日刊スポーツ

“最強の敗者”丸山城志郎が柔道世界選手権2連覇誓う「新たにつなげたい」

“最強の敗者”丸山城志郎が柔道世界選手権2連覇誓う「新たにつなげたい」

オンライン取材に応じる丸山城志郎

19年柔道世界選手権男子66キロ級覇者の丸山城志郎(27=ミキハウス)が、6月の世界選手権(ブダペスト)での2連覇を誓った。

22日、都内で行われている男子代表合宿に参加。昨年12月の東京五輪代表決定戦で阿部一二三(パーク24)に僅差で敗れた“最強の敗者”は「優勝して(24年パリ五輪に向けて)新たにつなげたい。もう1回世界王者になって、『やっぱり丸山は強い』と言われるような勝ち方をしたい」と強い決意を示した。

世界選手権代表合宿で軽快な動きをみせる丸山城志郎(左)(全日本柔道連盟提供)
世界選手権代表合宿に参加する丸山城志郎(左)(全日本柔道連盟提供)

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井上康生監督「学ばせてもらった」引退の海老沼匡さんと支えた兄に感謝

世界選手権代表らの動きを確認する井上康生監督(右)(全日本柔道連盟提供)(21年4月21日)

柔道男子代表の井上康生監督(42)が、15日に現役引退した12年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪男子66キロ級銅メダルの海老沼匡さん(31=パーク24)にねぎらいの言葉を送った。

22日、都内で行われている世界選手権(6月、ブダペスト)代表合宿に参加。オンライン取材に応じた指揮官は、海老沼さんについて「(4日の全日本選抜体重別選手権73キロ級を制し)正直、いちファンとして、もっと試合を見たい気持ちになりました。たくさんの方に愛され、多くの選手たちの見本になっていました。私もコーチ、監督時代を通じていろいろなことを学ばせてもらいました。彼には『ご苦労さま』と『ありがとう』を伝えたいです。今後の活躍も期待しています」と、メッセージを送った。

さらに「付け加えて」として、海老沼さんを支え続けてきた家族についても触れた。海老沼さんが幼少期から背中を追い、同じ道を歩んできた兄でパーク24柔道部男子監督の聖さん(37)にも「お兄さんの存在なくして海老沼匡はいなかったと思います。ずっと練習をサポートする姿を見てきて、海老沼監督にも『ありがとうございます』と伝えたいです」と感謝の意を表した。

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柔道芳田司「もういいかな」国際大会には出ずに東京五輪に挑む意向示す

世界柔道選手権東京大会 男女混合団体戦準決勝 ブラジルのシルバ(右)に一本勝ちする芳田司(2019年9月1日撮影)

東京オリンピック(五輪)柔道女子57キロ級代表の芳田司(25=コマツ)が、今後の国際大会に出場しないで五輪に臨む意向を示した。

20日、オンライン取材に応じ、5月のグランドスラム・カザン大会(ロシア)について「もう(前哨戦は)いいかな」と話した。コロナ禍の影響で約1年ぶりの実戦となった1月のマスターズ大会を制し、海外勢との感覚も取り戻した。この日から始まった地元の京都合宿では、担ぎ技の強化をテーマに掲げ、初の大舞台へ最終調整を進める。

東京五輪代表に内定し会見する芳田(2020年2月27日撮影)

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バルセロナ五輪金の古賀稔彦さんに旭日小綬章を贈ること決定

92年バルセロナ五輪、柔道男子71キロ級で金メダルを獲得した古賀稔彦さん

政府は20日の閣議で、3月24日に53歳で死去した1992年バルセロナ五輪柔道男子71キロ級金メダリストの古賀稔彦さんに旭日小綬章を贈ることを決めた。(共同)

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吉田秀彦総監督、海老沼引退に涙「何をとっても見本になる男」

花束を手に笑顔を見せる海老沼匡(右)。左は吉田総監督(撮影・横山健太)

12年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪柔道男子66キロ級銅メダルで、73キロ級の海老沼匡(31=パーク24)が15日、都内のパーク24本社で記者会見を行い、現役引退を発表した。

同席した92年バルセロナ五輪男子78キロ級金メダルの吉田秀彦総監督(51)は、功労者の海老沼に感謝の言葉を伝えた。

「創部3年目で匡が入ってきて、普通では考えられなかった。強豪の実業団ではなく、何もない柔道部でパーク24の基礎を作ってくれた。柔道では誰もが認める真面目で試合では覚悟を持って戦う。何をとっても見本になる男だった」

先月24日には柔道私塾「講道学舎」の先輩で、92年バルセロナ五輪71キロ級金メダルの古賀稔彦さんが53歳で死去した。その11日後、「勝っても負けても引退」と決めていた海老沼は、全日本選抜体重別選手権で初優勝を飾った。畳横のコーチ席にいた吉田総監督は、海老沼が畳から下りると涙しながら熱く抱擁した。

「匡は古賀先輩と同じ中量級で、選抜は自分の中でもすごく気持ちが入った大会だった。優勝して引退してもらいたいという気持ちで一杯で、思わず抱きしめてしまった」。

これまで選手と所属コーチを兼任していた海老沼は今後、コーチに専念する。吉田総監督は、立派な指導者になるためも海外での勉強を助言し、「次は自身でなし得なかった五輪金メダルをパーク24から出してほしい」と期待した。

約1時間の会見で、海老沼は終始すがすがしい表情で質疑応答に応じていたが、その一方で吉田総監督は愛弟子の現役引退に感極まって、時折涙する場面もあった。

海老沼匡について語る吉田総監督(撮影・横山健太)

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五輪連続銅の柔道海老沼匡が31歳で引退「昨年講道館杯で負け厳しいと」

現役引退を発表した海老沼匡(撮影・峯岸佑樹)

