日刊スポーツ

サンウルブズ20年でSR除外 10億円参加費困難

SRがサンウルブズ除外 2020年シーズンで最後

ラグビーの世界最高峰リーグ、スーパーラグビー(SR)の主催者は22日、2020年シーズンを最後に日本チームのサンウルブズを除外すると発表した。16年シーズンから5年契約で参戦し、日本ラグビー協会側は21年シーズン以降も継続を望んだが更新に至らなかった。

主催者のアンディ・マリノス最高経営責任者(CEO)はサンウルブズが外れる理由に関し「日本協会から20年シーズン後は財政的支援を行わないとの回答を受けた」とコメントした。関係者によると、主催者側はサンウルブズと再契約する条件として年間約10億円の参加費を日本に求め、折り合いが付かなかった。21年シーズン以降は現行の15チームから14チームに減らし、総当たり戦で実施する。

サンウルブズは日本代表強化の柱として16年からSRに参戦。初年度から苦戦が続き、昨季は初めて3勝をマークした。今季はここまで1勝4敗で、23日にシンガポールで試合が予定されている。

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サンウルブズ20年でSR除外 10億円参加費困難

サンウルブズの狼ポーズをする堀江翔太(2019年1月10日)

世界最高峰リーグ、スーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズが20年シーズンを最後に除外されることが20日、関係者への取材で分かった。日本ラグビー協会側はSRの主催者から、20年シーズンで5年の参戦契約が切れた後、年間約10億円の参加費を求められ、金額の折り合いが付かなかった。22日にも正式に発表される。

関係者によると、主催者はSRの放送権料を引き上げるため、現行の15チームから14チームに減らして全チームによる総当たり戦への移行を目指しており、サンウルブズが削減対象になった。継続参加する場合は放送権料の引き上げ分を補う金額の負担を求められたという。

サンウルブズは日本代表強化の柱として16年からSRに参戦。初年度から苦戦が続いたが、昨季は初めて3勝を挙げた。

SRの主催者側が求めたサンウルブズとの再契約の条件は、年間約10億円の支出というあまりに高額な参加費だった。日本ラグビー協会関係者は「非常に残念だが、交渉できる金額ではなかった」と明かす。日本協会も代表強化に生かせるサンウルブズの継続を望んでいたが、隔たりは大きかった。

SRは2016年から日本のサンウルブズやアルゼンチンのジャガーズなどが参加して18チームに増えた。だが、移動距離やチーム数増によるレベルの低下が問題視され、18年からは南アフリカなどの3チームが減り、見直しが図られていた。

サンウルブズは16日に東京・秩父宮ラグビー場で行われた試合で約1万5千人を集めた。ある協会関係者は「昨今海外でも観客が入らない中、日本は健闘していた」と一定の手応えも感じていた。だが、19年ワールドカップ(W杯)に向けた強化のため、所属選手が増えたサンウルブズの支出は増加。協会はこれまでも財政面を支えてきたが、想像以上のさらなる負担を受け入れることは難しかった。

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ジョセフHC8強へのシナリオ、最大の鍵は精神面

日本代表候補合宿で開幕半年前となったW杯について語るジョセフ・ヘッドコーチ(撮影・奥山将志)

ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会は20日で開幕まで半年を迎えた。日本代表は現在、スーパーラグビー(SR)の日本チーム「サンウルブズ」と、代表候補選手で編成した「ウルフパック」の2チームを並走させながら、強化を続けている。就任から2年半が経過したジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(49、HC)がインタビューに応じ、日本代表の現状、残り半年間の課題などを語った。【取材・構成=奥山将志】

   ◇   ◇   ◇

16年にウェールズを3点差まで追い詰め、17年はフランスと引き分け。昨秋もイングランドと善戦を繰り広げるなど、15年W杯後の日本は強豪との対戦の中で成長を続けてきた。指揮官は現在のチームに確かな手応えを感じつつ、半年後のW杯開幕を見据えている。

ジョセフHC 狙い通りにきている。W杯までトップリーグ(TL)の試合もないし、専念するのはただ1つ。W杯で勝つこと。トップ8を目指す。

勝負の19年。代表選手に対し、昨年末から約6週間の長期オフを与え、心身のリフレッシュを求めた。2月からは、一部の若手選手は「サンウルブズ」で経験を積ませ、リーチら主力は「ウルフパック」として基礎練習からスタート。選手の状況によって準備のプロセスを変え、今月末からいよいよ実戦に入っていく。

