日刊スポーツ

【いわきFC】ブワニカ啓太を完全移籍で獲得「素晴らしい環境ででき、ワクワクが止まりません」

※写真はイメージ

J2いわきFCは28日、ジェフ千葉から水戸ホーリーホックに期限付き移籍していたFWブワニカ啓太(21)が完全移籍で加入すると発表した。

クラブを通じて「覚悟を決め、自信を持ってこのチームで戦うことを決めさせていただきました。チームにいい影響を与え、素晴らしい時間を過ごせるように頑張っていきます。この素晴らしい環境でサッカーが出来ることに、ワクワクが止まりません」などとコメントした。

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【甲府】磐田で3季プレーしたコロンビア人FWファビアン・ゴンザレスが加入「興奮しています」

磐田ファビアン・ゴンザレス(2022年3月撮影)

J2ヴァンフォーレ甲府は28日、コロンビア人FWファビアン・ゴンザレス(31)の加入を発表した。21~23年はジュビロ磐田でプレー。J1通算18試合6得点、J2通算34試合4得点を記録している。

クラブを通じて「この素晴らしいクラブに加入できることを光栄に思い、興奮しています。チームの勝利に貢献できるよう、一試合一試合全力で頑張ります。素晴らしいファンのサポートを受け、一緒に歴史を作り、楽しみたいと思います!」とコメントしている。

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【東京V】中原輝のレンタル終了、鳥栖に完全移籍「J1昇格を果たし、とても良い経験できた」

中原輝(2023年11月26日撮影)

来季J1の東京ヴェルディは25日、セレッソ大阪MF中原輝(27)との期限付き移籍が期間内で終了し、来季はサガン鳥栖に完全移籍すると発表した。

今年7月にC大阪からレンタルで加入し、J2リーグで16試合5得点。さらにJ1昇格プレーオフ2試合にもフル出場し、ジェフユナイテッド市原・千葉戦で1得点、清水エスパルス戦でも同点のPKにつながる縦パスを送るなど大活躍した。

中原は東京Vを通じて「約半年間ありがとうございました。途中加入にもかかわらず温かく迎え入れてくれた監督、チームスタッフ、選手、そしてファン・サポーターのみなさんには感謝しかありません。みなさんとJ1昇格を果たし、とても良い経験をすることができました。みなさんとスタジアムでお会いできることを楽しみにしています。本当にありがとうございました」とコメントした。

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【磐田】大津祐樹、引退決断の理由はけが「100%の状態に戻らなかった」今後は会社経営などに挑戦

引退会見に臨んだ磐田大津

来季J1のジュビロ磐田は25日、元日本代表FW大津祐樹(33)が今季限りで現役を引退すると発表した。

同日、磐田市内で会見に臨んだ大津は「けがが大きい。100%の状態には戻らなかった。来季60%、70%でプレーすることはできるけど、リスペクトがない」などと決断理由を説明。今季は5月に右大腿(だいたい)直筋腱(けん)を断裂し、リーグ戦11試合で無得点にとどまっていた。

大津は08年に柏に入団後、国内外5クラブでプレー。12年ロンドン五輪では3得点を挙げ、44年ぶり4強進出に貢献するなど世代別日本代表としても活躍した。16年の現役生活を振り返り「横浜でのJ1優勝や磐田でのJ1昇格が印象に残っている。チームが1つになって戦う瞬間が好きだった」と思いをはせた。

今後は自身の会社経営や自社以外の事業にも挑戦していくという。「スポーツに恩返しをしていきたい」とすがすがしい表情で語った。

ロンドン五輪サッカー男子1次リーグ 日本対スペイン 前半、大津(左から2人目)はゴールを決め、清武らと喜び合う(2012年7月26日撮影)

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【藤枝】岩渕良太、来季は琉球でプレー 元なでしこの妹真奈さんは引退したが兄はまだまだ現役

藤枝岩渕良太(2019年10月13日撮影)

J2藤枝MYFCは25日、契約満了となっていたFW岩渕良太(33)の移籍先がJ3FC琉球に決まったと発表した。

岩渕は今季リーグ戦37試合に出場し、5得点を記録とコンスタントにプレーした。なでしこの10番を背負った妹の真奈さんは9月に現役引退したが、兄はプロ12年目のシーズンに臨む。

岩渕真奈さん(23年9月8日撮影)

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【町田】鹿島DF昌子源を獲得へ J1初挑戦から上位進出を目指す町田がベテランに白羽の矢

鹿島昌子源(2023年3月12日撮影)

J2で優勝し初昇格した町田ゼルビアが、鹿島アントラーズの元日本代表DF昌子源(31)を獲得することが24日、決定的となった。一両日中にも発表される。

昌子は今季G大阪から鹿島に復帰。ただ負傷による出遅れも影響し、スタメン定着はできず。21試合644分の出場にとどまっていた。J1初挑戦から上位進出を目指す町田がベテランに白羽の矢を立て、新戦力として迎えることになった。

16年には鹿島でJ1優勝、18年にはアジア・チャンピオンズリーグ優勝を経験。18年ワールドカップ(W杯)ロシア大会には日本代表として出場するなど、経験値は抜群だ。堅守を武器とする町田にベテランが加わることで、戦力アップは間違いない。

