り、独自で力を磨いた。強豪で育ったわけではない自分を「雑草」と表現する。この日はスタート時の気温が4・5度、雨風も強かった。「僕みたいな選手は条件が悪い方がチャンス」と奮い立った。

卒業論文は「部分空間同定法を用いた信号の周波数推定」。青ぶちメガネのいでたちも重なり、周囲からは「京大出身」「京大ウォーカー」などと呼ばれる。ただ本音は実力より京大の肩書が先行し、注目されるのが嫌だった。性格も負けず嫌い。寮の部屋には4位の世界チーム競歩選手権、3位の日本選手権の順位表を飾る。日常で悔しさを思い出し、糧にしていた。

昨夏のジャカルタ・アジア大会は2位、日本選手権でも世界選手権の代表権を逃したが、三度目の正直で切符を得た。「世界選手権と東京オリンピックと2大会連続で金メダルを目指したい」。20キロ競歩は世界ランキングトップ10のうち、日本勢は1位池田ら3人を占めるが、過去に五輪、世界選手権でメダルがない。異端な道を歩む姿に、何か歴史を塗り替えそうな雰囲気が漂う。【上田悠太】

◆山西利和(やまにし・としかず)1996年(平8)2月15日、京都・長岡京市生まれ。堀川高1年時に競歩を始める。3年夏に世界ユース選手権1万メートルを優勝。京大に入学後は17年ユニバーシアードで金メダル。趣味は読書。アガサ・クリスティ、東野圭吾などミステリー作品を好む。メガネは競技用ではなく、JINS。「ズレません。僕ぐらいになるとメガネが本体」。座右の銘は「継続は力なり」。164センチ、54キロ。

◆主な京大出身アスリート

▽田島直人(36年ベルリン五輪陸上男子3段跳び金メダル、走り幅跳び銅メダル)

▽原田正夫(36年ベルリン五輪陸上男子3段跳び銀メダル)

▽東海辰弥(アメフトの甲子園ボウルで86、87年制覇、MVP。アサヒビールでライスボウル連覇)

▽杉本明洋(05年世界選手権男子20キロ競歩代表)

▽竹内亜弥(16年リオ五輪女子ラグビー代表)

▽田中英祐(プロ野球元ロッテ投手)

○…山西と10秒差の3位だった池田向希は日本選手権の1秒差2位に続き、安定感を示し、3枠目での世界選手権代表が濃厚となった。ただ国際陸連が発表する世界ランキング1位の東洋大2年生は、勝負に敗れ、「3位の結果は本当に悔しいだけ」と唇をかんだ。「もう1段階レベルアップしたい」と誓った。

◆20キロ競歩 反則は主に2つ。<1>「ロスオブコンタクト」=競技者はいずれかの足が地面に付いた状態でなければならない。つまり両足が同時に宙に浮くのが禁止。<2>「ベントニー」=足が着地した時から、膝が曲がってはいけない。審判は目視で判断する。3回失格が出ると、国際大会ではペナルティーとして、2分間、所定の場所で止まらなくてはならない。今大会は往復2キロのコース。

◆世界選手権の代表選考 男子20キロ競歩の国別代表枠は最大3。昨夏のジャカルタ・アジア大会金メダルで内定(該当者なし)。派遣設定記録1時20分0秒を切り、日本選手権か全日本競歩能美大会を優勝すれば内定する。日本選手権では1時間18分0秒で優勝した高橋英輝(26富士通)が、すでに内定を決めていた。また世界選手権で日本人最上位かつメダル獲得で、20年東京五輪の代表に内定する。

▽男子 (1)高橋英輝(富士通)1時間18分0秒(2)池田向希(東洋大)1時間18分1秒(3)山西利和(愛知製鋼)1時間18分10秒

▽女子 (1)岡田久美子(ビックカメラ)1時間28分26秒(2)藤井菜々子(エディオン)1時間29分55秒(3)河添香織(自衛隊)1時間31分10秒

優勝インタビューを受ける山西(撮影・上田悠太)
2月、日本選手権男子20キロ競歩で先頭争いを繰り広げた左から高橋英輝、池田向希、山西利和(撮影・松本航)

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青学原監督「ひっそり監督業去って」会場ざわつかす

三大駅伝報告会に特別ゲストとして参加した郷ひろみ(中央)と記念撮影を行う、青学大陸上部の原晋監督(左から2人目)

今年行われた第95回箱根駅伝で5連覇を逃した青学大陸上部が17日、都内で3大駅伝報告会を行った。昨年10月の出雲駅伝、同年11月の全日本大学駅伝で優勝。史上初の2度目の3冠に挑戦したが、優勝候補筆頭だった箱根駅伝では、まさかの総合2位だった。

同部の原晋監督は「本来ならば3大駅伝(制覇)を今年叶わさせていただいて、ひっそりと監督業を去っていこうかなと思った瞬間もありました」と話して会場をざわつかせた。しかしすぐに「まだまだ続けなさいよというような、準優勝というのはそういうメッセージなのかなと思っています。これからも愛される青山学院を作っていきたい」と王者奪還へ意気込んだ。

箱根駅伝5連覇に向けて「ゴーゴー大作戦」と打ち出していた青学大。惜しくも連覇を逃したが、労をねぎらおうと歌手の郷ひろみが特別ゲストとして参加した。「新御三家」として臨んだ1977年のレコード大賞で、自分だけが名前を呼ばれなかった悔しさをバネにした話を披露。「人生というのは多くのことを学んでいって、自分自身がどう受け取るかで変わっていくんじゃないかなと思う。この経験を生かしてこれからも是非、頑張っていってもらいたいと思います」と青学大へエールを送った。

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競歩山西が初優勝&初の代表内定「やっとここまで」

笑顔でフィニッシュテープを切る山西(撮影・上田悠太)

<陸上:全日本競歩能美大会兼世界選手権代表選考会>◇17日◇石川県能美市・日本陸連公認コース◇男子20キロ

京大出身の山西利和(23=愛知製鋼)が世界歴代4位の好記録となる1時間17分15秒で初優勝を飾った。初の世界選手権(9月開幕・ドーハ)の代表に内定した。

「ホッとしたのと、うれしさもある。ようやく世界のスタートラインに立てる。やっとここまできた」と実感を込めた。先頭でフィニッシュテープを切ると、帽子を投げ、感情をあらわにした。

