<オールカマー:追い切り>

ダービー馬のお目覚めだ。オールカマー(G2、芝2200メートル、23日=中山、1着馬に天皇賞・秋優先出走権)に出走するレイデオロ(牡4、藤沢和)が美浦ウッドで3頭併せを行い、5ハロン69秒4-13秒3を計時。ドバイ遠征後、半年ぶりの実戦。掛かり気味の今年2戦から心身の成長を感じさせた。神戸新聞杯以来1年ぶりの勝利に向けてルメール騎手(39)も好感触を得た。

王者の目覚めだ。先導したレッドオーガー(古馬1000万)、その4馬身後ろに控えたゴーフォザサミット(3歳オープン)からさらに2馬身後方。レイデオロが馬なりで加速した。直線では大きく追わずとも、着実に前2頭との差が縮まる。進路は最内。最後はゴーフォザと鼻面を並べて、オーガーを半馬身抜き去った。ルメール騎手は「いいコンディション。動き、反応はとてもよかった。パワーアップして、今週は“起きて”きました」と笑みをこぼした。

ダービーコンビが威厳を取り戻す。自身が騎乗停止のためバルジュー騎手に手綱を譲った京都記念は3着、初の海外遠征となったドバイシーマCが4着に終わった。どちらも道中で口を割り、ダービー時の自在な立ち回りが影を潜めた。この日は直線で仕掛けるまでは行儀の良い追走。前2戦での過剰な前進気勢は抑制できている。「大人になりました。フィジカルもメンタルもトップレベルになった。休み明けなので、実戦勘だけです」。動きに満足。気性の成長には大満足。仕切り直しへ、心身の態勢は整った。

不穏なデータを打ち破り、1年ぶりの勝利を手にする。過去にダービー馬は3頭が出走し、57年ハクチカラなど2着2回が最高で勝てていない。先週は全弟レイエンダが同じ舞台のセントライト記念で2着に敗れた。それでも、流れを拭い去るだけの好イメージが鞍上にはある。「どこでもポジションは問題ない。馬のリズムが一番大切。2000メートルから2200メートルくらいがベストなので、頑張ります」。常に勝利を求められるのがダービー馬という立場。半年ぶりのレースにたたき台の意味合いはない。【松田直樹】

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