日刊スポーツ

WTB福岡堅樹、左膝負傷で7人制の合宿参加見送り

WTB福岡堅樹、左膝負傷で7人制の合宿参加見送り

18日、トヨタ自動車戦で左足を負傷して治療を受けるパナソニック福岡(左)

日本ラグビー協会は22日、19年W杯日本代表で20年東京五輪男子7人制に挑戦するWTB福岡堅樹(27=パナソニック)が負傷のため、埼玉・熊谷合宿(24~26日)の参加を見送ると発表した。18日に行われたトップリーグのトヨタ自動車戦で、ステップした際に足を滑らせて左膝を痛めた。試合後には「最高の結果が出せるように、残された時間を最高の時間にしたい」と7人制転向への決意を述べていた。日本協会によると、参加時期は未定という。

同協会は昨年12月、五輪第2次候補を発表。15人制の15年W杯代表の藤田慶和ら19人の候補と練習生9人の計28人を選出した。今月17日には、福岡ら6人を練習生として追加招集することを発表した。国内合宿と国際大会を経て、6月に最終12人を選出する予定。

福岡堅樹

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森会長「法令遵守徹底を」日大ラグビー部員大麻事件

ラグビー協会の森重隆会長

東京都渋谷区の路上で大麻を所持したとして、日大ラグビー部員の樋口弘晃容疑者(21)が、警視庁原宿署に大麻取締法違反(所持)の容疑で逮捕されたことを受け、日本ラグビー協会の森重隆会長(68)が22日、コメントを発表した。

「日本ラグビーフットボール協会登録の大学ラグビー部選手が、大麻取締法違反容疑で逮捕されたことは誠に遺憾に思います。全チームの代表者に毎年実施される講習会において、昨年からより一層、コンプライアンス遵守の重要性を伝えてきましたが、このような問題が発生したことは大変残念です。全てのラグビー関係者に改めてコンプライアンスの遵守を徹底していく所存です。なお、昨年のトップリーグの選手による薬物問題発生に対しては、トップリーグの全16チームにコンプライアンスの責任者としてインテグリテイオフィサーを設置しインテグリティの追求に取り組んでいますが、今後は、大学や全てのチームに対してもさまざまな教育・研修の機会を通じ、コンプライアンスの遵守の徹底を図ってまいります」(原文のまま)とコメントした。

樋口容疑者の逮捕容疑は18日夜、渋谷区の路上で大麻を所持した疑い。警察官が不審な様子に気付き、職務質問して発覚した。原宿署によると、容疑を認め「自分で使っていた」と供述している。同署は20日午前、東京都稲城市のラグビー部の寮を家宅捜索し、入手経路などを詳しく調べている。部員の逮捕を受けて、日大ラグビー部は活動の無期限停止を発表。中野克己監督らが21日に日本協会に報告した。

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沢木敬介氏がサンウルブズコーチ就任/インタビュー

ラグビーの現在、未来について思いを語るサンウルブズ・コーチングコーディネーターの沢木敬介氏(撮影・浅見桂子)

ラグビートップリーグのサントリー前監督、沢木敬介氏(44)がスーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズのコーチングコーディネーターに就任した。昨年のワールドカップ(W杯)で解説者として日本代表の躍進を見届け、11月末でサントリーを退社。SRで、プロのコーチとしての新たな1歩を踏み出す。2月1日の開幕を前に、サンウルブズについて、ラグビーの今後について、沢木氏に聞いた。【聞き手=荻島弘一、奥山将志】

-W杯が終わって、思い切った選択でしたね

沢木 自分のコーチングを、もっとレベルアップしたいという決断です。サントリーにいれば安定しているけれど、サラリーマンのままコーチングにチャレンジするのは無理。(サントリーの)監督を辞めてからラグビー以外の人と会う機会があって、話を聞いて。人生1回しかないから。

-サンウルブズを選んだ理由を教えてください

沢木 やっぱりSRですね。日本ラグビーを良くしたいというのもあるし、そのためにしっかり学んでいきたい。SRの経験は、今後のコーチングに必ずプラスになる。将来のことは漠然としているけれど、トップのコーチになって、縁があれば代表とかは目指さなければという思いです。

-サンウルブズでは(サントリーで同期の)大久保監督と一緒ですね

沢木 2人で仕事するなら、彼が監督の方がいい。彼は全体をマネジメントする能力が高い。僕はラグビーに特化して、どっぷりつかりたいと思うほう。監督とは違う、もっとオタク的なことができる。よりピッチ内に集中したいし、そこを徹底的にやりたい。

-ただ、日程がトップリーグ(TL)と重なり、メンバー集めは大変ですね

沢木 僕も大久保もTL監督の経験があり、難しいのは分かる。その中で、パナソニックなどが選手の成長のために出してくれるのはありがたい。SRのレベルでプレーして、あの強度を体験できるのは大きい。中村亮土とかはサンウルブズでの成長をW杯につなげていた。ムーアや姫野、ラファエレとかも。SRの強度でプレーできれば、インターナショナルレベルにも間違いなくつながる。

-今回は(早大SH)斎藤など若手が入ります

沢木 斎藤は次のW杯で代表に食い込まないといけない選手。能力は高いが、まだ学ぶことはある。SRの経験は、すごい成長につながる。(天理大CTB)フィフィタもそう。いろいろな国からくる選手から学ぶこともあるし、それがサンウルブズの良さ。SRはタフな選手しか生き残れない世界。日本代表資格がある選手は、23年W杯へ「きっかけ」にしてほしい。

-21年のSRからの除外が決まり、サンウルブズは今年限りになりますが

沢木 今後のことは分からないけれど、選手がサンウルブズでプレーしてよかった、見た人が楽しかったと思えるようなチームにしたい。日本ラグビーに追い風が吹いているタイミングだし、良い勝ち方をしながら盛り上げていきたい。

-ラグビーのプロ化の話も出ています

沢木 企業が発展した形になるのか、違う形のプロリーグができるのか分からないけれど、最終的に組織全体がプロにならないといけないと思う。もちろん、アマチュアの大事な部分もある。ラグビーとして継承しないといけない部分。それが日本の文化なのかもしれない。ただ、世界のベスト8でプロクラブでないのは日本だけ。どういう形であれプロは必要。そのために、選手だけでなく、チームディレクター、GMもプロにならないといけない。コーチもプロになることが求められるんです。

◆沢木敬介(さわき・けいすけ)1975年(昭50)4月12日、秋田県男鹿市生まれ。秋田経法大付高-日大を経て98年にサントリー入り。SO、CTBとして活躍。06年から6年間、サントリーでコーチを務め13年にU-20日本代表監督に就任。15年W杯イングランド大会では日本代表コーチとして南アフリカ戦勝利などに貢献。16年にサントリー監督に就任してトップリーグ連覇後、昨季限りで退任。今季、サンウルブズのコーチングコーディネーターに就任した。

サンウルブズ試合日程
ラグビーの現在、未来について語るサンウルブズ・コーチングコーディネーターの沢木敬介氏(撮影・浅見桂子)

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「悔しい」日大ラグビー部員逮捕に他の部員は無念

部員逮捕から一夜明けた日大ラグビー部寮(撮影・平山連)

日大ラグビー部員が大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕の一報から一夜明けた21日、部員たちは戸惑いを隠せなかった。

家宅捜索を受けた都内のラグビー部寮の部員たちは「広報に任せている」「取材には応じられません」などと多くが言葉少なだった。

ある部員は「チームメートが事件を起こしてしまったことは、すごい悔しいし、残念」。逮捕された学生と同級生だという部員は「(逮捕は)全く知らなかった。残念です」と、怒りを抑えるように言った。

大学側は20日、ラグビー部の活動を無期限停止すると発表。同部の公式HPでは「今後の警察の捜査に全面的に協力するとともに、当該部員に対しは、捜査の状況を踏まえ厳正に対処いたします」とのコメントを出している。

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大麻逮捕日大ラグビー部員、高校時代は強豪校で主将

日本大学本部(2018年)

