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国士舘が2年連続10度目V 斉藤が大将対決制す

国士舘が2年連続10度目V 斉藤が大将対決制す

男子団体決勝で大牟田の石本(右)を一本勝ちで破って優勝を決めた国士舘の斉藤(撮影・丹羽敏通)

<柔道:第41回全国高校選手権>◇最終日◇21日◇男女団体◇東京・日本武道館◇日刊スポーツ新聞社後援

男子は東京・国士舘が決勝で福岡・大牟田を下し、2年連続10度目の優勝を果たした。5人制の勝ち抜き戦で、五輪2連覇の故斉藤仁氏の次男、立(たつる、2年)が「大将対決」を制して優勝を決めた。

身長190センチ、体重160キロの大器が躍動した。1-1で迎えた大将対決。斉藤は今月上旬に負傷した左手首にテーピングを巻いて、痛みも気にせず果敢に攻め続けた。大牟田の石本慎太郎(1年)に対して、組み手で圧をかけ、徐々に斉藤ペースに持ち込んだ。試合開始2分25秒、鋭い内股で石本を押しつぶして圧巻の一本勝ち。「アドレナリン全開で絶対に勝つという気持ちしかなかった。畳に上がれば痛みも関係ないし、これ以上ない最高の状態で臨めた」と、興奮気味に振り返った。

10日の全日本選手権(4月29日、日本武道館)東京都予選では、最年少で本戦の出場権を得ると、手首の悪化を懸念して準々決勝を棄権した。その後の稽古は乱取りすら出来ない状態で、今大会の出場も迷ったが目標の「団体3冠」を達成するために強行出場した。仲間には「(大将の)斉藤まで回さない」と言われ、自身の気持ちも奮い立った。

昨秋から取り組んでいる「食事改革」も心身の成長につながった。成長期で食欲旺盛のため「食べ過ぎ」を課題とし、体重管理を意識するようになった。夕飯の食事量を減らしたり、間食をしないように心掛けた。ただ、試合前日だけは「しっかり食べる」と決め、20日夜は弁当店「ほっともっと」で弁当3つを購入。胃もたれするため揚げ物は控えていたが、なぜか、ロースカツ丼大盛りとダブル焼き肉弁当大盛り、肉野菜炒め弁当大盛りを食した。試合後、記者から「ロースカツ丼は揚げ物では?」と問われると、「あ!? そうか、揚げ物だ…。やらかした」と頭を抱えた。

1カ月後には初の全日本選手権が迫る。出場するからには「優勝」を目指し、「上位に入れば東京五輪代表の可能性もあると思う。まだ諦めていないし、悔いなく戦いたい。最年少で怖いものもない。挑戦者の気持ちで全身全霊で挑むだけ」と決意を示した。

また、女子は3人制の点取り戦で、山梨・富士学苑が埼玉栄に2-0で勝利し、初優勝を飾った。

自身の一本勝ちで団体戦の優勝が決まり感極まる国士舘の斉藤(撮影・丹羽敏通)
笑顔で囲み取材を受ける国士舘の斉藤(撮影・丹羽敏通)

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斉藤仁氏次男の国士舘・斉藤立が強行出場でV決める

男子団体決勝で大牟田の石本を一本勝ちで破って優勝を決めた国士舘の斉藤(左)(撮影・丹羽敏通)

<柔道:第41回全国高校選手権>◇最終日◇21日◇男女団体◇東京・日本武道館◇日刊スポーツ新聞社後援

柔道全国高校選手権(日刊スポーツ新聞社後援)最終日は21日、東京・日本武道館で男女団体戦が行われ、男子は東京・国士舘が決勝で福岡・大牟田を下し、2年連続10度目の優勝を果たした。5人制の勝ち抜き戦で、国士舘は五輪2連覇の故斉藤仁氏の次男、立(たつる、2年)が大将対決を制して優勝を決めた。女子は3人制の点取り戦で、山梨・富士学苑が埼玉栄に2-0で勝利し、初優勝を飾った。

  ◇  ◇  ◇

1-1で迎えた「大将対決」で17歳の大器が躍動した。斉藤は今月上旬に負傷した左手首の痛みも気にせず、果敢に攻め続けた。試合開始2分25秒、鋭い内股で相手を押しつぶして一本勝ち。「アドレナリン全開で絶対に勝つという気持ちしかなかった。畳に上がったら痛みは関係ない」と興奮気味に振り返った。

10日の全日本選手権(4月29日、日本武道館)東京都予選では、最年少で本戦の出場権を得ると、手首の悪化を懸念して準々決勝を棄権。その後の稽古は乱取りすら出来ない状態だったが「団体3冠」の目標を達成するために強行出場した。1カ月後には初の全日本選手権が迫る。「今日の結果を弾みにして優勝を狙うだけ。全身全霊で本番に挑みたい」と決意を示した。

男子団体戦で優勝が決まり仲間の祝福を受ける斉藤(中央)(撮影・丹羽敏通)

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男子は国士舘が2年連続10度目V 柔道高校選手権

男子団体決勝で大牟田の石本慎太郎を攻める国士舘の斉藤立(左)(撮影・吉池彰)

<柔道:第41回全国高校選手権>◇最終日◇21日◇男女団体◇東京・日本武道館◇日刊スポーツ新聞社後援

最終日の団体戦を行い、男子(勝ち抜き試合)は、国士舘(東京)が大牟田(福岡)を1人残しで下し、2年連続10度目の優勝を飾った。

国士舘はソウル五輪重量級金メダリスト斉藤仁氏の次男・立(たつる=2年)が大将、大牟田は全日本カデ90キロ優勝の森健心(2年)を副将に置く布陣。森が副将同士で引き分けて姿を消すと、最後は斉藤が相手の1年生大将・石本慎太郎に2分25秒、内股で一本勝ちした。男子最優秀選手には斉藤が選ばれた。

