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張本1カ月半ぶり勝利、大坂なおみからメンタル学ぶ

張本1カ月半ぶり勝利、大坂なおみからメンタル学ぶ

彩たま対東京で全日本選手権以来の公式戦に出場した東京の張本智和(撮影・三須一紀)

<卓球Tリーグ:東京4-0彩たま>◇9日◇埼玉・越谷市総合体育館ほか

男子世界ランク4位の張本智和(15)が約1カ月半ぶりの勝利し、東京が4-0で彩たまを下した。第2戦のシングルスに登場し、彩たま平野友樹に3-0のストレート勝ち。第1ゲームでは6連続得点を挙げ、序盤から主導権を握った。

連覇を狙った1月の全日本選手権ではまさかの準決勝敗退。大会翌日の21日にはインフルエンザが発症した。一時は39・4度までの高熱が出た。体調面を考え今月2、3日に北海道・帯広で行われたリーグ戦は回避。全日本以来の公式戦に「本調子ではなかったけど、思ったよりミスは少なかった」と語った。

JOCエリートアカデミー所属の張本は、インフルエンザ中の1週間、ナショナルトレーニングセンター内の別部屋に完全隔離された。「ずっと同じ部屋で1週間。テレビを見るか、携帯ゲームをやっていた」。中でも注目したのが女子テニスの全豪オープン。大坂なおみが初優勝を果たした。「準決勝、決勝を見ました。初めてテニスの試合を丸1試合見た」。同じラケット競技という観点から「試合の流れが勉強になった。メンタルの強さも学んだ」とヒントをつかんだ。

大坂はこの試合で世界ランク1位に上り詰めた。自身も1位を目指す1人として「バドミントンの桃田(賢斗)さんも1位で、同じ球技として次は自分がという思いもある」と語った。

この日は前期MVPの表彰も受けた。Tリーグのタイトルパートナーである家電量販店ノジマから賞品として30万円分の商品券をゲットし「焼き肉が好きなので、焼き肉プレートを買いたい」と話した。

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水谷隼、代表退いた後も「ファンとして」全日本出場

所属する木下グループの報告会を訪れた水谷隼は全日本選手権で優勝し獲得した天皇杯を手に笑顔を見せた(撮影・三須一紀)

1月の卓球全日本選手権で10度目の優勝を果たし、同大会の出場を最後とする宣言をしていた水谷隼(29)が、日本代表を退いた後に「卓球ファンとして」全日本に出場したい考えを示した。7日、所属する木下グループの報告会前に取材に答えた。

水谷は来年の東京オリンピック(五輪)を最後に日本代表から退く意向を示している。「来年、再来年は出場しないが、その先は予選から楽しんで出場してみたい」と語った。さらに「10度優勝している選手としてじゃなく、名前を変えて出場したい」とも話し、優勝が懸かる重圧から解放されて出場したい意向を示した。

毎年、全日本前は厳しく体と精神を追い込み「11月ぐらいから憂鬱(ゆううつ)になる」と語る。大会後にはワールドツアーや世界選手権と重要大会が続くため、練習もピリピリし、なかなかベストな状態に持って行くのが難しいという。来年の東京五輪へ向け、全日本の出場を見送ることで、コンディションを整えやすくする狙いもある。

その東京五輪だが、出場指針となる世界ランクが4位張本智和、9位丹羽孝希に続く10位で、日本人の中では3番目。シングルスに出場するには2番以内に入らなければならず「このままではシングルスで五輪に出られない。出られないことを受け入れる準備はできているが、出られるように頑張りたい」と語った。

世界ランクを上げるために重要な4月の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)への出場は決めている。目標を聞かれ「メダルを取りたい」と語った。【三須一紀】

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石川佳純「最初から行った」平野美宇に貫禄勝利

神奈川対日本生命 レシーブする石川佳純(撮影・三須一紀)

<卓球Tリーグ:神奈川3-2日本生命>◇2日◇ゼビオアリーナ仙台ほか

世界ランク4位の神奈川の石川佳純(25)が2勝を挙げチームをプレーオフ(3月17日=東京・両国国技館)進出に導いた。

自身のマッチ勝利数も13に伸ばし、単独トップとなった。

第2マッチは世界ランク9位の平野美宇に3-0のストレート勝ち。2-2で並んだ場合に行う最終決定戦(1ゲーム制)でも森さくらに11-5で勝利し、貫禄を見せつけた。

石川は平野戦について「出だしで取られないように最初から行った」とスタートからギアを入れた。Tリーグ初年度に、プレーオフ進出チームに名乗りを上げ「国技館でできることがうれしい」と語った。

石川は現在、世界ランク日本人トップで、東京五輪出場選手候補の筆頭。しかし「まずは五輪に出場できるようにワールドツアーで結果を残す」と、謙虚に1戦1戦戦う姿勢を見せている。

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張本智和の小4妹美和「頑張ったよ」Tリーグ初出場

張本美和(18年11月04日撮影)

<卓球Tリーグ:神奈川3-2日本生命>◇2日◇ゼビオアリーナ仙台ほか

男子世界ランク4位の張本智和(15)の妹で神奈川の張本美和(10)が、地元仙台でリーグ初出場を果たした。初戦のダブルスで森薗美月と組み、第1ゲームを先取するも1-2と逆転負けを喫した。チームは日本生命にゲームカウント3-2で勝利。神奈川は3月17日に東京・両国国技館で行われるプレーオフ進出を決めた。

張本は試合後「美和頑張ったよとお兄ちゃんに伝えたい」と語った。森薗とのダブルス練習は、試合前のわずか30分程度だった。試合前は緊張しっぱなし。チームメートの石川佳純から「緊張しないで」と声をかけられ、勇気を出した。

いざ、卓球台の前に立つと「やるしかない」と緊張から解き放たれた。張本森薗組はゲーム開始から5連続得点。その勢いで1ゲームを11-7と先取した。

最終的には敗れたが「台上のプレーや下回転のボールなど、たくさん勉強になった。地元仙台の応援も力になった」と手応えをつかんだ。

張本は1月の全日本選手権に初出場し、ジュニアと一般の女子シングルス、混合ダブルスの3種目に出場。一般と混合は3回戦、ジュニアは4回戦に進出した。兄智和は小4時、ジュニアのみの出場で3回戦止まりだったため「兄超え」を果たした。今回、Tリーグでも最年少出場を記録。それでも「うれしいけど、今度はシングルスで出られるように頑張りたい」と甘んじず、小4は前を向いた。

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丹羽孝希「子どもたち卓球好きに」地元苫小牧で勝利

第5ゲーム、リターンする琉球アスティーダ丹羽(撮影・浅水友輝)

<卓球Tリーグ:岡山3-1琉球>◇2日◇北海道・苫小牧市総合体育館

昨年10月から始まった卓球の「Tリーグ」男子公式戦が2日、苫小牧市総合体育館など北海道内2会場で初開催された。苫小牧では、地元出身の丹羽孝希(24=スヴェンソン)がプレーする琉球アスティーダと岡山リベッツが対戦。丹羽は第2試合、3ゲーム先取のシングルスに出場し、同じ道産子の吉田雅己(24=協和発酵キリン、札幌市出身)を3-2で下し、凱旋(がいせん)試合を勝利で飾った。チームは1-3で敗れた。

