日刊スポーツ

サンウルブズ・マフィらレベルズ戦の登録選手発表

ラグビー日本代表が7月21日から盛岡で強化合宿

真夏の岩手が、ラグビーで熱くなる! 日本ラグビー協会は23日、9月20日開幕のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会に臨む日本代表が、7月21日から25日まで盛岡市・いわぎんスタジアムで強化合宿を実施することを発表した。

25日に釜石市へ移動し、27日の「パシフィック・ネーションズカップ」でW杯にも出場するフィジーと釜石鵜住居復興スタジアム(写真)で対戦。その後は8月2日にトンガ戦(大阪・東大阪市花園ラグビー場)、同10日に米国戦(フィジー・ANZスタジアム)を予定されている。釜石鵜住居復興スタジアムはW杯でフィジー-ウルグアイ(9月25日、午後2時15分開始)、ナミビア-カナダ(10月13日、午後0時15分開始)の2試合が開催される。

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サンウルブズ・マフィらレベルズ戦の登録選手発表

サンウルブズ・マフィ(2019年3月14日撮影)

スーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズは23日、東京・秩父宮で25日に行われるレベルズ(オーストラリア)戦の登録選手23人を発表した。

昨季までレベルズに在籍したNO8のマフィ(NTTコミュニケーションズ)が先発。控えには、SO山沢や日本代表候補のオーストラリア遠征を終えて合流したフランカー徳永らが入った。5連敗中のチームは今季2勝10敗で、レベルズとは4月に対戦して15-42で敗れた。

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ラグビー元豪代表スミスが引退発表「この日が来た」

サントリーでプレーするジョージ・スミス(左=16年9月3日撮影)

オーストラリア・ラグビー協会は21日、元同国代表で111キャップを持つジョージ・スミス(38)の現役引退を発表した。

本人が声明で「とうとうこの日が来た。ここまで20年プロとしてプレーできて本当に光栄」と述べた。

日本で過去にプレーしたトップリーグのサントリーでコーチを務めることが既に発表されている。

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畠山健介、ラグビー人気復活へ3要素の重要性訴える

ラグビー界の未来について語る畠山健介(撮影・峯岸佑樹)

ラグビー元日本代表プロップで11、15年ワールドカップ(W杯)に出場した畠山健介(33)が19日、ラグビー界の「変革」を訴えた。

都内で行われた19年W杯日本大会の機運醸成を図る「丸の内15丁目プロジェクト」(三菱地所主催)のイベントに参加。日本ラグビー選手会代表理事の畠山は、自身のキャリアを振り返りながら現役選手や来場者ら約80人ともに、ラグビー界の未来などについて熱く議論した。昨季でトップリーグ(TL)の強豪サントリーを退団した33歳は、冒頭のあいさつで「人生の3分の1をTLでプレーした。ラグビーをしていない自分を思うと本当に怖くなるし、ラグビーに助けられ、感謝している」と競技への愛情を伝えた。

TLに11年間在籍して、最も印象に残る思い出として「15年W杯後の開幕戦」を挙げた。W杯ではエディージャパンの主力として、南アフリカ代表を破るなど快進撃を続け、国内外でラグビー熱が高まった。「日本ラグビーが強くなって、これでラグビー界が『変わる』と思ったけど…。代表が勝つ=競技普及や文化定着でないことを学んだ。W杯後の開幕戦(の会場)を見て、何のためにいろいろなものを犠牲にして一生懸命やってきたのか。(自身に対しての)怒りさえ覚えた」と感極まって目頭を押さえた。続けて、「世界で感動を与えるスポーツが日本ではやらないはずがない。みなさんと一緒に日本ラグビーの可能性を広げたい」と変革を呼び掛けた。

畠山は大型ビジョンを用いて「プロとしての未来」をテーマに語った。ラグビー人気復活のために、スポーツビジネスの観点から「強化」「普及」「資金」の3つを重要とした。大企業に支えられているTL選手は、雇用形態が社員とプロに分かれている。そのメリットとデメリットについて独自の見解を示し、「プロはその分野で生計を立てること。結果を出すのは当然で、プロフェッショナルマインドを持って、ラグビーで飯を食う覚悟があるかが大事」と強調した。サントリーを退団してから3カ月が経過した。現役続行を希望し、海外チームの移籍も視野に入れながら、自主トレーニングの日々が続く。プロ選手として、自身を題材に「今は競技での収入はゼロだが、その他のW杯関連のイベントや解説などでなんとかやっている」と後輩らの笑いを誘い、プロとしての厳しさも伝えた。

W杯開幕まで4カ月-。世界を知る男は、ラグビー精神に懸けてこう熱く呼び掛けた。「自国開催1回目で大会の成功以上に、国内外から訪れる多くのファンに『また日本でW杯を開催してほしい』と思ってもらうことが大事だと思う。令和元年にW杯開催も何かのご縁。100年後の未来から見たら、今年が『ラグビー元年』と言ってもらえるようにしたい。日本ラグビー界の未来のために、選手はもちろん、ファンや企業、自治体の皆さんが一体となってそれぞれの役割を全うしてほしい」。33歳の勇猛果敢な挑戦は続く。