ジョセフHC これまで日本の選手はSR、TL、代表と、ほぼブレーキがなかった。コンディションが整っていない中で、急ピッチで鍛えるからけがもする。昨年11月の代表戦も、堀江、レメキ、松島らキープレーヤーが不在だった。まずは体を万全にすること。ここから、W杯に向けた本格的な準備に入っていく。

4~5月は、ウルフパックが国内外で5試合の練習試合を行い、サンウルブズはSRのシーズンを戦っていく。2チーム間で選手を行き来させながら、実戦の中で強化を進め、6月の強化合宿(宮崎)で代表を招集する。9月2日締め切りのW杯メンバー最終登録31人の枠を巡り、現在約60人いる候補選手の競争もさらに激しさを増していく。

ジョセフHC 宮崎合宿は35~40人程度を考えている。ポジション別で見れば、WTB、FBは層が厚い。フランカー、NO8も9~10人の選手がいるが、W杯では5~6人と、競争率が高い。ポジションによっては、試合で多くのチャンスを与えていきたい。

今後の強化については、「一貫性」を重要視する。強豪と互角に渡り合ったかと思えば、格下に苦戦。精神的な強さこそ、重圧がかかるW杯では重要な要素となると力説する。3月の合宿ではSRの海外チームを指導するメンタルコーチも招いた。

ジョセフHC チームとして最も鍵になる部分だと思っている。日本人は足も速く、フィットネスも高い。ただ、瞬間のチャンスをものにするには、精神的な強さが必要。代表の選手たちは強豪校からTLの強豪に入り、常に成功を味わってきた。だが、日本代表は成功を収められていない。足りなかったのは精神力。体力と同時に、そこを鍛え上げる必要がある。

ニュージーランド代表として95年W杯で準優勝を経験し、同年から02年まで日本のサニックスでプレー。99年W杯には日本代表として出場した。ピッチを離れれば日本語も話し、刺し身、ビール、サウナをこよなく愛す。得意な歌はTHE BOOMの名曲「島唄」。10年以上暮らす日本に特別な思いがあるからこそ、W杯にかける思いは強い。

ジョセフHC W杯で強豪に勝つことは、弱小だったサニックス時代の経験と似ている。コーチとして考えるのは、どこで選手に自信を植え付けるか。日本は勝った歴史がないから、勝ちでは自信は得られない。練習の積み重ねの中で自信をつけていく。日本は確実に良い方向に向かっている。今の状態のまま、残り半年間積み上げていき、9月にピークを持っていく。

◆ジェイミー・ジョセフ 1969年11月21日、ニュージーランド(NZ)生まれ。オタゴ大卒。NZ代表20キャップで、95年W杯準優勝。95~02年サニックス所属。日本代表は9キャップで99年W杯に出場。引退後の11~16年8月までスーパーラグビーのハイランダーズでHCを務め、15年優勝。ポジションはフランカー、NO8。家族は妻と1男3女。足のサイズは32センチ。196センチ、110キロ。

○…日本代表候補合宿は19日、沖縄・読谷村で行われ、グラウンドでの練習を打ち上げた。ジョセフHCは、「セットプレーからの攻撃など、来週からの実戦に向けて強度の高い練習ができた」と総括。2試合の練習試合が予定されている、25日からのニュージーランド遠征に向け「選手も試合を楽しみにしているし、自分たちの現状を知る良い機会になる」と話した。

日本代表候補合宿で指導するジョセフ・ヘッドコーチ(撮影・奥山将志)

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立川4季連続サンウルブズ参加「代表にもつながる」

パスの練習を行う、山沢(右)と立川(右から2人目)(撮影・松熊洋介)

スーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズは19日、シンガポールで23日に行われるライオンズ(南アフリカ)戦に向け、千葉県内で練習を行った。

15年W杯日本代表のCTB立川理道(29=クボタ)が、沖縄での日本代表候補合宿から合流。サンウルブズがSRに参戦した16年からプレーし、17年には共同主将も経験しており「4季参加している選手は少ないし、4年連続でサンウルブズの試合に出られるのは、うれしい」と話した。

昨秋から代表を外れ、今年も日本代表3次候補、サンウルブズからも漏れた。だが、3月上旬に負傷者が出た影響で練習生として候補合宿に参加。合宿での出来が評価され、合流したサンウルブズから代表入りをアピールしていく。20日でW杯開幕まで半年。「フィジカルを全面に出してプレーすることが代表にもつながる」と力を込めた。

