日刊スポーツ

柔道角田夏実「楽しく」初V 階級変更は慎重な姿勢

柔道角田夏実「楽しく」初V 階級変更は慎重な姿勢

全日本実業個人選手権48キロ級で優勝した角田夏実(左)

<柔道:全日本実業個人選手権>◇14日◇兵庫・ベイコム総合体育館◇女子48キロ級ほか

17年世界選手権女子52キロ級銀メダルの角田夏実(27=了徳寺大職)が1階級下げた48キロ級で出場し、初優勝を飾った。東京学芸大3年時以来、7年ぶりの最軽量級での挑戦で、決勝では18年グランドスラム・エカテリンブルク大会金メダルの遠藤宏美(26=ALSOK)に反則勝ちした。

角田は試合後、「試行錯誤しながら楽しく試合が出来た」と充実した表情で振り返った。52キロ級では世界選手権2連覇の阿部詩(日体大)と17年世界女王の志々目愛(了徳寺大職)に次ぐ3番手。20年東京五輪まで1年を切り、五輪代表は「ほぼない」とし、48キロ級での挑戦に踏み切った。優勝は果たしたが、想像以上に減量に苦しんだ。食事量を減らした分、稽古では組み負けたり、受けも弱くなって投げられた。「52キロ級は減量もなくベストな状態で試合に出られる。ぎりぎりまでは52キロ級でしっかりやりたい」と、階級変更については慎重な姿勢を示した。

男子81キロ級では、丸山剛毅(パーク24)が2連覇を達成した。

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永山竜樹、来年閉校の母校に「五輪金」刻み込む

母校美唄峰延小での講演会後に児童と記念撮影する永山(前列左から5人目)(撮影・浅水友輝)

歴史の幕を下ろす母校に、金メダルを届ける! 柔道男子60キロ級で東京オリンピック(五輪)代表候補の永山竜樹(23=了徳寺大職)が10日、母校の美唄峰延小で講演会を行った。1900年(明33)創立の母校は来年3月に閉校。2年連続銅メダルとなった8月の世界選手権ではリオデジャネイロ五輪銅メダルのライバル高藤直寿(26=パーク24)を破ったが、代表争いは一進一退。全校児童19人の前で、1年を切った大舞台への出場と活躍を誓った。

      ◇       ◇

つぶらな瞳でじっと見つめてくる19人の児童の視線に永山は少し照れた。そして力強く宣言した。「自分の夢は小さいころから変わらない。オリンピックで金メダルを取りたいと思って柔道をやってきた」。社会人1年目で初めて臨んだ講演会の演題は「夢は叶う! 自分の夢に向かって」。嘘偽りなく子どもたちの前で宣言した。

生まれ育った美唄市郊外の峰延が自身の原点だ。野球少年団に入り、遊び場だった山ではクワガタやオタマジャクシ取りに熱中した。そして柔道に出会った。卒業アルバムにはこう書いた。「オリンピックで五連覇する」。当時を振り返り「野村(忠宏)さんが3連覇で、4じゃきりが悪いので5にしました」。壮大な夢を描いた場所だ。

小学校卒業後に故郷、そして北海道を離れて10年がたった。今、夢は現実に近づいてきた。8月の世界選手権で2年連続銅メダルを手にした。東京五輪代表候補にまで上り詰めたが「近づくにつれて難しさを感じる」。そう口にするのは五輪出場には乗り越えないといけない壁があるからだ。

東京五輪への道には、東海大の3学年先輩、高藤が立ちはだかる。直接対決では3勝2敗と永山が勝ち越しているが、高藤にはリオ五輪の銅メダルに加え17、18年連覇を含む世界選手権3度優勝の実績がある。8月の世界選手権後に男子日本代表の井上康生監督(41)が「(代表選考では)五分五分だ」と言い、代表争いはまだまだ一進一退の攻防が続く。

卒業以来の母校訪問。来年3月に閉校する学びやでの講演には、120人超の住民も駆けつけた。何度も「ガンバレよ」と握手を求められた。地元の応援に決意を新たにして迎える次戦は、11月のグランドスラム大阪大会。「グランドスラム、(来年の)欧州遠征、最後の(全日本)選抜。この3つを優勝すれば(五輪)代表になれる。目の前の試合を1つ1つ大事にしたい」。学校史に「金メダリスト」を生んだ歴史を刻んで見せる。【浅水友輝】

◆永山竜樹(ながやま・りゅうじゅ)1996年(平8)4月15日、美唄市生まれ。4歳で競技を始め、美唄峰延小6年までは野球も続け3番投手。愛知・大成中-大成高を経て東海大に進学。1年時に世界ジュニア優勝、2年時には講道館杯全日本体重別を制し、3年時には全日本選抜体重別選手権優勝。4年時にはグランドスラム大阪、同デュッセルドルフ大会優勝。18、19年世界選手権は3位。好きな食べ物は焼き肉。156センチ。家族は両親と弟、妹。血液型A。

◆柔道男子60キロ級の東京五輪代表への道 日本連盟は8月の世界選手権各級優勝者に対しては、11月のグランドスラム(GS)大阪大会の結果によって選出すると指針を示している。しかし永山、高藤ともに優勝を逃している60キロ級は、11月のGS大阪大会、来年2月の同パリ大会、同デュッセルドルフ大会、4月の全日本選抜体重別選手権などの成績で選考される。

母校美唄峰延小の6年生女児6人の上を飛び込み前転で飛び越える永山(上)(撮影・浅水友輝)

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芳田司、世界選手権で敗れた出口クリスタに雪辱誓う

コマツの世界選手権報告会に出席した芳田司(撮影・峯岸佑樹)

柔道の世界選手権女子57キロ級銀メダルの芳田司(23=コマツ)が9日、世界女王の出口クリスタ(カナダ)にリベンジを誓った。

都内で行われた所属先の報告会に出席。前大会覇者の芳田は、世界選手権決勝で高校時代からのライバルで父の母国のカナダ国籍を取得した出口に延長の末、敗れた。「カナダ代表になってから伸び伸びやって間違いなく強くなっている。勝負の難しさを感じたし、技のキレや威力を磨いて次は絶対に一本勝ちする」と再戦に向け、闘志を燃やした。

