日刊スポーツ

バタフライ代表の水沼尚輝「失うものはない」同種目日本人メダル第1号誓う

バタフライ代表の水沼尚輝「失うものはない」同種目日本人メダル第1号誓う

教職員に向かいガッツポーズする水沼

東京オリンピック(五輪)の競泳100メートルバタフライ日本代表の水沼尚輝(24=新潟医療福祉大職)が21日、新潟医療福祉大の西澤正豊学長(70)らを訪ね、代表決定報告を行った。同大からの五輪選手輩出は初。

同種目での日本人メダリスト第1号の称号獲得も誓った。「50秒台中盤のタイムが確実にメダルにつながるタイムになる。そこに執着して残り3カ月、やり残しのないように泳ぎたい」。日本選手権の優勝タイム51秒03(自己ベスト)は19年世界選手権の銅メダルに相当するが、東京五輪で狙うタイムは日本記録51秒00を超えていた。

「失うものはない。チャレンジャーの立場で何かにトライしながら五輪に出たい」と水沼。優勝した日本選手権では呼吸法を2ストローク1呼吸の「1/2呼吸」に変更し自己ベストを出した。国立科学スポーツセンターをモデルにした「ミニJISS構想」を掲げる同大水泳部で科学的なトレーニングを施し、進化してきた。弱点のスタートなど、五輪前の修正点ポイントはあるだけに、まだ進化の途中だ。日本代表コーチを務める下山好充監督(49)は「かなり高いハードルだが、出るからにはメダルを取りたい」とまな弟子の目標を後押ししていた。【涌井幹雄】

日本代表コーチの下山監督(左)と笑顔でグータッチする水沼

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5月開催予定のAS五輪最終予選は6月に海外で開催

演技する日本チーム(2020年11月12日、代表撮影)

国際水泳連盟は20日、東京で5月に開催予定だったアーティスティックスイミング(AS)の東京オリンピック(五輪)最終予選を、6月に日本国外で行うと発表した。

新たな開催地は近く公表する。テスト大会を兼ねて、本番会場の東京アクアティクスセンターで行う計画だった。運営テストのみ、同会場で7月に実施する。日本は8人で行うチーム、2人で演技するデュエットとも開催国として出場が決まっており、最終予選は出場しない。

演技する乾友紀子(右)、吉田萌組(2020年11月13日、代表撮影)

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リオ代表の清水咲子、29歳誕生日に引退発表、東京五輪補欠は辞退 

女子400メートル個人メドレー決勝、バタフライで力泳する清水(2021年4月3日代表撮影)

競泳女子で16年リオデジャネイロ五輪代表の清水咲子が、29歳の誕生日となった20日、現役を引退した。所属のミキハウスが発表した。

清水は「本日をもって水泳を引退することを決めました。3歳から続けてきて、楽しいこと、苦しいこと、大切なことは水泳が教えてくれました。東京五輪への夢はかないませんでしたが、限界まで努力をしても望む結果が出ないことがあるということを知りました。それでも前を向いて進まなければいけないし、この結果を失敗とせず、今後の人生にいかしていくことが、ずっと大切なことだと思っています」とコメントを発表した。

清水は10日までの日本選手権で、本命種目としていた女子400メートル個人メドレーで3位。派遣標準記録を突破していたが、上位2人に入れなかった。

「ユニバーシアード、世界水泳、オリンピックなど国際大会や海外遠征を経験し、国内だけでなく海外にもたくさんの戦友、仲間たちが増え、皆に温かい声をかけてもらい助けられてここまで続けることができました。良いときも悪いときも自分を勇気づけてくれて、救ってくれたのはいつも周りの選手、先生、友人からの言葉でした。私の水泳人生は、皆様のおかげでとても幸せな時間と素晴らしい経験になり、そしてこれからの私の原動力になっています」と感謝した。

「今後については未定ですが、何かしらの形で水泳に携わって恩返しをしていけたらと考えています。最後に、ここまで不自由なく競技を続けさせてくださった所属のミキハウスをはじめ、応援してくださった全ての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。選考会後は毎日競技人生が幸せだったなと余韻に浸っています。本日は誕生日でもあるので、この29歳の誕生日を機に新たなスタートにしたいと思います。本当にありがとうございました」と締めくくった。

清水は、日本選手権後に東京五輪日本代表の補欠選手となっていた。自国開催の五輪で万全を期すために、代表選手のコロナ禍やけがなど不測の事態に備える形だったが、本人の意向で辞退することになった。

競泳日本選手権第1日 女子400メートル個人メドレー決勝のレースを終え、3位に終わり天を仰ぐ清水(2021年4月3日)

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競泳リオ五輪代表の清水咲子が現役引退 藤森丈晴、高橋美帆、長谷川純矢も

清水咲子(2016年4月4日)

ミキハウスは20日、競泳の所属選手4人の現役引退を発表した。16年リオデジャネイロ五輪代表の清水咲子に加えて、藤森丈晴、高橋美帆、長谷川純矢が現役を終えることになった。4人は10日までの日本選手権で五輪代表を逃していた。

ドーピング検査陽性による資格停止処分を終えて東京五輪を目指した藤森丈は「自身の競技生活へ幕を閉じさせていただくことをご報告いたします。選手として約20年間、夢と目標に向かって突き進んできました。改めて、ここまで夢中で泳ぎ続けて来られたのは、周りの方々のさまざまな支えがあったからだと心の底から感じています。会社をはじめ、支えていただいた方々や、そのつながりをくれた競技生活に感謝の気持ちしかありません。今後はやりたいことがたくさんあるので、残りの人生をもってやり切れるよう尽力します。これからの活動も引き続き応援していただけると幸いです」とコメントした。

高橋は「東京五輪に向けて努力を重ねてきましたが、代表入りすることができず、現役を引退いたします。水泳を通じて、目標に向かって共に努力する時間を過ごしたかけがえのない仲間と、多くのことを教えてくださる方々に出会えたことはとても幸せです。長い時間をかけて情熱を注いでくれるコーチに出会えたことは選手としてとても恵まれたことだったと思います。今までサポートしてくださった所属のミキハウス、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました」とした。

長谷川は「東京五輪を目標に取り組んできましたが目標には届かず現役を引退することに決めました。一人では乗り越えられなかったことも多くの方に支えていただき、競技を続けられる幸せを感じることができました。サポートしていただいた方々に心より感謝いたします。今後は競技生活で学んだことをいかし、新たな目標を見つけ努力していきます。応援ありがとうございました」とした。

競泳日本選手権第1日 女子400メートル個人メドレー決勝のレースを終え、3位に終わり天を仰ぐ清水(2021年4月3日)

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競泳の佐藤翔馬が200平五輪金プラン「150mで突き放すこと」

公開練習を終え、カメラに向かってピースサインを見せる競泳五輪代表の佐藤(撮影・江口和貴)

