日刊スポーツ

世界王者の大野将平がGS欠場 来年2月復帰目指す

世界王者の大野将平がGS欠場 来年2月復帰目指す

大野将平(19年8月撮影)

全日本柔道連盟(全柔連)は15日、男子73キロ級で今夏に3度目の世界選手権制覇を果たした大野将平(27=旭化成)が東京オリンピック(五輪)代表選考会の1つ、グランドスラム(GS)大阪大会(22~24日・丸善インテックアリーナ大阪)を左手人さし指の負傷で欠場すると発表した。同100キロ超級の原沢久喜(27=百五銀行)も左脚負傷で欠場する。

大野はGS大阪を制すれば、金メダルを獲得した2016年リオデジャネイロ大会に続く五輪代表に決まることが確実とみられていた。関係者によると12月のマスターズ大会(中国)も回避。来年2月に欧州で行われるGS大会での復帰を目指しているという。

全柔連によると大野は10月25日の稽古中に痛め「左第2指挫傷で全治6週間を要する見込み」と診断された。代替選手は立川新(東海大)。

リオ五輪銀メダル、世界選手権2位の原沢は10月3日に負傷、「左半膜様筋肉離れで全治2カ月を要する」と診断された。太田彪雅(東海大)が代わりに出場する。(共同)

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世界ジュニア柔道銀の藤枝順心・袴田が市長表敬訪問

柔道の世界ジュニア選手権(10月、モロッコ)女子57キロ級で銀メダルを獲得した藤枝順心高の袴田佳名瑚(かなこ、3年)がこのほど、北村正平藤枝市長(73)を表敬訪問した。同校では、2008年大会52キロ級で、当時3年で優勝した柔道部の加賀谷千保監督(29)以来の快挙となった。

武器は大外刈り。準決勝までの5試合中、3試合は得意技で一本勝ちした。決勝は、相手の技で左ひざを痛めて焦り、大外刈りを仕掛けられ一本負け。最後に悔しさを味わったが、海外選手と戦って準優勝したことは自信につながった。

加賀谷監督の「彼女は練習で手を抜かず、自分を追い込んで努力した」との評価にも、「課題がまだたくさんあり、1つ1つ克服したい」。北村市長がさらなる飛躍に期待すると、五輪のことに触れ「(24年の)パリや、その4年後も目指したい」と目を輝かせた。【倉橋徹也】

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五輪柔道畳の色が青から変更へ TV視聴者を意識

世界柔道男女混合団体戦決勝 日本対フランス フランスのシャーネ(下)をともえ投げで破る大野(19年9月1日撮影)

東京オリンピック(五輪)の柔道で使用する畳の色が、テレビ視聴者を意識して予定した青から変更される方針であることが11日、分かった。五輪のテスト大会として日本武道館で行われた今夏の世界選手権で照明を受けた試合場内の青色が白色の柔道着に反射することが分かり、国際映像を供給する五輪放送サービス(OBS)と国際柔道連盟(IJF)が協議している。

関係者によると、詳細は未定だが、色彩を薄めるなどの意見が出ているという。引き続き、中国企業が製作する。全日本柔道連盟は、世界選手権で使った約500枚の畳を千葉や長野など今秋に起きた台風の被災地に寄贈する予定。

畳はテレビ視聴者や観客が見やすいように、試合場内が従来の黄から青になり、場外はより鮮やかな赤となった。国際大会では一方の選手が濃い青の柔道着を着用するため、場内の畳は水色に近いものとなっていた。

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柔道の朝比奈沙羅、独協医大医学部AO入試に合格

朝比奈沙羅

20年東京五輪代表と医師を目指す、柔道の18年世界選手権女子78キロ超級金メダルの朝比奈沙羅(23=パーク24)が、独協医大医学部医学科のAO入試に合格したことが8日、分かった。世界で活躍する国内の現役トップアスリートで、医学部に入学するのは極めて異例だ。

複数の関係者によると、朝比奈は先月30日、同大に合格した。英語の小論文や適性試験などの1次試験と2次試験を経て、合格者5人の狭き門を突破した。

医師の両親を持ち、幼少期からの夢が五輪金メダルと医師だった。進学校の東京・渋谷教育渋谷高3年時に柔道の強豪東海大を受験。医学部は不合格となり、一般受験で体育学部に入学した。文武両道の先駆者を目指し、「二刀流」を貫くことで柔道と医療関係者から批判の声もあったが、夢をかなえるための強い決意を胸に、大学入学後も独自の道を歩み続けた。

大学4年の昨春から日本代表の国内外の遠征などと並行して、1日2時間の勉強のほか、医学部進学予備校に週2日通った。昨年から大学卒業見込み者に受験資格がある国公立、私大医学部の学士編入試験とAO入試を受験していたが、合格には至らなかった。

三度目の正直となった今年、医学部の合格通知を初めて手にした。来年4月からはパーク24に所属しながら医学生となる。練習しながら大学に通い、東京五輪代表を狙う。23歳の柔道家にとって、合格通知は五輪選考会を兼ねるグランドスラム大阪大会(22~24日)の追い風になりそうだ。