女子57キロ級決勝、出口クリスタ(右)に谷落としで敗れる芳田司(2019年8月26日撮影)

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大野将平「応援に来て」200人超の子供らと交流

柔道教室後、子供たちと記念撮影する丸山城志郎(前列左から4番目)と大野将平(同6番目)(天理市提供)

柔道の世界選手権男子73キロ級金メダルの大野将平(27=旭化成)が7日、奈良県天理市の母校天理大で行われた地域貢献活動に参加した。

市内外から集まった200人超の子供らと柔道を通じて交流した。柔道部員が企画した練習メニューなどを約2時間行った。大野が得意の大外刈りや内股を披露すると、子供らは食い入るように見ていた。終盤にはだるまさんが転んだや鬼ごっこなども行った。大野とともに天理大を拠点とする世界選手権男子66キロ級金メダルの丸山城志郎(26=ミキハウス)も積極的に子供たちと交流を図っていた。

世界選手権を制した大野と丸山は、11月のグランドスラム(GS)大阪大会を優勝し、その後の強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成を得れば20年東京五輪代表に内定する。大野は「丸山と一緒に(GS大阪大会に)出るので応援に来てください」と呼び掛けると、丸山は「目標は東京五輪で優勝すること。稽古を積んで素晴らしい姿を見せたい」と抱負を語った。

この日の柔道教室は、天理市と天理大が連携した「天理トップアスリート地域貢献プロジェクト」の一環で実施された。今後もスポーツを通じてさまざまな取り組みが行われ、主に天理大が全国的に優秀な成績を収める柔道、ラグビー、野球、ホッケーの4競技の魅力を全国へ発信する。大野は今年5月に「天理市スポーツ政策特別顧問」に就任し、柔道教室でも子供たちに名刺を渡すなどしていた。

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五輪柔道で畳色変更へ 放送機構など道着反射を指摘

男子73キロ級準決勝、相手選手を押さえ込み、決勝進出を決めた大野将平(2019年8月26日撮影)

2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は4日、日本武道館で1日まで実施した柔道世界選手権を受け、畳の色を変える方向で調整すると明かした。

今回の畳は五輪でも使用する触れ込みだったが、試合場内の青色が白い柔道着に反射すると、五輪放送機構などから意見が挙がった。青からの変更も含め、より薄めの色に変える方向。畳は中国のタイシャン社製。

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傷心の柔道朝比奈沙羅、ラグビー「W杯見て元気を」

上月スポーツ賞の表彰式に出席した朝比奈沙羅(撮影・峯岸佑樹)

柔道の世界選手権女子78キロ超級銅メダルの朝比奈沙羅(22=パーク24)が4日、20日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)を心待ちにした。

都内で行われた上月スポーツ賞の表彰式に出席。先月31日の世界選手権では2連覇を逃して「まだ悔しさが強く、もう少し時間が必要」と切実な思いを明かした。へこんだ気持ちは、大好きなラグビー観戦で切り替える。「W杯を見て元気を出したい。東海大時代の同級生の(WTBの)アタアタ・モエアキオラ(23=神戸製鋼)がW杯メンバー入りしてすごく刺激になる。本当は2連覇して観たかったけど、(開幕の)ロシア戦と準決勝のチケットも持っているので(選手の皆さん)よろしくお願いします。たくさん試合が観たいです」と頭を下げた。

世界選手権では、ライバルで初出場の素根輝(19=環太平洋大)が世界女王に輝いた。11月のグランドスラム(GS)大阪大会を制し、強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成で20年東京五輪代表に内定する。「待ったなし」の状態の朝比奈は、GS大阪大会を“最後の勝負”とし「9回裏2死からが勝負。もう何も背負うものはないので、自分らしく戦うために残りの期間をどう過ごすかが大事。この負けを糧に諦めない気持ちをもって、紙一重の勝負をものにしたい」と必死に前を向いた。

幼少期からの夢の「五輪金メダルと医師」を目指し、東京五輪後に引退し、医学の道へ進むことを決めている。現在は稽古と医学系予備校に通う生活を続けている。

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個人戦厳し金4個でも五輪へ負のデータにはならず

表彰式で歓喜する金メダルの日本チーム(中央)と銀のフランス(左)銅のロシア、ブラジル(右)(撮影・河田真司)

<柔道:世界選手権>◇最終日◇1日◇東京・日本武道館◇男女混合団体戦

来年の五輪を占う「プレ大会」として行われた今大会で、日本は個人戦金メダル4個に終わった。男子の井上監督が目標とした「全階級金メダル」には遠く及ばず、ホームでの大会にしては過去と比べても見劣りがする金メダル数だった。もっとも、来年に希望がないかといえば反対。実は前年の世界選手権優勝は五輪金メダルに直結しない。

現行の階級制になった00年シドニー五輪から16年リオまで5大会。男女各7階級延べ70人の金メダリストのうち、前年の世界選手権で優勝しているのは18人だけ。4人に1人だ。前年の銀と銅メダルが17人とほぼ同じ。半分の35人は前年表彰台にすら上っていない。今大会の反省点をみつけ、1年でどう強化と調整するかが五輪の成績を決める。

男女混合団体戦決勝 日本対フランス 浜田(右から3人目)の勝利で優勝が決まり、健闘をたたえ合う日本チーム。右は井上康生日本代表監督(撮影・河田真司)

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男女混合団体V3「モチベーションビデオ」で一体感

日本武道館で集合写真を撮影する全日本柔道連盟の科学研究部

<柔道:世界選手権>◇最終日◇1日◇東京・日本武道館◇男女混合団体戦

日本が決勝で前大会銀メダルの強豪フランスを4-2で下し、3連覇を達成した。全15チームがトーナメント方式で争った中、初戦の準々決勝で韓国、準決勝でブラジルをともに4-0で快勝。

決勝では男子73キロ級金メダルの大野将平、女子78キロ級銀メダルの浜田尚里らを起用する布陣で、新種目として採用される20年東京オリンピック(五輪)の前哨戦を制した。日本は男女各2階級を制した個人戦に加え、5個目の金メダルを獲得した。

