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◆外国人記者コラム◆

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【無料公開】制限を設けなければ、何でも可能だ/大谷翔平

(2021年11月25日公開コラム)
Anything is possible if we don’t put limitations

エンゼルスの大谷翔平が満票でア・リーグのMVP(最優秀選手)を獲得した。そのことは制限を設けることで、その選手の能力をも制限してしまう可能性を示した。

去年までの3年を振り返ると、大谷はトミー・ジョン手術(側副靱帯=じんたい=再建術)、左膝手術など、故障・手術・リハビリを繰り返した。結果的に“何ができるか”ではなく、“何をすべきではないか”ーーにフォーカスが置かれるようになった。

恥ずかしながら、私もその1人だ。2018年に彼がトミー・ジョン手術をしたとき、もう投手をあきらめ、打者に専念すべきだと思った。それは「両方で結果を残すことはできない」という意味ではなく、負担が大きすぎて故障のリスクを避けられないと考えたからだ。手術明けの19年は、指名打者に専念。右肘リハビリの影響もあり、106試合に出場にとどまったが、18本塁打、打率2割8分6厘。162試合に出場すれば、おそらく30発以上は打てたはずで、それで十分じゃないかとも考えた。

昨年は二刀流として復帰したが、2試合に先発しただけで、右前腕の屈筋群を損傷。さすがにもう、二刀流をあきらめるべきーーいや、あきらめるのでは、という見方が圧倒的だった。打者としては、44試合に出場し、打率1割9分、7本塁打に終わっており、打者としての調整に専念ができなかったことで、オフェンスにも影響が出たと多くは疑ったのである。去年の8月、エンゼルスは大谷に外野と一塁の練習をさせた。当時、ジョー・マドン監督はその意図を聞かれても、「気分転換」などと話し明言を避けたが、打者に絞り、指名打者ではなく野手として再起させるのなら、“それもあり”。そんな空気だった。

ところが今年、エンゼルスが示した方向は、真逆。1つに絞るどころか、すべての制限を取っ払い、降板後、ときに外野さえ守らせた。そこまで見据えての外野の守備練習だったのである。

ペリー・ミナシアンGMは先日、改めて大谷の起用を振り返り、「うまくいった」と話すなど、“してやったり”という表情だったが、彼らにしても確信があったわけではない。科学的なエビデンスがあって、決断したわけでもない。しかし、思い返せば今年の春、マドン監督がこんな話をしていた。

「若い投手がメジャーに上がってくる。故障のリスクを考え、最初は球数やイニングに制限を設けることが多い。しかし、それが必ずしもうまくいくとは限らない。むしろ、逆の結果が出ることが多い。だから、その選手の能力に制限を設けるべきではないと昔から思っていた」

そこが、大谷に自由を与えた決断の背景だという。

「ショーヘイに関してもこれまで、制限を設けてきたが、必ずしも機能しなかった。そもそも、ずっと制限なしでやらせてみたいと思っていた。自分自身で判断させたいと思っていた」

マドン監督は、早ければ昨シーズン途中から試したかったようだが、右前腕の負傷で先送りに。しかし今年、開幕からリアル二刀流を解禁すると、そのまま1年を走りきった。

固定観念が能力をも制限してしまう可能性はおそらく、野球に限った話ではない。今までできなかったから無理だと決めつけることで、子供が成長する機会をも奪ってしまう。大谷の1年は、指導のあり方まで含めて、示唆に富んでいた。

【マイク・ディジオバンナ】

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◆成績ランキング◆

打率
選手チーム打率
1グリエルアストロズ0.319
2ブラントリーアストロズ0.3113
3ゲレロジュニアブルージェイズ0.3112
4T・アンダーソンホワイトソックス0.309
5N・ロペスロイヤルズ0.300
本塁打
選手チーム本塁打
1ゲレロジュニアブルージェイズ48
1ペレスロイヤルズ48
3大谷エンゼルス46
4シミエンブルージェイズ45
5ハニガーマリナーズ39
5ロウレイズ39
5オルソンアスレチックス39
5ジャッジヤンキース39
打点
選手チーム打点
1ペレスロイヤルズ121
2アブレウホワイトソックス117
3エルナンデスブルージェイズ116
4デバースレッドソックス113
5ゲレロジュニアブルージェイズ111
5オルソンアスレチックス111
防御率
選手チーム防御率
1レイブルージェイズ2.84
2マッカラーズアストロズ3.16
3コールヤンキース3.23
4モンタスアスレチックス3.37
5ベリオスブルージェイズ3.52
勝利数
選手チーム勝利数
1コールヤンキース16
2フレクセンマリナーズ14
2柳賢振ブルージェイズ14
2マッツブルージェイズ14
5モンタスアスレチックス13
5シィースホワイトソックス13
5E・ロドリゲスレッドソックス13
5マッカラーズアストロズ13
5レイブルージェイズ13
5ロドンホワイトソックス13
奪三振
選手チーム奪三振
1レイブルージェイズ248
2コールヤンキース243
3シィースホワイトソックス226
4モンタスアスレチックス207
5ベリオスブルージェイズ204
セーブ
選手チームセーブ
1ヘンドリックスホワイトソックス38
2R・イグレシアスエンゼルス34
3チャプマンヤンキース30
4R・プレスリーアストロズ26
5クラッセインディアンス24
5バーンズレッドソックス24
打率
選手チーム打率
1T・ターナードジャース0.328
2ソトナショナルズ0.313
3ハーパーフィリーズ0.3094
4カステラノスレッズ0.3088
5A・フレイジャーパドレス0.305
本塁打
選手チーム本塁打
1タティスパドレス43
2デュバルブレーブス39
3アロンソメッツ37
4ボットレッズ36
4マンシードジャース36
打点
選手チーム打点
1デュバルブレーブス114
2ライリィブレーブス107
3アルビーズブレーブス106
3マチャドパドレス106
5アレナドカージナルス105
防御率
選手チーム防御率
1C・バーンズブルワーズ2.43
2シャーザードジャース2.46
3ビューラードジャース2.47
4ウッドラフブルワーズ2.56
5ウィーラーフィリーズ2.78
勝利数
選手チーム勝利数
1ウリアスドジャース20
2ウェインライトカージナルス17
3ビューラードジャース16
4シャーザードジャース15
5モートンブレーブス14
5ウィーラーフィリーズ14
5ガウスマンジャイアンツ14
5フライドブレーブス14
5ヘンドリックスカブス14
奪三振
選手チーム奪三振
1ウィーラーフィリーズ247
2シャーザードジャース236
3C・バーンズブルワーズ234
4ガウスマンジャイアンツ227
5ノラフィリーズ223
セーブ
選手チームセーブ
1メランコンパドレス39
2ジャンセンドジャース38
3W・スミスブレーブス37
4ハダーブルワーズ34
5E・ディアスメッツ32

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