12年ロンドン、16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)柔道男子66キロ級銅メダルで、73キロ級の海老沼匡(31=パーク24)が15日、都内のパーク24本社で記者会見を行い、現役引退を発表した。

紺色のスーツ姿で出席した海老沼は「柔道選手としての引退を決めました。昨年の講道館杯決勝で負けて、国際大会で活躍することが厳しいと思いました。五輪で金メダルが取れなかったことだけは反省点ですが、自分自身では全力を尽くして柔道と向き合ってきました。全体を通じて悔いはありません」と説明し、現役生活に終止符を打った。

栃木県出身。兄2人の影響で5歳から柔道を始めた。先月24日に53歳で死去した92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんに憧れ、中学から上京し、柔道私塾「講道学舎」に入門した。巧みな組み手技術と背負い投げを武器に、五輪2大会連続銅メダル、世界選手権3連覇を達成した。

17年8月には10キロ以上の過酷な減量苦から、73キロ級に階級変更。講道学舎の後輩で東京五輪代表の大野将平(旭化成)や、同僚の17年世界王者橋本壮市らとしのぎを削ったが、準優勝が多くなかなか勝ちきれなかった。

今月4月の全日本選抜体重別選手権は「勝っても負けても最後」という強い気持ちで臨んだ。66キロ級に続いて2階級制覇を達成し、有終の美を飾った。大会後の全日本柔道連盟の強化委員会で、過去2年間の実績により24年パリ五輪につながる6月の世界選手権(ブダペスト)代表は落選した。

これまで選手と所属コーチを兼任していたが、今後はコーチに専念する。海外での勉強も視野に入れ、「指導者としては0からのスタートになります。スポンジのようにいろいろなことを吸収して自分に合った指導方法を見つけ、選手にあと一押しできる指導者になりたいです」と青写真を描いた。

約1時間の会見では涙を流さず、完全燃焼したかのように時折笑みを浮かべながらすがすがしい表情で質疑応答に応じていた。

16年8月7日、リオデジャネイロ五輪柔道男子66キロ級表彰式で金メダルにキスをするバシレ(右)をうらやましそうに見つめる銅メダルの海老沼(撮影・菅敏)
引退会見で笑顔を見せる海老沼匡(撮影・横山健太)
花束を手に笑顔を見せる海老沼匡(中央)。左は吉田総監督、右は兄の海老沼聖監督(撮影・横山健太)

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73キロ級V海老沼匡、古賀稔彦さんから受け継ぐ「勝負魂」胸に意地示した

亡くなった古賀稔彦さんを思い、感極まる海老沼(2021年4月4日代表撮影)

そこには、「勝負魂」があった。柔道男子66キロ級五輪2大会銅メダルで、73キロ級の海老沼匡(31=パーク24)が、今月4日の全日本選抜体重別選手権(福岡国際センター)で初優勝を飾った。

66キロ級では同大会を4度制覇するなど数々の実績を誇る実力者は、試合後の優勝インタビューで素直な思いを口にした。

「階級を上げてから勝ちきれない試合が多く、この大会はしっかり優勝したいと思った。今は減量からも解放され、柔道の楽しさや奥深さを実感している。たくさんの人たちに、この柔道の楽しさを知ってもらいたい」

73キロ級に変更して3年8カ月が経過した。国内外の大会で準優勝7回と、自身でも「シルバーコレクター」と呼ぶほど、あと1歩の結果が続き葛藤した。世界選手権3連覇した66キロ級時代とは異なり、16年リオデジャネイロ五輪金メダルの大野将平(29=旭化成)や17年世界王者の橋本壮市(29=パーク24)らとしのぎを削った。しかし、大会3週間前から始める過酷な10キロの減量がなくなった分、柔道と向き合う時間が増え、改めて競技の魅力を再認識した。31歳のベテランとなったが、兄2人の影響で5歳で競技を始めた頃のように「柔道を楽しむ」という感覚を覚えた。

今大会は、「特別な試合」でもあった。大会11日前に92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんが53歳の若さで亡くなった。古賀さんに憧れて、中学から柔道私塾「講道学舎」に入門したこともあり、動揺を隠せなかった。これまで偉大な先輩の背中を必死に追い続け、柔道の厳しさや面白さを学び、そして五輪という大きな夢も与えてもらった。その夢をかなえるために、がむしゃらに稽古に励み、周囲から一目置かれる“練習の鬼”となった。

得意技も古賀さんと同じ背負い投げ。「平成の三四郎」から受け継いだ、「勝負魂」という言葉を胸に刻み、今大会も臨んだ。20年講道館杯3位の大吉賢(22=了徳寺大職)との決勝では、最後にその背負い投げで技ありを奪い、合わせ技一本で優勝を決めた。畳を下りるとコーチ席に座っていた講道学舎の先輩で、学生時代に古賀さんの付け人を務めていたバルセロナ五輪男子78キロ級金メダルの吉田秀彦総監督(51)と涙ながらに熱く抱擁した。

昨年12月には、体重無差別で争う全日本選手権(東京・講道館)に出場予定だった。同じ中量級で決勝まで進んだ古賀さんらが挑戦した同じ舞台に立ち、講道学舎で育った柔道家としての意地を見せる覚悟を決めていた。「この年にしてもう1つの夢がかなう」と初の大舞台を待ち望んでいたが、大会当日に所属内での新型コロナウイルス陽性者が出たため欠場し、夢は実現しなかった。

3年前。「海老沼選手にとっての柔道とは?」と聞いたことがある。

「ただ、ただ好きなだけ。柔道は対人競技なので、どんなに強い相手でも負けることがある。その『完成系がないところ』が一番の魅力。柔道があるから、今の自分があるし、出会えたことに感謝している」