女子(点取り試合)は、富士学苑(山梨)が埼玉栄(埼玉)に2-0で勝ち、悲願の初優勝を飾った。史上初の3連覇を狙った夙川学院(兵庫)は、準決勝で埼玉栄に敗れた。

富士学苑は78キロ強化Cの黒田亜紀(2年)が、左足の負傷をおして技ありを奪い、勝利を決めた。女子最優秀選手には黒田が選ばれた。

【男子成績】

◇準決勝◇

国士舘(東京)-2人残し-作陽(岡山)

大牟田(福岡)-1人残し-日体荏原(東京)

◇決勝◇

国士舘(東京)-1人残し-大牟田(福岡)

【女子成績】

◇準決勝◇

富士学苑(山梨)1-0敬愛(福岡)

埼玉栄(埼玉)0-0~代表戦勝ち~夙川学院(兵庫)

◇決勝◇

富士学苑(山梨)2-0埼玉栄(埼玉)

女子団体決勝で技ありを奪う富士学苑の黒田亜紀(左)(撮影・吉池彰)

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JOC新会長候補の山下泰裕氏「仮定の話も含め…」

「ゴジラジャパン」について言及する山下泰裕氏(撮影・峯岸佑樹)

日本オリンピック委員会(JOC)選手強化本部長で全日本柔道連盟会長の山下泰裕氏(61)が20日、柔道日本代表の愛称「ゴジラジャパン」について言及した。東京・日本武道館で行われた柔道全国高校選手権に訪れ、19日に発表された「ゴジラジャパン」に関して「個人的には非常にポジティブなイメージ。選手には(自身のモットーでもあった)畳の上では野獣、畳を下りたら紳士になってもらいたい。柔道は格闘技でありながら礼儀もあるし、男女とも松本薫さんみたいになってもらいたい」と“野獣化”を推進した。

さらに、16年7月に公開された映画「シン・ゴジラ」を2回観たほどのゴジラファンであることも明かした。

20年東京五輪の招致疑惑を巡って、JOCの竹田恒和会長(71)が辞意を表明し、新会長の最有力候補として名が挙がっているが「正式に次の候補が決まるまでは何も話せないし、コメントも出来ない。もちろん、仮定の話も含めて。(JOC理事会が行われた)昨日は(報道陣の)フラッシュ焼けしたよ」と、冗談交じりに疲れた表情で会場を後にした。

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朝飛真実が連続技を克服し初V「少しは成長出来た」

初優勝した朝飛は賞状を手に笑顔を見せる(撮影・丹羽敏通)

柔道全国高校選手権(日刊スポーツ新聞社後援)第1日は20日、東京・日本武道館で男女全10階級の個人戦が行われ、女子無差別で朝飛真実(神奈川・桐蔭学園2年)が初優勝した。

決勝で昨年の高校総体70キロ級覇者の桑形萌花(兵庫・夙川学院高1年)と対戦し、小外掛けで技ありを奪って優勢勝ち。課題の連続技を克服し、日本一の称号を手にした。21日の最終日は男女の団体戦が行われる。

残り時間30秒。朝飛が勝負を仕掛けた。内股から小外掛けの連続攻撃で技ありを奪った。優勝が決まると「やってきたことが決勝で決まって少しは成長出来た。(昨年3位で)結果が残せて本当に良かった」と笑みを浮かべた。

柔道一家に育った。父の大さんは名門朝飛道場の館長で、リオ五輪男子100キロ級銅メダルの羽賀龍之介らを指導した。朝飛も2歳から柔道を始め、2人の背中を追うように姉と弟とともに稽古に励んだ。内股を得意とするが決め手に欠け、昨年末から内股からの連続技に着手。164センチと小柄で、大きい相手を倒すために体重移動を意識して連続技を磨いた。4月には無差別で争う全日本女子選手権に出場する。「トップ選手と互角に戦いたい」と、高校女王は決意を示した。

女子無差別級決勝で桑形を破って優勝した朝飛(上)(撮影・丹羽敏通)

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柔道代表「ゴジラジャパン」慎重派を「強さ」で圧倒

着ぐるみのゴジラと記念写真に納まる柔道日本男子の井上監督(撮影・峯岸佑樹)

全日本柔道連盟(全柔連)は19日、日本代表の愛称を人気怪獣のゴジラとコラボして「ゴジラジャパン」とすることを発表した。

愛称のきっかけは、全柔連が14年ごろから国内外の選手の試合映像を分析するシステムをスタッフ間で通称「ゴジラ」と呼んでいた。昨夏、ゴジラの商標を保有する東宝から指摘を受け、「一緒に何かできませんか」との提案があった。柔道とゴジラは、同じ日本発祥で力強いイメージが共通するとの理由でコラボが実現した。15日の全柔連の理事会では一部の理事から「ゴジラは礼儀正しいのか」「破壊のイメージが柔道とは異なるのでは」などの慎重論もあったが、賛成多数で決まった。

この日、都内で会見した男子代表の井上康生監督(40)は約2メートルの着ぐるみのゴジラを横に「太ももが太い!! 強さを求める中でありがたい助っ人をいただいた。最強の部分を求めつつ、最高の柔道家を追求したい」。女子代表の増地克之監督(48)は「ゴジラと言えば圧倒的強さの象徴。全日本もゴジラに負けないようにしたい」と歓迎した。今後は、代表ジャージーにゴジラのロゴを入れたり、今夏の世界選手権東京大会(日本武道館)にゴジラが応援に駆けつけるなどの計画があるという。

主な日本代表の愛称
「ゴジラジャパン」のロゴ

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柔道代表の愛称「ゴジラジャパン」…東宝ともコラボ

ゴジラポーズを披露する、左から東宝の大田取締役、ゴジラ、井上監督、増地監督(撮影・峯岸佑樹)