東京都渋谷区の路上で大麻を所持したとして、警視庁原宿署は20日までに、大麻取締法違反(所持)の容疑で、日大ラグビー部員の樋口弘晃容疑者(21)を逮捕した。逮捕容疑は18日夜、渋谷区の路上で大麻を所持した疑い。警察官が不審な様子に気付き、職務質問して発覚した。

原宿署によると、容疑を認め「自分で使っていた」と供述している。同署は20日午前、東京都稲城市のラグビー部の寮を家宅捜索して入手経路などを詳しく調べている。部員の逮捕を受け、日大ラグビー部はこの日、公式HPで活動の無期限停止を発表。今後は警察の捜査に協力しながら、内部調査を進める方針で「当該部員に対しては、捜査状況を踏まえて厳正に対処します」とコメントした。

樋口容疑者は3年生。157センチ、67キロと小柄でポジションはSH。全国高校大会(花園)に8度出場した熊本の強豪、荒尾・岱志(たいし)高(現岱志高)出身で主将を務めた。OBには19年W杯日本代表SH流大(27=サントリー)らがいる。容疑者を知る高校関係者は「寝耳に水。報道で知って、ただただ驚いた。うそであってほしい」と動揺を隠せない様子だった。

日大ラグビー部は1928年(昭3)創部。関東リーグ戦を3度優勝した古豪として知られている。今季はリーグ戦1部で2位。昨年12月の全国大学選手権では8強進出を果たした。樋口容疑者は同選手権はベンチ外だった。

日大では、18年5月にアメリカンフットボールの定期戦で起きた悪質タックル問題の不祥事も表面化した。

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日大ラグビー部員大麻逮捕に京産大前監督「残念」

関西スポーツ賞の表彰を受ける京産大・大西監督(撮影・加藤哉)

第63回関西スポーツ賞の表彰式が20日、大阪市内のホテルで行われ、昨季限りで退任した京産大ラグビー部の大西健前監督(69)が功労賞を受賞した。

大西氏は、20日までに日大ラグビー部員が大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたことを受け、これについて「残念ですよね。学生ですからね。教育はしないといけない」などとコメントした。

また、学生の私生活をうかがうことも必要だとし「髪の乱れとか、服装の乱れとかにつながってくる。そこで厳しくやらないといけない。絶対そういうの必要ですよ。心が変われば態度が変わる。ショックですよ。いいチームになってきたなという話をしてたんでね」と話していた。

左から履正社・岡田監督、野口前主将、ファンデルヴァルト、古江、中村、近本、山本、関学大・鳥内監督、京産大ラグビー部・大西監督ら(撮影・加藤哉)

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日大ラグビー部が無期限活動停止 部員の大麻容疑で

日本大学本部(2018年)

東京都渋谷区の路上で大麻を所持したとして、警視庁原宿署が大麻取締法違反(所持)の容疑で、日大ラグビー部員の樋口弘晃容疑者(21)を逮捕したことを受けて、日大ラグビー部が20日、公式HPで活動の無期限停止を発表した。

「弊部部員の不祥事のお詫び」として、「この度、日本大学ラグビー部員が法令違反により逮捕されたことについて、心よりお詫び申し上げます。今後の警察の捜査に全面的に協力するとともに、当該部員に対しは、捜査の状況を踏まえ厳正に対処いたします。今回の事態を重く受け止め、活動を無期限停止とし、日々の運営と指導を根本から見直し、皆様の信頼を1日でも早く回復できるよう再発防止に向けて全力で取り組んでまいります。捜査中のため詳細は公表いたしかねますが、ご理解の程、何卒よろしくお願いいたします。最後に、これまで応援いただきました多くの皆様の信頼と期待を裏切る事態となりましたことに、重ねて心よりお詫び申し上げます」(原文のまま)とコメントした。

逮捕容疑は18日夜、渋谷区の路上で大麻を所持した疑い。警察官が不審な様子に気付き、職務質問して発覚した。原宿署によると、容疑を認め「自分で使っていた」と供述している。同署は20日午前、東京都稲城市のラグビー部の寮を家宅捜索し、入手経路などを詳しく調べている。

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福岡堅樹の高校後輩、谷山「日本代表を目指したい」

将来が楽しみな高校日本代表候補の福岡高校CTB谷山隼大 (撮影・菊川光一)

九州の逸材が五輪で羽ばたく-。

W杯日本代表WTB福岡堅樹(27=パナソニック)に憧れる福岡高CTB谷山隼大(3年)が、先輩に続く同校からの日本代表を目指す。W杯の福岡の活躍に「身近で憧れ。世界トップクラスのスピードがすごかった」と言い「大学でステップアップし日本代表を目指したい。五輪も出てみたい」と夢を描いた。

福岡と同じ玄海ジュニアラグビースクールで育ち、小6時、福岡のおさがり練習着で練習していたという。いとこが、福岡と同学年で10年花園に出場した縁もあり「プレーが格好良くて」と憧れの福岡高進学を決意した。中学から、福岡の父が営む歯科医院で作ったマウスピースを愛用するなど身近な存在だった。

ラグビーと同時期に小1から6年間続けた相撲で足腰が鍛えられたコンタクトに自信を持つ。中学では、ラグビースクールに通う傍ら陸上部に所属、中3でやり投げ県3位、幅跳び県8位など運動神経抜群でまだ伸びしろ十分だ。第1志望は早大。名門校でのさらなる成長を望んでいる。

◆谷山隼大(たにやま・はやた)2001年(平13)12月10日、福岡・福津市出身。福岡大ラグビー部出身の父の影響で小1から玄海ジュニアラグビークラブで始め、福間東中では陸上部にも所属。福岡高ではBKだが、U-17や高3で優勝した国体(東福岡主体)はFWを経験。50メートル走6秒3。183センチ、86キロ。家族は両親と姉、妹2人。

19年10月20日、ラグビーW杯日本対南アフリカ 試合後、場内1周で手を振る福岡

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福岡堅樹に後悔なし、ジョブズの言葉胸に未来を渇望

19年10月20日、ラグビーW杯日本対南アフリカ 試合後、場内1周で手を振る福岡

<とっておきメモ>

昨年ラグビーワールドカップ(W杯)で日本代表の躍進を支えたWTB福岡堅樹選手(27=パナソニック)が、今度は東京オリンピック(五輪)7人制ラグビーで日本を熱くする。福岡・古賀市で医師の家系に育ち、五輪後は医学の道に進むことを決めている福岡選手は、ラグビー人生の集大成として完全燃焼を誓う。

      ◇       ◇

19年10月20日、東京・味の素スタジアムは観衆4万8831人の感情が入り交じっていた。ラグビーW杯日本大会準々決勝で日本は、のちに優勝する南アフリカに3-26で敗れた。ねぎらいの拍手、笑顔、涙-。客席の一角にある記者席にいたが、私は無の心境で、試合終了後の福岡堅樹だけを見ていた。

双眼鏡の先にいる福岡は26秒間、誰とも話さずに立っていた。その後に最初に歩み寄ったSO松田と握手し、同学年のWTB松島と抱き合った。15人制日本代表引退を公言して臨んだ大会。それでも「心変わりするのでは?」と想像した。

午後10時を回り、取材エリアに現れた福岡は言った。「人生の中の最高の大会でした。ここまで頑張れたのは、ここが最後だから。後悔はありません」。祖父の言葉の他に、もう1つの座右の銘があるという。スティーブ・ジョブズの「ステイ・ハングリー、ステイ・フーリッシュ」。ハングリーに未来を渇望する尊さを、あの夜に再確認した。【ラグビー担当=松本航】