◆医師への道 大学の医学部で6年間の教育を受け、医師国家試験に合格し、さらに2年以上研修医として経験を積む必要がある。国家試験の合格率は90%だが、大学の入学試験が難関で偏差値は65を超える学校が多い。倍率も高く、私大では20~30倍の狭き門となっている。私大は学費も高額で、6年間で2000万~4000万円程度が必要とされる。ラグビー日本代表WTBの福岡堅樹も現役引退後に医師を目指している。

◆朝比奈沙羅(あさひな・さら)1996年(平8)10月22日、東京都生まれ。7歳で柔道を始める。東京・渋谷教育渋谷高-東海大-パーク24。13年講道館杯から女子初の4連覇。17年世界無差別選手権制覇。18年世界選手権金メダル。19年同銅メダル。東京五輪での現役引退を表明。右組み。世界ランキング5位。得意技は払い腰。趣味はヒップホップダンス。176センチ、135キロ。

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角田夏実48キロ級初V「全部勝つ」五輪出場へ闘志

女子48キロ級決勝 渡辺(左)からともえ投げで技ありを奪う角田(撮影・加藤諒)

<柔道:東京五輪代表第1次選考会兼講道館杯体重別選手権>◇最終日◇3日◇千葉ポートアリーナ

17年世界選手権女子52キロ級銀メダルの角田夏実(27=了徳寺大職)が、48キロ級で初優勝を飾った。

決勝を含めた4試合をオール一本勝ち。グランドスラム(GS)大阪大会(22~24日)への出場権を獲得し、最軽量級で東京五輪へ望みをつないだ。男子90キロ級では、世界選手権男女混合団体代表の村尾三四郎が決勝で、16年リオ五輪金メダルのベイカー茉秋を破り、初優勝。大会後には、全日本柔道連盟の強化委員会が開催され、GS大阪大会に出場する男女各階級4人の日本代表が決まった。

   ◇   ◇   ◇

52キロ級の「寝技の女王」は、48キロ級でも強さは健在だった。決勝の1分32秒。角田はともえ投げで渡辺の体を回して畳に落とした。「『負けたら引退かも…』と悩んでいた。国内で勝てないとこの先はないと思っていたので、この優勝は大きい」。52キロ級は世界選手権2連覇の阿部詩らがいるため五輪代表は難しいと考えた。約2カ月前から階級変更を意識して今大会に臨んだ。48キロでは元世界女王の渡名喜風南を追う立場だ。代表権を勝ち取るためにも「全試合勝つしかない」と闘志を燃やした。

女子48キロ級3回戦で古賀(右)に一本勝ちした角田(撮影・加藤諒)
表彰式で笑顔を見せる角田夏(左から2人目)(撮影・加藤諒)

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斉藤仁さん次男と小川直也氏長男 注目2世対決実現

男子100キロ超級敗者復活戦で初対戦した斉藤(上)と小川(撮影・加藤諒)

<柔道:東京五輪代表第1次選考会兼講道館杯体重別選手権>◇最終日◇3日◇千葉ポートアリーナ◇男子100キロ超級

男子100キロ超級の敗者復活戦で「2世対決」が実現した。95キロ超級で五輪2連覇した故斉藤仁さんの次男、立(たつる、東京・国士舘高)と92年バルセロナ五輪同級銀メダルの小川直也氏の長男、雄勢(パーク24)が初対戦。

序盤から大外刈りや大内刈りで攻め続けた斉藤が、反則勝ちで決着をつけた。「2世対決とかどうでもよい。それよりも3位決定戦で勝ちきれなかった自分に腹が立つ。良いところがなく終わった」と、17歳の大器は肩を落としていた。

男子100キロ超級敗者復活戦 斉藤(左)と初対戦し、指導3による反則負けを喫して苦笑いする小川(撮影・加藤諒)

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東京五輪出場へ 大野将平、阿部詩らGS代表入り

会場を訪れた人に笑顔で話しかける柔道男子日本代表の井上康生監督(撮影・加藤諒)

<柔道:東京五輪代表第1次選考会兼講道館杯体重別選手権>◇最終日◇3日◇千葉ポートアリーナ

全日本柔道連盟は3日、講道館杯体重別選手権後に強化委員会を開催し、グランドスラム(GS)大阪大会(22~24日、丸善インテックアリーナ大阪)に出場する男女各階級4人の日本代表を決めた。

今夏の世界選手権代表と今大会の上位選手を中心に選出された。今夏の世界選手権男子73キロ級金メダルの大野将平(旭化成)や、同女子52キロ級金メダルの阿部詩(日体大)らが代表入り。世界王者がGS大阪大会で優勝し、その後の強化委員会で、出席者の3分の2以上の賛成を得ると東京五輪代表が決まる。

以下、各階級の日本代表

▼男子60キロ級 高藤直寿(パーク24)永山竜樹(了徳寺大職)青木大(パーク24)古賀玄暉(日体大)

▼66キロ級 丸山城志郎(ミキハウス)阿部一二三(日体大)相田勇司(国学院大)西山祐貴(警視庁)

▼73キロ級 大野将平(旭化成)橋本壮市(パーク24)原田健士(日体大)海老沼匡(パーク24)

▼81キロ級 藤原崇太郎(日体大)永瀬貴規(旭化成)友清光(国学院大)佐々木健志(ALSOK)