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【清水】MF乾貴士と契約更新「やり返すチャンスを頂いた」今季10G10Aと攻撃けん引

J2清水の乾貴士

J2清水エスパルスは24日、元日本代表MF乾貴士(35)が来季の契約を更新したと発表した。

今季は10得点10アシストを記録し、攻撃陣をけん引。今季限りで契約が切れるベテランに対し、クラブは延長オファーを出していた。乾はクラブの公式SNSを通じて、「今年は自分自身も悔しい思いをしたし、それはみなさんも同じだと思う。ただ、やり返すチャンスを頂いた。みなさんと一緒に目標を達成するために頑張っていきたい。来シーズンも応援よろしくお願いします。一緒に戦ってください」などとコメントした。

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【岡山】DF柳貴博をJ3琉球から獲得

柳貴博(2022年1月24日撮影)

J2ファジアーノ岡山は23日、J3琉球からDF柳貴博(26)を獲得したと発表した。

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【仙台】梁勇基が引退「宮城に良い形で関わっていきたい」セカンドキャリアもサッカー携わる意向

20年間の現役生活を振り返るMF梁(撮影・木村有優)

ベガルタ仙台MF梁勇基(リャン・ヨンギ、41)の引退会見が23日、仙台市内で行われた。

会見の終盤には05年から18年間仙台一筋でプレーし、現在はクラブコミュニケーターを務める富田晋伍氏(37)がサプライズで登場、花束を贈呈した。

梁は04年に仙台加入。以来19年まで16年間、仙台でプレー。20、21年にJ1鳥栖でプレー後、22年に仙台に復帰。プロキャリアをスタートさせた地で20年の現役生活に幕を下ろした。Jリーグ通算566試合76得点。J1では297試合29得点を挙げ、08~17年までは北朝鮮代表として24試合7得点と国際大会でも活躍した。

梁は現在の心境を聞かれ、「さみしい思いもあるが、今はすっきりした気持ちの方が強い。選手としてやりきることができた」とすがすがしい表情。20年の現役生活で数々の歴史を刻んできたレジェンドは「サッカーだけは負けたくないという気持ちが強かった。簡単じゃないことや悔しい経験の方が多かったが、それが自分を頑張らせる原動力となった」と振り返った。今後についてはクラブと話し合いを重ねているという。「サッカーが好きということもありますが、18年間自分を大きく成長させてくれた宮城に良い形で関わっていきたい」とセカンドキャリアもサッカーに携わっていく意向だ。サッカー史に名を刻んだレジェンドの熱い思いが、これからも宮城を熱くしていく。

富田クラブコミュニケーター(右)から花束を受け取り、握手をかわす梁(撮影・木村有優)

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【J2】24年ホーム開幕カード発表 横浜FCはホームで山口、清水はアウェーで熊本/一覧

【イラスト】J2ホーム開幕カード

Jリーグは23日、2024年シーズンのホーム開幕カードを発表した。

J2は23日の金曜日に開幕し、24日、25日にも実施される可能性がある。1年でのJ1復帰を目指す横浜FCはホームで山口と対戦。J2昇格を果たした愛媛はホームで秋田と顔を合わせる。23年4位の清水はアウェーで熊本とぶつかる。

ホーム開幕カードは以下の通り。開催日、開始時間、会場などの詳細は来年1月23日に発表される。

■第1節(2月23、24、25日)

水戸ホーリーホック-いわきFC

ザスパ群馬-鹿児島ユナイテッドFC

ジェフユナイテッド千葉-モンテディオ山形

横浜FC-レノファ山口FC

藤枝MYFC-V・ファーレン長崎

ファジアーノ岡山-栃木SC

徳島ヴォルティス-ヴァンフォーレ甲府

愛媛FC-ブラウブリッツ秋田

ロアッソ熊本-清水エスパルス

大分トリニータ-ベガルタ仙台

■第2節(3月2、3日)

いわきFC-ファジアーノ岡山

栃木SC-モンテディオ山形

清水エスパルス-愛媛FC

レノファ山口FC-ブラウブリッツ秋田

V・ファーレン長崎-ベガルタ仙台

鹿児島ユナイテッドFC-徳島ヴォルティス

■第3節(3月9、10日)

ベガルタ仙台-水戸ホーリーホック

ヴァンフォーレ甲府-栃木SC

※甲府が23-24年のACLで準々決勝に進出した場合、4月10日(水)に変更となる可能性あり

■第4節(3月16、17日)

ブラウブリッツ秋田-ベガルタ仙台

モンテディオ山形-ヴァンフォーレ甲府

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【清水】大熊清GMが31日付で退任 山室晋也社長「J1に戻れなかった責任で申し入れあった」

清水の大熊清ゼネラルマネジャー(23年1月6日撮影)

J2清水エスパルスは22日、大熊清ゼネラルマネジャー(GM、59)が31日付で退任すると発表した。この日取材に応じた山室晋也社長(63)は「本人からJ1に戻れなかった責任があるという話で、辞任の申し入れがあった」と説明した。