全日本柔道連盟(全柔連)は19日、人気怪獣のゴジラとコラボし、男女日本代表の愛称を「ゴジラジャパン」とすることを発表した。

愛称のきっかけは、全柔連科学研究部と筑波大で共同開発した分析システム「ゴジラ」だった。同部は数年前から海外選手が出場した世界選手権やグランドスラム大会など主要大会の映像とデータを取得。男女全階級において2000人以上、約1万試合の映像を独自に分析し、技の種類や精度、時間帯ごとの得失点などを事細かく数値化した。システムの名称は「Gold Judo Ippon Revolution Accordance」(金・柔道・一本・革命・調和)で、スタッフ間では頭文字を取って、通称「GOJIRA(ゴジラ)」と呼んでいた。16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)前後に同システムが報道され、その後、ゴジラの商標・著作権を保有する映画会社の東宝から「商標侵害ではないか」と指摘された。しかし、東宝側から「使用は困るけど、一緒に何か出来ませんか」との提案があり、協議の末、コラボが実現した。

15日の全柔連の理事会では一部の理事から「ゴジラは礼儀正しいのか」「破壊のイメージは柔道が目指すものと違うのでは」などとの慎重論もあったが、賛成多数で決まった。

ゴジラは1954年(昭29)11月に第1作が公開され、約961万人を動員する大ヒットを記録した。その後のシリーズではゴジラが別の怪獣と戦う設定となり、モスラやミニラなどもなじみとなった。その後もメカゴジラ、スペースゴジラなどが登場し、全29作で1億人以上を動員。15年には東京・新宿のコマ劇場跡地に開業した新宿東宝ビル8階テラスにゴジラの頭部をかたどったオブジェ「ゴジラヘッド」が設置され、歌舞伎町の観光名所となっている。

「ゴジラジャパン」の発表記者会見で、ゴジラに背負い投げを仕掛ける柔道日本男子の井上監督(撮影・峯岸佑樹)

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柔道永瀬貴規が帰国、GS大会2位「力不足を痛感」

グランドスラム・エカテリンブルク大会を振り返る永瀬貴規(撮影・峯岸佑樹)

柔道のグランドスラム(GS)エカテリンブルク大会(ロシア)に出場した男女日本代表が19日、成田空港に帰国した。

16年リオデジャネイロ五輪男子81キロ級銅メダルの永瀬貴規(25=旭化成)は2位に終わり「最後、勝ちきれなかったのは悔しいし、力不足を痛感した。隙も出て自分の甘さも出た」と反省を口にした。準々決勝、準決勝と延長戦で勝利し、決勝は世界ランキング2位のムキ(イスラエル)に残り時間3秒で技ありを奪われて準優勝となった。

17年10月に右膝手術を受け、昨年8月に実戦復帰した。181センチ、81キロの筋肉質の肉体で体幹を使ったバランスの良い「受け」を武器とし「徐々に試合勘も戻り、自分の間合いでやれば投げられそうになることはなかった。改めて自分の形が大事だなと思った。リオ五輪前や手術前のような状態に戻りつつある」と手応えも口にした。

81キロ級には18年世界選手権銀メダルの藤原崇太郎(20=日体大)らの若手ライバルがいる。4月6、7日の全日本選抜体重別選手権(兼19年世界選手権代表選考会)に向け「今大会で課題となった(投げきる)決めの部分を強化し、気持ちを選抜に切り替えたい」と力を込めた。

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大野将平、柔道体重別選手権で「我慢を体現したい」

重量級の選手と乱取りする大野将平(右)(撮影・峯岸佑樹)

16年リオデジャネイロ五輪柔道男子73キロ級金メダルの大野将平(27=旭化成)が14日、奈良・天理市の母校天理大で練習を公開した。

午前は重量級選手らと乱取りを行い、午後は大学の後輩で18年アジア大会男子66キロ級銀メダルの丸山城志郎(ミキハウス)と階段ダッシュで下半身を鍛えた。20年東京五輪を見据え、重要な大会となる4月の全日本選抜体重別選手権(兼世界選手権代表選考会)に向けて「今やっていることを試せる最後の大会になる。集中、執念、我慢を体現したい」と意気込んだ。

坂道ダッシュする大野将平(撮影・峯岸佑樹)

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原沢久喜が百五銀行所属に 柔道リオ五輪銀メダル

原沢久喜

2016年リオデジャネイロオリンピック(五輪)の柔道男子100キロ超級で銀メダルを獲得した原沢久喜(26)が14日、津市内で記者会見し、新しい所属先が百五銀行に決まったと発表した。会見では「この日を迎えられてうれしく思う。東京五輪の活躍を目指し、日々精進する」と話した。

来年の東京五輪出場が期待されている原沢は、昨年4月限りで日本中央競馬会を退社。その後は柔道界では異例となるフリーの立場で活動し、スポンサーとなる企業を探していた。

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増地監督「楽しみ」全日本挑む軽量級中村美里に期待

成田空港で取材に応じる増地克之監督(撮影・峯岸佑樹)

柔道女子日本代表の増地克之監督(48)が13日、体重無差別で争う「全日本女子選手権」(4月21日、横浜文化体育館)に初出場する女子52キロ級で五輪2大会銅メダルの中村美里(29=三井住友海上)の活躍を期待した。

グランドスラム(GS)エカテリンブルク大会(15~17日、ロシア)に出場する一部の選手らと成田空港を出発。増地監督は、10日の同選手権東京都予選で軽量級でありながら、出場権を得た中村について「昨年に続く再チャレンジで、自分の夢をしっかりとかなえた。チャレンジする姿勢は我々も選手も見習わないといけない。どういった戦いをするのか今から楽しみ」と期待を寄せた。

中村は東京・渋谷教育渋谷高の後輩で78キロ超級世界女王の朝比奈沙羅(22=パーク24)と、同級アジア女王の素根輝(18=福岡・南筑高)との対戦を望んでいる。増地監督は「ぜひ、見てみたい。(選手層が厚い)東京予選を勝ち抜いたことはやっぱり価値もあるし、注目度も高い試合になる」と心待ちにした。