ラグビー界の現状を振り返り、涙する畠山健介(撮影・峯岸佑樹)
ラグビー界の未来について語る畠山健介(撮影・峯岸佑樹)

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ウルフパック帰国 田中史朗は6月合宿までオフ返上

荷物を運ぶ日本代表候補の田中

ラグビー日本代表候補「ウルフパック」が19日、オーストラリア遠征から成田空港に帰国した。

SH田中史朗(34=パナソニック)はオフ返上でトレーニングに励むとした。現在の約60人から約40人に絞り込まれる6月の宮崎合宿まで代表はオフ。一部選手はスーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズに合流するが、今のところ田中の合流予定はないという。最長で約3週間の空白期間を「継続的に体は動かし続けて、フィットネスを上げていきたい。年だからすぐには上がらないからね」とした。

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神戸製鋼が優勝パレード、沿道から「足が太い!」

神戸まつりでパレードした神戸製鋼の選手、スタッフら(撮影・松本航)

昨季のラグビー日本選手権で18大会ぶりの優勝を果たした神戸製鋼が19日、神戸市内で行われた「神戸まつり」でパレードを行った。

三宮の中心地「フラワーロード」からスタート。道路でのラインアウトの実演やパス回しなどで、イベントを盛り上げた。沿道からは「足が太い!」などと驚きの声が上がり、選手たちは「頑張って!」と地元の温かい声援を受け取った。

2連覇を目指すトップリーグは、9月に開幕するW杯日本大会の影響で20年1月の開幕を予定する。そのため今季はトップリーグ・カップが19年6月22日に開幕し、神戸製鋼は同日の初戦で近鉄と対戦(和歌山・紀三井寺)する。

神戸まつりのパレード中にラインアウトを披露する神戸製鋼の選手たち(撮影・松本航)

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ウルフパックが5連勝締め 日本代表候補60→40人へ

ラグビー日本代表のW杯までの主な日程

<強化試合:ウルフパック39-12レベルズB>◇17日◇オーストラリア・メルボルン

日本代表候補「ウルフパック」がスーパーラグビー、レベルズの下部チームに39-12で勝利し、3月末からの強化試合を5連勝(1敗)で締めくくった。日本代表も率いるジョセフ・ヘッドコーチ(49)は各ポジションの代表争いを高く評価。現在約60人いる代表候補選手を6月の代表合宿(宮崎)で40人程度に絞り込む方針だ。セレクションから本格的な強化へ。史上初の8強入りを目指すワールドカップ(W杯)に向け、準備は次の段階に入っていく。

代表を争う選手たちが、競い合うように存在をアピールした。ほぼ敵陣で試合を進め、序盤からリードを奪うと、見せ場は後半31分。右サイドをWTB松島が抜け出し、流れるようなパスワークで左に展開。最後は大きく空いたスペースをWTB福岡が走り切り、日本の武器であるスピードで翻弄(ほんろう)した。

16年9月の就任後、ことあるごとに選手層の薄さを課題に挙げてきたジョセフHCも、チームの成長に手応え。松田、徳永ら若手の名前を挙げ「すべてのポジションで選手を育成できた。争いが激化し、初めて層の厚さをもたらすことができた。この層の厚さが成功への鍵になる」と充実の表情で遠征を総括した。

W杯開幕まで残り4カ月。指揮官が描く第1段階の準備が完了した。2月から代表候補選手を集め、国内で約8週間の合宿を実施。CTB中村、SH茂野ら一部の選手にはスーパーラグビー(SR)の日本チーム「サンウルブズ」で経験を積ませ、国内合宿ではパス、タックルなどの基礎技術、フィットネス、フィジカルを一から見つめ直した。

3月末からは代表候補を「ウルフパック」としてチーム編成。サンウルブズとの2チーム同時強化策で、約60人の選手にアピールの場を与えた。出場機会の増えたFB山中がSRでも通用する動きを見せれば、ウルフパックでは、代表主力格のFB松島をWTB、CTBトゥポウをFBで起用。各選手に複数のポジションでのプレーを求め、競争も激化した。プロップ具が「毎日緊張していた」と話すなど、ライバルを意識した日々の中で、しのぎを削ってきた。

約40人に絞り込まれる6月の宮崎合宿ではセットプレーなど、本大会をより意識したチーム作りが始まる。恥骨の炎症で別調整中のリーチ主将も「土台は出来てきた。誰かがけがをすればそれをカバーする選手がそろった」と語る。日本代表が、手応えの中、次のステージに入っていく。

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ウルフパック強化試合を快勝締め 5勝1敗で終える

ウルフパック堀江翔太(右)と稲垣啓太(2019年5月14日撮影)

<強化試合:ウルフパック39-12レベルズB>◇17日◇オーストラリア・メルボルン

日本代表候補で編成したチーム「ウルフパック」が、スーパーラグビー(SR)に属するレベルズの下部チームに39-12で快勝した。

前半は、フッカー堀江翔太(33=パナソニック)が先制トライ。その後、CTB梶村祐介(23=サントリー)もトライを奪うなどして17-5で折り返した。後半は敵陣深くに攻め込むが、得点出来ない我慢の時間が続いた。NO8姫野和樹(24=トヨタ自動車)のトライを皮切りに徐々に攻撃のリズムが生まれ、WTB福岡堅樹(26=パナソニック)らも続いてトライを決めた。