大熊GMは19年12月に就任。日本代表でのコーチやJ1東京、C大阪で強化担当を歴任した人脈を生かし、チームの強化を図ってきた。だが、成績は上向かず、毎年の残留争いで、過去最高の強化費を投じた昨季はクラブ史上2度目のJ2降格。J2優勝候補に挙げられた今季も5季連続でシーズン途中で監督交代となった責任は取らず、クラブ史上最低の4位でJ1昇格を逃した。東京Vとのプレーオフ敗退後、同GMは自身の進退について「クラブに一任している」と話していた。

後任について、山室社長は「GM職は空席になる」と説明。当面は内藤直樹強化部長(55)を中心とした強化部全体でチーム編成を進めていく。現時点で来季の契約を更新した選手は1人もいないが、同社長は「大枠は固まってきている。総力を集結させてやっていく」と話した。【神谷亮磨】

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【東京V】城福浩監督と契約更新「サッカー界にサプライズを」J1通算116勝は日本人監督4位

東京ヴェルディ城福浩監督(2023年12月2日撮影)

来季J1に昇格する東京ヴェルディは20日、城福浩監督(62)との契約更新を発表した。

城福監督は22年途中に東京Vの監督に就任し、23年はJ1昇格プレーオフを制し、名門クラブを16年ぶりのJ1昇格に導いた。

クラブを通じて「引き続きヴェルディの一員として戦えることをうれしく思います。クラブがJ1に定着するために、そして近い将来リーグをけん引する存在になるために選手と一丸となってまい進します。2024シーズンもヴェルディファミリーとともにサッカー界にサプライズをもたらしましょう」とコメントした。

J1チームを指揮するのは21年のサンフレッチェ広島時代以来で、J1通算316試合116勝90分け110敗。通算116勝は歴代7位で、日本人監督では西野朗監督(270勝)長谷川健太監督(243勝)鬼木達監督(146勝)に次いで4位となっている。

東京V対清水 16年ぶりにJ1復帰を決め胴上げされる城福監督(2023年12月2日撮影)

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【長崎】監督と契約トラブル発生 いったん続投発表も、急転サントスFCとの契約を希望

長崎ファビオ・カリーレ監督

J2のV・ファーレン長崎は20日、ファビオ・カリーレ監督(50)との契約トラブルついて説明した。

11月下旬、同監督の来季続投が発表された。だが、12月上旬、ブラジル・サントスFCとの契約交渉が浮上。19日、長崎側は、同監督がサントスFCと契約したいという意志を初めて確認したという。20日には「同監督の代理人からサントスFCに行きたいとの最終の意思表明があった」といい、現状確認中だ。なお、現時点でサントスFCから正式オファーは届いていないという。

クラブを運営する通信販売大手ジャパネットグループは、約900億円を投じ、来年10月開業の新スタジアムを含む巨大複合施設を建設中で、6年ぶりJ1復帰への機運に水を差された形となった。

高田旭人会長兼社長(41)はクラブを通じ「今シーズンの悔しさをバネに来季こそはJ1昇格、という想いを共にしていただいているファン・サポーター、パートナー企業の皆様、クラブに関わる全ての方々に一連の報道で不安を仰ぐような事態となっており心よりおわび申し上げます。クラブとしても、急な状況に困惑しておりますが、事実確認と状況の整理、また、来季にむけて契約更改が進んでいる選手・スタッフの不安を一刻も早く解消できるように全力で努めていきます。チームの方針は今後も変わることはなく、目指すべき目標達成に向かって、環境・体制づくりを全力で取り組んでいきます。今後の状況につきましては、進展があり次第随時お知らせしてまいります」とコメントした。

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【仙台】元北朝鮮代表MF梁勇基が現役引退「自分自身やり切った」J1通算297試合29得点

仙台MF梁勇基(2023年4月29日撮影)

J2ベガルタ仙台は元北朝鮮代表MF梁勇基(41)の現役引退を発表した。サガン鳥栖でもプレーし、J1通算297試合で29得点。

「少し寂しい思いもありますが、自分自身やり切ったという気持ち」とコメントした。

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【清水】MF竹内涼が岡山に完全移籍 14シーズン在籍した清水に「感謝してもしきれません」

竹内涼(2022年3月19日撮影)

J2清水は17日、MF竹内涼(32)がJ2岡山に完全移籍すると発表した。浜松開誠館高から加入し、計14シーズン在籍。18年から21年までは主将を務めた。

今季限りで契約が切れる功労者に、クラブは契約延長オファーを出さなかった。竹内はクラブを通じて「選手、スタッフ、フロント、いつも昼食を作ってくれる方々、洗濯をしてくれる方々、グラウンドを最高の状態にしてくれている方々、アイスタで試合が行われる際に運営に携わっている方々、本当にいろんな方のおかげでエスパルスが成り立っているし、エスパルスがエスパルスでいられると思っています。そういう支えがなければ僕もここまでやってこれなかったと思うので、感謝してもしきれません」などとコメントした。

