日刊スポーツ

丸山城志郎と阿部一二三の対戦 山下泰裕会長が期待

丸山城志郎と阿部一二三の対戦 山下泰裕会長が期待

全柔連の山下会長(20年7月14日撮影)

全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕会長(63)が24日、男子66キロ級で東京オリンピック(五輪)代表を争う丸山城志郎(ミキハウス)と阿部一二三(パーク24)との新旧世界王者対決を期待した。

当初、12月のグランドスラム(GS)東京大会が最終選考会の予定だったが、コロナ禍の影響で中止に。全柔連は同時期にワンマッチを行う方針を示している。都内で取材に応じた山下氏は「人生は思い通りにいかないことの方が多い。条件は同じだし、世界で勝てる選手はどんな状況でもコンディションを調整できる。心配してない」と話した。

丸山城志郎(19年8月26日撮影)
阿部一二三(17年4月1日撮影)

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山下泰裕会長、GS中止は「東京五輪に必ずいきる」

GS東京の中止について思いを語る山下泰裕会長(撮影・峯岸佑樹)

全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕会長(63)が24日、都内で取材に応じ、12月のグランドスラム(GS)東京大会(国立代々木競技場)の中止に至った経緯などを説明した。

山下氏は、来夏に延期された東京五輪の運営面のテストとしても注目されたGS東京の中止決定について「残念だが、判断は正しいと思う。GS東京の準備は、来年の東京五輪に必ずいきると思う」と述べた。

GS東京の開催は、東京五輪の機運醸成にもつながり、国や組織委員会などとも前向きに準備を進めてきた。しかし、国際柔道連盟(IJF)のビゼール会長から新型コロナウイルスの感染を考慮して、来春への「延期」を通告された。毎年4月には、全日本選抜体重別選手権(福岡)や体重無差別で争う全日本選手権などを控えており、会場や日程などの問題で延期は困難と判断し、最終的に中止が決まったという。「ビゼール会長の『柔道とアスリートを守る』という考えも強かった。もし、万が一のことが起きたら、東京五輪に与える影響も大きかった」と理解を示した。

日本オリンピック委員会(JOC)の会長も兼任する山下氏は「何としても、私は21年に(五輪が)できるとずっと思っている。形は通常と違っても、今はそこに向けて『できる』と機運を盛り上げるのは我々の仕事。全柔連の中でも、GS東京開催の思い入れが一番強かったのも私だと思う。外国選手の受け入れや安全対策など最終的に努力してダメなら仕方ないが、最初から『できない』はない。そうなると、来夏も『できない』と機運を下げることになる。(GS東京中止は)アクセルを踏んでいたところに急ブレーキがかかった感じだが、全力でやった結果」と熱く語った。

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山下会長「やむを得ない」12月GS東京大会中止

定例会見を行ったJOC山下泰裕会長(撮影・益田一弘)

日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)が23日、都内で2カ月に1度の定例会見をスタートした。第1回のこの日は今後の取り組みとして、チャリティー施策を発表。

10月10日にアスリートによるゲーム対決の動画配信や、JOCアスリート委員会によるオークションなどを行って、ジュニア選手や経済的にスポーツをすることが困難な子供たちに寄付することなどを発表した。

全柔連会長も兼ねる山下会長は12月のグランドスラム東京大会が中止になった経緯を説明した。18日に国際柔道連盟のビゼール会長とテレビ会議を開催。ビゼール会長から、新型コロナウイルス感染者が出た場合の影響として「五輪ホスト国とその他の国でやる大会は重要性が違う」として、大会の来春延期を要請されたという。日本側は会場の問題などで来春の開催困難と伝えると、ビゼール会長側から「それならばやらないほうがいいだろう」と提案されたという。山下会長は中止について「ひと言でいって残念です。ただビゼール会長がいうこともわかる。スポーツ、アスリートを守るためにやむを得ないと思います」とした。

また、国際オリンピック委員会のバッハ会長がコロナ禍でも制限付きで来夏の五輪開催は可能という見方を示していることについて「基本的な認識は同じ。安心安全を確保して、開催するんだという思いを感じた」とした。【益田一弘】