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五郎丸歩「飛行機は憧れ」ラグビー応援ジェット就航

ラグビー日本代表選手がプリントされたJAL機を背にする車いすラグビー日本代表の池崎大輔(中央左)とラグビー・ヤマハ発動機の五郎丸歩(同右)(撮影・小堀泰男)

JALのラグビー応援ジェットが19日、羽田空港で公開された。ボーイング767-300の機体左側にラグビー日本代表、右側に車いすラグビー日本代表の選手たちが大きくプリントされた特別塗装機。日本全国の空を飛び回り、ラグビーワールドカップ(W杯)(9月20日~11月2日)、車いすラグビーワールドチャレンジ(10月16日~20日)が開催される今年、両競技を盛り上げ、代表選手を応援する。JALによると違う2つ競技が1つの機体に描かれるのは初めてという。

お披露目会見に招かれたラグビー・ヤマハ発動機の五郎丸歩(33)は「飛行機には小さいころから憧れていた。ラグビーが機体にプリントされるなん思ってもいなかった。W杯までにもっともっと多くの人にPRしていきたい」。車いすラグビー日本代表の池崎大輔(41=三菱商事)は機体に描かれた自らの姿を見て「いや~、こんなことってあるんですね~」と感激の表情で「応援に結果でお応えしたい。魂と魂がぶつかり合う戦いで、競技の魅力を発信したい」と言葉に力をこめた。

応援ジェットはこの日午後0時50分に羽田から函館に向けて初フライト。20日には沖縄合宿を打ち上げたラグビー日本代表を羽田まで送り届ける予定だ。

車いすラグビー日本代表選手がプリントされたJAL機を背にする車いすラグビー日本代表の池崎大輔(中央左)とラグビー・ヤマハ発動機の五郎丸歩(同右)(撮影・小堀泰男)

空から応援!機体にラグビー選手、日航の特別機公開

日航は19日、ラグビー選手を機体に描いた特別機を羽田空港で公開した。ラグビーのワールドカップ(W杯)は9~11月に日本各地で、車いすラグビーの世界大会「ワールドチャレンジ」は10月に東京で開催予定。特別機は両大会への関心を高め、日本代表にエールを送ろうとデザインされた。

羽田空港の格納庫でお目見えしたボーイング767の機体には、代表選手や「がんばれ!」などの文字が大きく入った。

特別機は19日の羽田発函館行きが最初で、12月ごろまで運航する予定という。

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松田力也が代表合宿に合流、本職SOでの出場狙う

日本代表候補合宿に合流したSO松田(撮影・奥山将志)

ラグビー日本代表候補合宿は18日、沖縄・読谷村で行われ、スーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズから17日に沖縄入りしたSO松田力也(24=パナソニック)が練習に合流した。

主力のSO田村とも積極的にコミュニケーションを取り、実戦形式の練習では切れのある動きを披露。サンウルブズでは開幕から5試合に出場も、SOとしてプレーしたのは1試合のみ。「スーパーラグビーの高い強度でプレーできたのはいい経験になった。こっちでは10番(SO)でのプレー時間をもらえると思うので、キックスキルなど、さらにレベルアップしたい」と話した。

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WTBレメキ「家族愛」胸にポジション争いへ闘志

右耳の後ろに入れた「家族」のタトゥーを見せるWTBレメキ(撮影・奥山将志)

ラグビー日本代表候補合宿は17日、沖縄・読谷村で行われ、WTBレメキ・ロマノラバ(30=ホンダ)が進化した肉体に自信をみせた。

11日から続くハードな合宿で、体重が96キロから3キロ減の93キロとなり、体力テストでは自己最高記録をマーク。2試合の練習試合が予定されている月末からのニュージーランド遠征に向け「フィットネスはすごくいい状態。体は90%以上まで仕上がっている」と手応えを口にした。3人の男の子の父親は、沖縄で右耳の後ろに「家族」、左耳の後ろには「愛」のタトゥーを入れ、気合も十分。「自分の強みはパワープレーとラインブレーク。W杯メンバーにWTBは3~4人しか入れないと思うし、しっかりアピールしたい」と山田、福岡らとのポジション争いにも闘志を燃やした。

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ウェールズが全勝で6年ぶり優勝 欧州6カ国対抗

<ラグビー:欧州6カ国対抗>◇16日◇英国カーディフほか

最終戦が行われ、ウェールズが前回王者でワールドカップ(W杯)開催国の日本と同じ1次リーグA組のアイルランドを25-7で下し、5戦全勝で6年ぶりの頂点に立った。ウェールズのグランドスラム(全勝優勝)は2012年以来で、テストマッチの連勝記録は14に伸びた。