19年10月20日、ラグビーW杯日本対南アフリカ 前半、突破を図るWTB福岡

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福岡堅樹は五輪でラグビー集大成…そして医学の道へ

東京五輪7人制ラグビー金メダルを現役最後の目標に定める福岡

昨年ラグビーワールドカップ(W杯)で日本代表の躍進を支えたWTB福岡堅樹選手(27=パナソニック)が、今度は東京オリンピック(五輪)7人制ラグビーで日本を熱くします。福岡・古賀市で医師の家系に育ち、五輪後は医学の道に進むことを決めている福岡選手は、ラグビー人生の集大成として完全燃焼を誓います。

175センチ、83キロ。その小さな体で記録した4トライは、開催国として戦った19年W杯の日本代表8強に結びついた。福岡は誓った。

「セブンズでも『ONE TEAM』を作りたい。サイズがない人たちが、どうやって戦っていくか。2020年は(東京)五輪がある。日本人として、より素晴らしいことにつながっていけばうれしいです」

50メートル走は5秒8。一瞬で相手を抜き去るスピードを持ち、南半球最高峰のスーパーラグビー「サンウルブズ」で大きな相手に当たり負けない強さを養った。4年前の16年リオデジャネイロ五輪。15人制と同じフィールドで戦う7人制日本代表で、4位入賞に貢献した。強さ、速さ、体力…。総合力が必要な7人制への再転向は、人生プランに掲げた1つのステップだった。

福岡・古賀市に生まれ、医師が身近な存在だった。父は同市内で福岡歯科医院を開く綱二郎さん。車で30分の場所には内科医だった母方の祖父、崎村正弘さんがいた。週末は祖父と食事し、幼心に憧れがあった。

「地元の人に慕われていて『すごくいいな』と思った。開業医で絶大な信頼度。『こういう人=お医者さん』という感じだった」

全国高校大会にも出場した福岡高を卒業。才能にほれた複数の大学からの誘いを断り、筑波大医学群を志して浪人した。同学年の選手が大学で活躍する姿を見て、最終的には1浪後に同大学の情報学群へ進学。東京五輪後に現役引退し、医師を目指すことを決めた。

「元々医師を優先していたし、引退後を考えた時にそれ以外の道を思い描けなかった。W杯、五輪という素晴らしいタイミングに『ここしかない』と決めた」

求められる能力は異なるが、福岡は7人制、15人制の利点を蓄積させてきた。

「(リオ五輪で)7人制で体力面が改善された。1本走ったら、10分姿を消すような選手だったけれど、7人制を経験して『ここぞ』という場面に、体力が残って走れるようになった」

20年東京五輪。今度は「ONE TEAM」の結束を7人制に還元する。その胸に強く刻むのは、祖父から伝えられてきた言葉だ。

「才能を持って生まれた人間は、それを社会に還元する必要がある」-

唯一無二の歩みには、その力がある。

◆福岡堅樹(ふくおか・けんき)1992年(平4)9月7日、福岡県古賀市生まれ。5歳でラグビーを始め、福岡高3年時に全国高校大会(花園)出場。医者志望で複数の大学からの誘いを断り、1浪後筑波大(情報学群)に進学。50メートル5秒8を誇るトライゲッター。16年からパナソニック。38キャップ。175センチ、83キロ。

19年10月20日、ラグビーW杯日本対南アフリカ 試合後、場内1周で手を振る福岡

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日大ラグビー部員を逮捕 大麻所持疑い、渋谷の路上

東京都渋谷区の路上で大麻を所持したとして、警視庁原宿署は20日までに、大麻取締法違反(所持)の疑いで、日大ラグビー部員の樋口弘晃容疑者(21)を逮捕した。原宿署によると、容疑を認め「自分で使っていた」と供述している。

逮捕容疑は18日夜、渋谷区の路上で大麻を所持した疑い。警察官が不審な様子に気付き職務質問して発覚した。

原宿署は20日、東京都稲城市のラグビー部の寮を家宅捜索した。入手経路などを詳しく調べている。

日大ラグビー部は強豪として知られている。日大広報課は「事実関係を確認している」とコメントした。(共同)

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大学選手権準V明大ラグビー部の「食の秘密」とは

日刊スポーツ新聞社が運営する、スポーツや部活を頑張る小中高アスリートや保護者、指導者のためのスポーツ栄養・食育サイト「アスレシピ」は19日、明大ラグビー部とのコラボセミナー「体を大きくするための食事の取り方~明治大学ラグビー部の食事に学ぶ~」を東京・駿河台キャンパスで開催した。

アスレシピ主催イベントで過去最多となる171人の申し込みがあり、従来の保護者だけでなく栄養指導者や現役選手が多く参加。本年度こそ準優勝に終わったものの、全国大学ラグビー選手権で3年連続決勝進出(昨年度は日本一)の強豪校の「食の秘密」を学んだ。

セミナーは2部構成で行われ、第2部はトップ選手によるトークショーが実現した。当日発表だった現役プレーヤーが登壇し、明らかになると大きな拍手。主将のフッカー武井日向(4年=国学院栃木)、寮長として私生活を改善したCTB射場大輔(4年=常翔学園)、副将のWTB山村知也(4年=報徳学園)、来季を担うロック片倉康瑛(3年=明大中野)の4選手と、藤野健太ストレングス&コンディショニング(S&C)コーチが、第1部で講演した管理栄養士の山田優香さんと並んだ。

まずは武井主将が、悔しくも2連覇を逃した11日の大学選手権決勝(対早大、35-45)に触れ「結果として準優勝に終わってしまいましたが、この4年間は最高の経験ができた。明治に入って良かった」と、さわやかにあいさつ。その後の14日に、関東大学ラグビー(対抗戦・リーグ戦)のマン・オブ・ザ・イヤーに対抗戦全勝に導いたことが評価され、選出されたことを紹介されると再び大きな拍手が送られた。

脅威の走力が武器のフッカー武井(97キロ)は、明大が定めるラグビーのパフォーマンス・筋力・体組成結果を基にしたグループ分けで「筋力フォーカス」(質向上)に属していると切り出し「筋力が不足していたので自主的にウエート(トレーニング)をしたり、オフの日もしっかり食事を取るよう心掛けた。オフにどうしても揚げ物を食べたくなったら昼に食べ、夜は魚にしていた」とストイックな4年間を回想した。

「シェイプアップ」グループのCTB射場(88キロ)は「オフになると、地元で暴飲暴食して体重が増える。山田さんに怒られてました」と笑わせ「まず野菜を山盛りで食べ、さらにプロテインで胃を膨らませてから食事するようアドバイスを受けて3週間で2、3キロ落ちました」と感謝した。

一方でベンチプレス170キロを上げる身体能力を持つ射場。FW陣の最高値でも175キロという中、BK陣ではダントツの1位で「CTBは外国人が多くて自分より10~20キロは重い。対抗するために筋力はつけておこうと。ベンチプレスで相手を止められるわけじゃないけど、少しは関係しているのかな。入学時は120キロで、4年間で50キロ上がった、短期間では無理。継続の成果」と自負を込めた。

WTB山村(77キロ)とロック片倉(101キロ)は「増量必須」グループだった。山村が「一気に量を食べられないので3食+2食の補食で目標数値プラス2キロを達成できた。オフは気が緩むけど、継続できれば増える。自分の気持ち次第」と振り返り、片倉がさらに沸かせた。「白ご飯を朝300グラム、昼500グラム、16時飯(よじめし=練習前の補食)500グラム、夜700グラム、夜食300グラム食べてました」と打ち明けると、どよめき。「700グラムを1時間半かけて食べてました」と照れ笑いも、今の学生会屈指のサイズを手に入れた。

その片倉に対し、山田さんが「もう、お互い意地。毎週毎週、面倒くさかったですよ。麺類を食べた日じゃない日のチェック表に、麺類を食べたとか書いてあって、あ、まとめて書いたな~とか」と笑わせつつ「でも徐々に強くなりたい気持ち、覚悟を持ってやってくれるようになった」と評価。実際、高校時代に3年間で20キロ増やした体重が、大学入学後の1年間だけで12キロも増えたという。片倉も「マンツーマンで半年間、指導してくださったので」と目を細めて頭を下げるしかなかった。

