<ノルディックスキー:ワールドカップ(W杯)ジャンプ男子>◇個人第22戦>◇17日(日本時間18日)◇ドイツ・ビリンゲン(ヒルサイズ=HS145メートル)
小林陵侑(22=土屋ホーム)が4試合ぶりの勝利をつかみ、今季、通算ともに11勝目を挙げ、日本勢初のW杯個人総合優勝に“王手”をかけた。
史上6人目のシーズン11勝は日本勢では前例がなく、16度目の表彰台も98-99年シーズンの船木和喜(フィット)の15度を更新する日本勢のシーズン最多となった。
首位を独走するW杯個人総合は1620点となり、早ければ次戦3月10日オスロ大会(ノルウェー)で日本勢初の快挙が達成される。
◆W杯総合優勝争い 1大会ごとに優勝100点、2位80点、3位60点から30位1点まで与えられる。小林陵は第22戦終了時点でトップの1620点で、1145点の2位ストッホ(ポーランド)を475点リード。個人戦は残り6戦、次戦終了時点で小林陵と2位以下の差が500点以上になると総合優勝が決定する。
◆W杯総合優勝と日本勢 過去に総合優勝者はおらず、97-98年シーズンに船木和喜(W杯通算15勝)が総合2位となったのが最高。総合3位は船木が96-97年、葛西紀明(W杯通算17勝)が92-93年と98-99年の2度記録。総合4位はW杯通算9勝の原田雅彦が97-98年、W杯通算5勝の岡部孝信が96-97年に1度ずつ。
◆W杯ジャンプの賞金 男子は優勝が1万スイス・フラン(約110万円)で2位8000、3位6000と下がり、30位で100。小林陵は第22戦終了時点で18万9733スイス・フラン(約2087万630円)となる。女子は男子より少なく優勝で3000、2位2400、3位1800…と下がり、こちらも30位まで与えられる。
小林陵侑今季の活躍度
◆W杯シーズン勝利 15-16年プレブツ(スロベニア)の15勝が最多。日本勢では小林陵11勝が最多で、昨季までの葛西紀明7勝(98-99年)を更新し続けている。女子は13-14年高梨沙羅の15勝が最多で、高梨の15-16年14勝が2番目。
◆W杯勝率 小林陵は今季出場22戦11勝で勝率50%。「鳥人」と呼ばれたニッカネン(フィンランド)は87-88年シーズンに14戦10勝で勝率71・4%を記録、15-16年にシーズン最多15勝のプレブツは出場29戦で勝率51・7%。
◆W杯連勝 男子は小林陵を含めた6連勝が最多。第1号は04-05年アホネン(フィンランド)で、05年ハウタマキ(フィンランド)07年モルゲンシュテルン(オーストリア)09年シュリーレンツァウアー(オーストリア)の5人いる。女子は15-16年に高梨沙羅が10連勝。
◆ジャンプ週間完全V 小林陵の今季4戦4勝での総合優勝は、01-02年ハンナバルト(ドイツ)17-18年ストッフ(ポーランド)以来3人目。日本勢の総合優勝は97-98年の船木和喜以来2人目。(共同)