日刊スポーツ

札幌山の手“リーチ2世”タモエフォラウ京産大合格

札幌山の手“リーチ2世”タモエフォラウ京産大合格

南北海道大会決勝で相手のタックルをハンドオフで振りきる札幌山の手FWヴェア

2年連続で全国高校ラグビー大会に出場する札幌山の手の高校日本代表候補、NO8ヴェア・タモエフォラウ(3年)が6日、京産大に合格した。「先輩もいるし、きれいな街。FWも強いし、日本一を目指したい」。全国大学選手権33度出場で7度4強の名門。来春、東芝入りする伊藤鐘平主将(4年)らOBも所属する強豪で実力を育む。

ニュージーランド出身で、同校出身の日本代表FWリーチ・マイケル主将(31)になぞらえ“リーチ2世”と期待されるFWには夢がある。「日本代表になって世界一を倒したい」。母国代表オールブラックスは、今年の日本大会は3位だが、W杯で最多タイの3度優勝。2年連続高校日本代表候補のタモエフォラウは「大学生で(代表に)なりたい」と次回23年W杯メンバー入りに意欲を見せる。

トンガ出身の父とサモア出身の母を持ち、身長186センチ、体重123キロ。太もも周りは76センチ、足は30センチと大型だが50メートル6秒2の快足だ。昨年の花園では熊本西との1回戦で約40メートルを独走し、トライを演出。同校5大会ぶり勝利に貢献した。リーチら多くの留学生を指導してきた佐藤幹夫監督(58)も「フィジカルとかはNO・1でしょう」と証言する。

チームは8日まで、花園5度優勝の常翔学園と大阪で練習中。右足故障で道大会は決勝しか出場していないヴェアの動きも軽快だ。7日に組み合わせが決まる全国での目標はベスト8。「全てを出し切りたい。試合が終わったらつかれて死んでしまうぐらいに」。リーチも果たせなかったシード校撃破の原動力になる。【浅水友輝】

◆ヴェア・タモエフォラウ 2001年11月5日、ニュージーランド生まれ。5歳から12歳までバレーボールをプレーしていたが、ラグビー経験のあった両親の影響で13歳から競技を始める。来日時は184センチ、100キロ。好物はみそラーメンとすし。すしはマグロとサーモンが好きで「50貫はいける」。憧れの選手はリーチ、元NZ代表WTB故ジョナ・ロムー。

W杯戦士ラブスカフニ「光栄です」杏と並んで授賞式

「Precious WATCH AWARD2019」授賞式に出席したピーター・ラブスカフニ(左)と杏(撮影・大友陽平)

ラグビー日本代表フランカーのピーター・ラブスカフニ(30=クボタ)がファッション誌「Precious」の「WATCH AWARD2019」を受賞し、5日、都内で授賞式に出席した。

ラグビーワールドカップ(W杯)で日本を初の8強に導いた功績や、反則が少なく紳士的だったと評価された。ラブスカフニは「偉大な賞をいただけて光栄です。日本代表みんなでもらったようなものです」と胸を張った。女性部門は女優の杏(33)が受賞。並んで式に臨み「テレビでも拝見したことがあります。たくさんのことを成し遂げられた方と並べてうれしい」と笑顔を見せた。

また今月2日、「現代用語の基礎知識選 ユーキャン新語・流行語大賞」で「ONE TEAM(ワンチーム)」が年間大賞に選ばれたことについて「まず何より、受賞できてうれしい。1日で成し遂げられたものではなく、ハードワークを積み重ねてきた結果。全員で一緒に乗り越えてきたので、みんなとは兄弟みたいなものです」と話した。

激動の1年を振り返り「ハードなこともあったけど、学びの年だった。それ以上に人生でいい思い出になることがたくさんありました」。来年に向けても「その学んだスキルを周りの人に伝えていきたいです」と意気込んでいた。

「Precious WATCH AWARD2019」授賞式に出席したピーター・ラブスカフニ(左)と杏(撮影・大友陽平)

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ラグビー協会「にわかファン」定着へ15年の教訓

南アフリカに敗れ準決勝進出を逃した日本フィフティーンに惜しみない声援を送るファン(2019年10月20日撮影)

ラグビー日本代表選手が多くプレーするトップリーグは来年1月12日に開幕する。ワールドカップ(W杯)での躍進の効果で全15節中、同18、19日に開催の第2節までは、一般先行販売分はほぼ売り切れとなった。全国大学ラグビー選手権も、チケットの売れ行きは好調だという。

日本ラグビー協会は、前回15年のイングランド大会で南アフリカを撃破し国内が盛り上がりながら、ファンを定着させられなかった前回の反省を糧に、「にわかファン」の定着を狙う。

15年W杯後のトップリーグ開幕戦は、一般販売分のチケットは完売も、出場チームに売り渡した「日付なしチケット」分の観客数を読み違え、東京・秩父宮ラグビー場は約半分しか席が埋まらず批判が殺到した。日本ラグビー協会の藪木宏之広報部長は「世界大会が成功したのに国内が盛り上がらないのが一番ダメ。一般のファンに丁寧に対応していく」と説明した。

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福岡堅樹「挑戦したい」トップリーグ出場を検討

日本対アイルランド 後半、インターセプトから独走するWTB福岡堅樹(19年9月28日撮影)

ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で日本代表の8強入りに貢献したWTB福岡堅樹(27=パナソニック)が2日、来年1月に開幕するトップリーグ出場を検討していることを明らかにした。

今後の目標は来年の東京オリンピック(五輪)での7人制代表入りを掲げるが「これだけ盛り上がっているので挑戦したい」と語った。TLは来年5月まで行われ、7月に開幕する五輪に向けて7人制の活動参加時期を日本協会と調整しているという。

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ヤマ発堀川監督「全体的な底上げに」仏遠征4戦4勝

パスの練習をするヤマハ発動機の五郎丸歩(右)

ラグビートップリーグのヤマハ発動機は2日、フランス強化合宿から帰国後の全体練習を磐田市内で再開した。この日は大雨によるグラウンド不良のため、室内で練習。軽めの調整や筋トレを行った。