この後、ジュニア世代の鍛え方にも話題が広がり、藤野S&Cコーチがマイクを握った。何歳から筋力トレーーニングをしていいか? との司会者からの質問に「生まれたら、すぐ始めてください。この世に生を受けた瞬間から始まっている。(ハンマー投げの)室伏広治選手は生後3カ月で懸垂していた」と話しだすと、場内は大爆笑。「それは冗談として、まじめに話します」と切り替えて「小さいうちに筋トレすると身長が伸びなくなると言われてますよね。実は、そんなことありません。都市伝説みたいなものです。成長ホルモンを活性化するので、いいと考えられています」と説明。その上で「ただ、自重にしてください。バーベルなどの器具は、適切な指導と補助がないとベンチプレスなど危ない。鉄棒と地面があればできる、懸垂や腕立て伏せなどはいいと思います」と勧めた。

最後は、受講者をバックに「アスレシピポーズ」で記念撮影。武井、射場、山村の4年生は卒業後、国内最高峰のトップリーグでプレーすることが内定している。23年ワールドカップ(W杯)フランス大会への出場も期待される3人は「将来は日本代表になりたい」と声をそろえ、来季が最終学年の片倉は「今年は準優勝でしたけど、武井さんたちの代が残してくれた私生活を正すという文化を受け継ぎ、さらにレベルアップして次こそ優勝したい」と1年後への抱負を語った。終了後は参加者との記念撮影や握手にも応じ、刺激的な1日となった様子だった。【木下淳】

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理想は1日3食を5食 明大ラグビー部の食事に学ぶ

日刊スポーツ新聞社が運営する、スポーツや部活を頑張る小中高アスリートや保護者、指導者のためのスポーツ栄養・食育サイト「アスレシピ」は19日、明大ラグビー部とのコラボセミナー「体を大きくするための食事の取り方~明治大学ラグビー部の食事に学ぶ~」を東京・駿河台キャンパスで開催した。

本年度こそ準優勝に終わったものの、全国大学ラグビー選手権で3年連続決勝進出(昨年度は日本一)の強豪校の「食の秘密」を学べる貴重な機会。2部構成で行われたセミナーの第2部はトークショーが実現。主将のフッカー武井日向(4年=国学院栃木)、寮長のCTB射場大輔(4年=常翔学園)、副将のWTB山村知也(4年=報徳学園)、来季を担うロック片倉康瑛(3年=明大中野)たちの主なトーク内容は以下の通り。

-それぞれ実家暮らしだったという高校時代の食生活は

武井 お母さんが栄養の勉強をしてくれて、小鉢とか食卓に並べてくれた。ただ、当時は分からなくて手をつけなかったことも…。大学で管理栄養士の山田(優香)さんの話を聞いて知識がついた今は、ありがたみが分かる。体重が高校より6キロくらい増えた中、筋肉も運動量も上がっている。フィットネス測定も、するたびに記録を更新できた。

射場 兵庫から大阪の高校に通っていたので、朝はあまり食べられなかった。大学では朝練の後、しっかり食べられているし、食べたいものを聞かれれば『肉』としか答えなかった自分が、魚のおいしさを教えてもらった(明大では1日1回は必ず魚料理が出る)。朝もパン派で余計に太っていたけど、今は白ご飯にして改善された

山村 僕は反対に大阪から兵庫に通っていた。1時間30分くらい移動にかかったけど、その間、空腹のままだった。(高校時代の自分に戻れるなら)おにぎりとか持って部活に行けば良かったなと思う。今は空腹の時間をつくらないようにしている

片倉 朝練の後、パン1個とか。部活の後に食べなかったりとか。やっぱり、授業の後とか補食を取れば良かった

山田さん 中学、高校は移動に時間がかかる選手が多い。おにぎりなどの補食を持たせたり、たんぱく源としてプロテインを飲ませて補強するのも効果的。朝はスムージーでもいいですし、3食を5食に増やせれば理想的 

-そのプロテインは飲んでいたか

射場 飲んでいたけど、効果とか分からないまま(笑い)。飲むタイミングとか正しい説明は受けていなかったかな

山村 知識がなかった。ウエート後(ゴールデンタイムと呼ばれる)30分以内に飲むとか、知らなかったので実践していなかった

-高校時代のウエートトレーニングは

武井 ストレングスとコンディショニングのコーチが週2回、来てくださって筋トレのフォームから教えてくれた。指導者がいない時は危ないからするな、とも言われていた」

射場「週2回、筋トレだけする日があった。体を強くすることが楽しい、腕が太くなれば格好いい、みたいな、興味本位でやっている感じではあった

山村 今の報徳には専門のコーチがいるけど、自分の時はいなくて。知識があるチームメートに教えてもらっていた

片倉 フォームを教えてもらったことがない。YouTube見て勉強してました…けど、だから強くないのかな(笑い)

-食事の大切さ

武井 スキルも重要だけど、食事もパフォーマンスに直結する。体組成テストの上位にくる選手は、食事の意識が高い人が多い

山村 以前は体調を崩すことが多かった。3年の早明戦の後も肺炎になった。体重は落ちたけど、食欲がない中、山田さんがプロテインとか最低限のエネルギーが取れるようにしてくれた

片倉 (田中澄憲)監督から100キロないと試合に出さないと言われて、まず88キロから100キロにした。でも動けている。食事とトレーニングのおかげで除脂肪体重が増えた証拠

-トップリーグでプレーする予定の4年生。今後の抱負や感謝を

武井 さらに強度が上がってくる。大学で学んだ知識を大事に、さらに努力して社会人でも活躍したい。ここまで進路も悩んできたけど、両親が全面的にサポートしてくれた。将来、活躍して日本代表になって恩返ししたい。チームとしては主将として日本一に導けなかったけど、片倉の代で奪還してほしい。これからも強い明治であるために、直接は難しくなるけど、サポートしていきたい

射場 寮を出て1人暮らしになる。自覚を持って太りすぎないようにしたい。日本代表が目標。両親にも感謝の気持ちでいっぱい

山村 大学では通用したとしても、トップリーグではそうはいかない。スピードだけじゃ戦えないと思うので、さらに努力したい。僕も代表が夢。きょうだいが多い中で応援してくれた両親に感謝して、今後も期待に応えたい。片倉が、私生活にこだわった僕たちの取り組みを『文化』と言ってくれて、うれしかった。ぜひ来年は優勝してほしい

【木下淳】

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明大ラグビー部「寮食総選挙」昼食1位はオムハヤシ

日刊スポーツ新聞社が運営する、スポーツや部活を頑張る小中高アスリートや保護者、指導者のためのスポーツ栄養・食育サイト「アスレシピ」は19日、明大ラグビー部とのコラボセミナー「体を大きくするための食事の取り方~明治大学ラグビー部の食事に学ぶ~」を東京・駿河台キャンパスで開催した。

アスレシピ主催イベントで過去最多となる171人の申し込みがあり、従来の保護者だけでなく栄養指導者や現役選手が多く参加。本年度は準優勝に終わったものの、全国大学ラグビー選手権で3年連続決勝進出(昨年度は日本一)の強豪校の食の秘密を学んだ。

セミナーは2部構成で行われ、第1部は明大ラグビー部の管理栄養士を13年から務める山田優香さんが登壇。寮の実際の食事や、体力向上の成功例をまじえて約1時間、講演した。内容は

<1>ラグビー選手の増量とは?

