日刊スポーツ

飛び込み三上紗也可が5位入賞「実感がわかない」

飛び込み三上紗也可が5位入賞「実感がわかない」

女子3メートル板飛び込み決勝 5位の三上(左)は安田コーチと笑顔でポーズ(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第8日◇19日◇韓国・光州◇女子3メートル板飛び込み決勝

女子3メートル板飛び込みの三上紗也可が、323・05点で5位入賞を果たした。

決勝に出場したことで五輪代表に内定。同種目の日本勢で史上最高順位となった。「実感がわかない。ここまでこれたことが不思議なくらい」とびっくり。18歳は東京五輪に向けて、大技「5154B」(前宙返り2回半2回ひねりえび型)に挑戦している。安田コーチは「5位は信じられない。もしかして5154Bが決まれば、(五輪で)メダルもありえるのかなと感じる」と話した。

女子3メートル板飛び込み決勝 4本目の演技を行う三上(撮影・鈴木みどり)

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AS日本、チームFR4位も井村HC「次にいける」

チームフリー決勝で華麗な演技を見せる日本チーム(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第8日◇19日◇韓国・光州◇チームフリールーティン(FR)決勝

【光州=益田一弘】アーティスティックスイミング(AS)日本代表が、東京五輪でメダルなしのピンチに陥った。チームFRでロシア、中国に次ぐ3位を争うウクライナに敗れて4位。これでデュエット、チームの五輪種目でウクライナに4戦全敗となった。井村雅代ヘッドコーチ(HC、68)は前身のシンクロナイズドスイミングが五輪に採用された84年ロサンゼルス大会から指導者として9大会連続メダルを獲得中。自国開催の東京で「メダル請負人」が逆境に立ち向かう。

   ◇   ◇   ◇   

井村HCはプールサイドにいなかった。1番イスラエルから12番イタリアまで観客席で見守った。「何も得ないで帰るのはばからしい」。78年の日本代表コーチ就任から初めての経験。「選手はびっくりしていたけど、たくさんのことに気づいた。日本は振り付けはいい。日本には日本の良さがある。あとは同時性を外さないこと」と客観的な視点でヒントを得た。

3位ウクライナを超えられなかった。デュエットTR、FR、チームTR、FRですべて4位。日本にとって世界選手権で五輪種目メダルなしは13年バルセロナ大会以来6年ぶり。井村HCが携わった日本のメダルなしは初めてだった。

17年ブダペスト大会は五輪種目でウクライナに1勝3敗。これを契機に、身長170センチ前後の大型選手をそろえ、今大会で勝ち越しを狙ったが、差は開いた。

「メダル請負人」の歴史的な記録もピンチだ。井村HCは五輪初実施の84年ロサンゼルス大会から9大会連続、32年間にわたり五輪メダルを獲得。日本の指導から離れていた08、12年も中国代表で結果を出した。東京五輪は節目の10大会連続がかかっている。

布石は打った。井村HCは「逆転の発想で、何かの強さがあるから日本は4位にいる。リフトもうまくなったが、スピードが足りない。大変貴重な時間だった。次にいける。東京まで引かないことだけは確か。いくしかない。選手も自分も含めて」と宣言した。

得点結果に浮かない表情を見せる日本チーム(撮影・鈴木みどり)

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新人6人の日本から感じた伸びしろ/小谷実可子

アーティスティックスイミング チームフリー決勝 華麗な演技を見せる日本チーム(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第8日◇19日◇韓国・光州◇チームフリールーティン(FR)決勝

新人6人が出場した日本チームは、確かに上位国と比べるとフォーメーションに移る過程の動きが目立っていたし、足技も水の中に沈んでいるところがありました。

完成度はまだまだですが、それだけ伸びしろもあります。演技自体は新生チームらしい勢いがあり、可能性を感じました。

ライバルのウクライナには勝てませんでした。五輪を1年後に控えて確かに流れはよくありませんし、逆転は簡単ではありません。でも私も世界選手権4位から、2年後の五輪で銅メダルを取ることができましたし、日本の五輪での逆転メダルは何度もあります。悲観はしていません。

経験不足は最初から分かっていたこと。この大会で選手たちは初めて世界の迫力、パワーを肌で感じたと思います。この貴重な経験は、きっと次の成長につながるはずです。地元の手拍子に乗って泳ぐ姿を想像させる勢いのある演技は、巻き返しを期待させます。選手もそれを信じて頑張ってほしいです。(88年ソウル五輪ソロ、デュエット銅メダリスト)

アーティスティックスイミング チームフリー決勝 演技後、声援に応える日本チーム(撮影・鈴木みどり)

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瀬戸大也「全部メダル目指す」世界選手権会場で調整

練習する瀬戸(撮影・鈴木みどり)

競泳男子の瀬戸大也(25=ANA)が19日、世界選手権が行われる韓国・光州市内の本番プールで調整した。

200メートルと400メートルの個人メドレー、200メートルバタフライにエントリーしている。競泳日本代表の男子主将を務める瀬戸は「出る種目、全部でメダルを目指したいと思っているし、400メートル個人メドレーは調子が悪くても金メダルをとる。気を抜かずにいきたい」と意気込んだ。

競泳は21日に開幕。28日の最終日に瀬戸の本命種目である400メートル個人メドレーが行われる。競泳は金メダルを獲得すれば、東京五輪代表に内定する。

練習の合間にスタッフと話す瀬戸(撮影・鈴木みどり)
練習を終えた瀬戸(右)は飛び込みの榎本にあいさつ(撮影・鈴木みどり)

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水球男子が今大会初勝利 ブラジルに逃げ切り

水球男子 1次リーグD組 ブラジル対日本 第2ピリオド、ゴールを決める志賀(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第8日◇19日◇韓国・光州◇男子水球予選リーグ

水球男子の日本代表「ポセイドンジャパン」が、予選リーグのブラジル戦で今大会初勝利を挙げた。2-2で迎えた第2ピリオド(P)に大川慶悟(29)らの得点で7-3と大きくリード。第4Pに追い上げを受けたが、11-9で逃げ切った。これで予選リーグは1勝1敗1分けとなった。