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【秋田】MF中村亮太、鈴木陽成と契約更新 井上直輝ら6人と契約満了 大幅に選手入れ替え来季へ

秋田吉田謙監督(2023年3月12日撮影)

ブラウブリッツ秋田が今季同様、大幅に選手を入れ替えて24年シーズンに臨む。

J2、3年目のシーズンは13位。11月16日には吉田謙監督(53)が、5年目の指揮を執ることが発表された。17日にはMF小暮大器(29)の岩手への移籍を発表。15日には、今季28試合4得点のDF飯尾竜太朗(32)が長崎へ完全移籍することが決定。飯尾はクラブを通じ「ブラウブリッツ秋田には、サッカー人生の中で1番つらかった時期に手を差し伸べてもらい、サッカー選手としても人としても成長させていただきました。2年前には息子も生まれ、家族4人、秋田の方々に大きな愛をいただきました。ブラウブリッツ秋田はより多くの秋田の方々に夢や感動、明日への活力を届けられる存在になれると信じています。3年間ありがとうございました」と感謝のコメントを寄せた。

秋田は17日までにMF中村亮太(32)、MF鈴木陽成(18)と契約を更新。MF井上直輝(26)ら6人の契約満了を発表した。まだ契約更新を終えていない選手も多く、新加入も含めクラブからの今後の発表が待たれる。

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【仙台】GK林彰洋が契約更新「最後まで結果にこだわって戦い続けます」来季の巻き返し誓う

仙台GK林彰洋

J1昇格を目指したシーズンで16位に終わったベガルタ仙台の逆襲に向けた体制が徐々に整いつつある。

11日には森山佳郎新監督(56)の就任会見が行われ「選手が躍動するアグレッシブなサッカー」を掲げたばかり。そして、15日には今季37試合に出場した守護神、GK林彰洋(36)の契約更新が発表され、林は「2023年から学び、反省し,来シーズンを飛躍するために戦いたいと思います。見ている皆さんがワクワクする、そんなチームでありたいと思いますし、何より最後まで結果にこだわって戦い続けます」と来季の巻き返しを誓った。また、14日にはFW中山仁斗(まさと、31)も契約を更新。今季リーグ戦で2得点に終わったシーズンを振り返り「来年は自分自身もっと成長して、チームを助けられる存在になりたい」とコメント。14ゴールを挙げた22年の再来を期す。チームトップの10得点を挙げたMF郷家友太(24)も契約を更新。「『まだまだ仙台はやれるし、こんなものではない』。来シーズンは全員でそれを証明できるように戦います」と今から雪辱に燃えている。

仙台は15日までにMF松下佳貴(29)、DF真瀬拓海(25)ら14人の契約を更新。DFキム・テヒョン(23)、FWホ・ヨンジュン(30)、MFエヴェルトン(31)の移籍期間が満了。DF蜂須賀孝治(33)、MFフォギーニョ(31)、DF福森直也(31)の契約が満了した。まだ契約更新を終えていない選手も多く、新加入も含めクラブからの今後の発表が待たれる。

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【町田】恩師のもとで開花した藤原優大「覚悟決めて来た」憧れユアスタで夢かなえ充実のシーズン

最終節仙台戦で味方に指示を出す町田DF藤原

若きセンターバック(CB)が恩師のもとで開花した。青森山田出身のJ2町田ゼルビアDF藤原優大(21)は、主力としてクラブ初の優勝とJ1昇格に貢献。プロ3年目の今季はキャリアハイの29試合に出場し、高校時代の指揮官、黒田剛監督(53)の期待に応えた。少年時代は仙台の大ファン。11月12日の最終節は憧れのユアテックスタジアム仙台でプレーし、体を張った守備と1アシストで仙台撃破の原動力になった。

   ◇   ◇   ◇

藤原がユアスタでフル出場し、少年時代からの夢をかなえた。J2最終節。既に優勝を決めていた町田は敵地で仙台を3-1で破り、今季を白星で締めくくった。「僕はベガルタファンでしたし、自分がサッカーを始めようと思ったのもユアスタで見てから。最後の最後、ここのピッチに立ち、勝てたのはすごく感慨深いです」。応援歌もすべて歌えた憧れのチームと初対戦。仙台サポーターからブーイングを浴びる立場となり帰ってきた。

青森・弘前市出身。仙台ファンの父大輔さんに連れられ、子どもの頃はユアスタで何度も試合観戦した。大好きだったのはMF梁勇基。ユニホームは迷わず背番号10を購入し、プレーをまねする存在だった。「『昔から応援してました』と言おうと思ったんですが、ダメでした」。最終節は途中出場の梁と約5分プレー。「自分の中でいろいろ感じるものがありました」。夢のような時間だった。

黒田監督が率いた青森山田では1年時から主力で、3年時には主将を務めた。今季はプロの指揮官に転身した恩師を追う形で、J1浦和から育成型期限付き移籍。だが、開幕前は本職のCBとしての序列は低かった。黒田監督は親心でサイドバック挑戦を打診。それでも藤原は「やっぱり僕としては100受け止められなかった。CBとして来たので、そこでもう1回勝負したい」と断った。