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GS東京が中止に「五輪開催国で特別な配慮が必要」

柔道のグランドスラム(GS)東京大会(12月11~13日、国立代々木競技場)の中止発表を受け、全日本柔道連盟(全柔連)は23日、コメントを発表した。

「GS東京2020中止のお知らせ」と題し、中里壮也専務理事が中止に至った経緯などを説明した。

以下、コメント全文。

「日本は東京五輪の開催国であり特別な配慮が必要であるという意識のもと、コンタクトスポーツである柔道の競技特性に鑑み、IJFとして慎重を期すためにグランドスラム東京の中止を判断したと、IJFより連絡を受けました。大会まで3カ月を切っておりましたが、直前のキャンセルとなると各関係者への影響が大きいため、現段階での決断となりました。年明けにはIJF大会や国内大会が多く予定されており、会場手配や予算面などの懸念も踏まえて大会の延期は現実的でないとし、中止の判断となりました。なお、入国制限や14日間待機の緩和については、本連盟からスポーツ庁に対し相談をしておりましたが、具体的な議論に入る前にIJF側が中止の判断をしたもので、政府の水際措置が中止の原因になったものではございません。本連盟としては、東京五輪の準備に向けて、政府、組織委員会、東京都などに対し、引き続き国内競技連盟として出来うる協力を図って参ります。グランドスラム東京の中止が10月31日、11月1日の講道館杯開催への影響することはございません。講道館杯は国内大会であり、本連盟のガイドラインに沿った大会運営に加え、選手や関係者に新型コロナウイルスの検査を実施するなど、感染防止を徹底すべく計画しております。66キロ級の東京五輪代表内定選考については、グランドスラム東京が予定されていた時期での開催を予定しております。両選手が最高の状態で試合に臨めるよう、そして柔道ファンの皆様に熱戦をお楽しみいただけるよう、会場や開催日などさまざまな角度から検討を進めて参ります」(原文まま)

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柔道GS東京大会の中止発表 五輪控え慎重な判断

国際柔道連盟(IJF)は22日、新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、12月のグランドスラム(GS)東京大会(国立代々木競技場)を中止すると発表した。来夏に延期された東京オリンピック(五輪)を控え、より慎重な対応を要するためと強調した。

延期でなく中止したのは年明けから既に多くの国際大会が予定されているためと説明。海外から選手団を受け入れるGS東京大会は運営面で東京五輪の試金石として注目されていた。

一方、3月から中断されている主催大会の再開戦となるGSブダペスト大会はハンガリー政府の決定を待って、10月23~25日の開催で確定する方向。その後も年内に欧州での国際大会を調整中で、来年1月11~13日には世界ランキング上位者で争うマスターズ大会をカタールで実施することを確認したという。

IJFのビゼール会長は「全ての関係者と調整しながら、全ての人の安全を確保するため、可能な限りの努力を続ける」と述べた。(共同)

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大野将平「柔道も前に進まないと」コロナ禍に思い

高校生の前で大外刈りを実演する大野

「野球やサッカーのように、柔道も前に進まないといけない。強い思いがあり、参加させていただいた」

柔道男子73キロ級で16年リオデジャネイロ五輪金メダルの大野将平(28=旭化成)が、口元を引き締めていた。

19日、三重県内で高校生約100人を集めた合同稽古を終えた後のことだった。本来であれば、8月の東京五輪で2連覇が絶対視されていた日本柔道界の顔は、コロナ禍での国内柔道界におけるこの日の価値を説いていた。4県から高校生が集まり、20日からは中止となった高校総体の代わりの意味も込めて、大会が開かれる。接触競技として、大会開催などが不透明な現状では、1つ前に進む動きになる。

大野自身にとっても意味ある稽古だった。7カ月間伸びっぱなしという髪は、どこかライオンのようで、一層王者の風格の印象を増すが、その理由は拠点の天理大から出ることがなかったから。この日が約半年ぶりの対外稽古だった。「新鮮ですし、正直にうれしかった」と声が弾んだ。

稽古では大外刈りの実演もし、その技術を丁寧に伝えた。「いい思い出になってくれたらうれしいです。できれば大学生になっても柔道を続けてほしい」と願っていた。

高校生との乱取りで内股を繰り出す大野

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柔道リオ金の大野将平「段階的に」半年ぶり対外稽古

高校生の前で大外刈りを実演する大野

柔道男子73キロ級でリオデジャネイロ五輪金メダルの大野将平(28=旭化成)が19日、三重県内で高校生約100人を集めた合同稽古に参加した。

コロナ禍では拠点の天理大で練習しており、対外稽古は約半年ぶり。高校総体が中止となった高校生は20日から試合も行うことに、「野球やサッカーのように、柔道も前に進まないといけない。段階的に進め、試合にたどり着ければ」と見据えた。12月のグランドスラム東京が中止になる可能性には、「試合は自分の強さの証明の場。自分自身を確かめることはしたい」と述べた。