東京オリンピック(五輪)競泳男子200メートル平泳ぎ代表の佐藤翔馬(20=東京SC)が20日、都内で練習を公開した。10日までの日本選手権で初の五輪切符をつかんで「五輪はずっと見てきた側だった。出る側の自覚をもって、頑張りたい。東京五輪では金メダルを目指してがんばりたい。プランは150メートルで突き放すこと。前半から突っ込んでいける練習をしたい」と話した。夏の本番を見据えて準備を進める。

5月には所属先が開催する「東京SC Swim Meet」に出場を予定。同大会は五輪と同じく予選、準決勝、決勝と3本のレースを行う新設大会。国内では予選、決勝のレース2本で行う大会がほとんどだけに、佐藤にとっては貴重な経験の場になる。西条コーチはレース3本の大会について「自分たちのチームで、まずやっていこうということです」と説明した。

東京SCは、日本競泳陣が64年東京五輪で銅メダル1個と惨敗した経験から、設立された。平井伯昌-北島康介で金メダル4個など輝かしい実績を挙げている。その系譜に連なる佐藤は「康介さんは金メダルをとっているので、僕も金メダルをとりたい」。名門・東京SCのバックアップも受けて、夏本番を見据えて準備を進める。【益田一弘】

公開練習で力泳する競泳五輪代表の佐藤(撮影・江口和貴)
公開練習を終え、ストレッチする競泳五輪代表の佐藤(右)。左は西条コーチ(撮影・江口和貴)
公開練習を終えた競泳五輪代表の佐藤(撮影・江口和貴)
公開練習前、取材に応じる競泳五輪代表の佐藤(撮影・江口和貴)
競泳五輪代表の佐藤翔馬の公開練習前、取材に応じる西条コーチ(撮影・江口和貴)

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東京五輪代表の乾友紀子、吉田萌組が優勝

アーティスティックスイミングのワールドシリーズは17日、ロシアのカザンで行われ、デュエット・フリールーティン(FR)で東京オリンピック(五輪)代表の乾友紀子(井村ク)吉田萌(ザ・クラブピア88)組が93・0000点で優勝した。3カ国で争われたチームFRで日本は93・1667点で2位だった。(共同)

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池江璃花子「内定びっくり…数カ月で速くなれる自信ある」五輪壮行会で決意

池江璃花子(2021年4月10日撮影)

競泳東京五輪代表の池江璃花子(20=ルネサンス)ら日大勢5人が17日、都内で水泳部による五輪壮行会に出席した。池江は長谷川、小堀、関、本多と参加して「池江璃花子が世界に戻ってきたことを証明できるように頑張りたい」と決意表明。「1年前は全く泳げず、19年の世界選手権も出られず。五輪内定で(海外の)他の選手もすごくびっくりしていると思う。私もびっくりしてますが。この数カ月でも速くなれる自信がある。リレーの中でも、圧倒するようなレースができれば」と意気込んだ。

今後は代表組が出場する「いきいき茨城ゆめカップ」(5月21~23日、笠松運動公園山新スイミングアリーナ)と「ジャパン・オープン」(6月3~6日、千葉県国際総合水泳場)を予定。「(リレー代表の内定を得た)100メートルバタフライと100メートル自由形はしっかり代表選手らしい泳ぎができたいい」と話した。

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池江璃花子、五輪内定報告「仲間とのきずなや活力で夢かなえ」5人日大現役

日大に五輪内定報告に訪れた池江璃花子(日大提供)

東京オリンピック(五輪)競泳女子代表で日大に在学する池江璃花子(20=ルネサンス)が16日、東京・千代田区の日本大学会館を訪れ、五輪代表に内定したことを報告した。

田中英寿理事長、加藤直人学長からねぎらいの言葉をかけられた池江は「皆さんのご声援、本当にありがとうございました。5人は日大現役として東京五輪に選出されました。仲間とのきずなや活力で夢をかなえました」と、お礼の言葉を述べた。

同じく日大から五輪代表に内定した本多灯(19)小堀倭加(20)長谷川涼香(21)関海哉(21)とともに「仲間とともに夢をかなえよう!」「行くぞ日大!」と大きな声で健闘を誓っていた。田中理事長は「(五輪開催まで)100日を切ったこれからは、それぞれの体調管理や調子を上げていくのが大変な作業だと思う。メダルに近づけるよう頑張ると思いますが、自己最高を目指してほしい」と声をかけていた。

池江は五輪に向けて「母国開催で5年前とは立場も違うし、違った環境で行う五輪です。心強い日大の仲間がいるので支え合って頑張りたい」と決意を述べた。また、日大生に向けて「なかなか学校には行けませんが、見かけたら声をかけてもらえるとうれしい」と、さらなる応援を期待するメッセージを送った。

池江は10日までの日本選手権で、バタフライ、自由形とも50メートル、100メートルと4冠を獲得し、東京五輪の400メートルリレー、同メドレーリレーの代表選手に内定した。2019年2月に白血病を公表。同12月に退院して当初は24年パリ五輪を目標にしていたが、見事に東京五輪の切符を手にした。

日大に五輪内定報告に訪れた池江璃花子(日大提供)
日本大学会館に表敬訪問した池江(後列右から2人目)ら日大水泳部の部員たち(後列)。前列左から加藤学長、田中理事長(日大提供)

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競泳にドラフト制度導入!国際リーグ日本から「東京フロッグキングス」参戦

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競泳にドラフト! 競泳国際リーグ(ISL)は16日、21年シーズンでドラフト制度を導入することを発表した。最大36人で構成される各チームの戦力均衡を図って、よりスリリングな試合を提供することが主な目的。競泳界で珍しい団体戦を採用しているISLが、「ドラフト」という新要素を盛り込んだ。3季目の今年は、世界各地の10チームが参加。日本から「東京フロッグキングス」(北島康介GM)も参戦する。

「ISLドラフト」は6月に実施予定。参戦を表明した選手について、各チームのGMが希望する選手を指名していく。まずチームは昨季所属した選手の中から15人まで指名して、キープできる。これは、いわば「プロテクト」といえる。

それ以外の選手は「ISLドラフトプール」でリスト化されて、昨季下位のチームから選手を1人ずつ選出していき、10人まで獲得。またISL初参戦となる「ISLルーキー」の中から選手1人、ファン投票で選ばれた選手1人を獲得する。

「ISLドラフト」では1チームが最大27人まで選手を獲得可能。ドラフトで指名されなかった選手はその後、各チームのGMと個別に交渉することになる。

ISLを創設したグレゴリシン氏は「第3シーズン開幕前にドラフトを行うことで、リーグへの興味を引き付け、期待感を醸成することができます。ISLドラフトは競泳界にとって革命的な取組みであり、チーム戦略と個人戦略を融合さ

せ、一方でファンは応援するチームに好きな選手を選出することができます」とコメントした。

3季目の今年は8月末から予選、11月にプレーオフ、12月末に決勝と3つのステージに分けて大会を開催。それぞれの開催地は選定中でアジア、ヨーロッパ、北米が候補となっている。