先月の2週間のフランス遠征で同国のチームと親善試合を行い、4戦4勝。特に2戦目と最終戦は、最高峰のトップ14リーグ所属チームが相手で、価値ある白星を得た。

ロック大戸裕矢主将(29)は「最終戦はしんどかった。相手のパスが少なく、フォワード同士が当たることが多かった。日本では体感できないことで、行ってきてよかった」と振り返った。堀川隆延監督(46)も「若手選手が活躍して、活力を生み出してくれた。全体的な底上げになった」と収穫を口にした。

今後は8~14日まで宮崎で合宿。来月12日のリーグ開幕戦でトヨタ自動車と対する。【倉橋徹也】

練習を指導するヤマハ発動機の堀川隆延監督(右端)

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堀江翔太ら喜びの声「誇りに思う」流行語大賞受賞

ラグビーW杯日本大会 スコットランドに勝利し決勝トーナメント進出を決め喜ぶ日本フィフティーン(2019年10月13日撮影)

流行語大賞の年間大賞に「ONE TEAM(ワンチーム)」が選ばれたことを受け、このスローガンを掲げてラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会で8強入りを達成した日本代表勢から喜びの声が上がった。

トップリーグのパナソニックに所属する選手は合宿中の宮崎市で取材に応じ、2016年10月の発表時に共同主将を務めていたフッカーの堀江翔太は「ラグビーが注目されてうれしい。誇りに思う」と語った。

ラグビーにちなんだ言葉は5つが候補に入っていた。「ワンチーム」は若手やベテラン、多国籍の選手が団結することを意味し、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチによる新体制になって考案された。

W杯で4トライを挙げたWTB福岡堅樹は「日本中に浸透してうれしく思う。(受賞は)W杯で日本全体がワンチームとなった結果で、言葉に重みがある」と話した。

候補の1つだった「笑わない男」で知られるプロップ稲垣啓太は「一過性で終わらないように、ワンチームをさらにレベルアップできるように取り組まないといけない」と決意を新たにした。

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明大「前へ」体現強力FWで完勝、ロック箸本MOM

早大に完勝し喜ぶ明大の選手たち(撮影・狩俣裕三)

<ラグビー関東大学対抗戦:明大36-7早大>◇最終節◇1日◇東京・秩父宮ラグビー場

昨季の大学王者が意地を見せた。明大が早大を36-7で下し、4年ぶり17度目の優勝を果たした。

188センチのロック箸本龍雅(3年)ら大型FWを軸に、攻守で伝統の「前へ」の精神を体現して圧倒。6戦全勝同士の対決では25年ぶりとなった早明戦を制した。全国大学選手権では21日に秩父宮で初戦を迎える。6勝1敗の早大は2位で、3位の帝京大と筑波大までの4チームが全国大学選手権に進む。

   ◇   ◇   ◇

25年ぶりの全勝対決となった伝統の早明戦は、“明大劇場”となった。2万9867人の超満員の会場で、「明治」コールが響き渡った。前半を3点差で折り返すと、後半は大型FWが繰り出す重戦車のような突破力を存分に発揮。フッカー武井主将らが4トライを追加し、36-7で完勝した。田中澄憲監督は「前半のゲーム展開を含め、我慢比べになると予想していた。選手15人が役割を遂行してくれた」と胸を張った。

序盤は、早大にテンポの速い攻撃で自陣に入られたが守りきった。前半17分。左展開からロック箸本が、相手2人を引きずりながら先制トライを決めた。その後も188センチ、106キロの筋骨隆々の肉体で突破し、ラインアウトなどのセットプレーでも安定したプレーで「マン・オブ・ザ・マッチ」にも選出された。

日本代表NO8のアマナキ・レレイ・マフィに憧れ、肉体改造のため今春に8キロ減量した。大好物のラーメンを我慢し、栄養管理も見直して体脂肪も5%減の14%になった。東福岡高時代に高校日本代表主将を務めた逸材は「W杯の南アフリカ代表のように攻守においてFWの強い姿勢が大切」と強調した。

今季の対抗戦では、名門慶大や8連覇した帝京大を下したことも大きな自信になった。昨季の大学王者ではあるが、慢心はない。チームスローガンは「真価」だ。武井主将は言う。「昨年は昨年のチーム。今年のチームで日本一になって進化を体現する。準備ではなく、成長することが大事」。紫紺の戦士たちの戦いはこれからだ。【峯岸佑樹】

▽明大OBで日本代表SO田村優 選手たちはこれだけたくさんの方の前で試合が出来て幸せ。明治が勝って良い1日になりそう。

試合開始2時間前にも関わらず、ごった返す秩父宮ラグビー場(撮影・狩俣裕三)
試合前、テレビでゲスト出演する両校OBで日本代表の田村(左)と山中(撮影・狩俣裕三)

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早大、後半無得点で完敗 大学選手権での雪辱誓う

試合後、悔しがる早大SH斎藤(右)(撮影・狩俣裕三)

<ラグビー関東大学対抗戦:明大36-7早大>◇最終節◇1日◇東京・秩父宮ラグビー場

早大は立ち上がりこそ速い展開で攻め込んだが、1対1の場面で食い込まれ始めた後半は攻撃の糸口を見いだせず無得点に終わった。

完敗に相良監督は「スクラムはある程度頑張れたが、ラインアウトは修正が必要」と課題を挙げた。大学選手権で勝ち上がれば、国立競技場で行われる決勝で明大と再戦の可能性もある。SH斎藤直人主将は「決勝でもう1度、明治と戦いたい。練習の強度、精度を高めていく」と前を向いた。

ラインアウトで競り合う両チームの選手たち(撮影・狩俣裕三)

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早大・斎藤主将、明大に5トライ許し「ミスが敗因」

明大対早大 前半、コンバージョンゴールを決める早大SH斎藤(撮影・滝沢徹郎)

<ラグビー関東大学対抗戦:明大36-7早大>◇最終節◇1日◇東京・秩父宮ラグビー場

94年以来25年ぶりの全勝対決となった「早明戦」は明大が36-7で早大に5トライを奪い勝利した。4年ぶり17度目の優勝で、単独優勝は21年ぶりとなった。

敗れた早大の相良監督は「もう少し、切るべきところをしっかり切りたかった。ボールを渡すにしてもリセットした状態でディフェンスをセットする状況をもう少し作れていれば。そういうところに、試合のあやがあったかなと思う」と振り返った。

