日刊スポーツ

神戸4発快勝3年連続決勝T 中坂ループでプロ1号

<ナビスコ杯:神戸4-0名古屋>◇1次リーグA組◇25日◇ノエスタ

 神戸が3年連続の決勝トーナメント進出を決めた。同ユース出身の新人MF中坂勇哉(18)が、前半10分にプロ初ゴールとなる先制弾。攻守で圧倒し、既に敗退が決定している名古屋に4-0で大勝した。試合のなかった大宮とともにA組2位以内が確定。クラブ史上初タイトルへ前進した。

 ユースから昇格の新人MF中坂が華麗なプロ初弾を決めた。前半10分にFWレアンドロのパスに反応し、相手GKと激突しながらもループシュートを沈めた。18歳は「入るとは思わなかったけど、触るだけ触ろうと思って(足を)出した」と笑顔。3年連続の決勝T進出を決める貴重な初ゴールに、ネルシーニョ監督は「ボールを持った時に、勇気と落ち着きを見せてくれた」と褒めた。

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磐田1次敗退もGK志村好セーブ連発 名波監督評価

<ナビスコ杯:鹿島1-1磐田>◇1次リーグ◇25日◇カシマ

 磐田はアウェーで引き分けに終わり、1次リーグでの敗退が決まった。

 前半17分、FW森島康仁(28)が倒され、FKを獲得した。DF中村太亮(26)のクロスに、ファーサイドのDF藤田義明(33)が頭で合わせた。鹿島に攻め込まれる時間が長かったが、効率よく先制した。

 守備では、GK志村滉(20)がプロデビューした。前半から好セーブを連発し、チームのピンチを救った。後半に1失点を許したが、名波浩監督(43)は、志村について「失点以外はパーフェクトだった。非常によかった」と評価していた。

 また、U-18日本代表のDF大南拓磨(18)も初先発し、フル出場した。後半45分には、右CKから枠内ヘディングシュートを放ったが、相手GKの好セーブに阻まれた。大南は「(100点中)70点くらい。失点はしたけど、自信にもなった」と話した。

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鹿島MF杉本「1点しか決められない」同点弾も反省

<ナビスコ杯:鹿島1-1磐田>◇1次リーグ◇25日◇カシマ

 既に1次リーグ敗退が決まっている鹿島は、ホームで磐田と引き分けた。

 1点を追う後半13分、MF平戸太貴(19)のシュートを相手GKがはじき、こぼれ球にMF杉本太郎(20)がつめて同点に追いついた。「ボールがこぼれてくると予測をしていたので、体が動いた。いい準備ができていた」と話した。

 杉本はチーム最多の5本のシュートを放ったが、1得点に終わり「チャンスがあったのに、まだ1点しか決められないのが自分の実力」と振り返った。

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新潟決勝T進出望み、吉田監督ゴールに「入るだけ」

新潟対横浜 ドリブルで突破を狙うMF伊藤(中央)(撮影・斎藤慎一郎)

<ナビスコ杯:新潟1-1横浜>◇1次リーグ◇25日◇デンカS

 新潟は他力ながら、決勝トーナメント進出の可能性を最終節の福岡戦(6月5日)に残した。

 ただ、勝ち点3がほしかった試合。吉田達磨監督(41)の心境は複雑だった。「シュートは打たないと入らないが、入れないと得点にはならない」。前半7分、MF伊藤優汰(23)がドリブル突破からパス、受けたFW指宿洋史(25)が押し込んで先制した。前半のシュートはこの1本だけだった。後半は6本のシュートを放った。指宿も37分、FW山崎亮平(27)のクロスをゴール正面で頭で合わせるなど再三決定機を迎えた。たが、ゴールを割れなかった。

 後半27分に追いつかれたものの、それを取り返し、勝ち越すチャンスは十分にあった。「(ゴールの)扉は開いている。あとは入るだけ」。吉田監督は独特の表現で、わずかに届かない得点に対する思いを吐き出した。

 福岡戦では、決勝トーナメント進出に勝利が最低条件。クリアするためにも決定力アップが必要になる。

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10人福岡を平井救った!2戦連発同点弾で8強望み

<ナビスコ杯:福岡1-1鳥栖>◇1次リーグ◇25日◇レベスタ

 福岡は10人で同点に追いつき、8強進出に望みをつないだ。

 前半45分、MF冨安健洋(17)が警告2枚目で退場した。だが井原正巳監督(48)から「気持ちの入ったプレーをしよう」と試合に送り出された選手は気合が違った。

 1点を追う後半40分、FW平井将生(28)が「客が入ってて後押しになった」とナビスコ杯2戦連発の同点弾。観衆1万4465人の熱気を力に変えた。井原監督は最終節の6月5日新潟戦へ「最終戦の結果次第だが決勝トーナメントの可能性が残った。新潟戦へいい準備をしたい」と意気込んだ。