2月から始動したウルフパックは、この日が強化試合の最終戦となり5勝1敗で終えた。ジョセフ・ヘッドコーチ(49)は「10点満点中7点」と評価し、「(リーチら)けが人もいて(SRの日本チーム)サンウルブズで何人か不在の中でも、新たな選手たちを育成することが出来た。各ポジションの層の厚さも感じた」と手応えを口にした。

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ウルフパック強化試合に快勝「10点満点中7点」

レベルズB戦を振り返るジョセフ・ヘッドコーチと姫野主将(右)(撮影・峯岸佑樹)

<強化試合:ウルフパック39-12レベルズB>◇17日◇オーストラリア・メルボルン

日本代表候補で編成したチーム「ウルフパック」が、スーパーラグビー(SR)に属するレベルズの下部チームに39-12で快勝した。

前半はフッカー堀江翔太(33=パナソニック)が先制トライ。その後、CTB梶村祐介(23=サントリー)もトライを奪うなどして17-5で折り返した。後半は敵陣深くに攻め込むが、得点出来ない我慢の時間が続いた。NO8姫野和樹(24=トヨタ自動車)のトライを皮切りに徐々に攻撃のリズムが生まれ、WTB福岡堅樹(26=パナソニック)らも続いてトライを決めた。

2月から始動したウルフパックは、この日が強化試合の最終戦となり5勝1敗で終えた。ジョセフ・ヘッドコーチ(49)は「10点満点中7点」と及第点を与え、「(リーチら)けが人もいて(SRの日本チーム)サンウルブズで何人か不在でも、新たな選手たちを育成することが出来た。各ポジションの層の厚さも感じた」と手応えを口にした。

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ネーションズ選手権に日本が出られない?

ラグビーの国際統括団体ワールドラグビー(WR)が22年の新設を目指す国際大会「ネーションズ選手権」について、日本が第1回大会から参加できない可能性があるとシドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が15日に報じた。

WRが示した12チームの参加を10に減らす提案が出ているという。WRは欧州6カ国対抗と南半球4カ国対抗の10チームに、それ以外の世界ランキング上位2チームを加えた12チームで行う案を発表し、日本も賛成を表明していた。日本ラグビー協会は参加できない案が出ていることを把握しており、日本代表強化のための交渉をWRなどと引き続き行っていく方針。

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リーチ・マイケルがウルフパック離脱、NZで検査

全体練習後、選手たちと会話するリーチ・マイケル主将(右)(撮影・峯岸佑樹)

ラグビー日本代表候補で編成したチーム「ウルフパック」のオーストラリア遠征に参加しているものの、恥骨の炎症で別調整が続いているリーチ・マイケル(30=東芝)が、17日にチームを離れ、母国ニュージーランドで専門家による検査を受けると明かした。

チームは17日のレベルズの下部チームとの強化試合に向け、メルボルン郊外で最終調整。練習を見守ったリーチは「セカンドオピニオンの意味で、ニュージーランドで診察を受けることになった。ジェイミー(ジョセフ・ヘッドコーチ)とも相談し、時間がかかっても完治させるように言われた」と説明した。

リーチは3月の沖縄合宿で同箇所を負傷。遠征出発前には、ダッシュができるまで回復し、オーストラリアで行われる2試合の強化試合での復帰に意欲を示していたが、飛行機移動で患部に負担がかかり、痛みが再発した。7月27日に始まるパシフィック・ネーションズカップへの出場についても、「まだ分からない」と慎重な見通しを示した。【奥山将志、峯岸佑樹】

全体練習でラインアウトからの攻撃を確認するリーチ・マイケル主将(右)(撮影・峯岸佑樹)

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NO8姫野和樹、強化試合へ「自信につなげたい」

姫野和樹(2019年4月4日撮影)

ラグビー日本代表候補で編成したチーム「ウルフパック」は17日のレベルズの下部チームとの強化試合に向け、メルボルン郊外で最終調整を行った。

リーチ不在の中、ゲーム主将を務めるNO8姫野和樹は、6月の日本代表合宿(宮崎)前の最後の強化試合に「最終戦でしっかりとしたゲームをし、自信につなげたい」と闘志を燃やした。

9月開幕のW杯に向けてチームは3月末からの強化試合で、ここまで4勝1敗。本職のFBではなくWTBで先発する松島は「自分の仕事にしっかりこだわりたい」と気を引き締めた。

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ウルフパックW杯見据え「複数ポジションこなして」

ラグビー日本代表候補で構成したチーム「ウルフパック」は、17日のスーパーラグビー(SR)、レベルズの下部チームとの強化試合の登録メンバーを発表し、市内のグラウンドで最終調整した。

本職がCTBのトゥポウが2戦連続でFBに入り、FBが主戦場の松島はWTBで先発。インサイドセンター(12番)を得意とするCTBの梶村は、5戦連続でアウトサイドセンター(13番)に入った。