ドイツとの初戦は残り4秒で追いつかれて、痛恨の引き分けだった。大本監督は「残り時間が少ない時にどうすごすか。これまで強豪相手に接戦の経験が少なくてできなかったが、ぎりぎりの集中力をもってやれた」と振り返った。

水球男子 1次リーグD組 ブラジル対日本 第2ピリオド、ゴールを決める大川(撮影・鈴木みどり)
水球男子 1次リーグD組 ブラジル対日本 第1ピリオド、ゴールを決める吉田(撮影・鈴木みどり)
水球男子 1次リーグD組 ブラジル対日本 第2ピリオド、ゴールを決める稲葉(撮影・鈴木みどり)

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水球男子はブラジルに白星 水泳世界選手権

水球男子 1次リーグD組 ブラジル対日本 第2ピリオド、ゴールを決める志賀(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第8日◇19日◇韓国・光州ほか

水球男子の1次リーグD組で、日本はブラジルを11-9で退け、1勝1分け1敗で決勝トーナメント進出を決めた。

アーティスティックスイミング(AS)の混合デュエット・フリールーティン(FR)予選で安部篤史、足立夢実組(楓心舘ク)が89・8000点の3位となった。20日の決勝で、3位だったテクニカルルーティン(TR)に続くメダルを目指す。

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乾、吉田組ASデュエット4位「絶対巻き返したい」

<水泳:世界選手権>◇第5日◇16日◇韓国・光州◇ASデュエットフリールーティン(FR)決勝

乾、吉田組は、3位争いで迫力のウクライナに及ばず4位。デュエットは連敗となったが、乾は「次は絶対に巻き返したいと思う」と力を込めた。

井村ヘッドコーチは「五輪に向けて、どう戦うかを考えたい。体格は小さくても力強さを感じるような、畳みかけるような速さが糸口だと思う」。19日のチームFRで一矢報いるためにも全力を尽くす。

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暴れ馬!三上紗也可パワー型飛び込みで五輪内定掴む

女子3メートル板飛び込み準決勝 8位で決勝進出を決めた三上(右)は安田コーチと話す(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第7日◇18日◇韓国・光州◇女子3メートル板飛び込み予選

【光州=益田一弘】女子3メートル板飛び込みで、三上紗也可(18=米子DC)が東京五輪内定を確実にした。

予選8位、準決勝7位で通過。12人で争う19日の決勝で棄権などがなければ正式に代表になる。今大会では、男子シンクロ種目の寺内・坂井組、女子高飛び込み荒井に続く3組4人目。日本では珍しいジャンプ力が武器のパワー型。今春の高校卒業後、進学しないで競技に専念する18歳が、初の五輪切符を手にする。

三上は、最後の5本目で「水に入った瞬間、うまくいったとわかった」。ジャンプ力を武器に東京切符。小4から指導を受ける安田コーチに「おめでとう」と祝福された。「安田先生は(96年アトランタ)五輪にあと1歩届かなかった。先生の気持ち、私の思いも合わせた結果です」。

高2の冬。安田コーチに「友達とは全然違う人生になるが…」と進学しない道を提案された。言葉につまったが、同コーチの「退路を断つ。何かを捨てなきゃいけない」という言葉に納得した。高校教員を辞めて3年前からマンツーマンで教えてくれる姿に「私も飛び込み一本」と腹をくくった。鳥取県の支援を受けて、練習は高校時代の倍にあたる6時間。「学校に行く時間を飛び込みにあててそれ以外は筋トレ」。

日本では珍しいパワー型。安田コーチは、最初の印象を「『暴れ馬』みたい。ものすごく不器用で筋力が強かった。そしてコツコツ努力できる」。ノートに注意点を書き、試合中に確認する。学校を休みがちでも勉強を欠かさず成績は校内トップクラスだった。高3の夏に練習で板に頭をぶつけて記憶障害も起こしても、続けた。安田コーチは「彼女に犠牲を強いてきた。形になってよかった」。

鳥取県は64年東京五輪男子高飛び込み8位の大坪敏郎を輩出。その“孫弟子”が安田コーチにあたる。小学校でもらった飛び込み教室のビラから始まった三上の物語は、1964年と2020年をつなぐ東京五輪の物語でもある。三上は「飛び込みは自分にとって運命の競技になったと思います」と柔らかく笑った。

◆三上紗也可(みかみ・さやか)2000年(平12)12月8日、鳥取県生まれ。小2から競技を始めて小4で安田コーチに師事。今春に米子南高を卒業。県強化選手として競技に専念。18年ジャカルタ・アジア大会はシンクロ種目で出場。同年9月に日本選手権初優勝。155センチ、53キロ。

女子3メートル板飛び込み準決勝 8位で決勝進出を決めた三上は笑顔でガッツポーズ(撮影・鈴木みどり)

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平井ヘッド 目標は「金メダルを含む複数メダル」

平井伯昌ヘッドコーチ

競泳日本代表の平井伯昌ヘッドコーチは、今大会(世界選手権)の目標を「金メダルを含む複数メダル」とした。選手たちは17日に現地入りし、この日は飛び込み会場の隣にある本番プールで調整。

競泳開幕の21日に女子200メートル個人メドレーに出る大橋悠依は「プールを見て実感がわいた」。競泳は金メダルで東京五輪代表に内定する。

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飛び込み18歳三上紗也可が東京五輪切符確実に 

女子板飛び込み予選 4本目の演技を行う三上(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第7日◇18日◇韓国・光州◇女子3メートル板飛び込み予選

初出場の三上紗也可(18=米子DC)が「東京五輪切符」を確実にした。女子3メートル板飛び込みに登場。飛び込み日本代表「翼ジャパン」の大トリとして、予選8位、準決勝で7位。19日の決勝に進出し、出場さえすれば東京五輪代表に内定となる。