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名古屋敵地大敗に追い打ち、磯村とオーマン負傷退場

神戸対名古屋 神戸に敗れガックリする名古屋イレブン(撮影・築山幸雄)

<ナビスコ杯:神戸4-0名古屋>◇1次リーグ◇25日◇ノエスタ

 名古屋が泣きっ面に蜂だ。敵地で4失点の大敗。今大会は1分け4敗の未勝利でA組最下位。そんな悲惨な結果に追い打ちを掛けるように、この日の神戸戦ではMF磯村亮太(25)とDFオーマン(24)が負傷交代した。

 小倉隆史監督(42)は会見で「イソ(磯村)は病院に行っています。もしかしたら骨折しているかもしれない。様子がおかしかった」と説明。オーマンについても同監督は「(詳しい症状は)まだ分からないが、肉離れかもしれないと(ドクターから)聞いた」と明かした。

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川崎Fグループ首位 大塚2発「冷静だった」

後半、この試合2得点目を決めた川崎F・FW大塚はサポーターに向け両手を広げる(撮影・横山健太)

<ヤマザキナビスコカップ:川崎F2-1仙台>◇1次リーグ◇25日◇等々力

 川崎FはFW大塚翔平(26)の2ゴールで仙台を下し、ナビスコ杯グループ首位に躍り出た。

 前半43分にMF橋本のクロスから右足で先制点、後半3分にはMF三好のスルーパスに抜けだし追加点を決めた。

 移籍後初先発で2得点の活躍を見せた大塚は「(得点場面は)自分でも分からないくらい冷静だった。みんなで勝利をつかめてよかった。うれしい」と笑顔。

 チームはこれでグループリーグの全試合を消化。2勝2分け2敗勝ち点は8に積み上げて首位に立った。決勝トーナメント進出へは他チームの結果を受けて決まることになる。

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神戸ネルシーニョ監督、決勝T進出とお菓子にご機嫌

後半、神戸3点目となるゴールを決めたFW石津(右)はFWレアンドロらとタッチをかわす(撮影・築山幸雄)

<ナビスコ杯:神戸4-0名古屋>◇1次リーグ◇25日◇ノエスタ

 3年連続の決勝トーナメント進出を決めた神戸のネルシーニョ監督(65)が、超ご機嫌だった。4得点で大勝し、試合のなかった大宮とともにA組2位以内が確定した試合後の会見。テーブルに置いてあったナビスコ社製のお菓子を見ると「これをもらって帰ってもいいか? コーチングスタッフが欲しがっているんだ」と大量のお菓子を抱え込むようなポーズで爆笑を誘った。

 4強入りした昨季は、あと1歩で決勝進出を逃している。リーグ戦に集中するために、カップ戦は主力を温存するチームが多い中で、この日も神戸はベスト布陣。ネルシーニョ監督は「ナビスコ杯も大切な大会で、意味のあるタイトル。チャンスを逃さず、理想的な突破の仕方だ」と満足そうだった。

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鳥栖豊田弾も空砲…1次L敗退 サポからブーイング

福岡対鳥栖 前半45分、PKで先制点を奪うFW豊田陽平(撮影・菊川光一)

<ナビスコ杯:福岡1-1鳥栖>◇1次リーグ◇25日◇レベスタ

 鳥栖は1試合を残し、勝ち点3の最下位で5年連続の1次リーグ敗退が決まった。

 前半45分、ナビスコ杯は2戦ぶりの先発となったFW豊田陽平(31)が自ら得たPKを決めて先制した。だが後半は退場者を出し1人少なくなった福岡を攻めきれない。

 数的優位を生かせず追いつかれ、マッシモ・フィッカデンティ監督(48)は「ポゼッション(ボール支配)に目的がなく、勝つための戦いができていない。簡単にボールを回せることに頼り、チャレンジがなかった」と嘆いた。鳥栖は公式戦6試合連続未勝利となり、試合後はスタンドの味方サポーターからブーイングを浴びた。