優勝すれば、世界選手権の切符を得られた昨夏のジャカルタ・アジア大会では惜しくも銀メダル。2月の日本選手権では3位で内定を逃した。ともに最後の500メートルで優勝争いから脱落していた。最後の勝負強さが課題だった。しかし、この日は最後に力を蓄えていた。残り1キロのスパートで、最後まで集団を形成していた川野将虎、池田向希(ともに東洋大)を突き放した。“三度目の正直”で、世界選手権代表の内定を勝ち取った。

大会前、愛知県内で約1週間、内田コーチとマンツーマンの個人合宿を積んだ。体に追い込んだ状態で、1キロを3分30秒~3分40秒で歩く練習を繰り返した。ラストで抜け出す展開を描き続けた。その成果が実った山西は「練習してきたことがレースの中でできたことは収穫」とうなずいた。

条件は決してよくなかった。スタート時は気温4・5度、冷たい雨風もあり、むしろ悪かった。ただ「僕みたいな選手は条件が悪い方がチャンスだと思っている」と前向きに捉えた。京都・堀川高、京大と競歩の強豪ではない道を歩んできた。「雑草」と自覚する。だからこそ強く気持ちを保てた。

満足はない。「まだこれから」と強調する。フィニッシュ時は感情を出したが、レース後の会見では「ここで感極まっている場合ではない。そう冷静に思います」。男子20キロは層が厚いといわれながら、まだ五輪と世界選手権ではメダルを獲得できていない。山西は「ドーハと東京オリンピックと2大会連続で金メダルを取ることを目指してやっていきたい」。青縁メガネを掛けた京大出身の男は、力強く誓った。

世界選手権の代表3枠は、2月の日本選手権を制した高橋英輝(富士通)も内定済み。残る1枠は日本選手権で1秒差の2位で、今大会も山西と10秒差の3位だった池田が濃厚とした。

優勝インタビューを受ける山西(撮影・上田悠太)

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リオ競歩7位松永大介、し烈代表争いへ勝負強さ示す

取材に応じる松永(撮影・上田悠太)

16年リオデジャネイロ五輪(オリンピック)男子20キロ競歩7位の松永大介(23=富士通)が4連覇で世界選手権(ドーハ)の切符をつかむ。

世界選手権の代表選考を兼ねた全日本競歩能美大会を翌日に控えた16日、石川・小松市内で会見した。過去3連覇している相性のいい舞台だが、今年はライバルが多い。世界ランキング1位の池田、世界記録保持者の鈴木、ジャカルタ・アジア大会銀メダルの山西もいる。「周りも見つつ、自分との勝負もしていかないといけない」と力を込めた。

2月の日本選手権では途中棄権。「不安がぬぐえないのが正直なところ」とも言うが、能美の戦い方は熟知している。勝負強さを示す。

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1秒差●の競歩世界1位池田向希がドーハ切符へ決意

取材に応じる池田(撮影・上田悠太)

男子20キロ競歩で世界ランキング1位の池田向希(20=東洋大)が、1秒を削り出す歩きで挑む。

全日本競歩能美大会を翌日に控えた16日、石川・小松市内で会見。今大会と同じく、世界選手権(9月開幕・ドーハ)の代表選考を兼ねていた2月の日本選手権では高橋英輝(富士通)に1秒差に及ばずに2位で、世界選手権の内定を逃した。

「時間がたつと悔しさがより一層出てきた。その1秒を削り出せ。1秒差で負けた悔しさをものにしないといけない」。東洋大の長距離部門の有名なスローガンに触れ、リベンジを誓った。日本選手権後は疲労を抜きことに重点を置き、日本選手権と変わらない調子に仕上げてきた。

国際陸連が導入した世界ランキングは1位だ。追われる立場。「光栄なこと」と言う。ただ、本当の実力が反映されている数字とは思っていない。「プレッシャーは感じていないです。(実力的には)世界ランク1位とは思っていない」。まだ東洋大の2年。層が厚い日本競歩界の中で、挑戦者の気持ちは変わらない。

世界選手権は日本人最上位の表彰台で20年東京オリンピック(五輪)の代表権も獲得できる。「目標である2020年東京オリンピックへの一番の近道は世界選手権。世界選手権に出ないことには(東京五輪の)代表権を1つ失うと考えている。まずは世界選手権にベストコンディションで立ちたい」。1秒の悔しさを胸に、ドーハの切符をつかむ。

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競歩池田「1秒差で」世界選手権内定へリベンジ誓う

池田向希(2018年10月7日撮影)

男子20キロ競歩で世界ランキング1位の池田向希(20=東洋大)が全日本競歩能美大会を翌日に控えた16日、石川・小松市内で会見した。

今大会同様、世界選手権の代表選考を兼ねていた2月の日本選手権では高橋に1秒差及ばず2位で、内定を逃した。「その1秒をけずりだせ。1秒差で負けた悔しさをものにしないといけない」と東洋大の有名なスローガンに触れ、リベンジを誓った。

国際陸連が導入した世界ランキングは1位。「光栄なこと」とした上で、本当の実力が反映されているとは思っていない。3連覇の松永、世界記録を持つ鈴木らを倒し、世界選手権の切符を狙う。

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リオ五輪競歩銅の荒井が富士通入社、豪華7選手補強

荒井広宙(2018年4月20日撮影)

陸上の実業団・富士通は15日、16年リオデジャネイロ五輪男子50キロ競歩銅メダリストの荒井広宙(30)ら7選手が4月1日付で入社すると発表した。

17年世界選手権でも銀メダルに輝いた荒井は金メダルが期待される20年東京五輪へ向け、環境を変えたい意向を示し、1月末に自衛隊を退職していた。富士通は日本陸連の競歩の強化を担う今村文男氏がコーチをしている。富士通は北川貴理、塩尻和也(ともに順大)、男子400メートルで日本選手権を2度制覇しているウォルシュ・ジュリアン(東洋大)含め、リオ五輪出場者4人が加入する豪華補強となった。