その答えは、柔道愛に満ちた柔道家らしく「好き」という、たった2文字だった。

31歳の柔道家は、「勝負魂」を持って福岡の地で意地を示した。「今は柔道が楽しい」。24年パリ五輪につながる6月の世界選手権(ブダペスト)代表は落選したが、記者席からその勇姿を見届けると、思わず胸が熱くなった。【峯岸佑樹】

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柔道代表ウルフ・アロン五輪向け苦悩 国際合宿は「メリットとデメリット」

オンライン取材に応じるウルフ・アロン

東京五輪柔道男子100キロ級代表のウルフ・アロン(25=了徳寺大職)が、3カ月後の五輪に向けて苦悩を抱えている。

11日、オンライン取材に応じ、今後の最終調整について「国際合宿もありだが(帰国後)2週間の隔離を考慮すると考えたい」と説明。19年12月に右膝を手術し、現在もリハビリと稽古を並行して競技に取り組んでいる。男子代表はコロナ禍の感染状況を踏まえた上で、5月にも欧州合宿に参加する可能性があり「(自身にとって)メリットとデメリットがある」と話した。

胸毛をそって18年世界選手権に臨んだウルフ・アロン(2018年9月25日撮影)

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亡き古賀稔彦さんとV息子が肩組むイラストに「柔道界の画伯」が込めた思い

石川裕紀さんが描いた古賀玄暉と稔彦さん(右)の親子イラスト(本人提供)

「柔道界の画伯」こと、元日本代表の石川裕紀さん(32)は8日、18年世界ジュニア選手権男子60キロ級覇者の古賀玄暉(げんき、22=旭化成)が全日本選抜体重別選手権で初優勝したことを受け、イラストを描き上げた。

首から金メダルを下げる古賀が、先月24日に53歳で死去した父で92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの稔彦さんと笑顔で肩を組むデザインだ。稔彦さんが創設した町道場「古賀塾」の元コーチは、4日前の大勝負について「玄暉くんの気迫ある柔道に感動した。優勝して古賀先生に恩返しするという強い気持ちが伝わってきた」と感慨に浸った。古賀は6月の世界選手権(ブダペスト)代表にも初選出され、柔道界初の親子世界王者を目指す。

石川さんは、昨夏まで東欧に位置するモルドバ代表のコーチを務めていた。コロナ禍の影響で、現地で行動制限を強いられた昨年3月に趣味の絵描きを始めた。練習の合間を見て、柔道のトップ選手の似顔絵を数多く描いた。特徴をつかんだ柔らかいタッチのイラストはネット上で評判を呼び、東京五輪男子60キロ級代表の高藤直寿(27=パーク24)がツイッターに投稿すると賛辞の声が相次いだ。男子代表の井上康生監督(42)らもSNSのアイコンに使用している。

32歳の柔道界の画伯は、次男だけでなく、偉大な父の背中を追い全日本選手権関東地区予選(29日、埼玉県立武道館)に挑戦する長男颯人(23=慶応高教)と、長女で19年アジアジュニア選手権57キロ級覇者のひより(20=環太平洋大)に「3人なら古賀先生の遺志を受け継ぎ、お父さんのように愛される柔道家になれると思う。次代の柔道界を引っ張ってほしい」と期待を込めた。【峯岸佑樹】

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高藤直寿が戦闘モード突入「この3カ月は人生をかけて死に物狂いでやる」

オンライン会見に応じる高藤直寿

五輪の借りは五輪で返す-。東京オリンピック(五輪)柔道男子60キロ級代表の高藤直寿(27=パーク24)が、戦闘モードに突入した。アジア・オセアニア選手権(キルギス)の優勝から一夜明けた7日、現地からオンライン取材に応じた。

1年2カ月ぶりとなった、五輪前最後の実戦を終えて「この1年間の積み上げが間違ってなかった。強くなってると感じた。試合の緊張感も味わえて、久々の感覚や新鮮さも感じた」と手応えを口にした。

決勝までの4試合中3試合を一本勝ち。得意の足技だけでなく、袖釣り込み腰などの担ぎ技でも“一撃”した。逆技なども自然に出て、隙のない幅広い柔道を披露した。「やりたいことが全てできて楽しかった。試合ができることは本当に幸せだと思った」と、改めてコロナ禍中で国際大会に出場できたことに感謝した。

16年リオデジャネイロ五輪は涙の銅メダルに終わった。勢いに頼りすぎていたことを猛省し、五輪前の「メンタル面の準備」の重要性を痛感した。

「前回は舞い上がってしまった。今回は最悪の場面も想定してやり残しがないように準備する。リオよりも安定した自分で試合に臨めるようにしたい。この3カ月は、人生をかけて死に物狂いでやる」

27歳の柔道家が、2度目の大舞台でのリベンジに燃えている。

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60キロ級高藤直寿が安定V 柔道アジア・オセアニア

柔道のアジア・オセアニア選手権は6日、キルギスのビシケクで開幕して男女計5階級が行われ、東京オリンピック代表で男子60キロ級の高藤直寿(パーク24)が優勝した。

初戦の2回戦から3試合連続一本勝ちで進んだ決勝で台湾選手に優勢勝ち。昨年2月のグランドスラム・デュッセルドルフ大会(ドイツ)以来の実戦で担ぎ技や足技がさえ、安定感のある内容だった。

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原沢、高藤らは2回戦から 柔道アジア・オセアニア

柔道のアジア・オセアニア選手権(6~9日・ビシケク=キルギス)の組み合わせ抽選が5日、ビシケクで行われ、東京五輪男子代表の4人で臨む日本勢は100キロ超級の原沢久喜(百五銀行)、90キロ級の向翔一郎(ALSOK)、60キロ級の高藤直寿(パーク24)は2回戦が初戦となった。100キロ級のウルフ・アロン(了徳寺大職)は1回戦から登場する。