明大に流れを奪われたセットプレーについては「スクラムはある程度頑張れたと思うし、春先に比べたら成長が見えた。ラインアウトは我々も自信を持っていたが、つぼにはまってしまい、修正する必要がある。相手にもう少し圧力をかけたかった」と説明した。

SH斎藤主将は「自分たちのミスで、明大の強力FWの強みを出させてしまったことが敗因。相手に少しずつゲインを許し、外側にスペースが出来てしまい、ペナルティーから失点してしまった」。大学選手権では、決勝まで進めば明大と再戦となる可能性もあるが、「それまでに2試合あるので、しっかり戦っていきたい。やるしかないと思うので、毎回の練習を大事に全力でやっていきたい」と足もとを見つめていた。

明大対早大 前半、トライを決める早大SO岸岡(左)(撮影・滝沢徹郎)
明大対早大 試合前、練習を厳しい表情で見つめる早大の相良監督(撮影・狩俣裕三)

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「早明戦」制し明大4年ぶり優勝、後半突き放す

明大対早大 後半、プロップ安がトライを決め、喜ぶ明大の選手たち(撮影・狩俣裕三)

<ラグビー関東大学対抗戦:明大36-7早大>◇最終節◇1日◇東京・秩父宮ラグビー場

94年以来25年ぶりの全勝対決となった「早明戦」を明大が36-7で制し、4年ぶり17度目の優勝を果たした。

満員のスタジアムで行われた注目の一戦。立ち上がりは、早大が敵陣で試合を展開し、速い球出しで連続攻撃を仕掛けたが、得点は奪えなかった。逆に、先制したのは粘り強い防御で得点を許さなかった明大。11分にスクラムで反則を奪うと、ラインアウトからのボールをFWが少しずつ前進。最後は15分にロックの箸本が早大防御をこじあけ、左中間にトライを奪った。

24分に早大も反撃。敵陣深く、右サイドのスクラムから右に展開し、ボールを受けたSO岸岡がインゴールに飛び込み、7-7の同点に。28分には明大がボールを左右に展開して奪った反則から、PGを成功させ、再びリードを奪い、10-7で前半を折り返した。

後半に入っても、先にペースをつかんだのは明大。ロック箸本の突破力を生かし、ボールをつなぐと、フランカー武井主将が右中間にトライ。SO山沢のゴールも決まった。同6分にも敵陣でのスクラムで反則を奪取。ラインアウトから得意のモールで持ち込み、連続トライを奪った。明大は安定したセットプレーから攻撃を展開し、19分にもFWを中心にインゴールをこじ開け、一気に点差を広げた。試合終了間際にはWTB山村がだめ押しのトライを奪った。

早大も、粘り強い防御で応戦したが、後半は得点を奪えなかった。

対抗戦からは明大、早大、帝京大、筑波大が大学選手権に出場する。

明大対早大 前半、オフロードパスを出す明大SH飯沼(左)(撮影・滝沢徹郎)
明大対早大 前半、早大WTB古賀(手前)を突き放す明大フッカー武井(撮影・狩俣裕三)

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目標を書き自己採点するノート効果でコメント力UP

藤原秀之監督

<ラグビー流 Education>

ラグビーW杯(ワールドカップ)は終わっても、国内ラグビーはこれからが佳境です。毎週日曜日は「ラグビー流 Education」。5大会連続18度目の全国選手権出場を決めた名門・桐蔭学園(神奈川)を率いる藤原秀之監督(51)は、前回の「目標の設定」というテーマを受けて、各自が目標を具体的に考える中で、コミュニケーション能力の成長もみられたと話します。

  ◇   ◇   ◇  

前回お伝えしたように、桐蔭学園ラグビー部では各自が最高目標と最低目標をノートに書き、自己採点するという習慣を日常化させています。この取り組みで、プレー以外にも変化が表れたという。

藤原 コメント力が変わりました。卒部式の時(のスピーチなどで)、いいこと言うなあ、こんなこと言うんだ、と…(笑い)

自分で考え、書いているうちにボキャブラリーや表現力も成長した。コミュニケーション能力を含め、生きていく上で大切なものも育んでいた。ミーティングでも「カンペ禁止」。

藤原 まとめたメモ(カンペ)は禁止。頭の中に入っているキーワードを順序だてて話せばいいでしょ、って。なんとなく話すのもNGですね。「しっかり」とか「正確に」という言葉には、「『しっかり』ってどういうことですか?」と質問が飛びます。

抽象的な言葉や決まり文句にはツッコミが入る。

藤原 「しっかり」の意味は人それぞれでいい。例えばプレーの動作なら、肩の向きや手の位置など具体的に示すように。

わかりやすさ、伝えやすさ、いわゆるコミュニケーション能力は生活全般、大人になっても大切になる。

◆藤原秀之(ふじわら・ひでゆき)1968年(昭43)東京生まれ。大東大第一高でラグビーを始め、85年度全国選手権でWTBとして優勝。日体大に進む。卒業後の90年に桐蔭学園高で保健体育の教員、ラグビー部のコーチとなり、02年から監督。同部は本年度で5大会連続18度目の全国選手権出場に。決勝進出6回、10年度優勝時のメンバーに日本代表の松島幸太朗ら。今や「東の横綱」と呼ばれている。

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目標に到達するため何をすべきか「逆算の方程式」

ベスト8進出を決め、中島(右)と喜ぶジョセフ・ヘッドコーチ

<ラグビー流 Education>

ラグビーW杯(ワールドカップ)は終わっても、国内ラグビーはこれからが佳境です。毎週日曜日は「ラグビー流 Education」。元日本代表の今泉清氏(52)は前回の「目標の設定」というテーマを受けて、目標に到達するための手段、方法論に言及します。

  ◇   ◇   ◇  

目標に到達し、目的を達成するため、何をすべきかを逆算して計画、準備をすることを今泉氏は「逆算の方程式」と呼ぶ。例えば、15年W杯で日本が南アフリカに勝った「世紀の番狂わせ」の時の話。E・ジョーンズ監督にとって、選手の身体能力のハンディが課題の1つだった。