CBで欠かせない戦力に成長した。第6節までベンチ外も、徐々に出場機会をつかむと、主力の長期離脱も重なり、第18節からスタメン定着。最終的に自己最多の29試合に出場した。「監督も青森山田高校を辞めるという大きな決断をして、1年目に優勝したのはすごいですし、僕も覚悟を決めて来ました。覚悟を持った人に呼ばれて、本当に良かったなと思います」。藤原にとって最高のシーズンになった。【山田愛斗】

藤原の憧れの存在だった仙台MF梁(中央)
最終節仙台戦でシュートブロックする町田DF藤原(手前)と仙台MF郷家

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【いわきFC】山口からDF生駒仁が完全移籍で加入 杉山伶央ら12人の契約更新 陣容固まる

いわきMF山口大輝(右)(2022年11月6日撮影)

初のJ2参戦となった23年シーズンで18位に終わったいわきFCの来季の陣容が着々と固まっている。

シーズン途中から指揮を執った田村雄三監督(41)の続投は、11月中旬に決定。14日には山口からDF生駒仁(24)の完全移籍での加入が発表された。生駒は今年は20試合出場1得点で、チームのJ2残留に貢献。「チームの力になれるよう精いっぱい頑張ります。共に戦いましょう!」とコメント。さらに、東京Vから期限付き移籍していたGK高木和徹(28)の移籍期間満了、MF芳賀日陽(23)のFC大阪、DF辻岡佑真(22)の宮崎への育成型期限付き移籍が発表された。

13日には今シーズン41試合出場3得点のMF宮本英治(25)の新潟への完全移籍を発表。宮本は「縁のあった福島県いわき市でキャリアをスタートさせることができたこと、自分を育ててくれたことに感謝しています」とコメントを寄せた。さらに、新潟から期限付き移籍していたDF遠藤凌(25)の移籍期間満了が決まった。

いわきは14日までにFW杉山伶央(23)、MF山口大輝(26)ら12人の契約を更新。FW古川大悟(24)、DF江川慶城(23)のFC大阪への完全移籍、DF吉田知樹(25)が高知SCに完全移籍し、新たなスタートを切ることになった。まだ契約更新を終えていない選手も多く、新加入も含めクラブからの今後の発表が待たれる。

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【仙台】「秋春制」移行に関し「反対」意向をHPで表明 14日J実行委で賛否問う投票予定

ベガルタ仙台のフラッグ

J2ベガルタ仙台は13日、リーグ開幕時期を現行の2月から8月に変える「秋春制」移行に関し、公式ホームページで「Jリーグシーズン以降に対するベガルタ仙台の考え方について」と題し、「課題解決のめどが立つまでは、シーズン移行に対しては『反対』を表明せざるを得ません」などと、板橋秀樹社長名で声明を公表した。Jリーグは14日の実行委員会で各クラブに投票で賛否を問う予定だ。

本拠地の宮城県や仙台市は、寒冷地開催の問題が懸念されている。ACLやクラブW杯の制度変更や、日本の猛暑の影響などに理解を示す一方、冬季の試合開催困難や集客、ボランティア参加、行政年度の違いによる公共施設確保の困難化、臨時支出の増加などを課題に挙げ、「今後、具体的な課題解決案や代替案が示され、降雪地域のクラブにとって納得感がああり、ハンディとならないものであれば、実現に向けて協力していく所存です。しっかりと意思をもち、課題に向き合いながら議論に参加していきます」と意向を示した。

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【仙台】シーズン移行反対を公式サイトに掲載「課題解決のめどが立つまで」14日投票で賛否

ベガルタ仙台のフラッグ

J2ベガルタ仙台は13日、リーグ開幕時期を現行の2月から8月に変えるシーズン移行について、公式サイトで「課題解決のめどが立つまでは、シーズン移行に対しては『反対』を表明せざるを得ません」などと、社長名で声明を掲載した。Jリーグは14日の実行委員会で各クラブに投票で賛否を問う。

冬季の試合開催や行政年度の差異による会場確保の困難化、臨時支出の増加などを課題に挙げ「具体的な解決案や代替案が示され、降雪地域のクラブにとってハンディとならないものであれば、実現に向けて協力していく」との姿勢を示した。

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【山口】環太平洋大MF水口飛呂が入団 中学、高校で出場なしも大学3年からの活躍でプロつかむ

環太平洋大のMF水口は強烈なシュートを放つ(撮影・中島洋尚)

Jの舞台で北海道に恩返し-。札幌U-15出身のMF水口飛呂(環太平洋大4年-大阪・履正社高)がJ2レノファ山口、同U-18出身のGK山本透衣(京産大4年)はJ3のFC大阪に来季入団する。25年4月の札幌入団が内定し、特別指定選手として4月のルヴァン杯に出場したMF木戸柊摩(大体大3年-札幌U-18)らを含め、来季のJは、北の大地を巣立った選手たちが全国で奮闘する。

