<オープン戦:マリナーズ8-1アスレチックス>◇22日(日本時間23日)◇アリゾナ州ピオリア
マリナーズのイチロー外野手(45)が、昨年5月2日以来、296日ぶりとなる復帰初戦を、2点適時打で飾った。
アスレチックスとのオープン戦に7番左翼でスタメン出場。3回2死満塁の第2打席に、右前へ2点打を放った。その後、代走を送られ、2打数1安打2打点だった。マイナー契約で招待選手の立場でもあり、結果を求められるだけに、まずは好調なスタートを切った。
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イチローが、帰ってきた。今キャンプで初めて「背番号51」の水色ユニホームに袖を通すと、軽快な足取りでグラウンドへ飛び出した。296日ぶりの実戦。日米通算28年目を迎え、通算3602試合に出場してきた大ベテランが、見慣れたはずのベンチからの景色に特別な感情を覚えていた。
「すごく緊張しました。最初に(メジャーに)来た時とも違うね。どれとも違う緊張感でしたね」。
例年のオープン戦とは、明らかに違う。過去の野球人生で最長のブランク、渡米後19年目で初めてとなる招待選手の立場。代名詞の「51」は同じでも、イチローの心は、いつになく張り詰めていた。
「緊張するのはいつものことだけど、こういう種類のものは初めて。当然初めての経験だから初めての緊張感。でも、こういう種類のものを味わうとは確かに思っていなかったです」。
2回無死走者なしの第1打席は、右腕ヘンドリクスの時速94マイル(約151キロ)の速球に押され、捕邪飛に倒れた。迎えた3回2死満塁の第2打席。カウント2-2から救援左腕バクターが投げた真ん中高め、91マイル(約147キロ)の速球にバットを折られながらも右前へ運んだ。実戦での安打は昨年4月22日のレンジャーズ戦以来、306日ぶり。大きな拍手を背に受けながらも、イチローは表情ひとつ変えることなく、代走と交代し、ベンチへ向かった。
「あの安打ではちょっと恥ずかしいです。それは奇麗な方がいいんだけど、でも(ファンの)気持ちはうれしいわね」。
低く沈む新打撃フォームでの初安打。イチロー自身は「恥ずかしい」と振り返ったが、高めの速球にバットをかぶせる「技」の一打だった。同打席の2球目には内角高めの速球に、やや振り遅れるかのような空振りを喫した。5球目の安打は、ブランクを感じさせない、持ち前の高い修正能力が生んだものだった。
「この緊張感は今日だけだと思う。毎日緊張すると思うけど、これは今日だけのものだと思う。次はどう試合の感覚を取り戻すか、というステップですね」。
マ軍首脳陣は日本での開幕2連戦(3月20日、21日)でのベンチ入りを明言しているものの、その後の処遇は未定。今オープン戦で結果を求められることに変わりはない。
「(今までと)変わった立場がありますからね。当然だと思います」。
周囲の限界説を覆すためだけではない。常に安打を狙うイチローの姿勢は、何ら変わっていない。【四竈衛】
ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは22日、パドレス入りが決まった大物フリーエージェント(FA)のマニー・マチャド内野手に言及。昨年12月に代理人とともにニューヨークを訪れた際には金銭に関する話はしなかったと語った。
10年3億ドル(約330億円)の契約をパドレスと結んだマチャドについて、キャッシュマンGMは「彼には興味があった。だからこそ代理人との交渉を進めていた。いい雰囲気で話ができていたと思う」とコメント。マチャド側との関係は良好だったと示唆した。
なお同GMは、いまだ去就が決まっていない大物FAのブライス・ハーパー外野手については、獲得に否定的な見方を示している。
エンゼルス大谷翔平投手(24)が23日(日本時間24日)、段階が上がったリハビリの現状と今後について語った。
前日からティ-スタンドに置いた打球を打ち始め、素振りに限定されていたメニューからステップアップ。この日は前日の20球(5球ずつ4セット)より多い25球(5球ずつ5セット)、ティー打撃を行った。
久しぶりにボールを打つ練習を行い、「前進したなというところで1つ良かったなと思います。また次のステップまでしっかり継続して取り組んで行ければ」と冷静に振り返った。
力の入れ具合は「ほぼ思い切り打ちます」と、スイングは100%に近い強度。次のステップの予定については「1週間単位か分からないですけど、それくらいかなと思います」と、大まかな見通しを示した。