高校生との乱取りで内股を繰り出す大野

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柔道グランドスラム東京大会の12月開催断念へ

国際柔道連盟(IJF)が国際大会のグランドスラム(GS)東京大会(12月11~13日・国立代々木競技場)の開催を断念する方針を固めたことが19日、関係者への取材で分かった。新型コロナウイルス感染の危険性を考慮した判断。来夏に延期された東京オリンピック(五輪)の試金石として運営面が注目されていた。

関係者によると、18日に全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕会長とIJFのビゼール会長が電話会議を開き、集団感染が発生すれば五輪の開催も危ぶまれるとして断念の方向でまとまったという。来春以降への延期を目指すが、会場確保が困難な状況で事実上の中止の可能性がある。

GS東京大会は東京五輪の日本代表が唯一決まっていない男子66キロ級の最終選考会を兼ねている。全柔連は中止や延期の場合は同時期に丸山城志郎(ミキハウス)と阿部一二三(パーク24)による代表決定試合を行う計画。方式や会場は今後議論する。(共同)

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柔道全日本選手権は12月26日に無観客で開催

東京文京区にある講道館

柔道の講道館は17日、新型コロナウイルスの影響で延期されていた全日本選手権を12月26日に東京都文京区の講道館大道場で開催すると発表した。感染防止対策のため、無観客での実施となる。

同じく全日本女子選手権は12月27日に講道館での実施で調整されている。

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永瀬貴規「使命果たす」五輪金メダルへ心技体を磨く

オンライン取材に応じる永瀬貴規

東京オリンピック(五輪)柔道男子81キロ級代表の永瀬貴規(26=旭化成)が15日、悲願の五輪金メダルへ心技体を磨くことを誓った。

オンライン取材に応じ、来夏に向けて「新たな技にも取り組んでいるが、もっとたくましい精神面と技術力が必要」と話した。コロナ禍による自粛期間中は、過去の試合映像を見返して自己分析した。特に勝負どころでのメンタルの弱さを課題に挙げ、自身の柔道スタイルの確立が強みになると考えた。2度目の大舞台では「日本代表としての使命を果たす」と金メダルを宣言した。

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柔道全日本と全日本女子を講道館で12月に開催へ

中里壮也氏(2017年3月29日撮影)

全日本柔道連盟(全柔連)は14日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期になった、体重無差別で争う全日本選手権と全日本女子選手権を東京・講道館の大道場で開催する方針を固めた。今後、大会実行委員会などを経て正式決定する見通し。

この日、オンライン取材に応じた全柔連の中里壮也専務理事は「全日本は他の会場も見つからず、(出場選手も)40人弱なので、講道館の大道場でやろうとなった。基本的には無観客で考えている」と話した。全日本選手権は12月26日、全日本女子選手権は翌27日に開催予定。

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柔道新井千鶴「ぶれずにやるだけ」東京五輪へ不動心

オンライン取材で笑顔を見せる新井千鶴

東京オリンピック(五輪)柔道女子70キロ級代表の新井千鶴(26=三井住友海上)が7日、「不動心」を貫くことを誓った。

オンライン取材に応じ、開催が危ぶまれている初の夢舞台について「『絶対』はない。いろいろな声はあるが目標と目的を持ち続け、ぶれずにやるだけ」と強調した。コロナ禍による自粛期間中は、過去の試合映像を見返して自己分析した。6月から所属道場で本格的なトレーニングを再開し、課題に挙げる組み手の強化を図る。今後出場する大会は未定で、稽古の状況を踏まえながら決めるという。

オンライン取材に応じる新井千鶴

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大野の柔道着50万円 チャリティーオークション

金ゼッケン付き柔道着を出品した大野将平

九州などの各地を襲った7月の豪雨被害の復興支援を目的とした「柔道界チャリティーオークション」第3弾は30日夜、終了した。

16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)男子73キロ級金メダルで、東京五輪で2連覇を狙う大野将平(28=旭化成)が出品した五輪王者が背負う「金ゼッケン」付き柔道着が、50万6000円で落札された。入札は145件。

チャリティーオークションは、全日本柔道連盟(全柔連)のアスリート委員会が企画した。オークションサービス「HATTRICK」を活用し、3週に分けて実施。第3弾は24日午後8時~30日午後10時まで行われた。その他、東京五輪女子52キロ級代表の阿部詩(20=日体大)の柔道着が38万1000円、92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦氏(52)の柔道着が32万1000円で落札された。