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新潟と横浜引き分け ともに最終節決勝T進出かける

新潟対横浜 前半7分、先制点を挙げたFW指宿(左から2人目)はFW成岡と抱き合って喜ぶ(写真・斎藤慎一郎)

<ナビスコ杯:新潟1-1横浜>◇1次リーグ◇25日◇デンカS

 新潟と横浜は1-1で引き分けた。

 新潟は前半7分、MF伊藤が右サイドからドリブルを仕掛けてペナルティーエリアへ。ゴールライン際から中央に折り返す。そこに走り込んだFW指宿が右足で合わせて先制点。

 横浜は2分にMF天野、10分にMFマルティノスがシュートを放つが、新潟の守備に阻まれる。31分、FWカイケの折り返しをMF仲川がボレーで狙うがバーの上に外れる。

 新潟は先制後、自陣からカウンターを仕掛ける場面が増えるがシュートに持ち込む機会は少ない。

 新潟が1-0とリードし前半を終える。

 後半、先に動いたのは横浜。DF中沢とDF下平を下げ、DF栗原とDFパクを投入。

 新潟は16分、指宿が中央からミドルを放つが、左のポストに直撃。はね返りをMFレオ・シルバがボレーで狙うがGKに阻まれる。

 後半27分、横浜はFK後の混戦からMF仲川が決めて追いつく。

 終盤はどちらもゴール前まで迫るが、決定的な場面をものにできず。ともに1次リーグ最終節に決勝トーナメント進出をかける。

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横浜仲川「がむしゃら」プロ初ゴールで決勝T望み

後半27分、プロ初得点で1-1の同点にしたMF仲川(は、天を仰いで喜びに浸る

<ナビスコ杯:新潟1-1横浜>◇1次リーグ◇25日◇デンカS

 横浜は、MF仲川輝人(23)のプロ初ゴールで、決勝トーナメント進出に望みをつないだ。

 0-1の後半27分、右サイドのFKのこぼれ球を、ゴール中央で拾う。相手の守備をかいぐくるようにして、振り向きざまに右足で放ったボールが、ゴールマウス左隅に収まった。

 「あまり覚えていないんです。がむしゃらというか必死でゴール前まで持っていって…」と実感はいまひとつ。ただ、「せまいスペースでも、自分の俊敏さを出そうと思った」と、持ち味発揮には納得した様子だ。

 昨季は11月に右ひざ外側半月板損傷で全治8週間。専大4年のときには右ひざ前十字靱帯(じんたい)を断裂するなど、ケガに泣かされ続けてきた。今季はナビスコ杯で第3節柏戦から4試合連続スタメン。ケガを克服し、試合を重ねながら、感覚を研ぎ澄ませてきた。

 「前半にもゴール前でチャンスがあった。そこで詰めないと」と反省も含めながら、「次ぎもゴールを決めて勝ちたい」。ターゲットは最終節の仙台戦(6月5日)。連続ゴールで、チームを決勝トーナメントに導く決意を固めた。

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川崎Fが大塚の2発で勝利 仙台はナビスコ杯初黒星

後半、この試合2得点目を決める川崎F・FW大塚(撮影・横山健太)

<ナビスコ杯:川崎F2-1仙台>◇1次リーグ◇25日◇等々力

 両チーム、フレッシュな布陣で臨んだ一戦。

 前半はホームの川崎Fが決定機を多く作り攻め込んだ。仙台はセットプレーを多く得て好機を狙う。43分、試合を動かしたのはホーム川崎F。MF橋本のクロスにFW大塚が右足を合わせ先制点を決めた。

 後半は、開始3分に川崎Fがまたも大塚のゴールで追加点を挙げた。MF三好のスルーパスに抜け出し、冷静に流し込んだ。2点を追う仙台は、15分すぎからFWハモン・ロペス、MF金久保、MF三田と主力を投入し反撃に出る。しかし得点できたのは40分のハモンのPK1点だけ。川崎FはGK安藤のファインセーブも光り、勝利した。仙台はナビスコ杯初黒星を喫した。

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A組神戸、大宮が8強へ B組は首位仙台が敗れ混戦

<ナビスコ杯>◇1次リーグ◇25日◇等々力など

 A組の神戸が名古屋を4-0で下して勝ち点を13とし、1試合を残して同組2位以内を確定、準々決勝進出を決めた。湘南が甲府に0-1で敗れたため、試合のなかった大宮のベスト8入りも決まった。鹿島-磐田は引き分けた。