今泉 走り負けないように「相手の3倍走る」と掲げて、1日5回のトレーニングで持久力を培った。強い相手を1人では止められないから、2人で止めるダブルタックルを指導。小柄な日本人の体格を生かし、(タックルなど)低いプレーを武器にすべく、レスリングの練習を導入した。

準備は練習メニューだけではなかった。

今泉 (試合日である)9月19日の過去10年の天候を調べ、晴天85%のデータから戦い方を準備した。世界トップ4(南ア)の初戦にはどんな主審が起用されるか統計し、その主審の傾向を調べ上げ、選手に伝えた。主審候補者を菅平合宿に招き、紅白戦を行った。実際にはその方が本番で主審を務めた。1年間かけて準備したんです。

15年W杯で日本は南アに勝ったが、8強入りはならなかった。今年のW杯では8強入りを実現した。

今泉 ジョセフHCは「ボール・イン・プレー(ボールを動かしている時間)40分」を目標に掲げた。世界トップの平均は33~34分です。前回の「相手の3倍走る」をより具体的、細分化したんです。

今泉氏はW杯で最も印象的だったプレーの1つに、8強入りを決めたスコットランド戦前半17分の松島のトライを挙げる。

今泉 左の福岡が走った時に本来は右にいる松島がサポートし、つながった。8月の米国戦では逆に右の松島を福岡がサポートし、福岡がトライ。準備されたプレーだった。

15年W杯前は173日の「地獄の合宿」があったとされるが、今回は250日に及び準備した。

今泉 仮に子どもが「You Tuberになりたい」と言ったら、それがいいとか悪いとかではなく、そのために何が必要か、今は何をすべきか尋ね、考えさせた方がいい。「You Tuber」を仕事、稼ぐ手段にするなら広告収入が必須。そのためには独自の作品、何より他人から必要とされる作品が求められます。自分が好きな動画を発信するだけで稼げる職業ではないですよね。

◆今泉清(いまいずみ・きよし)1967年(昭42)生まれ、大分市出身。6歳でラグビーを始め、大分舞鶴高から早大に進み、主にFBとしてプレースキックなどで大学選手権2回優勝、87年度日本選手権優勝に貢献。ニュージーランド留学後、サントリー入り。95年W杯日本代表、キャップ8。01年に引退した後は早大などの指導、日刊スポーツなどでの評論・解説、講演など幅広く活躍。

スコットランド戦の前半、トライを決める松島

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京産大・大西監督、大学選手権で「天理ともう1回」

試合後に天理大のフランカー岡山主将を呼び止め握手する京産大の大西監督(撮影・松本航)

<関西大学ラグビー:天理大50-12京産大>◇最終節◇30日◇たけびしスタジアム京都

4度の関西制覇を誇る京産大が12-50で天理大に敗れ、今季限りで勇退を表明している大西健監督(69)のリーグ最終戦白星を逃した。

全勝で4連覇に花を添えた天理大の小松節夫監督からは尊敬の念を示され、73年から京産大を率いる名将は涙。関西4位(4勝3敗)で臨む全国大学選手権へ、闘志を奮い立たせた。同大、関学大を含めた上位4校が同選手権へ進出。摂南大、大体大は2部との入れ替え戦(12月8日、京都・宝が池球技場)に臨む。

   ◇   ◇   ◇

薄暗い通路のベンチに腰掛け、涙を拭き終えた大西監督がつぶやいた。「このまま終わり? そうはさせんぞ」。前半は7-17。自慢のスクラムを押したが、後半5分のトライをきっかけに計8トライを許した。「完膚なきまでにやられた。天理は強かった」。まずは潔く、王者をたたえた。

73年の監督就任以降は名門の同大を追い、厳しさと愛情で無名選手たちを育て上げた。この日、天理大の小松監督は優勝インタビューで「今年、大西先生は最後の年。低迷している時に、すごく助けてもらった」。天理大は大西監督の母校であり、90年代に3部降格を味わった。ライバルからの言葉に涙を流し「何とか踏ん張って、はいつくばってでも、天理ともう1回当たりたい」と言い切った。

再戦の可能性は、全国大学選手権の準決勝に限られる。天理大戦の後半は防御時に素早く前に出る約束事が守られず、受け身になったタックルで止めきれなかった。成長なくして、4強は夢物語だ。選手権初戦の日大戦(15日、埼玉・熊谷)へ、ロックの伊藤主将は「負けたら終わり。『ONE TEAM』にならないとダメ」と厳しい表情を貫いた。残り2週、一喜一憂する暇はない。【松本航】

関西大学ラグビー最終節の天理大戦を終え、感極まる京産大の大西監督(中央)(撮影・松本航)

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天理大、全試合50点圧倒 関西勢の全国V奪還誓う

関西大学ラグビーで4連覇し、喜ぶ天理大の選手たち(撮影・松本航)

<関西大学ラグビー:天理大50-12京産大>◇最終節◇30日◇たけびしスタジアム京都

前節で4連覇を決めていた天理大が、リーグ戦が8チームとなった1964年(昭39)以降初となる、全試合50得点以上の圧倒的な強さを見せつけた。

8月31日の開幕戦では大体大を68-0と完封。以降は関学大を75-12、摂南大を83-7、近大を68-13、立命大を73-7、同大を55-6で退け6連勝。最終節で京産大から50得点を挙げた。

京産大戦後の場内インタビューでは、天理大フランカーの岡山仙治主将(4年=石見智翠館)が「最後に1ついいですか」と切り出し「関西のチームは全国の優勝を奪還するために、どこの大学も頑張ります。ぜひ、会場に足を運んでいただきたいです」とあいさつ。春の関西学生代表ニュージーランド遠征で主将を務めた男の言葉に、会場からは「頑張れ!」とエールが送られた。

全日程を終了しての順位は以下の通り。上位4校は全国大学選手権、下位2校はBリーグ(2部)との入れ替え戦(12月8日、京都・宝が池球技場)に進む。

<1>天理大(7勝)

<2>同大(5勝2敗)

<3>関学大(4勝3敗)

<4>京産大(4勝3敗)

<5>近大(3勝4敗)

<6>立命大(2勝5敗)

<7>摂南大(2勝5敗)

<8>大体大(1勝6敗)