準決勝は1本目63・00点、2本目60・45点、3本目67・50点と安定した演技を見せた。4本目を49・50点として、8位で迎えた最後の5本目は67・50点。合計307・95点となった。

予選では「思ったよりも緊張しなくて、普通にとべた」。予選は1本目が63・00点、2本目が65・10点と好発進。この時点で5位につけた。3本目に37・50点と失敗して順位を18位に落とした。「回ったと思って、早めに(回転を)話してショートしてしまった」。それでも「1本失敗しても次に決めれば大丈夫」と、4本目で63・00点と立て直した。10位で迎えた最後の5本目は63・00点。合計291・60点で上位18人の準決勝に進出した。

三上は鳥取・米子市出身。今年3月に鳥取・米子南高を卒業した後は大学に進学せず、競技に専念している。「ずっと米子でやってきたので、環境を変えたくないという気持ちもあった。結果を出すためにはいいかなと思った」と、東京五輪を最優先している。

小4から指導を受ける安田コーチからは「表にでるタイプじゃないので『私はみられていない』という意識。でも競技にも影響するので、洗練された所作を学んでほしい」とフィギュアスケート男子羽生結弦の動画などを見て、勉強するように言われている。

飛び込みは男子シンクロ板飛び込みで寺内、坂井組が「東京五輪内定1号」を獲得。女子高飛び込みでも荒井が女子で内定1号となっている。三上は、今大会3例目、4人目の東京切符となる。

女子3メートル板飛び込み予選 1本目の演技を行う三上(撮影・鈴木みどり)

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三上紗也可「緊張しなかった」板飛び込み予選突破

女子板飛び込み予選 5本目の演技を行う三上(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第7日◇18日◇韓国・光州◇女子3メートル板飛び込み予選

初出場の三上紗也可(18=米子DC)が、東京オリンピック(五輪)内定を目指して、女子3メートル板飛び込みに登場。飛び込み日本代表「翼ジャパン」のオオトリとして、まずは予選を8位で突破した。

「思ったよりも緊張しなくて、普通にとべた」。予選は1本目が63・00点、2本目が65・10点と好発進。この時点で5位につけた。3本目に37・50点と失敗して順位を18位に落とした。「回ったと思って、早めに(回転を)話してショートしてしまった」。それでも「1本失敗しても次に決めれば大丈夫」と、4本目で63・00点と立て直した。

10位で迎えた最後の5本目は63・00点。合計291・60点で上位18人の準決勝に進出。午後の準決勝で上位12人に入って、18日の決勝に進出すれば、五輪切符が確実になる。

三上は鳥取・米子市出身。今年3月に鳥取・米子南高を卒業した後は大学に進学せず、競技に専念している。「ずっと米子でやってきたので、環境を変えたくないという気持ちもあった。結果を出すためにはいいかなと思った」と、東京五輪を最優先している。

小4から指導を受ける安田コーチからは「表にでるタイプじゃないので『私はみられていない』という意識。でも競技にも影響するので、洗練された所作を学んでほしい」とフィギュアスケート男子羽生結弦の動画などを見て、勉強するように言われている。

飛び込みは男子シンクロ板飛び込みで寺内、坂井組が「東京五輪内定1号」を獲得。女子高飛び込みでも荒井が女子で内定1号となっている。三上は、今大会3例目で4人目の東京切符を目指している。

女子板飛び込み予選 4本目の演技を行う三上(撮影・鈴木みどり)

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飛び込み荒井祭里が女子東京五輪内定1号 決勝9位

女子高飛び込み決勝 2本目の演技を行う荒井(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第6日◇17日◇韓国・光州◇女子高飛び込み決勝

荒井祭里(18=JSS宝塚)は、321・45点の9位だった。

順位が確定したことで晴れて女子の「東京五輪内定1号」が決まった。前夜はけがでリハビリ中の1歳上の先輩、板橋から「おめでとう」と祝福された。「五輪の個人もあと1枠あるし(板橋との)シンクロ種目は絶対に五輪代表が取れると思うので、頑張ります」と、ペアを組む先輩の復活を心待ちにしていた。

女子高飛び込み決勝 3本目の演技を行う荒井(撮影・鈴木みどり)

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水球男子、五輪銅イタリアに惜敗 大本監督は評価

水球男子 1次リーグD組 日本対イタリア イタリアに敗れ、肩を落とす稲葉(左から2人目)(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第6日◇17日◇韓国・光州

水球男子「ポセイドンジャパン」が、16年リオ五輪銅メダルのイタリアに7-9で敗れた。

試合巧者の相手にスピードで対抗。奮闘したが、GKとの1対1を5度止められたことが響いた。大本監督は「強豪相手にシュートを打ち切るというところまでいくことが大事。瀬戸際までいけた。100年勝てないと思っていた相手。負けて言うのもおかしいが、リオ五輪後で1番いい内容だった」とした。

水球男子 1次リーグD組 日本対イタリア 第4ピリオド ゴールを決める稲葉(撮影・鈴木みどり)

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渡辺一平出発 金メダル&世界記録で東京五輪内定だ

世界選手権への意気込みを語る競泳日本代表の渡辺一平

競泳日本代表で男子200メートル平泳ぎ世界記録保持者の渡辺一平(22=トヨタ自動車)が17日、韓国で行われる世界選手権に向けて、羽田空港を出発した。

今大会は100メートルに出場せず、26日に行われる200メートルに絞って臨む。これまでは100メートルでレース勘を養っていたが、同時に疲労も感じていたという。

「疲れを出来る限り残さないように挑戦したい。金メダルで世界記録を更新して、笑顔で日本に帰ってきたい」。200メートルに全ての力を注ぎ、金メダリストだけに与えられる20年東京五輪出場権を内定させる。

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五輪内定1号の寺内、坂井が予選敗退2種目目ならず

男子板飛び込み予選 準決勝に進めず、浮かない表情で引き揚げる寺内(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第6日◇17日◇韓国・光州◇男子3メートル板飛び込み予選