   ◇   ◇   ◇

「本家」の意地を示した。2年連続で強国フランスとの決勝。聖地に「ニッポン」コールが響き渡った。3-2ともつれる接戦となったが、最後は女子78キロ級銀メダルの浜田が同級女王のマロンガに個人戦の雪辱を果たした。1分22秒。裏投げから横四方固めで勝負を決めた。「絶対に勝って、ここで優勝を決めようと思った。チーム一体となれた」と振り返った。

78キロ超級代表の素根と朝比奈のコンディション不良により“緊急登板”した。朝食時に増地監督から連絡があり、慌てて準備した。井上監督も1年後を見据えて全員が準備するように伝えた。

総合力での優勝だった。日本柔道は普段、男女別で稽古を行う。そのため課題だった一体感の醸成へ「モチベーションビデオ」が役立った。全日本柔道連盟科学研究部が1年間かけて準備し、担当コーチのメッセージなどを5分間の映像に編集。東京五輪に向けて「原点回帰」をテーマとした動画は、全23選手のピーキングに合わせて渡された。

柔道発祥国として頂点を目指す日本代表の誇りや自覚が伝わる内容で、選手の気持ちを奮い立たせた。この日はスタッフらにも今大会までを編集したビデオが渡された。男子分析担当の鈴木利一さん(31)は「(映像の効果は)数字では表せない力がある。個だけでない日本柔道の組織力が世界一ということも証明された」と話した。

今大会は団体戦要員を登録出来たが、東京五輪での出場者は個人戦の代表に限られる。代表争いが激化する中、男女混合団体では、選手とスタッフらの個の力が集結した日本のチームワークがうかがわれた。全ては1年後の大舞台で栄光を勝ち取るため-。オールジャパンで万全の準備を進める。【峯岸佑樹】

▽男子90キロ級の村尾三四郎 アピールしようと思ってやった。決勝は負けたけれど、2試合できたのは来年の東京五輪など今後に向けて必ずプラスになる。

▽男子73キロ級の橋本壮一 出番が最終日だったので待ちくたびれた。少しは自分もいるというのをアピールできたかなと思う。

▽男子73キロ級の大野将平 団体戦は個人戦とは違うプレッシャーがあるが、個人戦優勝で気持ち的には余裕があった。来年に向けて、いい経験ができた。

▽女子70キロ級の新井千鶴 個人戦で負けて下を向いたけれど、まだチャンスがあると思って気持ちを切り替えた。やってきたことを出し切るだけだった。

優勝を果たしガッツポーズで写真に納まる、左から影村、芳田、大野将、新井、村尾、浜田(撮影・河田真司)
男女混合団体戦決勝 日本対フランス フランスのマレット(右)に勝利しガッツポーズの影村(撮影・河田真司)
男女混合団体戦決勝 日本対フランス 浜田(左)の勝利で優勝が決まり、抱き合い健闘をたたえ合う大野(中央)と村尾(撮影・河田真司)

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日本男女混合団体V3 分厚い選手層で発祥国の意地

男女混合団体戦決勝 日本対フランス フランスのマレット(右)に勝利しガッツポーズの影村(撮影・河田真司)

<柔道:世界選手権>◇最終日◇1日◇東京・日本武道館◇男女混合団体戦

日本は決勝で前大会準優勝のフランスに4-2で下し、3連覇を達成した。

初戦の準々決勝で韓国、準決勝でブラジルをともに4-0で勝利。分厚い選手層で柔道発祥国としての力を見せつけた。

強豪ブラジルとの準決勝では、1番手で「寝技の女王」こと78キロ級銀メダルの浜田尚里(28=自衛隊)が70キロ超級で出場。体格差のある78キロ超級の相手を得意の寝技で仕留め、勢いを付けた。3番手の57キロ以下級で、57キロ級銀メダルの芳田司(23=コマツ)は16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)金メダルのシルバに勝利。続いて、男子73キロ以下級で17年世界王者の橋本壮市(28=パーク24)が締めて完封勝ちした。

日本は8月31日までの個人戦全日程を終えて金4、銀6、銅5個のメダルを獲得。男女混合団体では、個人代表に加えて団体代表も安定感があり、“本家”の意地を示した。

▼男女団体代表

男子 橋本壮市、村尾三四郎(18=東海大)、影浦心(23=日本中央競馬会)

女子 玉置桃(24=三井住友海上)、大野陽子(29=コマツ)

◆柔道男女混合団体 20年東京五輪の新種目。チーム構成は男女3人ずつの計6人。男子は73キロ以下、90キロ以下、90キロ超、女子は57キロ以下、70キロ以下、70キロ超。同じ階級の選手同士が対戦し、決着がつかない場合はゴールデンスコア(GS)方式の延長戦。引き分けはない。チームの勝敗が並んだ場合は、無作為に選ばれた階級の選手同士が代表戦を行う。試合時間は4分。

男女混合団体で3連覇を果たし、ガッツポーズする、左から影浦、芳田、大野、新井、村尾、浜田(撮影・河田真司)
男女混合団体戦決勝 日本対フランス フランスのシャーネ(下)をともえ投げで破る大野(撮影・河田真司)

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リオ銅中村が世界金の素根を祝福「見極めがうまい」

男女混合団体戦を観戦する中村美里(撮影・峯岸佑樹)

08年北京、16年リオデジャネイロ五輪柔道女子52キロ級銅メダルの中村美里(30=三井住友海上)が1日、世界選手権女子78キロ超級を初制覇した素根輝(そね・あきら、19=環太平洋大)を祝福した。

男女混合団体戦が行われている東京・日本武道館に来場。中村は、前日8月31日に実施された素根の試合を生観戦して「(162センチの)小さい体をいかした技やスピード、攻めどころなどの見極めがうまい。組み手の徹底、担ぎや前後の技もあって海外選手からしたらやりにくいはず。代表2番手の立場でありながら、やるべきことを黙々とやってきたんだなと思った。(20年東京五輪に向けて)とても良い流れ」と感心した。

小1で柔道を始めた素根は、その頃から中村のことを尊敬している。「小さい体で大きい相手に立ち向かう姿勢が好き」と言い、4月の体重無差別で争う全日本選手権で“共演”した時は、最年長・最軽量で初挑戦した中村の姿をずっと目に焼き付けていた。