   ◇   ◇   ◇

水口は大逆転でJリーグのステージをつかんだ。小学6年で札幌U-12に入団。翌年U-15に昇格したが、3年間公式戦出場はなかった。「チームは全国大会の決勝に出ましたが、遠征に連れていってもらえず、テレビで試合を見ていました」。U-18昇格を逃し「本州のチームで全国大会に出てアピールしたい」と、大阪の履正社高を選択。しかしここでも3年間、出番はなかった。

「対人が弱い」と自己分析。高校では全体練習後に友人と1対1の練習を30分以上続けたが「手応えが出てきたのが高3の夏ごろで、遅すぎた」という。

「中学、高校で1度も公式戦に出なかった選手がプロになれるわけがない。楽しもう」と入学した環太平洋大が、転機の場になった。大学3年でトップチームに抜てき。天皇杯などで経験を積むと、年度末には中国選抜やプレーオフ選抜の一員としてデンソーカップに出場した。自分と同じボランチのポジションで日本代表として活躍した中村憲剛ヘッドコーチ(43)の指示を受け、躍動した。

「憲剛さんには『お前は常にボールを受け続けろ。絶対に隠れるな。受けて、展開して、受けてを繰り返し続けて、チームにリズムを作れ』と言われて、その通りプレーしました」。大会3試合2アシストで勝利にも貢献、J2山口の関係者の目に留まった。

父の転勤で仙台に住んでいた小3の時に、東日本大震災を経験した。幸い家族にも自分にもケガはなかったが、自宅の電気・ガスがストップ。復旧までの約1カ月は自家用車で寝泊まりした。公式戦に出場できなかった日々も、震災後の生活を思えば耐えられた。

今夏に特別指定選手としてリーグ戦4試合に出場したが、年明け1月のキャンプが、本格的なプロ生活のスタートになる。「自分が主力選手として出場して、全国優勝したい」。最後まであきらめず、1度のチャンスをものにした勝負強さを武器に、Jで暴れ回る。【中島洋尚】

環太平洋大のMF水口は笑顔で靴ひもを結ぶ(撮影・中島洋尚)

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【大宮】来季J3の新監督に長澤徹氏が就任「前進させるプロジェクトに携わることができて光栄」

岡山の監督時代の長澤徹氏(2015年撮影)

来季は史上初のJ3降格となる大宮アルディージャは11日、新監督に長澤徹(てつ、55)が就任すると発表した。

FC東京、ジュビロ磐田、京都サンガのコーチを歴任し、J2ファジアーノ岡山では監督経験もある。

クラブを通じて「クラブが一体となってアルディージャを前進させるプロジェクトに携わることができて光栄です。アルディージャに関わるすべての方々と感動を分かちあえるよう、日々の練習と目の前の試合を大切にしていきます」などとコメントしている。

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【仙台】森山佳郎U17日本代表監督、来季監督就任会見に臨む「現在は楽しみしかない状態」

新天地での活躍を誓った仙台森山監督は笑顔でガッツポーズ(撮影・相沢孔志)

J2ベガルタ仙台は11日、仙台市内で来季からチームの指揮を執る森山佳郎監督(56)の就任会見を開いた。紺のスーツ姿で会見場に現れた新監督は「現在は楽しみしかない状態。本当にベガルタ・ファミリーの皆さまに喜んでもらえるようなシーズンにしたい」とあいさつした。

森山氏は現役引退後、00年から広島の下部組織で指導者人生を歩み、13年から世代別日本代表の指導に携わった。23年はU-17日本代表監督を務めた。

J2降格から2季目となった今季は16位で終えた。森山監督は「J1に長くいた仙台。必ず上がっていかないといけない命題はあると思う。16位と悔しい結果だったが、そこは謙虚に受け止めてしっかり分析していかないと。なぜそういう結果になってしまったか、しっかり目を背けないで、地道に改善していく」と力を込めた。

大きな目標を持ちながら、目の前にある勝利を全力でつかみにいく。「目の前に来る一戦に全身全霊、最高の準備をして、この一戦が『プレーオフのファイナルだ』という気持ちで1戦1戦戦えたらいいのかなと。そのテンション、情熱をどれだけ維持できるかは大事にしながら戦いたい」と気を引き締めた。

固い握手を交わす仙台森山監督(右)と庄子GM(撮影・相沢孔志)
就任会見で決意表明する仙台森山監督(撮影・相沢孔志)

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【山形】渡辺監督の胸を突き刺した妻の言葉「ここで投げ出すの?」強固な決意崩され就任受諾

6日、インタビューに答える渡辺監督

モンテディオ山形の渡辺晋監督(50)が6日、天童市内にあるクラブハウスで会見を開き、今季の総括と監督就任までのいきさつを振り返った。

シーズン序盤の4月、ピーター・クラモフスキー前監督(45)が解任され、渡辺晋コーチ(50)が監督に就任。一時は8連敗で21位まで落ち込んだチームを見事プレーオフ進出に導いた。【取材・構成 木村有優】

