日刊スポーツ

札幌山の手・木津谷、代表へリーチと同じ東海大進学

札幌山の手高を卒業し、それぞれの進路での活躍を誓い合うラグビー部の木津谷(左)と女子バスケ部の舘山(撮影・浅水友輝)

札幌山の手ラグビー部前主将で全国高校大会の舞台に2度立ったSO木津谷勇輝前主将(18)も学びやに別れを告げた。

19年ワールドカップ(W杯)日本大会で主将を務めたOBリーチ・マイケル(32=東芝)と同じ東海大に進学する。「日本代表で活躍するという将来を描いている。リーチさんのように、そこに向けて良い道をたどれたら」。桜のジャージーを身にまとうために歩みは止めない。

主将として迎えた最後の花園。14-19で逆転負けした鹿児島実(鹿児島)戦は、残り3分で右足首を骨折し最後までグラウンドに立つことができなかった。「自分のラグビーを見つめ直す良い時間になった。無駄な時間ではなかった」。接触が伴い故障の多い競技。ケガの経験もプラスに捉えた。前日2月28日には1、2年部員と3年生で対決。まだプレーできず監督として挑んだ。後輩チームに敗れ「新チームはとても強かった。頼もしい」。前主将の最後の務めを果たした。

高校日本代表も集う強豪の東海大では一からのスタートだ。「トップレベルの選手が周りにいて、自分がしっかりラグビーをできれば必然的にうまくなる環境がある」。校舎の玄関に飾られたリーチのジャージーを横目に「いつか自分も飾りたい」と夢を描いた。

ラグビーNECが豊田自動織機を下す プレーオフトーナメント

トップリーグ豊田自動織機対NEC 後半NECのCTBベンハード・ヤンセヴァンレンスバーグはトライを決める(撮影・滝沢美穂子)

<ラグビー・トップリーグ:NEC25-24豊田自動織機>◇17日◇プレーオフトーナメント1回戦◇大阪・花園ラグビー場

NEC(トップリーグ白組8位)が、豊田自動織機(トップチャレンジリーグ1位)の挑戦を退けた。

元イングランド代表SOアレックス・グッド(32)が試合を決めた。2点を追う後半40分、相手陣22メートルライン付近中央からのPG。右足で冷静に3点を引き寄せ、逆転に成功した。前半8分に自身のPGで先制し、一時は10-0とリードしたが、後半3分に逆転トライを献上。追いかける展開が続いていた。

今季8試合目で初勝利を挙げ、2回戦は24日のサントリー戦(東京・秩父宮ラグビー場)。レッドカンファレンス(紅組)首位通過の強豪に勢いをぶつける。

トップリーグ豊田自動織機対NEC 前半豊田自動織機のWTBリサラシオシファはトライを決める(撮影・滝沢美穂子)

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ラグビー元日本代表FB正面健司が引退 今後は「珈琲淹れながらのんびり」

神戸製鋼FB正面。後方はCTBカワウ

ラグビー元日本代表で近鉄のFB正面健司(37)が、今季限りで引退することを16日、公表した。自身のインスタグラムに、以下のように報告した。

「今シーズンをもちまして、引退します。皆様の応援がいつも僕の背中を押してくれていました。ありがとうございます」

大阪・守口市生まれ。東海大仰星(現東海大大阪仰星)では1年生レギュラーとして、冬の全国高校ラグビーで優勝を経験。3大会連続で花園の地を踏み、華麗なステップとキックで注目を浴びた。同志社大学に進み、SO、FBなどをこなす万能選手として活躍。ドレッドヘアでトライを重ねる姿は個性的で、かつての大学ラグビー界のスター選手だった。大学時代の02年に、日本代表に初選出されている。

トップリーグのトヨタ自動車、神戸製鋼を経て、19年から出場機会を求めて近鉄(現トップチャレンジ)へ。

人気があり、記憶に残る選手だった正面は「丈夫に産んでくれた両親、支え続けてくれた妻、試合に出られなくなってもいつまでもヒーローのように思ってくれる息子たち、ありがとう。この歳まで必要としてくれたチームにも感謝しております」とつづった。

今後については「未定ですが、珈琲(コーヒー)淹(い)れながらのんびりやっていきます(原文まま)」としている。

04年10月3日、大体大戦で左サイドラインを独走しトライする同大FB正面(右)
06年12月16日、クボタ戦の後半13分、ゴール前38メートルのラックから左中間にトライを決めるトヨタFB正面

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松島のクレルモン試合延期 対戦相手に複数の感染者

ラグビーのフランス1部リーグは15日、ブリーブに複数の新型コロナウイルス感染者が出たため、17日に予定されていた松島幸太朗が所属するクレルモンとの対戦を延期すると公式ツイッターで発表した。(共同)

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ヤマハ発動機ヘル・ウベが日本代表候補選出 2019年W杯日本大会に出場

ヘル・ウベ(2020年1月7日撮影)

日本ラグビー協会は12日、本年度の男子日本代表候補52人を発表し、トップリーグのヤマハ発動機からは、2019年W杯日本大会に出場したロックのヘル・ウベ(30)が選ばれた。

今季のリーグ戦では全7試合に先発し、計4トライ。日本代表では16試合に出場している。来月24日発表の最終メンバー35人に残れば、同26日から6月8日まで、大分・別府市で代表合宿に参加する。

練習で守備選手と対するヤマハ発動機のヘル・ウベ(右)(2021年3月25日撮影撮影)

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ラグビー代表候補発表、福岡堅樹ら19年W杯から外れた選手は?

19年W杯の日本代表(2019年9月28日撮影)

日本ラグビー協会は12日、21年度の日本代表候補選手52人を発表した。

20年度は新型コロナウイルスの影響でテストマッチが行えず、過去最高の8強入りを果たした19年ワールドカップ(W杯)日本大会以来の代表活動となる。

同W杯日本代表からは31人中21人が候補入り。すでに現役引退したトンプソン・ルーク氏(39)や、4月に順大医学部へ入学し、今季限りで引退するパナソニックWTB福岡堅樹(28)らが抜けた。

ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(51、HC)は「W杯以降、代表から引退したプレーヤーもいれば、個人的な理由で代表選考の対象にならなくなったプレーヤーもいます。これによって、次の選手層にいるプレーヤーたちには、全力をぶつけて代表レベルでプレーできることを示すチャンスが与えられます」とコメントした。

19年W杯日本代表で、21年度の候補から外れた選手(敬称略)は以下の通り。

◆プロップ 木津悠輔(25=トヨタ自動車)

◆フッカー 北出卓也(28=サントリー)

堀江翔太(35=パナソニック)

◆ロック トンプソン・ルーク(39=現役引退)

◆フランカー ツイ・ヘンドリック(33=サントリー)

徳永祥尭(29=東芝)

◆SH 田中史朗(36=パナソニック)

流大(28=サントリー)

◆WTB 福岡堅樹(28=パナソニック)