▼90キロ級 向翔一郎(ALSOK)村尾三四郎(東海大)ベイカー茉秋(日本中央競馬会)長沢憲大(パーク24)

▼100キロ級 ウルフ・アロン(了徳寺大職)飯田健太郎(国士舘大)羽賀龍之介(旭化成)西山大希(日本製鉄)

▼100キロ超級 原沢久喜(百五銀行)影浦心(日本中央競馬会)熊代佑輔(ALSOK)香川大吾(ALSOK)

▼女子48キロ級 渡名喜風南(パーク24)角田夏実(了徳寺大職)古賀若菜(福岡・南筑高)近藤亜美(三井住友海上)

▼52キロ級 阿部詩(日体大)志々目愛(了徳寺大職)内尾真子(自衛隊)前田千島(三井住友海上)

▼57キロ級 芳田司(コマツ)玉置桃(三井住友海上)舟久保遥香(三井住友海上)鶴岡来雪(コマツ)

▼63キロ級 田代未来(コマツ)鍋倉那美(三井住友海上)土井雅子(JR東日本)幸田奈々(帝京科学大)

▼70キロ級 新井千鶴(三井住友海上)田中志歩(環太平洋大)新添左季(自衛隊)大野陽子(コマツ)

▼78キロ級 浜田尚里(自衛隊)梅木真美(ALSOK)和田梨乃子(三井住友海上)泉真生(コマツ)

▼78キロ超級 素根輝(環太平洋大)朝比奈沙羅(パーク24)冨田若春(コマツ)児玉ひかる(東海大)

◆柔道の東京五輪代表選考 男女各7階級1人で、選手の準備期間確保を重視した「3段階」による選考で決める。(1)19年世界選手権優勝者が11月のGS大阪大会を制し、強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成で代表入りが決定(2)12月のマスターズ大会(中国)、来年2月のGSパリ大会、GSデュッセルドルフ大会終了時点で、強化委の3分の2以上が1、2番手の差が歴然としていると判断すれば代表選出(3)最終選考は来年4月の全日本選抜体重別選手権で、強化委の過半数の賛成で代表決定。

会場で関係者と話す柔道男子の井上康生監督(撮影・加藤諒)

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柔道斉藤立3位決定戦敗れ、東京五輪「ないと思う」

3位決定戦で敗れ、大会を振り返る斉藤立(撮影・峯岸佑樹)

<柔道:東京五輪代表第1次選考会兼講道館杯体重別選手権>◇最終日◇3日◇千葉ポートアリーナ◇男子100キロ超級

五輪2大会連続金メダルの斉藤仁氏(享年54)の次男、立(たつる、17=国士舘高)が3位決定戦で、佐藤和哉(日本製鉄)に優勢負けを喫した。

190センチ、160キロの恵まれた体で大外刈りを連発。2分40秒。出足払いで技ありを奪われ、逃げ切られた。「気の緩みが出た。集中できてないし、忍耐力もない。良いところが何もなく終わった」と肩を落とした。

20年東京五輪代表を目指していたが、この日の結果を受けて「ないと思う。パリ五輪を見据えて、目の前の試合を1つ1つやるだけ」と話した。

3位決定戦前の敗者復活戦では、92年バルセロナ五輪95キロ超級銀メダルの小川直也氏(51)の長男、雄勢(23=パーク24)との「2世対決」が実現。初対決となったが、指導3による反則勝ちを収めた。

男子100キロ超級敗者復活戦で組手を争う斉藤(右)と小川(撮影・加藤諒)
男子100キロ超級敗者復活戦で組手を争う斉藤(右)と小川(撮影・加藤諒)

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柔道リオ銅の羽賀龍之介V「意地出して勝ち切れた」

男子100ロ級決勝 西山(左端)を破って優勝を決め、表彰式で笑顔を見せる羽賀(左から2人目)(撮影・加藤諒)

<柔道:東京五輪代表第1次選考会兼講道館杯体重別選手権>◇最終日◇3日◇千葉ポートアリーナ◇男子100キロ級

16年リオデジャネイロ五輪銅メダルの羽賀龍之介(28=旭化成)が決勝で、西山大希(日本製鉄)を指導3による反則勝ちを収め、優勝した。

東京五輪代表争いで3番手に位置づけるベテランは、現状を受けとめて「勝つことが大事。試合内容は良くなかったが、意地を出して勝ち切れたのは良かった。1つ1つの戦いをモチベーションにして、また次の大会へ臨みたい」と振り返った。

今年8月末には第1子の女児が誕生した。家族は「大きな支え」とし、「結果で恩返しできたのは良かった」と五輪メダリストの父としての意地も見せた。

女子48キロ級では、52キロ級から転向した角田夏実(了徳寺大職)が優勝。男子90キロ級では、世界選手権男混合団体代表の村尾三四郎(東海大)が、リオ五輪金メダルのベイカー茉秋(日本中央競馬会)を破り、初優勝を飾った。

男子100キロ級準決勝 北山(左)から内股で技ありを奪い、優勢勝ちした羽賀(撮影・加藤諒)

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リオ銅の近藤亜美が初戦敗退「これが今の実力」

女子48キロ級2回戦で稲毛に敗れ、畳に仰向けになる近藤(撮影・加藤諒)