総勢40人以上が協力し、収益の全額を被災地の柔道連盟などに寄付する。

金ゼッケン付き柔道着を出品した大野将平ら

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講道館杯の出場資格説明 全柔連金野氏が複雑な思い

金野潤強化委員長(2020年2月23日撮影)

全日本柔道連盟の金野潤強化委員長(53)は26日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期になった全日本選抜体重別選手権を兼ねる講道館杯(10月31日~11月1日、千葉ポートアリーナ)の出場資格に関して説明した。

オンラインでの取材に応じ、コロナ禍により“特例措置”を講じた20年講道館杯の出場資格について「今年は試合がないため、昨年までの成績を加味した。コロナ禍で大会規模も縮小し、(出場選手は)1日130人までの規定もある。その中で選手を選抜した」と説明した。

国際大会への登竜門とされる講道館杯は、例年に比べて、出場選手を4割程度減らして規模を縮小。出場枠は女子が強化Dまでだったが強化Cまで。前年の全日本実業個人選手権ベスト4までが、優勝者のみとなった。若干名の強化委員会特別推薦枠などもなくなった。

金野氏は、コロナ禍により現在も地域によっての練習格差が続いていると前置きした上で、「出場選手はけがを含めて無理しないでほしいが、少ない試合機会の中、出来る範囲で今ある力を発揮してもらいたい」と複雑な思いを語った。

講道館杯優勝者は、例年通りグランドスラム(GS)東京大会(12月11~13日、国立代々木競技場)の出場権を得られる。GS東京大会は、国内で開催される唯一の国際大会で日本代表が1階級最大4人出場できる。

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GS中止なら丸山城志郎-阿部一二三で五輪選考試合

左から丸山城志郎、阿部一二三(2019年11月22日撮影)

全日本柔道連盟の金野潤強化委員長(53)は26日、東京オリンピック(五輪)男子66キロ級代表の最終選考会を兼ねるグランドスラム・東京大会(12月11~13日、国立代々木競技場)が中止の場合、大会期間中に19年世界王者の丸山城志郎(ミキハウス)と17、18年世界王者の阿部一二三(パーク24)のワンマッチを実施すると明言した。

オンライン取材に応じ、「もし、そうなったら1試合のみ。3本勝負の国もあるがワンマッチでやる」と話した。新旧世界王者対決の会場は未定で、審判は日本人が務める予定という。

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全柔連、従来の勤務態勢に戻るのはワクチン普及後

全日本柔道連盟(全柔連)の吉田行宏事務局長は25日、職員が従来の勤務態勢に戻るのは新型コロナウイルスのワクチン普及後との見解を示した。

オンラインでの常務理事会後に取材に応じ、全柔連の当面の勤務態勢について「基本的にはオンライン。うちは歴史的にいろいろあり、(従来の態勢に)戻るのは薬が出て落ち着いてから」と述べた。全柔連は役職員19人が集団感染し、一時は組織運営に支障が出ていた。それ以降、出勤者を1日10人程度と決め、オンラインでの業務を継続している。

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山下会長の柔道着55万円 復興支援オークション

チャリティーオークションに柔道着を出品した山下泰裕氏ら

九州などの各地を襲った7月の豪雨被害の復興支援を目的とした「柔道界チャリティーオークション」第2弾は23日夜、終了した。全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕会長(63)が出品した柔道着が、過去最高の55万1000円で落札された。

熊本県出身の山下氏は被災地へのエールを込めて、柔道着に好きな言葉「挑戦」とサインを書いた。17日午後8時~23日午後10時までに84件の入札があった。第1弾の最高額は、男子代表井上康生監督(42)の黒帯で35万円だった。

その他、男子66キロ級で19年世界王者丸山城志郎(27=ミキハウス)の世界王者が背負う「赤ゼッケン」付き柔道着が29万1000円、男子代表重量級担当の鈴木桂治コーチ(40)の柔道着が28万3000円で落札された。

チャリティーオークションは、全柔連のアスリート委員会が企画した。オークションサービス「HATTRICK」を活用し、3週に分けて実施。第3弾は24日午後8時~30日午後10時まで行われる。東京五輪男子73キロ級代表の大野将平(28=旭化成)や同五輪女子52キロ級代表の阿部詩(20=日体大)ら総勢40人以上が協力し、収益の全額を被災地の柔道連盟などに寄付する。

