天皇賞・春(G1、芝3200メートル、30日=京都)の枠順が27日、JRAから発表された。

 歴史は繰り返す。横山典弘騎手(49)が2強対決に待ったをかける。21年前の96年天皇賞・春。離れた3番人気サクラローレルとのコンビで、ナリタブライアン、マヤノトップガンの一騎打ちの間隙(かんげき)を突いて優勝した。騎手の腕が問われる長丁場。春の盾3勝の名手が、ゴールドアクター(牡6、中川)で再現を目指す。

 復活の布石は打ってある。2週前、1週前と続けて追い切りに騎乗し、イメージを膨らませてきた。「走りとか馬の形だったり、毛色が違うだけで(父の)スクリーンヒーローに似ている。乗り味もいい時の走りに似ている」。昨年のオールカマー優勝以降は惜敗が続くが、現役時代に5回騎乗した父に姿を重ね、逆襲の手応えを感じている。

 横山典騎手 競馬の組み立てでどれが最善か、勝つためにいろいろ考えている。操縦性はいいけど、周りが見ているほどやさしくはない。(アクターは)人を区別する馬。接する人によって馬も感じ取る。(吉田)隼人にも、篠島(調教助手)にも、俺にも違う気持ちで走ってくれる。それが競馬で良い方に出れば。でも、まず状態あってのこと。これだけの馬だから、そこに不安がないのはいい。

 魅力あふれるコンビ結成だ。G1・25勝のうち、5勝がテン乗りでの勝利。後続を7馬身もちぎった04年イングランディーレの大逃げVもそう。乗り替わりで騎乗馬の新たな強さを引き出してきた。ノリなら何かやってくれる-。そんな周囲の期待に結果で応えてきた。「見ていいレースだったな、こんないい走りをしてくれたな、と俺自身が納得できる騎乗をしたい」。今年も波乱を起こしにいく。【松田直樹】

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