<柔道:東京五輪代表第1次選考会兼講道館杯体重別選手権>◇最終日◇3日◇千葉ポートアリーナ◇女子48キロ級

16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)銅メダルの近藤亜美(24=三井住友海上)が初戦の2回戦で、稲毛ゆか(アセットホームサービス)に一本負けを喫した。

序盤から優位に攻撃を続けたが、4分2秒に縦四方固めで勝負あり。「悔しいけど、これが今の実力。この結果を受け入れないといけない」と、涙しながら振り返った。4月の全日本選抜体重別選手権と5月のグランドスラム・バクー大会は初戦敗退。今大会に向け、精いっぱいの努力を重ねてきたが「正直、何が正解か良く分からない。負けは負け」と嘆いた。

20年東京五輪代表争いは後退し、今後について「今は何も考えたくない。私だけで決めることでもないし、心を立て直して、次に向かう心をつくらないといけない」と前を向いた。

女子48キロ級2回戦で稲毛に抑え込まれる近藤(撮影・加藤諒)

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梅木真美が2年連続3度目V「甘さ」律し五輪雪辱へ

女子78キロ級決勝 和田(右)を攻める梅木(撮影・加藤諒)

<柔道:東京五輪代表第1次選考会兼講道館杯体重別選手権>◇第1日◇2日◇千葉ポートアリーナ◇男女7階級

女子78キロ級で梅木真美(24=ALSOK)が2年連続3度目の優勝を飾った。決勝を含めた4試合で一本勝ちを並べた。世界女王として迎えた16年リオデジャネイロ五輪で初戦敗退してから3年。環境を変え、自分を律し続け、雪辱を期す東京五輪への望みをつないだ。

   ◇   ◇   ◇

相手の奥襟を持ち前進する梅木に力強さがみなぎった。20歳の和田との決勝戦、バレーボール選手の母譲りの175センチの大柄で圧力をかけていく。「自分から前に出て相手に合わせないように」。初戦からの意識付けを遂行し、3分30秒に小外掛けで仕留めた。

リオ五輪時は環太平洋大の学生。卒業後の17年4月に上京すると、あえて1人暮らしを始めた。ナショナルトレーニングセンター近くに住み、1人でも出稽古に向かう生活。15年世界選手権を制した元世界女王は打ち込み相手も自ら探すことを選んだ。「学生の時はやらされていた。いまは自分で考える。自分次第」。

食堂通いだった学生時代と違い、最初は自炊にも苦労した。「自分に甘くなっちゃう」と苦笑するが、体脂肪率が3年前より4%も落ちた生活は、「甘い」部分を必死に律した成果だろう。武器は自分で試合のペースを握りにいく姿勢だった。自ら考える環境も、その復活を助けるだろう。

好敵手の浜田が18年に世界女王となり、今年の世界選手権でも2位。リードは許すが、「まだ厳しいと思うし、本当にここからが勝負」と気持ちも前に出る。リオの雪辱、「五輪で金メダルを取りたい」という初心。このままライバルにペースを渡すつもりはない。【阿部健吾】

女子78キロ級で優勝し、表彰式で笑顔を見せる梅木(左から2人目)(撮影・加藤諒)
女子78キロ級決勝 和田(下)に小外掛けで一本勝ちした梅木(撮影・加藤諒)

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ロス五輪で山下泰裕氏と名勝負、ラシュワン氏に叙勲

ラシュワン氏(右)と笑顔で握手を交わす山下泰裕氏(2018年4月12日撮影)

1984年ロサンゼルスオリンピック(五輪)の柔道男子無差別級決勝で山下泰裕氏(62)と名勝負を繰り広げ、今年春の叙勲で旭日単光章を受章したモハメド・ラシュワン氏(63)への叙勲伝達式が28日、在エジプト日本大使公邸で開かれ、長年の柔道普及の功績などがたたえられた。

式典では日本オリンピック委員会(JOC)会長を務める山下氏がビデオメッセージを寄せた。35年前の試合を振り返りながら「あなたは世界の柔道界にとって大切な人だ」と祝福。ラシュワン氏は「山下は私のヒーローで、親友だ」述べ、「私と日本の人々との交流は生涯にわたって続くだろう」と喜んだ。

式典にはエジプトのソブヒ青年・スポーツ相も出席。エジプトに留学経験がある東京都の小池百合子知事も祝いの言葉を寄せた。

ラシュワン氏はロス五輪で山下氏の負傷した右脚を攻撃せず、敗れて銀メダルにとどまったものの、五輪史上に残るフェアプレーとして語り継がれている。(共同)

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イラン連盟正式に資格停止 国際柔道連盟が決定

国際柔道連盟(IJF)は22日、今夏の世界選手権東京大会でイラン政府が同国選手に、敵対するイスラエルの選手との対戦回避のため棄権するよう圧力をかけたとされる問題で、イラン連盟に科した資格停止処分を正式決定したと発表した。

IJFの規律委員会は9月に暫定的資格停止処分を発表。その後イラン側の反論も吟味した上で当初の判断を堅持した。イラン連盟は21日以内にスポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴できる。

世界選手権では男子81キロ級のサイード・モラエイがイラン政府から「辞退しなければ家族を殺す」と脅されたと明らかにしていた。指示に従わず出場したが準決勝、3位決定戦で黒星。決勝で当たる可能性のあったイスラエルのサギ・ムキが優勝した。(共同)