 B組は前節首位の仙台が川崎に1-2で敗れ、横浜Mは新潟と引き分けた。全日程を終えた川崎が勝ち点8で首位。得失点差で仙台、横浜Mが続き、試合のない柏と新潟が同7の混戦となった。福岡-鳥栖は引き分け。

 最終節は6月5日に行われる。

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神戸3年連続決勝T進出!新人MF中坂プロ初ゴール

前半、神戸MF中坂(右)は先制ゴールを決める。GK荻(撮影・築山幸雄)

<ナビスコ杯:神戸4-0名古屋>◇1次リーグ◇25日◇ノエスタ

 神戸が、生え抜きの新人MF中坂勇哉(18)のプロ初ゴールで、3年連続の決勝トーナメント(T)進出を決めた。

 前半10分にFWレアンドロのパスに反応した中坂が、相手GKと衝突しながらも右足ループシュートを決めて先制。同19分にはFW渡辺主将が追加点を挙げた。さらに、終了間際にも途中出場のFW石津、DF高橋峻と連続ゴール。

 不敗(4勝1分け)を守りA組2位以内が確定した。

 初めて決勝Tに進んだ14年は8強、昨年は4強とじょじょに成績を上げており、今季はクラブ初タイトルへの期待がかかる。

 既に1次リーグ敗退が決まっている名古屋はいいところなし。1分け4敗の未勝利のままでA組最下位。

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仙台バットマン二見が出撃「目の前の敵は全部倒す」

フェースガードを着用しアップする二見(中央)ら選手たち。右のフェースガードは常田

 さあ、バットマン出撃だ。仙台は今日25日にナビスコ杯で川崎Fと対戦する。チームは現在、グループリーグ2勝2分けで首位。この日の結果次第では、3年ぶりの決勝トーナメント進出も決まる。この大一番に、10日前に鼻骨を骨折したDF二見宏志(24)が強行出場。黒いフェースガードを着用し、力強いプレーで勝利を呼び込むと意気込む。

 太陽に照らされ黒光りするマスク。突如、泉サッカー場に現れた覆面ディフェンダーは「ウチが勝つことしか考えずにやるだけです」と力強く言い切った。その二見は、15日に石巻で行われた仙台大との練習試合中に鼻骨を骨折。3日ほど練習を休み、黒色の特注マスクを手に入れて復活した。今週中に行われた紅白戦でも主力組の左サイドバックでプレーし、渡辺監督も「大いに期待する」と活躍を楽しみにする存在だ。

 顔は隠しても、当たり負けしない「強い守備」は隠さない。顔の上半分を覆うフェースガード。DF渡部には「まじダサいな~」と笑われたが「はなをかむ時は痛いっすけど、プレー中に接触したりしてもすでに折れてるんで怖いもんなしですからね。これ(フェースガード)があれば大丈夫」と強気にいく。見え方が気になるところだが「これだけ見えてれば俺でもボランチくらいできるんちゃいます?(笑い)」。視野の広さが求められるポジションに名乗りを上げるほど、フィットしている様子だ。

 姿はまるでバットマン。入団1年目のファン感謝祭ではピンクレディーの衣装で熱演し、今回はバットマンに変身した関西人DFは「今度こそ川崎Fに勝つ」とリベンジに燃える。4日のリーグ戦を敵地で戦い1-1で引き分けた相手との再戦。「グラウンドや会場の雰囲気も分かってるんで戦いやすい。メンバーも変わるかもしれないんで勝機はあると思う」。

 川崎Fでゴールを量産し、スーパーマンさながらの活躍を続けるエースFW大久保が出場なら、まさにバットマンVSスーパーマンの夢対決だ。陽気な性格でどこまでも明るい男は「目の前の敵は全部倒すつもり。うち(仙台)が勝って帰るだけです」と笑顔で仙台を出発した。【成田光季】

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磐田GK志村が猛アピール「チャンスつかみたい」

リラックスゲームでボールを投げる磐田GK志村

 弱冠20歳の磐田GK志村滉がプロデビューに向け、猛アピールした。今日25日のナビスコ杯アウェー鹿島戦に備え、24日には磐田市で最終調整。居残り練習では名波浩監督(43)の左足から放たれる強烈なシュートに食らいついた。昨季はリーグ戦でベンチ入りは1回のみ。今季はナビスコ杯とリーグ戦で各1回ベンチ入りし、公式戦の初陣を待ち構えてきた。