男子シンクロ板飛び込みで「東京五輪内定1号」となった寺内健(38)と坂井丞(26=ともにミキハウス)が個人種目3メートル板飛び込みに出場した。この日の予選→準決勝を勝ち抜けば、2種目目の内定確実だったが、ともに予選敗退した。

予選は大量58人がエントリーして、約4時間にわたって戦いが続いた。寺内は395・80点の19位。準決勝圏内の18位にわずか0・90点及ばなかった。13日のシンクロ種目から中3日で「個人は個人で、やるべきことをやった。パフォーマンスとして板の踏み方はよかった。ただ練習ではそれほどできてなかったので、入水がオーバーしかけたり、ジャッジが(評点)8点を出しにくいものになった」と振り返った。38歳のベテランは「58人の中で30人がほぼ僕と似たり寄ったり。若いやつに負けたくないと、集中を切らさずにやりました。4時間戦ったなという気持ち」と話した。

坂井は2本目と5本目に50点台とミスが出て、375・00点で28位だった。「いいのが1本もなくて。シンクロにかけていて、気持ちの盛り上がりが少なかった。練習を見ていても18位以内は厳しい戦いだなと思った」。寺内とのペアで内定した東京五輪に向けて「どちらかといえば、シンクロにかけたほうがいいかなとも思う。個人では五輪に出ても先を考えると厳しいかなと。日本で勝っても意味ないので。(シンクロは)難易度を上げれば、ワンチャンスあるかもしれない」と見通しを語った。

男子板飛び込み予選 4本目の演技を行う寺内(撮影・鈴木みどり)
男子板飛び込み予選 準決勝に進めず、浮かない表情で引き揚げる坂井(撮影・鈴木みどり)
男子板飛び込み予選 3本目の演技を行う坂井(撮影・鈴木みどり)

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渡辺一平200平「世界記録を」世界水泳へ出発

世界選手権への意気込みを語る競泳日本代表の渡辺一平

競泳日本代表が17日、韓国で行われる世界選手権に向けて、羽田空港から出発した。男子200メートル平泳ぎ世界記録保持者の渡辺一平(22=トヨタ自動車)は、100メートル平泳ぎには出場せずに、200メートルだけに出場する。その意図について「日本選手権の時は100メートルはいい感じで泳げたけども、筋肉痛というのもあった。今回は疲れがない状況で泳ぎたいと思っていた」と話した。レース勘を養うという意味で、これまでは100メートルにも出場してきたが「疲れをできる限り残さないように今回は挑戦したいと思う」と意気込みを語った。

世界記録保持者とは言え、世界選手権での金メダル獲得は簡単ではない。だが金メダルを獲得すれば東京五輪が内定するとだけあって気合は十分だ。「表彰台を目指すだけではなく、表彰台の一番高い所を目指したい。金メダルで、世界記録を更新して、笑顔で日本に帰ってきたい」と堂々と話した。

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井村HC「諦めない」チームTRもメダル届かず4位

<水泳:世界選手権>◇第5日◇16日◇韓国・光州◇ASチーム・テクニカルルーティン(TR)決勝

オリンピック(五輪)種目で日本はまたしても4位。世界の3番手を争うライバルのウクライナに表彰台を譲った。泳ぎの迫力で圧倒され、さらに規定要素の出来を示すエレメンツでも劣った。

井村ヘッドコーチ(HC)は「あの大きさで技術もついてきたら勝てない」と首を振った。今大会のAS女子で獲得メダルは非五輪種目ソロのTRで乾が得た銅の1つだけ。井村HCは「これで諦めるわけにはいかない」と巻き返しを期した。

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飛び込み18歳荒井祭里が東京五輪内定…女性第1号

10位で決勝進出を決め、馬淵コーチ(左から2人目)と記念撮影する喜ぶ荒井(左)(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第5日◇16日◇韓国・光州◇女子高飛び込み準決勝

【光州(韓国)=益田一弘】18歳の荒井祭里(まつり、JSS宝塚)が「東京五輪内定2号」を確実にした。

予選は11位、準決勝は312・45点で10位。12人で争う17日の決勝で棄権するなどの事態がない限り、五輪代表が決定する。国際水連は12位以内に出場枠を付与し、日本水連は枠を獲得した選手を代表に内定。練習拠点が同じ「内定1号」の寺内健(38)に続き、女子では第1号となった。親子3代の五輪を目指した金戸凜(15)は準決勝17位で敗退となった。

   ◇   ◇   ◇

祈った。最後の5本目をノースプラッシュで決めて、荒井がスコアを待った。「どれくらいの点か、わからなくて」。70・40点を見て決勝を確信。小走りで向かったコーチ席で馬淵コーチに抱きしめられ、寺内とタッチ。「五輪に内定してうれしい」と涙を浮かべた。

美しい入水が五輪への道を開いた。技の難易度は世界トップに劣るが、足をピタッと締める美しさがある。馬淵コーチは「(最強国の)中国選手に負けないものを持っている。(審判の評点)9点ダイブができる。最初は普通以下の子だった。コツコツと努力して。まさか五輪に出るまでとは」と成長に目を細めた。

心を奮い立たせてくれた人がいる。同じ所属の1歳上、板橋美波。女子で世界唯一の109C(前宙返り4回転半抱え型)を持つ板橋は3月に疲労骨折した左足を手術。今大会で荒井と金戸が内定すると、板橋はリオ五輪8位の得意種目に出られない。仲間であり、ライバルであり、一緒にディズニーランドで遊ぶ先輩のことが気になっていた。

6月下旬、中国・広州合宿。同部屋だった板橋に「大会が近づいて緊張する」とこぼすと、板橋にこう言われた。

「2人とも決まったら、私は個人は無理だからシンクロ(種目)で頑張る。とりあえず今できることを頑張るから。祭里もやれることをやって頑張って」。無念を押し隠した板橋の励ましに「めっちゃ頑張らないといけないな」。