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日本、混合団体で優勝 柔道世界ジュニア選手権

<柔道:世界ジュニア選手権>◇20日◇モロッコ・マラケシュ

混合団体が行われ、日本が優勝した。

準決勝でフランスを下し、決勝はロシアに4-2で勝った。(共同)

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和田梨乃子が2連覇 世界ジュニア選手権

<柔道:世界ジュニア選手権>◇19日◇モロッコ・マラケシュ

女子78キロ級で和田梨乃子(三井住友海上)が2連覇した。黒田亜紀(山梨・富士学苑高)は2回戦で敗退した。78キロ超級は高橋瑠璃(山梨学院大)が制した。

男子は100キロ級で神垣和他(明大)、100キロ超級で松村颯祐(東海大)が優勝した。(共同)

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袴田佳名瑚57キロ級準V 柔道世界ジュニア選手権

<柔道:世界ジュニア選手権>◇17日◇モロッコ・マラケシュ

女子57キロ級で袴田佳名瑚(静岡・藤枝順心高)は準優勝だった。同63キロ級の浦明澄(日体大)は3位となった。

男子73キロ級の塚本綾(日体大)は初戦の2回戦で敗退した。(共同)

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古賀若菜が優勝 柔道世界ジュニア選手権

<柔道:世界ジュニア選手権>◇16日◇モロッコ・マラケシュ

柔道の世界ジュニア選手権は16日、モロッコのマラケシュで行われ、女子48キロ級の古賀若菜(福岡・南筑高)が優勝した。

渡辺愛子(東海大)は5位。男子66キロ級の武岡毅(国学院大)は準優勝だった。同60キロ級の末松賢(明大)、女子52キロ級の川田歩実(東京・修徳高)はともに3位。(共同)

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飯田健太郎が優勝 影浦心はリネールに敗れる

<柔道:グランドスラム・ブラジリア大会>◇8日◇ブラジリア

男子100キロ級は飯田健太郎(国士舘大)が制した。

同100キロ超級は影浦心(日本中央競馬会)が初戦の2回戦で五輪2連覇中のテディ・リネール(フランス)に延長の末敗れた。リネールは優勝した。(共同)

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永瀬貴規が優勝、橋本壮市3位 柔道グランドスラム

<柔道:グランドスラム・ブラジリア大会>◇7日◇ブラジリア

男子81キロ級決勝で2016年リオデジャネイロオリンピック(五輪)銅メダルの永瀬貴規(旭化成)が、18年世界選手権3位のアルバイラク(トルコ)に指導3による反則勝ちを収めた。

国際大会は7月から3連続制覇となった。男子73キロ級で元世界王者の橋本壮市(パーク24)は準決勝で敗れて回った3位決定戦を制した。(共同)

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角田夏実は3位 グランドスラム・ブラジリア大会

<柔道:グランドスラム・ブラジリア大会>◇6日◇ブラジリア

女子52キロ級で角田夏実(了徳寺大職)は3位だった。

準決勝でイタリア選手に敗れたが、3位決定戦を制した。(共同)

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リオ五輪柔道女子金のシルバが薬物陽性反応

2016年リオデジャネイロ五輪柔道女子57キロ級金メダルのラファエラ・シルバ(ブラジル)が20日、8月の大会で実施されたドーピング検査で、ぜんそくなどの治療に用いられる「フェノテロール」に陽性反応が出たことを明らかにした。

シルバは潔白を主張。ぜんそくを患う生後7カ月の乳児と頻繁に接触したことが原因だと強調した。(共同)

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柔道角田夏実「楽しく」初V 階級変更は慎重な姿勢

全日本実業個人選手権48キロ級で優勝した角田夏実(左)

<柔道:全日本実業個人選手権>◇14日◇兵庫・ベイコム総合体育館◇女子48キロ級ほか

17年世界選手権女子52キロ級銀メダルの角田夏実(27=了徳寺大職)が1階級下げた48キロ級で出場し、初優勝を飾った。東京学芸大3年時以来、7年ぶりの最軽量級での挑戦で、決勝では18年グランドスラム・エカテリンブルク大会金メダルの遠藤宏美(26=ALSOK)に反則勝ちした。

角田は試合後、「試行錯誤しながら楽しく試合が出来た」と充実した表情で振り返った。52キロ級では世界選手権2連覇の阿部詩(日体大)と17年世界女王の志々目愛(了徳寺大職)に次ぐ3番手。20年東京五輪まで1年を切り、五輪代表は「ほぼない」とし、48キロ級での挑戦に踏み切った。優勝は果たしたが、想像以上に減量に苦しんだ。食事量を減らした分、稽古では組み負けたり、受けも弱くなって投げられた。「52キロ級は減量もなくベストな状態で試合に出られる。ぎりぎりまでは52キロ級でしっかりやりたい」と、階級変更については慎重な姿勢を示した。

男子81キロ級では、丸山剛毅(パーク24)が2連覇を達成した。

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永山竜樹、来年閉校の母校に「五輪金」刻み込む

母校美唄峰延小での講演会後に児童と記念撮影する永山(前列左から5人目)(撮影・浅水友輝)