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富士通 競歩の荒井広宙ら新加入7選手を発表

荒井広宙

陸上の実業団チームの富士通は15日、16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)男子50キロ競歩銅メダリストの荒井広宙(30=埼玉陸協)ら2019年度に新加入する7選手を発表した。

荒井は1月末に自衛隊を退職し、埼玉陸協として活躍していた。

加えて男子400メートルのウォルシュ・ジュリアン(22=東洋大)、北川貴理(22=順大)、リオ五輪には男子3000メートル障害で出場した長距離の塩尻和也(22=順大)と、リオデジャネイロ五輪出場者が4人という豪華補強となった。

また110メートル障害が専門の石川周平(筑波大)、長距離には坂東悠汰(法大)、下史典(駒大)も加入する。

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結婚の川内&水口、ニューカレドニアマラソン出場

川内優輝(左)、水口侑子

ニューカレドニア国際マラソン大会事務局は15日、男子マラソンの川内優輝(32=埼玉県庁)と5月に結婚する水口侑子(33=デンソー)が同マラソンの招待選手として出場すると発表した。

学生時代に2人が出会った大会でもあり、今年は8月25日に開催予定。事務局では「2人のご結婚を祝福する意味が込められています」としている。

2年連続の出場となる川内は「ニューカレドニア観光局とニューカレドニア国際マラソン大会事務局の御厚意により、11年ぶりに2人が出会った思い出の地で再び一緒に走れることに感謝します。11年前のようにアベック優勝ができるように頑張ります」などとコメントした。

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瀬古利彦氏「励みになる」川内優輝に結婚効果期待

瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー

日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(62)が川内優輝(32=埼玉県庁)に結婚効果を期待した。

14日、都内で開催された日本陸連の理事会に出席。終了後、「結婚すると励みになる。いいんじゃない。相談相手もできて。いい方向に変わればいいね」。まだ正式な報告は受けていないそうだが、祝福した。

今月末にデンソーを退社し、妻となる水口侑子(33)から食事面などの支えを受け「長持ちすると思うよ」。選手寿命が延びることを期待に込め「(24年の)パリ五輪まで目指して」と話した。

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宇賀地強がコニカミノルタのプレイングコーチ就任

コニカミノルタ宇賀地強(2015年3月1日撮影)

陸上の13年世界選手権男子1万メートル代表の宇賀地強(31=コニカミノルタ)が4月1日の新体制からチームのプレイングコーチとなる。14日に正式発表される。キャプテンからも退き、新たなキャプテンには菊地賢人(28)が就任する。

宇賀地は「本年度を持ちまして選手活動に区切りを付け、来年度よりプレイングコーチとして活動して参ります。走れるからこそ出来るアプローチで選手の強化・育成に努めて参ります」としている。駒大時代は1年生ながら2区を走るなど中心選手として活躍。昨年11月の東日本実業団対抗では4区(9・9キロ)で27分48秒と従来の記録を10秒更新する区間新記録を達成していた。今後は選手としてだけでなく、後進の育成にも力を注いでいく。

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マラソン・グランドチャンピオンシップ出場者一覧

東京オリンピック・マラソン代表男女各2人を決めるグランドチャンピオンシップ(MGC、19年9月15日)の出場権獲得者は以下の通り。

◆男子 村沢明伸、佐藤悠基(日清食品グループ)大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)上門大祐(大塚製薬)竹ノ内佳樹(NTT西日本)設楽悠太(ホンダ)井上大仁、木滑良、岩田勇治(MHPS)宮脇千博、藤本拓、服部勇馬(トヨタ自動車)山本憲二(マツダ)中村匠吾(富士通)園田隼(黒崎播磨)川内優輝(埼玉県庁)岡本直己、藤川拓也(中国電力)谷川智浩、山本浩之(コニカミノルタ)大塚祥平(九電工)中本健太郎(安川電機)山岸宏貴、橋本崚(GMOアスリーツ)福田穣(西鉄)二岡康平(中電工)堀尾謙介(中大)今井正人(トヨタ自動車九州)神野大地(セルソース)河合代二(トーエネック)

◆女子 前田穂南、小原怜、谷本観月(天満屋)松田瑞生、前田彩里(ダイハツ)安藤友香、福士加代子(ワコール)関根花観、鈴木亜由子(日本郵政グループ)岩出玲亜(アンダーアーマー)野上恵子(十八銀行)中野円花(ノーリツ)上原美幸(第一生命グループ)池満綾乃(鹿児島銀行)

※対象レースは終了。今後は4月30日までに行われる国際陸上競技連盟が世界記録を公認する競技会でのワイルドカードでの出場権獲得となる

マラソン・グランドチャンピオンシップ出場者

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陸上日本グランプリシリーズ日程決定、新潟で初開催

2019年日本グランプリシリーズのスケジュールが決定し、今年から新潟大会(DenkaAthlticsChallengeCup2019)開催が決まった。

「日本グランプリシリーズ」は全国14都市で開催されるトラック&フィールド大会の総称で記録や順位により算出される「シリーズポイント」により強化費や招待の権利などが贈られる競技会。東京オリンピックの参加資格も見据えIAAF(国際陸連)が定めたポイントランキング制度に準じて記録とポイントを狙える競技会にするべく設営していく予定。新潟での日本グランプリシリーズ開催は初めてで今後毎年開催していく競技会となる。

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藤光謙司「時間ない」東京五輪まで500日臨戦態勢

東京オリンピック(五輪)・パラリンピック埼玉開催PRラッピングバス出発式 左から上田埼玉県知事、藤光謙司、稲村亜美(撮影・戸田月菜)

17年陸上世界選手権男子400メートルリレー銅メダリストの藤光謙司(32=ゼンリン)が12日、埼玉県庁で行われたイベントに登場し、20年東京オリンピック(五輪)まであと500日という節目に「もう時間はないな、という感覚が強い。準備や調整の戦いも始まって緊張感高くやらなければいけないけれど、楽しくなってきている」と心境を明かした。