   ◇   ◇   ◇

フルゲームの激戦を制し、丹羽が故郷に錦を飾った。最終第5ゲームのマッチポイント。相手リターンが台を外れると、小さく右拳を握った。「重圧はなかったけど、良いプレーを見せないといけない責任感はあった」。地元618人の観客に、笑顔で手を振った。

地元で燃えないわけがない。苫小牧緑小卒業後は、津軽海峡を渡り、日本のエース水谷隼らを輩出した青森山田中高に進んだ。帰省は年に3、4度。Tリーグ初の道内開催は、小学生以来の故郷での公式戦出場だったという。会場のサブ練習場は、小学生時代に汗を流した思い出の場所。観戦に訪れた子どもたちの姿を、自身の幼少期に重ねた。「子どもたちが卓球を好きに、強くなりたい気持ちになってくれれば」。リオデジャネイロ五輪銀メダリスト。地元のヒーローとして、一流の技を見せたい気持ちが強かった。

相手の吉田は中高のチームメート。昨年10月26日(3○1)、12月9日(3○1)に続いて今季3度目の顔合わせだが「今日は気合が入っていて、いつもより強かった」。第1ゲームこそ、得意のチキータ(攻撃的バックハンドレシーブ)で得点を重ね11-3で先取したが、第2ゲーム以降は「コースを読まれていた」と苦しんだ。それでも執念で勝利をもぎとり、外間政克監督(47)は「エースでプレッシャーがある中で頑張ってくれた」とたたえた。

この日も敗れ最下位の琉球だが、2位のTT彩たままでは勝ち点6と差がない。上位2チームが進出する3月17日のプレーオフ(東京・両国国技館)へ向け、今日3日はそのTT彩たまと対戦する。丹羽は「今日と変わらずに自分の実力を出して、みなさんに良いプレーを見せたい」。生まれ育った故郷に、興奮と感動を届ける。【浅水友輝】

◆丹羽孝希(にわ・こうき)1994年(平6)10月10日、苫小牧市生まれ。苫小牧緑小1年で競技を始める。青森山田中3年で09年世界選手権に日本男子史上最年少で出場。青森山田高では3年で12年ロンドン五輪に出場(団体8強)。明大4年時には五輪に2大会連続出場。16年リオデジャネイロ大会では団体銀メダルに加え、シングルスで8強。左シェーク・ドライブ。161センチ、51キロ。血液型O。世界ランクは日本勢2番目の9位。

◆Tリーグ

男女4チームのリーグ戦で、レギュラーシーズンは7回戦総当たり(各チーム21試合)。試合形式は、第1マッチがダブルス(2ゲーム先取)、第2マッチ以降はシングルス3試合(3ゲーム先取)の4試合制。2勝2敗の場合は、シングルス1ゲーム方式の第5マッチが行われる。年間順位は勝ち点で決まる。それぞれ(1)4-0勝ちは「4」、(2)3-1、3-2勝ちは「3」、(3)2-3負けは「1」の勝ち点が与えられる。勝ち点同率の場合は総得失マッチ数などで順位が決定する。年間上位2チームがプレーオフで対戦し、日本一が決まる。

◆丹羽の父孝司さん(47)も息子の初の地元ゲームを観戦した。自身も卓球選手として全日本選手権出場経験があり、現在も会社員として働く傍らで、地域の子どもたちに競技を教えている。試合前には「勝利はもちろん、楽しんでプレーしてほしい」と話していたが、期待通りのプレーに目を細めていた。

第1ゲーム、リターンする琉球アスティーダ丹羽(撮影・浅水友輝)

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世界選張本のお相手探し石川、伊藤とドリームペアも

卓球19年世界選手権代表選手

日本卓球協会は29日、世界選手権個人戦(4月21日開幕・ブダペスト)のシングルス代表男女各4人を発表し、男子では16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)団体銀メダルの吉村真晴の弟、吉村和弘(22=愛知工大)を初選出した。残り1枠は3月2日の最終選考会(仙台)の勝者が選ばれる。同9日にダブルス代表も発表するが、20年東京五輪を見据え、混合ダブルスでは世界ランク3位の張本智和(15=エリートアカデミー)を軸としたペアの検討も始めた。

宮崎強化本部長はダブルス編成について「世界選手権で優勝を目指すペアが第一」と前置きした上で、五輪本番を見据えたペアも試す考えを示した。張本が今月の全日本選手権でダブルス優勝、混合準優勝と躍進。男子の倉嶋監督も「男子シングルスの(ランク)トップ選手。当然、軸になる考え方はある」と話した。張本と組むペア候補は世界ランク日本人トップで左利きの石川佳純(25=全農)や全日本で2年連続3冠の右利き、伊藤美誠(18=スターツ)が挙がる。どちらも「ドリームペア」となる。

交互に打つダブルスは右利き、左利きで組むことが多いが「張本はチキータ(バックハンド高速レシーブ)が得意なので、右利き同士でもペアが組める」と宮崎本部長。世界選手権で試せれば五輪でのメダル獲得へ十分な対策期間が取れる。

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張本智和、伊藤美誠、平野美宇ら世界選手権代表選出

卓球の世界選手権代表を発表する、左から日本代表女子の馬場監督、男子の倉嶋監督

日本卓球協会は29日、4月にハンガリー・ブダペストで行われる世界選手権の代表選手を発表した。

男子は張本智和(15=エリートアカデミー)、水谷隼(29=木下グループ)、丹羽孝希(24=スヴェンソン)、吉村和弘(22=愛知工大)となった。女子は石川佳純(25=全農)、伊藤美誠(18=スターツ)、平野美宇(18=日本生命)、佐藤瞳(21=ミキハウス)。残り各1人は3月の最終選考会で決まる。ダブルスはその後、発表される。

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石川佳純「夢をもらった」大坂なおみ世界1位に刺激

全農を訪れ、「石川佳純カレー」を手に笑顔で話す石川(撮影・浅見桂子)

卓球の石川佳純(25=全農)が28日、都内の全国農業協同組合連合会を表敬訪問した。現在世界ランク3位の石川は、女子テニスで同1位となった大坂なおみ(21)に刺激を受けたといい「世界1位という新しい道を開いたことが本当にすごい。希望と夢をもらった」と話した。

報道陣に「自身も1位を狙いたいか」と問われ「中国のトップ選手に勝たないとそれはない。勝つことを目標にしたい」と語った。大坂とは16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)よりも前に、日本の治療院で会ったという。

20日に閉幕した全日本選手権女子シングルスでは13年ぶりの16強止まりだったが、全日本直後、半年以上ぶりに、まとまった連休が取れたという。「次の日練習という休日はあったけど、今回のように次の日の予定を考えなくても良い4連休が取れて、本当にリフレッシュができた。頭の中が疲れていたんだと思う」と気持ちを切り替えた。

29日には4月にハンガリーのブダペストで行われる世界選手権の代表選手が発表される。石川は1月時点の世界ランクで日本人最上位のため、女子シングルスの代表は確実だが、女子ダブルスや混合ダブルスでの選出は発表を待つこととなる。

