<オークス>◇21日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳牝◇出走18頭

 クリストフ・ルメール騎手(38)騎乗の1番人気ソウルスターリング(藤沢和)が快勝し、G1・2勝目を飾った。勝ちタイムは2分24秒1。道中は好位の内で折り合い、直線早めに先頭に立って押し切った。断然人気に推されながら3着に敗れた桜花賞の雪辱を果たすとともに、藤沢和雄師(65)はJRA史上2人目となる重賞100勝(うちG1・25勝)を達成。騎手、調教師とも悲願のダービー制覇に弾みがついた。

 初夏の日差しを浴び、ソウルスターリングが堂々の先頭でゴールを駆け抜けた。ルメール騎手は右手を上げて声援に応えると、たてがみをなでて愛馬をたたえる。ウイニングランで右手を回し、最後はファンにゴーグルを投げ入れて喜びを分かち合った。「とてもうれしい。お母さんのスタセリタでフランスオークスを勝って、その子でジャパニーズオークスを勝てた。素晴らしい」。2番手から直線早めに抜け出したレース内容まで母と同じだった。

 単勝1・4倍だった桜花賞でまさかの3着。だが自信は揺るぎなかった。「馬場が悪く、外枠だったから」。すぐに気持ちを切り替え、レース当週の追い切りにまたがって好感触をつかんだ。「今日は自信があった。スタートが速く、楽にいいポジションが取れた。長くいい脚を使うから直線ですぐに押した。反応も良かったし、ゴールまで頑張った。今日が一番強かった」とまくしたてた。

 まさに「ミスター・メイ」の面目躍如だ。先週のヴィクトリアM(アドマイヤリード)から2週連続G1制覇。15年にJRA騎手になって以降、5月の勝ち数、勝率などで断トツの成績を残している。「5月は好きですね。季節もいいし、馬も自分も調子が上がります」と言う。前日20日は38歳の誕生日。自らに最高のプレゼントを贈った。

 今週は同じ藤沢和厩舎のレイデオロで、自身にとっても、師にとっても悲願の日本ダービー制覇を狙う。「ダービーは一番大切なレース。来週(師と)もう1つ一緒に勝ちたい」。フランスでも経験がないという3週連続G1制覇だが、今のルメールなら、あっさり成し遂げても誰も驚かない。【栗田文人】

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