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2月18日の開幕からわずか2週間で悲劇は始まった。山形は、3月4日ジュビロ磐田戦から4月2日水戸ホーリーホック戦まで5連敗。水戸戦終了後の午後11時ごろ、当時、コーチだった渡辺監督の携帯が鳴った。その電話が「監督就任要請」だということは、すぐにわかったという。しかし、渡辺監督は「(自分は)コーチとして山形に招かれたのだから監督になるべきではない。依頼は断ってくる」と妻に伝えた。だが、長年支え続けてきた妻は「あなた、男でしょ。ここで投げ出すの? 選手たちは困ってるんじゃないの?」。この言葉が渡辺監督の胸を突き刺した。同時に、自信を喪失した選手や、選手間で激しい口論を繰り広げていた姿がよみがえり、強固なはずの決意が少しずつ崩れていった。「ここで要請を断ったら苦しんでいる選手にどういう顔をして会えばいいんだろう。『要請を断った渡辺晋』より『要請を受けた渡辺晋』でありたい」と一晩をかけようやく受諾の意向が固まったという。

監督就任時、18位の状態では「J2優勝」は難しいと判断。就任後のミーティングでは「ここからの戦いで優勝する資格があったことを見せようよ」とチームを鼓舞。「残りの試合×勝ち点2」を1つの目標に「残り35試合で勝ち点70」を掲げた。ようやく4月22日東京ヴェルディ戦で勝利を挙げたが、連敗はチームワーストの「8」を記録。順位はJ3自動降格圏の21位まで落ち込んでいた。最終的には勝ち点70には届かなかったが、残り6試合で「ここから6連勝しよう」と目標を立てた。だがその矢先、徳島ヴォルティスに0ー1であっけなく敗戦。「お前たちにもプライドがあるだろ。意地を見せろ!」と一喝し、そこからチームは5連勝。2年連続のプレーオフ進出をつかみ取った。

勝たなくてはいけない理由がもう1つあった。サポーターの存在だ。「(他チーム在籍時)山形と対戦する時は特にアウェー感を感じ、非常に戦いづらかった。でも、味方になるとこんなに心強いんだと思いました」と感謝。さらに「『敗戦の原因は自分の責任。(厳しい言葉は)選手ではなく全て自分に言ってくれ』とサポーターに呼びかけた際に、『監督だけじゃなくて俺ら(サポーター)にも責任がある』と言ってくれた。こんなサポーターはいませんよ。だから、彼らのためにも戦いたい」と力をこめた。「就任要請を受けて良かったかどうかはまだわからない。むしろ自ら成功に持っていき、10年後くらいに、あの時要請を引き受けて良かったと思うようにしなくてはいけない」と語った。

「来季もまたJ2優勝を目指すが、本気度が問われると思う。敗戦から多くを学び、ここまではい上がってきた選手らを誇りに思いますが、ここで満足したら先がない。今年をベースに、失点の多さを改善するために守備の再構築をしていきたい」と気を引き締めた。今月中旬、プレミアリーグに所属するチームの試合やトレーニングを視察するため、イングランドへ渡り「J2優勝」に向けて早くも始動する。山形が、来季こそ最高のエンディングを迎えるため、最善の準備を重ねていく。

6日、インタビュー中に笑顔を見せる渡辺監督

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【J2アウォーズ】町田・黒田剛監督が優勝監督賞「選手が誠実に応えてくれた」

町田黒田剛監督(2023年10月撮影)

J2で活躍した選手やクラブを表彰する「J2リーグ・アウォーズ」が7日に行われ、DAZNの生配信で発表された。

優勝クラブは町田ゼルビアで黒田剛監督(53)が、優勝監督賞を受賞した。

黒田監督は「チームの立ち上げから優勝、昇格を目標にしていた。難しい時期もあったが選手一丸となって戦ってくれた。選手に感謝したい」と話した。

司会の鄭大世氏から、高校とプロの指導の違いについて問われると、同監督は「高校サッカーは育成や教育。プロは仕事でサッカーをする。目的が違うので、寄り添い方、導き方は気をつかった」と話した。「不安、不安で心配ばかりだった。厳しいこと言うこともあったが選手が誠実に応えてくれた」と選手に感謝した。

主将のMF奥山洋平(24)は「チームのためにという選手ばかりで主将として助かった。積み上げてきた物が結実して感謝の気持ちでいっぱい」と話した。

今季限りで引退を発表したDF太田宏介(36)も登場し「生まれ育った町田でキャリア最後の年が最高の結果を残せてうれしかった。まだまだ通過点。来年J1で町田が暴れる姿を、違った立場で楽しみにしている」と振り返った。鄭大世氏から「引退で良かった?」と問われ、太田は「引退会見もセレモニーもして、ここで撤回するのはバッシングが怖い(笑い)。また違った形で、町田の活動をサポートできたら」と、来季を見据えた。

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【J2アウォーズ】清水乾貴士が最優秀ゴール賞「昇格につながらなかったことだけが残念」

乾貴士

J2で活躍した選手やクラブを表彰する「J2リーグ・アウォーズ」が7日に行われ、DAZNの生配信で発表された。最優秀ゴール賞は、清水エスパルスMF乾貴士(35)が選ばれた。7月9日の第25節大分トリニータ戦。後半18分に乾がペナルティーアーク付近から決めたミドル弾だった。乾は「みんなで勝ち取ったゴール。それが昇格につながらなかったことだけが残念です」とちょっぴり悔しさをにじませた。