世界選手権は来年の東京オリンピック(五輪)選考にも大事な大会となるが「今年1年間のワールドツアーを通じて来年の東京五輪選考が決まる。一喜一憂せず、楽しんで戦いたい」と精神面の充実が重要だと位置づけていた。

所属先の全農で活動報告をした石川は現在、同社から発売中の「かすみんカレー」に引き続き、新たな監修商品プランをプレゼン。好物だという牛丼を挙げた。16年リオ五輪でもレトルトの牛丼を持って行き、ご飯の上にかけて食べていたという。「私は小さい頃からご飯が好き。牛丼ではタマネギが多いのが好きですね」と、石川監修の牛丼は“ネギダク”になりそうだ。

全農を訪れた石川はトークショーで笑顔を見せる(撮影・浅見桂子)
全農を訪れた石川はトークショーで笑顔を見せる(撮影・浅見桂子)

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水谷隼「来年は出ない」最多10度目優勝後に仰天発言

水谷の全日本選手権の成績

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス決勝

13年連続の決勝進出となった水谷隼(29=木下グループ)がV10を達成した。初決勝だった大島祐哉(24=木下グループ)に4-2で勝利。2年ぶりの優勝を果たし、最多優勝記録を更新した。試合後、全日本選手権出場は今大会を最後にすると明言した。張本智和(15=エリートアカデミー)は準決勝で大島に敗れ、連覇を逃した。

10度目の日本一は水谷を高揚させた。スタンドに「V10」のプラカードが躍ると一目散に、追っかけ主婦が多くいるアリーナ席に飛び込んだ。苦しく、毎晩吐きそうになりながら戦い、手にした前人未到の栄冠。「ファンの方々がいるから頑張れた」と、身を任せてもみくちゃにされた。

昨年敗れた張本を倒そうと準備してきたが、決勝の相手は大島。張本を倒し、勢いに乗るTリーグ東京の後輩に、第1ゲームを11-13と先取されたが焦りはなかった。第2ゲーム以降、ラリーで左右に振られても追いつく。持ち前のラケットコントロールで確実に返球し、じれた大島のミスを誘う。フォアもさえ、第2ゲームを11-6で奪い返した後は、試合を支配した。

優勝インタビューでは約5000人の観客を驚かせた。「今年で最後の全日本選手権にしたい」と宣言。「V10で終わりにしようと思っていた。昨年勝っていたら今年は出なかったし、今年勝てなければ来年も出ていた。(負けて)ボロボロになってファンを悲しませるより、勝って辞めたかった」。

卓球選手にとって天皇杯・皇后杯と名の付く全日本は特別な存在で、誰もが必死に挑んでくる。長年追われる立場だった水谷にとって「毎日死にたいと思うぐらい苦しい」ものだった。最近は試合前夜、次戦選手のことを考えるのをやめ、少しでも気を静めた。

日本代表も「東京オリンピック(五輪)が終わったら辞めます」とあらためて明言。16年リオ五輪でメダルを2つ獲得し「周りが五輪や世界選手権でさらに上の成績を期待する。そこに出るには年間10試合以上のワールドツアーに出る必要があり、正直大変」と語った。全日本引退は今年30歳を迎え、体力の衰えを感じ始めた水谷が第一線から退く準備段階。ただTリーグには出場する。

張本をはじめ若手の主流「前陣速攻」について「僕にはできない」と語る。時代の流れにはあらがえない。ただ今回、水谷のようなラリー、レシーブ、ブロック技術で巧みに試合を進める戦い方も「まだ通用する」と再確認し、「日本のレベルアップのため、まだ我々世代が若手への壁として立ちはだかる」と話した。

この優勝で4月の世界選手権出場権も得た。東京五輪の金メダルを世代交代のバトンにするため、五輪選考シーズンの初戦で最高のスタートを切った。【三須一紀】

◆水谷隼(みずたに・じゅん)1989年(平元)6月9日、静岡県磐田市生まれ。5歳から父信雄さんが代表を務める豊田町スポーツ少年団で競技を始め、青森山田中-青森山田高-明大。07年全日本選手権シングルスを17歳7カ月で当時、史上最年少制覇。08年北京五輪から3大会連続出場。16年リオ五輪ではシングルスで男女を通じて日本人初のメダル(銅)を獲得し、男子団体でも銀メダルに輝いた。172センチ、63キロ。

男子シングルス決勝 全日本V10を達成し笑顔をみせる水谷(撮影・清水貴仁)
全日本選手権男子シングルスの優勝回数
全日本選手権男子シングルスの過去10年の優勝者

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2年連続3冠伊藤美誠、親友本田真凜から得たヒント

卓球女子世界ランキング

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇女子シングルス決勝

16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)女子団体銅メダルの伊藤美誠(18=スターツ)が女子初の2年連続3冠を達成した。混合ダブルス、女子ダブルスに続き、シングルスは史上最年少14歳170日で決勝に進んだ木原美悠(エリートアカデミー)を4-1と圧倒。準決勝は女子ダブルスの「相方」早田ひな(18=日本生命)を4-0で退け、日本のエース格として文句なしの力を示した。20年東京五輪の金メダル獲得へ、五輪選考シーズンを快調に歩み始めた。

女子初の偉業をたぐり寄せ、高校卒業間近の伊藤が左拳を力強く振った。前日に女子ダブルスを制して一緒に喜んだ、早田とのシングルス準決勝は4-0。約4時間後、中2で初決勝だった木原の挑戦を正面から受け止め「年下の選手には絶対に負けたくない、優勝を取られたくないっていう強い気持ちがあった」。大一番を「めちゃめちゃ楽しかったです」と満喫した。

追われる立場で初めての日本一決定戦。7日間で3種目17試合に全て勝った。「どの選手も私を倒すっていう目的でやってくる」。木原と戦った決勝の第3ゲーム最終ポイントは、相手サーブをそのまま対角に打ち込む速攻。第4ゲームは9-3から落としたが、第5ゲーム0-1からの6連続得点で立ち直った。150センチと小柄ながら、ラケット両面を巧みに操る引き出しの多さが光る。ミスを恐れず攻める姿勢も不変だ。

昨秋のスウェーデン・オープンで、丁寧ら中国トップ選手に3連勝。常に意識するのは強敵だ。スロースターターを自覚し見直した成果、早田との準決勝第1ゲーム開始からの4連続得点に出た。日々の鍛錬に、相手を問わず「『勝つ』よりも楽しんだ方が勝てる」という考え方を上乗せする。

リオ五輪5カ月後の17年1月には、同い年の平野美宇が全日本初優勝。もがく日が続く17年夏、練習の合間に伊藤はこう漏らした。

「精神的にきついんです。五輪後だとみんなが向かってくる。『普通にやってもダメじゃん』ってなって…。なんか、考えることがどんどん増えちゃった」

そこに「楽しさ」はなかった。「自分がいい感じでも、相手を見て、悪く感じちゃう」。同年秋、中国下部リーグへ参戦。友人である本田真凜の誘いで足を運んだフィギュアスケート会場では自然と選手の表情に目がいった。「絶対に体力を消耗しているのに、最後の最後まで笑顔でやっている。あれがすごい」。コート内外の数多くの刺激が楽しむことを思い出すヒントになった。