◆FB ウィリアム・トゥポウ(30=コカ・コーラ)

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ラグビー日本代表候補にフィフィタら初選出 リーチ、稲垣啓太らも 

日本代表候補に入った天理大CTBフィフィタ=2020年11月22日

日本ラグビー協会は12日、21年度の日本代表候補選手52人を発表した。

20年度は新型コロナウイルスの影響で、予定していたテストマッチなどを行えず、代表活動は過去最高の8強入りを果たした19年W杯日本大会以来となる。

代表候補には同W杯代表フランカーのリーチ・マイケル(31=東芝)、プロップ稲垣啓太(30=パナソニック)、WTB松島幸太朗(28=クレルモン)らが名を連ね、フッカー堀江翔太(35=パナソニック)やSH田中史朗(36=キヤノン)らは外れた。1月の全国大学選手権で天理大を初優勝に導いたCTBシオサイア・フィフィタ(22=近鉄)らが初選出。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(51、HC)が継続して指揮を執る。

コロナ禍でニュージーランドに滞在中のジョセフHCは「今回のスコッドは、経験値のあるプレーヤーと今後代表でプレーしていくポテンシャルを持つプレーヤーのバランスがうまく取れています。これから(23年W杯フランス大会まで)の2年でチームの層を厚くしていく必要があり、今回のスコットランド遠征はそのスタート地点に過ぎません。35人の最終スコッドは5月の(トップリーグ)決勝が終わってから発表したい」とコメントを寄せた。

5月のトップリーグ終了後、代表の最大のターゲットは6月26日。イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドを代表する選手を集めて4年に1度編成される「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」とスコットランドでテストマッチを予定している。

この日発表された代表候補選手は以下の通り。

◆FW(29人)

浅岡俊亮(トヨタ自動車)

稲垣啓太(パナソニック)

バル・アサエリ愛(パナソニック)

垣永真之介(サントリー)

北川賢吾(クボタ)

具智元(ホンダ)

中島イシレリ(神戸製鋼)

クレイグ・ミラー(パナソニック)

森川由起乙(サントリー)

坂手淳史(パナソニック)

中村駿太(サントリー)

彦坂圭克(トヨタ自動車)

堀越康介(サントリー)

マーク・アボット(サニックス)

ビンピー・ファンデルバルト(NTTドコモ)

長谷川崚太(パナソニック)

ヘル・ウベ(ヤマハ発動機)

ジェームス・ムーア(サニックス)

リアキ・モリ(日野)

小沢直輝(サントリー)

ベン・ガンター(パナソニック)

ジャック・コーネルセン(パナソニック)

松橋周平(リコー)

ピーター・ラブスカフニ(クボタ)

リーチ・マイケル(東芝)

テビタ・タタフ(サントリー)

ナエアタ・ルイ(神戸製鋼)

アマナキ・レレイ・マフィ(キヤノン)

姫野和樹(トヨタ自動車)

◆BK(23人)

荒井康植(キヤノン)

小山大輝(パナソニック)

斎藤直人(サントリー)

茂野海人(トヨタ自動車)

田村優(キヤノン)

前田土芽(NTTコミュニケーションズ)

松田力也(パナソニック)

江見翔太(サントリー)

ジョネ・ナイカブラ(東芝)

シオサイア・フィフィタ(近鉄)

中野将伍(サントリー)

松島幸太朗(クレルモン)

アタアタ・モエアキオラ(神戸製鋼)

レメキ・ロマノ・ラバ(サニックス)

梶村祐介(サントリー)

シェーン・ゲイツ(NTTコミュニケーションズ)

中村亮土(サントリー)

ディラン・ライリー(パナソニック)

ラファエレ・ティモシー(神戸製鋼)

尾崎晟也(サントリー)

野口竜司(パナソニック)

ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタ)

山中亮平(神戸製鋼)

日本代表候補に入ったリーチ・マイケル=2014年11月8日

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キヤノンNO8マフィ初出場1トライ ラグビートップリーグ

トップリーグプレーオフトーナメント組み合わせ

<ラグビー・トップリーグ>◇最終節◇11日◇東京・駒沢陸上競技場ほか◇4試合

紅組は首位サントリーがNTTコミュニケーションズに94-31で大勝してリーグ戦を7戦全勝で終え、1位でプレーオフトーナメントに進んだ。トヨタ自動車はクボタに25-24で競り勝って6勝目(1敗)を挙げて2位。クボタは5勝2敗の3位となった。白組のキヤノンはNECに71-24で大勝した。プレーオフトーナメントは、下部トップチャレンジリーグの上位4チームを含めた20チームで17日から行われる。

3月に加入したばかりのキヤノンNO8マフィが初出場し、1トライを挙げた。後半5分に退いたが「新しいチームメートが近くに寄り添ってくれた」と感謝。

沢木監督も「これからどんどん良くなっていく」と期待を込めた。日本代表としてワールドカップ(W杯)2大会に出場した実績は十分でプレーオフへ大きな戦力になりそうだ。初戦のは古巣のNTTコミュニケーションズが相手と決まり、マフィは「頑張ります」と気を引き締めていた。

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サントリー全勝で17日開幕のプレーオフへ ラグビートップリーグ

トップリーグプレーオフトーナメント組み合わせ

<ラグビー・トップリーグ>◇最終節◇11日◇東京・駒沢陸上競技場ほか◇4試合

紅組は首位サントリーがNTTコミュニケーションズに94-31で大勝してリーグ戦を7戦全勝で終え、1位でプレーオフトーナメントに進んだ。

トヨタ自動車はクボタに25-24で競り勝って6勝目(1敗)を挙げて2位。クボタは5勝2敗の3位となった。白組のキヤノンはNECに71-24で大勝した。プレーオフトーナメントは、下部トップチャレンジリーグの上位4チームを含めた20チームで17日から行われる。

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トップリーグ得点王はNZ代表バレット、リーグ戦全日程終了

サントリーSOバレット(2021年3月27日撮影)

ラグビーのトップリーグ(TL)は11日、2組に分かれたリーグ戦を終えた。

順位はトップリーグ(TL)16チーム、トップチャレンジリーグ(TL2部相当)上位4チームが参加するプレーオフトーナメント(17日開始)に反映される。得点王にはニュージーランド代表のサントリーSOボーデン・バレット(29)が輝いた。

リーグ全日程を終えての順位と表彰者は以下の通り。

◆レッドカンファレンス(紅組)

〈1〉サントリー(勝ち点34)

〈2〉トヨタ自動車(同28)

〈3〉クボタ(同25)

〈4〉NTTコミュニケーションズ(同17)

〈5〉東芝(同16)

〈6〉ホンダ(同6)

〈7〉三菱重工相模原(同6)

〈8〉サニックス(同5)

◆ホワイトカンファレンス(白組)

〈1〉パナソニック(同31)

〈2〉神戸製鋼(同29)

〈3〉NTTドコモ(同17)

〈4〉リコー(同17)