「周囲に人が集まるように」という願いを込めて「祭里」と名づけられた。小1で「板で跳ねているのが楽しかった」と競技を始めた。東京五輪開催が決まった13年9月は12歳で「あ、やるんだ。見に行きたいな」と人ごとだった。そんな少女が寺内、板橋を見て「五輪に行きたい」と決意。今春から兵庫・武庫川女子大進学も、競技に専念するために半年間休学。東京切符を確実にした18歳は、17日の決勝に向けて「思い切った演技をして入賞を目指します」ととびきりの笑顔で言った。

◆荒井祭里(あらい・まつり)2001年(平13)1月18日、兵庫県生まれ。小1で競技を始める。甲子園学院高-武庫川女子大。17年世界選手権にシンクロ種目で出場。18年ジャカルタ・アジア大会で高飛び込み5位。家族は両親、姉、妹。好きな食べ物はすし。150センチ、39キロ。

荒井(右)は1歳上の板橋とディズニーランドで記念撮影
5本目の演技を行う荒井祭里(撮影・鈴木みどり)

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15歳金戸凜「悔しい」準決勝17位で五輪切符逃す

女子高飛び込み準決勝 決勝進出を逃した金戸(右)は父恵太コーチとプールを去る(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第5日◇16日◇韓国・光州◇女子高飛び込み予選

親子3代での五輪を狙う金戸凜(15=セントラルスポーツ)は、準決勝17位で今大会での東京切符を逃した。

予選5位と好調だったが、準決勝1本目で入水の際に右肩を痛めた。春先から痛めていた箇所で痛みはあったが「続けます」。棄権はせずに最後の5本目まで飛んだ。金戸は「気持ちは悔しいけど、最後まで試合をできたので、いい経験になった。(五輪は)今回で終わりじゃないので、頑張りたい」。9月のアジアカップ、来春のW杯東京大会と、次のチャンスを見据えていた。

女子高飛び込み準決勝 5本目の演技を行う金戸(撮影・鈴木みどり)

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15歳金戸凜が準決勝進出 親子3代の五輪へ大前進

飛び込みで日本初の親子3代での五輪出場を狙う前列左から長男の快くん、次女の凜さん、長女の金戸華さん。後列左から祖父俊介さん、祖母久実子さん、母幸さん、父恵太さん(2014年7月6日撮影・丹羽敏通)

<水泳:世界選手権>◇第5日◇16日◇韓国・光州◇女子高飛び込み予選

親子3代でオリンピック(五輪)出場を目指す金戸凜(15=セントラルスポーツ)が、初出場の世界選手権で鮮烈デビューを果たした。

予選1本目で72・00点、2本目でも74・25点と高得点を連発してトップにつけた。5本合計333・95点の5位で準決勝に進出した。「自分なりにすごく良くないが、初めての試合(世界選手権)にしては良かった。パーフェクトじゃないけど、もっと自信をもってやれば、スコアも出ると思う」と話した。

午後の準決勝で上位12人に入って17日の決勝に進出すれば、東京五輪代表が事実上、内定する。

国際水連は個人種目12位以内に対し、東京五輪の出場国枠を付与する。日本水連は、すでに出場国枠を獲得した選手がその枠を使うことを決めている。17日の決勝に出場した段階で、五輪代表が内定。決勝を棄権するような、よほどのアクシデントがない限り、東京切符が手に入る形だ。

金戸は、父方の祖父俊介さんと祖母久美子さんが60年ローマ、64年東京と五輪2大会に出場。父の恵太コーチと母の幸コーチも88年ソウル、92年バルセロナ、96年アトランタと五輪3大会に出場している。金戸が東京五輪に出場すれば、「金戸一家」で11度目の五輪になる。

今大会は、13日の男子シンクロ板飛び込みで寺内、坂井組が7位入賞を果たして、個人名での「東京五輪内定1号」になった。金戸はそれに続く「内定2号」を目指している。

荒井祭里(18=JSS宝塚)も304・75点の11位で準決勝に進出。「必ず12位に入って決勝に残る。予選の部分的なミスを改善していい入水をしたい」と意気込んだ。

金戸凜(2019年7月8日撮影)

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水球日本男子が予選初戦ドイツにドロー発進

ドイツ対日本 第1ピリオド ペナルティースローを決める稲葉(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第4日◇15日◇韓国・光州

水球男子の日本は、予選リーグ初戦でドイツに9-9で引き分けた。

体格に勝る相手に対し、相手の前に体を入れてパスコースを防ぐ守備戦術「パスライン・ディフェンス」で対応。しかし1点リードの終了4秒前に追いつかれた。大本監督は「勝利の女神から、もうひとつ何か足りないと言われているのかな」と話した。次戦は17日にイタリアと対戦する。

ドイツ対日本 第4ピリオド終了間際にゴールを許す日本(撮影・鈴木みどり)

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日本、終了4秒前に追いつかれ初戦引き分け 水球

ドイツ戦の終了間際にゴールを許す日本(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権:日本9-9ドイツ>◇第4日◇15日◇韓国・光州◇水球男子予選リーグ

日本は、予選リーグ初戦でドイツに9-9で引き分けた。

体格に勝る相手に対し、相手の前に体を入れてパスコースを防ぐ守備戦術「パスライン・ディフェンス」で対応。しかし1点リードの終了4秒前に追いつかれた。

大本監督は「勝利の女神から、もうひとつ何か足りないと言われているのかな」と話した。次戦は17日にイタリアと対戦する。

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安部篤史がAS混合で涙の銅、男子の未来切り開いた

混合デュエットTRで3位の足立(左)、安部組は銅メダルを手に笑顔(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第4日◇15日◇韓国・光州◇混合デュエットテクニカルルーティン(TR)決勝

【光州(韓国)=益田一弘】日本初のAS男子メダリストが誕生した。

混合デュエットTR決勝で、足立夢実(30=楓心舘ク)安部篤史(36=よみうりランド)組が自己ベストの88・5113点で3位。「元祖シンクロ男子」が15年5月の日本選手権でのデビューから4年2カ月をへて、銅メダル。国際水連は混合種目の24年パリ五輪採用を要望。さらに将来は新種目「混合チーム」の導入も検討。安部が切り開いた日本男子の未来は今後、大きく広がる。