<2>自分の身体の状態を把握する

<3>食卓にもポジションがある~明治大学ラグビー部の献立~

<4>効率よく骨格筋量を増加させる

<5>週1回のオフの日の食事も重要

<6>各選手への筋力トレーニング&食事のアプローチ

山田さんは集まった受講者に対し、それぞれの項目に関する最先端の理論を惜しみなく披露。その一端を明かすと、<2>では体重-体脂肪量=除脂肪量で筋量の増減を把握することや<3>では(1)主食(2)メインのおかず(3)野菜料理(4)果物(5)乳製品をポジションに見立てた。

(2)と(5)は体づくりに不可欠の栄養として「攻め」。(3)と(4)は野菜のビタミンAが粘膜強化→風邪予防、ビタミンCが疲労回復や関節炎の予防に効果があることに着目し「守り」とした。最後に、頭と体を動かす炭水化物の(1)が「戦略」。パフォーマンスの向上に必要な栄養素を分かりやすく解説した。全92人の部員が生活する運動部の寮の朝(ビュッフェ)昼晩(定食)の献立も写真で。出席した主将のフッカー武井日向(4年=国学院栃木)のバランスが整った実例も示しながら「明大のフィジカルの強みは朝食にあり」と笑顔で説明した。

その朝食のおかずの数(SH3つ、BK4つ、FW4つ以上)や1日の総摂取カロリーが原則、ポジションごとに決まっていることも紹介。しかし、一概にBKといっても明大には192センチ、101キロのCTB児玉樹(2年=秋田工)や、186センチ、88キロのFB雲山弘貴(2年=報徳学園)と規格外の選手がいることも引き合いに出しながら「適正体重の数値より重くても動ける選手もいるし、数値にこだわりすぎて俊敏性や持久力が落ちては困る」と柔軟に対応。食事と体重のチェック表を基に週1回の個人面談で、きめ細やかに調整している内幕も打ち明けた。

「寮食総選挙」の昼食部門で1位になったでオムハヤシの人気ぶりや「ちょい残し」禁止の約束事など、参加者の興味や共感を呼んだ講演は、あっという間に終了。継続の重要性と覚悟が必要と説いて締めくくった。終了後は、会場出口の外に立った山田さんの前に大行列。その1人1人に対し、丁寧に相談に乗って日本トップクラスの栄養学をアドバイスした。受講者が持ち帰った日本トップクラスの栄養学が新たな広がりを生み、スポーツ界全体の底上げにつながりそうだ。【木下淳】

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引退トンプソンに近鉄が顧問役打診「彼は功労者」

栗田工業対近鉄 後半、チェックする相手を指さす近鉄ロックのトンプソン(撮影・大野祥一)

<ラグビー・トップチャレンジリーグ:近鉄74-0栗田工業>◇最終節◇19日◇東京・秩父宮ラグビー場

日本代表としてW杯4大会連続出場を果たした近鉄のロック、トンプソン・ルーク(38)が現役最終戦で有終の美を飾った。栗田工業を74-0と完封し、7戦全勝でトップチャレンジリーグ(トップリーグ2部相当)優勝。後半32分には仲間の計らいでゴールキックを決め、フル出場で締めくくった。04年の来日から16年。今後は母国ニュージーランド(NZ)で牧場を経営し、第2の人生を送る。

   ◇   ◇   ◇

日の丸を背負い、何度も戦った秩父宮がざわついた。後半32分。味方のトライで60-0とし、ゴールキックの指名を受けたのがトンプソンだった。向き合った栗田工業の選手に謝るしぐさを見せ、中央約10メートルから右足をひと振り。仲間の計らいで2点を刻んだ。観衆は、下部リーグでは異例の1万4599人。その多くが立ち上がった。そして後半ロスタイム。再度担ったゴールキックが外れ、笑顔で優勝と現役引退を告げる笛を聞いた。

「近鉄と日本代表のジャージーは大事。仲間、コーチ、応援してくださったファン、家族。言葉にならないぐらい感謝しています」

2年を想定していた日本での暮らしは、16年になった。04年、三洋電機(現パナソニック)から誘いを受け、NZのコーチに「1~2年で戻ってこい」と送り出された。来日当初は同僚が刺し身を食べるのを横目に、その魚を焼いた。契約が満了した2年後、近鉄への移籍が転機となった。「日本人はむっちゃ優しい。生魚も好きになった。近鉄でチャンスをもらおうと思った」。家族で大阪に住み、娘を自転車で幼稚園に送るのが日常になった。

選手としては厳しくあり続けた。日本代表としてW杯4大会連続出場。15年南アフリカ戦の歴史的勝利にも貢献し、引退もよぎった昨季終了後に代表復帰。自国開催だった19年W杯で柱になった。タックル、ボール争奪戦で体を張り、準備不足で起きた仲間のミスは厳しく諭した。背中で語る男は愛された。この日、ボールを持つとファンによる「ルーク!」との声がこだました。背番号4が記された赤いTシャツを着た仲間に囲まれ、3度胴上げされた。

「(トライチャンスは)足が遅かった。10年前だったらチャンスはあったけれど。今の感じは…疲れた」

そう笑わせた38歳はしばし体を休め、今後は母国で牧場の経営を志す。近鉄はアドバイザー的な役割を打診。関係者も「彼は功労者ですから」と言う。場内1周を終えたトンプソンは、かみしめた。「今日は特別な日。チームが勝って、優勝した。それが一番うれしいです」。その姿勢は、最後までぶれなかった。【松本航】

◆トンプソン・ルーク 1981年4月16日、ニュージーランド・クライストチャーチ生まれ。13歳で競技を始め、セントビーズ高、リンカーン大などを経て04年来日。三洋電機に在籍し、06年から近鉄。07年4月香港戦で日本代表デビュー。71キャップは外国出身選手最多、全体6位。家族は妻ネリッサさんと2女1男。196センチ、110キロ。

◆トップチャレンジリーグ トップリーグ(TL)2部に相当し、19年11月15日に開幕した今季は8チーム総当たり。TLはW杯日本大会の影響で今月に開幕したため、入れ替え戦は行われない。来季の国内リーグ開催方式、参加チームなどは検討中となっている。

栗田工業対近鉄 現役生活を終え、仲間たちに胴上げされる近鉄ロックのトンプソン(撮影・大野祥一)
栗田工業対近鉄 後半、突進する近鉄ロックのトンプソン(撮影・大野祥一)
栗田工業対近鉄 後半、ラックから相手選手を引き剥がす近鉄ロックのトンプソン・ルーク(右後方)(撮影・大野祥一)
栗田工業対近鉄 試合後に場内一周し、サポーターから花束を受け取り、笑顔の近鉄ロックのトンプソン(撮影・大野祥一)

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京産大ラグビー新体制 伊藤鐘史新監督、元木GMら

伊藤鐘史氏

ラグビー関西リーグの京産大が19日、京都市内でOB会と卒部式を行い、新体制を発表した。

47年間監督として率いた大西健氏(69)が昨季限りで退任。新監督にはOBでFWコーチの伊藤鐘史氏(39)が昇格、ヘッドコーチの元木由記雄氏(48)はGMとして総括的な役割を担う。OBで元トヨタ自動車監督の広瀬佳司氏(46)がBKコーチに就任。日本代表としてW杯を経験した3人をそろえた豪華な組閣になった。

伊藤新監督は神戸製鋼などで活躍し、15年W杯にも出場するなど代表36キャップ。新監督は「看板のスクラムとモールを武器に、速いラグビーを展開する。昔からの伝統である大学日本一の練習量で、スピードを身につけたい」と所信表明した。大西氏は「チームの土台はある。若い人たちの力で、花を咲かせて欲しい」と新体制に期待した。

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引退トンプソンに代表相棒の大野均「お疲れさま」

試合後、写真に納まる、左から大野、箕内氏、近鉄ロックのトンプソン、タウファ氏(撮影・大野祥一)

<ラグビー・トップチャレンジリーグ:栗田工業0-74近鉄>◇最終節◇19日◇東京・秩父宮ラグビー場

日本代表最多98キャップを誇る東芝ロックの大野均が、近鉄トンプソン・ルークの現役最終戦を観戦した。

私的な立場で見守り「キックがあんなにうまいと思わなかった」と笑わせた。07年から3大会連続W杯代表入りを果たし、ロックの相棒として共闘してきた。3歳年下の後輩を「彼の人間性がプレースタイル。『本当にお疲れさま』『ありがとう』と伝えたい」とねぎらった。