W杯1次リーグA組のスコットランドは前日本代表ヘッドコーチのジョーンズ監督率いるイングランドと38-38で引き分けた。フランスはイタリアを25-14で退けた。

2位以下は3勝1分け1敗のイングランド、3勝2敗のアイルランド、2勝3敗のフランス、1勝1分け3敗のスコットランド、5敗のイタリアの順だった。

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NO8マフィ自己評価「100点中1点」でも存在感

後半、タックルを仕掛けるサンウルブズNO8アマナキ・レレイ・マフィ(撮影・狩俣裕三)

<スーパーラグビー:サンウルブズ28-20レッズ>◇第5節◇16日◇東京・秩父宮ラグビー場

サンウルブズがレッズ(オーストラリア)に31-34で競り負け、今季2勝目を逃した。前半は速いテンポから3トライを奪い、21-5とリード。だが、後半に4トライ返されると、終了間際に勝ち越しPGを決められ敗れた。

後半5分からは、W杯日本代表候補で、昨年7月に同僚との暴行トラブルを起こしたNO8アマナキ・レレイ・マフィ(29=NTTコム)がサンウルブズデビュー。持ち味の突破力でトライを演出するなど存在感を示し、今後のさらなる活躍を誓った。

   ◇   ◇   ◇

マフィの見せ場は、7分間に3トライを奪われ、逆転を許した直後の後半29分だった。敵陣でボールを持つと、相手防御を強引に崩し、前進。止められても、1度ボールを離し、再び立ち上がってさらに前へ。スペースをこじ開ける持ち味のプレーで、一時は再びリードを奪うSH内田のトライ(ゴール)を演出した。

終了間際の逆転負けも、15年W杯で日本の歴史的3勝に貢献した実力を合流初戦からアピール。後半5分にピッチに立った瞬間にはファンからの大歓声にも迎えられ「感動した。終わった瞬間に泣きそうになった」とプレーできる喜びをかみしめるように言った。

昨年7月、レベルズ(オーストラリア)の同僚選手を暴行した疑いで一時身柄を拘束され、自宅謹慎などを経て、11月の国内での試合から実戦に復帰。今月4日付でW杯日本大会に向けた日本代表候補合宿に追加招集され、直後にサンウルブズに合流した。

体力面などの課題も認め、自己評価は「100点中1点」。それでも、半年後にW杯開幕が迫る中、「世界一」と語るスーパーラグビーの舞台に戻ったことは大きな意味を持つ。次戦は、23日にシンガポールで行われるライオンズ(南アフリカ)戦。「チャンスをもらえたので、生かしたい。まだまだ、これから」と力を込めた。【奥山将志】

試合後、逆転負けし悔しがるアマナキ・レレイ・マフィ(中央)らサンウルブズの選手たち(撮影・狩俣裕三)

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サンウルブズ16点差守りきれず、後半にミス連発

逆転負けを喫し悔しがるサンウルブズの選手たち(撮影・狩俣裕三)

<スーパーラグビー:サンウルブズ28-20レッズ>◇第5節◇16日◇東京・秩父宮ラグビー場

サンウルブズはセットプレーでミスを連発して、最大16点差あったリードを守りきれなかった。

後半に入ると何度もスクラムで反則を犯してペナルティーキックを与え、自陣での相手ラインアウトに対応できなかった。後手に回る隙を突かれて、後半19分から7分間の間に3トライ献上。フッカーの坂手は「レフェリーとコミュニケーションを取ったけど悪い印象を変えることができなかった。細かいミスが多すぎて修正できなかった」と反省した。

試合後、ファンに一礼する坂手(手前)らサンウルブズの選手たち(撮影・狩俣裕三)

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サンウルブズ-レッズ戦前にNZテロ犠牲者へ黙とう

試合前、前日にNZで起きた乱射事件の犠牲者に対し黙とうをささげる両チームの選手たち(撮影・狩俣裕三)

<スーパーラグビー:サンウルブズ28-20レッズ>◇第5節◇16日◇東京・秩父宮ラグビー場

東京・秩父宮ラグビー場で行われたスーパーラグビーのサンウルブズ対レッズ戦では、試合前に両チームの選手がグラウンド中央で円陣を組み、黙とうがささげられた。

クライストチャーチ出身のサンウルブズのハンセンHC代行は「サンウルブズの代表としてクライストチャーチに声援の気持ちを送りたい。つらい気持ちはあるけど、ラグビーができることを喜びに感じている」と話した。