最後まで笑顔だった今大会。20年東京五輪金メダルへ、今の伊藤は明るい。「中国人選手に何度でも勝てるようになる実力を持てるようにするのと、自分の手で(五輪の)出場権をつかみたい」。その視線は世界に向いている。【松本航】

◆全日本選手権の3冠 女子は60年度に山泉和子が24歳で史上初の偉業。シングルスを制した後、設楽義子との女子ダブルス、村上輝夫との混合ダブルスで頂点に立った。15年には21歳の石川佳純が54大会ぶりに達成。女子ダブルスは平野早矢香、混合ダブルスは吉村真晴とのペアだった。伊藤は女子ダブルスは早田ひな、混合ダブルスは森薗政崇と組み、女子史上初の2年連続3冠を達成。男子では斎藤清が82、83年度に記録している。

◆伊藤と世界 伊藤は昨年1年間、世界ランクは5~8位で推移。年間通じて初めてトップ10を守った。昨年11月、スウェーデン・オープンで中国人選手3人を連破した時は、中国メディアに「『大魔王』が現れた」と報じられ、環球時報は「伊藤選手が中国チームの最強のライバルになることは疑いようがない」とした。日本のトップ選手には珍しくTリーグ参戦は見送り。「東京オリンピックで金メダルという結果を出すことが一番と考え、それまでの限られた時間を強化に専念すると決めました」と表明するなど、独自路線で世界を見据えている。

◆伊藤美誠(いとう・みま)2000年(平12)10月21日、静岡・磐田市生まれ。11年1月の全日本選手権一般の部では、10歳2カ月の史上最年少で勝利。16年リオ五輪女子団体では銅メダル。17年6月の世界選手権では、早田との「みまひな」コンビで女子ダブルス銅メダル。大阪・昇陽高3年。世界ランク7位。150センチ。

伊藤美誠対木原美悠 3冠を達成し笑顔でポーズをとる伊藤(撮影・清水貴仁)
全日本選手権女子シングルスの過去10年の優勝者

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14歳木原美悠が笑顔の準V 東京五輪代表争いに参戦

表彰式で待機中に記念撮影を行う、木原(左)と伊藤(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇女子シングルス決勝

14歳の新星、木原美悠(みゆう=エリートアカデミー)は、伊藤美誠(18=スターツ)に1-4で敗れ男女通じての最年少優勝を逃した。第1ゲームからジュースまで追い込んだが、11-13と取り切れず、王者の貫禄を見せつけられた。14歳170日での優勝となれば、14歳208日で前回男子優勝の張本智和を抜き、史上最年少の王者となるはずだった。

取材エリアに入った木原は終始笑顔。「ジュニアで決勝に行くことが目標だったのに、一般で来られるなんてすごい。準優勝はうれしいです」と晴れやかに言った。女子ジュニアは準決勝で敗れていた。

今年の目標を問われ「(11月開幕の)世界ジュニアなど大きな大会で優勝して、2020年の東京オリンピックに向けて、今から必死に頑張っていきたい」。全日本決勝という新たな世界を見た14歳の目は、希望に満ちていた。

女子シングルス決勝 伊藤(手前)と打ち合う木原(撮影・清水貴仁)

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水谷「調子乗りすぎ」張本の敗戦から学んだ謙虚さ

男子シングルスの表彰式で天皇杯を手にする優勝の水谷(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス決勝

13年連続の決勝進出となった水谷隼(29=木下グループ)がV10を達成した。初決勝だった大島祐哉(24=木下グループ)に4-2で勝利。2年ぶりの優勝を果たし、最多優勝記録を更新した。

水谷は準決勝で敗れた張本に“いじり合える”間柄だからこそ、冗談交じりに言った。「調子乗りすぎていたからですよ。ある試合前『簡単に勝って来ます』と言っていた。謙虚にいかないと物事うまくいかないと、彼が教えてくれた」と会見場の笑いを誘った。

前日、張本は決勝に上がって来てほしい相手についてダブルスペアの木造を挙げた。けしからんと水谷は準決勝前、大島に「絶対に勝て」と激励したという。水谷が全日本を引退すると聞いた張本は「僕のプレッシャーがすごくなるじゃないですか」と言ったといい「結局自分が優勝すると思ってる」と水谷節で冗談を連発した。

だが代表で張本が同じチームになると「頼りになる。五輪では一緒に金メダルを取りたい」と結束する。仲良しだからこそ、いじれるかわいい後輩。14歳離れていても、冗談が言い合える日本代表の明るいムードも東京五輪への武器となる。

男子シングルス決勝 大島祐哉対水谷隼 全日本V10を達成し笑顔をみせる水谷(撮影・清水貴仁)

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15歳張本智和が連覇逃し涙、まるで別人勝負所迷い

男子シングルス準決勝 張本智和対大島祐哉 フルゲームの末に準決勝敗退となり、ぼうぜんとする張本(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス準決勝

13年連続の決勝進出となった水谷隼(29=木下グループ)がV10を達成した。初決勝だった大島祐哉(24=木下グループ)に4-2で勝利。2年ぶりの優勝を果たし、最多優勝記録を更新した。試合後、全日本選手権出場は今大会を最後にすると明言した。張本智和(15=エリートアカデミー)は準決勝で大島に敗れ、連覇を逃した。

   ◇   ◇   ◇

張本が準決勝で姿を消した。最終ゲーム。9-9で大島のサーブがネットにかかり、やり直し。会場はどよめき、異様な空気に包まれた。再サーブ、「チキータでいくかどうするか迷っている最中に来てしまった」と、これまでの向かっていく姿勢とは別人の張本がそこにいた。失点し、9-10。「その時点で次何をやってもダメだったと思う」と振り返った。

試合後、ベンチに座り込み、ぼうぜんと動かなかった。「負けたことを受け入れたくなかった。だから、何も考えないで座っていた」。昨年は全日本で初優勝し、12月のワールドツアー・グランドファイナルでも初優勝。追われる立場となり「自分で考える以上にプレッシャーがあった」と語った。

試合後、張本の目に涙が見えたが新たな決意に満ちていた。「3月の(ワールドツアー)カタール・オープンに向け死ぬ気で練習する」。来年の東京五輪で金メダルを目指す15歳は、この敗戦を糧にする。

男子シングルス準決勝 張本智和対大島祐哉 試合序盤に失点を重ね厳しい顔をみせる張本(撮影・清水貴仁)

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張本下し初準Vの大島「僕の方が余裕があった」

男子シングルスの表彰式が行われる左から2位大島、優勝水谷、3位木造、張本(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス準決勝・決勝

大島祐哉(24)がTリーグ東京の後輩張本を準決勝で下し、自己最高の準優勝をつかんだ。張本との一戦は第4ゲームまでで、3-1と主導権を握り「精神的に僕の方が余裕があった」。それでも決勝で男子ダブルスを組む水谷に敗れ「全日本の借りは全日本でしか返せない。水谷さんが来年出ないのは初めて聞いたけれど、優勝を目指したい」と雪辱を誓った。

男子シングルス決勝 大島祐哉対水谷隼 水谷相手にポイントを奪う大島(撮影・清水貴仁)