中村は19歳の時、北京五輪で銅メダルを獲得し、20歳で世界選手権を制した。一方で、素根は19歳で世界女王となり、順当に進めば20歳で東京五輪を迎える。世界選手権を3度制し、五輪3大会に出場するなど世界と戦ってきた柔道界の先輩は「素根さんがこれだけ強くなって、重量級選手でありながら自分のような軽量級選手のことを『憧れ』と言ってもらえるのは素直にうれしい。このまま強い気持ちを持って戦い続けてほしい」と、さらなる飛躍を期待した。

優勝を決めた素根輝(2019年8月31日撮影)

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日本3連覇王手、フランスと決勝 柔道男女混合団体

男女混合団体戦準決勝 ブラジルのモウラ(右)に背負い投げで勝利する影村(撮影・河田真司)

<柔道:世界選手権>◇最終日◇1日◇東京・日本武道館◇男女混合団体戦 

3連覇を狙う日本は準決勝で、17年大会銀メダルのブラジルを4-0で下し、決勝に進出した。決勝は前大会に続き、欧州の柔道大国フランスと対戦する。

◆柔道男女混合団体 20年東京五輪の新種目。チーム構成は男女3人ずつの計6人。男子は73キロ以下、90キロ以下、90キロ超、女子は57キロ以下、70キロ以下、70キロ超。同じ階級の選手同士が対戦し、決着がつかない場合はゴールデンスコア(GS)方式の延長戦。引き分けはない。チームの勝敗が並んだ場合は、無作為に選ばれた階級の選手同士が代表戦を行う。試合時間は4分。

男女混合団体戦準決勝 ブラジルのバルボーザ(右)に勝利し握手を交わす日本の橋本(撮影・河田真司)
男女混合団体戦準決勝 ブラジルのシルバ(右)に一本勝ちする芳田(撮影・河田真司)

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リオ銅の羽賀に第1子女児誕生「妻には心から感謝」

愛娘を抱く羽賀龍之介

16年リオデジャネイロ五輪柔道男子100キロ級銅メダルの羽賀龍之介(28=旭化成)が1日までに、自身のツイッターなどのSNSで、第1子となる女児が誕生したことを発表した。

8月31日に更新し、病院で愛娘を抱える画像とともに「3295グラムの女の子が生まれました。妻には心から感謝です」とつづった。

ファンからも「ママに似た美人さんになるでしょう」「子育も頑張れ」などの祝福コメントが寄せられている。

羽賀は17年世界選手権2回戦で左肩を痛め、昨年3月に手術を受けた。全治6カ月の診断で、20年東京五輪に向けて再起するために懸命にリハビリに励んだ。昨年9月に一般女性と結婚。復帰戦となった同11月の講道館杯で準優勝し、今年4月の選抜体重別選手権を制した。東京五輪の代表争いが本格化する中、「選手としてのピーク、世界一を目指す上では東京五輪までと決めている。強い覚悟を持って、柔道に取り組む」と話していた。

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日本が五輪新種目団体V3狙う/世界柔道最終日展望

柔道世界選手権日程と結果

<柔道:世界選手権>◇最終日◇1日◇東京・日本武道館◇男女混合団体戦

日本が3連覇を狙う。男女混合団体戦は20年東京オリンピック(五輪)の新種目で、男女3階級の6人制で行われる。男子は73キロ以下、90キロ以下、90キロ超、女子は57キロ以下、70キロ以下、70キロ超で構成され、総合力の争いになる。

個人戦代表の他、団体戦代表として、男子73キロ級で17年世界王者の橋本壮市(28=パーク24)、男子90キロ級で18年世界ジュニア銀メダルの村尾三四郎(18=東海大)、男子90キロ超級で100キロ超級18年グランドスラム・パリ大会覇者の影浦心(23=日本中央競馬会)、女子57キロ級で18年アジア大会覇者の玉置桃(24=三井住友海上)、70キロ級で18年世界選手権銅メダルの大野陽子(29=コマツ)が選出された。団体戦代表は東京五輪の代表入りに向け、必死のアピールの場ともなる。

ライバルは前大会銀メダルで、今大会女子で3日連続の金メダル獲得となった欧州一の柔道大国のフランスや、前大会銅メダルのロシアなどが表彰台を狙う。

日本は8月31日までの個人戦全日程を終えて金4、銀6、銅5個。金メダルは前大会の7個から大きく減ったが、総数では1減の15個だった。

男女混合団体戦に出場する橋本壮市(2018年4月7日撮影・今浪浩三)

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死闘敗れ原沢銀、栄光捨て退路断ち集大成東京五輪へ

男子100キロ超決勝 チェコの選手に反則負けし、肩を落とす原沢(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第7日◇31日◇東京・日本武道館◇男子100キロ超級

男子100キロ超級で、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(27=百五銀行)が銀メダルを獲得した。決勝で、同五輪100キロ級覇者のクルパレク(チェコ)に延長の末、指導3による反則負けを喫した。日本勢で03年大会の棟田康幸以来の100キロ超級制覇はならなかった。

   ◇   ◇   ◇

原沢は悲願にあと1歩及ばなかった。強豪クルパレクとの決勝は、死闘となった。序盤は内股、小内刈りの連続攻撃で攻めたが、相手の裏投げに頭から畳に落下。「影響ない」と、しながらも動きが鈍くなった。7分50秒。3つ目の指導を受けて勝負あり。準決勝で前大会覇者のトゥシシビリから合わせ技一本を奪って観客約3600人から大拍手を浴び、決勝が「最大の見せ場」だっただけに敗戦が悔やまれた。

原沢 (五輪2連覇で絶対王者の)リネール選手がいなかったのでどうしても勝たないといけない試合だった。地力、総合力が足りない。悔しいの一言。

リオ五輪以降、不調に悩まされた。心身疲労が積み重なる「オーバートレーニング症候群」の影響で、17年大会は初戦敗退。敗戦続きで、リオの輝きは薄れつつあった。18年4月の全日本選手権を最後に日本中央競馬会を退職し、フリーの道を選んだ。突き動かしたのはリネールとのリオ五輪決勝の記憶だ。「普通では勝てない。孤独となって見える世界があるはず」。