   ◇   ◇   ◇

トイレで着替えたあの日から1534日。安部が日本初のメダリストになった。足立と涙を流した。銅メダルを首にかけて「とても重たいですね」。高いリフトを武器に表彰台。指導する花牟礼コーチは「男子のシンクロは恥ずかしいことじゃない。子どもたちが、格好いいな、やってみたいなと思ってくれるとうれしい」と涙をふいた。

混合は15年大会から採用。安部は15年5月3日の日本選手権で「男子禁制」の扉を開いた。女子約230人に対して男子1人、更衣室はトイレだった。世界選手権の最高順位は15年が5位、17年が4位。引退も頭をよぎったが「目標は表彰台しかない」と現役続行。孤軍奮闘するうちに次世代も育った。日本水連は8月の世界ユースに14歳の佐藤陽太郎を派遣。佐藤はAS歴10年というホープだ。

国際水連は、24年パリ五輪での混合種目採用を国際オリンピック委員会に要望。同委員会の「男女の均等」という流れにも沿う。さらにこの日、国際水連が混合デュエットだけでなく、男女8人で構成する新種目「混合チーム」を検討していることも判明した。安部は「混合は間違いなく五輪種目に入ってくる。その前に世界選手権で日本がメダルをとったという実績は後輩たちにも生かされる。このメダルは大きな1歩になる」と胸を張った。

○…足立は6度目の世界選手権で初メダルを獲得した。12年ロンドン五輪にも出場した女子代表では3度出場もメダルなし。14年に一時引退したが、安部とのペアで復帰。三度目の正直で銅メダルをつかんだ。「ずっとやっていたシンクロとミックスは違った。メリットもデメリットもあったが、すべてメダルをとったことで良かった、達成感になったと思う」と喜んだ。

混合デュエットTR決勝で華麗に演技する足立(左)、安部組(撮影・鈴木みどり)
混合デュエットTR決勝で得点を見て感極まる足立(中央)と安部(右)(撮影・鈴木みどり)

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寺内&坂井「美しく飛ぶ」同調性重視”えび型”戦略

男子シンクロ板飛び込み決勝 1本目の演技を行う寺内(手前)、坂井組(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇韓国・光州

美しさで戦う。13日の男子シンクロ板飛び込みで、寺内健(38)坂井丞(26=ともにミキハウス)組が7位に入って「東京五輪内定1号」になった。決勝12組中最も難易率が低い種目構成だったが、シンクロ種目でかぎになる同調性に焦点を絞り、内定条件の8位以内をクリア。その裏には回転数を増やすために両足を曲げる抱え型ではなく、動きがそろったように見えやすい両足を伸ばす、えび型で種目を統一した戦略があった。

日の丸を掲げた寺内と坂井が笑顔を浮かべた。大前提としていた8位以内をクリア。寺内は、内定1号、夏季日本勢最多の6度目五輪、日本初のシンクロ種目の東京切符に「世界に通じることを少しは見せられた」。寺内を指導する馬淵コーチは「ペアの難易率は足りない。だがそれは武器にもなる」と口にした。

飛び込みは、種目の難易率(難易度)に10点満点で審判が下す評点をかけて得点を出す。同じ評点なら、難易率が高いほうが高得点。決勝で寺内、坂井組の難易率は6本すべてを足して16・5。決勝12組で最も低かった。最高のメキシコは18・5。ただ低い難易率を補う戦略がある。

寺内、坂井組は、足の形を6本すべてえび型に統一。その構成も唯一だった。えび型は両足を伸ばすため、回転数を多くできない。他国はより回転しやすい抱え型を入れている。抱え型は109C(前宙返り4回転半抱え型)のように、高難度の技を使える。

ただ寺内は、抱え型に個人種目と違うシンクロ種目特有のマイナスがあると指摘する。「審判のスコアはシビアになっている。抱え型は2人の動きが合わないとスコアをひかれる。(回転中に)開いた足の角度がずれていても影響がある。その分、えび型は動きが合うとすごくスコアが出る」。馬淵コーチも「えび型は演技がピタリとそろうと好印象。抱え型で水面ぎりぎりまで回るよりも(回転が少なくても)えび型で余裕をもって水面に入るほうがシンクロの部分を長く見せられる」。

内定1号で五輪まで1年の準備期間を得た。寺内は「同調性は、より繊細さが求められている。自分たちに有利な部分でもある」と手応えをつかんでいる。難易率を上げるかどうかは今後の検討課題だが「美しく飛ぶ」というペアの原点が変わることはない。【益田一弘】

練習する寺内(左)、坂井組(撮影・鈴木みどり)
笑顔でポーズを取る寺内(左)坂井組(撮影・鈴木みどり)

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乾、吉田組は高さと正確性で演技進化を/小谷実可子

デュエットテクニカルルーティン決勝で演技する乾、吉田組(ロイター)

<水泳:世界選手権>◇第3日◇14日◇韓国・光州◇デュエットテクニカルルーティン(TR)決勝

アーティスティックスイミング(AS)デュエットテクニカルTR決勝で、乾友紀子(28=井村ク)吉田萌(24=ザ・クラブピア88)組は、痛恨の4位発進となった。ロシア、中国に次ぐ3位を争うウクライナに04731点差をつけられて92・1116点。17年ブダペスト大会で五輪種目1勝3敗と負け越した相手に押される流れとなった。

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乾さんと吉田さんの演技はとても同調性がありました。ただエレメンツ間の足技で、吉田さんの高さが若干低いと感じる場面があり、後半は2人とも高さが落ちてきました。残念だったのは演技順が優勝したロシアの直後だったことです。高さやテクニックをロシアと比較して見られたことで、点数が抑えられたのかもしれません。