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東京五輪狙う水谷隼が全日本V10で幕引きしたワケ

男子シングルス決勝 大島祐哉対水谷隼 全日本V10を達成し笑顔をみせる水谷(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス決勝

13年連続の決勝進出となった水谷隼(29=木下グループ)がV10を達成した。

初決勝だった大島祐哉(24=木下グループ)に4-2で勝利。2年ぶりの優勝を果たし、最多優勝記録を更新した。試合後、全日本選手権出場は今大会を最後にすると明言した。

◇   ◇   ◇

10度目の日本一は水谷を高揚させた。スタンドに「V10」のプラカードが躍ると一目散に、追っかけ主婦が多くいるアリーナ席に飛び込んだ。苦しく、毎晩吐きそうになりながら戦い、手にした前人未到の栄冠。「ファンの方々がいるから頑張れた」と、身を任せてもみくちゃにされた。

昨年敗れた張本を倒そうと準備してきたが、決勝の相手は大島。張本を倒し、勢いに乗るTリーグ東京の後輩に、第1ゲームを11-13と先取されたが焦りはなかった。第2ゲーム以降、ラリーで左右に振られても追いつく。持ち前のラケットコントロールで確実に返球し、じれた大島のミスを誘う。フォアもさえ、第2ゲームを11-6で奪い返した後は、試合を支配した。

優勝インタビューでは約5000人の観客を驚かせた。「今年で最後の全日本選手権にしたい」と宣言。「V10で終わりにしようと思っていた。昨年勝っていたら今年は出なかったし、今年勝てなければ来年も出ていた。(負けて)ボロボロになってファンを悲しませるより、勝って辞めたかった」。

卓球選手にとって天皇杯・皇后杯と名の付く全日本は特別な存在で、誰もが必死に挑んでくる。長年追われる立場だった水谷にとって「毎日死にたいと思うぐらい苦しい」ものだった。最近は試合前夜、次戦選手のことを考えるのをやめ、少しでも気を静めた。

日本代表も「東京五輪が終わったら辞めます」とあらためて明言。16年リオ五輪でメダルを2つ獲得し「周りが五輪や世界選手権でさらに上の成績を期待する。そこに出るには年間10試合以上のワールドツアーに出る必要があり、正直大変」と語った。全日本引退は今年30歳を迎え、体力の衰えを感じ始めた水谷が第一線から退く準備段階。ただTリーグには出場する。

張本をはじめ若手の主流「前陣速攻」について「僕にはできない」と語る。時代の流れにはあらがえない。ただ今回、水谷のようなラリー、レシーブ、ブロック技術で巧みに試合を進める戦い方も「まだ通用する」と再確認し、「日本のレベルアップのため、まだ我々世代が若手への壁として立ちはだかる」と話した。

この優勝で4月の世界選手権出場権も得た。東京五輪の金メダルを世代交代のバトンにするため、五輪選考シーズンの初戦で最高のスタートを切った。【三須一紀】

◆水谷隼(みずたに・じゅん)1989年(平元)6月9日、静岡県磐田市生まれ。5歳から父信雄さんが代表を務める豊田町スポーツ少年団で競技を始め、青森山田中-青森山田高-明大。07年全日本選手権シングルスを17歳7カ月で当時、史上最年少制覇。08年北京五輪から3大会連続出場。16年リオ五輪ではシングルスで男女を通じて日本人初のメダル(銅)を獲得し、男子団体でも銀メダルに輝いた。172センチ、63キロ。

男子シングルス準決勝 大島祐哉対水谷隼 全日本V10を達成し観客のもとに飛び込んでいく水谷(撮影・清水貴仁)
男子シングルス準決勝 大島祐哉対水谷隼 力強いショットをみせる水谷(撮影・清水貴仁)

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伊藤美誠3冠 重圧を「楽しむ」フィギュアから刺激

女子シングルス決勝 伊藤美誠対木原美悠 第4ゲーム、ポイントを奪いガッツポーズをみせる伊藤(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇女子シングルス決勝

16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)女子団体銅メダルの伊藤美誠(18=スターツ)が女子初の2年連続3冠を達成した。混合ダブルス、女子ダブルスに続き、シングルスは史上最年少14歳170日で決勝に進んだ木原美悠(エリートアカデミー)を4-1と圧倒。準決勝は女子ダブルスの「相方」早田ひな(18=日本生命)を4-0で退け、日本のエース格として文句なしの力を示した。20年東京五輪の金メダル獲得へ、五輪選考シーズンを快調に歩み始めた。

    ◇    ◇    ◇

女子初の偉業をたぐり寄せ、高校卒業間近の伊藤が左拳を力強く振った。前日に女子ダブルスを制して一緒に喜んだ、早田とのシングルス準決勝は4-0。約4時間後、中2で初決勝だった木原の挑戦を正面から受け止め「年下の選手には絶対に負けたくない、優勝を取られたくないっていう強い気持ちがあった」。大一番を「めちゃめちゃ楽しかったです」と満喫した。

追われる立場で初めての日本一決定戦。7日間で3種目17試合に全て勝った。「どの選手も私を倒すっていう目的でやってくる」。木原と戦った決勝の第3ゲーム最終ポイントは、相手サーブをそのまま対角に打ち込む速攻。第4ゲームは9-3から落としたが、第5ゲーム0-1からの6連続得点で立ち直った。150センチと小柄ながら、ラケット両面を巧みに操る引き出しの多さが光る。ミスを恐れず攻める姿勢も不変だ。

昨秋のスウェーデン・オープンで、現世界ランク1位の丁寧ら中国トップ選手に3連勝。常に意識するのは強敵だ。スロースターターを自覚し、見直した成果は、早田との準決勝第1ゲーム開始からの4連続得点に出た。日々の鍛錬に、相手を問わず「『勝つ』よりも楽しんだ方が勝てる」という考え方を上乗せする。

リオ五輪5カ月後の17年1月には、同い年の平野美宇が全日本初優勝。もがく日が続く17年夏、練習の合間に伊藤はこう漏らした。

「精神的にきついんです。五輪後だとみんなが向かってくる。『普通にやってもダメじゃん』ってなって…。なんか、考えることがどんどん増えちゃった」

そこに「楽しさ」はなかった。「自分がいい感じでも、相手を見て、悪く感じちゃう」。同年秋には中国の下部リーグへ参戦。友人である本田真凜の誘いで足を運んだフィギュアスケート会場では、自然と選手の表情に目がいった。「絶対に体力を消耗しているのに、最後の最後まで笑顔でやっている。あれがすごいんです」。コート内外の数多くの刺激が、楽しむことを思い出すヒントになった。

最後まで笑顔だった今大会。20年東京五輪金メダルへ、今の伊藤は明るい。「中国人選手に何度でも勝てるようになる実力を持てるようにするのと、自分の手で(五輪の)出場権をつかみたい」。その視線は世界に向いている。【松本航】

◆全日本選手権の3冠 女子は60年度に山泉和子が24歳で史上初の偉業。シングルスを制した後、設楽義子との女子ダブルス、村上輝夫との混合ダブルスで頂点に立った。15年には21歳の石川佳純が54大会ぶりに達成。女子ダブルスは平野早矢香、混合ダブルスは吉村真晴とのペアだった。伊藤は女子ダブルスは早田ひな、混合ダブルスは森薗政崇と組み、女子史上初の2年連続3冠を達成。男子では斎藤清が82、83年度に記録している。