藤光は20年東京五輪の目標に「個人種目でファイナリスト、400メートルリレーで金メダル」と力強く言い、「東京五輪を20年以降もスポーツが発展する機会にして、さらに広げていきたい」との期待も話した。

この日はさいたま市出身の藤光が「SAITAMA PRIDEスペシャルアンバサダー」に就任することも発表された。同県寄居町出身の前マラソン日本記録保持者の設楽悠太(27=ホンダ)、同新座市出身の重量挙げの三宅宏実(33=いちご)、同毛呂山町出身の競泳の瀬戸大也(24=ANA)などに続く14人目の就任。藤光は「陸上でも何人か先に決まっていたので、僕にはいつ来るんだろうと思っていました。さいたま市出身というのをなかなかアピールする機会がなかったので、地元にこういう形で帰って来られてうれしい」と笑顔を見せた。

ともに登場した「SAITAMA PRIDEスペシャルPRサポーター」を務めるタレントの稲村亜美(23)は「藤光選手は成績もビジュアルも良いので、もう本当に頼もしく感じます。埼玉で開催される五輪競技のバスケットボール、ゴルフ、射撃、サッカーが超満員のお客さんに来てもらって、選手も最高のパフォーマンスができることを願っています」と期待をふくらませた。

東京オリンピック(五輪)・パラリンピック埼玉開催PRラッピングバス出発式 左からミライトワ、ソメイティ、上田埼玉県知事、藤光謙司、稲村亜美、コバトン、さいたまっち(撮影・戸田月菜)

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飯塚翔太「理想型の飛び出し角度」ピクトグラム絶賛

東京五輪のスポーツピストグラムを発表する陸上飯塚(後方中央)空手清水(同右から2人目)ら参加者たち(撮影・山崎安昭)

陸上男子短距離の飯塚翔太(27=ミズノ)が20年東京オリンピック(五輪)開幕まで500日となった12日、都内で行われた記念イベントに出席した。

「500日まであっという間にきた。しっかり準備していきたい。実感が湧いてきました」と話した。国際陸連は10日、東京五輪の参加資格としてランキング制と併用し、参加標準記録を採用すると発表した。その男子200メートルの数字は20秒24。リオデジャネイロ五輪と比べ、0秒26上がった。ただ日本歴代2位の自己記録20秒11の男は「もっと上を目指している。やることは変わらない」と気にする様子はなく「出来るだけ速く切って、東京オリンピックへの準備をしたい」と力を込めた。

イベントでは各競技を人型の絵文字で表現する視覚記号「ピクトグラム」のデザインが発表された。前傾したスタートダッシュの姿勢がデザインされた陸上のピクトグラムを見た飯塚は「理想型の飛び出し角度、筋肉も表現されている。速そう。非常に美しい」と絶賛。500日後に開幕が迫った舞台だけでなく、その先も見据える。「東京オリンピックが終わっても、スポーツの熱が続くようにしたい」と口にした。

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川内優輝「マラソン婚」デンソー水口侑子と5月挙式

川内優輝(左)、水口侑子

男子マラソンの川内優輝(32=埼玉県庁)が5月に結婚することが12日までに分かった。お相手は実業団のデンソーに所属する水口侑子(33)。5月に挙式し、婚姻届を出すという。

公務員ランナーとして活躍した川内は4月からプロに転向。92回目のマラソンとなった10日のびわ湖毎日では2時間9分21秒で、日本人2位の8位。目標とする世界選手権(ドーハ)の代表に前進し、20年東京オリンピック(五輪)の代表選考会「マラソン・グランドチャンピオンシップ」は回避する意向を示した。

水口はデンソーの全日本実業団対抗女子駅伝3連覇(13~15年)に貢献。10日の名古屋ウィメンズマラソンで2時間33分57秒の28位。ホームページで「デンソーでの最後のレースでした」と明かし「最後に自己ベストを更新して終わることが目標だったので、タイムはとても心残りですが、応援に来てくださったたくさんの方々の前で最後のマラソンのゴールをすることができてとても幸せです」などとコメントしていた。

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陸上の東京五輪出場権獲得は世界ランキング制を適用

国際陸連は10日、ドーハで開いた理事会で来年の東京五輪(オリンピック)の出場資格獲得方式を承認し、従来の参加標準記録に加え、このほど導入された世界ランキング制度を適用すると発表した。

選手総数は1900人を想定し、標準記録により各種目の50%が出場権を獲得し、残りは世界ランクで決まるという。リレーを除き、各国・地域の種目ごとの最大参加選手は3人。

標準記録は男子100メートルが10秒05、男子マラソンは2時間11分30秒、女子マラソンは2時間29分30秒などと設定された。記録の対象期間は原則的に今年5月1日から2020年6月29日。1万メートル、マラソン、競歩、混成種目、リレーは今年1月1日からが対象。

世界ランキングは記録と順位を大会の格も加味して得点化し算出。マラソンと男子50キロ競歩は来年6月3日、それ以外の種目は同7月1日のランクが適用される。

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岩出玲亜 次は日本新で2億円ゲット!?社長が約束

笑顔で取材に応じる岩出(撮影・上田悠太)

日本新記録で2億円ゲット!? 名古屋ウィメンズマラソンで、2時間23分52秒で日本人トップの5位だった岩出玲亜(24=アンダーアーマー)がレースから一夜明けた11日、名古屋市内のホテルで取材に応じた。今後、2時間19分12秒を切った場合、スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店であるドームの安田秀一社長からビッグボーナスが支給される約束を交わしていることを明かした。

事の発端は「先週末」。会社の朝礼前に安田社長と会い「日本新出せよ」と激励された。岩出が「出したら1億円でお願いします」とおねだりすると、「なんとかするか」と“交渉成立”したという。その後、社員300人以上が参加していた朝礼でも、安田社長が「岩出が1億円欲しいって」と述べたそうで、これで社内のコンセンサスも完了? 日本実業団連合もマラソンの日本記録樹立に1億円の報奨金を支払うプロジェクトを行っている。足せば、何と2億円だ。岩出は「もらえるものならもらいたい」とやる気満々だった。