ライバルのウクライナは粗削りで、正確性を欠いたエレメンツもありました。ただ、あの体の大きさと長い手足は、出てきただけで周囲を「おっ」と思わせます。怖い者知らずにスピードを上げていく演技も勢いがありました。日本にとっては脅威ですが、世界の人から見ると大きな期待感を抱かせるデュエットです。

あと1年で日本がウクライナを上回るには、足の付け根まで水面に出るような高さを最後まで保ち、その上で1ミリの狂いもないように正確性を上げること。そうすれば演技がより大きく見えるはずです。そして、その進化した演技を五輪までの国際大会でアピールしていくことが必要です。乾さんと吉田さんには、それだけの伸びしろがあります。(88年ソウル五輪ソロ、デュエット銅メダリスト)

デュエットテクニカルルーティン決勝 演技後、浮かない表情の乾(左)、吉田組(撮影・鈴木みどり)

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乾、吉田組が黒星発進、井村HC「流れ覆さなきゃ」

演技後、浮かない表情の乾(左)、吉田(右)組。中央は井村HC(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第3日◇14日◇韓国・光州◇デュエットテクニカルルーティン(TR)決勝

アーティスティックスイミング(AS)デュエットTR決勝で、乾友紀子(28=井村ク)吉田萌(24=ザ・クラブピア88)組は、痛恨の4位発進となった。

ロシア、中国に次ぐ3位を争うウクライナに0・4731点差をつけられて92・1116点。井村雅代ヘッドコーチが掲げた「デュエットメダル2個」の目標が崩れた。17年ブダペスト大会で五輪種目1勝3敗と負け越した相手に押される流れとなった。

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日本のお隣、韓国で厳しい試練が訪れた。井村HCは「どこかで流れを覆さなきゃいけない」と強い口調で言った。最初の五輪種目でライバルのウクライナに敗北。このままずるずる引き下がれない。

わずかな乱れが致命傷になった。乾と吉田の高さがそろわない。採点の40%を占める規定要素が12日の予選より下がった。完遂度、印象度、規定要素の3要素すべてで相手に上回られた。吉田は「力強く泳ごうとしたが、高さで乾選手との差がよく見えたかもしれない」。井村HCも「予選では吉田も『ここまでできるようになったか』と思ったが、1番見せてはいけないものを見せた」と振り返った。

東京五輪を見据え、絶対に欲しいメダルだった。16年リオ五輪で銅。東京五輪は銀以上を掲げた。だが前回大会で2位中国に迫る前に、4位ウクライナに追い上げられた。今大会は3位の格付けを確保することが目的。井村HCもデュエット2、チーム1のメダル目標を掲げたが、その青写真は最初の種目で崩れた。技術重視のデュエットTRは「日本の土俵」ともいえる種目。今大会の今後を占う上でも痛恨の4位発進といえる。

正確な技術の日本か、迫力のウクライナか。井村HCは12日に「シンクロ(AS)はパワーの種目になった。突き刺すような勢いが必要」とした。最初の種目で敗れても、その方向を変えるつもりはない。「そこは絶対、絶対条件です」。エース乾も「少しでも大きく、強く見せようというのは最後まで求め続けて狙っていきたい。戸惑いはない。やるだけです」。五輪種目の残りはデュエットFR、チームTR、同FR。この3種目でやり返すしかない。

華麗に演技する乾(右)、吉田組(撮影・鈴木みどり)

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貴田裕美22位 新倉みなみ30位 五輪切符逃す 

女子オープンウォーター10キロを終えた新倉(左)、貴田(右)と記念写真に納まる鈴木大地スポーツ庁長官(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第3日◇14日◇韓国・麗水市内◇オープンウオーター女子10キロ決勝

女子10キロで、日本勢は五輪内定の10位以内を逃した。五輪2大会出場の貴田裕美(34=コナミスポーツ)は1時間55分26秒70で22位、新倉みなみ(21=セントラル目黒)は1時間55分46秒80で30位だった。

貴田は、前方でレースを展開した。しかし「ずっと集団の中にいて、ぐちゃぐちゃ。もう少し前にいきたかったが、なかなか抜け出せなかった」。最後の1周で第2集団となって、五輪圏内の10位とは30秒以上の差がついた。「五輪をとった選手は上手だなと思った。行きたい時にスッと前にいける。私の場合は押されて後ろにいっちゃうことがあった。もっと力をつけないといけない。技術もそうだが、当たりが強い中で体が小さい分、違う強みを作っていかないといけない」と話した。

五輪種目の女子10キロ。世界選手権の同種目に初出場した新倉は「30位という順位も悔しいが、集団から離されたのが1番よくなかった。最後のブイを回る時に、回りきれずに失速した。ブイまわりのテクニックも課題だと思う」。その上で「前回の(17年)世界選手権は5キロ(16位)で出ましたが、今回は五輪の前年で五輪種目の10キロ。全然、雰囲気が違ったし、選手たちの目の色も違った。世界のトップを目指している人たちとはひとまわり、ふたまわり違うなと思った」と口にした。

今大会で逃した五輪切符は、来年5月の世界最終予選(福岡)で再チャレンジすることになる。同予選に向けて、9月には日本代表選考会が開かれる。貴田は「まず国内選考に勝って、しっかりと準備したい」と気持ちを切り替えていた。

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ASソロ乾友紀子が銅「2位が欲しかった」井村HC

<水泳:世界選手権>◇第2日◇13日◇韓国・光州◇アーティスティックスイミング(AS)ソロテクニカルルーティン(TR)決勝

アーティスティックスイミング(AS)の非オリンピック種目、ソロ・テクニカルルーティン(TR)決勝で、乾友紀子(井村ク)が92・3084点の3位となり、この種目の日本勢では07年の原田早穂以来となる表彰台に立った。

乾がメリハリをつけた演技で予選から大幅に得点を伸ばした。ASのソロTRは目標の92点台に乗せ、日本勢12年ぶりのメダル。強敵の中国が不在ではあったが「点数としては良かった」。ただ、2位のカルボネル(スペイン)と小差だっただけに、井村ヘッドコーチは「2位が欲しかった」。これまで5位、5位、4位と歩んできた乾も「1歩ずつだなあ」と苦笑いだった。