高藤は昨年2月のグランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会(ドイツ)以来の実戦で、原沢ら3人は3日終了のGSアンタルヤ大会(トルコ)からの連戦。男子73キロ級で京都市出身の在日3世、2018年世界王者の安昌林(韓国)は1回戦から闘う。(共同)

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古賀さん長男颯人、父の背中追い全日本選手権に挑戦

3日、古賀稔彦さんとの思い出を語る颯人

先月24日に53歳で死去した92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんの長男で、18年全日本学生体重別選手権73キロ級覇者の颯人(23=慶応高教)が、体重無差別で争う全日本選手権関東地区予選(4月29日、埼玉県立武道館)に出場することが5日、分かった。

次男で60キロ級の玄暉(げんき、22=旭化成)が全日本選抜体重別選手権を制し、6月の世界選手権(ブダペスト)代表に初選出された4日に、神奈川県予選で優勝した。県予選は当初、今年1月に開催予定だったが、コロナ禍の影響で延期となり運命的にも兄弟で同じ日に亡き父へ吉報を届けた。関東地区予選で、上位6位までに入ると本戦(12月26日、東京・講道館)の出場権を得られる。

全日本選手権は、古賀さんが90年大会決勝でバルセロナ五輪95キロ超級銀メダルの小川直也と7分超の熱戦を繰り広げた伝説の舞台。169センチと小柄ながら、芸術的な背負い投げと一本背負いを武器に、次々と重量級を撃破し「平成の三四郎」の異名を取るきっかけとなった。

柔道界のスターのDNAを継ぐ颯人は、小学、中学と全国制覇。愛知・大成高時代は父と同じ中量級の73キロ級で、内股を武器に高校選手権や高校総体準優勝などの実績を誇る。その後も玄暉と、妹で19年アジアジュニア選手権57キロ級覇者のひより(20=環太平洋大)とともに国内外大会で活躍した。

日体大時代は、同じ学年で東京五輪男子66キロ級代表の阿部一二三(パーク24)らと切磋琢磨(せっさたくま)した。18年全日本学生体重別団体ではチームの初優勝に貢献した。大学卒業後は慶応高の教諭となり、柔道部を指導する傍ら、自らの鍛錬に励んでいた。

先月29日の葬儀・告別式では施主を務め、参列者に父の教えと遺志を受け継ぐことを誓った。偉大な父の背中を追う23歳の長男は、亡き父が日本柔道の歴史に名を刻んだ、あの「伝説の舞台」に挑戦する。

3日、古賀稔彦さんが日体大から功労スポーツマスター称号を授与され、賞状などを受け取った颯人

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全柔連が世界選手権代表9人選出 パリ五輪見据える

柔道世界選手権男子代表

<柔道:世界選手権代表最終選考会兼全日本選抜体重別選手権>◇最終日◇4日◇福岡国際センター

男子60キロ級は先月24日に53歳で死去した92年バルセロナ・オリンピック(五輪)男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんの次男、玄暉(げんき、22=旭化成)が涙の初優勝を飾った。決勝は20年講道館杯3位の竪山将(パーク24)に、延長6分14秒に合わせ技一本で勝利。「結果で恩返しする」と誓い、偉大な亡き父へ吉報を届けた。大会後に全日本柔道連盟の強化委員会が開かれ、玄暉ら9人の世界選手権(6月、ブダペスト)代表が選出された。

   ◇   ◇   ◇

大会後、全柔連の強化委は世界選手権代表9人を選出した。男子代表の井上康生監督らがオンライン会見を行い、選考理由などを説明。コロナ禍で国内外の大会が制限されているため過去2年間の成績と、パリ五輪を見据えて世界で戦える若手に重点を置いた。「2枠目」で決まった18年世界ジュニア60キロ級覇者の古賀玄暉と同90キロ級準優勝の村尾三四郎についても意見が出た。井上監督は「過去の実績や内容を総合的に見て判断した。既に24年の戦いは始まっており、彼らがパリ世代を引っ張ってもらいたい」と期待した。

男子60キロ級優勝インタビューで、急逝した父稔彦を思い涙を見せる古賀玄暉(代表撮影)

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井上康生監督が反省、五輪代表補欠4選手ら欠場語る

強化委員会後、世界柔道代表を発表する井上康生・全日本男子監督(左)。右は金野潤・全柔連強化委員長(代表撮影)

<柔道:世界選手権代表最終選考会兼全日本選抜体重別選手権>◇最終日◇4日◇福岡国際センター

男子代表の井上康生監督(42)は大会後のオンライン会見で、今大会直前に東京五輪代表補欠4選手らがけがにより欠場したことについて説明した。

3月上旬のグランドスラム(GS)タシケント大会(ウズベキスタン)に出場したメンバーで、試合中に負傷しながらも戦った選手がいることを明かし、「帰国後の2週間の隔離もあり治療や調整など進める上で100%できなかった。強化としては選手がけがをしないようにすることも仕事なので、そこはしっかりサポートしたい」と反省の弁を述べた。

コロナ禍の影響で、これまでにない調整の難しさも指摘した。3カ月後に迫る東京五輪を見据える上でも「できること、できないことがある。ただ、我々としては選手がいかにしっかりパフォーマンスを出せるかを最大限に考える必要がある」と、強化陣の課題を挙げた。

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古賀さん次男へ「親子で世界王者を」井上康生監督

強化委員会後、世界柔道代表を発表する井上康生・全日本男子監督(左)。右は金野潤・全柔連強化委員長(代表撮影)

<柔道:世界選手権代表最終選考会兼全日本選抜体重別選手権>◇最終日◇4日◇福岡国際センター

大会後、全日本柔道連盟(全柔連)の強化委員会が開かれ、6月の世界選手権(ブダペスト)男子代表が決まった。

先月24日に53歳で死去した92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんの次男で、18年世界ジュニア選手権60キロ級覇者の玄暉(22=旭化成)ら9人が選出された。