選手のモチベーションを高めるため、安田社長は契約を結ぶスノーボード女子の竹内智香(35=広島ガス)にもピョンチャンオリンピック(平昌五輪)金メダルで3333万円の報奨金を約束。過去に所属していた陸上男子短距離のケンブリッジ飛鳥(25=ナイキ)とも、日本勢初の9秒台を出した場合に1億円を約束していた。

岩出は後半に膝が内側に入る悪癖を修正するなど成長を実感している。さらなる記録の更新も今後、期待できそう。9月15日の東京五輪代表選考会「マラソン・グランドチャンピオンシップ」へ向けて、17分40秒かかってしまった35~40キロを課題に挙げた。暑さ対策として、「暖かいところ」でトレーニングを積む意向を示した。

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プロ川内優輝、世界選の深夜号砲&時差「問題ない」

日本人2位になったびわ湖毎日マラソンから一夜明けた川内優輝(撮影・益田一弘)=2019年3月11日、滋賀・大津市内

男子マラソンの川内優輝(32=埼玉県庁)が「ミッドナイトラン」に自信を漂わせた。日本人2位となったびわ湖毎日から一夜明けた11日、滋賀から勤務先の埼玉に向けて移動した。

出場を熱望する今秋の世界選手権ドーハ大会は暑さ対策のために、10月5日午後11時59分号砲という異例のレース。マラソン92度を誇る川内もさすがに真夜中のレースは未経験かと思いきや「学生のころに終電を乗り過ごして、家まで走ったことがある。お金もないので、ビジネスホテルなんて泊まれず、当然、真夜中だから道にも迷って…。3時間ぐらい走って、深夜2時に家についた。そういう意味では経験済みです」と胸を張った。

一方で海外経験が豊富な32歳は「時差調整をしない」という仰天プランも披露した。日本とドーハは時差が6時間。「時差があるからいい。いつもは時差対策で飛行機で寝たりしますが、それをせずに、現地でも昼間にカーテンを閉めて、本来、寝るべき時間を夜みたいに過ごせばいい。時差がないところだと、深夜(のマラソン)に合わせるのが難しいが、時差があるからそんなに問題ないかなと思う」とさらりと言った。

体内時計を現地に合わせず、そのまま本番レースに臨めば、ドーハの午後11時59分は日本の午前5時59分。「ドーハはオイルマネーがあるでしょうから、空調もがんがん効いているでしょう」とニヤリ。調整がうまくいけば、川内の体内時計では、日本の早朝マラソンになるという寸法だ。

世界選手権代表は、6月にも日本陸連が決める。東京五輪代表選考を兼ねた「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」と中20日しかレース間隔がなく、MGCに出場する選手は世界選手権代表に選ばない見通しとなっている。独自路線を歩む川内はMGCよりも世界選手権ドーハ大会優先を表明している。

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陸上、世界ランクも適用 東京五輪の出場資格

国際陸連は10日、ドーハで理事会を開いて来年の東京オリンピック(五輪)の出場資格獲得方式を承認し、従来の参加標準記録に加え、このほど導入された世界ランキング制度を適用すると発表した。選手総数は1900人を想定。標準記録により各種目の5割が出場権を獲得し、残りは世界ランクで決まるという。リレーを除き、各国・地域の種目ごとの最大参加選手は3人。

標準記録は男子100メートルが10秒05、男子マラソンは2時間11分30秒、女子マラソンは2時間29分30秒などと設定された。記録の対象期間は原則的に今年5月1日から2020年6月29日。1万メートル、マラソン、競歩、混成種目、リレーは今年1月1日から対象となる。

世界ランキングは記録と順位を大会の格も加味して得点化し算出。大半の種目は直近1年の5大会、マラソンや1万メートルは1年半の2大会が対象となる。毎週発表されるが、マラソンと男子50キロ競歩は来年6月3日、それ以外の種目は同7月1日のランクが適用される。

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川内はMGCより世陸 プロ転向後もぶれず独自路線

8位でゴールする川内(撮影・白石智彦)

<陸上:びわ湖毎日マラソン>◇10日◇滋賀・大津市皇子山陸上競技場発着(42・195キロ)

川内優輝(32=埼玉県庁)が“公務員ラストマラソン”を日本人2位(全体8位)で飾り、今秋ドーハでの世界選手権の選考基準をクリアした。29キロ付近で右足に異変も終盤に根性で巻き返し、公言していた2時間9分台でゴール。出場権を得ていたMGCではなく、ドーハを目標に定めた。山本憲二(マツダ)が日本選手トップの7位。山本浩之(コニカミノルタ)と河合代二(トーエネック)が新たにMGC出場権を獲得した。男子の出場権獲得者は計30人となった。

いったん消えても、顔をゆがめた必死の形相でよみがえってくる。公務員として最後のマラソンも、川内らしさ全開だった。

先頭集団がペースを上げた29キロ付近。右ふくらはぎが「ピリッときた」。ズルズル落ちかけたが気持ちを入れた。力になったのは沿道の声援。そして「ドーハ、ドーハ」と心の中でつぶやき続けた呪文だった。「びわ湖ではいつも前半で落ちていた。何とか『サブ10』でいけてうれしかった」。宣言通りの2時間9分台に満足感をにじませた。

すでにMGC出場権を得ていたが、これで選考基準をクリアした世界選手権へ狙いは定まった。たとえ優勝しても東京オリンピック(五輪)の代表選考に影響しない。五輪への意欲は保留している川内だが、ドーハに向けては「MGCに出られないからではなく、覚悟を持った人が選ばれるべき。自分はドーハだけに100%尽くす」と意欲をあふれさせた。

世界選手権には悔いがある。17年ロンドン大会。序盤に転倒などのアクシデントがありながら、終盤に魂の猛追。結果は9位で8位入賞に3秒足りなかった。「ロンドンの3秒、できなくて悔しかった」。プロ転向の決断への要因ともなった「3秒」。五輪よりもほしいものがそこにはある。プロランナー川内の目標はぶれない。【実藤健一】