GSエカテリンブルク大会には、女子52キロ級世界女王で19年世界選手権代表に内定している阿部詩(18=兵庫・夙川学院高)が左肩負傷のため欠場するが、女子57キロ級の舟久保遥香(20=三井住友海上)や同78キロ級の泉真生(22=山梨学院大)らを中心とした若手が出場する。20年東京オリンピック(五輪)の代表争いを見据える上で大事な大会でもあり、増地監督は「(出場するのは1番手を)追う選手たちばかりだから、この大会での勝ち負けは今後に向けて重要になる。若手選手がどんな戦いをするのか、しっかり注目したい」と話した。

全日本女子選手権の出場権を獲得した中村美里(2019年3月10日撮影)

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リオ銅の羽賀龍之介「結果を残す」GSで再起誓う

柔道グランドスラム・エカテリンブルク大会への意気込みを語る羽賀龍之介(撮影・峯岸佑樹)

16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)柔道男子100キロ級銅メダルの羽賀龍之介(27=旭化成)が、完全復活を目指す。

13日、グランドスラム(GS)エカテリンブルク大会(15~17日、ロシア)に出場するため成田空港を出発。昨年3月に左肩の手術をし、海外での国際大会は1年ぶりとなるが「出来る準備はしっかりやってきた。状態も徐々に良くなっていて、自分がどこまでやれるか見てみたい。今回は結果を残す」と、静かに闘志を燃やした。

今年1月にはリオ五輪男子81キロ級銅メダルで所属の後輩の永瀬貴規(25)らと今大会に向けて、オーストリア合宿に参加。1000人以上の選手が集う国際合宿で、さまざまなタイプの強豪と組み合い、外国人対策を施した。

「集大成」と位置づける20年東京五輪の代表争いでは、17年世界王者のウルフ・アロン(23=了徳寺学園職)、18年アジア王者の飯田健太郎(20=国士舘大)に次ぐ3番手。「もちろん、2人を意識するが、試合では外国人選手に勝つことが大事。集中して、勝てるように頑張るだけ」と、目の前の一戦に感性を研ぎ澄ます。

昨年9月には一般女性と結婚した。家庭を築き、より責任感も増した。内助の功に感謝を示し、結婚したことについて「マイナスは一切なく、感謝しかない。食事などこれまで自分がやってきたことを妻が気を使ってやってくれる。ただ、(妻のためにも)結果を残さないとプラスとは言い切れないので結果をしっかり残したい」と、27歳の五輪メダリストが再起を誓った。

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羽賀龍之介「戻ってきた」手術経て1年ぶり海外大会

グランドスラム・エカテリンブルク大会への意気込みを語る羽賀龍之介(撮影・峯岸佑樹)

柔道のグランドスラム(GS)エカテリンブルク大会(15~17日・ロシア)に出場する重量級の日本代表が13日、成田空港から出発し、男子100キロ級で2016年リオデジャネイロオリンピック銅メダルの羽賀龍之介(旭化成)は、昨年3月の左肩手術を経て、約1年ぶりの海外での国際大会に「よく1年で戻ってきたという実感はある。結果を残したい」と引き締まった表情で話した。

17年世界選手権覇者のウルフ・アロン(了徳寺学園職)らを追う立場。今大会に向けて外国人選手への対策もしてきたといい「自分がどこまでやれるか見てみたい」と巻き返しを期した。

2月のGSデュッセルドルフ大会で5位だった100キロ超級の小川雄勢(明大)は「僕にとって一番の踏ん張りどころ。大学最後の試合なのでよく終わりたい」と語った。

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世界選手権で新色の畳 場内が青で場外が赤、五輪も

19年世界選手権で採用される新色の畳(提供・全日本柔道連盟)

全日本柔道連盟(全柔連)が12日、19年世界選手権東京大会(8月25日開幕、日本武道館)で新色の畳を採用することを発表した。

国際柔道連盟(IJF)と合意の上で採用され、IJFによると、20年東京オリンピック(五輪)でも使用予定という。中国のタイシャン社製の新色畳は、場内が青で場外が赤。観客やテレビ視聴者に見やすい配色にしたという。世界選手権代表選考会である4月6、7日の全日本選抜体重別選手権(福岡国際センター)で初披露される。

全柔連の山下泰裕会長(61)は「使用する畳や色が決定したことで、選手たちは世界選手権や東京五輪をより具体的にイメージできるのではないかと思います。東京五輪まであと500日となりましたが、最高の舞台で選手たちが全力を尽くし、国民に夢や希望を与えられるように、関係者一丸となり準備にまい進する所存です」とコメントした。

柔道の畳の色は、世界選手権や五輪開催国の風土や国旗などによって多様化した。00年シドニー五輪はわさび色、04年アテネ大会はクリーム色、09年世界選手権オランダ大会では同国のナショナルカラーのオレンジ色だった。近年は白と青の柔道着が映えるなどの理由で12年ロンドン五輪で採用された、場内は黄色で、場外は赤が主流となっていた。

現在の大会で使用されている畳(提供・全日本柔道連盟)

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リオ銅永瀬貴規が「自ずと結果出る」GSで再起誓う

グランドスラム・エカテリンブルク大会への意気込みを語る永瀬(撮影・峯岸佑樹)

16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)柔道男子81キロ級銅メダルの永瀬貴規(25=旭化成)が11日、再起を誓った。

グランドスラム(GS)エカテリンブルク大会(15~17日、ロシア)に出場するため成田空港を出発。17年10月に右膝手術を受け、昨年8月に実戦復帰した“勝負師”は徐々に試合勘を取り戻してきた。「準備もしっかりしてきた。試合に勝つことしか考えていない。自分が納得する柔道が出来れば、自ずと結果は出るはず。まずは目の前に集中したい」と意気込みを語った。