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銃乱射でハイランダーズ-クルセーダーズ戦が中止

ニュージーランド南島クライストチャーチの銃乱射事件を受け、ニュージーランド・ラグビー協会は16日、同島南部ダニーディンで同日夜に予定されていたスーパーラグビー(SR)のハイランダーズ-クルセーダーズの試合を中止すると発表した。クライストチャーチはクルセーダーズの本拠地。

ダニーディンは事件現場から南西へ300キロ余り。協会の声明によると、地元警察などの見解では試合の実施に問題はなかったが、ニュージーランドに本拠を置く両チーム同士が話し合い、犠牲者を悼むために中止を決断したという。

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釜石SW元ラガー菊池さんラグビーW杯で世界に感謝

東日本大震災の津波で全壊した小中学校の跡地に新設された釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム(岩手県釜石市)には半年後、ラグビーのワールドカップ(W杯)がやってくる。市から県庁に出向し、開催準備に当たる菊池太介さん(40)は、釜石シーウェイブスの元選手。「大会を成功させ、震災で受けた支援への感謝を世界に伝えたい」。8年前には想像もできなかった夢の舞台が迫る。

釜石市出身。「北の鉄人」と呼ばれた新日鉄釜石ラグビー部の選手たちに憧れて小学4年からラグビーを始めた。同市役所に入庁した01年、クラブチームになったばかりのシーウェイブスに入団。フランカーとしてクラブを支えたが、けがに苦しみ約2年でジャージーを脱いだ。

引退から9年後の11年3月、街を津波が襲った。釜石市の死者・行方不明者は1000人を超え、小学校時代の友人やラグビー仲間を失った。がれきや車が転がる生まれ育った街で、市職員として遺体の搬送にも関わった。

地元商店街の再建などに携わっていた15年3月、日本大会の開催都市の1つに釜石が決まった。「まさかW杯がやってくるなんて」。胸が高鳴った。翌年4月に県庁に出向し、大会の機運を高めるため、PRイベントの企画などを行う。

震災時、各地から届いた支援物資の仕分けも担当したが「感謝を伝えられるような状況ではなかった」。W杯は感謝の気持ちを伝える場所にしたいと言う。もう1つ目標がある。「釜石の子どもたちが巣立った時に『津波が来た街』ではなく『W杯が開かれた街』と言えるぐらいの成功にしたい」と目を輝かせた。

日本ラグビー協会、22年新設の大会に参加前向き

日本ラグビー協会は15日、国際統括団体のワールドラグビー(WR)が14日にダブリンで開いた会合で開催概要案を提示した、22年に新設予定の国際大会「ネーションズ選手権」について、提案に賛同し、参加に前向きな意向を表明した。

大会は欧州6カ国対抗のチームと、南半球4カ国対抗のチームに世界ランキング上位2チームを加えた6チームが2組に分かれ、11試合のリーグ戦を実施。各組の1位チームで決勝を戦うもの。日本協会の坂本典幸専務理事は「世界ランキング上位国と毎年11試合出来ることは日本代表の強化に直結すると考え、賛同した」とコメントを出した。

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サンウルブズ・ガンター「誇りに」初SRへ闘志

レッズ戦の前日練習を行うサンウルブズのガンター(左)(撮影・奥山将志)

スーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズは16日、レッズ(オーストラリア)との今季第5戦に臨む。

15日は試合会場の東京・秩父宮ラグビー場で最終調整。SRデビュー戦となるフランカーのベン・ガンター(21=パナソニック)は「夢のような日を迎えられてうれしい。チームの誇りになれるプレーをしたい」と意気込んだ。

16年に19歳6日の史上最年少でトップリーグデビューを果たし、9月開幕のワールドカップ(W杯)日本大会前に代表資格を得る見込み。開幕3連敗中のレッズ戦に「自分の強みはフィジカル。攻撃でチームに勢いをつけ、守備で相手の勢いを止めたい」と今季2勝目に闘志を燃やした。

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サンウルブズ・ヘル「うれしい」同郷マフィ初招集

サンウルブズの練習後、取材で映画「デッドプール」のキャラクターを描いたリストバンドを見せるヘル・ウヴェ(撮影・松熊洋介)

スーパーラグビーのサンウルブズが14日、第5戦のレッズ戦(16日、東京・秩父宮)に向け千葉県内で練習を行った。

ここまで4試合すべてに出場しているロックのヘル・ウヴェ(28=ヤマハ)は練習後、取材に応じ「毎試合セットプレーが良くなってきている。少しでも上に行けるように努力したい」と意気込みを語った。9月に始まるワールドカップ(W杯)に関しては「もちろん、選ばれたいが、今はサンウルブズでいいプレーをするように集中するだけ」と試合でアピールし、代表入りを狙う。

