ゴールドアクター(牡6、中川)で宝塚記念に挑む横山典弘騎手(49)は陣営との綿密な打ち合わせを経て、天皇賞・春(7着)からの巻き返しの手応えをつかんだ。岩田康誠騎手(43)はレインボーライン(牡4、浅見)で直線勝負に懸ける。

 横山典騎手は言った。「負けに不思議の負けはない。敗因は必ず何かがある」。遠くを見つめ、眉ひとつ動かさない。キタサンブラック1強ムードは、頭の中にない。どうすればゴールドアクターの100%の力を引き出せるか。それだけを考えている。

 初コンビの天皇賞・春は7着。出遅れて、流れにも乗れず敗れた。「競馬の前から妙に落ち着いていた。2走ぼけなのか、走りも、競馬が終わった後の息の入りも。むしろ、あれでよく7着にきた」。ただ、陣営が1つでも上の着順を目指し、調整を施した上での敗戦だ。結果を受け入れ、先につなげる。スタッフとも話し込み、自分なりに改善点も伝えてきた。

 1週前追い切り後、身ぶり手ぶりで感触を担当者に伝える姿があった。「少し気になるところがあったから。俺自身、この前が本来の走りじゃないだろうって思っている」。普段の運動時から、1歩ごとの踏み込みを意識するように話したという。15年の有馬記念を制したグランプリホース。その実力を認めているからこそ、もう1つタイトルを取らせたい。

 今週、力を出し切れそうな手応えを感じた。「火曜に見た時も歩き姿がいいなと思った。正直、短期間でここまで変わるかって感じもした。阪神がどうとかより、順調かどうかが大事。馬自身は絶対にいい方に向いている」。大本命メジロマックイーンを封じたメジロライアンの91年、1番人気ゴールドシップを連覇に導いた14年。そして今年も、大仕事をやってくれそうな機運が高まってきた。【松田直樹】

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