 GK陣はカミンスキー(25)が股関節付近を痛め、八田直樹(29)も腰の違和感で別メニューという緊急事態だ。名波監督の意向で、志村がGK奥田達朗(27)とともにスタメンの有力候補。志村は「やるべきことはやったし、緊張はしていない。チャンスをつかみたい」と気合十分だ。

 1次リーグ突破には鹿島戦の勝利が絶対条件となる。J1の歴史の中で黄金カードとして名勝負が多かったアウェー鹿島戦。ミーティングで名波監督は「カシマスタジアムで勝つと、気持ちいい」と選手を鼓舞した。カシマスタジアムではJ1通算4勝1分け15敗と相性は悪いが、高卒2年目の志村は「いいスタジアムで、うれしい」と前向き。若きGKは静かにスタンバイしている。【保坂恭子】

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新潟カリウ「点取りたい」連続スタメン&初得点狙う

入念にシュート練習をするFWカリウ(右)

 新潟FWカリウ(20)が2試合連続スタメンと、来日初得点を狙う。新潟は今日25日、ナビスコ杯第6節で横浜と対戦する。勝ち点6でBグループ4位につける新潟は、同3位の横浜に勝てば決勝トーナメント進出に近づく。一方、敗れれば厳しい状況になる。

 そんな大事な一戦、カリウは「点を取りたい。自分が取れなくても、チームが得点できる形をつくりたい」と、得点に絡む意欲をみせる。前節柏戦では、スタメンで来日後公式戦初出場。前半で交代したが、中央突破からシュートに持ち込む力強さを見せた。その好プレーから、横浜戦のスタメンの可能性が高まった。

 好きな動物はトラ。「トラはどんな相手にも負けないパワフルな動物。自分もパワフルでいたい」。その言葉通りに威力のあるシュートを練習から見せている。GKのブロックをはじくミドルに、鋭い弾道のヘディングを連発。「柏戦に出たことで、チームメートに自分のスタイルを知ってもらえたと思う」と自信をつけた。

 さらに深く分かり合うために、日本語の勉強を欠かさない。練習後は、平仮名のプリントを片手にチームメートやスタッフに日本語で話しかけている。日々の努力と表に出始めた能力を、ホームのピッチで得点に変える。【斎藤慎一郎】

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川崎F板倉が仙台戦でデビューへ「対人で負けない」

 川崎Fがフレッシュなメンバーで25日のナビスコ杯仙台戦に臨む。

 21日のリーグ戦から先発を一新し、プロ2年目のDF板倉滉(19)のデビューが濃厚になった。板倉は「チャンスは急に巡ってくるものだと感じた。対人と競り合いに負けないようにしたい」と初陣へ意欲を見せた。

 GK安藤駿介(25)も4年ぶりの先発へ名乗りを上げる。「この時のために練習してきた。自分のプレーに自信を持って、気負わず力を出したい」。板倉も安藤も川崎Fユース出身。安藤は「0で抑えることで(板倉)滉も自信を持てると思う」と後輩への援護を誓っていた。

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新潟平松「ホームでゴール決めたい」25日横浜戦

ナビスコ杯横浜戦に向けてシュート練習を行うFW平松

 新潟は23日、ナビスコ杯第6節横浜戦(25日、デンカS)に向けての練習を聖籠町の練習場で行った。FW平松宗(23)が今季初、そして、自身のホーム初ゴールを狙っている。

 「ホームで勝ちたい。個人的にもビッグスワンでゴールを決めたい」。それを示すように、平松は練習ではボールに食らいついた。こぼれ球を拾っては狙い、球際もGKとの接触を怖がらずにシュートを放った。

 前節柏戦(18日)では、MF小塚和季(21)の決勝ゴールをアシスト。2-1の勝利に貢献した。「ぎりぎりで判断を変えるなど、考えて動くことができている」。ただ、自身はまだ今季無得点だ。ルーキーだった昨季はナビスコ杯のアウェー、松本戦でプロ初得点。この後、リーグ戦も合わせてゴールがない。

 新潟ジュニアユース(現新潟U-15)、新潟ユース(現新潟U-18)と下部組織で育った。ホームのデンカSでのゴールを決めることは夢でもある。新潟は、リーグ戦で3試合連続無得点での引き分け中。守備の堅さと同時に得点力不足も浮き彫りに。「決めるべきところを決めれば勝てる」と平松。