今週同じトンガ出身のマフィが初招集された。普段もトンガの言葉でよく話すというウヴェは「ずっと日本代表で一緒にやっていたし、また同じチームでプレーできるのはうれしい」と心強い仲間の加入に笑顔を見せた。

左手にしている白いリストバンドに「スパイダーマン」に似たマークが描かれている。16年に公開された映画「デッドプール」のキャラクターの顔の模様を描いたもので「体がボロボロでも戦うスーパーヒーロー。それを見ながら自分を奮起させている」と話す。骨折やケガから復帰した自分を重ね合わせ「自分もデッドプールと同じことをしてやろう」と日々考えながらプレーしているという。

厳しい練習が続くが「プレーがするのが大好き。休みは特にいらない」と語るウヴェ。スーパーヒーローとなって、レッズ戦でチームに2勝目をもたらし、9月のW杯まで突き進む。【松熊洋介】

サンウルブズの練習でボールを受け取るNO8アナマキ・レレイ・マフィ(撮影・松熊洋介)

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マフィがサンウルブズ初招集 ハンセンコーチも期待

サンウルブズの練習でボールを受け取るNO8アナマキ・レレイ・マフィ(撮影・松熊洋介)

スーパーラグビーのサンウルブズは14日、レッズ(オーストラリア)との第5戦(16日、東京・秩父宮)の登録メンバーを発表した。

昨年7月に暴行事件を起こし、日本代表から外れていたNO8アマナキ・レレイ・マフィ(29=NTTコム)がリザーブに入った。10日に合流し、14日の練習でも主力組に入ってプレーするなど、切れ味鋭い動きを披露した。練習を指揮したハンセンアシスタントコーチも「楽しみにしていたと思うし、爆発的なプレーに期待している」と話した。初招集のマフィがピッチで躍動し、チームに2勝目をもたらす。

サンウルブズの練習後、取材に応じるスコット・ハンセンアシスタントコーチ(撮影・松熊洋介)

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サンウルブズ継続参戦方針 協会「代表強化に寄与」

ファンと記念撮影に納まるサンウルブズの選手たち(2018年5月12日撮影)

日本ラグビー協会は13日、都内で理事会を開き、20年で契約満了となるスーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズについて、21年以降も継続参戦を目指す方針を確認した。SRを主催するサンザーが、20年以降のチーム削減を検討中で、サンウルブズが除外となる可能性が海外メディアなどで報じられている。

坂本典幸専務理事は「日本代表強化にも寄与しており、20年以降も参戦を希望している。向こうの計画にサンウルブズが乗れるように交渉している」と説明した。また、19年度の予算が承認され、W杯日本大会に向けた代表強化費により支出が膨らむため、9億円台の赤字予算を計上した。

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日本代表がグレイシー柔術トレ、ホイラー弟子が指導

ラグビー日本代表候補合宿にコンバットコーチとして招請された柔術家のライアン・ヘンリー氏

ラグビー日本代表が、グレイシー一族流で進化する。代表候補合宿が12日、沖縄・読谷村で行われ、柔術や格闘技の動きを取り入れたコンバットトレーニングコーチとして招請された柔術家のライアン・ヘンリー氏(41)が合流した。

ジェイミー・ジョセフHC(49)が、ハイランダーズの指揮官だった11年から16年の間、ハイランダーズの同トレーニングコーチを務め、スーパーラグビー優勝に貢献。さらに「ホイラー・グレイシーから直々に伝授してもらった」と、総合格闘技界で400戦無敗の伝説ヒクソン・グレイシーの弟から柔術を教わったことを明かした。

この日はトレーニング初日ということもあり、柔道の受け身やほふく前進など、軽めの運動を約30分行って終えた。今後は格闘技の要素なども取り入れて強度を上げるという。柔術トレーニングの効果をライアン氏は「例えばタックルされて上にマウンドポジションを取られた時、どかしたり逃げたりする動きは柔術と同じ。逆に自分がマウント取った時も、簡単にクリーンアウトされない体の使い方とか耐え方というのは似ている」と話した。

SH田中史朗は、ハイランダーズ時代にコンバットトレーニングを経験済み。その効果について「タックルが強くなった。室内でバチバチのタックルでブレイクダウンしたり、力の入れ方とかをやったりした。外国人に対しての恐怖心はあの時でなくなった」と話した。ジョセフHCの頼れる旧知の仲が、日本代表をさらに強くする。