男子代表の井上康生監督(42)はオンライン会見で、玄暉について「偉大なお父さんの死を受け入れ、さまざまな葛藤がある中で戦ったと思う。課題はあるが、それに勝る強い精神力は素晴らしい。ただ、ここがゴールではなく、古賀先生もさらなる活躍を天国から見守っていると思う。親子で世界王者はいないので、その偉業を達成するチャンスでもある。ぜひ、がんばって達成してもらいたい」と期待した。

古賀さんと同世代で、中学時代から付き合いがあった金野潤強化委員長(54)は「玄暉選手はコンディションが厳しい中でも勝ちきった。どんな接戦でも勝ちきるという強い気持ちがあった。お父さんへ勝利をささげたいという執念も感じ、目を見張るものがあった」と評価していた。

以下、世界選手権男子代表

▽60キロ級 永山竜樹(了徳寺大職)、古賀玄暉(旭化成)

▽66キロ級 丸山城志郎(ミキハウス)

▽73キロ級 橋本壮市(パーク24)

▽81キロ級 藤原崇太郎(旭化成)

▽90キロ級 長沢憲大(パーク24)、村尾三四郎(東海大)

▽100キロ級 飯田健太郎(旭化成)

▽100キロ超級 影浦心(日本中央競馬会)

▽団体73キロ級 原田健士(ALSOK)

▽団体100キロ超級 佐藤和哉(日本製鉄)

全柔連の強化委員会で古賀稔彦さんに黙とうを捧げる井上康生・男子日本代表監督(左から2人目)(代表撮影)
男子60キロ級決勝で、竪山(下)から内股で技ありを奪う古賀(代表撮影)

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古賀稔彦さん次男玄暉ら9人 世界選手権代表

選抜柔道体重別選手権を終えて開かれた全柔連の強化委員会(代表撮影)

<柔道:世界選手権代表最終選考会兼全日本選抜体重別選手権>◇最終日◇4日◇福岡国際センター

男子7階級が行われた大会最終日を終え、全日本柔道連盟の強化委員会が開かれ、6月の世界選手権(ブダペスト)代表が決まった。先月24日に53歳で死去した92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんの次男で、18年世界ジュニア60キロ級覇者の玄暉(22=旭化成)ら9人が選出された。

亡き父へ「結果で恩返しする」と誓っていた玄暉はこの日、3試合連続一本勝ちで初優勝を飾った。「何としても優勝したいという気持ちで戦った。覚悟は今まで以上に強くなっていたので、最後まで勝ちきることができた」と、涙ながらに振り返っていた。

以下、世界選手権男子代表

▽60キロ級 永山竜樹(了徳寺大職)、古賀玄暉(旭化成)

▽66キロ級 丸山城志郎(ミキハウス)

▽73キロ級 橋本壮市(パーク24)

▽81キロ級 藤原崇太郎(旭化成)

▽90キロ級 長沢憲大(パーク24)、村尾三四郎(東海大)

▽100キロ級 飯田健太郎(旭化成)

▽100キロ超級 影浦心(日本中央競馬会)

▽団体73キロ級 原田健士(ALSOK)

▽団体100キロ超級 佐藤和哉(日本製鉄)

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海老沼匡が初V「たくさんのこと学んだ」古賀さん悼む

インタビューに応じる海老沼匡(撮影・峯岸佑樹)

<柔道:世界選手権代表最終選考会兼全日本選抜体重別選手権>◇最終日◇4日◇福岡国際センター

男子66キロ級でオリンピック(五輪)2大会銅メダルで、73キロ級の海老沼匡(31=パーク24)が初優勝を飾った。

決勝で20年講道館杯3位の大吉賢(了徳寺大職)に一本勝ち。隅落としと背負い投げで技ありを奪い、合わせ技一本で勝負を決めた。66キロ級で同大会を4度制した31歳の実力者は「階級を上げてから勝ちきれない大会が多く、しっかり優勝したいと思った。減量からも解放され、柔道の楽しさや奥深さを実感しながら、柔道ができている結果だと思う」と振り返った。

先月24日に53歳で亡くなった92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんに憧れて、中学から柔道私塾「講道学舎」に入門した。大会直前にもかかわらず先月28日の通夜にも参列し、偉大な先輩の死を悼んだ。「古賀先輩からたくさんのことを学んだ。今日はその勝負魂を持って戦えたと思う。(天国で)ゆっくり休んでほしいです…」と声を震わせた。

73キロ級決勝前には60キロ級決勝が行われ、古賀さんの次男の玄暉(22=旭化成)が初優勝した。所属の垣根を越え「僕なんか比にならないぐらいつらい思いをして…。苦しい中、強い精神力で優勝して胸が熱くなった」と、その勇姿に感銘を受けていた。

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古賀さん次男玄暉が優勝 悲しみ耐え「何としても」

表彰式で涙目で天を見上げる古賀玄暉(撮影・峯岸佑樹)