今年1月が転機となった。天理大に出稽古へ行き、元世界王者の穴井隆将監督に得意の内股に入るまでの足技やフェイントの指導を受けた。「内股の感覚が変わった」。2月の欧州でのグランドスラム連戦では鋭い内股が復活し、3年ぶりの国際大会優勝も飾った。

20年東京五輪は、集大成とする。最重量級再建のため過去の栄光は忘れる-。リオ五輪の銀メダルは母校の山口・早鞆高に発送して、手元に置かない。「この1年に柔道人生の全てを懸ける。また日本武道館に戻ってくる」。27歳の柔道家が、2度目の大舞台へ向かう。【峯岸佑樹】

原沢久喜が母校の早鞆高に発送したリオ五輪の銀メダル(撮影・峯岸佑樹)
天理大でトレーニングに励む(左から)大野将平、原沢久喜、丸山城志郎

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銀の原沢久喜は食事改革で復調兆し 栄養士から指導

男子100キロ超級で2位の原沢は銀メダルをかけ浮かない表情(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第7日◇31日◇東京・日本武道館◇男子100キロ超級

男子100キロ超級で、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(27=百五銀行)が銀メダルを獲得した。

   ◇   ◇   ◇

原沢は2年間、食事管理に励んだ。初戦敗退した17年9月の世界選手権後、「オーバートレーニング症候群」と診断された。過労のほか、急激な体重増加も影響。リオ五輪時は125キロだったが、海外勢対策として130キロに増量して臨んだ。体脂肪は増え、筋量は低下していた。

完全休養を機に食事を見直し、公認スポーツ栄養士で母校日大の松本恵教授に指導を受けた。1日3回の食事写真をLINEで送り、主食の増減や献立などのアドバイスを受けた。1日約5000キロカロリーを必要とするが、小食で試合前になると食欲不振に陥ることが多々ある。そのため国際大会などでも松本さんに同行を依頼し、サポートしてもらった。大会当日は試合時間を逆算して、この日も松本さんが準備したハチミツ入りのフルーツサラダや100グラム以下の一口おにぎりなどを口にして栄養補給した。

不調な時期を乗り越え、栄養の意識改革の効果もあり、復調の兆しを見せている。松本さんは「原沢選手の真面目な性格が少しずつ結果に表れている。20年東京五輪決勝までサポートする」と、3年前のリベンジを願っている。

栄養サポートについて語る松本恵教授(撮影・峯岸佑樹)
松本恵教授が原沢久喜に提供した一口おにぎり
松本恵教授が原沢久喜に提供したフルーツサラダ

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原沢もったいない 素根は入念対策で余裕/古賀稔彦

女子78キロ超級決勝 キューバのオルティスを攻める素根(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第7日◇31日◇東京・日本武道館◇女子78キロ超級、男子100キロ超級

女子78キロ超級で個人戦初出場の素根輝(あきら、19=環太平洋大)が金メダルを獲得。2連覇を狙った朝比奈沙羅(22=パーク24)は準々決勝で敗退し、敗者復活戦を勝ち上がり銅メダルだった。男子100キロ超級では、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(27=百五銀行)が銀メダルを獲得した。

   ◇   ◇   ◇

原沢は残念だった。結果的には「指導」を3つ取られての反則負け。最後は頭を打った影響だったのか、ほとんど柔道にならなかった。ただ、長い試合にせず勝てるチャンスはあった。切れる技を持ち、柔道もうまい。優勝できる選手だけに、もったいなかった。

いい組み手になっても技が出ない。「今だ」という場面で、思い切れない。外国人のパワーで返されるのが不安なのだろうが、リスク覚悟での攻めも必要。もう少し、自分の技に自信を持てれば、思い切って技に入れるはず。今回の反省を生かせば、五輪では十分金メダルの可能性がある。

素根は逆に思い切ってできていた。4月に代表に選ばれて以来、対戦が予想される選手の組み手を徹底して研究。ムダな指導を取られず、相手に先に指導がいくように練習してきた。投げての一本も大切だが、指導をコントロールすることが特に重量級では必要。相手も指導狙いでやってくるからだ。

先に相手が指導を取られれば、精神的にも有利に戦える。先に自分に指導が来れば、不十分な組み手でも強引に攻めるなど余裕がなくなる。指導を取られず、逆に相手に取らせる。今の柔道では、これも勝利への大きなカギになる。(一般社団法人古賀塾塾長)

女子78キロ超級で優勝した素根(左)は銅メダルの朝比奈と笑顔で握手を交わす(撮影・鈴木みどり)

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素根輝「攻め」体現で金、兄と二人三脚で朝比奈に差

女子78キロ超級決勝 延長でキューバのオルティス(左)の反則負けで優勝を決めた素根は、健闘をたたえ合う(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第7日◇31日◇東京・日本武道館◇男子100キロ超級、女子78キロ超級

女子78キロ超級で個人戦初出場の素根輝(あきら、19=環太平洋大)が金メダルを獲得。2連覇を狙った朝比奈沙羅(22=パーク24)は準々決勝で敗退し、敗者復活戦を勝ち上がり銅メダルだった。

   ◇   ◇   ◇

素根は何度も何度も体落としを見舞おうと体を翻した。ロンドン五輪金メダルのオルティス(キューバ)の老かいな組み手に苦しんでも「攻める、攻める」とこの日のテーマを体現した。延長でも体落としを打ち込み、追い込む。延長4分9分に根負けした相手を場外に追いやり指導を与え、初優勝をもぎとった。「何が何でも勝つと思った」と涙がこみ上げた。

4月には故郷の福岡県久留米市を離れ、岡山県の環太平洋大へ進学。母美香さんと稽古相手の兄勝さんとともに引っ越し、家の2部屋をトレーニング室にし、実家から練習器具も持参。帰宅後、毎日午後11時頃まで勝さんと稽古に打ち込んだ。座右の銘の「3倍努力」を体現し、腕立て伏せ200回を就寝前の日課とした。その成果を出した。

5連勝中の朝比奈との直接対決はこの日、実現しなかったが、差はつけた。「自分が必ず五輪に出て、必ず金メダルを取ります」。九州で“無敵女子”と呼ばれた19歳の柔道家が夢舞台に1歩前進した。