◆世界選手権ドーハ大会選考基準 枠は3。男子は北海道、福岡国際、別府大分、東京、びわ湖毎日が選考会。(1)選考会でMGC資格を取得できる成績を残した選手(2)日本人3位以内に入った選手(3)5月31日時点で国際陸連のワールドランキング日本人上位者、が選考対象になる。ただし同選手権男子マラソンはMGCから中20日で行われるため、MGCに出場する選手は選ばない方針。川内は優先度の高い(1)に該当、世界選手権優先を表明している。

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MGCで底上げ、マラソン界さらに活気を/瀬古利彦

MGC出場権を獲得した、左から大迫傑、設楽悠太、川内優輝

20年東京五輪マラソン代表選考会「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」に出場する資格を、男子30人、女子14人が獲得した。

4月末まで上位2レースの平均記録などが条件の「ワイルドカード」による選出は残っているものの、国内主要大会が終了し、1つの区切りを迎えた。本紙評論家の瀬古利彦氏がMGC出場権獲得を争った一連の選考レースを振り返った。

◇  ◇  ◇

MGCシリーズはいろんな選手がマラソンに取り組むことが狙いだった。当初、資格者を男子で35~40人、女子で15~20人と予想したが、期待した選手はほぼきている。男子の神野大地のように失敗してもまた挑戦する選手も出たし、資格をとった選手が思い切ったレースをする例もあった。トップの強化だけでなく、底上げにもつながった。一方で女子に大迫傑、設楽悠太のような存在感がある選手がまだいないのは少し残念。松田瑞生にもう一段階上の記録があれば、と思う。

うれしい誤算は、レースで優勝する選手が出てきたことだ。昨年11月福岡国際の服部勇馬しかり、昨春ボストンの川内優輝しかり。海外勢と戦える可能性を示した。東京五輪という目標、日本記録の報奨金1億円などで、マラソン界としての盛り上がりも出てきた。今後も選手をやる気にさせるシステムを考えていきたい。

MGCや五輪はペースメーカーがつかない。今後は勝ち方を覚えることが重要。タイムは海外勢にまだ及ばないが、東京五輪は地元の利がある。日本特有の蒸し暑さ。1年前に東京でMGCを走ることは大きなアドバンテージになるはずだ。(日刊スポーツ評論家)

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名門旭化成MGCゼロのピンチ、佐々木悟「力不足」

雨天の中スタートする佐々木悟(撮影・白石智彦)

<陸上:びわ湖毎日マラソン>◇10日◇滋賀・大津市皇子山陸上競技場発着(42・195キロ)

元日の全日本実業団対抗駅伝3連覇中の旭化成が、MGC資格者ゼロのピンチに陥った。リオ・オリンピック(五輪)代表の佐々木悟らが出場も獲得はならず。

33位の佐々木は「単純に力不足。チームとして(0人は)なかなか言葉が出てこないですが…」。名門チームは4月30日の期限までに、海外レースでのMGC資格者輩出を狙う。

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上原美幸が日本人3位でMGC、監督は伸びしろ期待

日本人3位でゴールし、MGC出場権を獲得し笑顔を見せる上原美幸(撮影・前岡正明)

<陸上:名古屋ウィメンズマラソン>◇10日◇ナゴヤドーム発着(42・195キロ)

16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)5000メートル15位の上原美幸(第一生命グループ)が、日本人3位(全体9位)でMGCへ歩みを進めた。

30キロ以降は外国勢や福士、岩出らに後れを取ったが「想定したレースができて良かった」。所属の山下佐知子監督も「実力通りの結果。(海外勢のペースアップに)日本人全員が反応できなかったが、伸びしろでいうと一番ある」と後半の走力強化に期待を込めた。

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岩出玲亜、自己記録更新で日本人トップに反省と納得

日本人トップでゴールする岩出玲亜(撮影・前岡正明)

<陸上:名古屋ウィメンズマラソン>◇10日◇ナゴヤドーム発着(42・195キロ)

すでにMGC出場権を得ていた岩出玲亜(アンダーアーマー)が、3年前のこの大会で出した自己記録を46秒更新し、日本人トップの5位と健闘した。

ペースメーカーが離れた30キロ以降も第1集団の後ろで粘りの走りを見せ、41キロ手前で福士を振り切った。海外勢のペースアップについていけなかった点は「ずるずると落ちた」と反省しながらも「ああいう展開だったけれど、チャレンジできた」と納得顔。MGCへ貴重な引き出しを増やした。

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山本浩之、河合代二がMGC/びわ湖マラソン詳細

<陸上:びわ湖毎日マラソン>◇10日◇滋賀・大津市皇子山陸上競技場発着(42・195キロ)

2時間11分以内でゴールした日本人1位の山本浩之(コニカミノルタ)、同2位の河合代二(トーエネック)が2020年東京オリンピック(五輪)代表選手選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」出場権を獲得した。旭化成勢はこのレースでは獲得できなかった。

優勝は2時間7分52秒をマークしたサラエディーン・ブナスル (モロッコ)。日本人トップは2時間8分42秒をマークした山本憲二 (マツダ)が総合7位。4月からプロ転向のため最後の公務員ランナーとしての出場となった川内優輝(埼玉県庁)は2時間9分21秒で総合8位だった。

MGC出場権を獲得して、笑顔でガッツポーズする、左から山本浩之、河合代二(撮影・白石智彦)

表彰式で笑顔でガッツポーズする、左から山本浩之、山本憲二、川内優輝、河合代二(撮影・白石智彦)

◆レース経過

※記録は速報値。日本人順位はMGC出場権を持つ山本憲二、川内優輝を除く

◆フィニッシュ サラエディーン・ブナスル (モロッコ)がトラック勝負を制し2時間7分52秒で優勝。日本人トップは2時間8分42秒をマークした山本憲二(マツダ)が総合7位。4月からプロ転向のため最後の公務員ランナーとしての出場となった川内優輝(埼玉県庁)は2時間9分21秒で総合8位だった。2時間11分以内でゴールした日本人1位の山本浩之(コニカミノルタ)、同2位の河合代二(トーエネック)がMGC出場権を獲得した。旭化成勢はこのレースでは獲得できなかった