勝敗が同じ場合は当該校の直接対決の勝敗で順位付け。

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錦織圭「2日で帰ってる」リーチが語った地獄トレ

フジテレビ系「The 世界力4」の会見を行った左から大沢たかお、リーチ・マイケル、錦織圭

テニスの錦織圭(29=日清食品)とラグビー日本代表のリーチ・マイケル(31=東芝)が初対面した。20年1月4日にフジテレビ系全国ネットで放送される「The 世界力4(仮題)」の収録が30日、都内で行われ、錦織とリーチの対談が実現した。俳優の大沢たかおが2年連続で司会進行の役目を務めた。

錦織は、ラグビーW杯で日本-スコットランド戦を観戦しており、テレビでも何度も観戦。リーチを「テレビで見ているとおり、芯があってキャプテンぽい」。リーチは、日本代表のジョーンズ前代表監督の際に、「ジャイアントキラーの例として、錦織の試合をビデオで見た」と話し、「こうやって話してみて、仲良くできる。共通点が多い。学ぶ点が多かった」と話した。

また、ラグビー日本代表が行ってきた朝から夜までの地獄のトレーニングを聞き、錦織は「僕なら2日で実家に帰っている」と苦笑い。リーチは、20年東京オリンピック(五輪)に出場予定の錦織に、「スポーツは影響力がたくさんある。金メダルとってほしいけど、プレッシャーに感じずに、テニスができたらいい」とエールを送った。

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天理大8トライで全勝締め 悲願の選手権初Vへ弾み

関西大ラグビー最終節の京産大戦に臨む天理大の選手たち(撮影・松本航)

<関西大学ラグビー:天理大50-12京産大>◇最終節◇30日◇たけびしスタジアム京都

前節で4連覇を決めていた天理大が、全勝で花を添えた。

試合開始直後は相手キックオフの処理にもたつき、自陣深くで防御が続く展開。5分に先制トライを許したが、すかさず7分にフッカー北條耕太(3年=天理)がトライ。同16分にはフィジー出身のNO8ジョネ・ケレビ(2年=ナタンプア)が右サイドを走り抜けてトライし、試合を優位に展開した。計8トライを挙げ、悲願の全国大学選手権初制覇へ弾みをつけた。

京産大は3敗目(4勝)を喫した。

関西大ラグビー最終節の京産大戦に臨む天理大CTBシオサイア・フィフィタ(中央)(撮影・松本航)

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同大5勝で全日程終了「花が開きかけている」監督

関西大学ラグビー最終節に臨む立命大(左)と同大の選手たち(撮影・松本航)

<関西大学ラグビー:同大32-17立命大>◇最終節◇30日◇たけびしスタジアム京都

すでに3大会ぶりの全国大学選手権出場を決めている同大が5勝目(2敗)を飾り、全日程を終了した。

前半は終始、立命大の攻撃に耐える展開が続いて0-5。それでも後半にギアを入れ、12-12の19分には左ラインアウトからモールを押し込んで勝ち越しトライ。勢いづいた同21分にはBKで防御ラインを突破し、CTB和田悠一郎(2年=東海大大阪仰星)が主導権を握るトライを奪った。

17年に就任した萩井好次監督は、元近鉄の太田春樹アシスタントコーチらとセットプレーを強化。この日もスクラムで相手の反則を誘う場面があり、萩井監督は「彼ら(4年生)は1年生からずっとスクラム、モールをやってきた。『やってきたんだ』というプライド。少し花が開きかけている」と評価。大学選手権に向けて「我々はチャレンジャー」と気を引き締めた。

立命大は2勝5敗となった。

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「ワンチーム」で警戒を 福岡堅樹が故郷で一日署長

福岡県出身で、ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会で活躍した福岡堅樹(27)が29日、県警粕屋署の一日署長として年末年始の特別警戒活動に参加した。福岡は「安全、安心という大きな目標に向かって、地区全体でワンチームになって警戒活動に臨みましょう」と呼び掛けた。

年末年始を前に金融機関やコンビニを狙った強盗被害が増える中、制服姿の福岡は、粕屋町の商業施設駐車場で警戒活動の出陣式に参加。性犯罪予防のためのアプリを紹介するチラシなどを住民に配布し、防犯意識を高めるよう訴えた。

報道陣にも「ラグビー日本代表としても規律を重視してきた。今後も模範となれるような人間として生きていきたい」と語った。

福岡は県立福岡高校出身の快足ウイングで、W杯では1次リーグのスコットランド戦で2トライを奪い、初のベスト8入りに貢献した。(共同)

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ラグビー稲垣が「笑わない男」を貫く理由/一問一答

日本対スコットランド 前半、トライを決め祝福される稲垣(中央)(2019年10月13日撮影)

ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で日本代表初のベスト8入りに貢献した、新潟市出身のプロップ稲垣啓太(29)の注目度が高まっている。選手としての技量は世界的に評価され、常に無表情な特徴を表現した「笑わない男」は今年の流行語大賞にノミネートされる人気ぶり。常に故郷新潟への感謝を忘れない人間性も愛される要因。20日、新潟市に凱旋(がいせん)した際に会見を開き、声援への感謝と今後の活躍を誓った。

   ◇   ◇

-あらためてW杯ベスト8について

稲垣 いまだに悔しいです。(準々決勝・南アフリカ戦で)負けた直後はあまり考えられなかったけど、準決勝で悔しさが増して、決勝を見てさらに。悔しさは一生消えないでしょうね。だからこそ、忘れずに4年後に持っていきたい。

-地元や、母校を訪れての印象は

稲垣 どこに行っても温かく迎えてもらいました。自分の力だけで成し遂げたベスト8ではないと。帰ったら、しっかりお礼しなければ、という気持ちになりました。

-15年W杯イングランド大会後の帰郷と比べて変化は

稲垣 より一層、温かく迎えてもらった感じです。今、ラグビーがブームといわれていますが、すぐに終わるようでは文化として根付かない。文化になるきっかけをつくりたいです。そのために選手として結果を残したい。

-前回は1次リーグ敗退、今回はベスト8。達成感を持っての帰郷か

稲垣 それはあまり感じていないです。ベスト8という目標は達成しましたが、そこで終わりではなく、すぐ次の目標設定がされる。それをクリアできなかった。満足したらプロスポーツ選手として終わり。常に成長するように取り組んでいきたいです。