女子78キロ超級で優勝した素根(左)は銅メダルの朝比奈と笑顔で握手を交わす(撮影・鈴木みどり)
女子78キロ超級で優勝し、金メダルを手に笑顔の素根(撮影・鈴木みどり)

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リオ銀の原沢久喜が敗れ銀「正統派スタイル」で一皮

男子100キロ超級で2位の原沢は銀メダルを手に悔しそうに顔をしかめる(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第7日◇31日◇東京・日本武道館◇男子100キロ超級

男子100キロ超級で、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(27=百五銀行)が銀メダルを獲得した。準々決勝ではリオ五輪銅メダルのシルバ(ブラジル)に指導3で勝利し、準決勝では前大会覇者のツシシビリ(ジョージア)と対戦した。

3大会連続出場で、17年大会は初戦敗退。18年大会は「絶対王者」ことリネール(フランス)不在の中、3位にとどまった。今年1月から地元山口県の先輩の大野将平(旭化成)に誘われ、天理大で出稽古し、「正統派スタイル」の柔道を仕込まれたことで一皮むけた。得意の内股と大内刈りを武器に、2月のグランドスラム・デュッセルドルフ大会で3年ぶりに国際大会で優勝するなど復調の兆しを見せていた。

◆原沢久喜(はらさわ・ひさよし)1992年(平4)7月3日、山口県下関市生まれ。6歳で柔道を始める。山口・早鞆高-日大-日本中央競馬会-百五銀行。14、18年全日本選手権優勝。16年リオ五輪銀メダル。右組み。得意技は内股。趣味はドライブ。191センチ、123キロ。

男子100キロ超決勝 チェコの選手と組み合う原沢(右)(撮影・鈴木みどり)
男子100キロ超決勝 チェコの選手に攻められる原沢(右)(撮影・鈴木みどり)

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19歳の素根輝が初出場金!代表落選で「3倍努力」

女子78キロ超級決勝 延長でキューバのオルティスの反則負けで優勝を決め、天を仰ぐ素根(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第7日◇31日◇東京・日本武道館◇男子100キロ超級、女子78キロ超級

女子78キロ超級で、個人戦初出場の素根輝(そね・あきら、19=環太平洋大)が金メダルを獲得した。決勝戦でオルティス(キューバ)を延長戦の末、反則勝ちで破った。

素根は「先に先に攻めてペースをつかんで試合をしたかった。そこはできたかなと思います」と試合を振り返った。

昨年は全日本選抜体重別選手権と全日本選手権で連勝しながらも世界選手権の個人代表から落選。悔しさを胸に、座右の銘の「3倍努力」を体現して、稽古に没頭した。同12月のワールドマスターズ大会、今年4月の全日本選手権を制すなど着実に結果を残してきた。

「東京オリンピックには自分が行って必ず金メダル、という気持ちです」。力強く東京五輪をにらんだ。

◆素根輝(そね・あきら)2000年(平12)7月9日、福岡県生まれ。小1で柔道を始める。福岡・南筑高-環太平洋大。17、18、19年全日本選抜体重別選手権優勝、18年マスターズ大会優勝。左組み。得意技は大内刈り。趣味はYouTube視聴。162センチ、110キロ。

女子78キロ超級決勝 延長でキューバのオルティスの反則負けで優勝を決め、感極まる素根(撮影・鈴木みどり)
女子78キロ超級決勝 延長でキューバのオルティス(左)の反則負けで優勝を決め、ハグする素根(撮影・鈴木みどり)

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原沢久喜、素根輝が4強、朝比奈沙羅は敗者復活戦へ

男子100キロ超級3回戦 モンゴルの選手に小内刈りで1本勝ちする原沢(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第7日◇31日◇東京・日本武道館◇男子100キロ超級、女子78キロ超級

男子100キロ超級で、16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)銀メダルの原沢久喜(27=百五銀行)が準々決勝で、リオ五輪銅メダルのシルバ(ブラジル)に指導3で勝利し、準決勝進出を決めた。

女子78キロ超級で、個人戦初出場の素根輝(そね・あきら、19=環太平洋大)も準決勝に駒を進めた。18年世界女王の朝比奈沙羅(22=パーク24)は準々決勝で敗退し、敗者復活戦に回った。

女子78キロ超級3回戦 スロベニアの選手に延長で小外刈りを決め、1本勝ちする素根(右)(撮影・鈴木みどり)
女子78キロ超級準々決勝 反則負けし、うつむく朝比奈(撮影・鈴木みどり)

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浜田尚里「マイケトル」持つ几帳面な性格/こんな人

女子78キロ級準決勝 スロベニアの選手に1本勝ちする浜田(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第6日◇30日◇東京・日本武道館◇女子78キロ級

女子78キロ級で、18年世界女王の浜田尚里(しょうり、28=自衛隊)が銀メダルを獲得した。

      ◇      ◇

柔道界で浜田はとてもきちょうめんな性格として知られている。海外遠征などでホテルに宿泊すると、翌日(所属の)自衛隊仕込みのベッドメークをするのがお決まりだ。キャリーバッグ内の荷物も整理整頓され、パッキングも上手という。息抜きはコーヒーで、遠征先で電気ケトルにカビが生えていることを恐れ、わざわざ「マイケトル」を持参する。力強い柔道とは一変、かわいらしい声で、個性的な一面もあるのが浜田の魅力だ。

女子78キロ級決勝 フランスのマロンガに1本を取られる浜田(下)(撮影・鈴木みどり)

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「寝技女王」浜田V2逃すも「あり地獄」持ち味発揮

女子78キロ級決勝 フランスのマロンガに1本を取られる浜田(下)(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第6日◇30日◇東京・日本武道館◇女子78キロ級

女子78キロ級で、18年世界女王の浜田尚里(しょうり、28=自衛隊)が銀メダルを獲得した。初戦の2回戦から4試合連続一本勝ちし、決勝では世界ランキング4位のマロンガ(フランス)に一本負けを喫した。03年大会で4連覇した阿武教子以来(旧72キロ級含む)の2連覇はならなかった。