◆最終順位

(1)ブナスル (モロッコ) 2時間7分52秒

(2)テフェラ (エチオピア) 2時間7分56秒

(3)モコカ (南アフリカ) 2時間7分58秒

(4)セウレイ (バーレーン) 2時間8分8秒

(5)ロビ (エチオピア) 2時間8分11秒

(6)シンブ(タンザニア) 2時間8分27秒

(7)山本憲二 (マツダ)2時間8分42秒

(8)川内優輝(埼玉県庁) 2時間9分21秒

(9)チェボティビン(サンベルクス) 2時間9分58秒

(10)山本浩之(コニカミノルタ) 2時間10分33秒 ※MGC出場権獲得

(11)河合代二(トーエネック) 2時間10分50秒 ※MGC出場権獲得

(12)髙橋裕太(大塚製薬) 2時間11分25秒

日本人1位でゴールした山本浩之がMGC出場権を獲得した(撮影・白石智彦

日本人2位でゴールした河合代二がMGC出場権を獲得した(撮影・白石智彦)

7位でゴールする山本憲二(撮影・白石智彦)

8位でゴールする川内優輝(撮影・白石智彦)

8位でゴールする川内優輝(撮影・白石智彦)

ガッツポーズしながら1位でゴールするサラエディーン・ブナスル(撮影・白石智彦)

2位でゴールするアセファ・テフェラ(撮影・白石智彦)

3位でゴールするスティーブン・モコカ(撮影・白石智彦)

◆41キロ テフェラ (エチオピア)とブナスル (モロッコ)が先頭集団から飛び出す

◆40キロ 先頭が2時間1分35秒で通過。先頭集団はロビ (エチオピア)セウレイ (バーレーン)モコカ (南アフリカ)テフェラ (エチオピア)ブナスル (モロッコ)の5人。山本憲二 (マツダ)は7位、川内優輝(埼玉県庁)は8位。日本人1位の河合代二(トーエネック)は2時間2分52秒で通過

◆39・5キロ 川内優輝(埼玉県庁)が河合代二(トーエネック)をとらえ8位浮上

◆39・3キロ 山本憲二 (マツダ)が先頭集団から遅れ始める

◆38・8キロ 河合代二(トーエネック)のペースが落ち、後ろを走る川内優輝(埼玉県庁)との差が15秒に縮まる

◆38・5キロ 山本憲二 (マツダ)が仕掛けるが不発

◆37・2キロ 先頭集団は山本憲二 (マツダ)ロビ (エチオピア)セウレイ (バーレーン)モコカ (南アフリカ)テフェラ (エチオピア)シンブ(タンザニア)ブナスル (モロッコ)の7人

◆36・4キロ 先頭集団が給水後にペースアップ。河合代二(トーエネック)が大きく遅れる

◆35キロ 先頭が1時間46分18秒で通過。山本憲二 (マツダ)河合代二(トーエネック)が先頭集団内。川内優輝(埼玉県庁)は30秒差の10位。12位寺内将人(愛知製鋼)、13位小椋裕介(ヤクルト)、14位髙橋裕太(大塚製薬)

◆34・8キロ ペースが落ち河合代二(トーエネック)が先頭集団に追いつく

◆34・3キロ 先頭集団がペースアップし、河合代二(トーエネック)が遅れ始める。山本憲二 (マツダ)は集団後方で追走

◆33・1キロ MGC出場権を持っていない日本人順位は、1位河合代二(トーエネック)、2位寺内将人(愛知製鋼)、3位髙橋裕太(大塚製薬)、4位小椋裕介(ヤクルト)

◆32・4キロ 河合代二(トーエネック)が先頭集団に追いつき8人に

◆32・2キロ 先頭集団は山本憲二 (マツダ)ロビ (エチオピア)セウレイ (バーレーン)モコカ (南アフリカ)テフェラ (エチオピア)シンブ(タンザニア)ブナスル (モロッコ)

◆31・8キロ 山本憲二 (マツダ)が集団の先頭に立ち、やや引き離す。先頭集団は7人に。8位集団に河合代二(トーエネック)。10位集団に川内優輝(埼玉県庁)

◆30キロ 先頭が1時間31分7秒で通過。ペースメーカーが外れ、ロビ (エチオピア)が仕掛け、山本憲二 (マツダ)が追走。6人が先頭集団を形成し、川内優輝(埼玉県庁)河合代二(トーエネック)らが7位集団

◆29・2キロ 早川翼(トヨタ自動車)清谷匠(中国電力)が遅れ始める

◆28・8キロ 大石港与(トヨタ自動車)が遅れ始める

◆28・1キロ 先頭集団内の日本選手は山本憲二 (マツダ)川内優輝(埼玉県庁)山本浩之(コニカミノルタ)大石港与(トヨタ自動車)清谷匠(中国電力)青木優(カネボウ)河合代二(トーエネック)小椋裕介(ヤクルト)髙橋裕太(大塚製薬)寺内将人(愛知製鋼)早川翼(トヨタ自動車)

◆27・4キロ 山本浩之(コニカミノルタ)清谷匠(中国電力)が遅れ始める

◆25キロ 先頭が1時間16分4秒で通過。先頭集団内の日本人選手は川内優輝(埼玉県庁)山本憲二 (マツダ)髙橋裕太(大塚製薬)清谷匠(中国電力)青木優(カネボウ)寺内将人(愛知製鋼)小椋裕介(ヤクルト)河合代二(トーエネック)横田佳介(中京大)山本浩之(コニカミノルタ)早川翼、大石港与(ともにトヨタ自動車)押川裕貴(トヨタ自動車九州)。市田宏(旭化成)は遅れ始める