181センチ、81キロの筋肉質な肉体で、体幹を使ったバランスの良い「受け」を武器とする。「(昨年11月の)GS大阪大会では投げられたので、受けと相手を投げるまでの技部分を意識してやってきた」。さらに、今年1月にはリオ五輪男子100キロ級銅メダルで所属の先輩の羽賀龍之介(27)らとオーストリア合宿に参加し、海外勢のさまざまなタイプと稽古を積んだ。「けがしてから外国人との稽古ができていなかったので、対応力を取り戻すためにも充実した合宿だった」。

81キロ級には、18年世界選手権銀メダルの藤原崇太郎(20=日体大)ら若手のライバルがいる。20年東京五輪を見据える上で「今はライバルどうこうではなく、勝って自信を取り戻すだけ」と気持ちを奮い立たせた。

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柔道元全日本王者の高橋和彦が引退「悔いはない」

体重無差別で争う柔道の全日本選手権を2010年に制した高橋和彦(33=新日鉄住金)が11日、現役引退を表明した。

同選手権予選を兼ねた10日の東京都選手権で初戦敗退し「完全燃焼。悔いはない」と話した。今後は新日鉄住金でコーチを務める。

熊本県出身の高橋は福岡・大牟田高、国士舘大で鍛えられ、190センチ近い長身で豪快な柔道を持ち味とした。五輪代表経験はないが、100キロ超級で活躍。10年は世界選手権同級5位で、広州アジア大会無差別級を制した。

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世界ジュニアV3舟久保遥香、全日本挑戦に意欲

グランドスラム・エカテリンブルク大会への意気込みを語る舟久保遥香(撮影・峯岸佑樹

柔道の女子57キロ級で世界ジュニア3連覇の舟久保遥香(20=三井住友海上)が11日、体重無差別で争う「全日本女子選手権」の挑戦に意欲を示した。

グランドスラム(GS)エカテリンブルク大会(15~17日、ロシア)に出場するため一部の選手、スタッフと成田空港を出発。10日には、所属の先輩で五輪2大会52キロ級銅メダルの中村美里(29)が、軽量級でありながら全日本女子選手権(4月21日、横浜文化体育館)の出場権を初めて獲得した。これを受けて、舟久保は「中村さんから学ぶことは多く、本当にすごい…。私も出てみたい」と思わぬ願望を明かした。

昨年11月のGS大阪大会以降は、それまで連戦だったため体作りに重点を置いた。「舟久保固め」と呼ばれる独自の抑え込みなどの寝技を得意とするが、一から柔道を見直し、立ち技の強化も図った。GSエカテリンブルク大会での目標は優勝だが、それ以上に「立ち技を出せないと成長出来ないと思うし、勇気を出してしっかり出せるようにしたい」と気合を入れた。

同階級には世界女王の芳田司(23=コマツ)が君臨する。芳田との対戦成績は3勝1敗と勝ち越しているが、海外勢に勝つために芳田のような“隙のない柔道”を心掛ける。「立って投げ、寝技も使えるようになるためには底上げが必要。海外経験も浅いため、目の前のことを一生懸命やるのみ」。

4月6、7日の全日本選抜体重別選手権(兼19年世界選手権代表最終選考会)では2年連続2位が続く。20年東京五輪を見据えて「優勝してちょっとでも1歩先に抜けたい。そのためにもこの大会が大事だし、しっかり勝ちきって選抜につなげたい」と、静かに闘志を燃やした。

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井上監督「厚みが出る」リオ銅永瀬&羽賀の再起期待

成田空港で取材に応じる井上康生監督(撮影・峯岸佑樹)

柔道男子日本代表の井上康生監督(40)が11日、16年リオデジャネイロ五輪メダリスト2人の再起を期待した。

グランドスラム(GS)エカテリンブルク大会(15~17日、ロシア)に向かうため一部の選手らと成田空港を出発。同大会には、リオ五輪男子81キロ級銅メダルの永瀬貴規(25)と同100キロ級銅メダルの羽賀龍之介(27=ともに旭化成)が出場する。2人は五輪後に膝や肩を負傷して手術した共通点がある。井上監督は「けがに苦しんだ2人だが、20年東京五輪を見据える上で代表争いに絡んでほしい。まだまだやれる2人だし、活躍することで各階級の層の厚みも出る。この大会でどのような結果が出せるか非常に楽しみ」と期待を寄せた。

この日は、東日本大震災の発生から8年を迎えた。被災地での柔道教室など復興活動に尽力した井上監督は当時を思い返した。「現地に行くと本当に言葉では言い表せない感情になる。ここまで復興できた過程と、まだまだ戦いは続くのかなという思いがある。私たちが出来ることは、スポーツを通じて勇気や希望を伝えること。今後も継続してやれるよう努力したい」と犠牲者を追悼し、被災地のさらなる復興を願った。

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中村美里「夢だった」皇后杯へ 軽量級で異例の挑戦

2回戦で78キロ超級の相手と対戦する中村美里(右)(撮影・峯岸佑樹)

<柔道:全日本女子選手権東京都予選兼東京都柔道選手権>◇10日◇東京武道館◇体重無差別

オリンピック(五輪)メダリストが、もう1つの夢に挑戦する。08年北京、16年リオデジャネイロ五輪柔道女子52キロ級銅メダルの中村美里(29=三井住友海上)が8強入りし、本戦の出場権を初めて獲得した。

初戦の2回戦から準々決勝までの4試合、自身よりも重い相手に巧みな組み手とスピードある足技を積極的に繰り出して「自分らしさ」を貫いた。4回戦まで相手を指導3の反則負けに追い込み、準々決勝では大住有加(JR東日本)に一本負けを喫したが、上位8人まで得られる本戦の出場権を獲得した。