〈5〉キヤノン(同16)

〈6〉ヤマハ発動機(同15)

〈7〉日野(同7)

〈8〉NEC(同1)

◆最多トライゲッター

テビタ・リー(サントリー)10トライ=初受賞

マロ・ツイタマ(ヤマハ発動機)10トライ=初受賞

◆得点王

ボーデン・バレット(サントリー)128得点(6トライ、37ゴール、8PG)=初受賞

◆ベストキッカー

田村優(キヤノン)キック成功率87・5%(ゴール21回中19回成功の90・48%、PG3回中2回成功の66・7%)=初受賞

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クボタ終了間際に悪夢「こういう試合はいい気持ちじゃない」反則退場響く

トヨタ自動車対クボタ 後半ロスタイムにトライ後の逆転ゴールを決め喜ぶトヨタ自動車の選手ら(撮影・和賀正仁)

<ラグビー・トップリーグ:トヨタ自動車25-24クボタ>◇最終節◇11日◇レッドファレンス(紅組)◇大阪・花園ラグビー場

クボタが、ラスト1プレーで逆転負けを喫した。

6点リードの後半30分、40分にWTBゲラード・ファンデンヒーファー(31)がPGを狙ったが失敗。同42分に相手WTB高橋のトライ、SOクロニエのゴールを許し、逆転された。

前半38分にはプロップ山本剣士(23)、同41分には19年W杯日本代表フランカーのピーター・ラピース・ラブスカフニ(32)が反則の繰り返しによる10分間の一時退場(シンビン)。13人で戦う場面もある中で粘っていた。15年W杯日本代表CTB立川理道主将(31)は「点差を見てもらえれば分かる。すごく残念ですが、ここからしっかりと自分たちを立て直すことが大事。この負けが、この先のプレーオフに向けて重要になってくる。少し時間は空くが、修正しながら戦っていきたい」と力を込めた。

試合前時点で同じ勝ち点だったトヨタ自動車に敗れ、紅組3位通過。順位はトップリーグ(TL)16チーム、トップチャレンジリーグ(TL2部相当)上位4チームが参加するプレーオフトーナメント(17日開始)に反映される。

クボタの初戦は24日の2回戦(東京・江戸川区陸上競技場)。存在感が光る19年W杯南アフリカ代表フッカーのマルコム・マークス(26)は「こういう形の試合は毎回、いい気持ちじゃない。学ぶことが一番大事。良かった部分をポジティブに捉えて、そこをさらに上げていく。良くなかった部分を改善する」と成長を誓った。【松本航】

トヨタ自動車対クボタ 後半ロスタイム、右に展開したトヨタ自動車はWTB高橋(左)が右隅にトライを奪う(撮影・和賀正仁)
トヨタ自動車対クボタ 後半ロスタイム、右に展開したトヨタ自動車はWTB高橋が右隅にトライを奪う(撮影・和賀正仁)
トヨタ自動車対クボタ 後半、ペナルティーからトヨタ自動車ロック・フェツアニラウタイミが持ち出し中央に逆転のトライを奪う(撮影・和賀正仁)
トヨタ自動車対クボタ 後半ロスタイム、右に展開したトヨタ自動車はWTB高橋(左)が右隅にトライを奪う(撮影・和賀正仁)

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花園で2日連続サヨナラ劇!トヨタが土壇場で逆転し紅組2位通過決める

トヨタ自動車対クボタ 後半ロスタイム、右に展開したトヨタ自動車はWTB高橋(左)が右隅にトライを奪う(撮影・和賀正仁)

<ラグビー・トップリーグ:トヨタ自動車25-24クボタ>◇最終節◇11日◇レッドファレンス(紅組)◇大阪・花園ラグビー場

花園で2日連続の“逆転サヨナラ劇”が生まれた。

トヨタ自動車がラスト1プレーの劇的な逆転勝利で、紅組2位通過を決めた。

6点を追う後半42分、今季売り出し中のWTB高橋汰地(24)がトライ。SOライオネル・クロニエ(31)がゴールキックを成功させ、土壇場で逆転した。常翔学園高(大阪)、明大を経て19年に加入した高橋は試合後に笑顔で明かした。

「昨日行われていた神戸製鋼-(NTT)ドコモの試合を思い出して『うわ、これ、劇的なやつ、あるかもしれん!』って考えていました。疲れているのは両チーム一緒。ボールが回ってきて『チャンスがあれば行くぞ!』とイメージしていました」

花園では前日10日に白組の神戸製鋼とNTTドコモが対戦。3点を追う神戸製鋼が後半43分、フッカー松岡賢太(23)の逆転トライで白星をつかんでいた。

クボタとは試合前時点で同じ勝ち点24。2位を懸けた注目の一戦を控え、サイモン・クロン・ヘッドコーチ(HC、45)からは「84分(後半44分)、85分(同45分)…。最後まで戦い抜くこと」と全員に落とし込まれていた。高橋は「接点が激しくなる展開は予想できていた。最後の最後まで、諦めずにプレーし続けたことが勝ちにつながった。まずはホッとしています」と穏やかな表情で振り返った。

この日で組内の順位が全て確定。紅組はサントリーが7戦全勝の首位。トヨタ自動車が6勝1敗の2位、クボタが5勝2敗の3位となった。順位はトップリーグ(TL)16チーム、トップチャレンジリーグ(TL2部相当)上位4チームが参加するプレーオフトーナメント(17日開始)に反映される。

トヨタ自動車のクロンHCは「この7節で非常にラグビーの経験が増えた。素晴らしいリーダーもそろっている。今後も自分たちのやることに集中する」と次の舞台を見据えた。目指す場所は頂点だ。【松本航】

トヨタ自動車対クボタ 後半ロスタイム、右中間から逆転のゴールを決めるトヨタ自動車SOライオネル・クロニエ(撮影・和賀正仁)
トヨタ自動車対クボタ 後半ロスタイム、右に展開したトヨタ自動車はWTB高橋が右隅にトライを奪う(撮影・和賀正仁)
トヨタ自動車対クボタ 後半ロスタイム、右に展開したトヨタ自動車はWTB高橋が右隅にトライを奪う(撮影・和賀正仁)
トヨタ自動車対クボタ 後半ロスタイムにトライ後の逆転ゴールを決め喜ぶトヨタ自動車の選手ら(撮影・和賀正仁)

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NTTドコモが神戸製鋼に2点差惜敗、「0-97」大敗から1年で何が…

神戸製鋼(右奥)がNTTドコモにトップリーグ史上最多得点差となる97-0で大勝(2020年2月2日撮影)

<ラグビー:トップリーグ・神戸製鋼31-29NTTドコモ>◇最終節◇10日◇ホワイトカンファレンス(白組)◇大阪・花園ラグビー場

「0-97」の屈辱的大敗は、1年2カ月後に「29-31」になった。

10日、大阪・花園ラグビー場で行われたラグビーのトップリーグ(TL)最終節。NTTドコモは同じ関西の神戸製鋼に立ち向かった。後半最後のプレーまで29-26とリード。だが、あと1歩で逆転トライを許した。一時、勝ち越しのPGを決めていたSOマーティ・バンクス(31)が言った。