ISLは、競泳では珍しい団体戦を採用。レースの順位によって与えられる得点で競い、エンターテインメント性が特徴となっている。

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競泳1500m自由形日本記録保持者の山本耕平が現役引退 五輪代表逃す

記録を確認する山本耕平(2018年8月12日撮影)

競泳男子1500メートル自由形で日本記録14分54秒80を持つ山本耕平(29=ミズノ)が現役を引退した。16日、所属先が発表した。

山本は、10日までの日本選手権で東京五輪代表を逃していた。今後は同社で水泳に携わる業務を担当する。14年仁川アジア大会銀メダルを獲得するなど、長距離の第一線で活躍してきた。

山本は「目標としていたオリンピック出場が果たせませんでした。また肩のけがによりさらなる身体の強化は難しくなってきていたため、引退を決めました。今までサポートしてくださった会社と応援していただいた全ての皆様、ありがとうございました。これからは選手活動で得た経験や知識を水泳界に還元するとともに、ミズノの一員として社会に貢献していく決意を固めています」とコメントを発表した。

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五輪代表川本 応援してくれた亡き祖母に「メダル見せに行く」

川本武史(21年4月撮影)

東京オリンピック(五輪)開幕100日前の14日、競泳東京五輪代表で男子100メートルバタフライでメダルを狙う川本は「ラスト15メートルで自分をコントロールする力を身につけたい」。

五輪代表を決めた2日後の11日に父方の祖母がなくなった。「応援してくれた。五輪のメダルを見せにいく」。

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最年長ベテラン入江 日本代表主将に任命「チームの力高める」

入江陵介(21年4月撮影)

東京オリンピック(五輪)開幕100日前の14日、競泳東京五輪代表で最年長の31歳入江が、日本代表主将に任命された。

4度目五輪のベテランは「チームの力を高める。初代表君も個人の色を出せるように」とした。印象に残っている主将は12年ロンドン五輪の松田丈志氏。名言「(北島)康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかない」も有名。名言アゲインの期待もあるが、入江は「名言は作るものじゃないですよ」と苦笑いした。

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五輪代表萩野 これからの100日を「有意義に使っていきたい」

萩野公介(21年4月撮影)

東京オリンピック(五輪)開幕100日前の14日、競泳東京五輪代表の萩野は3度目の五輪に向けて「100日はあっという間にきちゃう。でも100日すべて全力でやるのは疲れてしまうと思う。有意義に使っていきたい」とした。

「キャリアの最後の方に近づいている。そんなに具体的ではないが、現在、24年パリ五輪は意識してない。全部の実力を東京五輪にぶつけたい。ここ数カ月は人生でも濃密な時間になる」と覚悟を口にした。

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瀬戸大也「五輪があってもなくても全力」延期で喪失感抱え考え変わった

日本代表合宿中にオンラインで取材に応じた瀬戸大也(日本水泳連盟提供)

競泳東京五輪代表の瀬戸大也(26=TEAM DAIYA)が開幕100日となった14日、オンラインで取材に応じた。3種目での出場に向けて「100日はちょうどいい。しっかり集中できる」と口にした。

20年明けに好タイムを連発も、五輪延期で喪失感を抱えた。女性問題で活動停止も受けた。「延期で4年に1度の価値が薄れた感じがした。去年3月後半からほぼ練習してない時期が8カ月間あった」という。

現在は考えが変わった。「コロナ禍で五輪もネガティブに思う人もいる。でもきっと開催されてたくさんの活躍をみたら、前向きに捉える人も増えてくると思う。(女性問題は)自分の結果で調子に乗って起こした。それでも応援してくれるという人に救われている」。目標は個人メドレー2冠、200メートルバタフライ銀メダル以上。「五輪があってもなくても水泳で全力を尽くしていきたい」。

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「勇気を与えたい」池江璃花子が力をもらった存在 五輪開会式まで100日

日本代表合宿中にオンラインで取材に応じた池江璃花子(日本水泳連盟提供)

競泳東京オリンピック(五輪)代表の池江璃花子(20=ルネサンス)が14日、代表合宿中にオンラインで取材に応じた。

五輪開会式まで100日となり、さまざまな意見があることを理解した上で「(五輪が)あるならあるで、全力で応援してほしいなと思います」と願いを口にした。他競技から勇気をもらった経験を語り、アスリートとして、ベストを尽くすことを誓った。20歳は、人々に共感を呼び起こすスポーツの力を信じている。

  ◇  ◇  ◇

日本選手権4冠から4日後。池江はオレンジ色の代表ジャージーで取材に応じた。開会式まで100日となって「あっという間。7月まであと3カ月。何秒縮まるか、ワクワクもある」。その上で、コロナ禍での東京五輪について言った。

池江 必ずしも皆が皆、ポジティブにとらえているわけではないかもしれないけど、私の中でスポーツ選手を見て、勇気をもらっている人もたくさんいるんだなと実感している。自分自身も、スポーツで勇気や力をもらったことがある。今は大変な時期ではあるけれど、勇気を与えたい。全力で泳ぐのは当たり前ですが、今、このスポーツの力を皆に届けて、どんどんよりよい気持ちに、日本中だけではなく、世界中がそういうふうになってほしいなと思います。(五輪が)あるならあるで、全力で応援してほしいなと思います。

力をもらった存在がある。18年平昌五輪でけがを乗り越えて金メダルの羽生結弦。「すごい。私も頑張りたい」とその日のレースで200メートル自由形で日本新。また親交がある競泳女子のサラ・ショーストロム(スウェーデン)は2月の右肘骨折から動きだしている。「もう泳いでいる。さすがだなと思う。サラの分まで練習を頑張りたい。サラにも早く戻ってきてほしい」。選手が一心不乱に取り組む姿に、胸を打たれている。

何度聞いても、切なくなる。東京五輪のヒロイン候補が19年2月に白血病。抗がん剤治療が始まった同3月には「2週間半ぐらいベッドから動けず、点滴で栄養をいれた。生きてることがしんどいなと思って。耐えられなくて母に言ってしまった。母は悲しんでいた」。パリ五輪を目標に再出発。最初は免疫力が低下してプールに入れず、治療の影響で骨がもろくて激しい動作はできなかった。「骨が硬くなった、免疫力が上がった。病院の検査さえもモチベーション」。そして4月に驚異の8日間を走り抜けて、代表を手にした。

大会後は病院で体調について「何も問題ありません」と診断された。リレー代表としてチームに貢献する覚悟。五輪1年前の昨年7月、国立競技場に立って「1年後、オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなにすてきだろう」と願った。その願いを胸に抱いたまま、アスリートとして7月23日に備える。【益田一弘】