<柔道:世界選手権代表最終選考会兼全日本選抜体重別選手権>◇最終日◇4日◇福岡国際センター

執念の日本一だった。玄暉は表彰式で金メダルを首に下げると、涙しながら天を見上げた。数秒間、目を閉じて大好きな父へ初優勝を報告した。

「恩返しは社会人になったらと思ったら何もできずに亡くなってしまった…。何としても優勝という強い気持ちで戦った」と声を震わせた。 竪山との決勝では、飛びつくように前へ前へ-。先に内股で技ありを奪ったが、追いつかれて一進一退の攻防に。自身に「逃げるな」と言い聞かせ、延長に入っても足を止めずに父の教えである「強い気持ち」で戦った。開始10分14秒。最後は“秘策”の肩車で技ありを奪い、3試合連続一本勝ちで勝負を決めた。 大会2週間前の稽古で左膝を負傷。父がバルセロナ五輪の現地練習で痛めた箇所と同じだった。しかし、24年パリ五輪を見据えて「絶対に出る」と覚悟を決め、痛みに耐えながら調整や減量に励んだ。そんな中、父が53歳の若さで旅立った。悲しみのどん底に突き落とされたが、「試合に集中しろ!」と父に言われたような気がして、通夜や告別式の日も休まずに体を動かした。ひつぎには「結果を出して恩返しします」と記した手紙を入れ、将来の五輪金メダルを誓った。 左膝のけが、父の死、世界選手権代表選考…。この1カ月はさまざまなことが重なり、苦悩の日々が続いただけに「全てにおいてこみあげてくるものがあった」と感極まった。これまで試合の合間には父から必ず連絡があったが、その声はもう聞けない。現実と向き合い「今まで以上に覚悟が強まった」と、自ら気持ちを奮い立たせた。父が過去7度制した同大会で、初の親子優勝を果たした。 世界選手権代表にも初選出された。今後、世界と戦うためにも、父の代名詞だった背負い投げを習得する考えも示し、さらなる成長を誓う。「平成の三四郎」のDNAを継ぐ大器は言った。「1つ1つ結果を出して、その先にパリ五輪がある。父の思いも背負って、少しずつ恩返しできるように精進したい」。3年後の大舞台に照準を定めた22歳の柔道家は、福岡の地で新たなスタートを切った。【峯岸佑樹】

◆古賀玄暉(こが・げんき)1998年(平10)12月19日、川崎市生まれ。3歳で柔道を始める。愛知・大成高-日体大-旭化成。15年世界カデ(15~17歳)選手権優勝。18年全日本ジュニア選手権、世界ジュニア選手権優勝。得意技は内股、大腰。右組み。家族は母、兄で18年学生体重別選手権73キロ級王者の颯人さん、妹で19年アジアジュニア選手権57キロ級覇者のひより。170センチ。血液型B。

優勝インタビューに応じる古賀玄暉(撮影・峯岸佑樹)
1回戦で福田大悟に勝利した古賀玄暉(撮影・峯岸佑樹)
古賀玄暉(2019年11月2日撮影)

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古賀稔彦さん次男玄暉、大内刈り一本勝ちで決勝進出

準決勝で青木大と対戦する古賀玄暉(撮影・峯岸佑樹)

<柔道:世界選手権代表最終選考会兼全日本選抜体重別選手権>◇第1日◇4日◇福岡国際センター

先月24日に53歳で死去した92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんの次男で、18年世界ジュニア60キロ級覇者の玄暉(22=旭化成)が決勝進出を決めた。

準決勝は、日体大の先輩で19年講道館覇者の青木大(パーク24)と対戦。最軽量級では長身同士の対決となり、青木より3センチ低い170センチの玄暉が序盤から積極的に攻撃を仕掛けた。開始4分に捨て身技から大内刈りで、2試合連続一本勝ちを収めた。

決勝は、20年講道館杯3位の竪山将(パーク24)と対戦する。

今大会は24年パリ五輪につながる第1歩。今春、日体大を卒業した玄暉は、父が亡くなった悲しみに耐えながら、この日のために毎日稽古に励んできた。平成の三四郎に「結果で恩返しする」と誓い、悲願の初優勝へ価値ある1勝を手にした。

準決勝で青木大と対戦する古賀玄暉(撮影・峯岸佑樹)
準決勝前に待機する古賀玄暉(左)(撮影・峯岸佑樹)

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古賀稔彦さん次男玄暉、一本勝ちで準決勝進出

1回戦で福田大悟に勝利した古賀玄暉(撮影・峯岸佑樹)

<柔道:世界選手権代表最終選考会兼全日本選抜体重別選手権>◇第1日◇4日◇福岡国際センター

先月24日に53歳で死去した92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんの次男で、18年世界ジュニア60キロ級覇者の玄暉(22=旭化成)が1回戦を勝利し、準決勝に駒を進めた。

玄暉は19年講道館杯3位の福田大悟(鹿屋体大)に開始2分25秒に送り襟絞めで一本勝ち。準決勝は19年講道館覇者の青木大(パーク24)と対戦する。

今大会は24年パリ五輪につながる第1歩。今春、日体大を卒業した玄暉は、父が亡くなった悲しみに耐えながら、この日のために毎日稽古に励んできた。平成の三四郎に「結果で恩返しする」と誓い、悲願の初優勝へ価値ある1勝を手にした。

1回戦で福田大悟に絞め技を決める古賀玄暉(撮影・峯岸佑樹)
1回戦で福田大悟と対戦する古賀玄暉(撮影・峯岸佑樹)
1回戦で福田大悟(右)と対戦する古賀玄暉(撮影・峯岸佑樹)

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古賀さん次男V祈願し“画伯”似顔絵「笑顔届けて」

石川裕紀さんが書いた古賀稔彦さんのイラスト(本人提供)

柔道の世界選手権(6月、ブダペスト)最終選考を兼ねる全日本選抜体重別選手権の最終日が4日、福岡国際センターで行われる。

男子7階級が実施され、先月24日に53歳で死去した92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんの次男、玄暉(22=旭化成)が60キロ級で出場する。

古賀さんが創設した町道場「古賀塾」の元コーチで、柔道界の画伯こと石川裕紀さん(32)が、玄暉の初優勝を祈願して古賀さんの似顔絵イラストを作成した。1日に弔問した際に古賀さんの印象的な笑顔を思い出し、ほほ笑んだ平成の三四郎を描き上げた。60キロ級の元日本代表で同大会3度準優勝を誇る石川さんは「結果が一番の恩返し。玄暉くんには古賀先生に優勝をプレゼントして、この絵のような笑顔を届けてほしい」と激励の言葉を送った。