今キャンプ開始の前日に大谷のリハビリ過程について話したオースマス監督によれば、素振りから置きティー打撃、下からトスしたボールを打つ練習と、段階を踏んでいく予定。「打たないよりはボールが実際にあって打った方が楽しい。前から(ボールが)来た方がもっと楽しいですし、(今は)やれているクオリティーは低いですけど、でも楽しいかなと思います」。5月ごろの打者復帰へ向け、リハビリは順調だ。
<オープン戦:マリナーズ8-1アスレチックス>◇22日(日本時間23日)◇アリゾナ州ピオリア
マリナーズのイチロー外野手(45)が、昨年5月2日以来、296日ぶりとなる実戦復帰を果たした。アスレチックス戦に「7番左翼」でスタメン出場し、2打数1安打2打点だった。 2回裏無死走者なしの第1打席は捕邪飛に倒れた。
だが、3回裏2死満塁で迎えた第2打席。カウント2-2から左腕ブッチャーが投げた真ん中高め、91マイル(約147キロ)の速球を右前へ運び、2打点を挙げた。
そのまま、代走を送られて交代した。
イチローが試合で安打を放ったのは、昨年4月22日のレンジャーズ戦以来、306日ぶり。
試合後は「すごい緊張しました。最初に来た時とも違う。緊張するのはいつものことだけど、こういう種類のものは初めて」と振り返った。
今キャンプには招待選手として参加中。スタンドからの大歓声について「あのヒットではちょっと恥ずかしい」と話す一方で、結果を求められることについて「(今までとは)変わった立場がありますから。当然だと思います」と、淡々と話した。
マリナーズ菊池雄星投手(27)が、イチローと初めてハイタッチを交わした。オープン戦初戦をベンチから観戦。適時打を放ったイチローを、笑顔で出迎えた。「一ファンとして見ていた感じ。すごく興奮しました。やっとメジャーに来たんだという実感も、今日でわいてきた部分もあります。一緒にできるのは夢のようなこと、大きな楽しみのひとつでしたけど、あらためて本当に幸せだな」と少年のような表情で話した。
午前中の練習では、2回目となる実戦形式の打撃練習(ライブBP)に登板。ゴードンら主軸3人を相手に、のべ7打席で対戦し、2イニングに相当する25球を投げた。結果は10スイングで安打性の当たり0、ゴロ1、ファウル6、空振り3と上々の仕上がりを見せた。
25日(同26日)のレッズ戦で初登板する予定。「いい状態で投げられた。より精度の高いものにして、いい形で初戦を迎えられればと思っています」。イチローとの「初競演」が実現する可能性もあるだけに、注目の一戦となりそうだ。
エンゼルス大谷翔平投手(24)が20日(日本時間21日)、早ければ3月中旬にもスローイング再開の見通しを示した。チームとは別メニューで強化トレーニングや素振りで調整。練習後、投手としてのリハビリ予定について「(キャンプの)終盤でちょっと投げられれば良いかなと。何通りかプランを立てていきたい」と明かした。
現状は室内での地道なトレーニングが続くが「やれることも増えているので、何事も面白い」と前向きだ。最短で5月ごろの打者復帰に備え、空き時間には昨季を復習。「この投手はこういう印象だよなっていう確認。相手投手を中心に、最初から最後まで見ている」とデータや映像で振り返っている。オープン戦には出場しないが「もちろん出なくても(試合を)見ると思う」とうなずいた。
順調なら今週中にもティー打撃を再開するが「100%で振った時に(右肘に)怖さがない確認をして、そこからティーにいく感じ」と慎重に進めていく。(テンピ=斎藤庸裕)
前日の打撃練習で右足スパイク外側に死球を受けたマリナーズのイチロー外野手(45)が21日(日本時間22日)、驚異的な回復をみせた。
「昨日は結構痛かったんですよ、実は」と明かした上で、回復状況を説明。アリゾナの自宅に設置している初動負荷マシンでトレーニングを行い、痛みがなくなったという。
「だって血流が良くなるから。じっとしていたら今日はアウトでしょう。普通でいったら、今日アウトで明日からという流れでしょうね」。未明からの降雨のため練習メニューが大幅に変更され、屋外練習は中止。屋内ケージでの打撃練習、ショートダッシュなど軽めのメニューながら軽快な動きを披露した。「昨日、寝る時点では、ああ、ちょっとなと。骨に異常ないことは分かっている。動きはどうかなというのはあったんだけど、起きたら100(%)じゃないけど、限りなく100に近いです」。
今回の死球に関して、一部で不安説が報じられていることについて「日本は置物のフクロウに誤報が流れていますから」。さらに「センセーショナルな方がいいからね。変な世の中になったね、まったく。じゃあ、それに乗っていきますか」と笑い飛ばした。(ピオリア=四竈衛)