◆池江の日本選手権VTR 8日間計11レースを泳いで4冠を獲得した。4日に100メートルバタフライで優勝&リレー派遣標準記録を突破。400メートルメドレーリレー代表に内定。涙を流して「つらくて、しんどくても努力は必ず報われるんだな」と大粒の涙。8日は100メートル自由形で再び優勝&リレー派遣標準記録。400メートルリレー予選は開会式翌日の7月24日で「初日の流れは日本チームにとって大事。自分が引っ張っていくつもりで」と意気込んだ。最終日の10日は50メートルのバタフライと自由形でV。大会4冠でリレー2種目の代表内定。「決まったから自分の使命を果たさなきゃいけない。リレーがメインになると思うが、チームに貢献したい」と夏を見据えた。

日本選手権女子100メートルバタフライで優勝、五輪出場も内定し涙する池江璃花子(2021年4月4日)
10日、日本選手権での女子50メートル自由形決勝で、入場時にガッツポーズを見せる池江璃花子
女子50メートルバタフライ予選に臨む池江(撮影・江口和貴)
女子50メートルバタフライ予選直前の池江(代表撮影)
女子50メートル自由形決勝で優勝し四冠を達成した池江(撮影・江口和貴)
女子100メートル自由形で優勝した池江(左)は4位の大本と抱き合って喜ぶ(撮影・鈴木みどり)
女子100メートル自由形準決勝のレース後、タイムを確認する池江(代表撮影)

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池江璃花子日の丸ジャージーで「スポーツには勇気、希望、未来を変える力」

日本代表合宿中にオンラインで取材に応じた池江璃花子(日本水泳連盟提供)

東京五輪競泳女子代表の池江璃花子(20=ルネサンス)が14日、代表合宿中にオンラインで取材に応じた。日の丸のジャージーに袖を通して「まさか今年このジャージーを着られるとは思っていなかった。ものすごくうれしい」と喜んだ。

4冠を獲得した日本選手権後に病院を訪れて大会の成績を報告。医師から体調に関して、変化はないとの診断を受けた。「試合の次の日に一番疲労がきた。いまは意外と大丈夫。毎日、筋肉痛です」と苦笑い。それでも「体がだるいなという感覚はないです」と笑顔を見せた。

東京五輪はリレー代表として選出された。「集中してレースができる。リレーで力を発揮して、タイムを上げてチームに貢献したい」と意気込んだ。

白血病公表から2年2カ月。昨年8月の復帰レースから8カ月で代表に返り咲き。「全力で泳いでかっこいいところをみせられたらと。全力で泳いで五輪もついてきた」と振り返った。

「スポーツには勇気、希望、未来を変える力があると思います。私自身他のスポーツに勇気をもらいます」。具体的な例として、18年平昌五輪で金メダルを獲得した羽生結弦と、2月に右肘を骨折した競泳女子サラ・ショーストロム(スウェーデン)を挙げた。「羽生選手が金メダルをとって、すごいという感覚。私も頑張りたいと思えたのは羽生選手でした。サラ選手はもうトレーニングをして泳いでいると。さすがだなと思った。サラ選手の分も頑張りたい、早く戻ってほしいなと思っています」。

その上で東京五輪に向けて「意外と早く戻ってこられたな。あとは伸びていく自信しかない」とした。

10日、日本選手権での女子50メートル自由形決勝で、入場時にガッツポーズを見せる池江璃花子
日本選手権女子100メートルバタフライで優勝、五輪出場も内定し涙する池江璃花子(2021年4月4日)
女子50メートル自由形決勝で優勝し4冠を達成した池江(撮影・江口和貴)
女子100メートル自由形で優勝した池江(左)は4位の大本と抱き合って喜ぶ(撮影・鈴木みどり)

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「カツオ」松元克央400mリレー回避「200m専念でチームに勢いを」

松元克央(5日撮影)

競泳男子で東京五輪代表の「カツオ」こと松元克央(24=セントラルスポーツ)が13日、代表合宿中にオンラインで取材に応じた。

金メダルを狙う200メートル自由形専念のため、日程が重なる400メートルリレーを回避。88年ソウル五輪金の鈴木大地を育てた鈴木コーチから「そんな余裕はない、おれは辞めた方がいいと思う」と言われて「鈴木コーチがそういうなら甘くないんだな」と決めた。追加で代表になった塩浦には「大丈夫ですか?」と聞いて「全然大丈夫だよ」と言われた。合宿の全体ミーティングで「申し訳ないです。その分、200メートルでチームに勢いをつけられたら」と決意を表明。あと100日となった五輪に向けて「プラスを積み上げたい」とした。

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塩浦慎理が400mリレー代表追加、妻おのののか「本当に良かったね」

塩浦慎理(2021年4月10日撮影)

東京オリンピック(五輪)代表の競泳男子塩浦慎理(29=イトマン東進)が12日、代表合宿中にオンラインで取材に応じた。

10日までの日本選手権で内定を逃したが、200メートル自由形で金メダルを狙う松元克央(24)の負担軽減のために、選考委員会の協議で400メートルリレー代表として追加された。塩浦は「(10日に)車で家に帰る時に連絡がきて、すごく驚いた。レース後は将来のことも含めて気持ちの整理に時間がかかりそうだと思っていたから」と振り返った。

昨年結婚したタレントの妻おのののかには「本当に良かったね」と言われた。「(妻は)『なんと声をかけようか』と思っていた、と。いい時はおめでとうと喜んでもらえるが、代表を外れた時は気を使わせてしまう。代表に決まって、覚悟がきまった。チャンスを与えていただいたことはうれしいこと。やり切りたい」と決意を新たにした。

おのののか(2019年12月14日撮影)

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池江璃花子が男女混合リレー出場も 五輪新種目に体調次第で3種目目

日本選手権女子100メートルバタフライで優勝、五輪出場も内定し涙する池江璃花子(2021年4月4日)

日本選手権4冠の池江璃花子(20=ルネサンス)が、東京五輪で新種目・混合400メートルメドレーリレーに出場する可能性が出てきた。11日、代表選手が発表されて男子17人女子16人の計33人が選ばれた。日本オリンピック委員会の承認を得て、日本代表選手団として編成される。池江は400メートルリレー、400メートルメドレーリレー代表。100メートルのバタフライと自由形で優勝したことから、体調を優先しつつリレー3種目目として新種目が視野に入った。

   ◇   ◇   ◇

東京五輪で、池江に3つめのリレー種目が視野に入った。新しく採用された混合400メートルメドレーリレー。男女2人ずつ合計4人が背泳ぎ→平泳ぎ→バタフライ→自由形で100メートルずつを泳ぐ。男女どちらをどの泳法に配置するかは自由。自国のチーム構成に応じて戦略を立てる。池江は、第3泳者のバタフライで出場する可能性が出てきた。

ポイントは、東京五輪の競技日程。同リレーは7月29日夜に予選で、同じ時間帯に男子100メートルバタフライ予選がある。同種目は水沼、川本が代表入り。自己ベストは水沼が51秒03、川本が51秒00。19年世界選手権3位相当で、日本勢初のメダルが期待されている。