軽量級で2年連続の異例の挑戦を続けた中村は「皇后杯(全日本女子選手権)出場は、五輪金メダルと同じぐらい夢だった。挑戦出来ることが本当にうれしい。柔道は体の大きさだけでないことを証明したい」と意気込みを示した。

リオ五輪後の17年4月に「柔道以外の視野を広げたい」との理由で筑波大大学院に入学。スポーツ健康システムマネジメントを専攻し、12年ロンドン五輪女子57キロ級金メダルの松本薫さん(31)らを題材に「柔道トップアスリートの妊娠・出産」を研究した。昨年10月の福井国体以降は、本格的に修士論文の執筆に着手し、稽古は12月から週1~2日に激減。先月から強度の高い稽古を始め、無差別対策として体重も56キロまで増量させた。本戦では東京・渋谷教育渋谷高の後輩で78キロ超級世界女王の朝比奈沙羅(22=パーク24)と、同アジア女王の素根輝(18=福岡・南筑高)との対戦を臨む。「超級選手からすれば『ふざけるな』になるかもしれないけど、出られるのだから2人とやってみたい」。

所属の柳沢久監督は「2回戦の超級選手がヤマだったけど、中村らしいコツコツ型の柔道で勝ちきったことが大きかった。後輩たちの良いお手本になる」と話した。

世界選手権を3度制し、五輪3大会に出場するなど世界と戦ってきた中村は、ここ数年で柔道との向き合い方が変わった。「強化でトップを目指すだけが現役ではない。柔道が好きな気持ちがあり、その思いがある限り競技を続けたい」。1カ月後に迫る大舞台で、もう1つの夢をかなえるためにコツコツと前へ進む。

▼以下、全日本女子選手権出場者

稲森奈見(三井住友海上)高山莉加(三井住友海上)大住有加(JR東日本)佐々木ちえ(東京学芸大)高橋瑠璃(帝京高)中村美里(三井住友海上)鶴岡来雪(コマツ)荒谷莉佳子(帝京科学大)

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阿部詩15日からのGSを欠場 左肩関節の挫傷

阿部詩(2018年11月22日撮影)

全日本柔道連盟は5日、18年世界選手権女子52キロ級覇者の阿部詩(18=兵庫・夙川学院高)が、グランドスラム(GS)エカテリンブルク大会(15~17日、ロシア)を欠場することを発表した。

2月19日に左肩を負傷。3月4日に左肩関節挫傷と診断され、2~3週間の加療を要する見込みであるため。

阿部は昨年の世界選手権と同11月のGS大阪大会を制して今夏の世界選手権東京大会(日本武道館)代表に内定し、4月の全日本選抜体重別選手権(兼世界選手権代表最終選考会)には出場しない。今春から男子66キロ級世界王者の兄一二三(21)が在籍する日体大に進学する。

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柔道ウルフ全日本で「再び100キロ級の時代を」

試合前日、JR宇都宮駅近くで大量のギョーザを食べるウルフ・アロン

<柔道:全日本選手権関東地区予選兼関東選手権>◇3日◇栃木県体育館◇体重無差別

17年世界選手権男子100キロ級覇者のウルフ・アロン(23=了徳寺学園職)が、体重無差別で争う「全日本選手権」(4月29日、日本武道館)の4度目の出場を決めた。 

3試合を一本勝ちで準決勝まで勝ち上がり、上位6人まで得られる出場権を獲得。2月のグランドスラム(GS)パリ大会で左足の指を負傷し、4月6、7日に全日本体重別選手権(兼19年世界選手権代表最終選考会)を控えるため準決勝は棄権して4位で終えた。

ウルフは「全日本は100キロ級が勝ってこそ。柔道家としての1つの夢をかなえて、(準優勝だった)2年前の自分を超えたい。昔の井上(康生)先生らのように、再び100キロ級が無差別の強豪を倒す時代を作る」と決意を示した。20年東京オリンピック(五輪)を見据える上で体重無差別の試合は故障リスクも高まるが「大きな相手に勝たないと世界の100キロ級に通用しない。日本武道館で勝つことで自信にもつながる。欠場は一切ない」と言い切った。

昨年1月に左膝を手術。2連覇を目指した同9月の世界選手権は代表選考会を欠場したが実績で選出された。しかし、けがの再発の不安や体力も完全に戻っておらず、精彩を欠いて5位に終わった。同11月のGS大阪大会では復活優勝して、意地を見せた。

普段は体重110キロ程度あり、試合日が近づくにつれて減量する。これまで減量で苦労したことがあり、1カ月後に選抜体重別選手権も控えるため今大会は107キロで臨んだ。試合前日にはJR宇都宮駅近くのギョーザ店で焼きギョーザ30個超や水ギョーザなどを食べてスタミナをつけた。「スタミナは自分のウリでもある。今は目の前にある選抜と全日本で優勝するために、強度の高い練習を繰り返して準備を進めたい」。23歳の柔道家は夢実現に向け、名字のウルフこと“オオカミ”に覚醒するためにスイッチを入れた。

▼以下、全日本選手権出場者(順位順)

男子 佐藤正大(自衛隊)加藤博剛(千葉県警)前田宗哉(自衛隊)ウルフ・アロン(了徳寺学園職)下和田翔平(京葉ガス)春山友紀(自衛隊)

女子 泉真生(山梨学院大)粂田晴乃(筑波大)朝飛真実(桐蔭学園)佐保優依(ヴィレッジ)井上舞子(淑徳大)大辻瑛美(自衛隊)寺田宇多菜(桐蔭横浜大)

全日本選手権への思いを語るウルフ・アロン(撮影・峯岸佑樹)

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内柴氏が指導のキルギスに特別便宜図らず 世界選

内柴正人氏(17年11月撮影)

全日本柔道連盟(全柔連)は2日までに、13年に永久追放に相当する会員登録の永久停止処分を科したオリンピック2大会連続金メダルの内柴正人氏(40)が指導するキルギス柔道連盟に対し、東京で開催される今夏の世界選手権などで日本に選手を派遣する際に練習場所の紹介などで協力しない方針を決めた。