過去5戦の強化試合は、多くの選手に出場機会を与えるために両チーム合意の上、25人を登録したが、今回の試合は、9月に開幕するW杯を見据えて公式戦と同じ23人にした。ジョセフ・ヘッドコーチ(49)は「これまで全員にチャンスを与えてきた。出来るだけ本番に近づけたい」と説明。「(負傷などの事態を想定し)選手には複数ポジションをこなしてほしい」と4週間で4試合をこなすW杯を意識した起用となった。

3月から始まった強化試合は、今回が最終戦となる。現在60人程度いる代表候補は、6月9日からの日本代表宮崎合宿前に40人程度に絞られるため、選手にとっては生き残りをアピールする最後のチャンスとなる。先発するプロップの具は「本番モードに入っている。最後のアピールの場なので、全力で戦いたい」と緊張感を漂わせた。

故障のフランカー、リーチ主将はメンバー入りせず、ゲームキャプテンはナンバー8姫野が務める。【峯岸佑樹】

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SO田村優「気持ちが分かった」CTBの経験生かす

SO田村優(2019年4月20日撮影)

サンウルブズから合流したばかりのSO田村優が、先発で攻撃を引っ張る。

サンウルブズではCTBとしてもプレーし、「12番の気持ちが分かったのは良かった」と、経験を本職でのプレーに生かす。全体練習終了後には映像を見ながら、プレースキックのフォームを確認。「与えられたプレータイムを全力でやっていくだけ」と意気込んだ。

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代表候補で特別編成ウルフパック、反則減へ意識向上

全体練習で攻守の連携を確認する徳永祥尭(右)ら代表候補選手たち(撮影・峯岸佑樹)

ラグビー日本代表候補で特別編成したチーム「ウルフパック」は、17日に行われるスーパーラグビー、レベルズの下部チームとの強化試合に向け、練習を再開した。

約2時間の全体練習では、オフサイドラインや攻守の連携などを入念に確認。大勝した12日のブランビーズB戦はオフサイドやスクラムなどで反則を連発し、選手たちは改めて規律を守るために「意識!」と声を掛け合った。フランカーの徳永は「反則を減らして、細かい技術や質にこだわることが結果につながる」と気を引き締めた。

FWのラインアウト練習ではジャンパーとそれを支えるリフターが、正しい姿勢で従来より「30センチアップ」を意識するなど、よりきめ細やかなプレーを重視する。ホテルでは、FW陣が集まって試合と練習の映像を何度も見返す。予習と復習を繰り返すことで、W杯開幕の9月までに完成形を目指す。3月から始まったウルフパックとしての強化試合は4勝1敗で、17日が最終戦となる。この日の夜にはチームディナーを実施。結束力を高め、最後も白星で締めくくる。【峯岸佑樹】

全体練習で戦術を確認する堀江翔太(右)と稲垣啓太(撮影・峯岸佑樹)
全体練習前に円陣を組む代表候補選手たち(撮影・峯岸佑樹)

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日本代表候補姫野が復活2T「ウルフパック」大勝

ウルフパック

<強化試合:ウルフパック66-17ブランビーズB>◇12日◇オーストラリア・キャンベラ

【キャンベラ12日=奥山将志】日本代表候補で編成したチーム「ウルフパック」は、スーパーラグビー(SR)、ブランビーズの下部チームとGIOスタジアムで強化試合を行い、66-17で大勝した。4月のニュージーランド遠征で左膝を負傷し、別メニュー調整を続けてきたNO8姫野和樹(24=トヨタ自動車)が実戦復帰初戦で2トライを奪うなど、攻守に圧倒した。強化試合4連勝とし、次戦は17日にメルボルンでレベルズの下部チームと対戦する。SRの日本チーム、サンウルブズは同会場でブランビーズとの今季第12戦に臨み、0-33で敗れた。

      ◇       ◇

チームとして課題に挙げていた反則が減らないもどかしい展開の中、姫野が存在感を見せつけた。得意の肉弾戦で勢いをもたらすと、前半終了間際には、敵陣深くでボールを受け、187センチ、108キロの体で相手をはねのけるように強引にインゴールに飛び込んだ。

後半14分にもモールからトライを奪うなど、復帰初戦でけがの不安を一掃。「ボールを前に運ぶ持ち味は出せた」と振り返りつつも、格下相手とあり喜びは控えめ。「高いレベルでやるにはフィジカルもボールキャリーももっと工夫が必要」と引き締め直した。

3月下旬まで約7週間続いた代表候補強化合宿で、自らを徹底的に追い込んだ。持久走では意識的にリーチ主将の隣を走り「尊敬しているからこそ、単純に負けたくない」と同じポジションの先輩を徹底的にマーク。ベンチプレスで代表トップの170キロ、スクワットは220キロを上げるなど、「大きく、走れる」肉体をさらに磨き上げた。