同リレーでバタフライに男子を起用すると、29日午後に個人予選→同リレー予選と短いスパンで2本。しかも翌30日午前に個人準決勝。決勝がかかる勝負レース前に、同リレー予選は入ることは避けたい状況だ。

同リレー独自のセオリーもある。競泳では出遅れると先行する相手の波を受けて泳ぎにくくなる。また男子が作る波に女子は慣れていない。そのため同リレーでは多くの国が男子→男子→女子→女子で、先行逃げ切りを狙うことが多い。

池江はバタフライ、自由形で1番手。後半の2泳法が泳げるマルチな存在といえる。同リレーは7月29日予選、同31日決勝、女子400メートルメドレーリレーは30日予選、8月1日決勝と本番での日程も重複しない。

過去の五輪ではリレー代表が個人種目に出ることがあったが、日本水連は東京五輪について、基本的にリレー代表はリレー種目を優先する方針。池江は「決まったからには自分の使命を果たさなきゃいけない。リレーがメインになると思うが、チームに貢献したい」と話している。日本代表の平井ヘッドコーチは「(池江は)戦力として頼もしい。ただ体調を最優先してできるところは合流してもらう形をとるのではないか」。現在も6週間に1度は通院しており、体調が最優先であることは変わらない。慎重に状況を見極めながら、新種目の可能性を探る。【益田一弘】

◆混合400メートルメドレーリレー 東京五輪からの新種目。各チームに委ねられた選手の配置が、勝負のかぎを握る。世界選手権では15年カザン大会から実施されて、英国が3分41秒71で初代王者。世界記録は中国で3分38秒41。日本記録は18年8月の3分40秒98で、順番は男子入江陵介-男子小関也朱篤-女子池江璃花子-女子青木智美だった。

<補欠> 背泳ぎ・坂井聖人・25歳・セイコー バタフライ・森本哲平・19歳・イトマン近大 個人メドレー・清水咲子・28歳・ミキハウス
東京五輪競泳リレー日本代表

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池江璃花子がSNS更新「まさか全種目優勝できるとは」東京五輪へ意欲も

池江璃花子(2021年2月20日撮影)

3年ぶりの日本選手権で4冠を達成した競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が11日、自身のSNSを更新した。

4種目のメダル、賞状、日本水連のぬいぐるみでかっぱをモチーフにした「ぱちゃぽ」の写真を掲載。自身の決勝記録を掲載した上で「8日間のレースが昨日終わりました。まさか全種目優勝できるとは想像もしてませんでした。とてもうれしいです。夏に向けてさらにタイムを上げ、チームに貢献できるようにがんばります」とつづった。

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競泳五輪代表に塩浦慎理、白井璃緒、増田葵、池本凪沙が追加

塩浦慎理(19年7月撮影)

日本水連は11日、東京オリンピック(五輪)競泳日本代表を発表した。

10日までの日本選手権で内定を得た29人に加えて、大会後の選考委員会による協議の結果、男子自由形塩浦慎理(29=イトマン東進)女子自由形白井璃緒(21=東洋大)増田葵(24=菅公学生服)、池本凪沙(18=イトマン)の4人が追加された。

合計33人の競泳日本代表は、日本オリンピック委員会(JOC)による最終的な承認を得て、他競技も含めた東京五輪日本選手団として、編成される。

塩浦は、400メートルリレーメンバーの5人目として選出された。同種目は100メートル自由形の結果に基づいて、1位中村、2位松元、3位関、4位難波が内定。5位塩浦は内定条件をクリアできなかった。

ただ松元克央は、個人種目の200メートル自由形で金メダルを目標としている。同種目と400メートルリレーは日程が重なっており、日本水連は、塩浦の追加について「同種目の選考選手の個人種目出場による負担軽減を目的として、100メートル自由形種目において次点(5位)となった選手を選考する」と説明。補足として「200メートル自由形において、松元克央選手が2019年世界選手権の同種目優勝記録を上回った(1分44秒65)ことにより、200メートル自由形に集中させ、同選手のリレー種目出場での負担を軽減させることへの特別措置」とした。

塩浦は、日本記録を持つ50メートル自由形も4位だった。昨年結婚した妻でタレントのおのののかに五輪切符を届けられなかった。レース後は「頑張らなかったのは自分。悔しさも正直ない。この感じで続ける必要はあるのか」と大きなショックを口にした。しかし100メートルで5位に入っていたことで、「カツオ」こと松元の金メダル獲得をアシストする役割を期待される形で、2大会連続の五輪代表に滑り込んだ。

女子の白井、増田、池本は、200メートル自由形で2位、3位、4位だった。同種目は800メートルリレーの代表選考も兼ねていたが、リレーでの内定は1位五十嵐のみだった。他種目で代表入りした選手が五輪本番で800メートルリレーを泳ぐ選択肢もあったが、その場合は専門の個人種目以外で200メートル自由形を最大2本泳ぐことになる。選考委員会で協議した上で、200メートル自由形の順位通りに追加される形となった。

日本水連は出場枠を獲得しているリレー種目について、その枠を放棄しない方針を示している。

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競泳五輪代表補欠に坂井聖人、森本哲平、清水咲子

坂井聖人(19年2月撮影)

日本水連は11日、東京五輪競泳日本代表33人を発表した。またコロナ禍などによる不測の事態に備えて、補欠選手も発表。

大会後の選考委員会が協議した上で男子背泳ぎ坂井聖人(25=セイコー)同バタフライ森本哲平(19=イトマン近大)女子個人メドレー清水咲子(28=ミキハウス)の3人が補欠選手に選ばれた。

日本水連は、補欠選手の選考について「地元開催である東京五輪2020・競泳競技のエントリーについて、万全を期すために代表選手がけがあるいはコロナ感染などにより、出場が困難になった場合に備えて、補欠選手を選考することとする。なお出場の可否の判断は選考委員会が行う」と説明。選考条件は「個人及びリレー種目の選考外となった最上位選手かつ日本水連が定めた派遣標準記録を突破している者」とした。

男子の坂井は200メートル背泳ぎで、森本は200メートルバタフライで、女子の清水は400メートル個人メドレーで派遣標準記録を突破していたが、3位となったことで、代表内定を逃していた。

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飛び込み五輪予選一転開催 アーティスティックスイミングは近日発表へ

国際水泳連盟は9日、中止の意向を示していた飛び込みの東京オリンピック(五輪)最終予選とテスト大会を兼ねたW杯について、5月1~6日に東京で実施すると発表した。4月18~23日に本番会場の東京アクアティクスセンターで開催予定だったが、新型コロナウイルス対策に関する経費や防疫措置を巡って日本側と折り合わず、取りやめると発表していた。

5月29、30日に福岡市で行う計画だったオープンウオーター(OWS)の五輪最終予選は、過去に五輪予選の開催実績があるセトゥバル(ポルトガル)で6月19、20日に開くことになった。5月1~4日に東京アクアティクスセンターで行われる予定だったアーティスティックスイミング(AS)の五輪最終予選の日程、会場は近く発表する。関係者によると、国内で代替開催する方向で調整している。(共同)