「僕自身、去年神戸製鋼と試合をして、苦い思い出があった。今日は最後の最後まで勝てると思っていた。去年の結果を踏まえると涙が出そうなぐらい、本当にみんなが誇らしかった」

20年2月2日、神戸ユニバー記念競技場。新型コロナウイルスの影が、近づき始めていた時期だった。

昨季のTL第4節。NTTドコモは0-97で神戸製鋼に敗れた。

「早く終わってくれ…」 15トライを許し、ある選手はそう願うほどだった。

コロナ禍のため第6節で打ち切りとなり、迎えた今季。ヨハン・アッカーマン新ヘッドコーチ(HC、50)が就任した。取材でも、口癖のように繰り返した。

「昨季のことは忘れてほしい。過去のことは振り返らない。真新しいチームと思ってほしい」

母国南アフリカでは年間最優秀コーチ賞を3度受賞。20年10月下旬の合流当初は「練習と練習の合間に、なぜ歩く。歩いている選手も悪いが、見過ごす周りも残念だ」と語気を強めた。昨季は少なかったコンタクト練習が増えた。選手は「きつい…」と苦しみながらも、歯を食いしばった。

ニュージーランド代表SHのTJ・ペレナラ(29)や、南アフリカ代表WTBマカゾレ・マピンピ(30)ら新加入の世界的スターも自宅から練習場へ地下鉄で移動。南アフリカ出身で19年W杯日本代表のフランカー、ビンピー・ファンデルバルト(32)が日本語と英語を用いて意思疎通の懸け橋になった。目線は少しずつそろい、今季は開幕から3連勝。自信が加わった。

この1年で、どこが変わったのか-。

神戸製鋼戦後のオンライン記者会見。その質問に、バンクスは力強く答えた。

「それぞれが『信じる』というところ。ハードな練習をやり、自信がついてきた。『もっとやれる』と信じてやってきた。もう1つ大きな要因は、新しい人たちがチームに入ってきた。TJはほめると調子に乗るからほめたくないけれど、TJには経験がある。そして(HCの)ヨハンが、うまくまとめてくれている」

NZ代表経験のないバンクスに褒められ、隣で同国69キャップのペレナラが大爆笑していた。

ホワイトカンファレンス(白組)で4勝3敗。同組を3位で通過し、戦いの場はプレーオフトーナメント(17日開始)に移る。「トップ8」の目標達成まで、あと1勝。膨らむ期待をよそに、アッカーマンHCの口調は冷静なままだった。

「正直、先のことを予想するのが、あまり好きではありません。トーナメントなので、どのチームにもチャンスがある。それを踏まえて、自分たちにフォーカスするのが一番。しっかりとやることをやっていく。僕は結果にこだわらない。プロセスをやると、結果がついてくる」

トーナメント初戦は2週間後の25日。「あと2点」の悔しさも、NTTドコモを強くする。【松本航】

神戸製鋼対NTTドコモ 前半、3つ目のトライを決める神戸製鋼NO8ナエアタ(左)(2020年2月2日撮影)

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ラグビーでは珍しい延長戦に姫野「ああいう風に負けるとさらに悔しい」

チーフス戦後に思いを語るハイランダーズNO8姫野和樹

<スーパーラグビー(SR)アオテアロア:チーフス26-23ハイランダーズ>◇第7節◇10日◇ニュージーランド(NZ)ダニーディン

ハイランダーズで先発した19年W杯日本代表NO8姫野和樹(26)が、珍しい体験を振り返った。

後半23分までプレー。試合は23-23で「ゴールデンポイント方式」の延長戦(10分間)に突入した。DG、PG、トライのいずれかで、先に得点したチームが勝利。ラグビーは延長戦を採用せずに「引き分け」とすることが多いため、姫野は新鮮な心境を明かした。

「『(得点が味方に)入れ~!』っていう気持ちと『(相手に)入るな~!』っていう気持ちの2択ですね。(仲間に)『ノーペナルティー!』ばっか言っていました。なかなかない経験。ああいう状況で、ああいう風に負けると、さらに悔しい思いが強いですね」

NZ代表として豊富な経験を持つ相手FBダミアン・マッケンジー(25)の“サヨナラPG”に悔しさをにじませた。

12日に21年度の日本代表候補選手が発表される予定。新型コロナウイルスの影響で、代表活動は19年W杯日本大会以来となる。姫野は率直な思いを口にした。

「代表活動からだいぶ離れている。他の国はシックスネーションズ(欧州6カ国対抗)だったり、オーストラリア、NZも(代表活動を)やっていますし、若干、焦る部分があります。ただ、トップリーグを見ていても、本当にレベルが高いし、いい選手もたくさんいる。焦らずにやれればいい。また選ばれれば代表合宿や(6月にブリティッシュ&アイリッシュ)ライオンズ戦もありますし、そこに向けてやっていきたい。まずはNZで結果を残すのが大事。自分の足元を見て頑張りたいです」

次節は16日、本拠地ダニーディンでブルーズと戦う。1つ1つの経験を、次に生かす。【松本航】

チーフス戦後に思いを語るハイランダーズNO8姫野和樹

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劇的勝利の神戸製鋼ラストプレーで一致した思い「トライを取りにいきたい」

神戸製鋼フッカー松岡(21年4月撮影)

<ラグビー:トップリーグ・神戸製鋼31-29NTTドコモ>◇最終節◇10日◇ホワイトカンファレンス(白組)◇大阪・花園ラグビー場

神戸製鋼(ホワイトカンファレンス=白組)が、劇的勝利で2位通過した。3点を追う後半ロスタイム、最後のプレーで途中出場のフッカー松岡賢太(23)が逆転トライを挙げ31-29でNTTドコモに勝った。現体制となった18年以降のリーグ無敗(21勝2分け)を守った。パナソニックは同組首位が決定。11日の最終節4試合で順位が確定し、トップリーグ(TL)16チームとトップチャレンジリーグ(TL2部相当)4チームのプレーオフトーナメント(17日開幕)に入る。

    ◇    ◇    ◇

底力だった。神戸製鋼は3点を追う後半42分、敵陣の左中間で得たペナルティー。PGが決まれば同点。フランカーのフランクリン主将が問いかけた。

「俺はトライを取りにいきたい。どう思う?」

仲間も同じ思いだった。

「そうしよう」

ラインアウトでボールを確保。最後のプレーでFWがモールを押し込んだ。飛び込んだのは途中出場の松岡。20年春に明大から入部した23歳は「初トライで勝利に貢献できて、うれしい気持ちでいっぱい」と笑った。