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北越・桜井湖太郎コリー、90キロ級Vで夢への第1歩

桜井湖太郎コリー

<新潟県高校体育大会柔道競技会>◇22日◇新潟市亀田総合体育館武道場◇男子6階級、女子3階級

男子個人90キロ級は、カナダ人を父に持つ桜井湖太郎コリー(北越3年)が優勝した。斎藤友輝(新津工3年)との決勝は一本背負いで一本勝ち。新型コロナウイルス感染を防ぐための休校期間中も、柔道部員でただ1人寮に残ってトレーニングを続けた。その努力の成果を、高校最後の畳の上で見事に披露した。

  ◇   ◇   ◇  

178センチの桜井が、低い姿勢で斎藤の懐に潜り込んだ。相手を腰に乗せ、回転しながら畳にたたきつける。開始から1分21秒。切れ味鋭い一本背負いが決まった。「高校1年の時に、顧問の今道(敬)先生から教えてもらった技。最後に1本取れたので、練習のかいがあった」。高校生活最後の大会で3年間の集大成ともいうべき技をさく裂させた。

コロナ禍の中でも、ひとりで黙々と練習してきた。桜井は南魚沼市出身。寮生の柔道部員は休校期間中、実家に帰ったが、ただひとり寮に残り、ウエートトレーニングに取り組んだ。壁打ち込みも熱心に繰り返した。「高校のゴールはインターハイ(全国高校総体)出場」という目標は消えていたが気持ちを切り替えていた。「(全国)大会はなくなったとしても、今の努力は必ず役立つ」。優勝で、その努力を結実させた。

祖父は参議院議員を1期、衆議院議員を6期務めた故桜井新氏(享年84)。桜井は、六日町中3年のときに祖父の前で柔道続行を誓っていた。「祖父が亡くなる際に『柔道をする』と約束した。祖父のために、と3年間やってきた」。柔道と並行して中学時代に取り組んできたレスリングに気持ちが動いた時期もあったが、高校では柔道一筋。今道監督は教え子の柔道への姿勢について「強くなりたい、という気持ちが強すぎるくらいだった」と話す。

高校3年間で、桜井は全国大会とは無縁に終わった。しかし、柔道への情熱は失っていない。進学を希望しており、大学に進んでも柔道を続ける意向だ。「いずれは、自分の道場がほしい。将来的には柔道を教える立場になりたい」。優勝は、夢への第1歩になった。【涌井幹雄】

◆桜井湖太郎コリー(さくらい・こたろうこりー)2002年(平14)7月25日生まれ、南魚沼市出身。六日町中。柔道は、北辰小1年から六日町柔道クラブで開始。中学3年で県大会個人81キロ級3位。1月の全国高校選手権予選は、個人無差別級3位。178センチ、88キロ。血液型AB。

男子90キロ級決勝、桜井(上)は鮮やかな一本背負いを決める

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山下会長出品の柔道着が最高額へ 復興オークション

「挑戦」と記した柔道着を出品した山下泰裕氏

九州などの各地を襲った7月の豪雨被害の復興支援を目的とした「柔道界チャリティーオークション」第2弾で、全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕会長(63)が出品した柔道着が19日午前11時現在、第1弾の最高額35万円で落札された男子代表井上康生監督(42)の黒帯に並んだ。

熊本県出身の山下氏は被災地へのエールを込めて、柔道着にサインと好きな言葉「挑戦」を記した。残り時間が4日以上あり、過去最高額で落札される可能性が高い。

その他、男子66キロ級で19年世界王者、丸山城志郎(ミキハウス)の世界王者が背負う「赤ゼッケン」付き柔道着が26万円、16年リオデジャネイロ五輪男子100キロ級銅メダルの羽賀龍之介(旭化成)の柔道着が10万1000円など高額取引が続いている。

チャリティーオークションは、全柔連のアスリート委員会が企画した。オークションサービス「HATTRICK」を活用し、3週に分けて実施。第2弾は17日午後8時~23日午後10時、第3弾は24日午後8時~30日午後10時まで。東京五輪男子73キロ級代表の大野将平(旭化成)や同五輪女子52キロ級代表の阿部詩(日体大)ら総勢40人以上が協力し、収益の全額を被災地の柔道連盟などに寄付する。

