<香港カップ>◇10日=シャティン◇G1◇芝2000メートル◇3歳上◇出走12頭◇1着賞金1425万香港ドル(約2億1300万円)

 香港国際競走がシャティン競馬場で行われ、4レースに8頭が出走した日本馬は1頭も勝ち星を挙げられなかった。香港カップのネオリアリズム(牡6、堀)、香港ヴァーズのトーセンバジル(牡5、藤原英)の3着が最高。日本馬の未勝利は3年ぶりとなった。なお、メインの香港カップは3番人気(JRAオッズ)の香港馬タイムワープ(せん4)が逃げ切った。

 日本から大挙訪れたファンの熱い声援が、落胆の嘆きに変わった。好位3番手につけたネオリアリズムだったが、直線を向くと、逃げるタイムワープに一気に突き放される。さらに、外を追い込んできたワーザーにもかわされ、勝ち馬から3馬身3/4差の3着。4月のクイーンエリザベス2世Cに続く、香港G1“春秋”制覇はならなかった。モレイラ騎手は「最初に少し行きたがった。よく頑張ったが・・・」と言葉少なに振り返った。

 この中間、同騎手は同馬について「すごく強いが、同じぐらい難しい馬だ。スタートを失敗したり、何か想定外のことが起こると、勝負どころに行くまでに燃え上がるところがある。いかにリラックスして走らせてあげるかだ」と話していた。この日はまさにその悪い予感が当たってしまった形。馬場入りからややイレ込み、スタート直後から向正面まで引っ掛かって首を上げた。16-17シーズンまで3期連続の香港リーディングで、17-18シーズンもトップを走る名手をもってしても御しきれなかった。

 昨年はモーリスでカップを、サトノクラウンでヴァーズを制した堀師にとっても無念の敗戦。「4月よりいいスタートを切れたが、ペースが向かず、力を100%出せなかった」と振り返った。日本馬全体でも、香港国際競走では3年ぶりの未勝利となった。それでも挑戦は続く。ネオは来春、連覇がかかるクイーンエリザベス2世C(G1、芝2000メートル)を視野。今回の敗戦が糧になることは間違いない。【柏山自夢、栗田文人】

  1. お得な新入会プラン登場! 競馬情報サイト【極ウマ・プレミアム】
  2. 競馬予想に【ニッカンAI予想アプリ】