昨季97-0で圧倒した相手の勢いにのみ込まれた。それでも焦らない。18-19年シーズン、ニュージーランド代表コーチとしてW杯2連覇に導いたスミス総監督らが就任して優勝。常勝の土台を作り、体制3季目の今季は選手同士の教え合いが増えた。35歳のプロップ山下裕は「FW第1列は『先発、リザーブで1試合』と考えています」と仲間意識を明かす。出場2試合目で大仕事を果たした松岡は「プレッシャーが懸かる場面を予測して、そういう意識で日々練習していました」と胸を張った。

新型コロナウイルスの影響で昨季は第6節で打ち切り。2連覇を狙う王者は簡単に負けない。【松本航】

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NTTドコモ惜敗もNZ代表ペレナラ闘志「俺が止めた」体張ってトライ阻止

NTTドコモのTJ・ペレナラ(20年12月20日)

<ラグビー:トップリーグ・神戸製鋼31-29NTTドコモ>◇最終節◇10日◇ホワイトカンファレンス(白組)◇大阪・花園ラグビー場

NTTドコモに今季加入したニュージーランド(NZ)代表SHのTJ・ペレナラ(29)が、大善戦の立役者となった。

昨季は0-97と完敗した相手に、後半42分まで29-26。最後の1プレーで逆転トライを許し「泥臭いファイトになると思っていた。選手みんなのプレーぶりが誇らしい。最後に勝ちきるところ、判断のところは、まだまだ学んでいかないといけない」と穏やかな表情で振り返った。

数多い見せ場の1つが、1点リードの前半22分だった。

相手CTBベン・スミス(34)が味方防御ラインをかいくぐって突進。インゴールまで進み、後はボールを置くだけ…という場面で、ペレナラはボールと地面の間に体を入れた。ビデオ判定の結果、ノートライ。仮にトライで主導権を握られていれば、展開は変わっていた可能性があった。

スミスとはNZ代表「オールブラックス」で共にプレー。15年W杯イングランド大会の優勝、19年W杯日本大会の3位を勝ち取った“戦友”だった。

「俺が止めた」

「(トライを)狙っているの、分かっていたぞ」

試合中、そう声をかけたというペレナラは笑った。

「ラック周辺のチャンスを、スミスはいつも狙っている。そこは対応しようとしました」

世界レベルのマッチアップで、4879人の観衆を魅了した。

リーグ全7試合を終えて4勝3敗。チームは白組3位と“台風の目”になった。NZ代表が試合前に披露する「ハカ」でリーダーを務めるペレナラは、苦しんできたNTTドコモの立て直しに大きく貢献した。

11日に行われる最終節4試合の結果を踏まえ、組内の順位が全て確定。順位はトップリーグ(TL)16チーム、トップチャレンジリーグ(TL2部相当)上位4チームが参加するプレーオフトーナメント(4月17日開始)に反映される。

ここからは一発勝負。ペレナラの言葉は頼もしい。

「3位はうれしいこと、誇らしいことですが、勝てる試合を落としてきている。成長しないといけない。トーナメントも僕は全試合勝つつもりで来ている。そのために日本に来ました」

初戦となる2回戦は25日、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場でレッドカンファレンス(紅組)6位と戦う。チームが目標に掲げる「トップ8」まで、あと1勝。野望を抱くペレナラは、そこに満足しない。【松本航】

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パナソニックの福岡堅樹が“医学生初トライ” ヤマハに圧勝し首位通過

パナソニックWTB福岡(左)(2021年2月20日撮影)

<ラグビー・トップリーグ:パナソニック55-19ヤマハ発動機>◇最終節◇10日◇ホワイトカンファレンス(白組)◇埼玉・熊谷ラグビー場

パナソニックがヤマハ発動機に55-19で圧勝し、ホワイトカンファレンス首位通過を決めた。

前半1分、SO山沢拓也のキックパスを相手が取りこぼし、それを拾ったWTB竹山晃暉が約30メートル独走して先制トライ。その後も2トライを奪い、前半を21-12で終えた。

後半もパナソニックペースで試合が進んだ。同39分には、途中出場のWTB福岡堅樹がダメ押しトライ。6日に順大医学部に入学し、“医学生初トライ”となった。試合後、テレビインタビューに応じた28歳の医学生は「最後まで残り限られた試合かもしれないが、みなさんの記憶に残るようなプレーをしたい」とファンへメッセージを送った。

この日は今季限りで現役引退を表明してる福岡と、ヤマハ発動機のFB五郎丸歩との競演も期待されていた。しかし、控えの福岡が後半に途中出場、先発の五郎丸が前半途中に交代したため実現しなかった。

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神戸製鋼、劇的逆転で無敗守る ラスト1プレーで松岡トライ

神戸製鋼フッカー松岡(21年4月撮影)

<ラグビー:トップリーグ・神戸製鋼31-29NTTドコモ>◇最終節◇10日◇ホワイトカンファレンス(白組)◇大阪・花園ラグビー場

神戸製鋼が劇的な逆転勝利で、無敗を守った。3点を追い、後半40分のホーンを聞いた後のラスト1プレー。ゴール前左ラインアウトからモールを作り、最後は途中出場のフッカー松岡賢太(23)がインゴールに飛び込んだ。31-29。花園がどよめいた。

京都成章高、明大を経て20年春に入部した松岡は「初トライでチームの勝利に貢献できて、うれしい気持ちでいっぱいです。プレッシャーがかかったり、フッカーで(ラインアウトからのモールは)ストレスを感じる部分でしたが、練習からリザーブと決まっていて、ああいう場面で(ラインアウトの)スローイングをすると予測して、そういうマインドで日々練習していました。自信を持って、投げることができました」と一連のプレーを喜んだ。

新型コロナウイルスの影響により、第6節で打ち切りになった昨季は第4節(20年2月2日)でNTTドコモと対戦。97-0と完勝したが、今回はニュージーランド代表SHペレナラらが加入し、生まれ変わった相手に苦戦を強いられた。それでも18-19年シーズンから続くリーグ戦無敗を維持。前節はパナソニックと引き分けており、6勝1分けでパナソニックに次ぐ2位通過。NTTドコモは4勝3敗で3位が決まった。

11日に行われる最終節4試合の結果を踏まえ、組内の順位が全て確定。順位はトップリーグ(TL)16チーム、トップチャレンジリーグ(TL2部相当)上位4チームが参加するプレーオフトーナメント(4月17日開始)に反映される。ここからは一発勝負が続き、頂点を懸けた戦いに移る。【松本航】

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男子7位、女子5位 ラグビー7人制の国際大会

ラグビー7人制の国際大会が9日、ドバイで行われ、男子の日本は準々決勝でカナダに12-29で屈した。順位決定戦に回った日本はウガンダに19-24で敗れた後、スペインを26-14で下し、7位だった。

6チームで争う女子の日本は1次リーグで米国に0-31、フランスに5-43で敗れ、通算1分け4敗。順位決定戦でケニアを43-0で退け、5位で終えた。(共同)

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日本男子は1次リーグ1勝2敗、女子2敗1分け 7人制ラグビー