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【J2アウォーズ】優秀監督賞は磐田の横内監督、就任1年目で補強が出来ない中でもクラブをJ1昇格に導く

J1への自動昇格を果たした磐田横内監督(右)は藤田SDと肩を組み喜びを分かち合う(2023年11月12日撮影)

J2で活躍した選手やクラブを表彰する「J2リーグ・アウォーズ」が7日に行われ、DAZNの生配信で発表された。ジュビロ磐田をJ1昇格に導いた就任1年目の横内昭展監督(56)が受賞した。

日本代表のコーチなどを歴任し、Jクラブの監督は初挑戦だった。同監督は「不安はありましたが、新しいことへチャレンジする楽しみの方が大きかった」と話した。

J2の最終節で3位だった磐田が勝利し、2位の清水エスパルスが引き分けたため、逆転で2位となり自動昇格を決めた。昇格が決まった直後のDAZNのインタビューでは、メンバー外だった選手のことを思い涙を流した場面もあった。横内監督は「勝った後も2試合プレーオフを戦う心構えでいた。プレーオフまで準備していて、あそこで来られてなかった選手は磐田で練習をやっていた。彼らがいない、一緒に昇格を味わえなかったのは僕としてはつらかった」と振り返っていた

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【清水】乾貴士ら個の力にも限界「スタイルなき清水」5季連続監督交代 大熊清GMの編成責任も

第37節・藤枝戦 険しい表情を見せる清水の秋葉忠宏監督

今季の清水エスパルスは好不調の波が激しく、安定感を欠いた。大量得点での快勝もあれば、沈黙する試合もあった。勝負どころで本来の力を発揮できずに勝ち点を取りこぼした試合は少なくない。「勝負弱さ」。近年の清水を形容する言葉で片づけられれば簡単だ。しかし、勝ちきれないのには理由がある。

確固たるスタイルがなかったことがその1つだろう。ある選手は言う。「土台がないというか…。目指すスタイルがよく分からなかった」。その指針も示さずにチーム編成を主導してきた大熊清ゼネラルマネジャー(GM、59)の責任は言うまでもない。5季連続でシーズン途中に監督が代われば戦い方も変わる。「作っては壊れ、また作り直しては壊される」を繰り返せば、チームとしての上積みもあるはずがない。

特に今年は「スタイルなき清水」の色が濃かった。戦い方のベースはMF乾貴士(35)やFWチアゴ・サンタナ(30)ら個々の力に頼った。MFカルリーニョス・ジュニオ(29)を含めた3人で計37得点。チーム総得点(78得点)の約半数を3人で取った。だが、その得点源を封じられると八方ふさがりになる。人任せでは限界があった。

象徴的な試合はリーグ後半戦の藤枝戦と熊本戦の2試合。対峙(たいじ)した両チームは人とボールが連動し、相手が嫌がるポジショニングを取ることで優位性を作ることが得意だった。清水は圧倒的な「個」を前面に出した戦いで挑み、完敗。戦術完成度の違いは明らかだった。

東京Vとのプレーオフ決勝後に乾は言った。「1人1人のクオリティーはJ1でもおかしくないけれど、結局僕らはJ2で4位」。その言葉が今季のチームを物語っている。シーズン途中に就任した秋葉忠宏監督(48)は序盤の遅れを取り戻すべく、効果的に勝ち点を積める戦い方を優先した。連戦が続いた過密日程の中では戦術を落とし込む時間的余裕は少なく「難しかった」と振り返る。

来季はJ1昇格が至上命令だが、足元を見つめて土台を作るシーズンにしなければいけない。続投が決まった指揮官は「いろいろ変えなければいけない。それはピッチ外も含めて。時には痛みを伴うし、当然嫌なこともある。でも、そこから目を背けずにやっていく」。本気でチームを変えようとしている現場のトップを、フロントはしっかりと支えなければいけない。再起の1年。クラブ史上最低の結果という屈辱にまみれたシーズンを無駄にしてはいけない。【神谷亮磨】

第40節・熊本に敗れ、肩を落とす清水イレブン

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【J2アウォーズ】ベストイレブンの乾貴士MVPをフライング発表するハプニング「最悪や…」

清水乾貴士(2022年8月7日撮影)

J2で活躍した選手やクラブを表彰する「J2リーグ・アウォーズ」が7日に行われ、DAZNで発表された。

J2のベストイレブンの発表の際、ベストイレブンに選ばれた清水MF乾貴士(35)がMVPをフライング発表するハプニングがあった。

町田FWエリキが、乾について「非常にピッチ上で賢くて素晴らしい。彼はいろんな局面を打開できる偉大な選手」とコメントすると、乾は「J2のMVPの選手にそう言ってもらえるとありがたいですし。やられたので…。悔しいですけどまた言ってもらえるように頑張りたい」と返答。

司会の鄭大世氏が「MVP、まだ分からないですからね」と突っ込むと、乾は口を押さえて「あっ、やべ」。ベストイレブンのGK権田修一も苦笑し、乾は「最悪や…」と恐縮しきりだった。

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