入団1年目の17年シーズンにトヨタ自動車で主将を任され、同年11月に代表デビュー。外国選手にも当たり負けしない体の強さを武器に、代表でも瞬く間に主力に成長した。試合後の会見では、ジョセフ・ヘッドコーチもそのプレーを絶賛。「彼は将来の日本ラグビーのリーダーだ」とあらためて高い評価を口にした。17日のレベルズB戦で強化試合は終わり、6月からは開幕が迫るワールドカップ(W杯)に向けた代表合宿が始まる。「まだまだ満足していない」と姫野。強烈な個性で日本を引っ張っていく。

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サンウルブズ、2度目完封負け「精度上げないと」

<スーパーラグビー:ブランビーズ33-0サンウルブズ>◇第13節◇12日◇オーストラリア・GIOスタジアム

サンウルブズはブランビーズに完封負けを喫し、5連敗で2勝10敗となった。

前半から攻守にミスが目立ち、スクラムで反則を繰り返すなど、最後までリズムを作ることが出来なかった。少ない好機も生かせず、相手に5トライを許して今季2度目の無得点に終わった。フッカー堀江は「成長している部分もあるけど、もっと個人とチームの精度を上げないといけない」と反省を口にした。次戦は25日に東京・秩父宮でレベルズ(オーストラリア)と対戦する。

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ラグビー「ウルフパック」が豪強豪下部チームに大勝

ブランビーズBとの強化試合を振り返るウルフパックのジョセフ・ヘッドコーチ(撮影・峯岸佑樹)

<強化試合:ウルフパック66-17ブランビーズB>◇12日◇オーストラリア・キャンベラ

日本代表候補で編成した特別チーム「ウルフパック」が、スーパーラグビー(SR)に属するブランビーズの下部チームに勝利した。

序盤から相手を圧倒。連続攻撃でフランカー、ラブスカフニ(30=クボタ)のトライを皮切りに計5トライを奪い、前半を38-7で折り返した。後半は前半と同じく反則が目立ち、攻撃が続かない時間帯が続いたが、徐々にテンポアップ。途中出場したWTB松島幸太朗(サントリー)らのトライ、試合終了間際のラインアウトモールなどで点差を広げた。試合後、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、49)は「ペナルティーは多かったが、素早い展開で相手を上回れた。まだまだ(ワールドカップ(W杯)まで)先は長いので着実に一歩一歩進みたい」と振り返った。

9月に開幕するW杯日本大会の日本代表候補は総勢約60人で、2月からウルフパックとSRの日本チーム、サンウルブズの2チームで強化を進めている。ジョセフHCは6月の宮崎合宿前に「35~40人程度」に絞り込む方針で、この日の試合は代表選考においても重要な意味を持つ。

ウルフパックは3月から強化試合を5試合実施し、これまで4勝1敗。17日にオーストラリア・メルボルンでレベルズBとの最終戦を行う。

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山中亮平「安定したプレーを」FBで7戦連続先発へ

ブランビーズ戦に向け会場で調整したFB山中(撮影・奥山将志)

【キャンベラ11日=奥山将志】ラグビー日本代表候補で編成したチーム「ウルフパック」と、スーパーラグビーの日本チーム「サンウルブズ」は12日、GIOスタジアムでともに試合を行う。

ブランビーズとの今季第12戦に臨むサンウルブズは、会場で約1時間の最終調整。FBで7試合連続の先発となる山中亮平(30)は「スーパーラグビーの高い強度でもフィジカルで負けていないことは自信になっている。安定したプレーを続けていきたい」と意気込みを語った。

ジョセフ・ヘッドコーチは、9月のW杯を見据え、6月の日本代表合宿(宮崎)を前に「35~40人程度」に絞り込む方針で、現在約60人いる代表候補選手が各ポジションで生き残りをかけた争いを続けている。FBは松島が定位置を確保しているものの、2番手争いは課題。ブランビーズBとの強化試合を行うウルフパックでは、昨秋の英国遠征2試合で故障していた松島の穴を埋めたトゥポウが先発する。CTBが本職の28歳は「緊張しているが、すごく楽しみ。速い展開のラグビーをしていきたい」とアピールを誓った。

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サンウルブズ田村優がブランビーズ戦で今季初先発へ

SO田村優(2019年4月20日撮影)

ラグビー日本代表候補で編成した特別チーム「ウルフパック」は10日、スーパーラグビーのブランビーズの下部チームとの強化試合(12日、GIOスタジアム)の登録メンバー25人を発表した。

3~4月のニュージーランド遠征で左足を負傷した姫野和樹がNO8で先発し、FBにはトゥポウが入った。12日に、ウルフパックの試合後に同会場でブランビーズとの今季第12戦に臨む日本チーム、サンウルブズも登録選手を発表。SO田村優が今季初先発する。ブラウン・ヘッドコーチは「相手の強いモールをしっかり止め、サンウルブズのラグビーを出すことにフォーカスして準備してきた」とコメントした。

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ラグビー岡村会長退任へ W杯前に、元東芝社長

日本ラグビー協会の岡村正会長(80)が6月の任期満了で退任する意思を固めたことが8日、関係者への取材で分かった。今後のラグビー界発展のために後進に道を譲る考えであることや高齢が理由とみられる。9月20日に開幕するワールドカップ(W杯)を前にして開催国の協会トップが交代することになった。