「寝技の女王」が2連覇を逃した。4試合中3試合を寝技で快勝して迎えた決勝。浜田は長身のマロンガに完敗した。懐に入れず、中盤に大内刈りで技ありを奪われて劣勢となった。すぐに寝技に持ち込んだが失敗。2分24秒。「取らないと」。焦って強引な大外刈りを返され、背中が畳についた。「金メダルを目指していたからすごく残念。もう1段階強くならないと勝てない」と唇をかんだ。

中学時代は無名だったが、鹿児島南高時代に寝技を習得して開花。78キロ級では大きくはない168センチ。柔道部監督だった吉村智之さん(43)が「抑え込みで一本を狙う方が確実に勝てる」と考え、寝技強化の指導を始めた。高校3年間は吉村さん宅に下宿し、練習漬けの日々。努力家で、稽古後も深夜まで映像研究して関節技や絞め技を磨き上げた。高3では全国高校総体で2位に入った。山梨学院大4年時、柔道の幅を広げるためにロシア発祥の格闘技「サンボ」に挑戦。14年世界選手権で優勝するほどの実力を身に付けた。周囲からは「あり地獄」と恐れられ、「寝技なら誰にも負けない」と胸を張る。

前大会を制して以降、海外勢に寝技を警戒されて国際大会での優勝はない。対策として立ち技の強化を重点に置き、内股や一本背負いなどの担ぎ技も磨いた。相撲稽古で、すり足などを反復して体幹も鍛えた。

同級は世界の層も厚く、国内の競争も混戦だ。漠然と抱いていたオリンピック(五輪)への思いは徐々に現実的な目標に変わった。「また来年、日本武道館に戻ってきて、次こそ勝ちたい」。28歳の「寝技の女王」は、しっかりと1年後を見据えていた。【峯岸佑樹】

◆浜田尚里(はまだ・しょうり)1990年(平2)9月25日、鹿児島県生まれ。10歳で柔道を始める。鹿児島南高-山梨学院大-自衛隊。17年GS東京大会優勝、18年世界選手権優勝。右組み。得意技は内股。世界ランキング3位。趣味は旅行。168センチ。

女子78キロ級決勝 フランスのマロンガに敗れ、悔しそうな表情の浜田(左)(撮影・鈴木みどり)

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朝比奈が最後の世界選で連覇へ/世界柔道第7日展望

柔道世界選手権日程と結果

<柔道:世界選手権>◇第7日◇31日◇東京・日本武道館◇男子100キロ超級、女子78キロ超級

三度目の正直だ。男子100キロ超級で、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(27=百五銀行)は初の世界王者を狙う。3年連続の出場で、17年大会は初戦敗退、18年大会は「絶対王者」のリネール(フランス)不在の中、3位にとどまった。今年1月から天理大で出稽古し、「正統派スタイル」の柔道を徹底的に仕込まれてことで一皮むけた。2月のグランドスラム(GS)パリ大会2位、GSデュッセルドルフ大会では3年ぶりの優勝を飾った。その後の大会でも安定した成績を残し、復調の兆しを見せている。前大会覇者でスピードが持ち味のツシシビリ(ジョージア)やリオ五輪100キロ級覇者のクレパルク(チェコ)らもメダル候補。原沢は2人と対戦がなく、その戦いぶりに注目だ。

女子78キロ超級で、世界女王の朝比奈沙羅(22=パーク24)は2連覇を狙う。176センチ、130キロ超の恵まれた体格から繰り出す払い巻き込みや払い腰が武器。20年東京五輪後に現役引退して、医師の道へ進むことを公言しており、最後の世界選手権となる。

最大のライバル、素根輝(あきら、19=環太平洋大)は個人戦初出場。162センチと上背はないが、驚異のスタミナの持ち主で、朝比奈に5連勝中と国内で存在感を示している。両者は順当に進めば、準決勝で激突。東京五輪代表の行方を占う上でも、重要な一戦となる。

朝比奈沙羅(2018年8月21日撮影・峯岸佑樹)
原沢久喜(2019年4月6日撮影・梅根麻紀)

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フォンセカ「信じられない」ポルトガルに柔道初の金

<柔道:世界選手権>◇第6日◇30日◇東京・日本武道館◇男子100キロ級

ポルトガルに世界大会初の金メダルをもたらした男子100キロ級のフォンセカは「信じられないよ。最高にハッピー」と喜び、優勝を決めた直後にはスタンドに投げキス、さらに畳の上でアフリカの故郷サントメ・プリンシペのダンスまで披露した。

64年東京五輪でポルトガルはメダルを獲得していない。「東京で勝てたことが最高。来年もここで勝ちたい」と話した。

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初Vマロンガ「誇りに思う」フランス勢3日連続で金

女子78キロ級決で2位の浜田(左)は表彰台でメダルを見せる。右は優勝のマロンガ(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第6日◇30日◇東京・日本武道館◇女子78キロ級

浜田尚里(しょうり、28=自衛隊)を破って初優勝したマロンガ(フランス)は「誇りに思う」と笑顔で話した。

63キロ級、70キロ級に続く3日連続のフランス勢の金メダルに「フランスは練習相手も多くレベルも高い」と、20万人の日本の4倍を誇る競技人口の多さに胸を張った。「金メダル数で日本を上回りたい」という言葉に、日本の増地監督も「地力がある上、ここに合わせてきている」と警戒していた。

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ウルフ調整失敗響き銅「甘さ出た」五輪で偉業へ課題

男子100キロ級で銅メダルのウルフは表彰台で悔しそうに唇を噛みしめる(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第6日◇30日◇東京・日本武道館◇男子100キロ級

男子100キロ級で17年世界王者ウルフ・アロンは銅メダルに終わり「これが今の力なのかなと思いました」と言った。4回戦で昨年優勝の趙グハン(韓国)と対戦。延長1分16秒に一本背負いで技ありを奪われ惜敗し「不意を突かれた」と、悔しそうに振り返った。

初戦から動きが悪く「その後も、うまく動けなかった」。減量は順調だったものの、栄養面などコンディショニングに失敗。「自分の甘さが出た」と話し「課題が見つかったので、来年に向けて修正していければいい」と強気に言った。