-「笑わない男」。笑わない理由は

稲垣 試合中にヘラヘラするのが好きじゃないんです。弱い部分を見せたくない。戦いの場なので緩んだ表情を見せるのは違うかな、というのが僕の美学でもあります。(「笑わない男」が)流行語大賞に挙がっていますが、ふさわしいのは「ONE TEAM」です。全員でチームカルチャーとしてつくり上げたものですから。

-ラグビーを続ける原動力は

稲垣 自分のためです。自分のためにしっかり仕事をしたことが、最終的にチームの勝利に還元され、チームが勝つことによって、応援してくださるファンにも還元されて、というようにつながっていけば。

-今後の目標は

稲垣 1月からトップリーグが始まるので、そこで結果を残したいです。その先に日本代表という舞台がある。23年フランス大会までにどうやってピークを持っていくか。これからのプランニングが重要になります。【構成・斎藤慎一郎】

◆稲垣啓太(いながき・けいた)1990年(平2)6月2日、新潟市生まれ。新津二中では野球部に所属し、捕手。新潟工でラグビーを始める。3年連続で花園に出場し、高校日本代表に選ばれる。関東学院大に進み、4年で主将を務めた。13年にパナソニックに入社。トップリーグ新人王に輝く。14年11月に日本代表に初選出される。15年W杯イングランド大会は1次リーグ全4試合、19年同日本大会は全5試合、左プロップで出場。186センチ、118キロ。

20日の会見で、地元への感謝と今後の抱負を述べる稲垣

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ラグビー明大-早大のチケット完売、Vかけ全勝対決

関東協会は関東大学対抗戦の明大-早大(12月1日、秩父宮)のチケットが完売したと発表した。

ともに開幕から6戦全勝で、優勝を懸け「早明戦」を迎える。

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トンプソン「メッチャうれしい」NPBアワーズ登場

ベストナインの表彰プレゼンターを務めたトンプソンルーク(撮影・足立雅史)

<NPB AWARDS 2019 supported by リポビタンD>◇26日

ラグビー日本代表のトンプソン・ルーク(38)がNPBアワーズ2019のプレゼンターとして壇上に登場し、会場を沸かせた。

「すごい楽しかったのと、メッチャうれしいね! 野球は一番人気のスポーツ、日本で。だからホント、誇りに思います」。ベストナインを受賞したソフトバンク千賀や西武森らと握手を交わし、記念盾を授与した。

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サンウルブズ、元日本代表コーチ沢木氏ら就任を発表

20年シーズンのチームスローガン「KEEP HUNTING」のボードを持つ、スーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズの渡瀬裕司CEO(左)と大久保直弥ヘッドコーチ(撮影・佐々木隆史)

スーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズの20年シーズン会見が26日、都内で行われた。渡瀬裕司最高経営責任者(CEO)、大久保直弥ヘッドコーチ(HC)が出席し、チームスローガン「KEEP HUNTING」を発表。

大久保HCは「今年のW杯は大成功です。ただし、それは過去のこと。次のW杯、未来に目を向けて第1歩を踏み出さないといけない。勝利に餓えている姿勢は、我々のプレースタイルにふさわしい」と話した。

会見には、W杯日本大会で日本代表を初の8強に導き、同代表とあらたに4年契約を結んだジェイミー・ジョセフHCが映像で「次のレベルでチャレンジすること、次の世代の日本人選手を育成するのが大事。日本代表とサンウルブズが、一丸になる必要がある。4年たった時に唯一頼れるのが、それまでの努力。チャレンジは始まっています」とサンウルブズにエールを送った。

第1次候補選手15人を発表し、早大4年のSH斎藤直人(22)が、日本人で唯一選ばれた。大久保HCは「ジェイミーは『若い選手はチャレンジすべき』と言っている。(日本代表の)田中も海を渡ってハイランダーズでやったからこそ今の田中がいる。その険しい道を斉藤君にも歩んで欲しい」と、スーパーラグビーでの成長を期待した。

また、トップリーグ(TL)のサントリー前監督で15年W杯日本代表コーチを務めた沢木敬介氏(44)がコーチングコーディネーターに、TLヤマハ発動機コーチの田村義和氏(41)がスクラムコーチに就任したことも発表した。

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サンウルブズ、次世代選手の育成で新たな礎を築く

20年シーズンのチームスローガン「KEEP HUNTING」のボードを持つ、スーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズの渡瀬裕司CEO(左)と大久保直弥ヘッドコーチ

スーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズの20年シーズンに向けた会見が26日、都内で行われた。渡瀬裕司最高経営責任者(CEO、56)と大久保直弥ヘッドコーチ(HC、44)が出席。23年W杯フランス大会に向けて、日本代表強化の土台になることを再確認した。20年シーズンを最後にSRから除外されるチームだが、4年後の大舞台に向けて大きな1歩を踏み出す。

    ◇   ◇   ◇

大久保HCの視線は、すでに4年後を見据えていた。「今年のW杯は大成功。しかし過去のこと。次のW杯、未来に目を向けてスタートする。その第1歩がサンウルブズであるべき」と決意を述べた。隣の渡瀬CEOも「次の世代の選手を育成できるかどうかに注力していく」と、将来の日本ラグビー界を見渡した。

W杯日本大会で、日本は史上初の8強入りを果たした。堀江、リーチ、田中など、同チームの登録31人中、実に28人がサンウルブズ経験者だった。日本代表強化の柱として16年シーズンからSRに参戦し、世界の猛者と戦ってきた経験は絶大。大久保HCは「柔軟に対応できる能力を持った選手が育ってきた。それは我々の生命線。引き続き強化したい」と狙いを語った。

日本代表も期待を寄せる。W杯日本大会で指揮し、新たに同代表と4年契約を結んだジョセフHCがビデオで「次のレベルでチャレンジすること、次の世代の日本人選手を育成するのが大事。日本代表とサンウルブズが一丸となる必要がある。チャレンジは始まっている」とメッセージを寄せた。サンウルブズでの経験が、日本代表の強化に直結すると考えている。

大久保HCは「ジェイミー(ジョセフHC)と私で、考えは一貫している。世界のトップレベルを若い選手が経験し、失敗することで国際的な選手になる」と話した。20年がSRラストシーズン。この舞台で、23年W杯に向けての新たな礎を築く。【佐々木隆史】