<ラグビー7人制:国際大会>◇8日◇ドバイ

8チームが2組に分かれた男子の1次リーグで日本はフランスに21-26、アルゼンチンに10-28で敗れ、チリに21-12で勝って1勝2敗だった。9日の準々決勝でカナダと対戦する。

6チームで争う女子の日本は総当たりの1次リーグでブラジルに14-24、カナダに0-28、ケニアに10-10で引き分けた。(共同)

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ラグビー五郎丸歩2戦連続先発「勢いづけるプレーを」 10日リーグ最終戦

チームメートにアドバイスを送るヤマハ発動機の五郎丸

ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機の元日本代表FB五郎丸歩(35)が8日、磐田市内でチームの練習に参加し、10日のリーグ戦最終第7節パナソニック戦(埼玉・熊谷)に向けて調整した。この日、前節NTTドコモ戦に続く2試合連続の先発が決定。副将として出場することについて、「リーダーらしく、チームを勢いづけるプレーをしたい」と意気込んだ。

2019年W杯日本代表の堀江翔太(35)や福岡堅樹(28)と対する。「楽しみ。一緒のピッチでプレーできることが光栄」。相手は5勝1分けでホワイトカンファレンス首位。ヤマ発は3勝3敗の同4位で、劣勢が予想される。五郎丸は「NTTドコモに勝ったことを過信することなく、チャレンジャーの気持ちで勝ちにいく」と気を引き締めた。17日開幕のプレーオフは、負ければ敗退のトーナメント。パナソニックを下し、2連勝で弾みをつけたい。【倉橋徹也】

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日本ラグビー協会が新リーグ創設へ主管権委譲 6月から自主独立運営

日本ラグビー協会は7日、トップリーグ(TL)を刷新して来年1月に開幕する新リーグ創設に向け、TL改革のために設立された一般社団法人に興行、運営する主管権を委譲したと発表した。

4月1日付。協会が担ってきた新リーグへの設立準備や運営主体が移り、今季TL終了後の6月からこの法人が自主独立運営するとしている。これに伴い、協会の新リーグ法人準備室と新リーグマーケティング法人準備室の業務は、法人に設置する新リーグ共同検討委員会に引き継ぐ。新リーグの1~3部に所属するチームの振り分けについては、これまで通り日本協会の審査委員会が行う。

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パナソニックと神鋼ドロー「雨」が強豪激突を演出

神戸製鋼対パナソニック パナソニックと引き分けた神戸製鋼フィフティーンはファンにあいさつの後、グラウンドを引き揚げる(撮影・上田博志

<ラグビー・トップリーグ:神戸製鋼13-13パナソニック>◇第6節◇3日◇ホワイトカンファレンス(白組)◇神戸ユニバー記念競技場

<ラグビー・トップリーグ:神戸製鋼13-13パナソニック>◇第6節◇3日◇ホワイトカンファレンス(白組)◇神戸ユニバー記念競技場

終始たたきつけるように振った「雨」が、がっぷり四つの激闘を演出した。

13-13の試合最終盤。途中出場したパナソニックFB山沢拓也(26)が、場内をどよめかせた。相手陣で防御ライン裏にキック。捕球した味方から受けたボールを、再度足で転がせた。

インゴールで転々とするボールにCTBディラン・ライリー(23)が全力疾走。最も近くまで迫り、あとは押さえるだけだった。

だが、ボールはインゴールの外へと飛び出し、8523人の観客のため息に包まれた。勝ち越しのトライには至らなかった。

数秒後に後半40分を告げるホーンがなった。雨でぬれたピッチがボールの転がりにも影響を与え、ロビー・ディーンズ監督(61)は「もう少しで試合に(勝利という)インパクトが与えられた。彼は試合にスパークを与えてくれる」と存在感を放った山沢を評した。

約3年半ぶりとなった東西の強豪対決。開幕5連勝同士の一戦はラグビー王国ニュージーランドでも生中継される注目ぶりだった。

前半はPG2本ずつで6-6。神戸製鋼は後半3分にWTB井関信介(25)が味方のキックパスを右隅で押さえて勝ち越したが、同11分に相手SH内田啓介(29)のトライなどで追いつかれた。パナソニック戦は試合前時点で15連敗中。03年から勝ちがない中で、試合に決着をつけるチャンスは後半37分に巡ってきた。

ゴールほぼ中央、45メートルの位置で得たペナルティー。今季新加入で途中出場だった元ニュージーランド代表SOアーロン・クルーデン(32)はゴールポストを指さし、自らPGを蹴った。横風が吹いていた。

「ボールの当たりは良かった。でも振り返って、もう1回、同じ時間を過ごすなら、ボールを置く時に真ん中にしたい。(風の影響を考慮して)少し右に寄せて置いたら、右に外れた」

11年W杯ニュージーランド大会で優勝に貢献した名司令塔でさえ、天候の影響が繊細な感覚を狂わせた。

10日の最終節を残し、パナソニックが勝ち点26で白組1位。同1差で神戸製鋼が追う。今節の結果で両チームの同組2位以内が決まった。プレーオフトーナメント(17日開始)で再戦する可能性は、決勝(5月23日、東京・秩父宮ラグビー場)に限られる。

パナソニックのディーンズ監督は、冷静に言った。

「両チームともにプラン、戦術をもって臨んだ。戦術の実行はこの天候もあり、両チームとも持っているスキルが出せなかった。もう1度、対戦する時には、またいい試合になると思います」

この日、トップリーグ100試合出場を飾った神戸製鋼のフランカー橋本大輝(34)には、持ち越しとなったパナソニック戦の自身初勝利が近づいた手応えがあった。

「天候のせいにする訳じゃないけれど、もっと戦えたんじゃないかなと思う。2009年に入部して戦ってきたが、今回が一番、勝つ可能性があった感じの試合内容だった。神戸製鋼も年々強くなっている。(引き分けを)ポジティブにとらえたい」

激闘の続きを、誰もが待ちわびている。【松本航】

神戸製鋼対パナソニック 後半、ボールを持って敵陣へ走り込むパナソニックWTB福岡堅樹。右はフッカー堀江翔太(撮影・上田博志)
神戸製鋼対パナソニック 後半、中央へ走り込みガッツポーズでトライを決めるパナソニックSH内田啓介(撮影・上田博志)
神戸製鋼対パナソニック 前半、パナソニックCTBライリーに強烈なタックルをかます神戸製鋼CTBスミス(撮影・上田博志)

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神戸製鋼-パナソニック 開幕5連勝対決は引き分け

神戸製鋼対パナソニック 前半、パナソニックCTBディラン・ライリーに強烈なタックルをかます神戸製鋼CTBベン・スミス(撮影・上田博志)