4カ月前、同じ日本武道館で行われた平成最後の全日本選手権を制し「世界選手権も東京五輪も、ここで勝つ」と誓った。目標は全日本、世界選手権、五輪の「柔道三冠」。山下泰裕、井上康生ら男子は過去7人しかいない偉業達成に向けて「しっかり、上げていきたい」と話した。

男子100キロ級3位決定戦でアゼルバイジャンの選手(左)に勝利したウルフ(撮影・鈴木みどり)

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浜田銀は「気持ち焦ったかな」監督はフランス勢警戒

女子78キロ級決勝 フランスのマロンガに敗れ、浮かない表情の浜田(左)(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第6日◇30日◇東京・日本武道館◇女子78キロ級

女子78キロ級で、「寝技女王」こと浜田尚里(しょうり、28=自衛隊)が銀メダルを獲得した。初戦の2回戦から大外刈りなどの足技と寝技で相手を圧倒。決勝はフランスのM・マロンガに敗れた。

   ◇   ◇   ◇

女子代表の増地監督は「少し強引に行き過ぎた。十分に時間はあったが、気持ちが焦ったかなと」と浜田の決勝を振り返った。圧倒的な寝技に対し、立ち技に課題を残すが「内股を中心に発展途上」と今後に期待した。これで、28日の63キロ級から3日間連続でフランス勢が優勝。「もともと地力はある。しっかりとここに合わせてきている感じがする」と来年の東京五輪に向けて警戒していた。

女子78キロ級決勝 フランスのマロンガに1本を取られる浜田(下)(撮影・鈴木みどり)

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17年王者ウルフ銅「柔道3冠」残る五輪金へバネに

男子100キロ級3位決定戦で勝利し、アゼルバイジャンの選手とハグするウルフ(右)(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第6日◇30日◇東京・日本武道館◇男子100キロ級

王座奪還を目指した男子100キロ級の17年世界王者のウルフ・アロンは銅メダルに終わった。4回戦で昨年優勝の趙グハン(韓国)と対戦。延長1分16秒に一本背負いで技ありを奪われた。敗者復活戦を勝って3位決定戦を制したが、目標には届かなかった。

4カ月前、同じ日本武道館で行われた平成最後の全日本選手権を制し「世界選手権も東京五輪も、ここで勝つ」と誓った。在籍する東海大大学院も休学し、練習に専念できる環境も手に入れた。2年ぶりの優勝に向けて順調に勝ち上がったが、一瞬のスキを突かれて技ありを奪われた。

目標は「柔道3冠」。全日本選手権、世界選手権、五輪の3タイトル獲得は、山下泰裕、井上康生ら過去男子では7人しか達成していない。残る五輪の金メダルを目指して、この日の銅メダルをバネにする。

男子100キロ級3位決定戦で勝利し、客席に会釈するウルフ(右)(撮影・鈴木みどり)

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「寝技女王」浜田尚里が銀 夢舞台五輪へ1歩前進

女子78キロ級決勝 フランスのマロンガに敗れ、浮かない表情の浜田(左)(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第6日◇30日◇東京・日本武道館◇男子100キロ級、女子78キロ級

女子78キロ級で、「寝技女王」こと浜田尚里(しょうり、28=自衛隊)が銀メダルを獲得した。初戦の2回戦から大外刈りなどの足技と寝技で相手を圧倒。決勝はフランスのM・マロンガに敗れた。

武器の寝技は、鹿児島南高時代から取り組んだ。山梨学院大時代に強化の一環でロシア発祥のサンボにも挑戦。サンボの世界選手権の優勝経験もあり「寝技なら誰にも負けない」と自負する。18年世界選手権を制して以降、国際大会での優勝こそないが、4月の全日本選抜体重別選手権でライバルの佐藤瑠香(コマツ)に勝利して、2年連続の世界代表に決まった。佐藤のほか、15年世界女王の梅木真美(ALSOK)との20年東京五輪の代表争いは続くが、初の夢舞台へ1歩前進した。

男子100キロ級で、17年世界王者のウルフ・アロン(23=了徳寺大職)は準々決勝で敗退。敗者復活戦に回り、銅メダルを獲得した。

◆柔道の東京五輪代表選考 男女各7階級1人で、選手の準備期間確保を重視した「3段階」による選考で決める。(1)世界選手権優勝者が11月のGS大阪大会を制し、強化委員会で出席者の3分の2以上の賛成で代表入りが決定(2)12月のマスターズ大会(中国)、来年2月のGSパリ大会、GSデュッセルドルフ大会終了時点で、強化委の3分の2以上が1、2番手の差が歴然としていると判断すれば代表選出(3)最終選考は来年4月の全日本選抜体重別選手権で、強化委の過半数の賛成で代表決定する。

◆浜田尚里(はまだ・しょうり)1990年(平2)9月25日、鹿児島県生まれ。10歳で柔道を始める。鹿児島南高-山梨学院大-自衛隊。17年GS東京大会優勝、18年世界選手権優勝。右組み。得意技は内股。世界ランキング3位。趣味は旅行。168センチ。

女子78キロ級決勝 フランスのマロンガに1本を取られる浜田(下)(撮影・鈴木みどり)
女子78キロ級決勝 フランスのマロンガに敗れ、浮かない表情の浜田(左)(撮影・鈴木みどり)

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ウルフ・アロン敗者復活戦へ、韓国選手に4回戦敗退

男子100キロ級準々決勝 延長でチョ(下)に技ありを取られるウルフ・アロン(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第6日◇30日◇東京・日本武道館◇男子100キロ級、女子78キロ級

男子100キロ級で、17年世界王者のウルフ・アロン(23=了徳寺大職)が4回戦で前大会覇者のチョ・グハン(韓国)に延長の末、敗れ、敗者復活戦に回った。指導1ずつの延長1分16秒に一本背負いで技ありを奪われ、優勢負けを喫した。

女子78キロ級で、2連覇を狙う「寝技女王」こと浜田尚里(28=自衛隊)は、サンボで鍛え上げた寝技を駆使して準決勝に進出した。

男子100キロ級準々決勝 チョ(右)と組み合うウルフ・アロン(撮影・鈴木みどり)

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