◆伊藤美誠(いとう・みま)2000年(平12)10月21日、静岡・磐田市生まれ。11年1月の全日本選手権一般の部では、10歳2カ月の史上最年少で勝利。16年リオ五輪女子団体では銅メダル。17年6月の世界選手権では、早田との「みまひな」コンビで女子ダブルス銅メダルを獲得した。大阪・昇陽高3年。世界ランク7位。150センチ。

◆伊藤と世界 伊藤は昨年1年間、世界ランクは5~8位で推移。年間通じて初めてトップ10を守った。昨年11月、スウェーデン・オープンで中国人選手3人を連破した時は、中国メディアに「『大魔王』が現れた」と報じられ、環球時報は「伊藤選手が中国チームの最強のライバルになることは疑いようがない」とした。日本のトップ選手には珍しくTリーグ参戦は見送り。「東京オリンピックで金メダルという結果を出すことが一番と考え、それまでの限られた時間を強化に専念すると決めました」と表明するなど、独自路線で世界を見据えている。

女子シングルス決勝 伊藤美誠対木原美悠 木原と打ち合う伊藤(撮影・清水貴仁)
女子シングルス決勝 伊藤美誠対木原美悠 失点に悔し顔をみせる伊藤(撮影・清水貴仁)

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伊藤、水谷の故郷磐田市長がV祝福「歴史に残る」

3冠を達成し笑顔でポーズをとる伊藤美誠(撮影・清水貴仁)

卓球全日本選手権男女シングルス決勝が20日に行われ、静岡県磐田市生まれの選手がアベック優勝を飾った。女子は伊藤美誠(18、スターツSC)、男子は水谷隼(29、木下グループ)が制した。

渡部修・磐田市長(67)が、両選手に向けてお祝いコメントを発表した。

「全日本選手権におけるそれぞれの前人未到の快挙、おめでとうございます。磐田市出身の両選手が成し遂げた功績は、日本卓球界の歴史に残るもので、磐田市の誇りとして大変うれしく思います。2020年東京五輪のメダル獲得に向けて、両選手のこれからの活躍を、磐田市を挙げて応援していきたいと思います」

男子シングルス準決勝 木造勇人対水谷隼 4-1で勝利し決勝に駒を進める水谷(撮影・清水貴仁)

雪辱V10の水谷隼「今年で最後の全日本選手権に」

男子シングルス準決勝 木造勇人対水谷隼 4-1で勝利し決勝に駒を進める水谷(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス決勝

13年連続の決勝となった水谷隼(29=木下グループ)が昨年準Vの雪辱を果たした。

初めての決勝進出を果たした大島祐哉(24=木下グループ)を4-2で下し、2年ぶり10度目の優勝で、最多優勝記録を更新した。試合後、水谷は来年から全日本選手権に出場しないことを明言した。

水谷は「今回、V10を達成できた。今年で最後の全日本選手権にしようと思っていた。来年は出場しないと思う」と述べ、会場は驚きに包まれた。

男子シングルス準決勝 木造勇人対水谷隼 4-1で勝利し決勝に駒を進める水谷(撮影・清水貴仁)

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29歳水谷隼が王者返り咲き、最多優勝記録を更新

男子シングルス準決勝 木造勇人対水谷隼 4-1で勝利し決勝に駒を進める水谷(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス決勝

13年連続の決勝となった水谷隼(29=木下グループ)が、昨年準Vの雪辱を果たした。初めての決勝進出を果たした大島祐哉(24=木下グループ)を4-2で下し、2年ぶり10度目の優勝で、最多優勝記録を更新した。

初戦を終えた時点から優勝の確率を「25%ぐらい」と言い、準決勝進出を決めた試合後でも「張本がいる限り、優勝の確率は25%」と思い切り、昨年決勝で敗れた張本を意識した。その張本がまさかの準決勝敗退。それでも、水谷は普段通りの冷静な試合運びで見事、王者に返り咲いた。

試合後「今年で最後の全日本選手権にしたい。来年は出場しないと思う」と話した。

男子シングルス準決勝 木造勇人対水谷隼 4-1で勝利し決勝に駒を進める水谷(撮影・清水貴仁)

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14歳木原「うれしいです」最年少V逃すも終始笑顔

女子シングルス準決勝 森さくら対木原美悠 森を下し決勝進出を決め喜ぶ木原(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇女子シングルス決勝

14歳の新星、木原美悠(みゆう、エリートアカデミー)が男女通じての最年少優勝を逃した。前年王者の伊藤美誠(18=スターツ)に1-4で敗戦。第1ゲームからジュース戦まで追い込んだが、11-13と取り切れず、王者の貫禄を見せつけられた。

14歳170日での優勝となれば、14歳208日で前回男子優勝の張本智和を抜き、史上最年少の王者となるはずだったが、及ばなかった。

取材エリアに入った木原は終始笑顔。「ジュニアで決勝に行くことが目標だったのに、一般で来られるなんてすごい。準優勝はうれしいです。今後の大会は全日本で準優勝したんだということを思い出して、自信を持って臨みたい」と晴れやかに言った。女子ジュニアでは準決勝で敗れていた。

2年連続3冠を果たした伊藤の技に目を丸くした。「映像で見ていると返せそうな球でしたが、実際に受けてみると回転量が多くて、うーん、変な回転がかかっててとてもやりづらかったです」と振り返った。

5回戦では2年前の女王平野美宇(日本生命)を破り、注目された。金星に家族が「平野さんはどうだった?」と聞くと、興奮した様子はなく淡々と「まあまあだった」と言った。今大会の組み合わせから、まずは平野を倒すことが目標だったが、達成しても一喜一憂することはなかった。

今大会のジュニアで負けた後、コーチ陣と会議の場を持った。一般の部は試合と思わず、練習と思って戦う方針を固めた。それが奏功し、リードを許しても気持ちの浮き沈みが生まれなかった。

小学生までは集中力が足りないと言われた。「競った試合が嫌いでした」。最後まで粘れるメンタルがなかなかつくれなかったが、中学に入り、兵庫県明石市の実家からエリートアカデミー入校のため、東京に寄宿してから、徐々に精神力が成長した。

19年をどう過ごしたいかと問われ「(11月開幕の)世界ジュニアなど大きな大会で優勝して、2020年の東京五輪に向けて、今から必死に頑張っていきたい」と木原。全日本決勝という新たな世界を見た14歳の目は、希望に満ちていた。

第2ゲーム、伊藤(手前)にポイントを奪われる木原(撮影・清水貴仁)

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快挙Vの伊藤美誠「自分の中でレベルアップを実感」

3冠を達成し笑顔でポーズをとる伊藤美誠(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇女子シングルス決勝

16年リオデジャネイロ五輪女子団体銅メダリストの伊藤美誠(18=スターツ)が女子初の2年連続3冠(シングルス、女子ダブルス、混合ダブルス)を達成した。快進撃を続けていた木原美悠(14=エリートアカデミー)を4-1で下した。