岡村会長は東芝の社長、会長や日本商工会議所会頭などを歴任。2015年に元首相の森喜朗氏の後任として日本協会会長に就任し、現在が2期目となる。6月に役員改選を迎え、新体制については選考する委員が検討を始める。

4月の理事会では、名誉会長の森氏が体制刷新の必要性を訴えて辞任を表明。岡村会長はその後に森氏と会談し、現在の任期満了までは務める意向を伝えていた。

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ラグビーW杯副審に久保氏、日本人2人目主審ならず

ラグビーの国際統括団体、ワールドラグビー(WR)は7日、9月に開幕するワールドカップ(W杯)日本大会の審判団23人を発表し、日本協会A級レフェリーの久保修平氏(37)が副審に選ばれた。日本人がW杯で審判員を務めるのは1999年大会以来4人目。斉藤直樹氏が務めた95年大会以来となる2人目の日本人主審はならなかった。

久保さんは今年の欧州6カ国対抗で副審を担当するなどしていた。12人の主審には2015年大会決勝で主審を務めたナイジェル・オーウェンス氏(英国)らが名を連ね、副審は7人、判定を映像で補助するレフェリーは4人が選ばれた。

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日本代表候補が豪遠征出発、リーチ・マイケルが復帰

オーストラリア遠征に出発したラグビー日本代表リーチ主将

ラグビー日本代表候補で編成された「ウルフパック」は7日、オーストラリア遠征に出発した。

恥骨の炎症のため4月のニュージーランド遠征を回避したフランカーのリーチ・マイケル(30=東芝)が戦列に復帰。先週からスクラム練習などを再開したとし、「大丈夫。今週か来週の試合に向けて準備していく」と現地で予定されている強化試合への出場に意欲をみせた。けがで別メニュー調整が続いていたフランカーの姫野も順調な回復をアピール。「僕らはもっと高いレベルで結果を残していかないといけない。慢心せずにやっていきたい」と話した。

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五郎丸が中学生にW杯授業「楽しめるよう勉強して」

参加した生徒たちと記念写真を撮るヤマハ発動機の3選手。左から五郎丸、ラブスカフニ、山村

ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機の五郎丸歩(33)が7日、浜松学芸中でラグビー授業を行った。静岡県が地元開催のW杯に向けて実施する、ルールや精神論などを学ぶ教本配布活動の一環。チームメートの山村亮(37)ゲリー・ラブスカフニ(23)とともに、キックを披露したり質問に答えるなどして、中学生約150人と触れ合った。授業の最後には、「国を背負って戦う姿を見たら、良い意味でショックを受けると思う。心の底から楽しめるように勉強してほしい」とエールを送った。

今年4月に同中で創部されたラグビー部の池田准登さん(3年)は「1日5時間練習すると聞いたので、見習って頑張りたいです」と、刺激を受けていた。

県のW杯推進課は県内の小中学生約2万7000人を、袋井市のエコパスタジアムで行われる日本戦以外の3試合に招待する予定。この日始まった選手による交流授業は計72校で予定され、ラグビーの普及を進める。【和田憲明】

生徒たちにあいさつをするヤマハ発動機の3選手。左から山村、ラブスカフニ、五郎丸
ヤマハ発動機の五郎丸はキックを披露する

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サンウルブズ・マシレワが1週間の出場停止処分

スーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズは3日のレッズ(オーストラリア)戦で2度の警告で退場となったWTBセミシ・マシレワが、1週間の出場停止処分を受けたと6日、発表した。

ラック内のボールを手で扱う故意の反則と、危険なタックルがあったと判断された。

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豪遠征にリーチ、姫野ら27人 ラグビー代表候補

リーチ・マイケル(18年11月撮影)

日本ラグビー協会は5日、日本代表候補のオーストラリア遠征メンバーを発表し、恥骨を痛めて3月下旬から4月にかけてのニュージーランド遠征に参加しなかったフランカーのリーチ主将(東芝)や、NO8姫野(トヨタ自動車)、FB松島(サントリー)ら27人が選ばれた。

遠征期間は7日から19日まで。12日にスーパーラグビー(SR)のブランビーズの下部チーム、17日にSRレベルズの下部チームと強化試合を行う。日本代表候補はニュージーランド遠征で2試合、国内で2試合の強化試合を戦った。

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サンウルブズ、反則が…レッズに逆転されて4連敗

スーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズは3日、オーストラリア・ブリスベンでレッズ(オーストラリア)との今季第11戦に臨み26-32で敗れた。

前半を13-8とリードで折り返したが、後半9分にWTBマシレワが2枚目のイエローカードで退場。数的不利の中、一時逆転を許したが、後半26分にWTBファンデンヒーファーがトライを奪い再逆転。だが、後半29分に途中出場のSO田村が10分間の一時退場となった直後にモールで押し込まれ、再び試合をひっくり返された。反則が響いたサンウルブズは4連敗で2勝9敗。次戦は12日にオーストラリアでブランビーズと対戦する。

