<クイーンエリザベス2世C>◇4月30日=香港シャティン◇G1◇芝2000メートル◇3歳上◇出走8頭

 単勝2番人気に推されたネオリアリズム(牡6、堀)が、2度目の海外遠征で悲願のG1を初制覇した。“マジックマン”の異名を持つJ・モレイラ騎手(33)が残り1000メートル地点で果敢に仕掛けて先頭に立ち、地元香港のパキスタンスターの猛追を首差振り切った。勝ちタイムは2分04秒59。日本馬は02、03年連覇のエイシンプレストン、12年ルーラーシップに続く4度目の優勝。15年の豪G1を制した兄リアルインパクトに続き、日本調教馬で初の兄弟海外G1制覇となった。

 “マジックマン”の本領発揮だ。モレイラはスタートがひと息だったネオリアリズムを無理せず6番手で折り合いに専念。前半の半マイルが54秒8の超スローペースで流れると、中間地点の残り1000メートルで動き、一気に先頭に躍り出た。直線に向くと、後続の動きを見ながらゴーサイン。懸命の手綱さばきで、外から迫るワーザー、さらにその外を伸びたパキスタンスターを制し、先頭でゴール板を駆け抜けた。

 初コンビで同レース初勝利を挙げたモレイラは派手なガッツポーズで喜びを爆発。直後のインタビューで「非常にスローで、どこかで自分から動かないとと思った。ゴール前でビュッと伸びるというより、長くいい脚を使う馬なので、勝負に行かせた。このメンバー相手に勝ててうれしい」と声を弾ませた。

 過去3年の香港の優勝馬を退け悲願のG1初制覇。昨夏の札幌記念で世界のモーリスを撃破し、今年初戦の中山記念でG1馬4頭を一蹴したネオリアリズムの評価は香港でも高かった。この日は連覇を狙うワーザーに次ぐ単勝3・3倍の2番人気に推された。堀師は「今回は馬の学習能力にも助けられ、前回よりいいコンディションで出走させることができ、いいレースをお見せすることができました」とコメント。ムーア騎乗で9着に敗れた昨年末の香港Mの敗戦を糧に結果を出し、笑顔が弾けた。

 これで堀師の海外G1勝利数は単独トップの6勝(豪で1勝、香港で5勝)。世界を股に掛ける国際派トレーナーとして名を刻んだ。今後について堀師は「日本に帰ってから馬の状態を見てレースを選択していきたいと思います」とコメント。海外G1・3勝の世界のモーリスの航跡をたどっていくことになりそうだ。

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