 決定的な場面をものにして、自身の夢を現実のものにする。【斎藤慎一郎】

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仙台、勝てば1次リーグ突破も あす川崎F戦

ナビスコ杯1次リーグ突破へ「次で決めたい」と話すMF水野

 仙台は明日25日、アウェーのナビスコ杯で川崎Fと対戦。現在グループステージ負けなし(2勝2分け)と好調でBグループ首位に立つ。明日の結果次第では1次リーグ突破が決まる「大事な試合」(渡辺監督)。サイドハーフ(SH)での先発起用が濃厚なMF水野晃樹(29)は「タイトルを取るために次(川崎F戦)で決めたい」と話した。

 新緑鮮やかな木々に囲まれた紫山練習場。トレーニング後、照りつける太陽に顔を向け「光合成中」と水野は楽しそうな表情を見せた。中臀(でん)筋負傷の傷も癒えた今、調子はうなぎのぼり。代名詞のドリブルも「実戦の中でキレのあるやつが出てきているし、セットプレーのキックも当たってるからね」とニヤリ。勝ち点3を得れば、8強入りした13年以来3年ぶりの決勝トーナメント進出に大きく近づく。千葉時代に同杯の優勝を経験している元日本代表MFは「複数得点で勝って公式戦連勝も予選突破も…ってあれこれと欲が出てくる。何にせよ、しっかりと結果を出すことが大事」と笑顔で話した。

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磐田先発9人入れ替えも大宮に敗戦 2位以内遠のく

ヘディングで競り合う磐田FW斉藤(左)

<ナビスコ杯:大宮1-0磐田>◇1次リーグA組◇18日◇NACK

 アウェーの磐田が0-1で大宮に敗れ、1次リーグ突破が難しくなった。リーグ戦の13日アウェーG大阪戦(1-2)から先発9選手を入れ替えて臨んだものの、前半25分に痛い先制を許した。後半はMFアダイウトン(25)、MF太田吉彰(32)らを投入したが、無得点に終わった。これで通算1勝1分け2敗となり、1次リーグ突破条件となる2位以内を確保するのは厳しい状況となった。

 1次リーグ突破に向け、敵地のピッチに立った磐田の選手たちは、運動量豊富に走り回った。前半2分、MF上田康太(30)のFKから今季初先発となったDF高木和道(35)が相手DFと競り合いながらヘッドでゴールを狙ったが、右へ外れた。同18分に獲得したFKも最後は大宮にクリアされた。

 試合前から「先制点を与えたくない」と話していた守備陣が同25分に失点した。右サイドを突破され、ゴール前でのディフェンスも徹底できなかった。この日、元ギリシャ代表DFパパドプーロスの新加入が発表。激しい定位置争いに備え、ベテランDF陣は無失点でアピールしたいところだったが、先制点を許した。

 攻撃陣はボールを保持しながら、シュートまで持ち込めない展開に苦しみ続けた。相手守備を崩せず、前半はわずかシュート1本という状況だった。

 名波浩監督(43)の「シュートを積極的に打っていこう」との指示を受け、選手たちは後半開始からダイレクトプレーを増やし、前線も流動的になった。同16分、MFアダイウトン(25)が途中出場。DFラインも3バックから4バックに変更し、アダイウトンの1トップになった。同25分、MF松浦拓弥(27)のパスからFW斉藤和樹(27)が枠内シュートを放つが、相手GKに阻まれた。大宮とは昨季と今季のリーグ戦で3戦引き分けてきた難敵だった。ナビスコ杯でも勝つことができず、悔しい敗戦となった。【保坂恭子】

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新潟小塚、公式戦初得点 後半27分V弾で勝ち点3

柏対新潟 後半27分に勝ち越しゴールを決めたMF小塚

<ナビスコ杯:柏1-2新潟>◇1次リーグB組◇18日◇柏

 新潟が2-1で柏を下した。1-1の後半27分、MF小塚和季(21)のJ1公式戦初得点で勝ち越し、そのまま逃げ切った。新潟は勝ち点6となり、1次リーグのグループ2位以上が進む、決勝トーナメントへの可能性を残した。