柔道着を出品した山下泰裕氏ら

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柔道でモンゴル初の金ナイダンが五輪委会長に

国際柔道連盟(IJF)は2008年北京オリンピック(五輪)男子100キロ級でモンゴルに初の五輪金メダルをもたらしたナイダン・トゥブシンバヤル(36)が同国のオリンピック委員会会長に就任したと、18日までに伝えた。

ナイダンは北京五輪で04年アテネ五輪100キロ超級覇者の鈴木桂治を破るなどして頂点に立ち、母国で最も栄誉のある「労働英雄賞」を授与された。12年ロンドン五輪では銀メダルを獲得。IJFは「彼の経験をモンゴルの五輪運動に生かすことができるだろう」と期待した。(共同)

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国際柔道連盟が陰性証明の義務化、大会再開に向けて

国際柔道連盟が発表した国際大会再開に向けてのガイドライン(国際柔道連盟公式HPより)

国際柔道連盟(IJF)は17日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月から中断している国際大会の再開に向けたガイドラインを発表した。

IJFの公式ホームページには、22ページにも及ぶ細かい内容を明記。感染予防を理由に無観客開催で、開催地到着前にPCR検査を2回受け、陰性証明書の提出などを義務付けた。会場内では1・5メートル以上の社会的距離を保ち、1日最低2回のマスク交換。選手同士の握手は厳禁で肘当てかお辞儀でのあいさつ、個人の携帯電話の消毒まで細かく定められた。

国際大会は、9月のグランプリ・ザグレブ大会(クロアチア)から再開の予定。全日本柔道連盟は12月のグランドスラム(GS)東京大会(国立代々木競技場)から日本代表選手を派遣する方針を示している。GS東京大会は、東京五輪男子66キロ級代表の最終選考会を兼ね、19年世界王者の丸山城志郎(27=ミキハウス)と17、18年世界王者の阿部一二三(23=パーク24)が争う。

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柔道全日本体重別を兼ねた講道館杯 10・31から

全日本柔道連盟(全柔連)は17日、延期となった全日本選抜体重別選手権と兼ねた講道館杯(10月31日~11月1日、千葉ポートアリーナ)を規模を縮小して実施する方針を示した。

無観客開催の方向で、出場選手数も例年の約4割減の260人以下で調整している。具体的な大会運営に関しては、今後の新型コロナウイルス対策委員会などで詳細を詰める。全柔連の中里壮也専務理事は感染予防の観点から「人はなるべく少なくしたい」と話した。

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井上監督黒帯が35万落札 柔道オークション第1弾

チャリティーオークションに黒帯や柔道着で作られたシューズなどを出品した井上康生監督ら

九州などの各地を襲った7月の豪雨被害の復興支援を目的とした「柔道界チャリティーオークション」第1弾が16日夜、終了した。

東京五輪男子60キロ級代表の高藤直寿(27)や男子66キロ級元世界王者の阿部一二三(23=ともにパーク24)、男子代表の井上康生監督(42)らがサイン入り柔道着や帯などを出品。オークションサービス「HATTRICK」を活用して、8月10日午後8時~同16日午後10時までチャリティーオークションを実施した。井上監督の「井上」と記された黒帯が35万円、阿部の世界王者が背負う「赤ゼッケン」付き青道着と黒帯が、それぞれ30万1000円などで落札された。

同オークションは、全柔連のアスリート委員会が企画。3週に分けて実施され、第2弾は17日午後8時~23日午後10時、第3弾は24日午後8時~30日午後10時に開催する。東京五輪男子73キロ級代表の大野将平(28=旭化成)や同五輪女子52キロ級代表の阿部詩(20=日体大)、全柔連の山下泰裕会長(63)ら総勢40人以上が協力し、収益の全額を被災地の柔道連盟などに寄付する。

チャリティーオークションに黒帯や青道着を出品した阿部一二三ら

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柔道の全日本学生体重別2大会が史上初の中止

17年全日本学生体重別選手権決勝で対戦する竹内鈴(下)と出口クリスタ

柔道の全日本学生連盟は12日、オンラインで理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大により個人戦で大学日本一を決める全日本学生体重別選手権(9月・千葉ポートアリーナ)と、全日本学生体重別団体優勝大会(10月・ベイコム総合体育館)の中止を決めた。

いずれも中止は史上初。

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日体大柔道部10人がコロナ感染、阿部詩は感染せず

日本体育大の男子柔道部で部員、指導者の計10人が新型コロナウイルスに感染していたことが8日、関係者の話で分かった。いずれも軽症で、保健所の指示に従って隔離されているという。道場がある東京都世田谷区のキャンパスは16日まで許可者以外の入構が禁止となっている。