試合後の伊藤は「もちろんうれしい気持ちもあるけど、ホッとしてます」と胸をなで下ろした。3-0で迎えた第4ゲームを、9-3と勝利を目前にしながら落とした。「4-0で勝てた試合だったかなと思った。(第4ゲームは)9-3から、よくわからなないまま挽回された」と伊藤。それでも快進撃で決勝に進んだ14歳の勢いを封じ込めた。

「それでも勝てた自分自身の成長に拍手したい。自分の中でレベルアップしていることを実感している」と言い切った。口調からは充実ぶりがあふれる。「しっかりこのシーズンを楽しく、もっとレベルアップして、オリンピックに出場できるようにしっかり頑張ります」と伊藤。東京五輪への道筋はしっかり見えている。

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伊藤美誠が女子初2年連続3冠、過酷連戦も眠り工夫

3冠を達成し笑顔でポーズをとる伊藤美誠(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇女子シングルス決勝

16年リオデジャネイロ五輪女子団体銅メダリストの伊藤美誠(18=スターツ)が女子初の2年連続3冠(シングルス、女子ダブルス、混合ダブルス)を達成した。快進撃を続けていた木原美悠(14=エリートアカデミー)を4-1で下した。

シード対象選手とはいえ、今大会17試合目(シングルス6試合、女子ダブルス5試合、混合ダブルス6試合)。大会序盤には「(睡眠時間が)9時間は欲しいんですよ…。いつも8時間以上は寝ているので」と眠たそうに目をこすった。

試合で最大限の力を発揮するため、工夫を凝らしてきた。寝る前にはアイマスクを着用し「目の疲れが取れる」。今大会は前年度女王の立場として臨み、14日の開会式では男子の張本智和と並んで選手宣誓。前日13日には「選手宣誓の文が頭でぐるぐると回って、寝たのが(午前)2時ぐらいでした」と新たな経験もした。混合ダブルスの相方、森薗政崇(岡山)は「年末から選手宣誓の練習をしていた。練習場で手を挙げて…」と笑いながら明かす。

大会期間中は「普段はかんきつ系だけれど、今回は桜」と、蒸気を当てるアイマスクの香りを変えてリラックス。前日19日の女子ダブルス優勝後には「一番は『楽しんだもん勝ち』。ミックスと女子ダブルスでいい流れができて、シングルスのみになった。シングルスだけに力を使って、目の前の一戦を勝ちきりたい」と誓った。目の前の一戦を落とさないための準備と、その場を楽しむ気持ち。伊藤がまたタフになった。

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水谷隼 13年連続決勝進出 木造を4-1で下す

男子シングルス準決勝 木造勇人対水谷隼 4-1で勝利し決勝に駒を進める水谷(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス準決勝

2年ぶりの優勝を目指す水谷隼(29=木下グループ)が13年連続の決勝進出を決めた。男子ダブルス優勝の木造勇人(愛知工大)を4-1(5-11、11-8、11-9、11-6、11-6)で下した。

第1ゲームを落とした水谷だったが、第2ゲームからきっちりと修正。同日の決勝ではダブルスでコンビを組み、張本智和(エリートアカデミー)の2連覇を阻んだ大島祐哉(木下グループ)と頂点を争う。

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張本智和の目に涙「死ぬ気で練習する」敗戦を糧に

男子シングルス準決勝 張本智和対大島祐哉 試合に敗れぼうぜんとする張本(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男女シングルス準決勝

連覇がかかっていた世界ランク3位の張本智和(15=エリートアカデミー)が準決勝で姿を消した。世界ランク33位の大島祐哉(24=木下グループ)にフルセットの末、敗れた。

最終ゲーム。9-9で大島のサーブがネットにかかり、やり直し。普段だったら何でもない場面に、会場はどよめき、異様な空気に包まれた。再サーブ、「チキータで行くかどうするか迷っている最中に来てしまった」と、これまでの向かっていく姿勢とは別人の張本がそこにはいた。失点し、9-10。「その時点で次何をやってもダメだったと思う」と振り返った。

試合後、コーチの父宇さんに肩をたたかれ、ベンチに座り込んだ。ぼうぜんと前を見つめ、動かなかった。その時を振り返り「負けたことを受け入れたくなかった。負けを考えると悔しい。だから、何も考えないで座っていた」。現実を受け入れたくなかった。

昨年は全日本選手権で初優勝し、12月のワールドツアー・グランドファイナルでも初優勝。完全に追われる立場となり、「自分で考える以上にプレッシャーがあった。厳しい全日本になってしまった」と語った。準決勝でも9歳上の大島の方がチャレンジャーの姿勢を前面に出し、受け身で試合を運んでしまった。

前日、既に水谷との決勝を意識し「昨年の優勝は勢い。でも今は、自分の方が実力は上」とも話していた。グランドファイナル後も「ずっと勝っていくつもりで19年を戦いたい。世界ランク1位を目指したい」と語っていた。自分に言い聞かせるように高い目標を掲げ、日本卓球界を引っ張る姿勢を見せていたが、それが知らないうちに、大きなプレッシャーになっていた。

年末年始、つかの間の休息を地元仙台で過ごした。小学時代の友人と年末に食事に行き、たわいもない会話で盛り上がった。年始には彼らと人生初めてのボウリングに行った。初スコアは「69」と低調だったが、友人と過ごした時間が楽しかった。しかし、休息はこの時間だけ。大みそかも元日も卓球台に向かった。それだけ全日本連覇に懸ける思いが強かった。

試合後、張本の目には涙が見えたが、その表情は新たな決意に満ちていた。「全日本で負けてしまったが、世界ランクには関係ない。3月の(ワールドツアー)カタールオープンに向け死ぬ気で練習する」。来年の東京オリンピック(五輪)で金メダルを目指す15歳は、この敗戦を糧にする。

男子シングルス準決勝 張本智和対大島祐哉 試合序盤に失点を重ね厳しい顔をみせる張本(撮影・清水貴仁)

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大島祐哉が金星!張本智和下し決勝へ「最後粘った」

男子シングルス準決勝 張本との接戦をものにし決勝に進出する大島(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス準決勝

世界ランク33位の大島祐哉(24=木下グループ)が2連覇を目指した同3位張本智和(15=エリートアカデミー)を4-3(11-8、11-4、1-11、11-8、8-11、4-11、11-9)で下し、金星で初めての決勝進出を決めた。

第1ゲームを11-8で制すと、第2ゲームを11-4と圧倒。サーブレシーブで積極的に攻めるなど、終始強気の攻めで主導権を握った。第4ゲームを終えて3-1としたが、張本が猛追。それでも最終第7ゲーム10-9から、しぶとく逃げ切った。

水谷隼(木下グループ)と組んだ前日19日の男子ダブルス準決勝では、木造勇人(愛知工大)張本組に敗退。Tリーグ「木下グループ」で後輩の張本に雪辱を果たし、京都生まれの24歳がその名を全国にアピールした。同日の決勝で初優勝を目指す。