石川さんは古賀塾でコーチを務めていた時、古賀さんの指導法に感銘を受けた。

1・「はい」と言う素直な心

1・「ありがとうございます」と言う感謝の心

1・「私がします」と言う奉仕の心

1・「すみません」と言う反省の心

1・「おかげさま」と言う謙虚な心

道場に掲げられている「塾五訓」を学んだ子どもたちが、柔道以外の何事にも積極的に取り組んでいたという。

「古賀先生は子供の接し方が本当に上手な方だった。保護者も巻き込んで、いつも笑いが絶えなかった。スーパースターなのに気さくで、自分の子供のように塾生に愛情を注いで素晴らしい指導者だった」

石川さんは東欧に位置するモルドバの代表コーチを務めていた昨年3月、コロナ禍の影響で行動制限を強いられ、趣味の絵描きを遊び感覚で始めた。練習の合間を見て、柔道のトップ選手の似顔絵を数多く描いた。特徴をつかんだ柔らかいタッチのイラストは、ネット上で評判を呼んだ。東京五輪男子60キロ級代表の高藤直寿(27=パーク24)がツイッターに投稿すると、賛辞の声が相次いだ。男子代表の井上康生監督(42)らもSNSのアイコンに使用。昨夏には玄暉からも依頼があり、18年世界ジュニア覇者のイラストを作成した。

4日の大舞台は、24年パリ五輪へつながる第1歩となる。柔道界の画伯は、亡き父へ恩返しを誓う22歳に「古賀魂を継承し、お父さんのような思い切りの良い柔道で福岡の会場を沸かせてほしい」と期待を込めた。【峯岸佑樹】

石川裕紀さんが書いた古賀玄暉のイラスト(本人提供)
モルドバで柔道指導していた石川裕紀さん(本人提供)
古賀塾の道場に掲げられている「塾五訓」(石川裕紀氏提供)
モルドバへ旅立つ前に古賀稔彦さんから贈られた直筆の色紙(石川裕紀氏提供)
古賀塾の道場に飾られている古賀稔彦さんの写真(石川裕紀氏提供)
古賀塾の道場にある祭壇(石川裕紀氏提供)
古賀塾を弔問した石川裕紀さん(本人提供)

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東京五輪代表の浜田尚里が優勝、原沢久喜は2位

<柔道:グランドスラム(GS)アンタルヤ大会>◇3日◇トルコ・アンタルヤ◇男女計5階級

東京五輪代表4人が出場した日本勢は、女子78キロ級の浜田尚里(自衛隊)が優勝した。初戦の2回戦から3試合連続の一本勝ちで進んだ決勝でベアタ・パチュト(ポーランド)を寝技で抑え込んだ。

男子で100キロ超級の原沢久喜(百五銀行)は2位。2回戦から3試合を勝ち上がった決勝で、タメルラン・バシャエフ(ロシア)に一本負けした。100キロ級のウルフ・アロン(了徳寺大職)は4試合全て一本勝ちで決勝に進み、ゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)に指導3の反則負けで2位だった。

男子90キロ級の向翔一郎(ALSOK)は初戦の2回戦で格下のアブデラヒマン・ベナマディ(アルジェリア)に優勢で屈し、敗退した。(共同)

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朝比奈沙羅に厳しい声も…78キロ超級の代表選考 

<柔道:世界選手権代表最終選考会兼全日本選抜体重別選手権>◇第1日◇3日◇福岡国際センター

女子7階級が実施された大会後、全日本柔道連盟(全柔連)の強化委員会が開かれ、6月の世界選手権(ブダペスト)代表が決まった。48キロ級の角田夏実(28=了徳寺大職)ら9人が選出された。

オンラインで公開された強化委では、78キロ超級の代表選考についてさまざまな意見が飛び交った。特に、東京五輪代表補欠で18年世界女王の朝比奈沙羅(24=ビッグツリー)に厳しい声が上がった。昨春から独協医大の医学部生となり、栃木県で勉強との両立を図っているが、一部から「練習環境」の不安を口にする意見が出た。昨年12月の全日本女子選手権では初戦の2回戦で反則負けを喫し、今大会は右肋骨(ろっこつ)骨折により欠場した。

その一方で、3番手の冨田若春(23=コマツ)が昨年の講道館杯、全日本女子選手権、今大会と3連勝。猛アピールを続け、朝比奈とともに世界代表に選出された。

女子代表の増地克之監督は、強化委後の記者会見で「朝比奈と冨田は順位をつけない」と、現時点では同等であることを強調。「本来であれば、この大会で2人が戦う姿を見たかった。(コロナ禍以降)朝比奈の試合は皇后杯でしか見てなく不安であるが、ポテンシャル(潜在能力)と世界女王の経験は代えがたい。今はしっかりけがを治して、強化を図ってもらいたい」と話した。

一部から五輪代表補欠の継続も疑問視される声もあった。指揮官は世界選手権の成績により「五輪の補欠が代わることはまずない。五輪補欠は(朝比奈に)決まっている。(世界選手権で)2人が決勝で戦えるところまでもっていきたい」と切望。「闘う医学生」をスローガンに掲げ、文武両道を貫く24歳の柔道家は、この懸念を払拭(ふっしょく)させるためにも、結果だけが求められている。

以下、世界選手権女子代表。

▽48キロ級 角田夏実(了徳寺大職)、古賀若菜(山梨学院大)

▽52キロ級 志々目愛(了徳寺大職)

▽57キロ級 玉置桃(三井住友海上)

▽63キロ級 鍋倉那美

▽70キロ級 大野陽子(コマツ)

▽78キロ級 梅木真美(ALSOK)

▽78キロ超級 朝比奈沙羅(ビッグツリー)、冨田若春(コマツ)

▽団体57キロ級 舟久保遥香(三井住友海上)