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稲垣啓太笑わないのは「僕の美学」新潟凱旋で思い

地元への感謝と今後の抱負を述べる稲垣(2019年11月20日)

ラグビーW杯日本大会で日本代表初のベスト8入りに貢献した、新潟市出身のプロップ稲垣啓太(29)の注目度が高まっている。選手としての技量は世界的に評価され、常に無表情な特徴を表現した「笑わない男」は今年の流行語大賞にノミネートされる人気ぶり。常に故郷新潟への感謝を忘れない人間性も愛される要因。20日、新潟市に凱旋(がいせん)した際に会見を開き、声援への感謝と今後の活躍を誓った。

   ◇   ◇   ◇

-あらためてW杯ベスト8について

稲垣 いまだに悔しいです。(準々決勝・南アフリカ戦で)負けた直後はあまり考えられなかったけど、準決勝で悔しさが増して、決勝を見てさらに。悔しさは一生消えないでしょうね。だからこそ、忘れずに4年後に持っていきたい。

-地元や、母校を訪れての印象は

稲垣 どこに行っても温かく迎えてもらいました。自分の力だけで成し遂げたベスト8ではないと。帰ったら、しっかりお礼しなければ、という気持ちになりました。

-15年W杯イングランド大会後の帰郷と比べて変化は

稲垣 より一層、温かく迎えてもらった感じです。今、ラグビーがブームと言われていますが、すぐに終わるようでは文化として根付かない。文化になるきっかけをつくりたいです。そのために選手として結果を残したい。

-前回は予選敗退、今回はベスト8。達成感を持っての帰郷か

稲垣 それはあまり感じていないです。ベスト8という目標は達成しましたが、そこで終わりではなく、すぐ次の目標設定がされる。それをクリアできなかった。満足したらプロスポーツ選手として終わり。常に成長するように取り組んでいきたいです。

-「笑わない男」。笑わない理由は

稲垣 試合中にヘラヘラするのが好きじゃないんです。弱い部分を見せたくない。戦いの場なので緩んだ表情を見せるのは違うかな、というのが僕の美学でもあります。(『笑わない男が』)流行語大賞に挙がっていますが、ふさわしいのは『ONE TEAM』です。全員でチームカルチャーとして作り上げたものですから。

-ラグビーを続ける原動力は

稲垣 自分のためです。自分のためにしっかり仕事をしたことが、最終的にチームの勝利に還元され、チームが勝つことによって、応援してくださるファンにも還元されて、というようにつながっていけば。

-今後の目標は

稲垣 1月からトップリーグが始まるので、そこで結果を残したいです。その先に日本代表という舞台がある。23年フランス大会までにどうやってピークを持っていくか。これからのプランニングが重要になります。【構成・斎藤慎一郎】

◆稲垣啓太(いながき・けいた)1990年(平2)6月2日、新潟市生まれ。新津二中では野球部に所属し、捕手。新潟工でラグビーを始める。3年連続で花園に出場し、高校日本代表に選ばれる。関東学院大に進み、4年で主将を務めた。13年にパナソニックに入社。トップリーグ新人王に輝く。14年11月に日本代表に初選出される。15年W杯イングランド大会は1次リーグ全4試合、19年同日本大会は全5試合、左プロップで出場。186センチ、118キロ。

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桐蔭学園、御所実などがシード 全国高校ラグビー

第99回全国高校ラグビー大会(12月27日開幕、東大阪市花園ラグビー場、花園中央公園多目的球技広場)のシード校発表会見が25日、大阪市内で行われた。

シード校は選抜大会、国体、各地区大会などの実績を踏まえ、東Aシードを1校、Bシードは5校、西のAは2校、Bは5校の13校が選出された。シード校は以下の通り。

東=A・桐蔭学園(神奈川)、B・国学院栃木(栃木)流通経大柏(千葉)東京(東京第1)日本航空石川(石川)中部大春日丘(愛知)

西=A・京都成章(京都)御所実(奈良)、B・大阪桐蔭(大阪第1)常翔学園(同第2)東海大大阪仰星(同第3)東福岡(福岡)佐賀工(佐賀)

Aシード校では桐蔭学園が選抜大会優勝、御所実が準優勝、京都成章はベスト4の実績を残している。

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ラグビー元日本代表林敏之氏が日本スポーツ学会大賞

林敏之氏(2017年2月10日撮影)

今年の第10回日本スポーツ学会大賞に、ラグビー元日本代表で、神戸製鋼の7年連続日本一に貢献した林敏之さん(59)が選出された。

スポーツ関係者や大学教授らが会員に名前を連ねる同学会は、長年にわたりスポーツ界に貢献してきた人物や団体を毎年表彰している。87年の第1回W杯で日本代表の主将を務めた林さんは、現役引退後に「NPO法人ヒーローズ」を設立し、小学生のラグビー大会ヒーローズカップを開催するなど、子ども世代へのラグビーの普及と育成に尽力してきたことが評価された。

授賞式と記念講演は27日午後7時から東京・渋谷区のハクジュホールで行われる。参加費は一般1000円。

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トンプソンが花園大使に就任「名刺作ったの初めて」

大使就任のあいさつをする近鉄トンプソン(撮影・南谷竜則)=2019年11月25日、東大阪市役所

ラグビー日本代表ロックのトンプソン・ルーク(38=近鉄)が25日、東大阪市役所で花園友情大使就任式に出席した。

ワールドカップ(W杯)日本大会では初の8強進出に貢献。スコットランド戦ではフル出場した。「W杯はすばらしい経験。チームもいい結果。スコットランドはすごいきつかった。アイルランド戦も試合の後、疲れた」と日本語で振り返った。

W杯4大会連続出場という功績をもつレジェンドは、今季限りで現役引退を表明。前日24日には、14年間過ごした近鉄の本拠地である花園で最後の試合をし、豊田自動織機を相手に33-22で勝利した。「花園は特別な場所。寂しいけれど、また花園に戻ります」と誓った。

トップチャレンジリーグ(TCL、トップリーグ2部)は残り5試合を残すのみとなった。「勝ちたい。全部の試合出て優勝したい」と自身のキャリアを華々しく終えることを宣言した。