試合後、大島は「バック対バックになるのは自分が悪いので、思い切り回り込んでいくことと、なるべくチキータをさせないサービスの戦術を考えた。最後はチキータで来ると分かっていたので、思い切りロングサービス2本出せてよかった。3対1とリードして、(第5セット)8-6とリードしたが、自分が少し意識してしまった。そこで逃し負けていたら痛かったが、最後は粘って勝ててよかった。(決勝へ)ここまで1球1球、1戦1戦だったので、次の決勝戦も1球1球頑張りたい。家族も来ているので金メダルをかけてあげたい」と話した。

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張本智和が準決勝敗退「全日本の怖さを知った」

男子シングルス準決勝 準決勝敗退でぼうぜんとする張本(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス準決勝

世界ランク33位の大島祐哉(24=木下グループ)が2連覇を目指した同3位張本智和(15=エリートアカデミー)を4-3(11-8、11-4、1-11、11-8、8-11、4-11、11-9)で下し、金星で初めての決勝進出を決めた。

第1ゲームを11-8で制すと、第2ゲームを11-4と圧倒。サーブレシーブで積極的に攻めるなど、終始強気の攻めで主導権を握った。第4ゲームを終えて3-1としたが、張本が猛追。それでも最終第7ゲーム10-9から、しぶとく逃げ切った。

水谷隼(木下グループ)と組んだ前日19日の男子ダブルス準決勝では、木造勇人(愛知工大)張本組に敗退。Tリーグ「木下グループ」で後輩の張本に雪辱を果たし、京都生まれの24歳がその名を全国にアピールした。同日の決勝で初優勝を目指す。

一方、敗れた張本は「2連覇の期待を自分でもしていた。自分が想像していた以上に苦しい全日本でした。全日本の怖さを知りました」と振り返った。

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大島祐哉が金星 連覇目指した張本破り初の決勝進出

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス準決勝

世界ランク33位の大島祐哉(24=木下グループ)が2連覇を目指した同3位張本智和(15=エリートアカデミー)を4-3(11-8、11-4、1-11、11-8、8-11、4-11、11-9)で下し、金星で初めての決勝進出を決めた。

第1ゲームを11-8で制すと、第2ゲームを11-4と圧倒。サーブレシーブで積極的に攻めるなど、終始強気の攻めで主導権を握った。第4ゲームを終えて3-1としたが、張本が猛追。それでも最終第7ゲーム10-9から、しぶとく逃げ切った。

水谷隼(木下グループ)と組んだ前日19日の男子ダブルス準決勝では、木造勇人(愛知工大)張本組に敗退。Tリーグ「木下グループ」で後輩の張本に雪辱を果たし、京都生まれの24歳がその名を全国にアピールした。同日の決勝で初優勝を目指す。

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15歳張本智和、まさかの敗北で連覇&2冠逃す

全日本卓球選手権大会・男子シングルス準々決勝・張本智和対吉村真晴 雄たけびをあげ喜ぶ張本智和(撮影・上山淳一)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇男子シングルス決勝

昨年最年少優勝を飾った張本智和(15=エリートアカデミー)が大島祐哉(24=木下グループ)に2-3で敗れ、連覇とダブルスに続く2冠を逃した。

第1ゲームは8-11、第2ゲームは4-11と連取された。必死で気持ちを切り替え、第3ゲームは11-1と奪い返すも、第4ゲームを失い、1-3と敗色を濃厚とした。だが、スーパー中学生の真骨頂はここからだった。2連続でゲームを奪い、3-3と追いつく。劇的な逆転勝ちにあと一歩まで迫ったが、最後は相手の粘りに屈した。試合が終わると、呆然とした表情で立ちつくした。

昨年1月の全日本で日本一、同12月のワールドツアーファイナルを史上最年少で制して世界一になった15歳は最後まで全力を尽くした。序盤で2ゲーム連取され、一時は1-3と断崖絶壁もあきらめない。最終ゲームも開始から劣勢だったが、必死で食らいついたが、逆転はならなかった。

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14歳木原美悠、張本超えの史上最年少優勝に王手

女子シングルス準決勝 森さくら対木原美悠 森を下し決勝進出を決め喜ぶ木原(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇女子シングルス準決勝

14歳で快進撃を続ける木原美悠(みゆう、エリートアカデミー)が男女通じて最年少優勝へ、決勝進出を決めた。5年前に準優勝した森さくら(22=日本生命)を4-2で破った。同日の決勝で伊藤美誠(18)を破り14歳170日での優勝となれば、14歳208日で前回男子優勝の張本智和を抜き、史上最年少の王者となる。

「信じられないくらいうれしいです」。試合後、中学2年生はニコニコしながら素直な気持ちを口にした。

第1ゲームこそ6-11と失うが、焦りはない。第2ゲーム途中から流れをつかむと、11-4と奪い返す。第3ゲームは12-12から14-12と競り合いを制して、連取。完全に勢いに乗ると第4ゲームも取って勝利を決定づけた。テレビ解説の福原愛さんが「ひょうひょうとしている」と驚くほど、堂々としたプレーだった。

目標の存在にまた1歩近づいた。前日19日の準々決勝後、1学年上の張本についてふれた。「張本選手が去年、中学生で優勝して、その時に『自分も2年生になったら優勝したいな』と刺激を受けていました」。兵庫・明石市出身の中2は、右肩上がりで成長を遂げる男子の新星と、自らの1年後を重ね合わせた。

5回戦では2年前の女王平野美宇(日本生命)を破り、大きな注目を集めた。主戦場のはずだったジュニア女子では準決勝で大藤沙月(ミキハウスJSC)に0-3のストレートで敗れ、4強止まり。「ジュニアで負けて少し自信がなくなったけれど、気持ちを切り替えていけている」。決勝の伊藤戦へ「伊藤選手はすごく強い。思い切った自分のプレーを出して優勝したい」。あどけなさの残る14歳の勢いが止まらない。

女子シングルス準決勝 森さくら対木原美悠 森を下し決勝進出を決める木原(撮影・清水貴仁)

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伊藤美誠が「みまひな」対決制し2連覇へ王手

女子シングルス準決勝 伊藤美誠対早田ひな 早田(右)にストレート勝ちし決勝進出を決める伊藤(撮影・清水貴仁)

<卓球:全日本選手権>◇最終日◇20日◇丸善インテックアリーナ大阪◇女子シングルス準決勝

19日の女子ダブルスで2連覇した「みまひな」対決は、「みま」に軍配が上がった。伊藤美誠(18=スターツ)が4-0(11-7、11-9、11-7、11-9)で早田ひな(18=日本生命)を退け、2連覇へ王手をかけた。既に混合ダブルス、女子ダブルスを制しており、女子初の2年連続3冠にあと1歩だ。

昨日の友は今日の敵-。前日19日の女子ダブルスで共に笑った友を、伊藤が圧倒した。第1ゲームでいきなり4連続ポイントを奪うと、サーブにも工夫を凝らしながら11-7で先取。集中力を欠かすことなく、自分の展開に持ち込んだ。

「一番は『楽しんだもん勝ち』。(早田に)パワーで勝とうと思っても絶対に勝てない。(試合の)やり方っていうより、まずは自分の実力を出し切りたい」

その誓いを体現し、2年連続3冠に手をかけた。

女子シングルス準決勝 伊藤美誠対早田ひな 早田にストレート勝ちし決勝進出を決める伊藤(撮影・清水貴仁)

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