 鮮やかなボレーシュートでMF小塚がネットを揺らした。後半27分、ペナルティーエリア内に入ったFW平松宗(23)が折り返したボールをダイレクトでたたきこんだ。

 その瞬間、目の前に陣取ったゴール裏の新潟サポーター、そして自軍ベンチが沸き返る。小塚はチームメートがつくった歓喜の輪の中で喜びに浸った。

 プロ入り4年目、これがJ1公式戦初得点。昨季まで山口に1年半期限付き移籍し、今季復帰。後半10分にMF伊藤優汰(23)のゴールで先制したが、同21分に追いつかれた。その6分後、武者修行の成果を見せた。

 決して満足できる状況ではなかった。この試合がリーグ戦第7節広島戦以来の公式戦出場。リーグ戦ではその後、ベンチからも外れていた。

 ただ、練習から集中力は落としていなかった。全体練習後の自主トレでは、相手を見つけては、パス、シュートの精度を上げてきた。そんな努力が大事な一戦で形になった。

 この日の新潟は前戦のリーグ戦浦和戦(14日)から、FW平松を除いて10人スタメンを入れ替えた。DF西村竜馬(22)、FWカリウ(20)、そして新潟U-18所属の2種登録選手、DF長谷川巧(17)はJ1公式戦は初出場だ。

 試合前は1次リーグBグルーブの順位は勝ち点3で6位。負ければ決勝トーナメント進出が厳しくなる厳しい状況。「そういうことは考えず、まず全力を出すこと」。MF成岡翔(31)が言うように、まず目の前の一戦に集中した。

 勝ち点3を挙げたことで、自力での決勝トーナメント進出の可能性が残った。なにより、控えメンバーが見せた意地はチーム力が上積みされている証しでもあった。【斎藤慎一郎】

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大宮MF大山プロ3年目初ゴール 1次L突破へ弾み

<ナビスコ杯:大宮1-0磐田>◇1次リーグA組◇18日◇NACK

 大宮MF大山のチーム初ゴールで、1次リーグ突破へ大きな勝利を手にした。

 前半25分、右サイドMFマテウスからのパスを、体勢を崩しながら左足で決めた。大宮ユース出身のプロ3年目で、ようやく初得点を挙げ「今までチームに貢献できなくて、やるせなかった。やっと踏み出した第1歩。大宮で結果を残すことが目標」と話した。

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柏FW伊東復帰戦飾れず…クロスとシュート精度反省

新潟戦でドリブルする柏FW伊東

<ナビスコ杯:柏1-2新潟>◇1次リーグB組◇18日◇柏

 柏FW伊東が復帰戦で右サイドバックとしてフル出場した。

 縦への突破が光ったが、得点に絡めず、試合も敗れ「クロスやシュートの精度が悪かった」とうつむいた。U-23日本代表のガーナA代表との親善試合メンバーに選出されていたが、全治1週間の左足長母趾(ちょうぼし)屈筋挫傷で辞退し、手倉森監督から「リーグ戦見てるぞ」と送り出された。快足自慢の23歳は「結果を出すだけ」とうなずいた。

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大宮、A組首位守る 昨年覇者鹿島は3敗目喫し敗退

<ナビスコ杯>◇1次リーグ第5節◇18日◇柏ほか◇6試合

 A組の大宮は磐田に1-0で競り勝ち、勝ち点を11に伸ばして首位を守った。

 神戸は甲府を2-0で下し、同10で2位。昨年覇者の鹿島は湘南に2-3で逆転負けし、3敗目を喫して敗退が決まった。

 B組の横浜は福岡に2-1で逆転勝ちし、勝ち点7で3位に浮上した。

 新潟は2位の柏を2-1で破り、2勝目で同6とした。鳥栖-川崎Fは引き分けた。試合のなかった仙台が勝ち点8で首位。

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柏敗退もU23代表候補の伊東、突破力で存在感

新潟戦でドリブルする柏FW伊東

<ナビスコ杯:柏1-2新潟>◇1次リーグ◇18日◇柏

 U-23(23歳以下)日本代表候補の柏FW伊東純也(23)が復帰した。

 右サイドバックとしてフル出場。後半25分、右サイドを駆け上がり、中央へ切り込んで、左足シュートするなど縦への突破力が光った。それでも得点に絡めず、試合も1-2で敗れ、表情は晴れなかった。

 伊東は「チャンスはあったけど、クロスは悪かった。シュートの精度もいまいちだった」とうつむいた。

 U-23(23歳以下)日本代表のガーナA代表との親善試合メンバーに選出されながら、全治1週間の左足の長母趾(ちょうぼし)屈筋挫傷。「自分としてはやりたかった。できるという感じでした」。しかし、許可が下りず、参加辞退を余儀なくされた。「タイミングが悪すぎる」。いつもはひょうひょうとしている伊東が、がっくりとうなだれた。

