<京都大賞典>◇9日=京都◇G2◇芝2400メートル◇3歳上◇出走15頭◇1着馬に天皇賞・秋の優先出走権

 実りユタカな秋の始まりだ。武豊騎手(48)に導かれ、スマートレイアー(牝7、大久保)が重賞4勝目を挙げた。後方で脚をため、イン強襲の直線一気。次戦のエリザベス女王杯(G1、芝2200メートル、11月12日=京都)で悲願のG1制覇に挑む。鞍上は史上初の同一重賞9勝目とJRA・G2通算100勝を達成した。

 気温30度に迫った淀を熱くわかせた。検量室前に戻った武豊騎手が右手を握って喜びを表す。相棒の毛色と同じ白い歯が、西日を浴びて輝いた。後方からイン強襲の直線一気。ロスのない手綱がさえた。内ラチ沿いから最後はトーセンバジル、シュヴァルグランの間を突き抜け、ゴール前で追う手を止める余裕もあった。昨年(キタサンブラック)に続く連覇で同一重賞9勝目、JRA・G2通算100勝目。またも前人未到の記録を打ち立てた。

 「ためにためて、最後はすごい脚で伸びてくれた。直線半ばでは『進路さえできれば』と思った。(記録は)そうなんですか、うれしいですね」

 あらゆる作戦をシミュレートしていた。さすがはレジェンドだ。逃げても追い込んでも勝てる自在型。「いろいろ考えていた。先手をとることも、今日のようなことも。(ゲートを)出てから考えようと」と明かす。発馬直後に内外から寄られて後方へ下がったが、慌てることはなかった。

 大久保師にとっても会心の勝利だ。大目標のエリザベス女王杯を見据え、あえて定石の府中牝馬Sではなく、本番と同じ京都外回りを前哨戦にチョイスした。G1では過去8度の挑戦で3歳時の秋華賞2着が最高。「牝馬限定にこだわらずにステップを選んで、最高の結果を出せた。(次戦へ)見通しは明るい。体調を整えてぶつけていきたい」と緩んだ頬を引き締めた。

 さあ、実りの季節がやってきた。ユタカは「もう7歳なので今年がラストチャンスのつもりで挑んでいる。女王杯でいい結果を出したい。来週からもいい馬がいるし頑張ります」と誓った。年齢と経験を積み重ね、まだまだ衰え知らず。円熟の人馬が熱い秋をさらにヒートアップさせる。【太田尚樹】

 ◆京都大賞典の関西馬勝利 グレード制導入84年以降、関東馬が2勝(95年ヒシアマゾン、98年セイウンスカイ)した以外はすべて関西馬が勝ち、今年で32勝目となる。99年ツルマルツヨシから19連勝中。

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