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平井ヘッドコーチ、池江は「表情も体も見違えてアスリートに」/一問一答

プールサイドから選手をチェックする平井競泳日本代表ヘッドコーチ(2021年1月24日・代表撮影)

<競泳:日本選手権兼東京オリンピック(五輪)代表選考会>◇10日◇最終日◇東京アクアティクスセンター

日本代表の平井伯昌ヘッドコーチ(57)が大会を総括した。一問一答は以下の通り。

-最終日の50メートル種目を総括

男子50自由形。準決勝を見ると、派遣標準記録になかなか届きそうもない気もしたので、本来であれば、松井選手、塩浦、中村選手も高い記録を持っているので、突破してほしかったのですが、ちょっと残念でした。女子は五輪種目ではないですけど、バタ(フライ)で池江さんがすごく大きな泳ぎで好記録で泳いでいた。注目して、派遣標準記録を切るのでは、と思って見ていた。準決勝に比べると、バタフライよりテンポを上げて小さい泳ぎだったので、本人も記録を狙っていたのではないか、と思いましたが、この8日間の選考会で、表情も体も見違えて以前のようなアスリートになってきたと思う。短期間でこれだけ戻ってくるということは、五輪までに大変期待できるなと感じた。

-1500メートル

最終種目が男子1500で、会場、無観客にもかかわらず、関係者、選手、コーチがみんな竹田君のことを応援してくれていて。1200メートルくらいからギリギリだなという感じがして。すごく努力する選手。この1年間の延長もすごく大変だったろうし、努力をたたえたいなと思いました。

-代表は30人弱。初の選手が多い印象。世代交代というか、若い力が出てきている印象はある

もちろんでございます。初代表といっても、初ナショナルAチーム代表も何人もいるし、初五輪、松元選手もそうだし、大橋選手、青木選手もそうだし、初ナショナルA代表となると、佐藤翔馬選手もそう。五輪は、ほかの競技会に比べると特別な雰囲気もあります。初五輪代表の選手が金メダルだったり、メダルを狙ってくる人数が多いので、コーチ、スタッフだけでなく、入江選手のような大ベテラン、瀬戸、萩野、両選手たちの力も大きく借りて、若い、初代表の選手が力をのびのび発揮できるチーム作りができれば。

-スケジュールは

明日(11日)から合宿。15日まで。派遣チェックだったり、ミーティングだったり、練習もしたり。皆さんの取材も。その後いったん解散して、次にみんなが集まるのはジャパンオープン直前。その後、3回目にみんなで集まるのが五輪直前。強化拠点をどこにするのか、とかを明日、話し合う予定です。

-コロナが影を落としている

それでも月1回、みんなで集まることはできるので。コーチを入れたミーティングだけでなく、選手同士で連絡を取り合ったり。とにかく、長いようであっという間の3カ月。まずはコロナ感染とかに気をつけていきたいと思います。

-代表総数がリオの34から29に減り、個人種目の突破は増えている。全体的なバランスは

正式な選手の発表前に私が細かい数字を申し上げられないが、ほぼリオと同じ人数。内容的にもレベル的にも人数的にも、ほぼ同じなのでは。代表に惜しくも入れなかった選手もいる。予定通りとは言えないけれど、人数的にも内容的にも満足できるものかなと思います。

-金メダルを狙う選手への期待を

まずは、例えば松元選手であれば既に19年の世界水泳で銀メダルを獲得しています。初代表の佐藤翔馬選手に至っては、そういった経験がない。おまけに決勝が朝10時半から。北京(08年五輪)と同じ朝決勝。その時の経験を知っている選手は入江選手しかいない。コーチになると、私と鈴木コーチ。リオの時もそうだが、予選が夜に始まる、その予選がレベルが高い予選だった。北京の時は。レーザーレーサーの水着もあった。翌朝、準決勝。さらに記録を上げていかないと残らない。そういった難しさもあった。通常の朝予選、午後準決勝、翌日午後決勝とは違う。そういった経験も伝えていかないといけないけど、朝対策はいつから始めるのか。北京の時はすごく早く始めた選手もいるし、北島康介、中村礼子、上田春佳に対しての朝対策は、米国から帰国して本番の約2週間前からだった。ただでさえ、メダル、金メダルを狙って大変なのに、地元開催で朝決勝…。鈴木先生だったり、入江君のお力も借りながら、伝えられることがあれば伝えていきたい。

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驚異4冠の池江璃花子「酸素回らなくて」記憶ない50m自由形/一問一答

女子50メートル自由形決勝で優勝し4冠を達成した池江は笑顔で「4」のポーズ(撮影・江口和貴)

<競泳:日本選手権兼東京オリンピック(五輪)代表選考会>◇10日◇最終日◇東京アクアティクスセンター◇女子50メートルバタフライ&同自由形決勝

池江璃花子(20=ルネサンス)が今大会4冠を達成した。白血病から復帰後、出場した種目すべてで優勝という驚異の復活劇を演じた。

-3冠目の50メートルバタフライを振り返って

池江 スタートの浮き上がりもそんなに周りの選手と離れなかったんじゃないかな、と勝手に自分の中では思っています。そこが、すごくうまくいったところ。あとはいつも通り、自分のやりたいような50バタのレースができた感じです。

-学生新記録

池江 1番目標としていた、狙っていた種目でしっかり優勝することもできました。自分の中でハイレベルな泳ぎもできたので、そこも良かったのではないかと思います。

-50メートル自由形は

池江 50の自由形はちょっと、どうだったか記憶にないんです。ノーブレしてたか、してないか、していたような、していないような、という感じなんです。そういうのもあって、最後10メートルは酸素が回らなくて、思うように体が動かなかったんですが、泳ぎながら隣を見て勝っているなと思ったので、最後は差されないようにタッチまで気を抜かずに頑張りました。

-スタート台に立った時の心境は

池江 若干の不安もありつつ「絶対に勝つ」という気持ちで。控室を出た時に「勝ってきます」と自分の思いをコーチにも伝えて出てきたので、しっかり勝つことができて、有言実行できたと思う。

-大会総括

池江 4冠できたのは、すごくうれしい。タイム的にも全体的にすごくいいタイムで泳ぐことができた。本来は自己ベストを狙うという感じですが、自分は新たな気持ちで日本選手権に臨んだので。ただ、どんどん自分の持つ日本記録にも着実に近づいているな、という手応えも得られたので。もう少ししたら、いずれは自分の日本記録もしっかり狙っていけるかなと思います。

-4日間で11レース

池江 多くても2日間の試合で、多くて4レースという試合は復帰後にやってきたんですが、日にちも長かったし、11レースは、準決勝もあって、なかなかハイレベルなタイムで泳がなければならない。そういうこともありましたが、最後まで勝つことができて良かったです。