 チームを去る時、U-23(23歳以下)日本代表の手倉森誠監督(48)から声をかけられた。「リーグ戦見てるぞ」。リオデジャネイロ五輪の前哨戦、トゥーロン国際のメンバーからも外れ、代表で直接アピールする機会を失った。それでも手倉森監督の言葉を信じて、気持ちを切り替えた。スピードが自慢の23歳は「結果を出すだけです」。逆転でのリオデジャネイロ五輪出場を諦めていなかった。

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川崎F逃げきれずドロー 風間監督「勝てず残念」

<ナビスコ杯:鳥栖1-1川崎F>◇1次リーグB組◇18日◇ベアスタ

 川崎Fは逃げきりに失敗した。

 リーグ戦で5戦連続不敗中(4勝1分け)と相性の良かった鳥栖戦。得点ランク首位のFW大久保嘉人(33)やMF中村憲剛(35)ら主力不在も、得意とする細かいパスワークで翻弄(ほんろう)しオウンゴールで先制した。

 だが後半、3選手を入れ替えて逆襲に転じた鳥栖に追いつかれた。風間八宏監督(54)は「勝つチャンスがありながら勝てず残念」と悔しがった。

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磐田名波監督「怖がったサッカー」1次L突破厳しく

ピッチを見る磐田の名波監督

<ナビスコ杯:大宮1-0磐田>◇1次リーグ◇18日◇NACK

 磐田は1次リーグ1勝1分け2敗となり、突破が厳しい状況となった。

 前半はボールを保持する時間帯もあったがゴール前まで持ち込めず、シュート0本に終わった。後半16分からMFアダイウトン(25)を投入し、1トップに入れて攻撃に厚みを持たせた。さらにMF太田吉彰(32)も途中出場し、サイド攻撃が活性化したが、得点は奪えなかった。

 名波浩監督(43)は「前半は、怖がったサッカーをしてしまった。大宮の守備の堅さ、ボールを奪った後のファーストプレー、前へのパスの正確さを我々も学んでいかないといけない」と話した。

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大宮が1次L突破に前進 決勝点大山「吹っ切れた」

<ナビスコ杯:大宮1-0磐田>◇1次リーグ◇18日◇NACK

 ホームの大宮が勝利し、A組1位をキープした。1次リーグ突破に、大きく近づいた。

 前半25分、右サイドMFマテウス(21)からのパスを、MF大山啓輔(21)が体勢を崩しながら左足で決めた。後半は磐田の攻撃を守りきり、完封勝利を挙げた。

 プロ3年目で、大宮で初得点を挙げた大山は「(初得点が)勝利につながったことがうれしい。今まで期待する声をかけてもらっても勝利に貢献できていなくて、やるせない時期もあった。初得点でちょっと吹っ切れました」と笑顔で話した。ニューヒーロー賞の対象選手でもあり「まだ1点だけですけど、狙える年齢なのでアピールしていきたい」と意欲を見せた。

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新潟決勝T進出に望み MF小塚がボレーで決勝弾

後半27分に勝ち越しゴールを決めたMF小塚(右)

<ナビスコ杯:新潟2-1柏>◇1次リーグ◇18日◇日立柏

 新潟が2-1で柏を下し、1次リーグBグループ4位に浮上。決勝トーナメント進出に望みをつないだ。新潟はリーグ戦第5節福岡戦(4月2日)以来の公式戦勝利になった。

 決勝点を挙げたのは、4年目のMF小塚和季(21)だった。FW平松宗(23)がヘディングで折り返したボールを、ダイレクトボレーでたたき込んだ。

 「ボールはあまり見ていなかった。ミートだけをこ心がけた」。これがJ1公式戦初得点。1年半、山口に期限付き移籍し、今季新潟に復帰した。ゴール後、チームメートにもみくちゃにされ、「久しぶりに味わった感覚」と笑顔が絶えなかった。

 吉田達磨監督(41)は「小塚と成岡(翔)の2人は、何にものまれることなく90分間戦っていた」と勝負強さをたたえた。小塚にとっては、リーグ戦第7節広島戦(4月15日)以来の出場だ。J1公式戦初得点にも「今度はリーグ戦で決めたい」。つけた自信がチームの武器にもなる。

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