内柴氏は教え子に対する準強姦(ごうかん)罪で14年に懲役5年の実刑判決が確定して服役し、昨年からはキルギスで指導に当たっている。全柔連関係者は「国際柔道連盟(IJF)のルールで決められたことは拒否しないが、全柔連が独立して行う特別な便宜は図らない」と話した。

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阿部詩が高校卒業で誓い「東京五輪に出て必ず優勝」

兵庫・夙川学院高での卒業式に出席した阿部詩(撮影・松本航)

柔道女子52キロ級で18年世界選手権金メダルの阿部詩(18=兵庫・夙川学院高)が「継続は力なり」の精神で、20年東京五輪金メダルを目指す。2日は神戸市の同校で卒業式に出席。式では涙を流し、約1年半後の五輪へ「本当に国民の全員が期待している試合。必ず私が出て、優勝するよう心に決めている」と誓った。

夙川学院には中学から6年間通い、高校3年間は運動部の女子が集った「グローバルアスリートコース」でクラス替えなし。同校ハンドボール部時代に「継」の愛称だった担任の内橋静さん(29)に、たびたび「継続は力なり」と言われた。高校入学当初に「勉強も頑張らないとね」と背を押され、高1の5月、席替え時に教卓前の最前列を志願。そのまま3年間貫いた。

新たな心がけは柔道にも生きた。阿部は「寝技を毎日やりました。苦手だった時も、得意だった時も、やりたくない時も。成果が出てきたかなって思います」。昨年、初めて世界女王となり、秋のグランドスラム(GS)大阪大会も制して、今年の世界選手権(8~9月、日本武道館)代表に内定。国際的に活躍する仲間が多くいた内橋学級でも、「一番強い人」が務める「クラス会長」を3年間全うし、目標であり続けた。

春からは男子66キロ級世界王者で、兄の一二三(21)を追って日体大へ進学。関東での楽しみも「遊びのこととかはあまりない。いろいろな選手と交わり、強くなれるチャンスがたくさん転がっている。そこが楽しみ」と言い切った。小さな努力を大切に、大きな夢へと手を伸ばす。【松本航】

兵庫・夙川学院高での卒業式後のホームルームで、阿部詩は担任からのメッセージが書かれた黒板を背に席へ着く(撮影・松本航)

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阿部詩が仲間と涙の別れ「ワイワイする時間が一番」

兵庫・夙川学院高での卒業式後のホームルームで笑顔を見せる阿部詩(中列左から2人目)(撮影・松本航)

柔道女子52キロ級で18年世界選手権金メダルの阿部詩(18=兵庫・夙川学院高)が2日、神戸市の同校で卒業式に出席した。中高6年間を過ごした夙川学院に別れを告げ、春からは兄一二三(21)と同じ日体大に進学する。

「『絶対泣かんとこう』と決めていたけれど…」。阿部が涙を見せたのは卒業式の中盤、壇上に並んだ教職員一同による「旅立ちの日に」を聴いた時だった。

「昔からのいい思い出だったり、いろいろなことがこみ上げてきました」。国際大会などで欠席する日も多かったが「普段、みんなとワイワイする時間が一番」と思い出をチョイス。クラスに戻ると、運動部の面々が集った「グローバルアスリートコース(体育コース)」の仲間と笑い合い「精神面で一番、成長できた」と学びを振り返った。

教室には阿部らの活躍を報じる新聞記事が、後ろの壁全体に貼られていた。担任の内橋静さん(29)は「『新聞とかで教室がいっぱいにできたらいいな』と思ってスタートして、後ろの壁一面がみんなの活躍で埋まったね」とニッコリ。阿部はもちろん、同じような境遇で世界を目指す仲間が3年間同じクラスで切磋琢磨(せっさたくま)した。

柔道部を率いる松本純一郎監督は「普通の女子高生、世界選手権チャンピオンと同じ(両方の)体験をしてきた。4月からは一ファンとして、活躍を楽しみにしたいです」。20年東京五輪金メダルへ、関東での新生活が始まる阿部は「変化とともに成長もある。いい風に成長していきたい。(五輪は)本当に国民の全員が期待している試合。必ず私が出て、優勝したい」と力強く言い切った。

兵庫・夙川学院高での卒業式後のホームルームで、阿部詩は担任からのメッセージが書かれた黒板を背に席へ着く(撮影・松本航)
兵庫・夙川学院高の教室に飾られた阿部詩の活躍などを報じる新聞記事(撮影・松本航)

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五輪2連覇中のリネール復帰は先送り 柔道GP大会

国際柔道連盟(IJF)は27日、男子100キロ超級でオリンピック(五輪)2連覇中のテディ・リネール(フランス)が実戦復帰する予定だった3月8~10日のグランプリ大会(マラケシュ=モロッコ)を欠場するとツイッターで明らかにした。

27日朝にリネールが参加するとしていたフランス連盟が夜になって選手団名簿からリネールの名前を削除したという。

29歳のリネールは世界選手権では2017年に8連覇を達成。地元開催の24年パリ五輪までの現役続行を見据えて昨年の世界選手権を欠場し、今夏の東京大会も出場を見送ることを表明している。

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原沢久喜「自信に」正統派柔道で東京五輪代表を狙う

グランドスラム2連戦を振り返る原沢久喜(撮影・峯岸佑樹)

16年リオデジャネイロ五輪柔道男子100キロ超級銀メダルの原沢久喜(26)が26日、正統派柔道で20年東京五輪代表を狙うことを誓った。優勝したグランドスラム・デュッセルドルフ大会(ドイツ)を終えて成田空港に帰国。