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30年前の“幻の決勝戦”大阪工大高無念の涙/復刻

1989年1月8日付の日刊スポーツ紙面

新時代の幕開けを迎えました。振り返れば、30年前の89年1月7日に昭和天皇が崩御。時代は平成へと進みます。あの昭和最後の日、全国高校ラグビーの決勝が、東大阪市の花園ラグビー場で行われるはずでした。日刊スポーツでは19年元日に、WEB限定で“幻の決勝戦”として語り継がれる大阪工大高(現常翔学園)-茗渓学園(茨城)の舞台裏を、両校の視点から描きました。令和最初の日に、再掲載します。

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大阪の難波からほど近い日本橋に、大阪工大高が定宿にするホテルくら本はある。花園に出場すれば、そこで年を越すのが恒例だった。89年1月7日。その日は、華麗なランニングラグビーで快進撃を続ける茨城県代表の茗渓学園との決勝戦が行われるはずだった。

ちょうど、出発の支度をしていた時だった。主将でFBの伊藤紀晶は、選手全員が食堂に呼ばれたのを覚えている。既に朝食はとった。決勝に向けたミーティングだろうか。それとも、誰かが何かをやらかして、叱られるのだろうか。そんなことを考えていた。

食堂は静かだった。当時ヘッドコーチとして現場を取り仕切っていた野上友一(現監督)は、腕組みをしたまま黙っていた。

静寂を破るように声が響く。

「全員、そろったか」

「はい。全員います」

伊藤紀がそう答えると、野上は、絞り出すように言葉をつないだ。

「今日の決勝戦はなくなった。試合はない、ということや。今から花園に行って、表彰式だけをやることになった」

その日の朝に昭和天皇が崩御。日程面でも順延は難しいとの判断で、中止の連絡が入ったのは、まさに宿舎を出発する直前だった。

伊藤紀は天井を見上げた。とめどなく、涙があふれ出す。初めて決勝に進んだ茗渓学園に対し、大阪工大高はそれまでに2度の全国制覇を誇る花園常連校。後に神戸製鋼に進むフッカーの藤高之、日本代表の中心選手になるCTB元木由記雄らを擁していた。

勝つ自信はあった。だからこそ、もし許されるのであれば、決勝を戦いたかった-。そんな無念の涙だった。

大阪工大高ラグビー部の礎を築き、01年に他界した荒川博司(享年62)は、いつまでも泣く部員を叱った。

「おい、お前ら泣くな! 何で泣いているんや! お前らは、日本一になったんやないか!」

そう声を張り上げながらも、誰よりも単独優勝にこだわっていたのは長年、厳しい指導でチームをここまで育ててきた荒川だった。その場にいる全員が、それを分かっていたからこそ、涙が止まらなかった。

その数日前の夜、伊藤紀は野上の部屋に呼ばれていた。WTBに誰を起用するか。最終的な決断をする前に、主将の意見を聞くためだった。伊藤紀は、こう答えた。

「僕は、陽太郎を使って欲しいと思っています。あいつは誰よりも、むちゃくちゃ走りますし、どんな時でも声を出し続けてくれる。あれほどのムードメーカーはいません。もし劣勢になった時、あいつの力が必要になると思います」

3年の山本陽太郎は、それまでの公式戦の出場がわずか3試合。CTBに2年生でレギュラーをつかんだ元木由記雄、伊藤康裕の2人が入ってきたことで定位置をつかめず、フランカーやWTBを転々としていた。

ただ、誰よりも走った。毎日の厳しい練習後に課された長距離走は、必ず先頭で帰ってくる。それは、チーム内でも有名で、1学年下の伊藤康は「すごかったです。過呼吸になるんちゃうか? そう思うくらい走っていました」と振り返る。自ら「俺はラグビーは下手くそや」と言う山本は、強豪の大阪工大高で試合に出るには、走りで目立つしかない。そう考えていた。

決勝の前夜、全員の前で先発メンバーが読み上げられ1人、1人、ジャージーを渡された。その中に、山本の名前もあった。3年間、ひたむきに追い続けてきた濃紺と赤のジャージーを手にすると、手が震えた。緊張なのか、興奮なのか、分からない。ただ、胸に熱いものが走るのを感じた。

だが翌日、山本は4試合目の公式戦になるはずだった決勝戦の開始の笛を聞くことはなかった。

決勝が中止になったあの日、花園ラグビー場へと向かう近鉄電車の中で、大阪工大高のメンバーは誰も口を開こうとはしなかった。会場に着くと、ただロッカー室で表彰式が行われるのを待った。寒く、静かな空間で、山本はこんなことを考えていた。

「3年間は、これで終わるんやろうか。俺は明日から、何をしたらいいんやろう」

ただ、がむしゃらに走り続けてきた。吐く息が荒くなり、苦しくなっても、手を抜くことはしなかった。それは、仲間とともに全国制覇という夢を追い続けてきたから。日本一にはなった。ただ、満足感や充実感は、そこにはなかった。