ラグビー日本代表候補合宿にコンバットコーチとして招請された柔術家のライアン・ヘンリー氏
ラグビー日本代表候補合宿にコンバットコーチとして招請された柔術家のライアン・ヘンリー氏

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代表にグレイシー魂注入、タックル時の動きに効果

ラグビー日本代表候補合宿にコンバットコーチとして招請された柔術家のライアン・ヘンリー氏(撮影・佐々木隆史)

ラグビー日本代表候補合宿は12日、沖縄・読谷村で行われ、柔術や格闘技の動きを取り入れたトレーニングコーチとして招へいされていた柔術家のライアン・ヘンリー氏(41)が合流した。

ジョセフ・ヘッドコーチがハイランダーズを指揮していた11年からの6年間、コーチを務めてスーパーラグビー優勝に貢献。さらに「ホイラー・グレイシーから直々に伝授してもらった」と、ヒクソン・グレイシーの弟から柔術を教わった経歴を持つ。ライアン氏は「タックルされて上に乗られた時に逃げたりする動きや、自分が上に乗った時に簡単にクリーンアウトされない体の使い方は柔術と似ている」とトレーニング効果に期待した。

ラグビー日本代表候補合宿に招請された柔術家ヘンリー氏はミットを構える(撮影・佐々木隆史)

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神奈川で高校OB・OG戦開催発表、W杯盛り上げる

神奈川県スポーツ局は12日、16日に横浜市の保土ケ谷公園ラグビー場で、県内高校ラグビー部OB・OG対抗戦を開催すると発表した。

OB・OG対抗戦のゲストに、元日本代表で桐蔭学園出身の後藤翔大氏が参加する。そのほか、U16神奈川-U16群馬の対抗戦も実施する。開催時間は午後1時から同5時で、入場は無料。

県関係者は「県内高校ラグビー部で活動したOB・OG及び、その関係者の皆さんが、思い出の保土ケ谷ラグビー場に一堂に会し、試合観戦や交流戦を行うことで、ラグビーを通じた絆を深めるとともに、県内でのラグビー競技の推進に向けて一致団結して取り組む機運を高め、開幕まで半年余りとなったラグビーワールドカップ2019の神奈川・横浜開催を一緒に盛り上げていきます」とコメントした。

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代表合宿が実戦モード、日本人初SR裁いた審判参加

ラグビー日本代表候補合宿で直接選手に指導するジョセフ・ヘッドコーチ(撮影・佐々木隆史)

ラグビー日本代表候補の2次合宿が11日、沖縄・読谷村で行われ、9月20日開幕のワールドカップ(W杯)日本大会に向けて実戦モードに突入した。

この日から、16年に日本人として初めてスーパーラグビー(SR)で笛を吹いた久保修平レフェリーが参加。早速、試合形式の練習などでレフェリングを行った。ジェイミー・ヘッドコーチは「レフェリーが来ることでみんなが質問できる。スクラムのタイミングを合わせられるし、今のレフェリーがどういう解釈をしているかを選手は知ることができる」と狙いを語った。

さらに日本代表候補選手を、今週末に2つのチームに分けると明言。SRシーズン中のサンウルブズと、3月末から5月までに国内外で5試合の練習試合を行う特別チーム「ウルフパック」に分けて、強化を図る。「この先の試合で1人1人の評価をしていく」と代表争いも本格化する。

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アイルランドが圧倒 最終戦に逆転優勝の望み残す

<ラグビー:欧州6カ国対抗>◇10日◇ダブリン

アイルランドが序盤からFW戦で優位に立ち、フランスを圧倒した。開始2分でラインアウトから一気にモールを押し込んでフッカー、ベストが先制トライ。前半29分にはバックスの見事なサインプレーでSOセクストンがトライを奪い、リードを広げた。

ロイター通信によると、シュミット監督は19-0で折り返した前半を「あれだけ試合を支配した40分間は見たことがない」と称賛。昨年グランドスラム(全勝優勝)を達成した強豪が初戦の黒星から立て直し、逆転優勝の望みを残して最終戦で首位ウェールズとぶつかることになった。

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アイルランドが3連勝 6カ国対抗ラグビー

<ラグビー:欧州6カ国対抗>◇10日◇ダブリン

前回王者のアイルランドがフランスを26-14で下し、黒星スタートから3連勝とした。フランスは1勝3敗。

ワールドカップ(W杯)日本大会で日本と同じ1次リーグA組のアイルランドは、司令塔のSOセクストンのトライなどで後半17分までに26-0とリード。終盤に2トライを許したが、危なげなく逃げ切った。