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坂井丞「天性」美しい入水、苦難乗り越え五輪舞台へ

笑顔でポーズを取る寺内(左)坂井組(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第2日◇13日◇韓国・光州◇男子シンクロ板飛び込み決勝

男子シンクロ板飛び込みで、寺内健(38)、坂井丞(26=ともにミキハウス)組が「東京オリンピック内定1号」を手にした。予選2位通過で迎えた決勝は389・43点の7位。日本水泳連盟の選考基準、オリンピック(五輪)内定の8位以内をクリアし、全種目を通じて個人として最速で東京切符。寺内は馬術杉谷泰造に並ぶ夏季日本勢最多の6度目、初出場の96年アトランタ大会から24年をへて、自国開催の五輪に向かう。坂井は2大会連続2度目の五輪出場となる。

坂井は順位を見ながら演技した。「3本目からずっと8位で苦しかった。うれしいし、やっとスタートラインに立てた」。寺内が「天性のもの」と評する美しい入水が持ち味。12年ごろから原因不明の「コリン性じんましん」に悩まされる。「ゆうこりん(小倉優子)じゃないですよ」と言うが、汗をかくと針で刺されたような痛みが走り、練習場に到着しても、そのまま引き返すこともある。そんな苦難を乗り越えて「東京五輪に連れて行ってあげたい」と願っていた父の弘靖コーチ(67)とともに東京の大舞台へ向かう。

◆坂井丞(さかい・しょう)1992年(平4)8月22日、神奈川県生まれ。10年に日本選手権で、高飛び込みと3メートル板飛び込みの2冠を達成。16年リオ五輪に3メートル板飛び込みで初出場し、予選22位で敗退。171センチ、58キロ。

抱き合って喜ぶ寺内(右手前)、坂井(右)組(撮影・鈴木みどり)

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寺内健が東京五輪内定、飛び込み界100年の夢挑戦

男子シンクロ板飛び込み決勝 「東京五輪内定1号」となり、笑顔で日の丸を広げる寺内(右)、坂井組(撮影・鈴木みどり)

<水泳:世界選手権>◇第2日◇13日◇韓国・光州◇男子シンクロ板飛び込み決勝ほか

【光州(韓国)13日=益田一弘】男子シンクロ板飛び込みで、寺内健(38)、坂井丞(26=ともにミキハウス)組が「東京五輪内定1号」を手にした。予選2位通過で迎えた決勝は389・43点の7位。日本水泳連盟の選考基準、五輪内定の8位以内をクリアし、全種目を通じて個人として最速で東京切符。寺内は馬術杉谷泰造に並ぶ夏季日本勢最多の6度目、初出場の96年アトランタ大会から24年をへて、自国開催の五輪に向かう。坂井は2大会連続2度目の五輪出場となる。

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途中で順位を見ない流儀だが、うすうすわかった。8位で迎えた最後の6本目。寺内は、馬淵コーチの「落ち着いて」の声に内定がかかる1本と気づいた。「コーチこそ『落ち着いて』と思った」。得点が高くなる難易度よりも、完成度、同調性で勝負して7位入賞。馬淵コーチと握手して、坂井と抱き合った。「世界に通じるところを少し見せられた。気がつけば6度という思いがある。東京では今までで一番を、結果を求めたい」。

96年アトランタ大会で五輪初出場。00年代は親交が深い金4個の競泳北島、金3個の柔道野村の背中を追った。だが飛び込みは日本勢の五輪メダルなし。今では競い合った選手が引退して審判になるケースも増えた。「会場で『ケン、頑張れよ』と握手してくれるけど、採点は辛かったり」と苦笑い。飛び込み界のレジェンドといえる存在だが「僕が知るレジェンドは金4個、3個ととっている。僕はレジェンドなんかじゃない」。

恵まれてなんかいない。兵庫・宝塚市内のJSS宝塚は競泳プールの横にある飛び込み台で、子供と一緒に練習する。中学時代には自分で施設の裏手の雑草を刈り、人工芝を敷いて、練習用の板を設置した。見学に来た中国選手に「お前、こんなところで練習してんのか?」と聞かれ「そうよ、いかんか?」と返す。かつて「近づくなオーラを出していた」という男が、年を重ねて子供も指導。坂井は初めて会った時に3歳で「健ちゃん」と呼ばれたが、今は「健くん」。そして天才少年、玉井陸斗(12)と「どこかで一緒に飛びたいね」と26歳差ペアに色気もチラリ。25年以上、トップを張ってきた。

内定1号、日本勢最多6度目、日本初のシンクロ種目出場。記録ずくめの東京切符。それでも「五輪が楽しかったことがない。怖いし、慣れない。でも五輪に慣れないことを知っていることが経験値」。そして野村氏、北島氏が引退した今も飛び続ける。「自分はメダルをとっていない。同じステージにいきたい」。

飛び込みは、1904年セントルイス大会で五輪に採用されて、日本勢は1920年アントワープ大会で内田正練が初参加。寺内が20年東京で初のメダルをとれば、飛び込み界100年の夢がかなう。それは間違いなく伝説になる。

◆寺内健(てらうち・けん)1980年(昭55)8月7日、兵庫・宝塚市生まれ。96年アトランタ大会から五輪5度出場。最高順位は00年シドニー高飛び込み5位。01年世界選手権では3メートル板飛び込みで銅メダル。170センチ、69キロ。

◆東京五輪代表 寺内、坂井組が全競技を通じて個人名で初の内定となった。開催国枠などを確保済みの競技はあるが、誰が出るかまでは決まっていない。開催中の水泳世界選手権では今後も飛び込み、オープンウオーター、競泳で日本水連の選考基準を満たし、代表内定の可能性がある。その後も8月のセーリング、9月のレスリングなど世界選手権の成績によって、代表内定選手が出る競技がある。

男子シンクロ板飛び込み決勝 4本目の演技を行う寺内(左)、坂井組(撮影・鈴木みどり)

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