▽団体70キロ級 新添左季(自衛隊)

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古賀颯人さん、父稔彦さん最後まで病気と闘っていた

母校日体大から故古賀稔彦さんへ「功労スポーツマスター」の称号が授与され、その賞状を受け取った長男の颯人さん(撮影・平山連)

日体大の入学式が3日に東京・世田谷キャンパスで開かれ、53歳で死去した92年バルセロナオリンピック(五輪)男子71キロ級金メダル、古賀稔彦さんが「功労スポーツマスター」の称号を受けた。この日は長男の颯人さん(23=慶応高教諭)が出席。「平成の三四郎」と呼ばれた亡き父の代わりに賞状や記念品を受け取り、改めてその偉大さをかみしめていた。

功労スポーツマスターは、日本スポーツ界の発展に著しい貢献をした人に授ける称号で、受賞者は13人目。京都・伏見工(現京都工学院)時代に花園制覇をした高校ラグビーの名将、山口良治氏らが名を連ねている。式典を終えた颯人さんは「お世話になった日体大から父が名誉ある賞を受けて大変光栄です」と感謝した。

生前の父について颯人さんは「本当に最後の最後まで病気と闘っていた」と振り返り、亡くなる前日に強く手を握ってくれたことを印象的なことに挙げた。「(父は)試合で勝ったり負けたりする中でも、いつも次に向けたアドバイスをくれる。怒られたことはなく、いつも優しかった」。反面教師にすることはあったかと問われ「ない」ときっぱりと答え、ここまで育ててくれたことへの感謝を惜しまなかった。

父の背中を追い掛けながら、今後も柔道家としての道を歩む。「目の前の1戦1戦に集中して、さらに上を目指して戦っていきたい」と力強く語っていた。

【平山連】

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試合前に古賀稔彦さんへ黙とう 次男玄暉は4日出場

死去した古賀稔彦さんへ黙とうをささげる関係者(撮影・峯岸佑樹)

<柔道:世界選手権代表最終選考会兼全日本選抜体重別選手権>◇第1日◇3日◇福岡国際センター

試合前に先月24日に53歳で死去した92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルで、全日本柔道連盟の強化委員を務めていた古賀稔彦さんに哀悼の意を表し、黙とうがささげられた。

第1日は女子7階級が実施され、最終日の4日には18年世界ジュニア男子60キロ級覇者の古賀さんの次男、玄暉(22=旭化成)が出場する。同階級は18、19年世界王者の永山竜樹(了徳寺大職)がけがで欠場したことで、混戦が予想されている。

死去した古賀稔彦さんへ黙とうをささげる関係者(撮影・峯岸佑樹)
古賀玄暉(2019年11月2日撮影)

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阿部一二三GS優勝から一夜「五輪に弾みがついた」

オンライン取材に応じる阿部一二三

東京オリンピック(五輪)柔道男子66キロ級代表の阿部一二三(23=パーク24)が、グランドスラム・アンタルヤ大会(トルコ)での優勝から一夜明けた2日、現地からオンライン取材に応じた。

得意の担ぎ技だけでなく足技も駆使し、1年2カ月ぶりの国際大会を制覇。「五輪に弾みがついた。技のキレも通用し、スタミナも問題ない。自分がさらに進化していると感じた」と、3カ月後の本番に向けて手応えを口にした。

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古賀稔彦さん次男玄暉「結果で恩返しを」初優勝狙う

古賀玄暉(2019年11月2日撮影)

柔道の世界選手権(6月、ブダペスト)最終選考を兼ねる全日本選抜体重別選手権が3日、福岡国際センターで開幕する。

4日には男子7階級が実施され、先月24日に53歳で死去した92年バルセロナオリンピック(五輪)男子71キロ級金メダル、古賀稔彦さんの次男玄暉(22=旭化成)が60キロ級で出場する。18、19年世界王者の永山竜樹(了徳寺大職)がけがで欠場したことで混戦が予想され、父に「結果で恩返しする」と約束した18年世界ジュニア覇者は悲願の初優勝を狙う。大会後の強化委員会で世界代表が決まる。東京五輪代表は出場しない。

15年3月20日、全国高校柔道選手権で兄弟そろっての優勝はならなかったが、2人の息子の活躍に笑顔をみせる古賀稔彦さん(中央)。左は73キロ級で準優勝の颯人。右は60キロ級で優勝した玄暉

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全日本選抜3日開幕、古賀稔彦さん次男玄暉が出場

柔道の世界選手権(6月、ブダペスト)最終選考を兼ねる全日本選抜体重別選手権が3日、福岡国際センターで開幕する。

4日には男子7階級が実施され、先月24日に53歳で死去した92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダル、古賀稔彦さんの次男玄暉(22=旭化成)が60キロ級で出場する。18、19年世界王者の永山竜樹(了徳寺大職)がけがで欠場したことで混戦が予想され、父に「結果で恩返しする」と約束した18年世界ジュニア覇者は悲願の初優勝を狙う。大会後の強化委員会で世界代表が決まる。東京五輪代表は出場しない。

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パワハラ訴え空手の植草歩、刑事告訴は見送りへ

植草歩(2019年9月7日撮影)

空手の東京五輪組手女子61キロ超級代表でパワーハラスメント被害を訴えている植草歩(28=JAL)が、全日本空手道連盟(全空連)の香川政夫選手強化委員長(65)に対する刑事告訴を見送る方針を固めたことが分かった。

3月31日に全空連が開いた倫理委員会で、香川委員長が竹刀を用いた練習で植草が負傷した事実が認められたことなどを鑑みての判断。

倫理委員会による答申を受け、4月の早いタイミングで開催される臨時理事会で香川氏への処分が決まる。その後は、植草以外の選手やコーチへのヒアリングを行う第2回倫理委員会の開催も検討されている。

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