◆外国人記者コラム◆
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【無料公開】新しい“大谷ルール”から利益得るエンゼルス
(2022年3月31日公開)
大谷翔平がメジャーリーグに来てから、ロースターに“二刀流”という新しいカテゴリーが設けられた。
ただ、そのためには、投手として20イニング以上を投げ、20試合以上(各試合で3打席以上)野手としてスタメン出場しなければならない。そういう選手が増えれば、チームは起用において柔軟性は生まれるが、条件のハードルが高く、これまでそれをクリアしたのは大谷だけ。よって、ルールそのものが有名無実化してしまっていた。
しかし今回、もう少し、現実的なルールが生まれた。なんと、昨年のオールスターで例外的に適用された、投手・指名打者として先発し、降板しても指名打者として出場を続けられるというルールが正式なものとなったのである。少なくとも、今回の新労使協定が有効な5年間は適用される。
もちろん、現時点でこのルールの恩恵を受けるのは大谷しかおらず、早くも“大谷ルール”と呼ばれているが、これで将来、二刀流をやってみたいという子どもたちが増え、ドラフト前にどちらかに絞る必要がなくなれば、新しい可能性が広がる。リーグとしてはそこに狙いがあり、大谷の人気、インパクトを無駄にしたくない、という思惑が透ける。
将来ではなく、“今”ということであれば、エンゼルスに大きなメリットがあり、ジョー・マドン監督は「もちろん、ありがたい」とニンマリだ。
「それが適用されるケースは稀で、実際、そんな投手がいるとは思わないが、我々にとっては素晴らしいニュースだ」
一方で相手の監督にしてみれば、不利益でしかないのだが、極端な抵抗はない。もちろん、大谷本人も歓迎する。
「チーム的にもすごい大きいことかなと思うので、自分が登板するとき、しっかりとそれを生かして、攻める気持ちを持って積極的に頑張りたい」
昨年、先発して早い回で降りた場合、その後の選手起用が難しくなるため、大谷は「チームに迷惑がかかる」と、少なからずプレッシャーを感じていた。そこから開放されるだけでも利点があり、また負けている展開で降板しても、バットで取り返すチャンスが生まれることから、その点でもプラスだ。
ただ、これで大谷はますます休めなくなる。ナ・リーグでもDHが採用されることになったので、今回のルール改正で、大谷は全試合、全イニング、制限なく出場できるようになった。それは同時に、マドン監督にとっては強制的に休ませる選択肢が奪われたことにもなり、今後はどのタイミングで休ませるのか、その点で頭を悩ませなければならない。
疲労の蓄積で成績が下がれば本末転倒だが、大谷という選手の登場でオールスターのルールが変わり、それがそのまま通常のルールともなった。改めて彼のインパクトの大きさを感じさせられる。
【マイク・ディジオバンナ】
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◆成績ランキング◆
打率順 | 選手 | チーム | 打率 |
---|
1 | ボガーツ | レッドソックス | 0.344 |
2 | T・アンダーソン | ホワイトソックス | 0.336 |
3 | フランス | マリナーズ | 0.331 |
4 | デバース | レッドソックス | 0.324 |
5 | クロフォード | マリナーズ | 0.322 |
本塁打順 | 選手 | チーム | 本塁打 |
---|
1 | ジャッジ | ヤンキース | 12 |
2 | アルバレス | アストロズ | 11 |
2 | バクストン | ツインズ | 11 |
4 | スタントン | ヤンキース | 10 |
5 | トラウト | エンゼルス | 9 |
5 | リゾ | ヤンキース | 9 |
打点順 | 選手 | チーム | 打点 |
---|
1 | J・ラミレス | ガーディアンズ | 33 |
2 | スタントン | ヤンキース | 31 |
3 | ジャッジ | ヤンキース | 27 |
4 | 大谷 | エンゼルス | 26 |
5 | フランス | マリナーズ | 25 |
防御率順 | 選手 | チーム | 防御率 |
---|
1 | コーツ・ジュニア | ヤンキース | 1.35 |
2 | バーランダー | アストロズ | 1.38 |
3 | コペック | ホワイトソックス | 1.54 |
4 | ブラックバーン | アスレチックス | 1.67 |