◆23・7キロ 松村康平(MHPS)本田匠(旭化成)も遅れる

◆22・5キロ 佐々木悟(旭化成)が先頭集団から遅れる

◆中間点 先頭が1時間4分14秒で通過。国内招待選手のマイケル・ギザエ(スズキ浜松AC)、服部翔大(ホンダ)、海外招待選手のアマヌエル・メセル (エリトリア)が遅れる。兼実省伍(中国電力)佐藤歩(MHPS)高瀬無量(日清食品グループ)菊地賢人(コニカミノルタ)も離される

◆20キロ 先頭が1時間58秒で通過。集団の先頭付近に川内、横田佳介(中京大)、髙橋裕太(大塚製薬)、ロビ(ケニア)ら。集団は46人

◆18・2キロ ペースメーカーの1人のゲイ(タンザニア)が遅れるアクシデント発生

◆15キロ 先頭が45分39秒で通過。縦長になった先頭集団は47人

◆12・5キロ リオデジャネイロ五輪マラソン代表の石川末広(39=ホンダ)が足を痛めたもようで先頭集団から遅れる

◆10キロ 先頭が30分25秒で通過。予想フィニッシュタイムは2時間7分50秒。先頭集団は50人で日本人の国内招待選手は全員含まれている

◆7・2キロ 先頭集団は52人。集団の前方に川内、兼実ら。大石は後方に位置している

◆5キロ 先頭が15分16秒とやや遅いペースで通過。50人ほどの先頭集団内には兼実、川内、佐々木、山本、山本、大石の日本人の国内招待選手と本田、市田宏の旭化成勢が含まれている

◆4キロ 3キロから4キロのラップは3分6秒とペースが定まっていないもよう

◆3キロ 2キロから3キロのラップは2分57秒とややペースアップ

◆1キロ 先頭が3分6秒で通過。前方には佐々木悟(旭化成)川内優輝(埼玉県庁)兼実省伍(中国電力)ら

◆スタート地点 午後0時30分号砲。天候は雨、気温11度、湿度75%。ペースメーカーは1キロ3分2秒ペース

雨天の中スタートする川内優輝(撮影・白石智彦)

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福士はMGCでぜひ主導権握ってほしい/野口みずき

自身のタイムの横で笑顔を見せる福士加代子(撮影・前岡正明)

<陸上:名古屋ウィメンズマラソン>◇10日◇ナゴヤドーム発着(42・195キロ)

天候や気温に恵まれた上に、選手から「負けない」「絶対MGCに行く」という熱が伝わる面白い内容だった。福士選手は短い準備期間で上手にまとめ、衰えを感じなかった。大阪国際は(16年)リオ五輪以来のマラソンで少し硬かった。たらればになるが、棄権したことも、緊張がほぐれて良かったのかもしれない。

MGCは外国人とペースメーカーなし。福士選手はぜひ、主導権を握ってほしい。前から私も「トラックの時のように積極的にいかないと、もったいないよ」と彼女に言っていた。主導権がないと惑わされ、本来のペースやリズムをつかめずに落ちていってしまう。

MGC出場権があった岩出選手は、怖いものなしで自分の限界を試せた。(出場権確保優先で第2集団から組み立てた)前田選手も30キロでペースメーカーが離れてから元気になった。最近、火花を散らすレースが少なくなってきた気がしていたけれど、このピリピリ感が東京五輪につながる。これからは距離と質を上げた練習が大事になる。故障を恐れてはいけないし、MGCの先に五輪がある。けん制し合うだけのレースは面白くないし、タイムありきで走ってほしい。(04年アテネ五輪金メダリスト)

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福士加代子を前向きに、MGCに導いた親友との会話

テレビインタビューで笑顔を見せる福士加代子(撮影・前岡正明)

<陸上:名古屋ウィメンズマラソン>◇10日◇ナゴヤドーム発着(42・195キロ)

痛快なリベンジを果たした。女子マラソンの福士加代子(36=ワコール)が、20年東京オリンピック(五輪)の代表選考会「マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得した。2時間24分9秒の8位。

12・6キロ付近で転倒し、35キロで棄権した大阪国際女子から中41日。コンディション面での不安をよそに、16年1月の2時間22分17秒に次ぐ、自己2番目の記録で衰えぬ実力を証明した。女子のMGC出場権獲得者は計14人となった。

   ◇   ◇   ◇

福士は恐れなかった。先頭集団に付いた。30キロの給水で海外勢に離されたが、大きく腕を振り、食らい付き、42日前に途中棄権した35キロ付近から息遣いは荒くなった。フィニッシュすると手をたたき、険かった表情が笑顔に変わった。MGCの盾を受け取ると「いただきまーす。やっと取ったわ。疲れた」と“福士節”をさく裂させた。

大阪国際女子では転倒して流血。その後、途中棄権した時に永山監督から「名古屋行くぞ」と伝えられた。もう36歳。時間もない。その医務室では「俺、MGC取れるかな」と弱音を吐いた。レース後3日間は「脳振とうかな」と違和感があった。むち打ち、打撲や外傷の痛みは1週間後で消えたが、転倒対策に「でんぐり返し」練習までした。天真らんまんなイメージの裏で不安だらけだった。

そんな2週間前。携帯電話が鳴った。親友の瀬川麻衣子さん(36)だった。「緊張してきた」と本音を言った。瀬川さんとは今も一緒に旅行に行く仲。「また旅行、行きたいね。歳もいってるんだから、そこそこに頑張りましょう。無理すんなよ」と伝えられた。張り詰めていた緊張の糸。それをほぐす、親友ならではの言葉に「じゃあどこで最後、頑張るんだよ」と笑った。たわいない40分間で、自然と前向きになれた。

MGCは「1等賞とれればいいね」。ワコールにはMGC権利を持つ安藤、4月のロンドンで権利獲得が有力視される一山もいる。永山監督は3人を一緒に練習させる方針を示し「ミニMGCとして競いながら本番をイメージさせたい」。日本陸上界初の5大会連続五輪へ進む。【上田悠太】

ナゴヤドームに応援に駆けつけた福士の親友の松浦亜由美さん(左)と瀬川麻衣子さん(撮影・上田悠太)
日本人2位でゴール、MGCチケットを授与され笑顔を見せる福士加代子(撮影・前岡正明)

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