東大阪市からは「花園友情大使」の名刺も進呈された。「名刺を作ったのは初めて。会う人に渡していきたい」とうれしそうに話した。【南谷竜則】

特大の名刺を受け取る近鉄トンプソン(撮影・南谷竜則)=2019年11月25日、東大阪市役所
特大の名刺を掲げる近鉄トンプソン(撮影・南谷竜則)=2019年11月25日、東大阪市役所

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ラグビー近大、執念の逆転 強さの秘密はCMにあり

関学大に勝って大学選手権出場の可能性を残した近大(撮影・横田和幸)

<関西大学ラグビー:近大27-17関学大>◇第6節最終日◇24日◇滋賀・布引運動公園陸上競技場

近大が逆転勝利で3勝3敗として4位に浮上し、2012年度以来7大会ぶりの全国大学選手権出場へ望みをつないだ。

前半を7-17の劣勢で折り返したが、後半に3連続トライで逆転。負ければ対戦相手の関学大の同選手権出場が決まっていた瀬戸際で、執念のプレーを見せた。

近大は19年度の推薦入試を含む総志願者数は約20万9000人で過去最高を更新した。近大マグロなど話題も多い。そこに最近では近大がスポンサーとなった民放テレビの天気予報が流れている。CMの映像にはいろんな近大の学生が登場するが、その中に近大ブルーのユニホームを着用した本物のラグビー部員もいる。

今年5月の収録でCMに出演したラグビー部の穴井貴之(4年)は、部内では控え組でこの日もスタンドから必死に応援した。CM効果について「他のアメフトやラクロス、バレー、ゴルフ部員と近大ブルーのユニホームを着て出演したが、体育会全体の団結力が生まれた」と、いい意味でのライバル心を強調する。

例えばゴルフ部は10月下旬から行われた信夫杯争奪日本大学対抗戦に出場。アメフト部も事実上、国内最高レベルを誇る関西学生リーグで1部の中位校を目指している。ラグビー部も関西大学リーグで優勝こそないが、この10年は1部(Aリーグ)に定着。4連覇した天理大の力が抜けているが、その次のグループに入ろうとしている。まさに切磋琢磨(せっさたくま)の関係にある。

この日の後半40分間はラグビー部の歴史に残るかもしれない、気迫を前面に押し出した内容だった。特に後半残り10分ほどは自陣で絶体絶命の失点危機を乗り越え、逆にロスタイムにはカウンターからダメ押し点を奪うドラマがあった。中島茂総監督(72)は「あれができるんだったら、前半からしてほしかった」と苦笑いするほどだ。

30日の最終戦は摂南大と対戦する。今季から全国大学選手権の関西枠は1つ増えて4つになった。他チームの結果に左右されるとはいえ、全国切符の可能性はある。プロップ紙森陽太(2年)は「今日の後半はみんなの闘志が出た。最終戦はまず、しっかり勝ちきること」と意気込む。CM効果に乗る近大が、再びドラマを起こすかもしれない。【横田和幸】

近大が関学大に勝って大学選手権出場の可能性を残した(撮影・横田和幸)
近大が関学大に勝って大学選手権出場の可能性を残した(撮影・横田和幸)

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ラグビー近大が逆転で4位浮上 7大会ぶり全国望み

近大が関学大に勝って大学選手権出場の可能性を残した(撮影・横田和幸)

<関西大学ラグビー:近大27-17関学大>◇第6節最終日◇24日◇滋賀・布引運動公園陸上競技場◇観衆1214人

近大が逆転勝利で5位から4位に浮上した。後半9分に同点に追いつくと、同18分にCTB福山竜斗(2年=天理)が右スミに勝ち越しのトライ。その後は関学大の猛攻撃にあった。同点、逆転を許してもおかしくない状況だった。

しかし自陣ゴール前で粘り続け、逆に後半ロスタイムには速攻からWTB川井太貴(4年=常翔学園)が左スミに飛び込んだ。あまりにも劇的なダメ押し点に涙を流す選手もいた。

中島茂総監督(72)は「川井のトライには、びっくりした。あれだけ(後半のように)できるんだったら、前半からやってほしかった」と冗談をまじえつつ、興奮も隠せなかった。敗れた関学大の牟田至監督は「前半に点を取りきれなかったことが敗因。単純なミスも後半(の近大の反撃)につながった」と振り返った。

近大には全国大学選手権出場の可能性が、30日の摂南大との最終戦まで残された。今季から関西の出場枠が1つ増えて4つになった。既に4連覇を飾った天理大と同大に加え、この日で京産大も出場権を得た。残る1枠へ、近大が望みをつないだ。2012年度以来7大会ぶりの全国へ、最高の勢いをつけた。

関学大に勝って大学選手権出場の可能性を残した近大(撮影・横田和幸)

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ラグビー摂南大が今季初勝利「敵陣で戦えた」ヘッド

摂南大が大体大を倒して今季初勝利を挙げた

<関西大学ラグビー:摂南大36-5大体大>◇第6節最終日◇24日◇滋賀・布引運動公園陸上競技場◇観衆788人

入れ替え戦に回らなければならない7、8位対決は、最下位の8位摂南大の大勝に終わった。7位大体大に6トライを決め、許したのは後半ロスタイムの1トライのみ。今季初勝利(5敗)で意地を示した。

トライ6本のうち5本を量産したWTB岡田寛人(4年=京都成章)は「この試合に向けてセットプレーの強化やアタックを中心とした準備をしていた。僕だけのトライじゃなく、チーム全体で取ったもの」と胸を張る。特に後半は果敢な展開ラグビーで圧倒し、勝利を確実にした。

摂南大は昨年、2部(B)リーグで戦い、今季は1部(A)リーグへ再復帰したばかり。「やはり(1部は)接点の厳しさやスピードが違う」と岡田。天満太進ヘッドコーチ(39)は「エリアマネジメントがしっかりできたことが勝因。きっちり敵陣で戦えた」と話した。

この大勝で7位に浮上した摂南大は、最終戦で4位近大と対戦する。敗れた大体大の主将CTB山下真之介(4年=荒尾)は「敵陣に入ってからミスが多かった」と反省し、5位関学大との最終戦へ「勝てるチャンスはあるはず。5日間で準備したい」と今季2勝目へ、まだまだ意欲を失っていなかった。

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