5 | マノア | ブルージェイズ | 1.71 |
勝利数順 | 選手 | チーム | 勝利数 |
---|
1 | バーランダー | アストロズ | 5 |
2 | R・ロペス | ホワイトソックス | 4 |
2 | ホルムズ | ヤンキース | 4 |
2 | シンバー | ブルージェイズ | 4 |
2 | ブラックバーン | アスレチックス | 4 |
2 | マノア | ブルージェイズ | 4 |
2 | ライアン | ツインズ | 4 |
2 | ギルバート | マリナーズ | 4 |
2 | レイ | マリナーズ | 4 |
2 | ローレンツェン | エンゼルス | 4 |
奪三振順 | 選手 | チーム | 奪三振 |
---|
1 | シィース | ホワイトソックス | 58 |
1 | マクラナハン | レイズ | 58 |
3 | ガウスマン | ブルージェイズ | 54 |
4 | モンタス | アスレチックス | 53 |
5 | レイ | マリナーズ | 50 |
セーブ順 | 選手 | チーム | セーブ |
---|
1 | ロマノ | ブルージェイズ | 12 |
2 | ヘンドリックス | ホワイトソックス | 9 |
3 | チャプマン | ヤンキース | 8 |
3 | R・イグレシアス | エンゼルス | 8 |
5 | クラッセ | ガーディアンズ | 7 |
打率順 | 選手 | チーム | 打率 |
---|
1 | マチャド | パドレス | 0.359 |
2 | ホスマー | パドレス | 0.350 |
3 | ベル | ナショナルズ | 0.336 |
4 | ボーム | フィリーズ | 0.315 |
5 | J・イグレシアス | ロッキーズ | 0.313 |
本塁打順 | 選手 | チーム | 本塁打 |
---|
1 | ハーパー | フィリーズ | 9 |
1 | クローン | ロッキーズ | 9 |
1 | シュワルバー | フィリーズ | 9 |
1 | レンフロー | ブルワーズ | 9 |
1 | アダムス | ブルワーズ | 9 |
打点順 | 選手 | チーム | 打点 |
---|
1 | テレス | ブルワーズ | 29 |
1 | アロンソ | メッツ | 29 |
1 | アレナド | カージナルス | 29 |
4 | ハーパー | フィリーズ | 27 |
5 | クローン | ロッキーズ | 25 |
防御率順 | 選手 | チーム | 防御率 |
---|
1 | P・ロペス | マーリンズ | 1.05 |
2 | マイコラス | カージナルス | 1.49 |
3 | M・ケリー | ダイヤモンドバックス | 1.71 |
4 | C・バーンズ | ブルワーズ | 1.77 |
5 | キンタナ | パイレーツ | 2.19 |
勝利数順 | 選手 | チーム | 勝利数 |
---|
1 | ウェブ | ジャイアンツ | 5 |
2 | ムスグローブ | パドレス | 4 |
2 | ビューラー | ドジャース | 4 |
2 | ウッドラフ | ブルワーズ | 4 |
2 | P・ロペス | マーリンズ | 4 |
2 | スアレス | フィリーズ | 4 |
2 | グレイ | ナショナルズ | 4 |
2 | メギル | メッツ | 4 |
2 | ウェインライト | カージナルス | 4 |
2 | カーショー | ドジャース | 4 |
2 | シャーザー | メッツ | 4 |
2 | フライド | ブレーブス | 4 |
2 | バシット | メッツ | 4 |
2 | ロドン | ジャイアンツ | 4 |
奪三振順 | 選手 | チーム | 奪三振 |
---|
1 | C・バーンズ | ブルワーズ | 57 |
2 | ロドン | ジャイアンツ | 56 |
3 | シャーザー | メッツ | 55 |
3 | ノラ | フィリーズ | 55 |
5 | ライト | ブレーブス | 50 |
5 | マナエア | パドレス | 50 |
セーブ順 | 選手 | チーム | セーブ |
---|
1 | ハダー | ブルワーズ | 13 |
1 | ロジャース | パドレス | 13 |
3 | D・バード | ロッキーズ | 9 |
4 | E・ディアス | メッツ | 8 |
4 | ジャンセン | ブレーブス | 8 |
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