-チャレンジャーとして楽しめたのか

池江 プレッシャーを感じない中でできたのではないか。逆にそれが良かったのではと思います。

女子50メートル自由形決勝で優勝しインタビューに応じる池江(撮影・江口和貴)

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池江璃花子「泳ぎたい」が「勝ちたい」に、アスリート感覚も復活/高橋繁浩

女子50メートル自由形決勝で優勝し4冠を達成した池江は笑顔で「4」のポーズ(撮影・江口和貴)

<競泳:日本選手権兼東京オリンピック(五輪)代表選考会>◇10日◇最終日◇東京アクアティクスセンター◇女子50メートル自由形決勝ほか

白血病から復帰した池江璃花子(20=ルネサンス)が4冠を獲得した。元オリンピック(五輪)平泳ぎ代表で中京大教授の高橋繁浩氏は、池江の泳ぎの「進化」を指摘。限られた練習環境の中で丁寧に泳ぎ続けたことが、好結果につながったとみた。大会を通じて男女29選手が代表に内定。同氏は大病から復帰した池江とともに、新型コロナ禍を乗り越えた選手たちをたたえた。

   ◇   ◇   ◇

池江は素晴らしかった。結果はもちろんだが、泳ぎがよかった。スタートは筋力、体力不足で遅れる。この日の50メートル自由形でも、浮き上がりでトップに体3分の1ほど離された。それでも、泳ぎで逆転。以前のようにスタートでリードすれば、派遣標準記録や日本記録にも迫るほどだった。

もともと泳ぎはきれいだが、今大会は特に「ていねいさ」が目立った。病気で無理できず、練習時間も限られたはず。だからこそ、1かき、1蹴りに気持ちを込めてきたのだろう。体調が万全でなくても、自分の泳ぎは忘れなかった。

長く泳ぐトレーニングも必要だが、ただ距離や時間をかけても意味がない。力任せにならず、1ストロークの動きを大切に、しっかりとしたフォームで泳ぐことが重要。池江は復帰から短時間でそれをこなした。

疲れもあったはずだ。初日を見た限りでは、非五輪種目の50メートルバタフライなどは棄権するかもと思っていた。もっとも、8日間で記録を伸ばし、勝つことで自信も深めていった。「泳ぎたい」は「勝ちたい」に変わった。さらに「派遣標準を突破したい」とタイムまで求めた。アスリートの感覚を取り戻していた。

もし1年前に選考会が行われていたら、池江の女子自由形、バタフライも含めて顔触れは大きく変わっていたはず。男子平泳ぎは渡辺一平と小関也朱篤で決まった可能性が高いし、男子自由形の塩浦慎理も入っていただろう。逆に、この1年で急成長し、間に合った選手も少なくなかった。

普段の生活様式さえ変わる中で、モチベーションを保つのは難しい。水の中で育ったような選手たちにとって、プールまで閉ざされたのは大きかった。海外での高地合宿ができなくなるなど、これまでとは違う調整法に手探り状態にもなった。それでも、苦難を乗り越えて代表の座をつかんだ選手たちは立派だと思う。

池江はレース後のコメントも含めて、メッセージを発信し続けた。「努力は必ず報われる」「自分をほめてあげたい」。大病を乗り越えた泳ぎと言葉は選手だけでなく、多くの人の心に届いた。地元五輪代表の座を目指した8日間の「一発勝負」。池江をはじめ選手たちの懸命な泳ぎは、7月に向けてのポジティブなメッセージになったはずだ。(84年ロサンゼルス、88年ソウル五輪平泳ぎ代表)

女子50メートルバタフライ決勝 レースを終えタイムを確認する優勝した池江(代表撮影)

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池江璃花子が復活4冠「やってやるぞと」応援の声に背中押された

女子50メートル自由形決勝で優勝しガッツポーズを見せる池江(撮影・江口和貴)

<競泳:日本選手権兼東京オリンピック(五輪)代表選考会>◇10日◇最終日◇東京アクアティクスセンター◇女子50メートル自由形決勝ほか

白血病から復帰した池江璃花子(20=ルネサンス)が、驚異の8日間を4冠で締めくくった。

非五輪種目50メートルバタフライで予選26秒36、決勝25秒56で優勝。その1時間後、今大会11レース目の50メートル自由形を24秒84で制した。100メートルバタフライ、同自由形と合わせて出場4種目V。白血病から2年2カ月で日本のトップに返り咲いて、リレー代表で東京五輪にも内定。大会を終えて五輪代表は、すでに代表権を持つ瀬戸大也(26)も含め29人となった。

   ◇   ◇   ◇

池江は、入場口を出て、右拳をぐっと突き出した。50メートルバタフライ優勝からわずか1時間後の50メートル自由形決勝。「レース直前まで勝てるか、勝てないか、不安だった。『やってやるぞ』という気持ちでやった」。復帰後に始めたしぐさで、気持ちを奮い立たせた。

先行する大本、五十嵐の間を割る。ラスト15メートルで抜け出して24秒84で4冠。8日間で11レースを終えて「日本で負けるのは今年で最後にしようと思ったが、いい成績だった。いずれは(自分の)日本記録も狙っていけるようになるんじゃないかな」と声を弾ませた。

19年12月の退院後。かつての練習拠点近く、東京・亀戸の香取神社を訪れた。リオ五輪前も必勝祈願した「スポーツ振興の神」。本殿に絵馬掛けがあった。「池江璃花子選手 病気平癒祈願成就」。100枚以上も回復、復活を願う絵馬があった。「もう1度笑顔でスタートラインに立てますように」「神様 池江様を救ってください」「必ず治る 再びトビウオに」。涙があふれ視界がにじんだ。

絵馬掛けを設置した宮司の香取邦彦さん(73)は「池江選手は入院した時に『神様は乗り越えられない試練は与えない』とコメントされていた。でも、そんなこと神主でもなかなか言えない。そんな強い気持ちの子は絶対に戻ってくると思っていた」と説明した。

何度聞いても、切なくなる。東京五輪のヒロイン候補が19年2月、白血病。同5月に公式HP開設。応援ボタンが設置された。クリックのたびにカウントされる。関係者は「1日10回でも押してほしいんです。璃花子の励みになるんです」と訴えた。50万、100万の節目を祝った。その数は今、179万を超える。無数の声に支えられていた。

疲労もあって、50メートル自由形棄権も頭に浮かんだが「いけます」と直訴した。西崎コーチは「東京を目指そう、という会話は1度もなかった」。24年パリ五輪から前倒しでつかんだ五輪切符。池江は「決まったからには自分の使命を果たさなきゃいけない。リレーがメインになると思うが、チームに貢献したい」。8日間を走り抜けて、夏の東京を見据えた。【益田一弘】

○…日本代表の平井ヘッドコーチが大会を総括した。瀬戸を含めて29人の代表内定が出て「リオ五輪とほぼレベルも人数も同じぐらいかと思う。満足できるものだった」。4冠の池江には「この8日間で表情も体つきも見違えた。以前のアスリートのような雰囲気が戻っている」とした。佐藤、井狩、本多ら初代表もいるだけに「入江のようなベテラン、瀬戸、萩野の力も借りて、のびのびと力を発揮できるチームをつくりたい」。