<ラグビー・トップリーグ:神戸製鋼13-13パナソニック>◇第6節◇3日◇ホワイトカンファレンス(白組)◇神戸ユニバー記念競技場

約3年半ぶりに顔を合わせた神戸製鋼とパナソニックの開幕5連勝対決は引き分けとなった。

三洋電機時代を含めてパナソニック戦15連敗中の神戸製鋼は前半6分、SOパーカーのPGで先制。相手SO松田のPG2本で逆転されたが、後半3分にはWTB井関が勝ち越しのトライを奪った。

追うパナソニックは後半11分にSH内田のトライ、SO松田のゴールで同点。終了間際には途中出場のBK山沢がキックを用いて、トライまであと1歩に迫ったが、勝ち越せなかった。ディーンズ監督は「戦術の実行はこの天候(雨)もあり、両チームとも持っているスキルが出せなかった。もう1度対戦する時には、またいい試合になると思います」と前向きに振り返った。

最終節は神戸製鋼がNTTドコモとの関西勢対決(10日、大阪・花園)に臨み、パナソニックはヤマハ発動機戦(10日、埼玉・熊谷)。組内の順位はトップリーグ(TL)16チーム、トップチャレンジリーグ(TL2部相当)上位4チームが参加するプレーオフトーナメント(4月17日開始)に反映される。神戸製鋼で共同主将を務めるSH日和佐は「雨の状況で、タフなゲーム。自分たちの今の立ち位置が分かった、いいゲームになりました」とさらなる成長を誓った。

頂点を目指すトーナメントで再戦の可能性もあり、今後に期待を抱かせる戦いとなった。【松本航】

神戸製鋼対パナソニック 前半、靴ひもを結んで気合を入れる神戸製鋼CTBベン・スミス(撮影・上田博志)
神戸製鋼対パナソニック 前半、同点となるPGを決める神戸製鋼SOヘイデン・パーカー(撮影・上田博志)
神戸製鋼対パナソニック 後半、右隅に飛び込み勝ち越しトライを決める神戸製鋼WTB井関信介(撮影・上田博志)

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男子日本は1勝2敗 7人制ラグビー国際大会

ラグビー7人制の国際大会が2日、ドバイで行われ、8チームが2組に分かれた男子の1次リーグで日本はカナダに21-45、アルゼンチンに14-31で敗れ、ウガンダには19-12で勝って1勝2敗とした。

7チームの総当たりで争う女子の日本はケニアに19-14で勝ったが、米国に12-43、フランス1に0-26、ブラジルに19-31で敗れて1勝3敗となった。3日に順位を決め、8、9日にもう1大会を実施する。

代表候補選手で臨んだ日本は新型コロナウイルスの影響で男子が昨年3月、女子は昨年2月以来の国際大会出場となった。(共同)

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松島トライで勝利貢献 欧州チャンピオンズC

<ラグビー:欧州チャンピオンズカップ>◇3日◇コベントリーほか

各地でベスト16による決勝トーナメント1回戦が行われ、クレルモン(フランス)の松島幸太朗はアウェーでワスプス(イングランド)戦にFBでフル出場し、後半40分をすぎてからのトライで27-25の勝利に貢献した。

松島は20-25の後半42分に巧みなステップからトライを決めて同点に追い付き、味方のゴールで勝ち越した。

大会は新型コロナウイルスの影響で1次リーグの途中で中断。大会方式を変更し、各組上位8チームが決勝トーナメントに進んだ。(共同)

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バラバラ練習着で結束高めた神鋼、試金石の大一番

第5節ヤマハ発動機戦前日の26日にルーツのあるチームのジャージー姿で時間を共有した神戸製鋼の選手たち(神戸製鋼提供)

ラグビーのトップリーグ(TL)で18年からリーグ20連勝中(引き分け挟む)の神戸製鋼は、さまざまな仕掛けを用いてチームの土台作りをしている。

今季も開幕5連勝を飾った第5節ヤマハ発動機戦前日の3月26日、普段は統一されている練習着がバラバラだった。赤、青、黄、緑、白…。横じまのボーダーだった選手も多かった。

19年ワールドカップ(W杯)日本代表FB山中亮平(32)は、3年時に日本一をつかんだ大阪・東海大仰星高(現東海大大阪仰星)のジャージーを着用し、15年W杯同代表プロップ山下裕史(35)の左胸には「都島工」と記されていた。集合写真を見れば、明るい雰囲気が一目瞭然だ。

この日、選手がかつて袖を通したジャージーを持ち寄った。企画の狙いは、それをフックにしたコミュニケーション。近年、同様の取り組みを行ってきた。

新型コロナウイルス感染拡大前はビールを片手に、仲間に自らのルーツを説明していた。フランカー橋本大輝(34)は「お互いのことを知るのが目的」。元ニュージーランド(NZ)代表WTBベン・スミス(34)は、来日時から荷物にジャージーを忍ばせていたという。入団1年目の世界的スターも「重要なことだと思う。『どこのクラブ?』『そのチームはどんなチームだった?』とチームメートを深く知ることができる」と効果を口にしていた。

NZ代表アシスタントコーチとしてW杯2連覇に導いたウェイン・スミス総監督、デーブ・ディロン・ヘッドコーチの首脳陣となって3季目。その大きな壁となるのが4月4日の第6節で対戦(神戸ユニバー記念競技場)するパナソニックだ。03年(パナソニックは当時三洋電機)の勝利を最後に15連敗中の難敵。現体制では初の対戦となり、真っ向勝負に注目が集まる。

現在のチームには移籍組以外、パナソニック戦勝利を知る者はいない。その中で橋本大は「実績も自信もついて、自分たちのラグビーは得点力も上がった。自信は今までよりもついています」と誓う。技術はもちろん、築き上げたチームワークで、開幕5連勝同士の大一番を制す。【松本航】

第5節ヤマハ発動機戦前日の26日にルーツのあるチームのジャージー姿で時間を共有した神戸製鋼の選手たち(神戸製鋼提供)
第5節ヤマハ発動機戦前日の26日にルーツのあるチームのジャージー姿で時間を共有した神戸製鋼の選手たち(神戸製鋼提供)

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五郎丸vsマピンピ 背番「15」の“ラスト対決”

ヤマハ発動機対NTTドコモ 前半、コンバージョンキックを決めるヤマハ発動機FB五郎丸(撮影・滝沢美穂子)

<ラグビー・トップリーグ:ヤマハ発動機33-21NTTドコモ>◇第6節◇3日◇ホワイトカンファレンス(白組)◇大阪・万博記念競技場

おそらく“最初で最後”であろう競演が実現した。両チームの背番号「15」が観客の視線を引き寄せた。

ヤマハ発動機は15年W杯日本代表の五郎丸歩(35)、NTTドコモは19年W杯で南アフリカの優勝に貢献したマカゾレ・マピンピ(30)。試合後、フル出場した五郎丸がほほえんだ。

「FBで対極的なプレースタイル。私はキック、彼はランニングがメイン。見ているお客さんは楽しかっただろうし、やっぱり(マピンピは)世界レベルだと思いました。非常に刺激的でした」