歴史の幕を下ろす母校に、金メダルを届ける! 柔道男子60キロ級で東京オリンピック(五輪)代表候補の永山竜樹(23=了徳寺大職)が10日、母校の美唄峰延小で講演会を行った。1900年(明33)創立の母校は来年3月に閉校。2年連続銅メダルとなった8月の世界選手権ではリオデジャネイロ五輪銅メダルのライバル高藤直寿(26=パーク24)を破ったが、代表争いは一進一退。全校児童19人の前で、1年を切った大舞台への出場と活躍を誓った。

      ◇       ◇

つぶらな瞳でじっと見つめてくる19人の児童の視線に永山は少し照れた。そして力強く宣言した。「自分の夢は小さいころから変わらない。オリンピックで金メダルを取りたいと思って柔道をやってきた」。社会人1年目で初めて臨んだ講演会の演題は「夢は叶う! 自分の夢に向かって」。嘘偽りなく子どもたちの前で宣言した。

生まれ育った美唄市郊外の峰延が自身の原点だ。野球少年団に入り、遊び場だった山ではクワガタやオタマジャクシ取りに熱中した。そして柔道に出会った。卒業アルバムにはこう書いた。「オリンピックで五連覇する」。当時を振り返り「野村(忠宏)さんが3連覇で、4じゃきりが悪いので5にしました」。壮大な夢を描いた場所だ。

小学校卒業後に故郷、そして北海道を離れて10年がたった。今、夢は現実に近づいてきた。8月の世界選手権で2年連続銅メダルを手にした。東京五輪代表候補にまで上り詰めたが「近づくにつれて難しさを感じる」。そう口にするのは五輪出場には乗り越えないといけない壁があるからだ。

東京五輪への道には、東海大の3学年先輩、高藤が立ちはだかる。直接対決では3勝2敗と永山が勝ち越しているが、高藤にはリオ五輪の銅メダルに加え17、18年連覇を含む世界選手権3度優勝の実績がある。8月の世界選手権後に男子日本代表の井上康生監督(41)が「(代表選考では)五分五分だ」と言い、代表争いはまだまだ一進一退の攻防が続く。

卒業以来の母校訪問。来年3月に閉校する学びやでの講演には、120人超の住民も駆けつけた。何度も「ガンバレよ」と握手を求められた。地元の応援に決意を新たにして迎える次戦は、11月のグランドスラム大阪大会。「グランドスラム、(来年の)欧州遠征、最後の(全日本)選抜。この3つを優勝すれば(五輪)代表になれる。目の前の試合を1つ1つ大事にしたい」。学校史に「金メダリスト」を生んだ歴史を刻んで見せる。【浅水友輝】

◆永山竜樹(ながやま・りゅうじゅ)1996年(平8)4月15日、美唄市生まれ。4歳で競技を始め、美唄峰延小6年までは野球も続け3番投手。愛知・大成中-大成高を経て東海大に進学。1年時に世界ジュニア優勝、2年時には講道館杯全日本体重別を制し、3年時には全日本選抜体重別選手権優勝。4年時にはグランドスラム大阪、同デュッセルドルフ大会優勝。18、19年世界選手権は3位。好きな食べ物は焼き肉。156センチ。家族は両親と弟、妹。血液型A。

◆柔道男子60キロ級の東京五輪代表への道 日本連盟は8月の世界選手権各級優勝者に対しては、11月のグランドスラム(GS)大阪大会の結果によって選出すると指針を示している。しかし永山、高藤ともに優勝を逃している60キロ級は、11月のGS大阪大会、来年2月の同パリ大会、同デュッセルドルフ大会、4月の全日本選抜体重別選手権などの成績で選考される。

母校美唄峰延小の6年生女児6人の上を飛び込み前転で飛び越える永山(上)(撮影・浅水友輝)

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芳田司、世界選手権で敗れた出口クリスタに雪辱誓う

コマツの世界選手権報告会に出席した芳田司(撮影・峯岸佑樹)

柔道の世界選手権女子57キロ級銀メダルの芳田司(23=コマツ)が9日、世界女王の出口クリスタ(カナダ)にリベンジを誓った。

都内で行われた所属先の報告会に出席。前大会覇者の芳田は、世界選手権決勝で高校時代からのライバルで父の母国のカナダ国籍を取得した出口に延長の末、敗れた。「カナダ代表になってから伸び伸びやって間違いなく強くなっている。勝負の難しさを感じたし、技のキレや威力を磨いて次は絶対に一本勝ちする」と再戦に向け、闘志を燃やした。

女子57キロ級決勝、出口クリスタ(右)に谷落としで敗れる芳田司(2019年8月26日撮影)

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大野将平「応援に来て」200人超の子供らと交流

柔道教室後、子供たちと記念撮影する丸山城志郎(前列左から4番目)と大野将平(同6番目)(天理市提供)

柔道の世界選手権男子73キロ級金メダルの大野将平(27=旭化成)が7日、奈良県天理市の母校天理大で行われた地域貢献活動に参加した。

市内外から集まった200人超の子供らと柔道を通じて交流した。柔道部員が企画した練習メニューなどを約2時間行った。大野が得意の大外刈りや内股を披露すると、子供らは食い入るように見ていた。終盤にはだるまさんが転んだや鬼ごっこなども行った。大野とともに天理大を拠点とする世界選手権男子66キロ級金メダルの丸山城志郎(26=ミキハウス)も積極的に子供たちと交流を図っていた。