16日の最終戦で4連勝の首位ウェールズがアイルランドと、2位のイングランドがスコットランドと対戦する。

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サンウルブズがマフィ招集 W杯南ア戦勝利の立役者

日本代表22キャップを持つナンバー8マフィ(19年3月4日撮影)

スーパーラグビーの日本チーム、サンウルブズは10日、日本代表22キャップを持つナンバー8マフィを追加招集したと発表した。

昨年7月にスーパーラグビー、レベルズ(オーストラリア)の同僚選手への暴行事件を起こし日本代表から外れたが、今月は日本代表候補合宿に参加した。

マフィは2015年ワールドカップで、南アフリカ戦歴史的勝利の立役者となった。

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ウェールズ開幕4連勝 イングランドは快勝

<ラグビー:欧州6カ国対抗>9日◇英国エディンバラなど

2試合が行われ、首位ウェールズがスコットランドを18-11で下して開幕4連勝とした。ワールドカップ(W杯)日本大会で日本と同じ1次リーグA組のスコットランドは白星発進から3連敗となった。

もう1試合はイングランドが8トライを奪ってイタリアに57-14で快勝し、3勝1敗とした。イタリアは4連敗。

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15年W杯出場の立川理道が選出 代表候補2次合宿

立川理道(17年撮影・PNP)

日本ラグビー協会は9日、10日から沖縄で始まる日本代表候補の2次合宿の参加メンバーを発表し、CTB立川理道(29=クボタ)がメンバーに選出された。

立川は15年W杯で中心選手として活躍し、16年には日本代表の共同主将を務めるなどしたが、昨秋の欧州遠征メンバーから落選。昨年12月に発表された第3次トレーニングスコッド(候補選手)でもメンバー入りしなかったが、7日まで千葉・浦安市で行われた合宿に5日から練習生として途中参加し、積極的なプレーでアピールしていた。

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サンウルブズ松田「いいレッスン」連勝逃すも収穫

<スーパーラグビー:ブルーズ28-20サンウルブズ>◇第4節◇9日◇ニュージーランド・ノースハーバースタジアム

スーパーラグビー(SR)日本チームのサンウルブズは9日、ニュージーランド(NZ)オークランドでブルーズ(NZ)との今季第4節に臨み、20-28で敗れて2連勝を逃した。

チームは今季3敗目を喫したが、今季初先発のSO松田力也(24=パナソニック)が存在感を示した。前半開始早々に2本のPGを沈めると、同30分にはトライとゴールキックを決めて1人で13得点を演出。フル出場で高いパフォーマンスを披露し、日本代表入りへアピールした。

しかし、後半に入るとチームは反則を連発。FBマシレワ、フッカーのベラが故意の反則でシンビン(10分間の一時退場)になるなど、16個の反則を犯して自滅した。松田は「信じることをやり切れば勝てるのも分かったし、できなければ勝てる試合も勝てない。いいレッスンになった」と敗戦からも収穫を得た。16日には今季ホーム初勝利を目指して、東京・秩父宮ラグビー場でレッズ(オーストラリア)と対戦する。

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サンウルブズ連勝ならず、後半規律欠きシンビン響く

トライを挙げ喜ぶサンウルブズの松田(左)(AP)

<スーパーラグビー:ブルーズ28-20サンウルブズ>◇第4節◇9日◇ニュージーランド・ノースハーバースタジアム

スーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズが20-28でブルーズ(ニュージーランド)に敗れて、2連勝はお預けとなった。

今季初先発となったSO松田力也(24=パナソニック)が、存在感を見せた。前半4分に正確なキックでPGを成功させると、同12分にもPGを決めて6点のリード。同30分には自らトライを挙げて、ゴールキックも成功させると、前半のチーム全得点となる13点を1人で挙げた。しかし、ホームで今季初勝利を狙うブルーズに意地を見せられて、前半を13-15で終えた。

2点差を追いかけて始まった後半だったが、ブルーズに同8分、18分に立て続けにトライを許して点差をつけられた。サンウルブズは、同16分にFBマシレワ、同34分にフッカーのベラが故意の反則でシンビン(10分間の一時退場)を受けるなど、統率がとれなかった。

16日はホームの東京・秩父宮ラグビー場で、レッズ(オーストラリア)と対戦する。

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