しばらくすると、どこからともなく楽しそうな声が響いてきた。誰ともなくグラウンドをのぞくと、茗渓学園の選手がスパイクの袋をボール代わりにして、タッチフットをしていた。観客はほとんどいない。「エンジョイ・ラグビー」と呼ばれ、快進撃を続けてきた選手たちは、永遠に開始の笛が鳴ることのない会場で、彼らだけの“決勝戦”をしていたのだった。

表彰式が終わり、記念撮影をする際も、大阪工大高の選手に笑顔はなかった。それは、あまりにも対照的な光景だった。

その1年後、再び日本一を目指した大阪工大高は、まさか、大阪府予選で姿を消した。元木らを擁し、優勝候補に挙げられながら、当時は大阪城の敷地内にあったグラウンドで、啓光学園(現常翔啓光)に敗れた。2年時に“幻の決勝戦”を経験し、3年時には花園の地を踏むことすらできなかった元木の胸には、今でもしこりのように悔しさが残る。

「あの決勝戦はやりたかったですね。勝つ自信もありましたから。次の年はどこかに、簡単に花園に行けるというおごりがあったんでしょうね。謙虚ではなかった」

30年の時を経て、校名は大阪工大高から常翔学園になった。グラウンドをのぞけば、あの時と同じ濃紺と赤のジャージーを着た選手たちが、ひたむきに走る姿を見ることができる。

昭和から平成、そして令和と時代が移り変わった今でも。日本一という変わらぬ目標を追い続けている。(敬称略)【取材、構成=益子浩一】

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1989年1月8日付の日刊スポーツ紙面

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茗渓学園の当時の主将、大友孝芳(現青学大ラグビー部監督)は「1試合1試合勝つために必死でした。気付いたら決勝まで行っていた」と振り返る。この年度は4大会連続4度目の出場だった。花園の常連になりつつあったが、まだ8強が最高だった。

決勝の朝、散歩のあとのミーティングで昭和天皇崩御のニュースを知った。試合は中止、表彰式だけとなり、花園へ向かった。表彰式の前に時間を持て余し、体を動かしたくなった選手たち。荷物を送っていたため「ボールがない」と、スパイクのバッグにヘッドキャップを詰めてボール変わりにしてパスをして遊んだという。

一方で大阪工大高は「試合をして自分たちが優勝したかった」とロッカールームで泣いていた。事実をあとで聞いた大友は「こっちはみんな喜んでいたので正直びっくりしました」と話した。

表彰式を終え、急いで新幹線に乗り、JR常磐線で地元に着いたのは午後11時過ぎだった。「ばたばたであまり実感がなかった」(大友)が、なんと当時の岡本校長が駅に迎えに来た。

真っ暗な中、降りた駅で岡本校長1人が出迎え「お疲れさま」と言われたという。大友は「うれしかったですが、その後、終電がなくなって友人の親に送ってもらいました」。学業優先。派手なセレモニーをするような校風ではないため、翌日の始業式でひと言、報告があっただけだったという。

当時、茗渓学園を率いていたのは徳増浩司監督(19年W杯組織委員会)。新聞社に入社後、イギリスに行った際にラグビーを勉強し、帰国後教員免許を取得して監督に就任した熱血教師だ。選手の個性を伸ばし、茗渓の「ランニングラグビー」を築いた。戦術は選手任せ。中高一貫で中1から6年間一緒にやっている仲の良さを考慮し、厳しい指導の中にも「ラグビーを楽しめ!」というスタンスを崩さなかった。選手に考えさせ、自分たちの納得するラグビーを展開し「田舎のひょうきん者」たちを決勝に導いた。

15年4月26日。当時の両チームのメンバーで交流試合を行った。開催されなかった幻の決勝。舞台は花園ラグビー場。2カ月前から月1、2回の練習を行い、試合に臨んだ。当時のメンバーがほとんど集結したが、茗渓学園でSHの深津光生(当時2年)が仕事の関係で唯一参加できなかった。代役を務めたのは、スタメンから外れていた兄の明生(当時3年)だった。

掲示板には30年前のスタメンと同じ名字が並んだ。結果は19-64で敗れたが、現役時代をほうふつとさせるプレーで白熱した試合になった。代償は大きく、骨折が両チームで8人もいたという。それでも終始笑顔でプレーし、試合後は健闘をたたえ合った。

後に日本代表で活躍する元木由記雄ら実力者ぞろいだった優勝候補の大阪工大高との決勝。「実は自分たちは準優勝だという選手もいました」と笑顔で語った大友。実力差はあったかもしれないが、試合はやってみなければ分からない。決着は付かなかったが、両校ともに立派な優勝であったことは間違いない。(敬称略)【取材、構成=松熊洋介】

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サンウルブズ堀江翔太(2019年4月22日撮影)

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右足首の疲労骨折から復帰し、前節、今季初出場を果たしたフッカー堀江翔太(パナソニック)が先発入り。SHには茂野海人(トヨタ自動車)が入った。ブラウン・ヘッドコーチは「今週は日本人のフロントローをそろえた。FWとして圧倒した試合運びになることを期待している」とコメントした。サンウルブズはここまで2勝8敗で、レッズとは3月に対戦し、31-34で逆転負けしている。

茂野海人(2018年11月20日撮影)

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