世界選手権を制した大野と丸山は、11月のグランドスラム(GS)大阪大会を優勝し、その後の強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成を得れば20年東京五輪代表に内定する。大野は「丸山と一緒に(GS大阪大会に)出るので応援に来てください」と呼び掛けると、丸山は「目標は東京五輪で優勝すること。稽古を積んで素晴らしい姿を見せたい」と抱負を語った。

この日の柔道教室は、天理市と天理大が連携した「天理トップアスリート地域貢献プロジェクト」の一環で実施された。今後もスポーツを通じてさまざまな取り組みが行われ、主に天理大が全国的に優秀な成績を収める柔道、ラグビー、野球、ホッケーの4競技の魅力を全国へ発信する。大野は今年5月に「天理市スポーツ政策特別顧問」に就任し、柔道教室でも子供たちに名刺を渡すなどしていた。

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五輪柔道で畳色変更へ 放送機構など道着反射を指摘

男子73キロ級準決勝、相手選手を押さえ込み、決勝進出を決めた大野将平(2019年8月26日撮影)

2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は4日、日本武道館で1日まで実施した柔道世界選手権を受け、畳の色を変える方向で調整すると明かした。

今回の畳は五輪でも使用する触れ込みだったが、試合場内の青色が白い柔道着に反射すると、五輪放送機構などから意見が挙がった。青からの変更も含め、より薄めの色に変える方向。畳は中国のタイシャン社製。

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傷心の柔道朝比奈沙羅、ラグビー「W杯見て元気を」

上月スポーツ賞の表彰式に出席した朝比奈沙羅(撮影・峯岸佑樹)

柔道の世界選手権女子78キロ超級銅メダルの朝比奈沙羅(22=パーク24)が4日、20日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)を心待ちにした。

都内で行われた上月スポーツ賞の表彰式に出席。先月31日の世界選手権では2連覇を逃して「まだ悔しさが強く、もう少し時間が必要」と切実な思いを明かした。へこんだ気持ちは、大好きなラグビー観戦で切り替える。「W杯を見て元気を出したい。東海大時代の同級生の(WTBの)アタアタ・モエアキオラ(23=神戸製鋼)がW杯メンバー入りしてすごく刺激になる。本当は2連覇して観たかったけど、(開幕の)ロシア戦と準決勝のチケットも持っているので(選手の皆さん)よろしくお願いします。たくさん試合が観たいです」と頭を下げた。

世界選手権では、ライバルで初出場の素根輝(19=環太平洋大)が世界女王に輝いた。11月のグランドスラム(GS)大阪大会を制し、強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成で20年東京五輪代表に内定する。「待ったなし」の状態の朝比奈は、GS大阪大会を“最後の勝負”とし「9回裏2死からが勝負。もう何も背負うものはないので、自分らしく戦うために残りの期間をどう過ごすかが大事。この負けを糧に諦めない気持ちをもって、紙一重の勝負をものにしたい」と必死に前を向いた。

幼少期からの夢の「五輪金メダルと医師」を目指し、東京五輪後に引退し、医学の道へ進むことを決めている。現在は稽古と医学系予備校に通う生活を続けている。

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個人戦厳し金4個でも五輪へ負のデータにはならず

表彰式で歓喜する金メダルの日本チーム(中央)と銀のフランス(左)銅のロシア、ブラジル(右)(撮影・河田真司)

<柔道:世界選手権>◇最終日◇1日◇東京・日本武道館◇男女混合団体戦

来年の五輪を占う「プレ大会」として行われた今大会で、日本は個人戦金メダル4個に終わった。男子の井上監督が目標とした「全階級金メダル」には遠く及ばず、ホームでの大会にしては過去と比べても見劣りがする金メダル数だった。もっとも、来年に希望がないかといえば反対。実は前年の世界選手権優勝は五輪金メダルに直結しない。

現行の階級制になった00年シドニー五輪から16年リオまで5大会。男女各7階級延べ70人の金メダリストのうち、前年の世界選手権で優勝しているのは18人だけ。4人に1人だ。前年の銀と銅メダルが17人とほぼ同じ。半分の35人は前年表彰台にすら上っていない。今大会の反省点をみつけ、1年でどう強化と調整するかが五輪の成績を決める。

男女混合団体戦決勝 日本対フランス 浜田(右から3人目)の勝利で優勝が決まり、健闘をたたえ合う日本チーム。右は井上康生日本代表監督(撮影・河田真司)

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男女混合団体V3「モチベーションビデオ」で一体感

日本武道館で集合写真を撮影する全日本柔道連盟の科学研究部

<柔道:世界選手権>◇最終日◇1日◇東京・日本武道館◇男女混合団体戦

日本が決勝で前大会銀メダルの強豪フランスを4-2で下し、3連覇を達成した。全15チームがトーナメント方式で争った中、初戦の準々決勝で韓国、準決勝でブラジルをともに4-0で快勝。

決勝では男子73キロ級金メダルの大野将平、女子78キロ級銀メダルの浜田尚里らを起用する布陣で、新種目として採用される20年東京オリンピック(五輪)の前哨戦を制した。日本は男女各2階級を制した個人戦に加え、5個目の金メダルを獲得した。

