愛され続けて10年-。「極ウマくん」誕生10周年記念の特別連載「10years」の第3回は、デビュー10年目を迎えた三浦皇成騎手(27=鹿戸)に注目した。08年にJRA新人記録となる91勝を挙げて大ブレイクした一方、昨年の落馬による大けがで1年間の休養も経験。波瀾(はらん)万丈の10年間を経た今、これからの夢を語ってもらった。

 極ウマくん同様、三浦騎手も「愛され続けて10年」を日々痛感している。大けがから8月12日の札幌で復帰。当日は降り続く雨の中、大勢のファンが競馬場に足を運んでくれた。その後も関係者からの騎乗依頼は着実に増え、ファンからは温かい声援が送られている。「1年も休んでいたのに依頼してくれている関係者、そして、待ってくれていたファンに感謝したい」。今、心の底からそう思う。

 08年、デビュー当日に初勝利を挙げると破竹の勢いで勝ちまくり、気がつけば年間91勝を挙げていた。まず破られることはないと言われていた武豊騎手の新人記録(69勝)をあっさりとクリア。周囲から「天才の再来」とはやし立てられた。その後はルーキーイヤーを超えられない年月が続き、期待が大きいがゆえの厳しい声も浴びた。そして落馬負傷。「デビュー当時は減量もあって、いい馬にたくさん乗せてもらい、相当にいい成績を残せた。ただ、そこからいろんなことがあって、壁にもたくさんぶつかった。もちろん、去年の大ケガも。いい時よりも、悪くて悩んでいた時のことの方がよく覚えています」と振り返る。

 激動の10年を経て今、再び夢へ向かって走りだした。9月16日の中山ではデビュー通算600勝を達成。同時にJRA・G1勝利とリーディング争いという大きな目標を掲げた。「いい馬に乗って結果を出すのがトップジョッキーの定義。G1を勝つ人は常にG1に乗っているし、そういう人が自然にリーディングになる。『頑張る』という程度じゃ、とてもその高みにはいけないが、必ず自分もそのレベルになりたい」。

 復帰後は毎日課題が見つかるという。今後も壁にぶつかることも覚悟している。それを1つ1つクリアし、必ず落馬前よりも進化した姿を見せたい。「けがをしたことで自分を見つめ直せた。今の方が冷静に分析、研究して、柔軟に次の騎乗につなげられていると思う」。休んだ時間は決して無駄ではない。試練を糧に、次の10年の飛躍を誓う。【栗田文人】

 ◆三浦皇成(みうら・こうせい) 1989年(平元)12月19日、東京生まれ。08年3月1日の中山でデビュー(6着)。同日に初勝利(フェニコーン、3戦目)を挙げる。同年に91勝を挙げ、武豊騎手の持つ新人年間最多勝利記録(87年=69勝)を21年ぶりに更新。昨年8月14日札幌での落馬により、1年間の休養。今年8月12日の札幌で復帰した。11年にタレントほしのあきと結婚。JRA通算6930戦601勝(1日現在)。JRA重賞は10勝。統一G1勝利は14年川崎の全日本2歳優駿(ディアドムス)がある。

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