◆代表メモ 五輪初出場は井狩、大橋、谷川、佐藤、小堀、難波実、松元、柳本、高橋、小西、青木、本多、関、難波暉、武良、大本、砂間、水沼、川本の19人。年長は31歳入江、年少は高3の17歳谷川と柳本。個人での内定がでなかった種目もある。過去の五輪、世界選手権では、リレー要員が単体種目に出場することがあった。

女子50メートル自由形決勝 ガッツポーズで入場する池江(代表撮影)
香取神社に飾られる池江がリオデジャネイロ五輪の前に書いた絵馬(撮影・上田悠太)
香取神社にある絵馬掛けには「池江璃花子選手 病気平癒 祈願成就」と記される(撮影・上田悠太)

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池江璃花子、完全復活へ「自分の日本記録に近づいている手応え」一問一答

女子50メートルバタフライ予選直前の池江(代表撮影)

<競泳:日本選手権兼東京オリンピック(五輪)代表選考会>◇10日◇最終日◇東京アクアティクスセンター◇女子50メートル自由形決勝ほか

白血病から復帰した池江璃花子(20=ルネサンス)が、驚異の8日間を4冠で締めくくった。

非五輪種目50メートルバタフライで予選26秒36、決勝25秒56で優勝。その1時間後、今大会11レース目の50メートル自由形を24秒84で制した。100メートルバタフライ、同自由形と合わせて出場4種目V。白血病から2年2カ月で日本のトップに返り咲いて、リレー代表で東京五輪にも内定。大会を終えて五輪代表は、すでに代表権を持つ瀬戸大也(26)も含め29人となった。

池江の一問一答は以下の通り。

-4冠を達成した

50メートルバタフライの優勝が目標だった。日本で負けるのは今年まで、と決めていたけど、2冠の後に出るからには負けたくない気持ちが出てきた。今はうれしさが勝っているが、このあと疲れがどっとくると思う。4冠という結果で、自分に対してほめてあげたい。

-50メートルバタフライは

スタートの浮き上がりがすごくうまくいった。いきすぎたらダメージが来るので、余力を残していった。

-50メートル自由形は

ちょっとどうだったか記憶にない。最後の10メートルは酸素が回らなくて、思うように体が動かなかった。泳ぎながら隣を見て勝ってるなと最後は差されないようにタッチまで気を抜かずに。力んだら負けると思ってスタート台で「力むな、力むな」と自分で言っていた。

-大会を振り返って

しっかり最後まで勝つことができてうれしい。自分が一番プレッシャーを感じない中で(レースに)出てきたと思う。それがよかったんじゃないか。4冠はすごくうれしいし、全体的にすごくいいタイムで泳ぐことができた。自分の持つ日本記録にも着実に近づいている手応えも得られた。

女子50メートル自由形決勝で優勝しガッツポーズを見せる池江(撮影・江口和貴)

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池江の西崎コーチが総括「体力面で不安あったが、さすがだなと」

女子50メートル自由形決勝で優勝した池江(撮影・江口和貴)

<競泳:日本選手権兼東京オリンピック(五輪)代表選考会>◇10日◇最終日◇東京アクアティクスセンター◇女子50メートルバタフライ&同自由形決勝

今大会4冠を達成し、劇的な復活を遂げた池江璃花子(20)を昨年6月から指導する西崎勇コーチが、大会後に報道陣の取材に応じた。以下、一問一答。

-4冠

4冠のために準備をしてきたわけではないので、取れたことは本人も喜んでましたし、私ももちろんうれしかったんですけど。それよりは24年(パリ五輪)を見据え、体調面も整えながら。体重を増やして、しっかり段階を踏んで積み上げていこうかということで、この1カ月、準備してきました。4冠と(東京五輪)代表はとてもうれしいですが、第1目標ではなかったので。王座奪還が1番。予想外? いや、そこそこ多少タイムは上振れするのかなとは練習からは感じておりましたけど、本人とは、欲を出さず1歩ずつ前進していこうか、と話して。この試合会場に入ってからもそういう話をしていた。結果的に代表に入れて4冠はうれしかったです。

-五輪に行けるんじゃないか、と思った時期は

確信、まではいかないですが、練習のタイムは最後の3週間で上がってきていたので。これは面白いのかな、という手応えはありました。ただ、レースの日数が長いことと、1つの種目で予選、準決勝、決勝と3本、戦わないといけない。体力面で若干の不安はあったんですけど、池江選手さすがだな、ということで。私たちの想定を上回ってくれて、うまく結果につながったのかなと思います。

-五輪は全く考えていなかったのか

そうですね。五輪を目指そうよ、という会話は、池江選手との間では1度もなかったですね。私と練習し始めてから。選考会に対してはどうしようか、という話はありましたけど、日本選手権に出ることが決まってからは、早い段階で1番に返り咲きたい、と。五輪は正直そこまで意識してませんでした。

-東京五輪までの強化スケジュールは

これから代表合宿に入りますので。その後は、リカバリー(回復)というかアダプテーション(適応)期間を取ってですね、疲労回復に努めて。その期間で今後のスケジュールが固まってくると思いますので、本人ともう1度、ミーティングして計画を話して。焦らず、スタート切りたいなと思います。

-大会8日間の池江選手の心身の変化などは

前半3日間は、我々コーチもトレーナーさんも、そこまで想像していた以上の疲労感はなかったという印象です。ただ、100メートルの自由形の決勝が終わった後はやはり、本人も漏らしてましたが、疲労というか疲れがあるということでしたので、トレーナーさんの力も借りながら。あとは栄養補給のため栄養士さんの力もお借りして今回、夕食を準備してもらったり、という場面もありましたので。皆さんのサポートのおかげで全日程、現段階では体調も崩さず、やり切れたなという感想です。

女子50メートル自由形決勝で優勝し笑顔を見せる池江(撮影・江口和貴)

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4冠池江璃花子がツイッターで報告「応援、本当にありがとうございました」

女子50メートル自由形決勝で優勝し笑顔を見せる池江(撮影・江口和貴)

<競泳:日本選手権兼東京オリンピック(五輪)代表選考会>◇10日◇最終日◇東京アクアティクスセンター◇女子50メートルバタフライ&同自由形決勝

今大会4冠を達成し、白血病から復帰後の出場全種目で優勝の復活を遂げた池江璃花子(20=ルネサンス)が、閉幕後に自身の公式ツイッターを更新した。

「4冠達成!!●●●●!!! レースの振り返りとタイムは落ち着いた頃に改めてInstagramで載っけます! みなさん応援、本当にありがとうございました」

(原文まま、●は金メダルの絵文字)

女子50メートルバタフライ決勝 レースを終えタイムを確認する優勝した池江(代表撮影)

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