最後のプレーでプレースキックを蹴る近鉄ロックのトンプソン・ルーク(中央)(撮影・大野祥一)

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トンプソン「感動しています」全勝優勝で現役に幕

栗田工業対近鉄 前半、多くのサポーターが観戦するなか、突進する近鉄ロックのトンプソン(中央下)(撮影・大野祥一)

<ラグビー・トップチャレンジリーグ:近鉄74-0栗田工業>◇最終節◇19日◇東京・秩父宮ラグビー場

19年W杯日本代表として初の8強に貢献した近鉄のロック、トンプソン・ルーク(38)が現役最終戦をトップチャレンジリーグ(トップリーグ2部相当)の優勝で飾った。リーグ戦を7戦全勝で駆け抜けた。

トンプソンの最大の見せ場は後半32分だった。味方のトライで60-0。そのゴールキックに指名され、どよめきの中、中央から約10メートルのキックを成功させて2点を刻んだ。さらにはロスタイムに入った最終プレーで味方がトライ。外れはしたが、仲間に見守られ、今度は右隅から2本目のゴールキックを蹴った。

「うれしいです。試合に勝ちました。だから、ちょっと疲れた。(観客)本当ありがたい。みなさん、16年前から今まで応援してくれた。感動しています」

前半からラインアウトやボール争奪戦で存在感。試合開始前から駆けつけた多くのファンに見守られ、ボールを持つ際には客席から「ルーク!」とコールされた。昨年のW杯日本代表リーチ・マイケル主将(東芝)でおなじみとなった「リーチコール」と同様の声援を受けた。

ニュージーランド・クライストチャーチ出身のトンプソンは、04年から三洋電機(現パナソニック)に在籍。06年からは大阪・東大阪市を拠点とする近鉄に移籍し、常に体を張り続けてきた。日本代表としてはW杯4大会連続出場。「トモさん」の愛称で親しまれた日本を代表するロックは、母国での牧場経営を志し、第2の道へと進んでいく。

栗田工業対近鉄 前半、モールの先頭で体を張る近鉄ロックのトンプソン(中央)(撮影・大野祥一)
栗田工業対近鉄 前半、突進する近鉄ロックのトンプソン(左)(撮影・大野祥一)

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引退トンプソンに敬意、相手がセカンドジャージーに

栗田工業対近鉄 前半、モールの先頭で体を張る近鉄ロックのトンプソン(中央)(撮影・大野祥一)

<ラグビー・トップチャレンジリーグ:近鉄-栗田工業>◇最終節◇19日◇東京・秩父宮ラグビー場

19年W杯日本代表として初の8強に貢献した近鉄のロック、トンプソン・ルーク(38)が現役最終戦に臨んだ。

会場に集った多くのファンだけでなく、相手の栗田工業も日本ラグビーの功労者に敬意を表した。

この日、栗田工業が身につけたのはグレーを基調としたセカンドジャージー。試合は栗田工業のホームとなっており、通例であれば紺を基調としたファーストジャージーを着用し、色合いが重なる近鉄がセカンドジャージーを使用することになるという。

だが、試合に向けてのチーム間の話し合いで、栗田工業がセカンドジャージーを着用することに決定。近鉄の関係者は「栗田工業さんのお心遣いが本当にありがたかった。感謝しています」と思いを語った。

栗田工業対近鉄 前半、突進する近鉄ロックのトンプソン(左)(撮影・大野祥一)

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王者サラセンズ降格へ、サラリーキャップ制度で違反

ラグビーのイングランド・プレミアシップは18日、リーグ2連覇中の強豪サラセンズが年俸総額上限を定めたサラリーキャップ制度に違反したとして、今季終了後に2部リーグへ降格すると発表した。

サラセンズは昨年11月に過去3シーズンの違反に対する処分として、勝ち点35の減点と罰金536万ポンド(約7億5千万円)を科された。その後も状況が改善する見通しが立たなかったため、リーグ側が厳罰を下した。

昨季プレミアシップと欧州チャンピオンズカップの2冠を達成したサラセンズには、昨年のワールドカップ(W杯)日本大会で準優勝したイングランド代表のファレル主将やイトジェ、ブニポラ兄弟ら主力が在籍。今季ここまで6勝2敗ながら、勝ち点はマイナス7となっている。(共同)

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福岡堅樹が有終トライ「後悔しない道」五輪7人制へ

トヨタ自動車対パナソニック 観客に手を振り引き揚げるパナソニックWTB福岡堅樹(撮影・森本幸一)

<ラグビー・トップリーグ:トヨタ自動車20-40パナソニック>◇第2節◇18日◇愛知・豊田スタジアム

19年ラグビーW杯日本代表最多6人が所属するパナソニック(昨季6位)が、トヨタ自動車(同4位)に40-20で快勝した。

後半37分には、20年東京五輪を目指して24日から7人制日本代表の熊谷合宿に参加するWTB福岡堅樹(27)が“有終トライ”を挙げ、開幕2連勝に貢献。日本が誇るトライゲッターは15人制の今季最終戦で、トップリーグ(TL)史上最多の3万7050人を魅了した。

   ◇   ◇   ◇

感謝の思いをトライで伝える。会場を埋めた3万7050人が、パナソニックの背番号11の一挙手一投足に注視した。8点リードした後半37分。敵陣22メートル付近で福岡が相手パスの乱れた一瞬の隙を突き、ボールを奪取。右手人さし指を高々と上げ、インゴール中央へ飛び込んだ。50メートル5秒8の快足を生かし、勝負を決めたトライ。「これだけ大勢の方に囲まれて、最高の仲間たちと大好きなラグビーが出来て、本当に幸せな瞬間だった」と喜んだ。

12日開幕のクボタ戦に続き、2戦連続で先発出場。24日から7人制代表合宿に参加するため、この日が今季最終ゲームとなった。前半28分には、ステップした際に芝に滑って左膝付近を負傷したが、テーピングをして続行。「試合は戦場」と捉え、体を張り続けた。最後は自身で“有終トライ”を決めた。世界的名将のディーンズ監督は「福岡は非常に特別な選手。彼のパフォーマンスを多く方に見せることが出来、心からうれしく思う。我々は幸せものだ」と称賛した。

4位だった16年リオデジャネイロ五輪に続き、東京五輪を目指す。4年前の雪辱を胸に「やるからにはメダル」と強い決意を示す。自身が挑戦することで、競技の知名度向上を図る狙いもある。まずは、練習生として参加し、7人制のスピードを重視した肉体改造を施して代表入りを目指す。

W杯、五輪を経て、医師の道へ-。父で歯科医の網二郎さんから人生の岐路に直面した際、「一番後悔しない道を選べ」と言われてきた。来季までチームとの契約は残っているが、己の道を歩む。最後は仲間たちにこう約束した。「離れてもパナソニックの一員。いったん離れるけど、帰ってきた時に互いに笑えるような活躍をしよう」。

会場を出る際、W杯サモア戦の横断幕に福岡のみサインと日付を記した。「2020・1・18」。27歳のスピードスターにとって、特別な日となった。【峯岸佑樹】

▽フッカー堀江 堅樹は常に成長する選手。7人制でも必ずやってくれると思うし、活躍が楽しみ。自分も負けてられない。

▽プロップ稲垣 7人制にいっても、パナソニックの一員であることは変わらない。互いに刺激を与え続けられるようにしたい。

◆7人制ラグビー 1883年に英スコットランドで誕生。15人制と同じグラウンドを使用し、前後半7分で行う。FW3人、BK4人で構成される。広いフィールドを少人数でカバーするためボールが大きく動き、スピードや瞬発力、パスなどのハンドリング技術が重要視される。1日複数の試合を実施することが多い。五輪では、16年リオデジャネイロ大会から正式競技となり、福岡、レメキら12人で臨んだ男子は4位だった。