   ◇   ◇   ◇

「本家」の意地を示した。2年連続で強国フランスとの決勝。聖地に「ニッポン」コールが響き渡った。3-2ともつれる接戦となったが、最後は女子78キロ級銀メダルの浜田が同級女王のマロンガに個人戦の雪辱を果たした。1分22秒。裏投げから横四方固めで勝負を決めた。「絶対に勝って、ここで優勝を決めようと思った。チーム一体となれた」と振り返った。

78キロ超級代表の素根と朝比奈のコンディション不良により“緊急登板”した。朝食時に増地監督から連絡があり、慌てて準備した。井上監督も1年後を見据えて全員が準備するように伝えた。

総合力での優勝だった。日本柔道は普段、男女別で稽古を行う。そのため課題だった一体感の醸成へ「モチベーションビデオ」が役立った。全日本柔道連盟科学研究部が1年間かけて準備し、担当コーチのメッセージなどを5分間の映像に編集。東京五輪に向けて「原点回帰」をテーマとした動画は、全23選手のピーキングに合わせて渡された。

柔道発祥国として頂点を目指す日本代表の誇りや自覚が伝わる内容で、選手の気持ちを奮い立たせた。この日はスタッフらにも今大会までを編集したビデオが渡された。男子分析担当の鈴木利一さん(31)は「(映像の効果は)数字では表せない力がある。個だけでない日本柔道の組織力が世界一ということも証明された」と話した。

今大会は団体戦要員を登録出来たが、東京五輪での出場者は個人戦の代表に限られる。代表争いが激化する中、男女混合団体では、選手とスタッフらの個の力が集結した日本のチームワークがうかがわれた。全ては1年後の大舞台で栄光を勝ち取るため-。オールジャパンで万全の準備を進める。【峯岸佑樹】

▽男子90キロ級の村尾三四郎 アピールしようと思ってやった。決勝は負けたけれど、2試合できたのは来年の東京五輪など今後に向けて必ずプラスになる。

▽男子73キロ級の橋本壮一 出番が最終日だったので待ちくたびれた。少しは自分もいるというのをアピールできたかなと思う。

▽男子73キロ級の大野将平 団体戦は個人戦とは違うプレッシャーがあるが、個人戦優勝で気持ち的には余裕があった。来年に向けて、いい経験ができた。

▽女子70キロ級の新井千鶴 個人戦で負けて下を向いたけれど、まだチャンスがあると思って気持ちを切り替えた。やってきたことを出し切るだけだった。

優勝を果たしガッツポーズで写真に納まる、左から影村、芳田、大野将、新井、村尾、浜田(撮影・河田真司)
男女混合団体戦決勝 日本対フランス フランスのマレット(右)に勝利しガッツポーズの影村(撮影・河田真司)
男女混合団体戦決勝 日本対フランス 浜田(左)の勝利で優勝が決まり、抱き合い健闘をたたえ合う大野(中央)と村尾(撮影・河田真司)

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日本男女混合団体V3 分厚い選手層で発祥国の意地

男女混合団体戦決勝 日本対フランス フランスのマレット(右)に勝利しガッツポーズの影村(撮影・河田真司)

<柔道:世界選手権>◇最終日◇1日◇東京・日本武道館◇男女混合団体戦

日本は決勝で前大会準優勝のフランスに4-2で下し、3連覇を達成した。

初戦の準々決勝で韓国、準決勝でブラジルをともに4-0で勝利。分厚い選手層で柔道発祥国としての力を見せつけた。

強豪ブラジルとの準決勝では、1番手で「寝技の女王」こと78キロ級銀メダルの浜田尚里(28=自衛隊)が70キロ超級で出場。体格差のある78キロ超級の相手を得意の寝技で仕留め、勢いを付けた。3番手の57キロ以下級で、57キロ級銀メダルの芳田司(23=コマツ)は16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)金メダルのシルバに勝利。続いて、男子73キロ以下級で17年世界王者の橋本壮市(28=パーク24)が締めて完封勝ちした。

日本は8月31日までの個人戦全日程を終えて金4、銀6、銅5個のメダルを獲得。男女混合団体では、個人代表に加えて団体代表も安定感があり、“本家”の意地を示した。

▼男女団体代表

男子 橋本壮市、村尾三四郎(18=東海大)、影浦心(23=日本中央競馬会)

女子 玉置桃(24=三井住友海上)、大野陽子(29=コマツ)

◆柔道男女混合団体 20年東京五輪の新種目。チーム構成は男女3人ずつの計6人。男子は73キロ以下、90キロ以下、90キロ超、女子は57キロ以下、70キロ以下、70キロ超。同じ階級の選手同士が対戦し、決着がつかない場合はゴールデンスコア(GS)方式の延長戦。引き分けはない。チームの勝敗が並んだ場合は、無作為に選ばれた階級の選手同士が代表戦を行う。試合時間は4分。

男女混合団体で3連覇を果たし、ガッツポーズする、左から影浦、芳田、大野、新井、村尾、浜田(撮影・河田真司)
男女混合団体戦決勝 日本対フランス フランスのシャーネ(下)をともえ投げで破る大野(撮影・河田真司)

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