3年ぶりの国際大会制覇の要因は、同五輪73キロ級金メダルの大野将平の存在があり「年始に(大野が拠点とする)天理大でしっかり組んで、一本を狙う柔道スタイルを学び、自信につながった」。東京五輪に向け、天理大で正統派柔道を突き詰めて「代表を決定的にしたい」と力を込めた。

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原沢久喜「良いきっかけに」国際大会Vで復活手応え

グランドスラム2連戦を振り返る原沢久喜(撮影・峯岸佑樹)

16年リオデジャネイロ五輪柔道男子100キロ超級銀メダルの原沢久喜(26)が26日、欧州国際大会2連戦を終えて成田空港に帰国した。

10日にグランドスラム(GS)パリ大会で銀メダル、24日にGSデュッセルドルフ大会(ドイツ)で3年ぶりとなる国際大会制覇を果たした。原沢は「苦しい時期が続いていたけど、諦めずにやってきて良かった。状態も戻り、試合での自信もついてきた。良いきっかけになった」と、“復活”の手応えを口にした。

GSデュッセルドルフ大会準決勝では、GS大阪大会覇者のグロル(オランダ)を大外刈りで下し、決勝はロシアの新エースのタソエフに豪快な内股で一本勝ちした。昨年の世界選手権、GS大阪大会と負けが続き「技を返されることを恐れる自分がいた」という。解決策を模索し、「原点回帰」を心掛けた。同じ山口県出身でリオ五輪男子73キロ級王者の大野将平(27=旭化成)らが拠点とする天理大で稽古を積んだ。「組み手を含め、2本でしっかり組んで技をかける柔道を教えてもらった。基本に戻り、状態も良くなった」。心技体ともに充実した合宿であったこと明かした。

GSパリ大会後にはフランスの国際合宿などに参加し、世界選手権8連覇のリネール(フランス)らと稽古した。国内では経験出来ない、外国人選手と連日組む貴重な経験積み、一皮むけた。男子日本代表重量級担当の鈴木桂治コーチ(38)も「腹が据わった感じがした。これからもっと良い原沢が出てくると思う」と話していた。

4月には今夏の世界選手権(日本武道館)代表選考会となる選抜体重別選手権と全日本選手権を控える。「まだ1回勝っただけで満足できない。選抜と全日本で優勝して、代表を決定的にしたい」と言葉に力を込めた。

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朝比奈、またも優勝逃す「落ち込んでいる暇はない」

<柔道:グランドスラム・デュッセルドルフ大会>◇24日◇ドイツ・デュッセルドルフ◇女子78キロ超級

昨年11月のGS大阪で3位だった女子78キロ超級の朝比奈沙羅は、またも優勝を逃した。

決勝は昨年の世界選手権決勝で破ったオルティス(キューバ)との再戦。効果的な攻めを繰り出せず、指導3つを受けて敗れた。「全く満足はできない。1位と2位では全然違う」と厳しい表情だった。世界選手権2連覇と東京五輪出場を狙う22歳の大器は「落ち込んでいる暇は、2020年までない」と気持ちを切り替えていた。

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ホープ飯田健太郎「すごく意味のある優勝」

<柔道:グランドスラム・デュッセルドルフ大会>◇24日◇ドイツ・デュッセルドルフ◇v

男子100キロ級を制した飯田健太郎は「(GSでは)2年前のパリ以来の優勝。自信もついた」と快活に言った。

3回戦ではGSパリでウルフ(了徳寺学園職)を退けて優勝した世界ランキング1位のリパルテリアニ(ジョージア)に優勢勝ち。昨年世界王者の趙グハム(韓国)との決勝は出足払いで技ありを奪い、競り勝った。

強豪を次々と破って頂点に立った20歳のホープは、世界選手権代表入りへ大きくアピール。「すごく意味のある優勝だと思っている」と誇らしげだった。

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原沢久喜3年ぶり国際大会V「何としても」柔道GS

<柔道:グランドスラム・デュッセルドルフ大会>◇24日◇ドイツ・デュッセルドルフ◇男女計5階級

男子100キロ超級で2016年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜が決勝でロシア選手に一本勝ちして優勝した。

原沢は16年2月のGSパリ大会以来の国際大会制覇。得意の内股を軸にした攻撃がさえ、5試合を勝ち抜いた。

男子100キロ級は昨年のジャカルタ・アジア大会覇者で20歳の飯田健太郎(国士舘大)が、決勝で昨年世界王者の趙グハム(韓国)に優勢勝ちして制した。

女子78キロ超級で世界女王の朝比奈沙羅(パーク24)、男子90キロ級で18歳の村尾三四郎(神奈川・桐蔭学園高)はともに決勝で敗れた。

男子100キロ超級の小川雄勢(明大)は3位決定戦で敗れて5位。昨年の世界選手権覇者で女子78キロ級の浜田尚里(自衛隊)は1回戦敗退した。

今大会は世界選手権東京大会(8~9月)代表選考会の一つ。

▽原沢久喜の話 パリ(のグランドスラム大会)では決勝で負けてしまったので、何としてもこの大会は優勝したかった。良かった。

▽飯田健太郎の話 2019年のスタートをしっかり切れた。すごく意味のある優勝だと思っている。

▽小川雄勢の話 前に出ていくところが自分の良さだと思うけど、一日を通じて自分のスタイルを出せなかった。後手に回ることが多かった。

▽朝比奈沙羅の話 自分の形を貫いて準決勝までは勝てていた。(決勝は)自分の技も出せず、相手に付き合ってしまった。落ち込んでいる暇は2020年までない。

▽井上康生・男子日本代表監督の話 原沢は、彼らしい内容で勝ち切った。彼が一番ほっとしているだろう。飯田は(同じ100キロ級で)1番手のウルフに非常に接近している。

▽増地克之・女子日本代表監督の話(2位の朝比奈は)最後に勝つか、勝たないかでは全然違う。勝った選手も負けた選手も、この大会が全てではない。これからが勝負だ。

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