◆男子7人制ラグビーの東京五輪への道 日本協会は昨年12月、五輪第2次候補を発表。15人制の15年W杯代表の藤田慶和ら19人の候補と練習生9人の計28人を選出。17日に、福岡ら6人を練習生として追加招集することを発表。19年W杯代表のレメキ、松島は入らなかった。岩渕HCは現在も数人と協議を重ねており、順応するためにも早めの合流を求めている。今後は、国内合宿と国際大会を経て、5月に20人程度に絞り、6月に最終12人を選出する予定。

トヨタ自動車対パナソニック 後半、突進するパナソニックWTB福岡(撮影・森本幸一)
試合後、ディーンズ監督(右)同席で会見を行い握手を交わすパナソニックWTB福岡(左)(撮影・森本幸一)
福岡堅樹がW杯サモア戦の横断幕に記したサインと日付(撮影・峯岸佑樹)
豊田スタジアムの出入り口に掲げられているW杯サモア戦の横断幕(撮影・峯岸佑樹)

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リーチ「外国人の場所作った」引退トンプソンに感謝

後半、タックルするリーチ・マイケル(撮影・上田博志)

<ラグビー・トップリーグ:東芝39-21NTTドコモ>◇第2節◇18日◇大阪・花園ラグビー場

東芝リーチが日本代表の同僚2人にエールを送った。

7人制で東京オリンピックを目指すパナソニックのWTB福岡に「堅樹(福岡)はトップレベル。(15人制から去るのは)寂しいけど、活躍を祈っています」。また、19日のトップチャレンジ(2部相当)栗田工業戦で引退する近鉄のトンプソンに「外国人選手の(日本での)場所を作ってくれた。38歳でトップの状態でワールドカップに出た。みんなが彼を尊敬しています」。この日はスクラムでNTTドコモを圧倒し、開幕2連勝を決めた。「個人的にはまだ65点。次は100に持っていきたい」と貪欲だった。

近鉄のトンプソン・ルーク
福岡堅樹

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トンプソン最終戦へ「思いを背負う、それが誇り」

近鉄のトンプソン・ルーク

19年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で日本代表8強に貢献したロックのトンプソン・ルーク(38)が19日、現役最終戦を迎える。

所属する近鉄の優勝が懸かったトップチャレンジリーグ(トップリーグ2部相当)最終節は栗田工業戦。東京・秩父宮ラグビー場で午後2時キックオフとなっている。

日本中のファンに親しまれた「トモさん」にとって、節目の1日がやってきた。04年の来日から16年。10年に日本国籍を取得した男も、当初は現在の立ち位置を想像できていなかった。

「最初は1年プラス1年の契約。僕のイメージでは2年間は日本でやって、ニュージーランド(NZ)に帰るつもりだった」

きっかけは母国NZのカンタベリー協会と、三洋電機(現パナソニック)とのつながりだった。すでにカンタベリー州代表として活躍していたが、NZ代表で同じロックを務めたブラッド・ソーン、クリス・ジャックがチームに戻れば2軍の日々。同協会でマネジャーを務めていたロブ・ペニー氏(現豊田自動織機アドバイザー)に「三洋にはチャンスがある。1~2年やって、戻ってきたら」と背中を押され、日本行きを決断した。

「日本に来て、最初はビックリした。東京はビルが多くて、とにかく人が多い。それに日本語がめっちゃ難しい。高1の2カ月間、日本語をちょっと勉強していたけれど、全然しゃべられなかった」

そんな国を次第に好きになっていった。

「人がむっちゃ優しい。みんな優しい。初めはすし、刺し身は食べなかった。三洋電機の晩ご飯でもみんなが差し身を食べている中で、焼いてもらっていた。でも今はむっちゃ大好き(笑い)。お好み焼き、ラーメン…。日本は何でもおいしい」

三洋電機に2シーズン在籍し、決断の時がやってきた。

「代理人に『ここでニュージーランドに戻ったら、また低いところからスタートになる』と言われ、近鉄の話をもらった。近鉄にチャンスをもらおうと思った。それが今思えば、一番いい判断だった」

近鉄に移籍すると、日本代表から声がかかった。07年4月の香港戦で初キャップ。同年のW杯フランス大会でもピッチに立った。W杯には4大会連続出場を果たし、積み上げたキャップは71。気付けば、近鉄で14季目を迎えた。日本のファン、近鉄が本拠地を置く大阪のファンを愛し続けた。

「近鉄と日本代表。そのジャージーを着ると、きょうだいのような、いろいろな人の思いを背負う。それが誇り。近鉄そのものも実家のようなもの。(花園ラグビー場のある)東大阪は私にとって、居心地の良い場所です」

引退後は母国での牧場経営を志す。現役最終戦も最後の1秒まで、きっと体を張り続ける。【松本航】

ラグビーW杯でアイルランドに勝利し喜ぶトンプソン・ルーク(中央)。左はリーチ・マイケル、右はSO田村優(2019年9月28日撮影)

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ヤマハ発動機が開幕連勝逃す、堀川監督は手応え強調

ハンドオフで相手タックルを防ぎながら突進するヤマハ発動機のヘル・ウベ(撮影・倉橋徹也)

<ラグビー・トップリーグ:ヤマハ発動機24-36神戸製鋼>◇第2節◇18日◇静岡・ヤマハスタジアム

ヤマハ発動機は昨季王者神戸製鋼に24-36で敗れ、開幕ホーム2連戦を1勝1敗で終えた。

前半11分、WTBシオネ・トゥイプロトゥが左サイドを独走するトライで先制。同18分には、FBサム・グリーンのPGで3点リードした。開幕トヨタ自動車戦に続いて1万人を集めた観客席を盛り上げた。しかし世界のスター選手が集まった相手に3トライを奪われ、前半は17-22で終了。後半はさらに2トライを許し、点差を広げられた。

大戸裕矢主将は「うまくいかない時間が多かった。自分たちのやりたいことができなかった」と肩を落とした。それでも、光るプレーが随所にあった。日本代表フランカーのヘル・ウベは、前半にジャッカル(倒れた相手からボールを奪うプレー)を連発。南アフリカ代表フランカーのクワッガ・スミスもトライを決めた。堀川隆延監督は「やってきたことに間違いはなかった。守備のポジショニングはうまくできていた」と手応えを強調した。【倉橋徹也】

前半、先制トライを決めるヤマハ発動機WTBトゥイプロトゥ(中央)(撮影・河野匠)

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松島幸太朗7人制挑戦「進展ない」福岡の誘い明かす

サントリー対NTTコム 試合後、インタビューに応じるサントリーFB松島(撮影・垰建太)

<ラグビートップリーグ:サントリー22-10NTTコミュニケーションズ>◇第2節◇18日◇東京・秩父宮ラグビー場

サントリーがNTTコムを22-10で振り切り、今季初白星をつかんだ。W杯日本代表FB松島幸太朗は2試合連続ノートライも攻守に存在感。15-0から5点差に迫られた終盤に1人で嫌な流れを変えた。

後半18分、まずは相手の攻撃をタックル一撃で仕留めると、1分後には相手キックを空中捕球。「雨だったのでキャッチ最優先だったけど、プレッシャーがなかったので」と一気の加速でラインを破る。インゴールまでは駆け抜けられなかったが、この中央突破を起点にWTB中鶴がトライ。突き放した。開幕東芝戦は前半に退場者が出て敗れたが、この日は松島やSH流ら代表組が要所を締めた。

試合後はW杯8強の盟友福岡の7人制転向に言及。「(4月の)パナソニック戦で堅樹がいないので助かる」と笑わせつつ、自身のセブンズ挑戦には「進展がない」と説明した。一方、福岡から7人制に「来いよ」と誘われていることも明かし「何を優先するか。今のところは『微妙』かな。チームと調整しているところ」。欧州挑戦を目指している中で慎重に発言した。

つまり今は、次節26日の神戸製鋼戦(ノエスタ)しか見ていない。昨季決勝で5-55の惨敗を喫した宿敵との再戦へ「攻める。アタッキングラグビーを貫きたい」と燃えた。【木下淳】