関係者によると、7月29日に部員2人の感染が判明。その後に濃厚接触者がPCR検査を受け、他の部員7人と指導者1人の陽性反応も確認された。

女子柔道部所属で東京五輪52キロ級代表の阿部詩は感染していない。男子とは別の道場を使用しており、健康状態に異常はないという。(共同)

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大野将平、阿部詩ら40人超が復興支援チャリティー

チャリティーオークションに柔道着を出品する大野将平(全日本柔道連盟提供)

全日本柔道連盟(全柔連)は7日、九州などの各地を襲った7月の豪雨被害の復興支援を目的に「チャリティーオークション」を実施することを発表した。

全柔連のアスリート委員会が企画し、東京五輪男子73キロ級代表の大野将平(28=旭化成)や女子52キロ級代表の阿部詩(20=日体大)らがサイン入り柔道着などを出品する。その他、全柔連の山下泰裕会長や男子代表の井上康生監督ら総勢40人以上が協力予定。

オークションは、3週に分けて実施する。オークションサービス「HATTRICK」を活用し、第1弾は8月10日午後8時~同16日午後10時、第2弾は同17日午後8時~同23日午後10時、第3弾は同24日午後8時~同30日午後10時に開催する。収益の全額を被災地の柔道連盟などに寄付する。

大野は「少しでも力になれればという思いを込めて柔道着を出品させていただきます」。阿部は「少しでも被災地の皆さまの助けになることを願っています」とコメントした。

以下、協力予定者(順不同) 高藤直寿、阿部一二三、丸山城志郎、永瀬貴規、向翔一郎、ウルフ・アロン、原沢久喜、渡名喜風南、芳田司、田代未来、古賀稔彦、吉田秀彦、篠原信一、中村兼三、福岡政章、西山将士、西山大希、中矢力、橋本壮市、杉本美香、西田優香、浅見八瑠奈、中村美里、梅木真美、緒方亜香里、山下泰裕、井上康生、増地克之、塚田真希、金丸雄介、鈴木桂治、塘内将彦、吉田優也、羽賀龍之介、七戸龍、海老沼匡、山部佳苗、中山有加、各務耕司、秋本啓之、小林まこと

チャリティーオークションに柔道着を出品する阿部詩(全日本柔道連盟提供)

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柔道素根輝「心より感謝」7月末に環太平洋大を退学

柔道東京五輪代表内定第1号となり、笑顔でポーズを決める素根(2019年11月24日撮影)

来夏に延期になった東京オリンピック(五輪)柔道女子78キロ超級代表で、7月末に環太平洋大を退学した素根輝(そね・あきら、20)が3日、マネジメント会社を通じてコメントを発表した。

「環太平洋大ではとてもお世話になり、心より感謝しております。8月1日より柔道だけに集中専念することになりましたので、今後ともご声援のほどお願い申し上げます」

素根は昨年8月の世界選手権東京大会と同11月のグランドスラム(GS)大阪大会を制し、柔道日本勢で五輪代表第1号に決まった。新型コロナウイルス感染拡大以降は、福岡県久留米市の実家と母校の南筑高でトレーニングを続けている。

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東京五輪代表の素根が環太平洋大退学「柔道に専念」

柔道女子78キロ超級で東京オリンピック(五輪)代表の素根輝(20)が7月いっぱいで環太平洋大を退学していたことが1日、関係者への取材で分かった。

当面は無所属のまま母校の福岡・南筑高を拠点に、来夏に延期された五輪での金メダルを目指す異例の形となる。

関係者によると、素根は「五輪に向けて柔道に専念したい」などと話しているという。昨春に元五輪王者の古賀稔彦氏が総監督を務める環太平洋大に入学したが、日本代表での活動が中心となり、大学のある岡山で過ごす時間は少なかった。

162センチと最重量級では小柄ながら、鋭い担ぎ技を軸にした攻撃的柔道で活躍。昨夏の世界選手権で初優勝し、11月のグランドスラム大阪大会も制して柔道の日本勢で最初に東京五輪代表に決まった。新型コロナウイルスの感染拡大後は福岡の実家に戻ってトレーニングを続けている。(共同)

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ウルフ・アロン、夢の「3冠王」達成へ胸毛そり封印

胸毛をそらずに全日本選手権に臨んだウルフ・アロン(撮影・峯岸佑樹)