何かに導かれたようなFB対決だった。

今季限りで現役引退を表明している五郎丸。今季6試合のうち、出場は3試合目だった。大阪・花園ラグビー場で戦った3試合は、いずれもメンバー外だったため「関西のみなさん、お待たせしましたという感じ」と2試合ぶりの先発を喜んでいた。

一方のマピンピも同じく今季3試合目。外国人選手の出場枠の問題もあり、出場機会が限られている。試合2日前のメンバー発表時点では本職の左WTBで先発に名を連ねた。だが、当初FBで先発予定だったFB高野祥太(27)が負傷し、試合前日にFBでの出場が発表になった。マピンピはこう明かした。

「FBをやるのは、プロになって初めてでした」

そんな2人の競演だった。

五郎丸は12点リードの前半14分に相手防御ラインを突破し、CTB石塚弘章(27)のトライを演出。代名詞といえるゴールキックも4本中3本を成功させた。

「連敗していてチームが苦しい中で、長くヤマハにいる人間として、チームをいい方向に向けるためにまずは勝つことを優先にしていました。FWを戦わせるためにエリア(陣地)的に前へ出す。それは80分間できたと思います」

一方、マピンピはほろ苦い出来となった。相手の防御を個人で打開する場面は少なく、後半6分には故意の反則でシンビン(10分間の一時退場)となった。世界的スターであるマピンピだが、この日は学びが多かったようだ。

「それなりにできたが、まだまだ満足していない。映像で振り返ったら、ポジショニングなど反省点があると思う」

両チームともに10日の最終節を経て、舞台は一発勝負が続くプレーオフトーナメント(17日開始)に移る。五郎丸は「ピークはもう少し後かな、と思います」と伸びしろを口にし、マピンピも「次に向けてやっていきたい」と力を込めた。

トップリーグだからこそ生まれた「FB対決」が、桜満開の万博をさらに彩った。【松本航】

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近鉄フィフィタ初陣もV逸悔やむ「60点ぐらい」

デビューとなった豊田自動織機戦を終えて振り返る近鉄CTBシオサイア・フィフィタ

<ラグビー・トップチャレンジリーグ:豊田自動織機36-17近鉄>◇優勝決定戦◇3日◇滋賀・布引グリーンスタジアム

世代屈指の実力を誇る近鉄CTBシオサイア・フィフィタ(22)が、デビュー戦でのV逸を悔やんだ。1月に全国大学選手権で天理大を初優勝に導いた立役者。4月から21年度加入選手の出場が解禁となり、早速背番号「13」で先発した。

勝てばトップリーグ(TL)2部相当のトップチャレンジリーグ(TCL)2連覇となる近鉄は、前半から相手に主導権を握られた。フィフィタも防御ラインを突破するなど持ち味を見せたが、ミスもあり「60点ぐらいですかね。大学生の時とは違う感じがした。フィジカルのところや、スピード、テンポの早さ。だいぶ慣れてきたので、フィジカルのところを、もっと強くしたい」と冷静な口調で振り返った。

今季はTCL上位4チームがTL16チームとのプレーオフトーナメントに進出。TCL2位の近鉄は18日、東京・秩父宮ラグビー場でTLのレッドカンファレンス(紅組)8位と初戦でぶつかる。フィフィタは「もっともっと自分から、近鉄から(相手に)プレッシャーをかけたい。やられる前に自分たちからプレッシャーをかけたい」と繰り返し、次戦への課題とした。

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五郎丸2戦ぶり先発しトライ演出、ヤマハの勝利貢献

<ラグビー・トップリーグ:ヤマハ発動機33-21NTTドコモ>◇第6節◇3日◇ホワイトカンファレンス(白組)◇大阪・万博記念競技場

ヤマハ発動機が粘るNTTドコモを振り切り、今季3勝目(3敗)を挙げた。

今季限りで現役引退を表明している元日本代表FB五郎丸歩(35)が2試合ぶりに先発。12点リードの前半14分には相手防御ラインを突破し、CTB石塚弘章(27)のトライを演出した。FWがスクラムで優位に立ち、前半を26-7とリード。後半は追い上げられたが、ゴール前でしぶとい防御を続けて逃げ切った。

今季好調のNTTドコモは2敗目(4勝)。白組最終節となる次戦はヤマハ発動機がパナソニック戦(10日、熊谷)、NTTドコモが神戸製鋼戦(10日、花園)に臨む。組内の順位はプレーオフトーナメント(4月17日開始)に反映され、頂点を目指す戦いへ移る。

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神戸製鋼松岡は地雷撤去装置扱うサラリーマン選手

パナソニック戦で初のメンバー入りを果たした神戸製鋼フッカー松岡賢太(撮影・松本航)

ラグビーのトップリーグ(TL)神戸製鋼で、新たな「サラリーマン選手」のデビューが間近に迫った。

2日、チームは開幕6連勝が懸かるパナソニック戦(4日、神戸ユニバー記念競技場)のメンバーを発表。その控えにフッカー松岡賢太(23)が名を連ねた。 エンジニアリング部に在籍し、原子力事業や、地雷撤去時に使用される装置など、想像もしなかった分野に携わるようになった。主に海外のプロジェクトの見積もりなどを担当。18年のTL優勝を見て「このチームだ!」と進路を決めた男は、学びの日々を過ごす。

明大3年時に大学日本一に貢献。神戸製鋼へ社員として入社した1年前の春から驚くことばかりだった。

「神戸製鋼って、こんなこともしているんだ…」

社業とラグビーを両立しながら、初めて迎えるシーズンでチャンスをつかみ「コンタクトの激しさは自信がある。すごく楽しみ」と笑顔を見せた。

明大時代の同期には同じフッカーで主将の武井日向(23、現リコー)がおり、大学での序列は2番手。だが「日本一に近いチームでやれる。日本代表を目指したい」と鼻息は荒い。当初は開幕NEC戦(2月20日)で先発起用される予定だったが、試合2日前の練習で左ふくらはぎを肉離れ。すでにデビューした武井らの活躍に焦りを募らせながらも「再発したらダメ。復帰したときにいいパフォーマンスをしよう」と下半身を重点的に鍛え上げてきた。

持ち越されたデビュー戦。相手の強豪パナソニックは今節、先発に坂手淳史(27)、控えに堀江翔太(35)と19年W杯日本代表のフッカー2人をそろえてきた。堀江は大阪・吹田ラグビースクール、坂手は京都成章高の先輩。全勝同士の大一番が初陣となれば、今の立ち位置を知る格好の機会となる。パナソニックには前身の三洋電機時代の03年に勝ったのを最後に、15連敗中。勝てば優勝に近づくと同時に、負の歴史に終止符を打つことができる。

舞台は整った。

「(見る人に)『神戸の松岡いいね!』と思ってもらえるようにしたい。接点の激しさ、球際のスピードは、お二方に引けを取らず、勝負できると思います」

23歳は堂々と、自分の名前を売り込む。【松本航】

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