サントリー対NTTコム 前半、右肩を押さえて座り込むサントリーFB松島(右)(撮影・山崎安昭)
サントリー対NTTコム 前半、突破を図るサントリーFB松島(中央)。右はNTTコムNo・8マフィ、左はWTB山田(撮影・垰建太)

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神戸製鋼のラスト1プレー、BPにらみ激しい攻防

試合後、笑顔を見せる、左から神戸製鋼WTBアタアタ、プロップ中島、NO8ナエアタ(撮影・河野匠)

<ラグビー・トップリーグ:神戸製鋼36-24ヤマハ発動機>◇第2節◇18日◇静岡・ヤマハスタジアム

2連覇を目指す神戸製鋼が開幕2連勝を飾った。後半37分の時点で36-24。トライ数は神戸製鋼の5本に対し、ヤマハ発動機は3本だった。40分を告げるホーンが鳴り終えても、両者は激しい攻防を繰り広げた。

昨季3位ヤマハ発動機は7点差以内の負けによるボーナスポイント(BP)、神戸製鋼は3トライ差以上で得られるBPを狙った。44分にはヤマハ発動機のトライかと思われたが、ビデオ判定でノックオン。それでも主審は神戸製鋼の反則を取り、プレーは続いた。神戸製鋼はその後のプレーで攻撃権を奪い、自陣深くから反撃を開始。最終的には19年ワールドカップ(W杯)日本代表FB山中亮平(31)がタッチラインへと蹴り出し、互いがBPを取らない状態で試合終了を迎えた。

神戸製鋼内でも個々で意見が分かれた。元ニュージーランド代表で途中出場のSOアンドリュー・エリス(35)は、自陣からでもBPを取りにいく姿勢を強調。山中は置かれた状況を考え、タッチキックを選んだ。元日本代表SH日和佐篤(32)は「そこは難しいところ。山ちゃん(山中)の判断も正解。アンディ(エリス)の攻めたかった気持ちも正解だと思う」と両者の意思に理解を示した。

一連のゲーム運びについて、デーブ・ディロン・ヘッドコーチは「(ピッチで戦う)選手が判断するしかない。自分が判断すべきものではない」。フランカーの橋本大輝ゲーム主将(32)は「あそこの前に(相手)ゴール前のモールで(トライを)取り切れなかったから、ああいう状況になった。反省しているのは、そこ」と思いを口にした。

今季のトップリーグは16チームの総当たりで行われる。勝ち点は勝ちが4点、引き分けが2点、負けが0点。そこに2種類のBPが関わってくる。この日の勝ち点は神戸製鋼が4点(BPなし)、ヤマハ発動機は0点(BPなし)。シーズン全体を見据えた各チームの駆け引きも、注目ポイントになる。

試合後の会見で笑顔を見せる神戸製鋼ディロンHC(撮影・河野匠)

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トヨタ-パナソニック戦で歴代最多更新3万7千人

トヨタ自動車-パナソニックに3万7050人の観客が詰めかけた豊田スタジアム(撮影・森本幸一)

<ラグビー・トップリーグ:トヨタ自動車20-40パナソニック>◇第2節◇18日◇愛知・豊田スタジアム

トヨタ自動車-パナソニック戦でトップリーグ歴代最多入場者記録が更新された。3万7050人。全国的に悪天候だった中で快晴に恵まれ、同じ豊田ス開催だった18-19年の開幕カード、トヨタ自動車-サントリー戦の3万1332人を上回った。

秩父宮は1万5826人。12日の開幕戦の2万1564人からは減ったが、雪が舞った中では踏みとどまった。雨のヤマハも1万3985人→1万163人だったが、花園は8856人→1万280人に増えた。今節は残り2戦が19日に控える中、計7万3319人。豊田スの新記録で、開幕節の計9万2347人に迫る健闘ぶりとなっている。

後半、相手タックルを受けながらも突進するパナソニックWTB福岡(撮影・森本幸一)

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南ア代表マークスがトップリーグのレベル高さ認める

後半、ペナルティーでチャンスを逃し肩を落とすNTTコムNO8マフィ(左から5人目)ら(撮影・垰建太)

<ラグビートップリーグ:サントリー22-10NTTコム>◇第2節◇18日◇東京・秩父宮ラグビー場

NTTコミュニケーションズが開幕2連勝を逃した。

昨季2位のサントリーに一時0-15とされたが、後半11分にCTB池田悠希がトライ。同14分に、白血病から昨年復帰のCTBクリスチャン・リアリーファノがPGを決めて5点差に迫った。最後は突き放されたが、昨年のワールドカップ(W杯)で優勝した南アフリカのフッカー、マルコム・マークスらFW陣が奮闘。ジャッカルでも沸かせた今季加入の助っ人は「このリーグはトップクラスの競争力がある」とレベルを認めた。

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日野が今季初勝利「勝手な選手いない」監督胸張る

NEC対日野 前半、日野WTBチャンス・ペニー(右)からのパスを受け右中間へトライを決める日野ロックディネスバラン・クリシュナン(撮影・上田博志)

<ラグビー・トップリーグ:日野27-17NEC>◇第2節◇18日◇大阪・花園ラグビー場

トップリーグ昇格2季目の日野が、NEC相手に今季初勝利を挙げた。ヤマハから移籍してきたロックのディネスバラン・クリシュナン(31)やU20ニュージーランド代表経験を持つWTBチャンス・ペニー(25)ら新戦力が躍動、41歳のプロップ久富雄一、36歳のフランカー佐々木隆道らベテラン勢ともマッチして、何度も効果的なアタックを決めた。

細谷直監督(55)は「ウチは生え抜きより、外国人選手も含めてよそから来た選手が多いけど、みんながウチのプランを理解してくれている。勝手なことをする選手がいない」とうれしそう。開幕戦はNTTコミュニケーションズに20-29と惜敗したが、開幕2戦を“格上”相手に1勝1敗とした。TL1年目の昨季は14位。「今季はトライを生み出すチャンスを作れている。もう少し“息の根を止めるプレー”ができるようになれば」と同監督は、第3節以降に思いをはせた。

NEC対日野 前半、ボールを持って突進する日野WTBチャンス・ペニー(撮影・上田博志)

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神戸製鋼「大変な思いで復興」忘れない痛みと感謝

ヤマハ発動機対神戸製鋼 試合後整列する神戸製鋼フィフティーン(撮影・河野匠)

<ラグビー・トップリーグ:ヤマハ発動機24-36神戸製鋼>◇第2節◇18日◇静岡・ヤマハスタジアム

2連覇を目指す神戸製鋼が36-24で昨季3位のヤマハ発動機を下し、開幕2連勝を飾った。

阪神・淡路大震災から25年の節目だった前日17日は、全体練習前に全員で黙とう。19年W杯日本代表FB山中亮平(31)は「神戸のことを考えて、背負って、試合に臨んだ。ハードワークして、勝てて良かった」と胸を張った。

25年前、日本選手権7連覇2日後の地震で神戸市内の本社は倒壊した。練習場は液状化現象を起こし、復旧は9月。その状況下で「神戸は大変でしょう。うちに来ませんか」と手を差し伸べたのがヤマハ発動機だった。5月の大型連休に静岡で合宿を行い、復活をライバルが支えてくれた。

この日は前半11分に先制トライを献上。元ニュージーランド代表SOカーターが圧力を受けたが、SH日和佐を攻撃の起点に変更して5トライを奪った。ゲーム主将を担った社員選手のフランカー橋本大は「当時の人たちが大変な思いで復興されて、今がある」。先頭でその思いを体現した。

記者会見を終えたディロン・ヘッドコーチは、退室間際に自らマイクを握った。「今日はヤマハの(プロップ)山村選手が(トップリーグ)200試合出場。神戸製鋼を代表して『本当におめでとうございます』と伝えたい」。月日が流れても、西の名門は痛みと感謝を忘れない。【松本航】

ヤマハ発動機対神戸製鋼 前半、コンバージョンキックを決める神戸製鋼SOカーター(撮影・河野匠)

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