<幻の20年夏>

柔道男子100キロ級代表のウルフ・アロン(24=了徳寺大職)はオリンピック(五輪)決勝日だった30日、17年世界選手権、19年全日本選手権制覇に続いて夢の「3冠」を達成するはずだった。しかし、昨年12月に右膝半月板の手術に踏み切ったため、五輪延期は準備期間確保を理由に追い風と捉えた。一時期悩んだ胸毛問題も解決し、自分らしさを貫いて1年後に備える。

   ◇   ◇   ◇

日本柔道8人目となる「3冠」の偉業達成は、来夏にお預けとなった。今年3月に五輪延期が決まると、ウルフは冷静に1年後へ気持ちを切り替えた。「手術の影響もあり、正直ラッキーだった。ただ、1年で強くなれないので、今後はどれだけ弱くならないかが重要になる。負けない準備を追求したい」。現在の右膝半月板の回復は8割程度で、今夏開催では万全の状態で臨めなかった。

「3冠王」へ異常なほどの執念を持つ。東京都葛飾区出身。米国人の父と日本人の母を持ち、地元開催の初五輪は特別な思いがある。幼少期から尊敬する東海大の先輩で男子代表の井上康生監督(42)と、重量級担当の鈴木桂治コーチ(40)へ感謝を体現する舞台と位置づける。死闘を幾度も繰り返した3冠王の2人の活躍が、自身の柔道人生に大きく影響した。競技を始めて18年経過しても、スマートフォンには小学生の頃に撮影した井上監督、鈴木コーチとの2ショット写真を保存する。

「五輪は自分のためだけではない。憧れの井上先生や鈴木先生と日本代表にいることが今でも不思議だし、日本武道館で歴史に名を残す瞬間を2人にはしっかりと見届けてもらいたい。必ず3冠王となって、100キロ級が花形である時代を取り戻すことが自分の使命だと思っている」

近年は、トレードマークの男らしい胸毛に悩んだ。17年世界選手権では、直前にバリカンで胸毛を刈り、強みのスタミナを生かして初優勝。約15キロ減量し、胸筋や腹筋などの肉体美を披露する目的で実行した。験かつぎとして、翌18年世界選手権でもそったが5位に沈んだ。「結果と胸毛は関係ない」と受け止めた一方、繊細な性格で女性ファンから「胸毛だけはそらないで」と書かれた手紙をもらい真剣に悩んだ。ある日、周囲から「胸毛をそると生やすのに力が必要らしい」と聞いて、19年全日本選手権では体力温存の意味も込めてそらずに臨んだ。初の全日本王者の称号を手にして3冠に王手となった。決断した。

「柔道は格闘技でもある。(スピードとパワーを兼ね備えた猛者が集結する)100キロ級では容姿の強さも大切。胸毛はむしろ武器で、見た目で威圧するのも戦術の1つになる。五輪では名前の通り、ありのままのワイルドな感じでいく」

姓のウルフを表すように覚醒した24歳のオオカミは、1年後の東京五輪という獲物を狙う。【峯岸佑樹】

◆ウルフ・アロン 1996年(平8)2月25日、東京都生まれ。6歳で柔道を始める。千葉・東海大浦安高時代は高校選手権、金鷲旗、高校総体などで優勝。東海大時代は15、16年講道館杯を連覇。17年世界選手権優勝。19年全日本選手権優勝。世界ランク6位。左組み。得意技は大内刈りと内股。趣味は料理。家族構成は妻。181センチ。

胸毛をそって18年世界選手権に臨んだウルフ・アロン(撮影・峯岸佑樹)
15年前に鈴木桂治コーチと記念撮影するウルフ・アロン

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柔道練習再開へ指針改定版、段階移行の数値基準外す

全日本柔道連盟は28日、新型コロナウイルスの影響で自粛していた練習の再開に当たって定めた4段階の指針の改定版を発表した。各地域の感染者数にばらつきが出ている状況を考慮し、段階の移行に際して設けた数値基準を外した。

軽めの打ち込みができる第2段階は地域の多くの学校や部活動が再開され、チームに感染者と濃厚接触者がいないことが条件。実戦的な稽古の乱取りが可能となる第3段階に移るには拠点の学校や企業、その近隣で感染者の著しい増加がないことを求めた。

移行に際しては選手の所属先などが総合的に判断する。チーム内に感染者が出た場合は2週間の活動休止の後、相手と組まない第1段階に戻す。

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